「護衛艦・自衛艦」カテゴリーアーカイブ

砕氷艦「しらせ」AGB-5002 2006年8月撮影

2006年8月、海上自衛隊横須賀基地の公開の際に乗艦見学してきた、砕氷艦「しらせ」(AGB-5002)。

砕氷艦「しらせ」(AGB-5002)  手前には2006年3月に就役したばかりだった潜水艦「やえしお」(SS-598)

この初代「しらせ」は2008年に退役しましたが、保存が決定し、現在はウェザーニューズ社が買い取ってSHIRASE、と命名されています。
砕氷艦としては、2代目の「しらせ」(AGB-5003)が現役です。

今写真を見直すと、当時使っていたNikon COOLPIX5400、感度が低くてAFもプアでレスポンスも悪かったので、あまり撮影も進まず、ほとんど写真撮っていないのですよね…。見学は艦橋とヘリ格納庫でした。あまり撮れていませんが、現在ウェザーニューズ社のSHIRASEは見学出来ないため、この当時の写真はそこそこ貴重かなとは思います。

JMU磯子工場における空母化改修中(前期工事)護衛艦「いずも」

先日行った横須賀の帰りに、せっかくここまで来たのでと、寄らせていただきました。いつもの、J-Powerの磯子火力発電所からの撮影です。

JMU磯子工場で整備中の護衛艦「いずも」(DDH-183)

護衛艦「いずも」、2020年度予算で、F-35B STOVL戦闘機搭載のための改修工事予算が取得され、定期整備とともに改修工事が始まっている模様です。

といっても、外観から明確に空母化工事中…というのはわからないですね。そもそもが、名称は護衛艦(艦種:DDH=ヘリコプター護衛艦)であっても、国際的に見れば元々がヘリ空母と言っても良いですから。

護衛艦「いずも」の奥には、2021年3月の就役に向けて艤装中のイージス艦「はぐろ」(DDG-180)が

「いずも」の奥には、去年進水し、2021年3月の就役に向けて艤装中のイージス護衛艦「はぐろ」の艦首とマストが見えます。

戦闘艦としては自衛隊最大の「はぐろ」を持ってしても、「いずも」と並ぶと子供のような感じになりますね。
よく見ると、「いずも」は船体の塗装がまだらになっていて、再塗装しているところとそうでないところがあるようです。
それでも、先日上げたような米海軍のサビサビ船体を見ると、自衛隊の艦艇は作戦中であっても比較的きれいですね。

整備中の護衛艦「いずも」の艦橋クローズアップ

G.VARIO 14-140mmの望遠端では足りず、トリミングしています。今回は軽量にこの1本だけで撮影しましたが、ちゃんと撮るならもう少し望遠が欲しいですね。

さすが艦橋が大きいだけあって、ビルの改装工事と同様に足場が組まれている感じです。甲板にテントやらトイレやら、各種資材を置いても十分な広さがあります。

「いずも」の空母化改修は、この1回で終わらず、2回に分けて行うそうで、2回目は次の定期整備の2025年から、それが終わって正式に空母として運用されるのは2027年とされているので、まだまだ先の話です。

中国も空母保有から艦載機を飛ばせるようになるまではかなり時間がかかりましたから、ものを作って飛行機を乗せれば空母、というようには簡単に行きません。運用方法の確立や問題点洗い出し、相当時間がかかります。

まずはこの最初の改修後、F-35Bの搭載適合テストを行い、その後2回めの改修、再度テスト、そして運用開始となりますが、現在尖閣情勢も緊迫化しつつあり、それまで尖閣を維持できるかが、これからの鍵となりそうです。

YOKOSUKA軍港めぐり船に乗って米空母や自衛艦を見てきた

米海軍横須賀基地配備の、空母ロナルド・レーガン(CVN-76)が8月1日、横須賀港に入港するとのニュースを聞きつけ、せっかくの土曜日で関東梅雨明け、と言う天気の良さも手伝って、急遽横須賀に行くことに。
妻は仕事、子供ら2人連れてということで、撮影機材は軽量なLUMIX GX7MK2に便利ズームのG.VARIO 14-140mmとしました。

いやよい天気でした。気温も急上昇。
YOKOSUKA軍港めぐりの観光船を予約して、いざ横須賀へ。
14時の便に乗りました。

出港してすぐに見られるのが、海上自衛隊の潜水艦。この日は、最新のそうりゅう型ではなく、1世代前のおやしお型が2隻停泊していました。潜水艦は、行動秘匿のため、就役中は艦名の表示は船体から消されているので、これらが具体的な艦名は不明となります。ハッチの厚さも秘匿のため、緑のカバーがされています。

