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Nikon F90Xのシャッターカウント数

Nikon F100のシリアル通信が不調な件で、F90Xも引っ張り出してきたついでに、SoftTALKで色々設定を見直していました。

Nikon純正のF90/F90XフォトセクレタリーAC-PW-Jでは、カメラの状態表示はこんな感じでした。

Nikon F90・F90Xフォトセクレタリー AC-PW-J

これがサードのソフトであるSoftTALK2000では、もう少し多くの情報が表示できます。

SoftTALK2000ではシャッターカウント(Total Frames)が表示できる!

Statusの項目をよく見るとTotal Frames、つまりシャッターカウント数が表示できるのです!
デジタルカメラでは当たり前にシャッターカウント数が撮影データに付与されますが、フィルムカメラではカメラ本体でそれを行わない限り不可能です。

元々、私の使っているF90Xは、マルチコントロールバックMF-26を搭載したF90Xsというモデルで、シャッターを切った回数を記録、またフィルムに焼き付け可能なアップカウント値(6桁)の機能があります。
ただ、現時点でMF-26はバッテリ切れとなっているため、アップカウント値は保持していないものと思っていました。
ところが数値はきちんと保持されている上に、空シャッターを切るとちゃんとカウント数が更新されるんです。いや30年前のカメラなのにすごいね!

そしてF90Xsをよく使っていた1998~2007年(Nikon D300購入まで)のおおよそ9年でのシャッターカウントは1万回なんですね。これは36枚撮りフィルムで277本程度です。
概ね月2,3本撮影していたので、だいたい感覚的には合っていますね。

フィルム時代にシャッター回数なんて気にしたことない

考えてみれば、デジタルからになり、段々とメモリ容量が上がってから、シャッターを切る数はそれこそ対数のごとく増加しましたね。フィルムでは当たり前ですが1本36枚程度。長尺フィルムを装填できる、例えばNikon F3用のフィルムバックMF-4250コマです。報道カメラマンなどプロカメラマンならともかく、一般的な素人カメラマンが切れるシャッター数は、フィルム時代ではたかが知れていたということです。
デジタルになった今では、1回の撮影で1万枚撮影したなんて話も聞きますが(ほぼ動画w)、それを私のF90Xでは9年かけて達成したわけで、シャッター幕の耐久数など、フィルムカメラの時代では素人にとっては気にすることではなかったのです。

それこそ業務用途、昔アサヒカメラで見たNikon F3の記事で、図書の複写用途でF3を使って80万回シャッターを切っても壊れなかったことが伝説のような扱いになっていますが、デジタルに成り1TBなんてメモリカードも当たり前になりつつある現在、もうメカシャッター耐久40万回でも足りない時代になり、Nikon Z 9 / Z 8、SONY α9IIIのようにセンサの読み出し向上でメカシャッターレスになるのがだんだん当たり前になっていくんでしょうね。

フォーカス距離も読み出せる

話を戻すと、SoftTALK2000では純正のフォトセクレタリーで表示できないフォーカス距離も表示されるんですね。

距離エンコーダ搭載のDタイプ以降のレンズならフォーカス距離も表示できる

コンマ1m単位でしか表示できませんが、ftとmの数値が変わるタイミングが異なるため、実際の距離エンコーダの分解能はもう少し高いと思われます。
この時のレンズはAF-S NIKKOR 35mm f/1.8G EDで、F90X発売当時はGタイプレンズは存在しませんでしたが、絞りリングが無く絞り優先やマニュアルモードでは最小絞りに固定されてしまう以外は問題なくF90Xで使用可能。超音波モータレンズも使えますし、絞りもプログラムオートからコマンドダイヤル回せば間接的に調整可能です。

世の中ではF100とF801シリーズに挟まれてやや不人気なF90シリーズですが、こんな感じで当時としてはかなり高機能なカメラだったわけです。
中古では二束三文どころか見かける機会も減ってきましたが、ファインダも良いので是非使ってみてくださいね。

Nikon F100の10ピンターミナルのシリアル通信が不調

先日スキャンしたフィルム、Nikon F100で撮影しましたが、F100では撮影データを専用ソフトで吸い出すことが可能です。
大昔に買ったNikon F90/F90X用のフォトセクレタリー用の10ピン-RS-232Cケーブルは、そのままF100でも使用できることは以前から記事として書いています。

今回も、フリーソフトのSoftTALKとRS-232Cケーブルでデータを吸い出そうとしたのですが…

Nikon F100と接続できない…

なんと接続できないではないですか…。去年SSDを改装してOSを入れ直して以来初めて使ったので、もしかしたらOS側の問題(Windows11)で使えなくなった?
シリアルポートの番号を変えたり、通信速度を変更してみても変化なし。以前は簡単につながったのに。

