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初代iPod touch(32GB)の導入から15年

日本で初代のiPhone 3Gが発売されて15年ですが(アメリカでは2007年6月発売)、初代iPod touchは日本では2017年に、そして写真の32GB版は2008年2月に日本で販売開始となりました。

初期のiOS1.1から、基本的にこうした表示は現代のiPhoneに受け継がれている感じですかね。
実はこれ、Phille webさんの懸賞で当選してもらったものです。嬉しかったですね。当時はまだガラケー全盛期で、iPhoneを持っていると注目の的でしたが、iPod touchも衆目を集めるのに十分な素質を持っていました。
なにせ、ネットに繋がりインターネットは出来るし、アプリをインストールできて、写真も撮れる。単なる音楽プレーヤーを超えた存在でした。音楽プレーヤーとしての音質はいま一歩だったけど、当時32GBは大容量で、相当な楽曲を取り込めて、これで車で音楽をきくのが一気に楽になりました。なにせ、当時まだCDシェンジャーを使っていましたから。今では信じられないですね。

実は、未だ車で使っています。ただ、流石にもう予備機扱いです。ただ今のカーナビがだめになったら、スマホ再生に移管して完全引退かな。
初代iPod touchはまだBluetoothは非対応なので、対応機器がないと、もう使い所がないですしね。

mixiってのが時代です

いちいちパソコン立ち上げなくても、wifiさえあればmixiとか楽しめたのも時代ですね。

1999年の母校の放送室の風景

懐かしの写真です。1999年、当時は大学生でしたが、夏休みに地元函館に帰った際に、母校の高校の放送室で撮影。
20世紀末の高校の放送室の機材はこんな感じでした。

ラジオ班の音響機材

今やパソコンで何でもできる時代になり、こうした機材のうち、アンプとスピーカーとマイク、ミキサーを除くと、録音機材は大きく変化しているでしょうね。
この時代は徐々に機材がアナログからデジタルに変わっていく時代でした。

私が現役放送局員(委員会的役割もあったので、放送部とは呼ばず放送局と呼ばれていました)に入った頃は、ギリギリカセットテープを使ったTASCAMのMTR(マルチトラックレコーダ)が使われていましたが、その後MD DATAというMD(ミニディスク)派生のPC用メディアを使ったMTRを導入していました。
MDデッキはそれ以上前から導入し、特に番組作りの編集作業では、カセットテープと違って好きな曲順にしたり、不要な部分をカットしてつなげるといった作業がとても楽になりました。そういう意味で、MDデッキは編集ができる民生用としては最初の画期的なディスクメディアだったんですよね。

CDプレーヤーは、固定ピックアップメカのSONY CDP-XA5ES、カセットデッキも民生用カセットデッキ末期のSONY TC-KA3ESでした。
エフェクタも同時導入したてのSONY DPS-V77で、この辺り、実は当時局長だった私の趣味で選定し導入した機材です。わりと予算に恵まれていたのですね。
アンプも懐かしのONKYO IntegraA-925、スピーカーはBOSEの…何だったっけ? 111ではなかったような…。
レコードプレーヤーは、私が寄贈したものです。

ビデオ班の機材

私はラジオ班だったので、こちらはメインで使っていなかったですが、コンクールの締め切り間近とかはよく編集のお手伝いしていました。
この当時、もうデジタル記録できるDVフォーマットのカメラが出ていましたが、まだHi8を主体としたアナログビデオメインでした。
半業務用のSONYのHi8ダブルデッキで、タイムコードを打って編集したものです。汎用性の高いS-VHSデッキはVictorの民生機上級機種とSONYの半業務用機種を導入していました。
スイッチャー編集機は、SONYのFXE-100で、この辺りの機材は業務用故に非常に高価でしたが、学校の創立100周年記念予算でガッツリ予算が取れたので導入した機材です。
モニタもSONYの業務用ピクチャーモニタのPVM-14シリーズでした。

どの機材も今となってはパソコン1台で完結できるようになってしまいましたね。ビデオ分野は本当にPCとソフトの進化で、今や個人レベルでこの機材を上回る編集も可能となりました。

校内放送用のコンソール

皆さんが思い浮かべる放送室の風景ですね。校内の送り出しのコンソールです。シンプルですね。ガラス越しの向こうにアナウンサーが居て、そこから校内放送を流していました。
この時は夏休みなので、まだ現役高校生の後輩たちが談笑していますね。当時は用がなくても、局員はわりと放送室に集まっていました。
こういう風景は今でも変わらないのかな? あれから四半世紀、今どうなっているのか見てみたいですね。