砕氷艦「しらせ」(AGB-5003)は、南極から戻った後に整備で塗装されたばかりとのことで、非常にきれいな状態でした。

逆光で見づらいですが…イージス護衛艦「まや」(DDG-179)は最新の護衛艦で、共同交戦能力(CEC)を備えた初めての護衛艦となります。NIFC-CA FTSにより、他のCEC搭載艦が捉えた標的の情報を得て、自艦のレーダーに映らない標的を攻撃可能な「エンゲージ・オン・リモート(EOR)」にも対応します。
イージス艦では初の、COGLAG推進(ガスタービン・電動機の複合推進)となっているのも特徴です。

この日の目玉は、何と言っても米海軍空母「ロナルド・レーガン」(CVN-76)が午前に入港したことですね。
5月末以来、2ヶ月ぶりの帰港の目的は不明で、帰港は前日に横須賀市に伝えられ、この日の夕方には再び出港する慌ただしさだったようですが、隊員は束の間の休息を楽しんでいたようで、飛行甲板をよく見ると、所狭しと並べられたホーネットの翼下で、Tシャツハーパンのラフスタイルで休んでいる風景が見られました。

アーレイ・バーク級駆逐艦は、いずれも初期型のフライトⅠが停泊中。巡洋艦アンティータムは、・バーク級駆逐艦は、いずれも初期型のフライトⅠが停泊中。巡洋艦アンティータムは、近代改修されていますが、BMD(弾道ミサイル防衛)能力は持たない艦です。

ブルーリッジはずっと日本に配備されていて、日本人にもおなじみの艦艇です。今年の11月で艦齢50歳の、現役米艦艇でもっとも古い艦艇になります。


米海軍を見た後、軍港めぐりの船は吾妻島の北側へ向かいます。

自衛艦隊指令部のあるこちら側は、普段陸側からはあまり見れない場所で、軍港めぐり船でないと、中々見れないですね。

特に海洋観測艦は、対潜戦のための各種海洋情報収集のための重要な艦艇で、戦闘艦が注目されがちですが、それらを影で支える裏方になります。
下の写真では、海洋観測艦「しょうなん」(左)と「わかさ」が並んでいますが、今年度に入り自衛艦は、艦艇塗装のロービジ化(低視認化)を進めており、その一環として、艦番号もコントラストの低い塗装に変更されています。まだ変更過程なので、新旧艦番号の違いが比較できるのも今だけですね。
煙突も、端部の黒い塗装が、灰色に改められています。

吾妻島の西側は、元々は陸と繋がっていた半島だったのを、明治時代に水路化し「新井堀割水路」と呼ばれているようです。吾妻島は現在米海軍の敷地となっていて、一般人は立ち入りできません。
ところで島にトンネル倉庫らしき扉がありました。今は使っていないようですが、元々は弾薬庫だったのでしょうか?

再び護衛艦隊の前を通過し、船旅のフィナーレを飾ります。
なかなか珍しい「あさぎり」型護衛艦の3隻メザシ状態の停泊シーンは、このアングルで見るのは貴重です。
最新イージス艦「まや」も、マストのアンテナ類をじっくり見ることが出来ました。

米曳船は、どうやらこの後、空母「ロナルド・レーガン」の出港を支援したようです。色の褪せた宿泊艦は、今はエンジンがなく稼働できませんが、現在も宿泊艦として現役、就役したのは第二次大戦が終了する1945年ですから、75年も前の船です。今でもこうして使っているのはすごいですね。


連れて行った娘は若干船酔いしてしまったようですが(船酔いしやすいのを忘れていた)、息子の方は前半眠そうでしたが、後半は起きて楽しんでいたようです。
空母に会えたのは、一期一会で良かったですね。

護衛艦「はたかぜ」を見学(2014年1月)

昨日のブログでは、護衛艦から練習艦に艦種変更された「はたかぜ」(TV-3520)が、横須賀から呉に向けて旅立った話題と、去年撮った護衛艦時代の写真を掲載しました。
あまり「はたかぜ」を撮っていないなと思っていましたが、実は中も見ていたことがわかりました。記憶というものは曖昧ですね。

今から6年前の2014年1月、海上自衛隊横須賀基地にて、ミサイル護衛艦「はたかぜ」(DDG-172)を見学する機会がありました。
今回は、その時の写真を再編集してお送りします。

この日のバースには、イージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)や、ヘリコプター護衛艦「ひゅうが」(DDH-181)など、自衛隊を代表する艦艇も停泊していました。

