【金の井酒造】綿屋 川口納豆 ひやおろし 特別純米酒

ちょっと変わったラベルの日本酒の1つ。前から気になっていた「川口納豆」ラベルの日本酒、ひやおろしが売っていましたので、買ってみました。
もう「ひやおろし」の時期ですか。日本酒のひやおろしが出回るようになると、秋が来ているなぁとしみじみ感じてしまいます。

【金の井酒造】綿屋 川口納豆 ひやおろし 特別純米酒

納豆のお酒!? いえいえ、ちゃんとお米だけでで作った日本酒です。
「川口納豆」のラベルの由来は、このお酒を仕込んでいる、宮城県栗原市の「金の井酒造」の近所に「川口納豆」があり、そこで栽培した酒米の美山錦を100%使用しているということで、川口納豆のラベルをそのまま日本酒に採用しているようです。

ちなみに日本酒の仕込みで欠かせない酵母菌は納豆菌に対して弱いため、酒蔵で働く人たちは、仕込み期間中は納豆を食べることは厳禁としている酒蔵もあります。
もっとも、現在の納豆製造では、自然の納豆菌よりは繁殖力が弱いものを使っていることと、日本酒の酒蔵も衛生環境が良くなったことなど、様々な要因変化で、昔ほど納豆厳禁としていないようですが。

そんな納豆と日本酒との関係を知っていると、日本酒のラベルに「納豆」と入っていることは面白いな~となるわけです。

【金の井酒造】綿屋 川口納豆 ひやおろし 特別純米酒

日本酒ですから、もちろん納豆は一切入っておりません(笑) あくまで川口納豆の水田で育てた酒米「美山錦」を使用したお酒です。
精米歩合は55%と結構削っていますね。
ひやおろしですから、春に搾ったお酒を1回火入れして貯蔵し、2回目の火入れは行わずに出荷しています。加水なしの原酒で、アルコール度数は17%と平均的です。
酵母は「宮城酵母」です。日本酒度+5で辛口とされていますが、これは飲んでみないとわかりません。

透明に近い淡黄色のお酒

今回は冷やしていただきました。上立ち香はあまり強くはない吟醸香。
おお、確かに辛口のお酒ではあるので、口あたりとしてまず辛さが出ますが、ほぼ同時に米の膨らみのある甘みも押し寄せます。同時に程よく酸味もあり、これらはほぼ同着ゴール(笑)です。
雑味感はほとんどなく、とても綺麗に辛さと甘さと酸味が強すぎず弱すぎず、同時に訪れた後、サーッと引いていきます。味わい深いのに、キレが良く、ほうほう、こういうひやおろしもあるのか、と。
ひやおろしのお酒、熟成が進んで甘みが少なく、落ち着いたどっしりしたお酒が多い印象でしたが、甘味と酸味が絶妙に出ている川口納豆、これは面白いお酒です。
今回は冷やして飲みましたが、今度はぬる燗で飲んでみようと思います。