この写真自体も16年以上前にスキャンしたもので、まだ撮影から数年だったので、ネガも状態よくスキャンできていますが、四半世紀経過した今、ネガの変色・退色が始まっています。スキャンしなきゃと思いつつ、スキャンできていないフィルムが山ほどあります。
データが突然飛ぶかもしれないデジタルに比べて失われにくいフィルムとは言え、一般人にとっては、状態よく保存はなかなか難しいものがありますね。

FEELWORLD T7 PLUS フィールドモニタをNikon Z 9で使ってみた

HDMIケーブルが無くて(モニタ付属のHDMIケーブルは片側がHDMIミニのため)、接続できていなかったフィールドモニタですが、注文したHDMIケーブルが届いたのでやっとテストできます。

FEELWORLD T7 PLUSをNikon Z 9に取り付け

Youtubeを見ながら踊る子供たちの動画を撮ってみました。やはりカメラ内蔵の3インチと違って、7インチモニタともなるとピントも見やすくてよいですね。
機能的な部分はまた後日紹介するとして、色味も細かく設定できて、全体の使い勝手は問題なさそうです。若干信号入力されてから表示されるまで遅いかな?

モニタの音声出力は0にしておきましょう

このFEELWORLD T7 PLUSはスピーカーも内蔵しているので、再生時の音声も出せますが、これは普段不要どころか、マイクが拾った音がスピーカーから発せられるので、ハウリングが発生してしまいます。
最初に接続して電源を入れたら、ものすごい異音が発生してびっくりしました。

F970互換バッテリでは長時間使用可能みたい

今回NP-F970の互換バッテリを買って取り付けました。

モニタ中央のバッテリがF970の互換バッテリ

NP-F970はSONYのハンディカム用のバッテリですが、映像業界では普及率が高いバッテリ故に、互換バッテリが数多く存在し、このようなSONY以外の映像関連製品にも多数採用されています。バッテリの使いまわしが出来て楽ってことなんですね。
F970は、純正品は6300mAhですが、今回買った互換品は8800mAhと更に大容量化されています。中華バッテリなので、この数値通りかはわからないけど、実際使ってみた限り、フル充電から30分程度モニタを表示させても、まだ残量は80%と表示されます。(ちなみにモニタの残量表示は20%刻みとかなり荒いです)

まだ長時間使った実績はないけど、1時間以上の撮影にも良さそうです。
ただ、かなり大きく重いバッテリなので、長時間撮影する予定がなければ、もう少し容量の小さいF770辺りでも良さそうです。

追記:バッテリは、上記のF970互換品(8800mAh)で6時間以上持ちました。通常こんなに長時間撮影することはないですから、これ1本あればほぼ1日撮れますし、実際はF770やF570辺りのバッテリ容量で十分かもしれません。

LUTの適用も可能

ベクトルスコープなど色々表示も可能ですが、まずはLUT(ルックアップテーブル)のインストールを。
LUTは通常、カラーグレーディングのために必要です。例えば、Nikonのカメラの場合はN-logで撮影できますが、N-logで撮影中のモニタ表示は、コントラストのが浅く見づらいものになります。
LUTをモニタに適用することで、正しいガンマカーブとコントラストで表示可能となります。

LUT用のcube形式ファイルはUSBメモリからモニタに転送可能

モニタに付属のUSBケーブル(TypeA入力)を使い、USBメモリにLUT用の.cubeファイルをコピーします。
後はモニタ側のメニューから、Lut Importを選択すると、.cubeファイルを自動でコピーしてくれます。LUTは最大30個保存できるようです。

通常のSDR録画時は必要ありませんが、Logで撮影する際にLUTをモニタに適用できるのは便利ですね。


後は屋外でどの程度見やすくなったか、試さないとですね。
また、付属の取説も英語版のみなので、主な機能も後日紹介したいと思います。

子供の行事の動画編集をいくつか ノイズリダクションを使ってみた

昨日は、朝から娘の小学校の音楽発表会があって、もちろん動画を撮ってきました。
今回は後ろの方は三脚使用可、ということで、Z 9にマンフロのビデオ雲台&三脚で撮ってきましたが、周りを見渡すと、もはやビデオカメラすら少数派、三脚据えて撮っている人は10人もいなかったような。もちろんごっつい三脚を使っているのは自分だけでした。ほとんどがスマホで撮影。
年に何回かしかない行事だもの、ビデオカメラなんて買わないよね。あるいは買うよりレンタルでも良いのかな、という感じになりますね。