ミサイル護衛艦「はたかぜ」(DDG-171)と退役護衛艦「旧さわゆき」(exDD-125)

見学する「はたかぜ」と、その手前には2013年に退役した護衛艦「さわゆき」。「さわゆき」はこの時点で退役から9ヶ月、やや塗装が薄くなってきていました。

メザシ係留されている「はたかぜ」に乗り込むためには、退役艦「さわかぜ」経由で乗り込まなければならないので、じっくりディテ0るを観察。遠目にはまだきれいでしたが、よく見ると塗装にクラックが入り始めている他、主砲は砲身が取り外され、対艦ミサイルやCIWS(高性能20mm機関砲)も取り外されていました。
レーダー類は取り外されておらず、これはこの撮影の後、2015年に解体されるまでそのままだったようです。

なぜ退役後すぐ解体されなかったか、中の人に聞いたところ、解体にも入札など手続きが色々必要で、それが決まらないと解体できないのことでした。未だ現役の同型艦もいるので、機密の観点からも、解体業者はどこでも良いというわけには行かないですしね。


ここからは、ミサイル護衛艦「はたかぜ」に乗艦、まずは外観ディテールを。

乗り込んだ状態での撮影の為、どうしても全景というよりは、部分部分のディテール撮影になってしまいます。

「はたかぜ」は、イージス艦登場以前の、最後のターターDシステム搭載の艦隊防空のための護衛艦です。そのため、主兵装は、Mk.13発射機から発射されるスタンダードSM-1MR対空ミサイルで、イージス艦のように同時に複数目標対処は難しいため、イージス登場後は一気に陳腐化してしまったという経緯があります。とはいえ、この撮影時点では、前護衛艦隊にイージス艦は配備されておらず、まだ第一線の防空艦、そして現在も、「はたかぜ」型2番艦の「しまかぜ」は、「まや」型イージス護衛艦の2番艦が就役するまでは、第一線の防空艦として運用されます。

Mk.42 127mm単装砲も、かつて護衛艦の主力でしたが、現在では「はたかぜ」型2隻を残すのみとなりました。

現在、ミサイルはVLS(垂直発射装置)が主流ですが、専用発射機が残っているのも、80年代の古い護衛艦らしいですね。ASROCランチャの後ろ、艦橋の下には、ASROCの自動再装填装置が組み込まれています。

ハープーン対艦ミサイルは、このときは初期型のRGM-84Aと、Block1Cとも呼ばれるRGM-84Dが混載されていました。初期型はもう相当古いはずですが、まだ維持できているようです。最近でも、より新しい「むらさめ」型護衛艦が、RGM-84Aを搭載している事例もあるようで。


このあとはいよいよ艦内へ。まずは環境からです。

対潜コンソール?には、おそらく昔はCRT出会ったであろう表示装置、2014年時点で液晶モニタに。ソーナー(一般にソナーと言われている潜水艦の音響探知は、自衛隊ではソーナーと表記します)とCDS(Conbat Direction System:戦闘指揮装置)の表示があり、それぞれのデータから目標の方向や深度などが表示されるのかな? その下には、魚雷発射管とアスロック発射機の装填表示もありますが、赤丸は装填されているのでしょうね。ただ赤丸が訓練弾なのか実弾なのかは不明です。

フィンスタビライザーは、商船に搭載されているものと基本的に同じものでしょう。革巻きの操舵輪は、最新の護衛艦と比べると、なんとも古めかしい感じです。

速力表示版は、護衛艦でおなじみのもの。ちなみに、”一杯”とは、定格出力を超えて出力させるもので、例えば魚雷などから逃れるなど、万一の場合、機関に損傷を与えても、とりあえず出しうる最大のパワーで逃げるときのみ使うそうです。

係留図は、この日の横須賀基地の係留艦を掲示していました。お隣は「退役艦」、退役すると艦名も消されるため、名無しさんなんですね。

FURUNO FA-150 AISは、民間船舶にも搭載される船舶自動識別装置で、今では船舶の位置はインターネットでも船舶位置が表示可能ですね。


続いて艦内。ダメコン室と機関室を見せていただきました。

1枚目は、応急監視制御盤、いわゆるダメージコントロール(ダメコン)を行う場所で、艦内の火災や浸水状況を把握し、対応を行う場所で、戦闘艦では重要な区画の1つとなっています。

2,3枚目は機関室の制御盤です。「はたかぜ」型は、ミサイル護衛艦としては初めて(オールガスタービン艦は汎用護衛艦のはつゆきが最初)のオールガスタービン艦ですが、現在のような高度に電子制御された…という感じはなく、モニタも小さなものが最小限、主に計器と表示ランプで構成されていて、流石に古さを感じます。

