池袋のキリン堂薬局

昨日は人間ドックがあり、午前中池袋で受診していました。初の胃カメラ、苦しかったな(苦笑

その道中見かけた素敵な廃墟(十数年前に閉店とのこと)を見かけました。

落書きが残念ですが、古き良き昭和30年代の建物が今もこうして池袋の駅からすぐ近くに残っていることは驚きです。
店名のフォントといいネオン管といい、本当に古き良き昭和。

キリン堂薬局ですが、広島発祥と大阪発祥の2つあったようで、年代から後者の方ではないかと思われます。
薬剤師の名前が表札になっているのもまた時代を感じさせますね。

今でも取り壊されずに残っているのは何かしらの理由があるのでしょうけど、末永く残ってほしいと思いつつ、老朽化による崩壊もあるので、難しいところですね。


写真はZenfone 11 UltraでRAW撮影、1枚目は超広角、2,3枚目は望遠レンズですが、どうやら以前問題として挙げたRAWで撮影した際の階調不良は、望遠カメラのRAW撮影のみで発生している模様です。JPG画像は問題ない。これはASUSのサポートの報告しておこうと思います。改善されるとよいのですが。

【函館】山上大神宮

夏休みのこぼれ写真から。妻と函館山にある坂を巡っていて見つけた神社です。

山上大神宮

山上大神宮(やまのうえだいじんぐう)は、何と始まりが1368~1375年からという、北海道開拓以前からある歴史の長い由緒ある神社だそうです。
これ、自分が知らなかったように、地元の人でも知っている人はなかなかいないのではと思います。
何度か場所を移動し、現在の場所に建てられたのが1902年、現在の社殿は「昭和5年(1930年)6月に改築が始まり、同7年(1932年)3月に竣功」とあり、戦前からの歴史の長い社殿なんですね。

1932年に完成した社殿

知る人ぞ知る場所なのか、ちょくちょく人は参拝に来ていました。正月時期はそれなりに賑わうのかもしれませんが、駐車場があるわけでもなく、急な坂の上にあるので、一般観光客は来づらい場所だと思います。それが返ってよいのかもしれませんが。

函館山にあるので、函館湾もよく見えますね。
ありきたりの観光スポットに飽きた方、神社巡りがお好きな方、ぜひ訪れてみてください。

ナッチャンWorld 2024年8月の状況

既に夏休み中のブログに掲載していますが、改めてメインPCで再現像の上、一部写真追加して掲載します。

ナッチャンWorldは2008年5月に当時の東日本フェリーが青函航路(青森ー函館間)に導入したウェーブピアサー型高速フェリーです。
しかし、高速フェリーの常で、燃費の悪さとそれに伴う採算性の悪さから、定期航路としては半年程度で運行を終え、東日本フェリーは海運会社のリベラに吸収合併され、新たにスタートした津軽海峡フェリーでは、季節限定で運行していました。私も姉妹船のナッチャンRera含め、2回程度は乗船しましたね。

2024年8月、函館西埠頭に停泊する「ナッチャンWorld」が見える

2012年まで不定期運行後は係船されていて、防衛省に売却されるという噂もありましたが、結局2016年にPFI法に基づいて設立された特別目的会社「高速マリン・トランスポート」が保有することになりました。自衛隊の輸送も可能になった一方、民間にも貸出可能な船となって現在に至っています。
ただ、高速マリン・トランスポート社が防衛省と輸送契約を結んでいるのは2025年10月までと、あと1年強しかなく、その後の本船の動向が気になるところです。

近くで拝見しましたが、所有者が変わっても、高速フェリーとして就航した2008年から外観塗装は変わっていません。
おおよそ自衛隊の輸送に使用する船には見えないですね。米海軍も同様の高速船を所有していますが、軍艦と同様のグレー塗装です。

今見ても斬新な形状の船体は、ウェーブピアサー型と呼ばれる双胴船の一種で、船底の中央は空洞になっています

東日本フェリー~津軽海峡フェリー時代と違うのは、船尾に大型のタラップが追加され、専用桟橋を使わずとも車両の搭載が可能になったことです。
フェリー時代は、青森と函館のフェリー埠頭に、この高速フェリー専用のドイツ製の桟橋がありましたが、航路撤退と共に桟橋は撤去されています。
このため、現在はどの埠頭でも使用できるように大型タラップが設けられています。

船体の塗装はややヤレが見られますね。それでも就航当時の小学生が書いたオリジナルの絵柄を残しているのが良いですね。

2008年就航で、今年で16年目の船体、民間フェリーはおおよそ20年程度で売船されることが多いのですが、ナッチャンWorldはいつまで使われるのでしょうね?

