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Manfrotto ナイトロテックN8ビデオ雲台+536カーボン三脚を導入してみた

先日、小学生の娘の運動会で、Nikon Z 9の動画撮影をしてみましたが、画質が非常によく、AFも食いつきがよく、動画からスチルを切り出しても割と使える画質レベルであることから、本格的に動画撮影をしてみようと思い始めました。

娘の運動会では、動画画質は確かに良かったものの、SmallRigの自由雲台3457はZ 9 + NIKKOR Z 24-200mmではいまいちスムーズさに欠け、やっぱり値段なりかなと実感。雲台単体では滑らかなフルードっぽさを感じたものの、いざ動画撮影してみると、パンもチルトもスムーズさに欠けました。特にパン動作が、案外引っ掛かりが多く、ガッカリでした。耐荷重は5kgですが、実際には軽量なカメラじゃないと、
また、チルトもちょっと緩めるとカックンと下を向いてしまい、調整幅が少なく、常にパン棒で支えているならよくても、手を離すと不安でした。

ということで、きちんと撮るには、しっかりしたビデオ雲台が不可欠、ということでまともなビデオ雲台を物色。
当初は、コスパの良いManfrottoのMVH502AHかなと思っていたのですが(以前Nikonミュージアムでは、この雲台にD4+AF-S 600mm f/4E ED VRが載せられて展示されていたので、ギリギリその重量も行けるっぽい)、どうせなら水平をきちんととれるボール雲台&三脚あったほうが良いよね、となりまして、雲台をバラで買って後から三脚買うよりは、セットの方が安い、ということで、表題のセットを買ってみました。

ただ、この製品は旧製品で、Manfrottoのアウトレットストアで、中古品でした。
本音を言うと、Gitzoのカーボン三脚GT5543LSと、ザハトラーのビデオ雲台FSB8IIとの組合せが理想ですが、三十数万円の世界です。ちょっと手が出ません。

ビデオ雲台のナイトロテックN8は、現行品のナイトロテック608の1世代前の製品で、8kgまでのカウンターバランスを備えたフルードビデオ雲台です。
600mm f/4クラスのレンズと、中上級カメラボディとの組合せでも問題なく使えます。
ただ、この組合わせは、既に使っているGitzoのフルードジンバル雲台のほうが、構造的に重量級レンズもお辞儀してしまう心配はなく安心なので、ナイトロテックN8との組合せは、Z 9やD850とAF-S 200-500mmクラスのレンズでのスチル&ビデオ撮影、あるいはZ 9と24-200mmでビデオ撮影がメインになるかなと思います。

デザインはManfrottoらしく、イタリアメーカーだけあってカッコいいですね。
ナイトロジェンピストン機構により、8kgの重量の機材までのカウンターバランスを取ることが可能です。

中央のピストンがナイトロジェンピストン

試しにレンズだけで5kgを超えるAF-S 600mm f/4GとD850を載せてみましたが、さすがにこの重量だとちょっとカウンターバランスを取るのは難しいようです。

レンズだけで5kg超えのAF-S 600mm f/4G ED VRと、D850との組み合わせでは、カウンターバランスを取るのは難しかった

耐荷重8kgとは言え、それは55mmの重心高の場合で、上の写真の組み合わせはそれより重心高が高くなってしまうため、当然雲台には厳しい条件となります。
したがって、このクラスのレンズでカウンターバランスを取るなら、より上級のナイトロテックN12やその後継のナイトロテック612が必要です。
自分の場合は、このクラスの望遠レンズはジンバル雲台が前提で、このビデオ雲台で使う予定はなく、これより軽いレンズとの組み合わせがメインとなりそうです。
とは言え、ビデオ雲台、ジンバル雲台のようにレンズの横に出っ張ることがないため、スッキリしていて使い勝手は良さげなのも確かで、確かに近年超望遠レンズ界隈でもビデオ雲台が人気なのも頷けます。

実際に上の写真の状態でレンズを振ってみましたが、調整次第でかなり滑らかです。特にパン動作が、フルードの効き具合を微調整できるので、私の好みの重めの操作にすることで、滑らかにパンできました。コレコレ、この滑らかさが欲しかったのですよ。ティルト動作よりパン動作のほうが、滑らかに動かすのは難しいですからね。

