航空科学博物館の展示機続きです。
ベストセラー機の祖先 SA330ピューマ
フランスのシュド・アビアシオンが開発したヘリコプター。メーカーはその後、アエロスパシアルとなり、現在はエアバスヘリコプターとなっています。
後継機のAS332 / EC225 / H215シュペルピューマ(メーカー名称が変わるたびに型式も変更されています)は、日本でも海上保安庁や消防庁などで採用されているベストセラー機ですが、その祖先にあたる機体です。
西側では初の全天候ヘリで、出力も1575馬力のエンジンが2機と余裕のある出力なのも、ベストセラー機へとつながる要因の1つだったのでしょう。ただ、このピューマについては、日本ではコレ以外に民間機で1機導入されただけでした。当時は、まだ欧州のヘリ導入に抵抗があったのか、はたまた価格が高かったのか?
セスナ 195
小型飛行機の代名詞にもなっているセスナですが、セスナ195は第2次大戦後にセスナ社が製造した、最後の星型レスプロエンジン搭載機でもあり、セスナ社が初めて総アルミで製造した機体です。
写真の機体は、見てのとおり朝日新聞の社旗が塗装された朝日新聞の取材機です。
まだ戦前を引きずった尾輪式の機体なので、尾翼は極めて低い位置にあり、子供らが簡単に乗れてしまいます。乗っていいのか…
尾輪式故に、機体は地上では機種上げ状態になるため、滑走中はコックピットから前方がほぼ見えません。
とあるファントムライダーの方曰く、滑走路の横を見れば真っすぐ進んでいるかわかるから問題ないそうですが(ファントムの後席も前方は極めて見づらい)、素人目には前が見えないのはやっぱり怖いですね。
二重反転! カモフ Ka-26
旧ソ連のカモフスキーといえば、二重反転ローターを持つヘリコプターとして有名です。
二重反転ローターは、プロペラ径を小さくできる、テイルローターが不要となるため、エンジン出力をすべてメインローターに回せるために効率も優れているなど、優れた特徴があります。テイルローターがないため、キャビン後方にも出入り口があります。このため、ボディの設計自由度も高いようです。
反面、構造が複雑で、全高が高くなるため格納が難しくなるなどのデメリットもあります。
冷戦当時のソ連機ですが、このKa-26は例外的に西側にも販売されていたようで、少数ながら日本にも輸入されたようです。
この機体は説明によると、日本に輸入された3機のうちの1機で、個人所有!だったそうです。所有は坪井一郎氏、東洋熱工業株式会社の創業者だそうです。
続く…