日本の不動産王と呼ばれた川本源司郎氏が亡くなっていたと知った

最近廃墟、建築物関係のアンテナをあまり張っていなかったのですが、かつて日本の長者番付にも載るほどの不動産王(有名なのは銀座の丸源ビル)として知られた川本源司郎氏が、2024年2月に亡くなっていたことを知りました。

廃墟Explorer管理人の栗原氏のツイートの記事には、不動産王の川本源司郎氏が所有している熱海の別荘が荒らされている現状が書かれています。
この記事の過程で亡くなっていることが書かれていました。

一時は、総資産1300億円の不動産王として、名をはせた川本氏だが、2013年には巨額の脱税事件で逮捕され、実刑判決を受けた。
そして、出所後の2024年2月に亡くなった。

熱海の“伝説の廃墟”に不法侵入相次ぐ ソファ座りピース・無数の落書きも…不動産王「丸源ビル」オーナー別荘が無残な姿に(FNNプライムオンライン) – Yahoo!ニュース

川本氏が逮捕され収監されていた事は知っていましたが、出所したこととなくたったとの報道は知らなかったです。

Yamaroが川本源司郎氏と丸源ビルに興味を持ったのは、たまたま2016年7月、友人の結婚式で福岡に行ったときに、こんなビルを見つけてしまったからです。
旧ブログにリンクします。

旧上新川端ビル

【福岡の廃墟】上新川端ビル 

当時のブログの写真はやや小さい画像のため、再掲します。
旧上新川端ビルは撮影当時丸源ビルが所有していましたが、その後売却され、現在は再生されてギラギラのビルになっているようです。

ギラギラ過ぎて、前のビルの面影はほぼありませんね (^^;

しかしあんな古びた築50年超のビルが、建て替えではなくこんな姿に改装されるとは…恐るべし!
そしてアーケード側の看板に、未だベビーセンター福岡が残っているのですが、実は復活している? 法人格としては現存しているようですが。

丸源36ビル

福岡の光と影「丸源ビル」 

博多の丸源ビル36、ミロのヴィーナスらしき像が飾られた、ザ・スナック雑居ビルで、まさにこれが70年代から80年代を象徴していましたが、これがまさか21世紀でも現役だのが2016年。

そして今はどうなったかと言うと…

2022年には改装されている姿がストリートビューにあり、2023年には「三経建物93」にリニューアルされていました。三経ビルディングが現在の所有者のようですね。
管理物件のリストに「三経建物93」は存在しませんが(HPの更新が滞っているようです)、いずれ掲載されるかな?
看板が変わった程度で、外観デザインやミロのヴィーナスはそのままです。このまま、スナックビルとして今後もやっていくのでしょうね。

川本源司郎氏は、獄中で丸源ビルの売却を「丸源」の社長を任せていた人物に指示していたのでしょうか? 2023年10月から銀座の丸源ビルも相次いで売却したとされており、また同時期に出所したとされています。すでに高齢であることから、出所後死期を悟っての売却だったのでしょうか?
すでに丸源ビルは全て売却済みで、不動産の手に渡っており、今後改装または建て替えが進むのでしょうね。特に丸源ビルは築年数が経過しており、管理放棄されたような物件も多かったこと、また銀座の地価は現在も高いことから、建て替えが現実的かもしれませんね。

今後もその動向を追ってみたいと思います。


現代ビジネスのこの記事が、丸源ビルのその後について詳しいですね。

「銀座の大家」亡き後の「丸源ビル」衝撃の現在…3ヵ月で400億円近くのカネが動いた(伊藤 博敏) | 現代ビジネス | 講談社(1/4) (gendai.media)