ケーブルが古くて断線しているかもしれない? 不具合の切り分けをしてみます。
そこで、Windows XPが入った古いPC(DELL XPS M1210)を久しぶりに引っ張り出してきました。

そしてカメラも、Nikon F90Xをまずは接続。シリアルケーブルはUSBに変換しています。

SoftTALK2000で通信できることを確認

久しぶりにWindows XPを起動。懐かしいな。このPCはもう16年前に買ったものですが、ちゃんと生きています。
そしてSoftTALKでちゃんと通信できることを確認。

ちなみにF90/F90X用のフォトセクレタリーでもちゃんと通信できました。

フォトセクレタリーでNikon F90Xを認識

つまり、フォトセクレタリーの通信ケーブル(シリアル-USB変換ケーブル含む)は問題ない。

どうやらF100の10ピンターミナルが駄目っぽい。ただ、ケーブルレリーズは使えたので、レリーズに関わる通信はできるけど、シリアル通信が駄目なようです。
何度か繋いだり外したりしているうちに、1度だけカメラを認識出来ました! そしてデータが吸い出せました。

何故か1回だけF100が認識されて、SoftTALKでデータを吸い出せた

そして、再び通信ができなくなりました。
カメラとしては普通に使えて問題ないし、F90/F90Xと違ってF100のカスタム設定はカメラ本体で可能なので、繋がらないとデータが吸い出せないくらいしか弊害はないのですが、なんだかモヤモヤする不具合ですね。もうそんな修理はできないだろうし、そもそもソフトもケーブルも大昔のもので、誰もサポートが出来ないですし。

あまり使いたくない接点復活剤を試しましたがやっぱり駄目で、F100側の通信コントロールチップが駄目なのかな?

たまにはノートPCにも給電したいのでPD65W対応充電器を買ってみた

先日、数年ぶりに泊まりの出張をしてきました。

若い頃は毎月何度かは出張し、泊まり出張もそこそこ多かったのですが、徐々に減って、コロナ禍になってからは出張すらしなくなりましたが、本当に久しぶりです。
夜はホテルで写真や動画編集すべく、PCを持っていったのですが、そんなに長時間使うわけではないので、内蔵バッテリフル充電で持つだろうと思いまして、大きく重たいACアダプタは持っていかなかったんですね。
そうしたら、やっぱり動画編集・画像編集はGPUによる処理が入るためか、ファンもガンガン回って、案外バッテリを消費しちゃったんです。
カタログスペック上は9.9時間となっていますが、実際には4時間程度でほぼ空に近い感じでした。

JEITAの測定法では9.9時間バッテリ駆動できるそうですが…

もちろん重い処理、特にGPUを使う処理をいていたので仕方ないとして、やっぱりPCに給電できるPD充電器、持っておいたほうが良いなと。
実はちょっと古い大きめなPD充電器は持っていますが、それは普段持ちのは大きく、今はカメラ用に使っているので、もう1つ買うことに。
ただ、使用頻度は低いので、あまり高くないやつで、と調べたら今やPD65W出力対応のものは2千円台からあるんですね。

今回はこれを買ってみました。

しかし不安になる安さですね。ANKERの同スペックの半額以下です。評価は悪くありません。そして届きました。

届いたものは、見た目は価格相応ではありますが、案外悪くないです。出力ポートも65Wと20W、ちゃんと分かれています。最近のチャイナは侮れませんな。
最大出力は65Wなので、もしPD65W対応のポートを使用した場合は、他のポートは使えません。3ポート同時出力した場合は、Type Cは両方合わせて45Wまで、Type AのQC3.0ポートは15Wとなります。
こういった制約はあるものの、PD65W出力させる機会はそう多くはないと考えれば、普段持ちできるギリギリのサイズで悪くはないスペックですね。

ASUS ROG Zephyrus G14に給電できるか試す

購入3年目(発売開始は2020年5月)のASUS ROG Zephyrus G14(GA401IU-R9G1660TWQ)は、本体左側のUSB3.1 Type-C Gen2ポートが給電と映像出力に対応しています。HPには特に記載がないですが、このPCはUSB PD給電の45~65Wの給電に対応しています。