音楽会のあとは、月曜日から入院する息子のPCR検査のため、入院先の病院へ移動。検査はすぐ終わるので、移動のほうが遥かに長い。神奈川県の病院なので、車移動で片道1時間半です。

帰ってきてから、音楽会の動画編集開始。
Davinci Resolve、少しづつ慣れてきました。

Davinci Resolveのノイズリダクションを使ってみた

無料版でも相当多機能な動画編集が可能な、Davinci Resolveですが、映像だけでなく音声の編集能力も優れています。まだまだ使いこなせていませんが、今回使ってみたのはノイズリダクションです。

オーディオFXからNoise Reductionを使ってみた

ノイズリダクション、カセットテープを現役で使っていた40代以上の世代であれば、DOLBY NR(ドルビーノイズリダクション)は聞いたことがある方は多いでしょう。私もDOLBY NRの最終版とも言える、DOLBY S NRを使っていました。もう30年近く前の話です。
カセットテープのノイズリダクションは、録音時に高音域を中心に、音声のダイナミックレンジを圧縮し録音、再生時に伸張することで、磁気テープの宿命であった「サー」というヒスノイズを低減させる機能でした。
今日、ノイズがほぼ無いデジタルオーディオが主流となって廃れてしまった機能ですが、デジタル音声であっても、シンセサイザーなどデジタルで合成する音声以外、生の音はアナログ、マイクから収録する場合はアナログ回路のノイズはゼロにはならないため、ノイズと無縁というわけには行きません。

今回、娘の音楽会は、観客席のやや遠方から、Nikon Z 9にオーディオテクニカのマイク、AT9941を使用しましたが、子どもたちのスピーチもマイク無しの生声だったので、後ろの方からは声自体が聞き取りづらい状況でした。
このため、録画データでも音声が小さく聞き取りづらい。Davinci Resolveの編集で、その部分の音声のボリュームを上げてみました。これが簡単に後から出来るのは、デジタル編集の良いところですが、単純に音量を上げたので、マイクアンプのノイズ自体もかなり目立つ結果に。

そこで、ノイズリダクションの登場です。カセットテープのノイズリダクションと違い、録音時の設定とは関係なく、こちらは音声を解析して、自動でノイズを低減してくれます。まさにデジタルならではです。
Davinci ResolveのオーディオFX>FairlightFXのメニューから「NoiseReduction」を該当部分の音声(波形で表示されている部分)にドラッグアンドドロップします。すると、下の画像のような調整画面が表示されます。

自動と手動が選べますが、自動を選択することで、概ねうまくいくようです。ただ自動を選択するだけ、これだけでノイズが低減できます。

Noise Reductionメニューで「自動」を選択するだけ

試しに再生してみると、生徒の声はアップしたまま、マイクアンプの「サー」という残留ノイズが低減しました。これはすごい! ただし、若干音質は低下します。高音域は少しなまる印象です。とは言え、ノイズが残るよりは具合が良いため、この機能は結構使えそうですね。

ボリュームアップした部分と無加工の部分のつなぎもうまく行きました。
プライベートな動画なので、家族親族共有のみですが、昔と違い今はスマホがあるので、じぃじばぁば向けにも、今やYoutubeで配信(限定公開)出来るのが助かります。


そして、ついでに10月の息子の運動会動画も編集しました。こちらは1時間の回しっぱなし動画を、不要な部分をカットし書き出し。

10月の息子の運動化もやっと編集

書き出した動画も、4K60pで100GB超え。Youtubeへのアップロードも結構かかりますね。
とりあえず年内の行事の動画は編集完了です。

エアバンド用のBluetoothイヤホンを新調してみた

エアバンドレシーバーはコードが煩わしいので、Bluetoothレシーバーで飛ばして、Bluetoothイヤホンを使っています。
ここ2年ほど骨伝導イヤホンを使っていました。イヤホン、片耳が好きではなく、両耳タイプの主流であるカナル型は、自分の左右の耳の穴の大きさが違うので、どうしても違和感があって耳が痛くなり、好きではないのです。
骨伝導ならどうかなと思って使ってみましたが、結論としては音量が足りない! これに尽きました。まあ安物だからかもしれませんが。
あと、バッテリの持ちが悪く、1日の撮影の途中で切れてしまうこともしばしば。