8月はアクシデント頻発

8月、予定されていた妻の入院は別として、アクシデント頻発で正直凹み気味です。

嫁車のタイヤパンク(自分が悪い)、メインPCのグラボ死亡に続き、昨日は自転車でつんのめって顔から道路に落ちまして…

グロいのでぼかしています

顔が傷だらけ。メガネは吹っ飛んで破損。この前買った眼鏡ではなく古いのをつけていたのが不幸中の幸い(壊れたので幸いではないけど)。
ヘルメットを装着していたので頭部は助かった。これはヘルメットしていてよかった。その分、顎と鼻の下、左目の横を思いっきり擦ってしまいました。
しかし仕事で出張予定があり、自分で手当して出社。ガーゼや消毒薬などあって助かったです。ガーゼを当てた上からマスクを付けることで、パッと見の違和感はなし。

アクシデントは更に続き、出張に出ようとしていたさなかに自宅から電話。娘が頭痛い気持ち悪いと連絡。急遽出張は先輩に行ってもらうことになり、自分は午後休みにして帰宅。
娘は発熱もあり、病院に連れて行くと、まだ発熱してから早いので、とりあえず解熱剤のみ処方で様子見となりましたが、本日も熱は続いているのでまた病院です。

自転車の件は、ブレーキを掛けただけなのに、あんなに前につんのめるとは思わず、ブレーキ確認せねば。
車と自転車はいずれも不注意とは言え、本当にツイていないです。厄除けしたい気分です。

ということでブログもやや低調になりそうです。
妻は手術後の回復も順調で、予定より早く退院できるかも? 早く戻ってきて~(TдT)

妻が乳がんになりまして

タイトルの通り、先日妻が乳がんの診断となりまして、がん研有明病院にかかることになり、昨日無事摘出手術を終えました。

日本人の死因のトップを占めるのが悪性腫瘍(がん)

いきなり暗い話になってしまいますが、日本人の死亡原因のトップは悪性腫瘍、いわゆる「がん」がトップとなっていて、2022年の日本人の死因の1/4を占めます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdf

このうち、女性の悪性腫瘍の割合でトップを占めるのが乳がんとなっています。
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/14_breast.html

日本人の50%が、死ぬまでに何らかのがんになると言われています。
これは日本人の平均寿命が世界トップクラスであることも関係しているようで、高齢になればなるほど、がんのリスクは上がると言われています。寿命が長い→がんに罹る可能性も高い、ということのようです。
がんと判定されるくらい、きちんと健康診断を受けている割合も多い、とも言えますね。

症例1割前後の浸潤性小葉がんだった

当初、乳がん判定をした病院ではステージIでしたが、手術するにあたってはがん専門の病院である、東京ビッグサイトの向かいにあるがん研有明病院を選択。そこでの判定は、乳がんの中でも1割前後となる特殊型乳がんの1つである浸潤性小葉がんで、ステージIIAでした。

がん研有明病院


やはりがん専門病院は1歩踏み込んだ診断ができるようです。タレントの梅宮アンナさんも同じ症例で、ニュースで知った妻も驚いていました。

梅宮アンナ(51)、ステージ3Aの乳がん公表「父親もがんだった」抗がん剤治療後に全摘出手術へ(ABEMA TIMES) – Yahoo!ニュース

梅宮アンナ『浸潤性小葉がん』を専門医解説「ステージ1~3であれば完治目指せる」(東スポWEB) – Yahoo!ニュース

報道によれば、梅宮アンナさんはステージIIIAでリンパ節に転移もあったために、事前に抗がん剤治療を行い、全摘出手術を実施、乳房の再建は行わないそうです。
発見から治療まではスピーディで、父親の梅宮辰夫氏が各部位のがんを発症していたことから、がんには細心の注意を払ってたと想像します。
妻は幸い、手術までに抗がん剤や放射線治療の必要はなかったため、入院まで通常通りの生活を送れたのが幸いでした。再建は行いますが、摘出したがんとリンパ節移転などがないかの検査後となるため、また後日入院となります。

昨日手術のため終日立会、と言っても会える時間は手術前と手術後の極僅かで、何かあった際のための待機です。入院期間中の面会は不可能で、コロナ禍以降、感染症をできるだけ抑える措置のようですね。

手術は無事成功、リンパ節への移転はない(一安心)ことは確認されました。あとは切除したがん細胞の状況確認で、今後抗がん剤や放射線治療をするか否かの判断となりますが、まずは完治への第一歩は完了です。もちろん、今後もまだ再建などに向けた入院は必要となりますが、本当に良かった、ただただそれだけです。

子供2人もママがいない分多少は気を使っているのか、いつもより早起きだったり、ちゃんと宿題やったり(笑)
退院はこの後1週間から10日後ですが、早く帰ってきてほしいな~、ただそれだけです。