536カーボン三脚は、75mmハーフボール対応のビデオ三脚で、ハーフボールアダプタが付属するため、ハーフボールではない一般的な雲台も、水平バランスをとる事が可能です。そもそもナイトロテックN8もハーフボール雲台ではなかったりします。

MPROカーボンファイバー4段ビデオ三脚とのセット

この三脚は、4段で最高204cmまでの高さで運用できます。この高さも魅力でした。その代わり、カーボン三脚としてはかなり重い3.44kgです。
同じ高さが取れて耐荷重も同じ25kgのGitzoのGT3543XLSだと2.29kgなので、やはり強度に対して軽量なのはGitzoに軍配が上がりますね。1kg以上の差は大きいです。
このあたりは技術の差、値段の差が大きいですね。

さて実際のビデオ撮りで想定するNikon Z 9とZ24-200mm、このままだとカメラの取付向きが何なので、アダプタを別途買ってみます。
そのお話は次回。


N8は旧製品なので中古か新品在庫品となりますが、N8から改良された608も、新品の価格は中古N8よりちょっと高い程度なので、雲台単体なら後継のナイトロテック608がオススメです。

Manfrottoアウトレットストアなら、通常保証のみで延長保証はないけど、原稿ナイトロテック608をお買い得に購入可能です。


息子の運動会に向けて…

息子の保育園の運動会、本当は先週でしたが、雨天延期となりました。
が、延期されたことで、こちらとしても着々と準備中です。

こちらの中身ついての記事は後日。Twitterでは中身は公開していますけどね。
こういうのも導入します。

問題は天気なんですよね…。

14日午前6時時点での19日(水)の降雨量スパコン予想 http://weather-gpv.info/

19日(水)が運動会予備日、当日は晴れそうですが、前日が雨なんですよね。

前日夕方くらいまでは雨っぽい

地面が乾かない感じかな…。
保育園最後の運動会だけに、流れるのは勘弁して欲しいな。

値上がり前に撒き餌レンズ NIKKOR Z 40mm f/2を買ってみた

COVID-19に端を発した世界的な物不足。半導体不足に始まり、物流の停滞、原油高が重なって、世界的に物価上昇の傾向にあります。日本はとりわけ円安も重なっていますしね。
ということで、2022年10月より、各所で食料品やら工業製品が値上げとなっています。

Nikonでも、一部製品の値上げが発表され、10月5日より値上げが発表されました。
ということで、値上げ前に抑えておこうと思ったのが、表題のNIKKOR Z 40mm f/2です。

こちらはNikon Zマウント最安値で、2021年10月1日販売開始時の希望小売価格は¥35,350と、最も安価なフルサイズ対応レンズです。
10月5日より¥40,370と5千円値上がりしました。
その前に実売2万円代後半で導入することにしました。昔のCanonのEF50mm F1.8IIみたいに実売1万円切る程ではないにせよ、十分撒き餌レンズと言うにふさわしい価格でしょう。

軽量コンパクト、プラマウントは気にならない

Zマウントレンズのフルサイズ対応単焦点では、Z 28mm f/2.8に続き軽量コンパクトなレンズです。
購入に際しては、28mmは個人的にあまり好きな焦点距離ではなかったため、35mmと50mmの中間的な40mmの本レンズを買ってみました。

前玉はとても小さいですね。一眼レフ用のレンズからすると、かなり小さく不安になりますが、考えてみれば、フィルムカメラ全盛期のコンパクトカメラは、前玉は小さかったですね。これは、コンパクトカメラは一眼レフのようなレフレックスミラー機構のためのスペースが不要なので、バックフォーカスを大きく取る必要がないため、前玉を小さく出来ました。原理的には同じ理屈なんでしょうね。