UGREENのPD対応ケーブルを使用

手持ちのUSB Type-CケーブルはPD60W対応のUGREENのもので、65Wに少し足りないですが…とりあえず接続してみました。

PD給電認識されました

差し込んだら、ちゃんと給電されていることが表示されました。使いながら充電しても、ACアダプタより遅いもののちゃんと充電自体は行われているようです。
動画編集やゲームをするのであれば、ACアダプタはあったほうが良いですが、写真編集くらいならバッテリ+PD給電で出先でもなんとかなりそうな感じですね。
今はノートPCもPD給電やThunderbolt3/4での給電対応機種が増えてきたので、PD65W程度の充電器は1つ持っておくのも悪くないですね。


値段は高くなりますが60Wまでの対応ケーブルが不安なら、100W対応のケーブルが良いでしょうね。自分も次買うときはこちらにします。

Nikon Z 8 FW C:Ver2.00のピクセルシフトを試す

NikonもZ fでついにピクセルシフトを搭載したわけですが、搭載が遅かったのは、メーカーポリシーとしてそれって必要?というのがあったのかなと勝手に想像しています。
が、ベイヤーセンサのカメラである以上、ピクセルシフトによる恩恵は結構有るんじゃないかなと思っていました。
モアレフリーで高解像度なFoveonセンサのSIGMAがフルサイズセンサの製造で苦しんでいるようですが、擬似的にこれを再現できるピクセルシフト、もちろん動態撮影が出来ないという制約はありますが。

Z fは2,450万画素ですが、Z 8は4,571万画素と画素数も多く、ローパスフィルタレスのため、Z fとはまた違った感じになるのでしょうか?
現時点ではRAW撮影し、NX Studioで合成でのみ対応しています。

※Adobe CameraRAWとLightroom Classicはアップデートにより、NX Studioで生成されたRAWファイル(.NEFX)に対応しました

他メーカーのようにボディ内生成出来ないのは残念ですが、まだNikon的には実験的搭載なんでしょうかね?

ピクセルシフト撮影で撮影する

まずは静止画撮影メニューからピクセルシフトを設定します。
撮影コマ数は、4コマ、8コア、16コマ、32コマです。説明としては

  • 4コマ:色再現性の高い画像が生成されます。 
  • 8コマ:ノイズが軽減された色再現性の高い画像が生成されます。
  • 16コマ:色再現性が高く高解像度の画像が生成されます。
  • 32コマ:ノイズが軽減された色再現性が高く高解像度の画像が生成されます。

ディレーはシャッターボタンを押して何秒後にピクセルシフト撮影が開始されるか(三脚撮影時のブレ防止)、待機時間は1コマ撮影毎の待機時間で、通常は0で連写で問題ないでしょう。

NX Studioで合成する

撮影した写真データをパソコンに取り込んで、NX Studioを起動します。

ピクセルシフトした画像の有るフォルダを参照し、左上にピクセルシフト合成があるので、クリックします。
すると、合成できる写真を自動で参照するので、合成したい写真にチェックを入れて実行をクリックします。

すると、ピクセルシフト合成されたRAWファイル(拡張子は.NEFXになる)が生成されます。

一筋縄ではいかないピクセルシフト撮影

さて複数枚撮影して合成するピクセルシフト撮影ですが、生成されるファイルサイズも大きくなります。

普段は最もファイルサイズが小さくなるRAWの高効率を使用しています。高効率★と比較して、やや暗部の階調で劣る部分があるようですが、厳密に比較しないとわからない程度なので、普段はほぼ高効率です。

今回RAWの設定は高効率のままでしたが、生成されるファイルは単純に高効率の4倍とはならず、ロスレス圧縮(1枚概ね45~49MB程度)の5倍程度(4,8枚合成の場合)の232MBか、あるいは19倍(16,32枚合成の場合)の915MBとかなり大きくなります。いずれも4倍、16倍とならないのが不思議です。

1枚が1GBに近いファイルは何とも扱いが大変ですね。

さて撮影結果。まずオリジナルファイルはこんな感じです。ブロクの制約で、オリジナル解像度のまま掲載できないため、解像度を絞っています。

オリジナル画像をWeb用に縮小(フルHD解像度)

このため、ドットバイドットの確認をできるよう、画像を切り抜きました。

オリジナル画像の切り抜き

4枚合成

4枚合成では「色再現性の高い画像が生成されます」とのこと。このモードでは解像度はオリジナルのままで、ベイヤーセンサの4ドット分を合成しているので、結果的にRGBを1つのピクセルで生成できることになります。通常ベイヤーセンサでは、周辺の色から画像を生成するため、単純にセンサのドット数通りの解像感や色再現が出ないとされていますが、それをピクセルシフトで合成させることで、色再現性を高めることになります。