廃墟となった母の実家を見に行った

母方の祖母が亡くなって7,8年ほど経ちます。うちは両親とも青森出身で、父の実家は売却解体されて現存しませんが、母の実家は現存しているのは、Googleストリートビューで確認していました。

夏休みの函館帰省の際、青森到着時に時間があったので、様子を見に行ってきました。
最後に来たのは30年ほど前、正月の帰省の際に、そのお迎え準備をしていた祖父が、車に載せていたお米を持ち上げた際に心臓発作を起こし(元々持病があった)、ニトロ服用も間に合わず亡くなり、ここでお葬式を行いました。
その後、自分も高校生になり、母もここへは帰省しなくなりました。祖母もその後施設に入るようになり、そのまま施設で亡くなったため、この家は少なくとも10年以上使われていない状態です。

母方の祖父は大工もやっていたようで、実は2階部分の道路側は増築されています。よく見ると増築された2階部分は、元々あった部分より窓のサッシが新しいのがわかります。
その祖父は内装工事中に亡くなってしまったため、2階部分の一部は内装未完成状態でした。しかし当時から祖父母2人暮らしだったのに、何で増築していたかはわからず。
昔の田舎の家なので、親戚一同集まってもいいように広げていたのかな?
道路側のトタンの構造物はガレージで、これも祖父が1人で作ったものです。最後はここに車を停めた後亡くなったようです。

現在、母の姉夫婦が管理(物置代わりに)しているそうです。全国にはそうした事情の廃屋がたくさんありそうですね。
周辺の様子はこんな感じ、海に近い場所です。ここで帰省したときは釣りとかカニを採ったりしたなぁ。

この辺りの風景は30年前から大きく変わっていないです。子供の頃もっと広いと感じていたのですが、実際来てみるとそうでもないというのは、子供の頃の記憶あるあるですね。

Zenfone 11 Ultraのカメラを1ヶ月使ってみたのでレビュー【RAW写真編】

Zenfone 11 Ultraのカメラレビュー、最後はRAW画像です。
標準カメラアプリでは、カメラ解像度の設定からRAW+JPGを選択します。

RAW撮影は何故かカメラ解像度から設定する

生成されるRAWファイルの拡張子は汎用RAWデータの.dngとなります。今回はRAWデータを未調整のままAdobe Lightroom ClassicでJPGに変換し、ブログ用の解像度に落として出力したものと、個人的に調整したものを掲載しています。
また今回は基本的にメインカメラである5000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ジンバルスタビライザー&アダプティブEIS で撮影しています。

RAWデータの素の出力はかなりあっさりめの発色

息子のサッカーの練習試合の風景です。
まず未調整ファイル、解像度はしっかり5000万画素(50MP)あります。そして発色は相当あっさりめで、ある意味レタッチ向けな出力とも言えます。
ただカラー出力はフラットとは言えず、やや癖がありますね。
一眼カメラのRAW出力では、彩度はむしろ落とし気味にすることが多いのですが、このデフォルトの発色は相当あっさりめなので、彩度はかなり持ち上げて調整。
色々調整したものの、やや黄色っぽい発色となりました。

等倍で見た限り、手持ちのNikon Z 9/Z 8やD850の4500万画素を超える画素数とは言え、登載するイメージセンサは1/1.56型のSONY IMX 890センサ、流石に実際の解像感でフルサイズセンサと比較してはいけませんね。IMX 890は多くのミドルクラスからハイエンドスマホに搭載されている主力のセンサだけに、実力は悪くないはずです。後継のIMX 906も登場していますが、Zenfone 11 Ultraは先行するROG Phone 8をベースとしているため、共通した1世代前のセンサを採用していると思われます。
このセンサは、4画素をピクセルビニングにより混合して12.5MPで出力でき、JPGの場合はこれを使用していますが、RAWの場合は混合せず生データとして出力しています。

ただ、この画像を見て思ったのは、ピクセルビニングで生成した12.5MPのJPGのディテールの潰れっぷりは、RAWのJPG変換に関しては発生していないんですよね。

50MPの解像感はないけど、スマホ内生成のJPG出力より遥かにディテールは出ている

うーん、これを見る限り、50MPのRAWから”HyperClarity AIアルゴリズムでRAWファイルを直接処理”なんて謳っている割に、JPGのディテールの潰れっぷりは何なのかと思ってしまいますね。
これは想像でしかないですが、50MPのセンサ出力からピクセルビニングで12.5MPに変換した後に画像処理しているフシがあるんですよね。
確かにZenfone生成のJPGは小さな画面ではそれなりに解像感があるように見えて映えるので、ベタ塗りしてでもパッと見の良さを優先しているのかな?