ということで新調してみました。


カナル型ではなく、18時間の長時間稼働、エアバンド用なので音質は求めない、安い、ということでこれにしてみました。

しかしまあ、2千円ちょっとなのに箱が立派ですね。しかもパッケージと取説は日本語です。仕向地向けに箱や取説もカスタマイズしているとは…。もはや怪しい日本語のパッケージは、この価格ですらお目にかからなくなりつつあります(たまに残ってるけどw)。

色はレッドを選択。ブラックだと無くしそうだから、目立つ色にしましたが、ちょっと安っぽさが出てしまったかな。

不思議な形状のユニット

イヤホンユニット自体はアルミフレームで、そのまま装着しているイメージ写真が掲載されていますが、このイヤホン単体では、確実に耳から滑り落ちます。
もしかしたら個人差で、他の人なら問題ないかもしれませんが、とにかく自分の耳の形状、ちょっと特殊なんじゃないかなと思うくらい、市販のイヤホンが合わないもので。
写真右に写っているラバーを装着すると、まあまあ良い感じになりますが、やはり左右で耳の大きさが違うためか、装着感が左右で結構違うんですよね…

さて実践ではどんな感じかな?

【カセットテープ豆知識】オートテープセレクターの検出孔

80年代生まれまでの世代であれば、大抵の人が使ったことがあるであろうカセットテープも、生まれたとき既にMDの時代でした、CD-Rがありました、という世代には、大昔のメディアという印象が強いであろうカセットテープ。

最近リバイバルしてちょっと人気みたいなので、あの頃オーディオをやっていたオッサン連中なら知っているであろう知識も、若い世代には新鮮? というカセットテープネタです。

カセットテープの種類をデッキが自動判別するための穴

カセットテープには、大きく分けて4種類の磁気特性の種類があり、ノーマルポジション(Type I)、ハイポジション/クロームポジション(Type II)、フェリクロームポジション(Type III)、メタルポジション(Type IV)がありました。
このうち、今でも売られているのは、当初から販売されていたノーマルポジションのみです。また、フェリクロームポジションテープは、ノーマルとハイポジの良いとこ取りでしたが、製造コストがかかることと、その後すぐメタルポジションテープが登場したことから、80年代半ばほぼ死滅しました。Yamaroも使ったことはありません(当時使っていたSONY TC-FX5にはテープポジションセレクタに存在していた)。

カセットデッキは、これらテープの磁気特性の違いから、録音時にはバイアス量、再生時にはイコライザー時定数の違いから、テープの種類(ポジション)を切り替える必要があります。

80年代半ばまでは手動切替だったものが、徐々に自動切替になっていきました。
では自動でどうやって判別したかというと、カセットテープ側に検出孔と呼ばれる穴の有無で判別していました。

テープの種類により穴の数が違う

フェリクロームテープ(Type III)は、前述の通り80年代なかばに消えてしまったことから、こうした検出孔はなく、オートテープセレクターのカセットデッキでは、ノーマルポジションテープとして検出されてしまいましたが、あまり普及しなかったテープなので、実質的に問題はなかったようです。

カセットデッキ側にも、検出孔の穴の有無を検知するための検出スイッチ(テープの誤消去防止爪の検知も含む)が存在しました。

誤消去防止爪とテープポジション検出スイッチ
左から誤消去防止爪検出、メタルポジション検出、テープの存在検出(検出されないとデッキの操作ができない)、ハイポジ/メタルの検出スイッチ、誤消去防止爪検出スイッチ(PIONEER T-03SR)

カセットデッキ側は、写真のデッキはオートリバースデッキのため、誤消去防止爪検出スイッチがテープのA面B面用に左右それぞれ存在します。

ウォークマンなど再生専用機の場合は、イコライザーの再生時定数(ノーマルは120μs、ハイポジとメタルは70μs)のみ検出すれば良いため、メタルポジション検出スイッチが存在しませんでした。

今となっては懐かしい話ですね。

KENWOODのチューナー KT-1100Dの調整を行った

久しぶりにオーディオネタを連発しています。

カセットデッキのPIONEER T-03SRのベルト交換をしたついでに、その下に設置していたFM/AMチューナーのKENWOOD KT-1100Dの調整を行いました。