3枚目はまさに速力を調整するための制御盤と速力レバーです。
ご丁寧に、速力の表示と速度、エンジン回転数とプロペラピッチの相関表を掲示してありましたが、「原速」12ノット(22.2km/h)までは主軸75rpmで、可変ピッチプロペラのピッチ角で速度調整し、それ以上はピッチ角固定で、軸速度を上げていくようです。
5戦速で30ノット(55.5km/h)、最大戦速で30ノット+α(32ノット程度までは行ける?)、一杯で「限界突破」だそうです。
前述の通り、最大戦速は、機関の損傷リスクを承知で、出しうる最大出力で逃げ切るためのものとなります。
さり気なく置かれているストップウォッチが、いかにも現場といった雰囲気です。

6年前の撮影ですが、なんだか懐かしいですね。
この時はNikon D800で撮影しましたが、やはり古いニコン、RAW現像でもちょっと苦労するタイプです。ハイライトが暴れるし、AWBはいまいち出し。画質自体は今の目で見ても良いのですけどね。
D800に比べると、後継のD810は本当に色の出方が良くなり、RAW現像で苦労することもなくなりました。

さて、護衛艦から練習艦となった「はたかぜ」、寿命延長されているので、あと4,5年は練習艦として活躍するのかな?
また観艦式など機会があれば見てみたい艦艇ですね。

護衛艦→練習艦「はたかぜ」横須賀から呉へ

これまで、横須賀を母港としていたミサイル護衛艦「はたかぜ」が、練習艦に艦種を変更され、昨日5月20日に、新しい母港である呉に向けて旅立ったようです。

護衛艦「はたかぜ」は、スタンダード対空ミサイルSM-1MRを搭載する、護衛艦隊の防空艦として、1986年(昭和61年)3月に就役。従来の蒸気タービンエンジンから、オールガスタービンエンジンを搭載した、就役当時は最強の護衛艦でしたが、数年後には、イージス護衛艦「こんごう」が就役したことで、防空艦としては早くも旧世代になってしまいました。が、イージス艦が全護衛艦隊に配備されるまでは、実に30年近くも要することになるため、本艦もイージス艦とともに、30年以上艦隊防空に携わったことになります。

最新のイージス護衛艦「まや」が就役したことで、「はたかぜ」は護衛艦から練習艦に艦種変更され、この度呉に移動することになりました。

なぜ艦齢30年以上経過した、通常ならそろそろ退役するであろうミサイル護衛艦を、練習艦にするのかは謎ですが、「はたかぜ」の練習艦転籍によって退役した元護衛艦で練習艦になった「やまゆき」も、実は就役が1985年(昭和60年)12月と、「はたかぜ」と艦齢でいうと4ヶ月程度しか変わらないのです。

「はたかぜ」型は、はつゆき型護衛艦であった、練習艦「やまゆき」よりは船体が大きいため、外洋航行時の乗り心地は良いかもしれませんが、某中の人曰く「搭載機材が古いので、現代戦の練習にはならんよ…」とこぼしていましたが。

ただでさえバブル期に大量建造された護衛艦の代替が、予算の成約でなかなか進まない昨今、かつて28年程度で退役していた護衛艦も、今や艦齢伸張で40年近く運用することになりそうです。「はたかぜ」も練習艦として数年は運用されるでしょうね。


ところで、どうも私、「はたかぜ」にあまり縁がないらしく、写真が少ないのです。こちらは去年の8月に横須賀のとある公園から撮影した「はたかぜ」です。

3枚目写真の奥には、米海軍横須賀基地所属のイージス駆逐艦「マスティン」(DDG-89)が、更に奥には昔テロの標的で爆弾を食らった「コール」(DDG-67)も見えますね。

残念ながら、観艦式での写真は見当たらず、2015年の観艦式は「はたかぜ」型の2番艦「しまかぜ」でした。

2015年の観艦式で空砲を発射する護衛艦「しまかぜ」

空砲を打てるのは、搭載艦としては「はたかぜ」型のMk.42 5インチ砲が最後みたいなので、今後観艦式で空砲の発射が見られることもなくなるのかな?

呉に移動すると、更に目にする機会はなくなってしまいそうなので、去年の撮影で見納めになってしまいそうです。

と、ここまで書いておいて、そうえいば数年前に、横須賀基地を見学した際に、護衛艦「はたかぜ」も見学していたことを思い出しました。ブログに書いてた(汗)
というわけで、せっかくなので、もう少し解像度を上げた写真を次回再アップしましょう。