感度が上がるとディテールとカラーバランスは崩れる

こちらは夜の電車を撮ってみたもので、ISO748まで上がっています。基本感度がISO25とわりかし低いセンサなので、ISO748はそれなりに高感度なんですよね、このセンサにとっては。

このデータはなかなか手強かったです。蛍光灯による緑被りをモロに受けていますが、さらに高感度ノイズ発生、暗所潰れにハイライト飛びもあります。
この緑かぶりが相当強く、ホワイトバランスだけでは調整しきれず。とにかく緑の成分が強く、他の色に乏しいんですよ。
最終的にLightroomのAIノイズリダクションで仕上げたのが調整済の写真です。RAWとは言え、無いデータは復元できないですし、カラーバランスの崩れを完璧には補正できないですね。
よく、RAWなら色味なんて後からどうにでもなるなんていうのは幻想に過ぎないのがわかります。

夜明けのSA、これはなかなか良く撮れている

驚くほどよく撮れたのがこちら。夜明けの花輪SAです。これは50MPセンサの出しうるディテールをなかなか良く出していると思います。
露出落とし気味で撮りました。

あっさり目の発色が良い方向に行っていますね、色の調整がこれに関してはしやすかったですね。
空にゴミのような黒い点が写っていますが、フルHDサイズではそう見えますが、等倍で見てみると…

よく見るとトンボが飛んでいるよ

細部表現はもちろん一眼カメラのセンサには敵わないとしても、ちゃんとトンボが飛んでいるのが分かるくらいにはディテールが出ています。木の葉もややシャギー掛かっている部分も見受けられるものの、どのみち素の50MPで使う用途なんてのはスマホに求めないので、解像度を落とした時にディテールがあればそれで良いです。
感度はISO25ですが、暗部はそれなりにノイズが出ていますね。ただ、このくらいは許容範囲でしょう。

スープカレーの美味しさを伝えるのは難しい

函館のスープカレー吉田商店にて。
1枚目は店内の様子。店内の木造とコンクリートの質感、よく出ていると思います。あっさり目の発色は、こうした調整に都合が良いですね。レタッチ向きの特性です。

2枚目はスープカレー。これが調整が難しくって。店内の電球照明、スープカレーの色、同じような色合いなので難しいですね。
感度はISO370、やや上がっているけど、この程度は許容範囲です。
こうした接写に近い撮影は、案外スマホのレンズの苦手な領域ですが、こうした撮影領域におけるモヤッとした収差の影響があまりないのはこのカメラのレンズの美点です。最近のスマホは接写の質が良くなってきましたね。

それにしても色を出すのはなかなか難しい。美味しいさを伝えるのは、ちょっとRAWをいじったレベルでは難しいです。

手ブレ補正の影響!?画像の下側の像が流れている

RAWとは直接関係ない話ですが、函館にある六花亭で撮った写真なんですが、写真の下側の像が流れてしまっています。

この現象はこれ以外にももう1枚あったのですが、原因不明です。
思うフシもあり、とっさに構えてさっと撮った際に、ジンバルスタビライザーが最大限に動作して、レンズの周辺を使ったせいではないか? 一般に、レンズは中心ほど解像度力が高く、周辺に行くに従ってその性能が低下していく事が多いのですが、近年レンズ交換式カメラのレンズは高性能で周辺も綺麗、更に手ぶれ補正を見込んでイメージサークルより広い範囲もカバーしているんですけど、強力なジンバル手ぶれ補正を備えたZenfone 11 Ultraも、最大限に手ぶれ補正を発揮するとこうなる?

像が流れる方向が画面の角ほど斜めになっていて、レンズ中心軸に向かう方向ではあり、やはり手ぶれ補正が最大限に動作した際のレンズの周辺性能限界が写っただけかな、と今のところ思っています。

像が流れる方向がレンズ中心に向かっているように見えるので、やっぱりジンバル手ぶれ補正が最大限に働いた時のレンズの限界かな?