NIKKOR Z 40mm f/2の光学断面図 前玉(左側)は小さいが、後玉は大きい

レンズの光学断面図を見ると、前玉は鏡胴の直径の半分にも満たない小径ですが、後玉は大きく、非球面レンズとなっています。フレアカッターも入っていますね。

外観はプラスチックながら、昔の安価なAFレンズのように無粋に黒光りする感じはなく、この価格としては十分でしょう。

コントロールリングは1つ、このサイズならこれで十分でしょう。Z 9との組み合わせであれば、フォーカスリングとしての感度は「敏感」と「鈍感」の2種類選択可能です。個人的は敏感でも速すぎることはなく、これで良いかなと思いました。

マウントはプラスチックです。近年はメーカー問わず、軽量コンパクトで安価なレンズは、金属マウントではなくプラマウントの採用が増えてきました。
プラマウントの耐久性を心配する人もいますが、プラスチックの性能は20世紀とは比較にならないくらい進化しています。使い方次第では金属と遜色のない強度を持っています。着脱でスレは発生しますが、摩耗してガタガタになるのは、相当な回数の着脱をしない限り、まず実用上の問題は発生しないです。
レンズが軽量であることから、マウントにかかる負荷も重たい望遠レンズと比較すれば、無視できる程度です。
ということで、個人的には何ら問題ないと思っています。

純正でレンズフードが用意されていないのは残念

90年代のNikonのDタイプレンズ全盛期は、中上級レンズを除き、レンズフードが別売りでした。2000年代に入り、多くのレンズに標準でレンズフードが同梱されるようになりましたが、ここに来てZマウントのこの安価な40mm f/2には、レンズフードは同梱されないどころか、別売りですら用意されていません。
これは、Z 28mm f/2.8でも同様です。
ちなみに、CanonのRFでは安価なレンズであっても、別売りでちゃんとレンズフードの設定があります。
この辺り、安価なレンズはフードの設計すら省いてコストダウンしているのでしょうか? 少々残念です。

ということで、このレンズを多分買うだろうという予測の元、以前我楽多屋さんでNikonのねじ込み式フードのHN-3を購入済み。HN-3は52mmのフィルタ径を持つFマウントのAI Nikkor 35mmF1.4S・35mmF2S・35mmF2.8S・55mmF2.8Sマイクロ・AF35mmF2(D)・AF35~80mmF4~5.6D〈New〉に適合するフードですが、フィルタのネジに取り付けるので、52mmのフィルタ径を持つ35mm以上の焦点距離のレンズに汎用的に使用可能です。
Z 40mm f/2も、Nikonの単焦点レンズで長らくこだわって設定されていた52mmのフィルタ径なので、HN-3がぴったり適合します。
フードがあるだけで、それっぽくなるし、レンズの保護にもつながるので、フードは必須アイテムです。

しかし、Nikon HN-3、以前はジャンクかごに並ぶくらい安価に手に入ったのが、Dタイプレンズ終了とともに生産完了となってからは、一部では価格高騰しているのですよね。我楽多屋さんは、値上げせずに販売してくれているのがありがたいです。

が、手に入らない場合は、サードのレンズフードという手もあります。

こちらは28mmと共通なので、フードの深さは不利ですが、付けないよりはあったほうが良い、という感じでしょうか。
サードからは色々出ているので、好みのデザインのものを楽しむという遊び方はありますしね。
いずれにしろ、フードは付けたいですね。

実写してみる

40mmという焦点距離は、NikonではAF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gくらいしか他になく、しかもこのレンズはDXフォーマット用ですから、フルサイズ用のレンズとしては、本レンズが初めてです。
35mmと50mmという定番焦点距離に挟まれた40mmですが、果たしてどんな塩梅かな? もともと35mmが標準レンズで、50mmもこの10年で苦手な焦点距離から好きな焦点距離になったので、40mmはすんなり受け入れられそうな感じです。

Nikon Z 9には少々コンパクトすぎ?

