以前も検討しつつ、時が流れてしまっていますが、12年使用しているNEC MultiSync LCD2690WUXiの後継機をそろそろ検討しています。
4Kの時代になってきたので、解像度としては4Kは欲しいところ。もちろん、IPS液晶、ハードウェアキャリブレーション対応、AdobeRGB色域を確保、10bit表示は最低限欲しいところです。
しかしながら、まだまだ選択肢は少ない、かつハードウェアキャリブレーション対応機はおしなべて高価なのが難点です。
というわけで、検討している27インチディスプレイを比較してみました。それより大きいのは、置けなさそうなので。
| EIZO ColorEdge CS2740 | DELL UP2720Q | BENQ SW271 | ViewSonic VP2785-4K |
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画面サイズ | 27インチ | 27インチ | 27インチ | 27インチ |
解像度 | 3840×2160 | 3840×2160 | 3840×2160 | 3840×2160 |
パネルタイプ | IPS | IPS | IPS | IPS |
バックライトタイプ | 高色域LED | 白色LED | 白色LED | 白色LED |
カラーモード | Adobe RGB sRGB | AdobeRGB sRGB DCI-P3 BT.709 BT1886 BT.2020 | AdobeRGB sRGB DCI-P3 BT.709 | AdobeRGB sRGB BT.709 DCI-P3 |
表示bit/LUT bit | 10bit/16bit | 10bit/? | 10bit/14bit | 10bit/14bit |
HDR | – | – | HDR10 | HDR10 |
ユニフォーミティ補正 | 対応(自動) | 対応(自動) | 非対応 | 対応(CAL時手動) |
H/W CAL | 外部キャリブレータ | 内蔵/外部キャリブレータ | 外部キャリブレータ | 外部キャリブレータ |
入力端子 | USB Type-C (DisplayPort Alt Mode, HDCP 1.3), DisplayPort (HDCP 1.3), HDMI (Deep Color, HDCP 2.2 / 1.4) | 1 x DP 1.4(HDCP 2.2)、2 x HDMI 2.0(HDCP 2.2)、1 x Thunderbolt 3(DP 1.4) | 2x HDMI 2.0、1x DP 1.4、 1x USB Type-C | DisplayPort 1.4 x 1 / Mini DisplayPort 1.4 x 1 / HDMI 2.0 x 2 |
遮光フード | 別売り | 付属 | 付属 | 別売り |
実売価格 | 18万円強 | 18万円弱 (キャンペーン価格時) | 13万円強 | 10万円弱 |
27インチ 4K ハードウェアキャリブレーション対応ディスプレイ
思いつく4機種を並べてみました。
EIZO ColorEdge CS2740
本命ですかね。EIZOといえば、まだメーカー名がナナオだったCRTの時代から、プロフェッショナル向けモニタのメーカーとして有名です。
CRTから液晶ディスプレイに時代が変わる頃、ColorEdge系はやや不作で(よりによって見る角度で色が変わるVA液晶だった)、それが理由で、今Yamaroが使っているNEC LCD2690WUXiにしたという経緯もありましたが、今ではやはりアマチュア向けとしても最高峰のディスプレイメーカーとして君臨しています。
CS2740は、待望の27インチ4K液晶ディスプレイとして登場、ハイアマチュア向けCSシリーズとして、性能に非の打ち所はないですね。まさに待っていました!的なディスプレイ。
USB Type-Cの接続も可能で、トレンドは抑えています。
ただし、HDR10といった表示には非対応、DCI-P3やBT.2020といった動画系の表示設定には非対応と、写真編集向けとして特化されています。動画向けには、CS2740-Xが存在しますが、なぜわざわざ分けたのでしょうね?