でも、そうだとすると、なぜ下側だけなのか?左側はもっと像が流れないのかとか、思うところもありますが、左側はまだ最大限に補正されていないからなのかな?

いずれにしろ、スチルの場合はラフに撮らずしっかりカメラを構えよう、という基本は変わらないですね。

最後は望遠カメラ、JPGとの違いすぎるRAWを見よ!

最後に、3200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4) で撮ったRAWデータ。
こちらはZenfone 11 Ultraで生成されたRAW+JPGのデータをまず見てみましょう。

おいおい全然別物になってるよ!

本当に同時に生成された写真かと思いますが、同じタイミングです。あまりにも色が違いすぎますし、JPGのほうが実はわずかにトリミングされています。
雲は緑がかっています

これだけ違うのです

トリミングされている理由は不明で、RAWで撮影できる状態ではズームできないのです。
しかしRAWが素の未調整状態の色調だとすると、一体どうやって同時生成JPGの色合いに持っていけるのか?

調整してみました。結論から言うと無理でした
まずはLightroomでの調整結果を見てください。

シャドウは最大限に持ち上げて、何ならトーンカーブでも持ち上げてみたけど無駄でした。そこには真っ黒のデータしか残っていませんでした。でもZenfoneが同時生成したJPGは、暗部にちゃんと人影が写っているんですよね。このRAWにはまるで階調がないんですよ。

このRAWデータは本当にRAWなんだろうか? センサの吐き出した出力を全てデータ化しているのだろうか? いずれにしろ、Zenfone 11 UltraのRAWデータ、全データを残しているわけではない、もしくはJPGのみは複数枚撮影して合成しているとか、何かしらの違いはありそうです。
決して真っ暗な状況ではなかったんですけどね。明暗差が激しいとこうなってしまう?

ということで、Zenfone 11 UltraのRAW、一筋縄ではいかなそうですね。

Zenfone 11 Ultraのカメラを1ヶ月使ってみたのでレビュー【JPG撮って出し実写編】

さてこの1ヶ月、ASUS Zenfone 11 Ultraのカメラで撮影してみたので、レビューしてみたいと思います。
基本的にはアスペクト比4:3の標準モード(12MP)で撮影、適宜RAWでも撮っています。

広角メインカメラは50MPの解像度を持っていますが、超広角は13MP、望遠で32MPということを考えると、基本的には12MPの出力で使うことを前提としていると思います(個人的に)

5000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9)

メインカメラです。
当ブログは残念ながらWordPressの制約で、高解像度の写真は掲載できません。いつもの通りブログ用のフルHDに落とした写真がこちらです。

一見すると解像感が良い写真に見えます。実際、フルHD程度にさらに解像度を落としているので、ブログやSNSに掲載する程度であれば、何ら問題なさそうに見えます。
ただ、よく見ていくと、写真によってはかなり絵がベタ塗りであることがわかります。

1枚目の切り出しです。

この写真に関してはベタ塗り感はあるけどマシな方

こちらについてはベタ塗り感はさほどありません。元々全体が遠景に近いフォーカス、かつ葉っぱという高周波成分が多い写真ですが、スマホカメラとしては問題ないレベルではあります。しかし元が50MPのセンサということから考えると、解像度を落としたとしてもややこのディテールは不満が残ります。スマホのセンササイズの50MPはデジタルズームや画素混合で使うためのものなんですね。

そしてサッカーの写真、こちらの切り出しではサッカーコートの芝、人物のディテールが出ていなくてベタ塗りになっているのがわかります。これは12MPのカメラとしては不満が残る結果です。

ベタ塗りで電線や遠方の人物のディテールが出ていない

そしてこちらは空にバンディングが発生しています。
また木の葉もよく見ると、葉っぱ1枚1枚がベタ塗りです。

空にバンディングが発生、葉っぱもディテールはベタ塗り

ただいずれの写真も、スマホサイズで見る限りは問題なく見えますし、むしろ見栄えは悪くないのです。Zenfone 11 Ultraのカメラはスマホ画面やSNS程度の解像度での見栄えを重視したチューニングと言えます。

良いなと思ったのは、接写した時の画質が良いことで、9cm程度まで寄って撮影した際のディテールは悪くありません。
Xperiaもそこまで寄ってフォーカスは合うのですが、描写の線が太くなってしまうのです。一般的なカメラレンズは、最短撮影距離の画質は遠景より劣る傾向にありますが(マクロレンズ除く)、Zenfone 11 Ultraは寄っても描写があまり悪くならないですね。