KENWOOD KT-1100D

元々はチューナーの老舗

今、KENWOODのイメージはと言うと、一般にはカーナビ、かろうじてミニコンポを売っている、というイメージしかありませんが、元々はFMチューナーなどの受信機の会社として設立し、旧社名のTRIO(トリオ)で、チューナやアンプなどオーディオ機器、そして無線機のメーカーでもありました。また、オシロスコープのような測定器も販売していました。
TRIOはかつてはオーディオ御三家として、SANSUI(現在は法人格が消滅し、ブランド名のみ海外に切り売りされている)、PIONEER(カーナビなどを売るパイオニア本体から切り離され、オーディオブランド名が存続中)と供に、1960年代から70年代の日本のオーディオ界を席巻しましたが、今や御三家で本体から切り離しや倒産せずに生き残っている唯一のブランドだったりします。名前はKENWOODになり、会社自体はVictorと合併しましたけどね。

このKT-1100Dが販売される1年前の1986年に、KENWOODに社名変更されていますが、既にKENWOODブランドは1984年辺りから使われているようですね。
チューナーとしてもバブル期故に贅沢な設計となっており、音質も素晴らしく、同社の高級機Lシリーズほど贅沢な作りではないにしろ、当時の定価が¥74,800とかなり高額な部類です。90年代に入ると、バブル崩壊し、贅沢なアナログ回路の極みであるチューナーは低価格化し、単体オーディオ機器では下火になっていったので、この時代の機種は今や希少なFMを高品質で楽しめるチューナーです。

私はと言うと、学生時代に友人の祖父が使っていたものを処分する、と言うことでタダで頂いたものです。その友人の祖父からはBRONICA S2ももらったので、今でもこの2台が現役なのは、何と物もちが良いというか(笑)

末永く大切にしたいと思います。

経年でずれた同頂点の調整

チューニング自体はデジタル表示ですが、アナログ回路故に経年でどうしてもズレが生じます。

同調点がずれて中央の白いバーではなく、右に1つずれた赤いバーが表示されている

チューニングシグナルバー、周波数が一致すると中心に電波強度が表示され、左右の赤いバーは中心周波数からずれていることを示します。90年代以降はこうしたチューニングバーを搭載する機種はほぼなくなってしまいました。これも贅沢なチューナーの1つの機能でした。
さて、不具合としては、このバーがチューニングを合わせても中心に表示されません。
この部分は何度か調整していますが、数年でズレが発生してしまいます。ズレてしまうと、ステレオ受信ができなくなってしまいます。
今回はこの調整を行いました。調整のやり方や技術的なお話は、こちらのHPが参考になります。大昔から見ていて、今でも参考になります。こうした情報が長く残ることこそ、HPの醍醐味なんですけどね。HP全盛期から消えてしまった情報は多いですから。

同頂点L9を調整する

精密ドライバで、L9を回して同調点を調整します。今回調整するのはここだけですが、これで同頂点ズレが解消され、ステレオ受信可能になります。
実は、ラックから引っ張り出すのが億劫で、この数年、殆どRadikoで過ごしていたので、ちゃんと調整して、再びメインオーディオで聴けるのが楽しみです。

周波数表示自体のズレは直らなかったけど、ステレオ受信が可能に

残念ながら、他の部分の調整が必要なのかな? 本来の周波数に対して0.1MH低い表示で、同調点が白表示になり、ステレオ受信可能になりました。

受信感度も下がってしまったけど、ノイズレスでステレオ受信できるので、とりあえずこれでよし

うちはマンションのケーブルテレビでFMは再送されているため、一般的なアンテナ受信とは周波数が異なっていますが、本来の周波数より0.1MHz低いところで同調点が合ってしまいます。周波数自体の調整が必要ですが、オシロスコープや発振器などがないと、これ以上の調整は難しいので、深追いせずに、ラジオがきれいに聞こえればそれで良しとしました。ちゃんとステレオ受信も可能になりました。
ただ、感度がずいぶん下がってしまいました。受信感度がDIRECTだと、バーの表示が低いのです。以前はインジケーター7つくらいでていたのが、2~4つしか出ません。感度を上げるDISTANCEにすると改善しますが、ノイズも増えるので、DIRECTでノイズレスで聞けている分にはこれで十分でしょう。