4枚合成切り抜き

うーん、良くなったかどうかわからない…
ということでオリジナルと比較してみましょう。

←オリジナル 4枚合成→

あれ、解像感はオリジナルのほうがあるような…。ただ、4枚合成のほうが無理にシャープネスをかけていなく自然に感じます。4枚合成する以上、ごく僅かなブレも影響してきます。当然三脚は使っていますが、かなりシビアかもしれません。
色再現性については…この画像ではあまりわからないですね。

8枚合成

「ノイズが軽減された色再現性の高い画像が生成されます」とあるように、4枚合成を2回行うことでノイズ軽減を図っているのでしょう。生成されるファイルは8枚合成でも1枚撮影と同じ解像度と4枚合成と同じファイルサイズです。

8枚合成、ボヤけてしまった…

残念ながらブレた可能性が高いです。画像が明らかにボヤけてしまっています。これは何回か撮影して良いものを採用するのが無難です。
撮影枚数が増えるほど、こうしたブレのリスクが高くなります。これは明らかに失敗写真で比較対象として不向きですがですが、こうした失敗のリスクがピクセルシフト合成では高いということですね。今回望遠レンズというのも、失敗のリスクが高くなる要因でした。
次は広角レンズで試したいです。とりあえずオリジナルとの比較画像を。

←オリジナル 8枚合成→

ピクセルシフトの恩恵より歩留まりの悪さのほうが目立つ結果になりましたね。悪い例です。

16枚合成

「色再現性が高く高解像度の画像が生成されます」とあるように、この16枚からは縦横共に解像度がオリジナルの2倍になります。シフト量を4,8枚の倍とすることで、解像度も上げるモードです。

16枚合成(4,8枚合成と同じ切り出しに)
16枚合成を横方向2000ピクセルで切り出し

やはりブレの影響か、冬とはいえ望遠なので空気のゆらぎ(陽炎)の影響もあると思われます。とにかくシャキッとしない画像になってしまいました。
解像度は上がったはずなのに、見かけ上の解像感は下がってしまいました…。ちょっと難しすぎる条件のようです。


←オリジナル 16枚合成→

完全にブレと陽炎の影響ですね。ピクセルシフトは望遠撮影には不向きかもしれませんね。16枚撮影ともなると、秒20コマのZ 8でも1秒近く撮影を行うので、三脚とはいえ微ブレと陽炎の影響は無視できないでしょう。

32枚合成

「ノイズが軽減された色再現性が高く高解像度の画像が生成されます。」ということで、16枚合成を更にもう1回行うということでしょう。画像データも相当なものになります。

32枚合成(4,8枚合成と同じ切り出しに)
32枚合成を横方向2000ピクセルで切り出し

ほんとすみません😅 こりゃ駄目ですね。ボヤボヤもいいところで、完全に微ブレと陽炎の影響、どちらかというと後者の影響が大きそうです。合成量が多いほど、僅かな空気のゆらぎも無視できないという事がわかりました。というのも、合成した画像の1枚1枚は決してブレていないのです。とにかくわかったことは、

ピクセルシフト撮影は、望遠レンズでは微ブレと陽炎の影響が出やすく実用が難しい

ということですね。
今回は作例として大失敗でしたが、撮影時間が1秒以上ともなると、望遠撮影では空気のゆらぎ、陽炎が無視できないということです。

←オリジナル 32枚合成→

色の違いは撮影時間の違いによるものです。
もうピクセルシフト撮影の比較というよりは、望遠レンズでの撮影の難しさのほうが際立った感じです。

今回はピクセルシフト撮影の良さを全く出せませんでしたが(汗)、また違う撮影で(標準か広角レンズで)試してみたいと思います。

TuneBrowserとEmphasis(エンファシス), HDCD

11年ぶりにナビを新調し、可逆圧縮のFLACファイルの再生も可能になったため、ついにiTunesでののAAC圧縮音源ともおさらばします。
ということで、手持ちのCDをせっせとFLAC形式に変換中。

さて変換ソフトですが、タイトルにもあるように、TuneBrowserを使用しています。

元々はASIO, WASAPI によるハイレゾ音源, DSD音源のネイティブ再生に対応したソフトということですが、オーディオに造形の深い作者のソフトで、CDの取り込みに対しても非常に強力なソフトです。
特に、初期のCDの一部に採用されていたエンファシス信号や、90年代から2000年代にかけてハイビット化の流行により一部CDで採用されたHDCDにも対応しています。

エンファシスとは?