個人的に、Zマウントのレンズはハズレ無し、という印象ですが、本レンズは良い意味で収差も残っているので、絞りにより描写の変化はある程度楽しめる印象。それでも、Fマウントのレンズ度比較すると、開放から安定性は高いです。開放で口径食が少ないのも、この価格とf値ではかなり良いのではないでしょうか。

逆光や点源光が直射する状況では、場合によってゴーストやフレアが発生することもありますが、それもひどく発生するのではないので、全体として好印象です。
ボケは被写体と背景の距離によっては、少し二線ボケになることもあるけど、概ね良好。
ほぼ完璧な写りをする、f/1.8シリーズと比較すると、解像力や収差の点で一歩譲るかもしれませんが、Z 9の4500万画素でも、f4か5.6で解像力はグッと高まります。
そういう意味では、昔のレンズほど劇的な変化ではないものの、絞りによる描写変化は楽しめますね。もちろん、一眼レフ用の50mm f/1.8あたりと比較すると、開放でも劇的に良いですけどね。

AFはSTMで、Z 9でも素早いというほどではないけど、実用上問題ない感じ。ただ、例えば一眼レフのD850とAF-S NIKKOR 35mm f/1.8G EDは、素早くなくともスーッと一発でAFが合うという感じに対し、Z 9とZ 40mm f/2はウォブリング(フォーカスが細かく行ったり来たり)の傾向があり、それが場合によって少々もたつくように感じることも無きにしもあらず…でも概ね問題ないですかね。
これはレンズのせいというより、Nikon Zボディ共通の問題かもしれません。どうもフラッグシップのZ 9ですら、像面位相差よりもコントラストAFniウェイトを置いているような挙動を感じます。ま、このあたりは脱線話なので、また別の機会に。

値上がりは残念ですが、それでも実売3万円台で手に入るレンズとして、完成度は高く、価格以上のものを得られるのは間違いないです。フルサイズZユーザー全てにおすすめのレンズです。


【JJC】KIWIFOTOS USBレンズヒーター DHS-2を買ってみた

少しずつ秋の気配が訪れていますが、昼間はまだ暑かったりしますね。でもこれが10月になると、朝晩は一気に冷えてきたりもするので、その時の屋外長時間撮影に備えて、レンズヒーターを購入してみました。

KIWIFOTOS USBレンズヒーター DHS-2

去年の10月、屋外でタイムラプス用の撮影をしていたら、明け方結露でレンズが曇ってしまったんですよね。

今年はリベンジで、曇らないようにしたいと思いまして。
もっとも、後は天気次第なのですけどね…

見た目は、値段なりといったところ。でも機能を果たせばそれでOKですしね。

作りは値段なりですが、使用頻度が多くなければ大丈夫かな?

今回はやや大きめなレンズ外径80-110mm用のDHS-2を買いましたが、実際はこの数値より調整幅は広そうです。

最大外径88mm(メーカー公称値))のAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRに巻いてみた

割と太めな標準ズームのAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRに巻きつけてみました。メーカー公称値で最大外径88.0mmなので、余裕で装着できます。
一般的な標準ズームなら、80mmまでのDHS-1でも問題ないでしょうね。値段も安いので、2種類揃えても良いかもしれません。



発送は中国から直送でした。発注から1週間ちょっとで届きました。以前よりは物流は回復してきている感じですかねぇ。

USBバッテリなどに接続するだけ、温度は3種類選べる

JJC楽天店の説明には「発熱線が-40℃の温度に正常な使用し、寒い環境でも安全に使用できます。」という少々意味が伝わらない解説がありましたが、付属の説明書(英文、独文、中文)を訳してみると「低温環境下でも持続可能なように、-40℃の低温に耐えることができる低温ケーブルを採用しています。」と言う事みたいです。
-40℃は日本国内ではまず達しませんし、カメラやバッテリのほうが先に死んでしまうと思われるので、実質的には日本の冬でも問題なく使えるはず…です。謳い文句だけ見ればですが。

温度は3段階に設定でき、LOWでは24℃以上、MIDDLEで5-24℃、HIGHで5℃以下の環境での使用が推奨されているようです。
さて、10月以降に使用してみたいと思って言います。しっかり効果を発揮できると良いですね。