音が良い! Radikoとは雲泥の差

最近radikoばかりで聴いていたので、久しぶりにKT-1100DでFMを聴いてみたら…いやぁ、別格です。当たり前ですが、radikoがHE-AAC v2 48kbpsの高圧縮低ビットレートで配信されているのに対し、FMチューナーはアナログ波をそのまま受信していますから、電波環境さえ良ければ、音質は単体FMチューナーを使用するほうが圧倒的に優れています。
MP3とCDとの差、以上に違いますね。音の厚みが全く別物です。ああ、radikoではこんなに失われていた音があったのか、と痛感。

しかし、オーディオの下火とともに、現在は高品質なチューナーは、AccuphaseのT-1200MacintoshのMR87くらいしかなくなってしまいました。もはや1,2万円台のチューナーすらないのです。ちょっと前まで、もう少し低価格でYAMAHAが頑張っていたのですが、それも生産完了となってしまいました。
カーナビではFM/AMチューナーが搭載されていますが、将来的にはradikoになってしまうのかな? 便利なような、そうでないような時代になってきましたね。

カセットデッキ PIONEER T-03SRのベルトを交換してみた

カセットデッキネタです。
前回、B’z Highway Xのミュージックテープを、手持ちのカセットデッキ、PIONEER T-03SRで再生してみたのですが、その過程で再生は問題ないものの、テープの早送りの回転が不安定であることがわかりました。

早送りが不安定になったカセットデッキ PIONEER T-03SR

せっかくの有休日なのに天気も悪いので、内部のベルトが伸びているのだろうと思い、交換することにしました。

ペナペナの安い筐体のデッキですが、MADE IN JAPANだったりします

まだPIONEERの本体がオーディオ部門を手放していなかった90年代の製品です。きちんとMADE IN JAPANです。今なら間違いなくMADE IN CHINAになっていることでしょう。PIONEERも、本体はオーディオ部門を切り離し、最近そのオーディオ部門を持っていたオンキヨーホームエンターテイメントが破綻、しかし何とかアメリカ企業のPremium Audio Companyにブランドを拾われ、日本国内ではTEACが代理店となることとなりました。
PIONEERブランドのオーディオ、好きなので、これからも良い商品を生み出して欲しいですね。

廉価デッキらしく中はスカスカ

販売当時の定価は¥39.800、購入価格は、確か当時エイプランというオーディオ雑誌によく載っていた通販の会社で、¥26,800と大幅割引されていました。高校生のお年玉でも手が出しやすい価格でしたね。
今ではありえない廉価なのも、カセットデッキの末期で作り手もコストダウンしても性能を維持できた時代です。

中身はスカスカ

廉価デッキらしく、鉄板もペナペナですし、中身もスカスカです。それでも、こうすることで低価格化していたのですから、アナログ末期のコストダウン技術はすごいです。

電源小さい! 大した消費電力はなく、アナログ回路も小規模なので、こんなものでしょうね。ヘッドやキャプスタン・ピンチローラーは、いつでもメンテ出来るので、今回は簡単に清掃するに留めました。
そして内部のメカを見てみると…おお、これまた安っぽいね。

写真中央奥の細いベルトが伸びていました

今回ダメだったのは、上の写真の中央奥にある細い方のベルトです。これが経年で伸びてしまい、回転時にたわんで回転トルクがしっかり伝わらず、早送りのスピードが不安定になっていました。

ちなみに、T-03SRはカセットテープを巻き取るモータはたったの1つ。1つのモータでテープの巻取、キャプスタンの回転を行っているのです。手前にある大きなプーリーが、テープを安定して送り出すためのキャプスタンの軸を動かしています。中級機以上であれば、個々の部分が独立したモータになっています。廉価機故に、1つのDCサーボモータで全てをこなしているのです。
このため、テープの回転ムラを示す、ワウ・フラッターは0.08%WRMSと、単体オーディオデッキとしては、あまり良くはありません。
それでも、実用上何とか問題ないレベルにはなっていますが。

早速ベルトを交換することに。

手持ちの汎用ベルトで近い長さのものを選択

以前買っていた汎用ベルトを使って交換します。
交換は取り外して入れ替えるだけなので簡単ですが、分解しないでやると、案外奥にあるプーリーにベルトを引っ掛けるのが大変でした。

こんな感じで、早送り・巻き戻しでもベルトがたわまなくなり、回転が安定しました。
メインのベルトも交換したいところですが、幅が太く長いため、これはまた次回ですね。今のところ再生は問題ないです。