デジタル音源であるCDが登場したのは1982年と、もう40年以上前です。それ以前の70年代から、一部の音源はデジタル録音が採用されていましたが(当時はアナログ録音とデジタル録音が混在)、初期のデジタル録音は14bitが主流で、CDは将来を見越して16bitを採用していたため、2bit分が不足していました。
また、アナログ録音でもデジタル化する際に14bitのADC(アナログ→デジタル変換)を使用している場合があったため、初期のCDは16bitをフルで使っていない物が多かったのです。

こうした当時のデジタルに対する未成熟な部分を補うものとして、エンファシスという、デジタルでありながら、まるでアナログ録音のノイズリダクションのようなものが採用されていました。
デジタル化する際に音楽信号では相対的に音圧の低い高音域を持ち上げて収録し、再生時アナログ変換した信号の高音域を下げることで、ノイズを低減するシステムです。
技術的な話は、こちらのサイトがわかりやすいかと思います。

さてこのエンファシスを採用したCDは80年代から90年代初頭まではあったようですが、デジタル録音の技術が向上した現在では採用されることがなくなりました。
このため、近年のCDプレーヤーではディエンファシス(プリエンファシスした信号を元に戻す回路)回路を持たないものもあるようです。
また、CDをリッピングする際に、エンファシスで収録されたCDを正しくクリッピング出来ないソフトも多いようです。
単純にリッピングしてしまうと、エンファシス信号のままデータ化しますが、そのデータにエンファシスのフラグがないと、正しくディエンファシスできず、高音域が強調された状態で再生されてしまいます。
本来は、アナログ変換後にディエンファシス回路により高音域を落とすことで、ノイズ軽減、とりわけ折返しノイズ軽減というデジタル化による弊害を軽減するという意味でのエンファシスなわけですが、現代のようにリッピングして再生する場合は、その変換形式やDAC(デジタルアナログ変換)回路に依存してしまう部分が多いのです。

そこで、TuneBrowserのエンファシスCDの変換は、FLAC化する際にデジタルのままディエンファシスし、さらにデジタル変換のままで目減りしてしまう高音域のダイナミックレンジを減らさないよう、信号を24bit化しています。

中島みゆき「寒水魚」のポニーキャニオンレーベル初期CDはエンファシスが入っているため、ディエンファシスで24bit化されている
通常のエンファシスがないCDは16bitのまま

HDCDも24bit化されるはず…ですが

90年代になるとデジタル録音も進化し、20bitや24bit録音も増えてきます。ただしCDはフォーマット上16bitですから、ハイビットの録音をできるだけCDの互換性を保ちつつ活かそうという試みがなされ、その1つがHDCDというフォーマットです。
以前は私もDENONの対応プレーヤーを持っていましたが、手放してしまいました。

手持ちのCDではHDCDフォーマットを公言している山崎まさよし「ドミノ」ですが…

山崎まさよし「ドミノ」HDCDはなぜか24bitにならなかった

なぜか16bitのままです。TuneBrowserはHDCDのリッピングにも対応しているはずで、24bit収録になると思っていたのですが…。
この点はちょっと調べてみます。

追記:KOKIAのtrip tripは隠れHDCDでした。きちんとHDCDを認識して、24bit化していますね。

KOKIA 「trip trip」はHDCDでした

USB-SSD 500GBのELECOM ESD-EMN0500Gがお安くなっていたので買ってみた

最近はUSBメモリも高速のSSDを採用したものが増えてきましたね。
特にSSDの価格が最近かなり落ちてきて、容量に対しての値段が3年前の半額近い?

型落ち在庫処分で、ELECOMの500GBのUSB-SSDが半額以下になっていたので、買ってみました。

USB3.2Gen1なので、理論速度は概ね626MB/sで、商品としても読み込み400MB/s、書き込み350MB/sを謳っています。
実際のベンチマークを取ってみると、こんな感じでした。

公称値よりも速い!

新品というのもありますが、読み書き共に公称値を超える数値が出ました。これだけのスピードが出れば満足でしょう。

¥3,980なら安いでしょ?すぐに売り切れになってしまった模様です。そのうち他のショップでも安売りするかもしれませんので、チェックしてみてください。

ASUS ROG Zephyrus G14 GA401IU-R9G1660TWQのメインメモリを16GBから40GBに増設してみた

サブPC兼妻が仕事で使うPCとして導入したASUS ROG Zephyrus G14 GA401IU-R9G1660TWQも、導入から2年以上経過しました。
当初、特段ゲームをしないのにGPU搭載とかどうかなと思っていましたが、AdobeのLightroomを導入したり、出先でもちょこっとした動画編集をDavinci Resolveで行ったりしていると、旧型とは言え、GPU搭載しててよかったな、と感じでいます。
近年はCPUだけでなくGPUの処理を重視するソフトも多いですしね。
あと4年は使いたいのと、さすがにメインメモリが16GBだと、LightroomとPhotoshop+ブラウザの起動でメモリもいっぱいいっぱいになることも多いため、最大限に増やすことに。