写真向けディスプレイとしてはハイアマチュアが買える最高峰ですが、価格は18万円強と高価な上に、遮光フードは別売りというのが難点で、遮光フードを買うとトータルで20万円近くしてしまいます。
DELL UP2720Q
DELLといえばパソコンメーカーですが、ディスプレイにも力を入れているメーカーです。実はこれまでもハードウェアキャリブレーション対応液晶は出していましたが、イマイチ知名度がありませんでした。
そのDELLが初めて出した27インチ4Kハードウェアキャリブレーション対応モニタが、DP2720Qです。
以前の同社のディスプレイにはなかったユニフォーミティ補正や、遮光フード付属など、やっと候補にできるディスプレイになった気がします。
ただ、相変わらずDELLのHPは情報が不足で、スペック表を書くのにも、レビュー記事やニュースサイトの記事を参考にしました。せっかくのディスプレイが、HPの情報不足故に、やる気があるのかないのかイマイチわかりません。
動画系のDCI-P3、BT.709、BT.2020に対応し、USB Type-C接続も可能と、最近のトレンドは全て抑えています。
また、比較4機種で唯一、キャリブレーターを内蔵しているのも特徴で、遮光フード付属と合わせて、初期投資を抑えられるのもポイントです。
ただし、値段はEIZOに迫る18万円弱(DELLキャンペーン価格時)で、キャンペーンがないと20万円以上するなど、EIZOとほぼ同じ値段となり、だったらDELLよりEIZOにするよね、となってしまうのが残念なところ。
BENQ SW271
BENQと言えば台湾のディスプレイメーカーで、昔は安物がメインだった気がしますが、今ではPC用ディスプレイメーカーのトップ3に入るメーカーです。
BENQがハードウェアキャリブレーション対応ディスプレイを出していることを知ったときは、衝撃を覚えるとともに、日本のメーカーの凋落を感じたのも事実。
今は撤退した三菱ディスプレイや、27インチ4Kディスプレイの販売がなく、ハードウェアキャリブレーション対応機も数が少なくなってきた、シャープNECディスプレイも、選択肢にないわけです。
BENQ SW271は台湾メーカーらしく、コスパが高く、なにせ13万円強で変えてしまうのですから、国産勢(もはやEIZOしか存在しない…)が真っ青ですね。
HDR10対応、かつBT.709、BT.2020やDCI-P3といった動画系表示に対応しているものいいですね。
遮光フードも付属じて、もはや非の打ち所はないと思われるディスプレイですが、唯一のウイークポイントとして、写真編集用ディスプレイには欲しいユニフォーミティ補正(色ムラ補正)がないこと。
やや色むらが大きいというユーザーレビューも見かけました。
この辺りが気になるのと、発売が2017年とこの中ではやや古く、ユニフォーミティ補正付きの次期モデルがそろそろ出るのではないか、というのもあって、今手を出しにくいかな…と個人的に思っている機種でもあります。
ViewSonic VP2785-4K
恐らく、これ以上のハイコストパフォーマンスモデルはないと思われるのが、ViewSonic VP2785-4Kです。
ViewSonicというメーカーは、正直馴染みがありませんが、台湾でも中華メーカーでもなく、アメリカのメーカーです。CRT時代には日本に輸出していましたが、液晶時代は日本での販売はしばらくなく、ここ最近販売を再開したようです。
何と言っても、そのコスパの高さは、BENQの更に上を行き、なんと最安値で10万円を切っています。
にもかかわらず、人感センサー付き、DCI-P3やHDR10対応、USB Type-C対応と、トレンドもしっかり押さえています。
ユニフォーミティ補正も備えていますが、他社は自動で計測して補正するのに対し、本機はキャリブレーション時に、画面の複数の場所にキャリブレータを置いて計測するので、面倒なのが難点です。そこが価格なりと言えば価格なりですが、BENQ SW271はそもそも非対応なので、なかなか健闘していると言えます。
欠点は、日本での知名度が低く、サポート体制がよくわからないことでしょうか。
とはいえコスパ最強なので、2台目モニタとしても使える価格なのが魅力でしょう。なお、Amazonには取り扱いはありませんでした。
遮光フードですが、国内正規販売では取り扱いはないものの、輸入で純正の物があるようです。ただ、簡易的にかぶせるタイプみたいですね。
以上、27インチ4Kのハードウェアキャリブレーション対応モニタ4機種を挙げてみました。この中では安心安定のフラッグシップEIZO、色々惜しいDELL、知名度とコスパのBENQ、最強コスパのViewSonic、という感じで、迷うところですね。
ただ、今使っているNEC LCD2690WUXiが自動ユニフォーミティ補正対応なので、それを考えると、EIZOが高くても安心かな、と思います。値段だけがネックです。さてはて、どうしようかな?