DOLBY S NR基板

おまけです。せっかく開けたので、DOLBY S NR(ドルビーノイズリダクション)基板とやらを見てみました。

縦に基板が刺さっていますね。DOLBY S NRは、業務用のDOLBY SRを民生化した、最後のドルビーノイズリダクションシステムで、ノイズの低減効果は低音域まで及び、おおよそ24dB程度のノイズ改善が可能です。
ただし、1991年に登場したため、時代は徐々にデジタルオーディオに移行しつつあり、単体オーディオデッキでしか採用されることはありませんでした。
特に、初期のものは回路構成が大きいため、コストが掛かり高級機のみに採用、またナカミチなど高級カセットデッキメーカーの一部は最後まで採用しませんでした。
PIONEERのT-03SRは、このDOLBY S NRのICに、SONYのCXA1417Qを採用することで、回路をシンプルコンパクト化することが出来たためコストが下がり、定価¥39,800のデッキながら、DOLBY S NRを搭載するに至りました。
このT-03SRが、DOLBY S NRを搭載した最も安価なデッキでした。

でも見ての通り、SONY CXA1417Qで小型化出来たと言っても、あくまでもそれは単体デッキでの話で、DOLBY B/C NRのように、ICがワンチップ化されポータブルオーディオ、ラジカセ、カーステレオにも採用されたのと違い、IC1つで構成できたわけではないようで、これもDOLBY S NRが普及しなかった要因の1つです。

90年代は既にDAT(デジタルオーディオテープ)、MD(ミニディスク)と言ったデジタル録音メディアが登場、YamaroもT-03SR購入当時にDATデッキもMDも持っていたため、カセットデッキはこの廉価機で妥協していました。
90年代後半は既にカセットデッキは技術的ピークを迎え、デジタルと久遠メディアの登場と共に衰退が始まりつつありました。

あれから四半世紀、カセットデッキやカセットテープの技術が失われてしまったのも、無理はないですね。
今あるデッキやテープは末永く使えるようにメンテナンスしないとですね。

B’zのHighway Xの特典カセットを聴いて、カセットテープの技術の衰退を感じた

音楽を聞き始めたきっかけはB’zでした。
久しぶりに買ったB’zのアルバム、Highway Xには初回限定生産の特典として、カセットテープがついてくるので、予約注文して、CDはもう聴いているのですが、カセットはちょっと遅れて先日やっと封を開けてみました。

初回特典のカセットテープ付き

自分の子供達を含めて、もはやカセットテープを見たことのない若い世代が増えてきましたが、最近若者の間でにわかにブームになっているとか。
レコードといい、フィルムカメラといい、実体のないデジタルに慣れてしまった世代には、物理的な媒体は新鮮なわけですね。
アメリカではい今やCDよりレコードの生産量のほうが多いとか。
配信サブスクで、ハイレゾ音源を聞ける時代になりましたが、まだ配信されていない楽曲が世にあるので、CDも立派なメディアなんですけどね。

ただ、個人的にはカセットテープの音源、いわゆるミュージックテープを買うのは初めてです。
自分が子供の頃、語学学習用などはカセットテープでしたが、既にCDの時代になっていて、ミュージックテープは、一部の演歌など、CDプレーヤーを持っていない、ラジカセでかけられる用途として高齢者向けくらいにしか販売されていませんでした。

今こういうミュージックテープを生産する会社は殆どないので、作成用のカセットデッキも同メンテしているのか気になるところです。既に大手音響メーカーでカセットデッキを作らなくなって久しいですが、最近またラジカセなんかで少数生産されていたりします。磁気ヘッドとか、もう国産ではないのかな?

では再生してみます。

前回のブログでカセットデッキを紹介したのは、これを再生するため。久しぶりの再生で、いきなりテープ食われちゃったら嫌だったので、まずは手持ちのテープで動くのを確かめてからの再生。

音質、悪っ!