LightroomとPhotoshopにブラウザを立ち上げると16GBのメモリもいっぱいいっぱいです

仕様として、GA401UIはオンボード8GB+スロット8GBというメモリ構成で、これ以上は公式には増やせないことになっています。
ただ、検索していると、GA401UIでスロットのメモリを8GBから32GB DDR4 3200に改装して認識させている記事を見つけました。
この構成では、オンボード8GB+スロットの8GBの領域まではデュアルチャンネルメモリとして作動し、それ以上はシングルチャンネルで作動することになります。
シングルチャンネルだと、メモリの読み書きはその分遅くなりますが、容量には代えられません。

ということで、買ってみました。ノート用のDDR4 3200 32GBメモリです。値段は正月のAmazonタイムセールとは言え9千円を切っているのですから、ずいぶんお安くなりました。

Team ノートPC用メモリ SO-DIMM DDR4 3200MHz PC4-25600 32GB

メモリの交換は、PCを裏返して十数カ所のネジを外し、裏蓋を外しての交換となります。比較的簡単に交換可能です。乾燥している時期なので、静電気に気を付けましょう。

裏返してネジを外し、裏蓋を外すだけです

このPCの良いところは、裏蓋が全部外れるので、メンテナンスがしやすいところですね。

ファンが埃だらけなので、まずは清掃

最近起動しているとファンがビュンビュン回ってうるさかったのですが、結構埃がついていますね。せっかくなので清掃しておきました。ノートPCは薄く作っているため、埃が溜まりやすく、故障の原因に繋がります。定期清掃がおすすめです。

メモリスロットはマザーボード中央のシートの下にあります

ASUS ROG Zephyrus G14シリーズはメインメモリのうち8GBはオンボード、もう8GBはわざわざ取外し可能なスロットを設けているということで、スロットにメモリを入れない8GBモデルも販売していました。今ならゲーミングノートPCは最低16GBといったところで、オンボードでも16GBになっているようですね。

メモリはDDR4 3200(PC4-25600)で、今回買った32GBでも1万円しないのは時代ですね。PCのメインメモリは多いに越したことはないです。
メモリの着け外しは簡単ですね。さすがに32GBもなると、基板上のチップも多くなっていますね。

裏蓋を閉じて、ネジをしっかり締めて、起動してみました。この瞬間だけは簡単な作業でもドキドキです。昔はメモリ相性が厳しくて、チップによっては起動しないとかフリーズ多発とかありましたが、DDR2世代からは少なくなりましたね。それでも初期不良、静電破壊とか、トラブルがないわけではないですが…

しっかりと40GB(8GB+32GB)で認識されました

問題なく起動し、メインメモリも実装40GBとして認識されました。

PhotoshopとLightroomとブラウザを起動してもメモリに余裕がある

40GBのメモリがあると、Photoshop、Litroom Classic、ブラウザを起動していても、空き容量に余裕がありますね。さらに動画編集用のDavinci Resolveを起動しても、問題ありませんでした。4年近く前のマシンながら、まだまだ十分戦えそうです、何と戦うかは知りませんが(笑
そして、ファンの埃を除去したからなのか、メモリに余裕ができたらなのか、あんなにビュンビュン回っていたファンが随分静かになりました。回っても高速全開で回らないです。定期的な清掃は重要ですね。

なお、現在購入先のAmazonではTEAM製のDDR4 32GB は在庫切れとなっているようです。他のブランドでも9千円程度ですから、メモリは増設をおすすめします。

何でしょう? 急反転する飛行機雲

これは入間基地か横田基地にアプローチする輸送機とわかるけど…

ずーっとインターバルで撮っていると、たまに何でしょう?というものが写ったりします。

まずは動画でどうぞ。

この日は雲がなく、時々飛行機雲が通過するのですが、一部飛行機雲は富士山上空で急反転したんですよ。視程がよく、遠方の航空機がたまたま反転しただけと思うのですが…これが90年代なら矢追純一さん案件ですね。

画像をトリミングしてみましたが、最後の写真は2つの飛行機雲があり、どちらもなにかしらの物体の後に尾を引くように飛行機雲が出ているので、何かしらが飛んでいるのは間違いないのですが、最初に出てきた反転する飛行機雲は、反転後の雲の尾の引き方がちょっと不自然だったり…。これぞUFO?