スマホはわりかし寄って撮ることが多いので、フォーカス位置による収差変動が少ないのは良いことですね。

1300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.7mm相当/F値2.2)

超広角カメラは1300万画素、この画素数は画素混合などのリサイズをせず、ほぼそのまま出力(電子手ブレ補正分の領域は多少考慮しているのかな?)しているっぽいですね。
超広角は文字通り超広角過ぎて、手持ちの一眼カメラの広角ズーム(NIKKOR Z 14-30mm f/4S)よりさらに広角なので、使い道があまりなかったり。超広角ほど撮影は難しいのです。2枚しか撮っていない(笑

ここでもサムネイル、フルHD解像度で見る限りは、それなりに解像しているように見えますが…

超広角カメラもやはりディテールの潰れはある

やはりディテールが潰れてベタ塗り感はありますね。暗部描写は悪くなさげなので、やはりSNS映えを重視した画作りに感じます。
ある意味スマホカメラとしては正しい方向ではありますが、Xperiaはベタ塗りはここまでなかったので、ちょっと違和感があるのは確かです。
HyperClarity AIアルゴリズムというAIでの積極的な画作りはしているようですが、やはり素のセンサのディテール以上のものは出せないということでしょうね。

3200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4)

スマホカメラの伸びしろは望遠カメラにあると思っています。このカメラは光学3倍ズームまで対応、それ以上はデジタルズームですが、例によってデジタルズームの領域はHyperClarity AIによる補完でディテールを保つようです。
そして面白いことに、望遠カメラが一番ベタ塗り感が少なく、細部のディテールが良く出ています。

どうでしょう? 1,2枚目の田んぼの写真、メインの広角カメラのようなベタ塗り感が少なくいですね。3枚目の飛んでいるOH-1ヘリはズームしていますが、流石に光学ズームを超えるとディテール低下が見て取れます。4枚目(左下)の写真では、きちんと木の葉の葉脈が見えているのがわかります。なんで望遠カメラだけがここまでちゃんとディテール出せてるんだろう? メインの広角カメラでもこのくらいのディテールを出してほしいですね。

やはりズームするほど解像感がなくなり、ベタ塗り補完の傾向はありますが、素の絵が3つのカメラの中で一番素直なのにびっくりです。
Zenfone 11 Ultraでは、積極的に望遠カメラを使って撮ることをお勧めしたいです
超広角・広角カメラはソフト改良でベタ塗り感をもっと減らしてほしいですね。それともセンサの特性なんでしょうかね?


今回各カメラの比較をして、望遠カメラが一番マトモに描写できることがわかりました。面白いですね。
では広角カメラのベタ塗り感は果たして画像処理によるものなのか、はたまた素のセンサの特性なのか、RAWで撮影した写真で考察してみたいと思います。
次回はRAWでの撮影データを見てみます。

Zenfone 11 Ultraのカメラを1ヶ月使ってみたのでレビュー【操作性編】

これまで使っていたXperia 1 IIのカメラアプリPhotography Pro はSONYのαシリーズのUIを踏襲していて、スマホ本体の物理シャッターボタンと相まって、使いやすく気に入っていました。操作系は一眼ユーザーにとっては馴染み深いので、何だかよいもので撮っているような感じがします(笑
一応Carl Zeissレンズですし、スマホカメラとしては出来が良く、特段大きな不満はありませんでした。以前のXperiaに比べて、熱で落ちにくくなったのも良いです。ただ、やっぱり熱の影響は無視できず、真夏はカメラが使えないこともありましたが…。

今回初めでのASUS Zenfoneですが、カメラがどんなものか、ある程度使ってみたので、純正カメラアプリと共にレビューしましょう。

トリプルカメラの広角には6軸ジンバルスタビライザー搭載

搭載カメラは、アウトカメラは今となっては一般的なトリプルカメラ構成です
・5000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ジンバルスタビライザー&アダプティブEIS
・1300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.7mm相当/F値2.2)
・3200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4)

Xperiaのような縦並びではなく三角配置の三眼カメラ

超広角カメラは、今や一眼カメラの一般的な広角ズームよりもさらに広角です。
インカメラは3200万画素カメラ (35mm換算:22mm相当/F値2.05)となっています。