再生してびっくりです。音質が悪いのです。HiFiという言葉からは程遠い印象。わざとこういう音なのか、これがテープ自体の実力なのか?
手持ちのテープは、録音当時とほとんど変わらない良い音質で再生されたのに対して(メタルテープなので当然音質も良いのですが)、ノーマルテープのミュージックテープとは言え、業務用デッキで録音したはずでデッキの品質もそれなりに良いはずなのですが、まるで語学学習用テープ並みに音がこもっています。

再生したPIONEERのT-03SRは、高音域が減衰したテープの音を補正する、FLEX SYSTEMがあるため、これをONにしてみたものの、もともとの音質が悪いため、あまり変化なし。
自分が80年代から90年代に録音したカセットテープ、ノーマルポジションテープでも、ここまで音質の悪いテープは存在しませんでした。
当時はTDKのカセットを好んで使っていましたが、比較的廉価なTDKのAD(音楽用ノーマルポジションでは下のグレードでした)でも、ここまで悪くはなかったですね。
TDKでは、ADのさらに下のグレードとして、音楽用途向けではない記録用のノーマルポジションテープとして、AEというグレードが存在しましたが、多分そういったグレードのテープよりも音質が悪いのではないかと思います。

今国内で流通しているカセットテープは、国内ブランドではmaxellブランドのテープが唯一のようです。最も製造国は韓国・インドネシアみたいですが。

TDKもSONYもAXIA(富士フィルム)も太陽誘電も、カセットテープの生産は辞めて久しく、磁気テープそのものは業務用のストレージバックアップ用途として富士フィルムなどが製造していますが、音楽用途については既に技術的に衰退していますね。

B’zの楽曲としては、そこまでもB’zっぽいくて大好きなのですが、まるでオーディオに興味のない友達が安物ラジカセで適当に録音したテープを聞かされているような音質(例えが分かりづらいw)なのが残念でした。

カセットテープは本来こんな音質ではない

今若い人にフィルムカメラ、レコード、カセットテープが注目されていますが、これらが全盛期だった時代の品質よりだいぶ劣るものが現在流通しています。

フィルムは、なんだかレトロな絵を得られると人気のようですし、意図的にカラーバランスを崩したフィルムも出ている始末ですが、本来は今のデジタル写真と同様、現実に忠実に、きれいに撮れるように進歩してきた歴史があります。本来カラーフィルムなら、正確な色調が求められるはずが、今やちょっと変わった色調のためにフィルムが映(ばえ)アイテムとして用いられているケースもあります。

カセットテープも、こもった音がレトロな感じを出しているのかもしれませんが、本来はレコードやCDを録音しても、それに近い音質が得られるよう技術者が苦心してきた歴史があります。カセットテープの音質のピークは90年代でしょう。ハイポジションやメタルポジションのテープも大量生産で安価になり、レンタルCDショップの登場と共に、80~90年代の音楽再生を支えてきたメディアです。

せっかくカセットテープの話題を書いたので、またカセットテープについてはボチボチ書いていこうかなと思います。
まずはカセットデッキのベルト交換しないとね。

PIONEERの廉価カセットデッキ T-03SRを数年ぶりに動かしてみた

自分が高校生の時に購入したPIONEERのカセットデッキ、T-03SR。購入当時、既にDATとMDも持っていたので、カセットデッキには金をかけたくない(高校生ですしね)ということと、ノイズリダクションの最先端だったDOLBY S NRを搭載したカセットデッキでは最安値というのもあって、あえてこれを選択しました。

メカなんかは、同じ廉価機でもSONYのほうが優れていたように思います。もうちょっとお金を出せば3HEAD機(再生と録音が独立ヘッド)も当時は手に入りましたが、120分テープでラジオの録音もしたく、オートリバースの2HEADデッキにしました。

PIONEER T-03SRを久しぶりに動かしてみた

数年ぶりに動作させてみましたが、再生は問題なく出来ていますね。
メカ物は動かさないと、特に回転系は固着したり、ゴム類が劣化したり、ベルトが伸びてしまいますから。適度にメンテしていたので、キャプスタンもピンチローラーもきれいなままで良かったです。

TDKのメタルテープ、MAに録音した楽曲を再生してみましたが、音の鮮鋭度は当時のままです。ダイナミックレンジや解像感は、廉価機故に高級機ほどの緻密さはないもの、安物メカの割に、四半世紀経過してなお、それなりに安定して再生できているのは、さすが国産デッキです。そう、廉価機でもMADE IN JAPANなんですよねこのデッキ。

さて再生は問題ありませんが、早送りと巻き戻しは…やはりベルトが伸びているのか、速度が不安定でした。

カウンターの動きが不安定=早送り・巻き戻しの速度が不安定ということです

カウンターを見ると、早送りはかなり遅く、巻き戻しは最初不安定でしたが、後半スピードが出てきました。
これは明らかにベルトが滑っていますね。今度開けて交換してみます。

さて数年ぶりにカセットデッキを動かしたのは理由がありまして。
次回に続きます。