【MNG…】Manfrotto 468MGRC3

ああ、楽天で買ったんだな、というのがその界隈にはバレバレですかね。

Manfrotto 468MGRC3

Manfrotto 468MGRC3、ハイドロスタッドボール雲台です。
ボール雲台は、いくつか持っているのですが、どれもそれほど高価なものではなく、一眼レフ/ミラーレス一眼と70-200mmクラスのレンズを沿い停止タウン台がほしいと思っていたところ、楽天のセールで中古良品がお安くなっていたので購入。
耐荷重は最大16kgなので、超望遠レンズも行けなくなないですが、基本は70-200mmまでのレンズかな、200-500mm以上はジンバル雲台があるので、そちらを使いますので。

いそがしくて、まだ三脚にすら着けていませんが、週末試してみようと思います。

【追記】不具合発生で返品となりました

締め付けてもヘッドが固定できなくなってしまいました。最初は固定できていたのに、いざ使おうとしたら、締め付け最大でもボールが固定できません。
Manfrottoに連絡したら、中古アウトレット品だったからか、同等品交換できるものがないため返品となりました。
できれば修理してほしかったのだけどなぁ。

Medical-NIKKOR 120mm F4(IF)を入手した

一度使ってみたかったレンズです。

Medical-NIKKOR 120mmF4(IF)は、その名称の通り、医療用、医学用の記録撮影のためのレンズとして開発されたレンズです。
おもに外科手術や、口腔内の記録撮影の為、リング状のスピードライトを内蔵させたレンズです。現在でこそ、チャイナレンズで見かけたりもしますし、マクロリングライトが一般的ですが、1960年代にはまだ一般的ではありませんでした。
最初に販売されたのは、1962年のMedical-NIKKOR Auto 200mm F5.6で、焦点距離200mmと割と望遠マクロでした。何度かのマイナーチェンジ後、1981年12月に、焦点距離120mmの本レンズが発売されました。

Medical-NIKKOR 120mm F4(IF)

120mmという焦点距離、Macro-Nikkorなど非Fマウントのレンズを除くと、単焦点のFマウントではこのレンズのみのとなっています。元々一般向けレンズではなかったからか、Nikonの現行のデジタル一眼レフやミラーレスの中級機以上の非CPUレンズ装着時に設定できる焦点距離に、120mmは存在しません。105mmの次は135mmとなっています。
しかし、何故かズームレンズでは、24-120mmというのがFマウントからZマウントに至るまで存在しているので、120mmという一見中途半端な焦点距離には、Nikonは何かしらの考えがあるのでしょうね。

なお本レンズは、AC UNITのLA-2と専用コード、および取扱説明書が付属していましたが、残念ながら2倍までの撮影を可能とするアタッチメントレンズと、DC UNIT LD-2、3ピンシンクロコードSC-22は付属していません。SC-22以外は今後入手してみたいと思います。

絞りリングはなし

特殊用途レンズ故に、使い方や使い勝手は特殊です。
まず本レンズに絞り機構はなく、常に絞り開放となります。開放f値はf4ですが、これは最長撮影距離1.6m時(撮影倍率1/11倍)の場合で、撮影倍率が上がるほどf値も暗くなります。アタッチメントレンズなしの状態では、最短撮影距離0.35mで最大撮影倍率1倍、この時のf値はf32となります。
これは記録撮影のためのレンズですから、できるだけピントの合う範囲は広いほうがよく(被写界深度が深い)、明るさよりも優先事項だからと思います。
そして内蔵するスピードライトを発光させることが前提のレンズのため、暗いf値、何よりフィルムカメラの時代のレンズですから、デジタルのように簡単に感度を変えられないフィルムでも問題なく撮影できるようになっています。
また、f値は撮影倍率(フォーカス位置)、すなわち被写体までの距離で決まるため、内臓のスピードライトはレンズ側でフィルムのASA/ISO感度(デジタルカメラのISO感度)を設定すれば、自動でGN(ガイドナンバー)も決定され、適正露出で発光が可能となっています。
フィルムでは現像するまで結果がわからないため、こうした機構は撮影難易度を下げる有効なものでした。

フォーカスリング、というよりは撮影倍率を決定するためのリングは、クリックストップ付きです。これは、GNの設定にも影響するため、あえてクリックストップが付いており、微妙なピント合わせは、被写体またはカメラを前後させることで決めるようです。