メインカメラは5000万画素、これは手持ちの一眼カメラ、Nikon D850/Z 9/Z 8を超える数字です。もちろん、センサとレンズの小さいスマホカメラですから、センサの大きい一眼カメラと同列には語れないでしょう。

「10倍ズームでも映像が荒れる心配はありません4!HyperClarity AIアルゴリズムでRAWファイルを直接処理することで、写真の細部を損なうことなく、被写体のありのままの姿を撮影可能。」
とあり、光学ズームではないものの、AIによるRAW画像からの処理により、10倍ズーム(メインカメラ比、135判換算238mm相当)に対応します。

標準カメラアプリは動画もスチルもPROモードも共通

これはXperiaも標準アプリはそうでしたが、PROモードは別アプリでした。ASUSのZenfoneは1つの共通アプリの中に標準カメラもPROカメラも統括されています。

1つのアプリで全てのスチル・動画モードを統括

この辺りは別アプリで操作性を差別化したXperiaに対して、あくまでカメラアプリは1つのアプリ内で完結させたいZenfoneとの差が見て取れます。
ただ正直操作性は、PROモード(写真)もPROビデオ(動画)も、操作しようとすると別の項目に触れてしまうなど、やや使い勝手は悪いですね。

露出補正は1/6EV単位で細かく出来るけど、円表示を回転させる操作性がいま一歩

PROモードでは、露出補正は驚くことに、1/3EV単位ではなく1/6EVと細かく設定可能。ただ一眼カメラでも殆どの機種は1/3EV単位なので、スマホレベルでそこまで細かく設定できる意味はあまりないかもしれません。むしろ細かすぎるのに操作性がシビアなのが残念です。
その他インターフェイスはPROモードでも一般的なスマホカメラアプリに準じていて、XperiaのPhotography Proのような一眼カメラライクな操作性ほどは良くはないかな、という印象。

基本ISO感度はISO25と低め

PROモードでは、どの調整も円環風のUIを動かすので操作しづらい。ちなみにISO感度の設定を開くと、ISO25から設定できるのは地味に良いですね。XperiaはISO64からでした。
絞り機構のないカメラだけに、ピーカンの撮影で低感度を使えるのは良いですね。ただ、高感度はマニュアル設定でもISO3200と、やや物足りないです。もっとも多くのスマホ・カメラはISO3200程度までなんですけどね。

ホワイトバランスのマニュアル設定は秀逸

これはいいなと思ったのがホワイトバランスのマニュアル設定です。Xperiaはマニュアル設定でK(ケルビン)を指定することはできなかったのですが、このアプリでは可能です。直感的でよいですね。

RAW(DNG形式)でも撮影可能だけど、設定は分かりづらい

RAWは一見して純正カメラアプリで出来るのかわかりませんが、なぜか画像サイズ設定の中にあります。
RAWの場合はRAW+JPGしか選択できません。
まずはフラッシュなどの設定項目を出してから、更に設定モードを開く必要があります。

最初の設定モードから更に右下の設定アイコンをタップする

設定項目からさらに「カメラ解像度」を開くと、一番下にRAW+JPGという項目があります。

何故かカメラ解像度設定の中にRAW+JPGの設定がある

解像度設定でありながら、メインカメラではフルの50MP以外は8MP主体となり、アスペクト比の設定、全画面表示、RAW+JPGと続き、なんだか一貫性に欠けますね。この辺りがカメラメーカーとは一線を画すカメラアプリですね。とにかく分かりづらいです。

フォーカスポイント表示は今一

ここが一番純正カメラでの不満な点ですが、XperiaのPhotography Proのような、被写体検出時の細かいAFエリア表示がない事ですね。
瞳認識時の表示もなく、ここはカメラメーカーでもあるSONYとPC/IT機器専門メーカーのASUSとの違いが出ています。

PCディスプレイに出した写真を認識させてみました、顔認識の枠はこんな感じです

顔認識した時の枠が太すぎる気がしますし、四角い枠の角が丸められているのも、なんだかそれっぽくないんですよね。だめではないですけど
ただ、認識しそのものは正確で、ペットも認識するとのことです。ペットと言っても幅広いので、具体的にどの動物ならOKかNGなのかは不明ですが。

さて実写編は別記事で書きたいと思います。


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