「旧製品」化が進むFマウント関連品とCOOLPIX

2018年にフルサイズミラーレスのZマウント機を発売したNikonですが、その後のNikonは、Z 6のセンサを流用して一眼レフのD780、そしてフラッグシップ機のD6を2020年に発売しましたが、恐らくそれらが最後のFマウント一眼レフになるものと思われます。

Z 7IIのセンサを流用したD850の後継機の噂も以前はありましたが、恐らくこの開発は凍結されているのではないかと思います。半導体不足もそうですが、Fマウントレンズも続々と「旧製品」となっており、そんな中に新たにFマウントボディを販売することは、開発・生産リソース的にも難しいでしょう。
D850も、4年経過した今でも十分第一線で通用するカメラなので、あえてマイナーチェンジすることももはやないでしょうね。

天体撮影用D810A、ついに「旧製品」に

Nikon D810A 「旧製品」となった

D810Aは、一眼レフカメラD810のイメージセンサの光学フィルタの特性を変更し、天体写真撮影に特化した特殊なカメラです。Hα線の波長で光る星雲を、一般的な光学フィルタを搭載したカメラよりも、より赤く写すことができます。
この特殊な光学フィルタのため、日中の一般的な撮影においては、条件により特に赤い被写体で、D810の撮影結果と異なる場合があるようですが、NikonのHPの両者の比較撮影においては、あまりに色が違っておかしな結果に…となることはなさそうな印象です。むしろ花の撮影では、D810Aの色味のほうが好きですけどね。
特殊なカメラ故に、販売数も中古流通も少ないですが、機能面ではD810と比較して、、マニュアルモードで長時間露光で最大900秒まで設定できるなど、むしろ強化されていたりもします。
インターバル撮影では途切れが発生しますが、このカメラでは途切れのない連続撮影も可能なので、例えば明暗合成で、星の途切れもなく合成可能です。
実は興味があって、機会があれば手に入れたいと思っていたりもします。

D810Aは2015年発売開始で、2014年に発売開始したD810からは1年遅れでの販売でした。
Canonは、ミラーレスのEOS Rを同様に天体撮影用にしたEOS Raを販売していますが、NikonはZマウント機においては、まだ天体撮影用は発売しておらず、Z 7II辺りをベースにした天体専用カメラの販売が待たれます。

比較的新しい広角ズームのAF-S 18-35mmも「旧製品」に

AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDも「旧製品」に

なんと、2013年発売開始と、比較的新しい広角ズームのAF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDも「旧製品」となりました。既にAF-S 16-35mm f/4G ED VRも旧製品となっていますが、この安価な広角ズームも販売終了することで、最後に残ったのが、2007年発売開始と一番古い、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDのみ(フルサイズ用の場合)となってしまいました。14-24mmは、今でこそZマウントに負けてしまいますが、販売当時は神レンズとか単焦点より高画質の広角ズームとか言われた名レンズで、恐らくFマウントボディが生き残っている限りは、販売され続けるとは思います。なにせ、組み合わせるにふさわしいD6が、2020年販売開始でまだ新しいから。それでもFマウントボディは後数年でしょうか…。

Fマウントのフルサイズ用マイクロニッコール、ついに消える

古い AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDも「旧製品」化でフルサイズ用マイクロがついに消えた

Zマウントで先日発売されたNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sが好評ですが、その発売を待ってひっそりと終了となったAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED。2006年発売開始と、比較的古いですが、VR(手ブレ補正)を搭載し、長いことFマウントのマイクロニッコールとして君臨してきました。
このレンズが終了したことで、フルサイズ用のマイクロニッコールは全て「旧製品」となり、残っているのはAPS-C専用のAF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gのみです。このレンズも恐らくもう生産は行っていなくて、在庫がなくなれば「旧製品」となるでしょう。Fマウントレンズで生産が継続しているのは、F2.8の大三元レンズと望遠レンズ、PCレンズ、単焦点レンズに魚眼ズームくらいなのではないかと勘ぐってしまいます。

Zマウントレンズが充実していく一方、Fマウントが寂しくなるのは仕方ないとはいえ、割と急速に旧製品化が進んでいますね。もちろん、ミラーレス化だけでなく、半導体不足やコロナ禍での生産調整がうまく行っていないのも大きいと思います。半導体不足とコロナ禍が追い打ちをかけている感じでしょうね。

実はCOOLPIXも消えかかっている

なにげに見てびっくりしてしまったCOOLPIXのラインアップ。もはや4機種しかない上に、最も安い子供向けのCOOLPIX W150も「旧製品」となってしまいました。まだ販売から2年なんですけどね。

COOLPIXはW150の「旧製品」化で事実上3機種に

事実上3機種のみとなってしまいました。欧米で需要が多いとされるネオ一眼のCOOLPIX Pシリーズと、防水のW300のみ。
スマートフォンのカメラの高画質化により、コンパクトカメラの需要は減少に一致をたどり、各社とも、ごく普通のコンパクトカメラは、もはやCanonとSONYくらいしかラインアップしていません。SONYは1機種残っている普通のコンパクトなCyber-shotはもう終わりそうです。
もうこの手のレンズ一体型は、

  • 高級コンパクト
  • 超高倍率望遠ズームのネオ一眼
  • アウトドア向けタフネス防水
  • ウェアラブルVRカメラ

くらいしか需要がないので、各社がそれぞれの得意なところを残すのみです。その中でもCanonやSONYは未だ充実しているのは、やはり企業体力の差でしょう。既にミラーレスカメラではシェアの下の方を行くNikonには、COOLPIXを維持できるほどの開発生産リソースは残っていないのでしょうね。


NikonはZ 9のティザー広告を出してきていますが、開発発表から時間が経過し、その間に矢継ぎ早に新機種を出しているCanonやSONYとは、大きく差がついています。もはやシェア争いで勝てる余地はないでしょうし、Nikonを使っていたプロのSONYへの流出も大きく、プロ市場でもSONYに勝てる余地は少ないように思います。
それでも、Nikonならではのカメラ作りはしてほしいですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です