レンズとカメラボディは、シンクロコードでつなぐことで、シャッターを押すとリングスピードライトが発光する仕組みです。

AC UNIT LA-2は残念ながら動作せず

さてレンズ側には別途電源供給が必要ですが、残念ながら、付属してきたAC UNIT-LA2は動作しませんでした。

AC UNIT LA-2は動作せず

元々動作未確認ということで期待していませんでしたが、やっぱりダメ。パイロットランプはいつまでも点灯せず。これが動作しないと、レンズ側のスピードライトは発光しません。恐らくチャージのためのコンデンサあたりが容量抜けしてしまっているのでしょう。
本レンズのS/Nは180945でした。このレンズは180***からS/Nが始まっているのと、付属してきた説明書が81.10の版であることから、80年代初頭の、本レンズ発売当初の個体であると推定します。古いので動かなくて当然です。
ちなみに本レンズ、1998年までと案外長く発売されていたようで、それなりに中古でも流通個体は多いですが、その多くが電源ユニットや専用コードなしだったりします。今回は動作しないものの、コード類や説明書付き、レンズもカビなどの問題はないものが1万円程度でしたので、これは掘り出し物だったと思っています。
とあるサイトによれば、最後期のS/Nは203***で、約2万3千本製造されたらしい(根拠はありませんので念のため)ので、それなりに流通はしているということになります。

LA-2はいずれ分解して、コンデンサ交換など修理可能か確認してみるとして、乾電池を使うDC UNIT LD-2を入手してみたいと思います。90年代まで売られていたので、この年代の部品なら、まだ希望はあります。

素のレンズで撮影してみた

内蔵スピードライトは使えずとも、マクロ専用レンズとしては使えます。120mmという焦点距離も、実はワーキングディスタンスを取りつつ撮影するのに、最適な焦点距離なんですね。とくに外科手術では、あまり被写体にカメラを近づけられないですしね。
撮影倍率が大きくなるほど暗くなるレンズのため、今回は外部スピードライトに頼ってみました。

モアレが出ているのは仕方ないですが1/2倍ともなると、液晶ディスプレイのドットがしっかり写っているのがわかります。
マニュアルレンズなので、当然歪み補正は入りませんが、線がピッタリ出ていて、ほぼ湾曲が見当たりません。120mmという中望遠なのもありますが、素晴らしい結果です。

1倍での撮影

1倍ではf32と暗くなるため、一眼レフではピント合わせが難しいですが、D810のファインダでなんとかピントの山を見つけて撮影。
500円玉をやや斜めにして撮りましたが、素晴らしい解像力です。もう少し低い撮影倍率より解像力は落ちるものの、これがフィルムであればフィルムの解像力を超えているかなと思えます。D810の3625万画素で少し回折の影響があるかな、と言った程度です。

こういう撮影ではマクロ撮影スタンドが欲しくなります

接写スタンドがほしいな~。ベローズ撮影でも、あると便利なんですよね。

これも外部スピードライトを使いましたが、ISO感度を調整すれば、適正露出を探せるので、露出については(ライティング自体は別として)デジタルならそれほどハードルは高くなさそうです。
今度はもう少し立体感のある被写体を撮ってみたいと思います。


ところで、RED BOOK NIKKORのHPで、なかむら小児歯科の中村先生のMedical-NIKKORが紹介されています。
また、なかむら小児歯科のHPにて、ご自身も紹介されています。

実は本レンズを手に入れたのは、この冬に口唇顎裂2回目の手術予定の、息子の歯茎の撮影をしようと思っていたから。なので、なんとしても内蔵スピードライトで撮ってみたいのです。
スピードライトを復活させたいな。

ベローズアタッチメントPB-4にAF Nikkor 20mm f/2.8Dをリバース取付して超マクロを撮ってみた

接写関連のアクセサリ、軒並み生産終了となっているので、慌ててかき集めたとう話は前回しましたが、実写はどんな塩梅かな? ということで実写してみました。

組合せとしては、Nikon D850にベローズアタッチメントPB-4、リバースリングBR-2AとBR-5リングを介してAF Nikkor 20mm f/2.8Dをベローズに逆向きに取り付けしました。
さらに、レンズ先端(リバース取り付けしているので、実質マウント側になります)に、 オートリングBR-6、そこにダブルレリーズAR-10を取り付けています。AR-10の2ピンターミナルは、変換コードMC-25Aを用いて、10ピンに変換してD850に取り付けています。