こういうのも含めて、案外インターバル撮影って面白いんですよね。


ところで、今回はNikon D810のインターバル撮影を、いつものJPEGではなくTIFF形式で撮ってみたんですよ。1枚100MBを超えますが(汗) 流石に画質は良いですね。スチルのRAW(NEF形式)をDavinci Resolveが扱えれば最高なんですが。
というのも、インターバル撮影したスチルのJPEGをDavinci Resolveで動画変換する際、上の動画もそうなんですけど、空の部分でバンディングノイズ(階調の変わる部分の境目が見える)に悩まされています。
画質設定は最高ですし、最高画質にディベイヤーしているのですが…。
TIFFなら非圧縮画像なのでマシになるかなと思ったけど、変わらず。これって何かしらの設定がまずいと思うのですが、よくわからないので、詳しい方がいらっしゃいましたら、コメントでご指摘いただければと思います。

富士山をインターバル撮影していると、割と飛行機が写っています

この時期空気が澄んでいるので、風景も映えるんですよね。
富士山をインターバル撮影していると、ちょうど米軍の横田基地や航空自衛隊入間基地にアプローチする航空機も映り込んだりします。
こういう偶然をピックアップするのも、インターバル撮影の醍醐味だったりします。

今回レンズは古いAI Zoom-Nikkor 100-300mm f/5.6Sを使用。もう少し新しいジャンクで買ったAF Zoom-Nikkor 70-300mm f/4-5.6Gもあるのですが、残念ながらこのレンズ、逆光耐性があまりなく、こうして直射日光が入る撮影では盛大にフレア、ゴーストが発生してしまいます。逆に古いMFレンズのほうが、この手の撮影に適していることもあります。

そしてミラーレスだと、直射日光が入るこうした撮影はちょっと心配ですね。なので、未だD810のような一眼レフを使っています。
ただ、JPGだと動画にした際にバンディングノイズが出やすい気もします。Davinci Resolveの設定がダメなのかな?

EPSONスキャナGT-X970のキャリブレーションをi1Profilerで行う

購入し10年近く経過したスキャナ、EPSON GT-X970のキャリブレーション、SSD更新でWindows 11を新規インストールし直したので、せっかくこのタイミングなので再度実施しました。
あまりマニュアル化されていないスキャナのキャリブレーションですが、2014年にやり方の記事は書いていますが、今回はバンドルソフトのi1Scanner(現在はi1Profilerに統合)のインストール方法とともに、改めて書き直したいと思います。

最新のi1Profilerを入れてもScannerのキャリブレーションは有効にできない

まず、EPSON GT-X970のバンドルソフトだったi1Scannerは、スキャナのキャリブレーションソフトと、キャリブレーション用のMONACO社製反射原稿用の5X7インチチャートと透過原稿用の4X5インチチャートが付属しています。

左が反射原稿と透過原稿(フィルム)のキャリブレーション用チャート、右がi1ScannerのCD

付属のi1Scannerは2012年のソフトで古く、CDで提供されています。10年前はそれが当たり前でしたが、今やダウンロードが基本です。
i1Scannerの最新版は、xriteのサポートページが非常見見づらく、しかも出てこないという…。ググったほうが早かったです。
最新版はこちらにありました

まずはこのi1Scannerをインストールします。すると、インストール過程でシリアルナンバーの入力を求められるので、スキャナ付属のi1Scannerのシリアルナンバーを入力します。
これで、i1Scannerがアクティベートされて、この後インストールするi1ProfilerのSnannerキャリブレーションの項目も有効となります。
単純にi1Profilerを先にインストールしても、Scannerのキャリブレーションを有効にさせる手段がないため(もしあったらコメント欄で教えてください)、i1Scanner→i1Profilerの順にインストールとなります。

キャリブレーション用チャートをスキャンする

i1Scannerに付属している、MONACO社製のキャリブレーションチャートをスキャンします。フィルムスキャン用の透過原稿用と、反射原稿用2種類があるので、それぞれをスキャンします。

まずは透過原稿から。GT-X970に付属している4X5インチフィルムスキャン用のホルダに、透過原稿用チャートをセットします。

MONACO社製透過原稿用チャートをセット

EPSONスキャンを起動して、プロフェッショナルモードに設定します。スキャン時の設定は以下のとおりです。

  • 原稿種:フィルム(フィルムホルダ使用)
  • フィルムタイプ:ポジフィルム
  • イメージタイプ:48bitカラー
  • 解像度:300dpi
  • その他はデフォルト(アンシャープマスクなど調整項目は全てチェックを外す) ※下の画像はアンシャープマスクにチェックが入っていますが、この後外しました
透過原稿用チャートスキャン時のEPSON Scanの設定(アンシャープマスクにチェックが入っていますが、スキャン時はチェックを外しました)

保存フルファイルの拡張子はTIFF形式(.tif)を指定します。

同様に反射原稿もスキャンします。

MONACO社製反射原稿用チャート
  • 原稿種:反射原稿
  • 取込装置:原稿台
  • イメージタイプ:48bitカラー
  • 解像度:200dpi
  • その他はデフォルト(アンシャープマスクなど調整項目は全てチェックを外す)
反射原稿スキャン時のEPSON Scanの設定

こちらもTIFF形式の画像で保存します。

以上でキャリブレーション用の画像の保存が完了しました。

1iProfilerでスキャン用プロファイルを作成する

i1Profilerを起動し、スキャナ→基本プロファイル作成をクリックします。
まずは透過原稿用のプロファイルを作成します。ターゲットタイプから「X-Rite透過4X5」を選択します

次に、黒い画面のi1ProfilerヘルプのXをクリックして閉じます。すると画像をロードが表示されるので、クリックします。

画像をロードをクリック

ここで、予めスキャンしておいたファイルを指定します。透過原稿と反射原稿のファイルを間違え内容注意しましょう。

ファイルを選択すると、スキャンした画像が読み込まれると同時に、チャートの各カラーを認識している緑色の枠が表示されます。。

右下の次へををクリックします。

黄色の枠で囲われているものと合致する基準値ファイルをロードする

上の画像のように黄色の枠でチャートの日付が表示されるので、これに合致する基準ファイルを選択します。左上の基準値ファイルをロードをクリックします。

手持ちのチャートはMONT 45:2014:01とあるので、ファイルはMONT45.2014.01,txtを選択します。

ファイルがロードできたら、右下の次へをクリックします。

ファイル名はわかりやすいものに変更して「プロファイルを保存」をクリック

これでプロファイルが作成されるので、ファイル名は適当にわかりやすいものに変更して、プロファイルを保存をクリックします。
ICCプロファイルのバージョンは「バージョン2(規定)」のままにしておきます。EPSON Scanはバージョン4をサポートしていないとのことです。

以上でプロファイルの作成は終了。
同様に、反射原稿のプロファイルも作成します。ターゲットタイプを「X-Rite(反射)」にし、それ以外のやり方は透過原稿と同じです。

ただ、なぜか200dpiでスキャンしろと書いてあるのに、こんなエラーが出ます。

ヘルプではReflective=200dpiとあるのに…

これは以前から改善されていないソフトのバグです。200dpiのスキャンでOKです。実際は300dpiの画像を読み込ませると、このあと手動で四隅のクロップマークをクリックしても、チャートをうまく拾ってくれません

また、私の手持ちの反射原稿のチャートは、何故かデフォルトで基準ファイルの合致する日付がありません。
もし合致する日付がない場合は、Monaco IT8 リファレンスファイルをダウンロードして、以下に解凍したファイルを入れておきます。

反射原稿用基準ファイル:C:\ProgramData\X-Rite\i1Profiler\ScannerReferenceFiles\Monaco_Reflective (MONR*)
透過原稿用基準ファイル:C:\ProgramData\X-Rite\i1Profiler\ScannerReferenceFiles\Monaco_Transmissive (MONT45*)

以上で、キャリブレーションしたプロファイルの作成は完了です。

EPSON Scanでキャリブレーションしたプロファイルを指定する

EPSON Scanを起動し、プロフェッショナルモードにします。一番下にある「環境設定」をクリックします。

環境設定をクリック

環境設定の「カラー」タブをクリックします。

ICMのソース(スキャナ)から透過原稿用と反射原稿用それぞれを選択する

ICMを選択し、ソース(スキャナ)をEPSON標準から、透過原稿用と反射原稿用、それぞれスキャンする原稿に合わせて選択します。
これでキャリブレーションしたプロファイルを使ってスキャンできます。
なお、ターゲットは「モニタRGB」「sRGB」「AdobeRGB」が選択できますが、一般にはsRGBを、また広色域でカラープロファイルを適切に扱える環境が整っているのであれば、AdobeRGBを選択します。

以上で、キャリブレーションしたプロファイルを使ってスキャンする準備が整いました。
GT-X970導入時は、Windows7 64bit環境でしたが、Windows10を経てWindows11でも同様にスキャンを行えます。

執筆現在、新品でフィルムスキャン(透過原稿スキャン)が出来るフラットベットスキャナは、GT-X970の後継モデルでハイエンドのGT-X980と、ミドルクラスのGT-X830しかありませんが、GT-X830は現時点で在庫限りとなっているようなので、ハイエンドでなくてもお気軽にフィルムスキャンしたい場合は、GT-X830を早めに導入したほうが無難でしょう。画質も十分です。

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