まずはこの組合せでアサガオを撮ってみた

撮影倍率は、この組合せで5.56~12.54倍にも達します。マクロレンズ(NikonでいうマイクロレンズとかMCレンズ)では、一般的には0.5倍~1倍(等倍)までとなりますから、超高倍率撮影が可能となります。

まずはNikon D810 + AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDの等倍撮影です。

Nikon D810 + AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDの等倍撮影

もちろん、これでもかなり寄れています。

では、PB-4 + AF Nikkor 20mm f/2.8Dのリバース取り付けではどうでしょうか?

おお、すごい。ですがとても撮影は難しいです。まず、一眼レフの場合、光学ファンダではほぼ真っ暗、被写界深度も浅すぎますし、ちょっとカメラに触れただけでも被写体が移動してしまいます。
写真は、リモート発光させたフラッシュを光源としています。フラッシュの当て方が難しいです。
そして、写真はf22に絞っていますが、これだと解説の影響が大きいのか、はたまたレンズの解像力の限界か、かなり解像力的には劣る結果になりました。倍率は今までで一番高い撮影ができるものの、やはり一般撮影用レンズでは、画質の影響が大きいようです。
この辺り、Ultra Micro Nikkorとかだと、もっと解像するのかしら?
写真はベランダで撮りましたが、風やエアコン室外機の振動の影響もモロに受けます。10倍以上の撮影だと、ブレや振動の処理が大変ですね。

仕事では、デジタルマイクロスコープで100倍の撮影とかを行っていますが、あれはブレ補正も入っていますし、そもそも室内、精密なステージにサンプルを置いて撮っているだけに、如何にベローズで撮るのが大変か思い知らされました。
まあ、デジタルマイクロスコープ、1千万円超えですからね…。

いやいや難しすぎますね…。ブレとの戦いです。普通の撮り方では、高倍率過ぎて、被写体を納めるのも大変です。
今どきのマイクロスコープって簡単に撮れるんだな、というのを実感させます。これを昔はフィルムで撮ってたんですよ。ものすごく高度な技術が必要ですね。

屋内へ移動

屋外での高倍率撮影は現実的に厳しい! ということで屋内へ。もっとも、三脚にしっかり据えていても、床のたわみでも微妙に被写体がズレちゃいます。
高倍率の顕微鏡ほど、ステージが頑丈、設置する台も頑丈なのはそのためですね。

サボテンを撮ってみました

いや、高倍率過ぎて難しい。被写界深度もものすごく浅いです。これがボディ単体でなら、深度合成でピント合わせるのですが、カミソリピント過ぎるし、ちょっとした振動で構図も変わるし、本当に難しいですね。

収差とピントの薄さに苦しみますね。難しい。それだけに楽しいですけど。苦戦しつつ、試行錯誤で撮るのは面白いし、デジタルなので結果もその場でわかるので、トライアンドエラーで楽しめます。
屋内でも、高倍率マクロ遊びができるので、楽しいですね。

写真的には、解像力が物足りませんが、ブログ掲載サイズ程度なら、まあまあ見られるかな?
今度は何を撮ってみよう? 定番のお金とか、金属表面は面白そうですね。

ベローズアタッチメントPB-4用にダブルレリーズAR-10とオートリングBR-6を導入してみた

Nikonは、以前は接写関係のアクセサリが充実しており、ベローズアタッチメントPB-4もその1つですが、ベローズとそれらに関連する多くのアクセサリが販売終了となっています。

Nikon D850 + Nikon PB-4 +EL-NIKKOR 80mm F5.6

しかし市場ではまだ何とか在庫があったり、中古で手に入れられるものもあり、時間が経過してプレミア価格にならないうちに、ある程度揃えておこうと思い、表題のアクセサリを買ってみました。
これらはいずれも販売終了してますが、1つは中古、2つは新品があったため、購入していました。

ダブルレリーズAR-10

Nikonユーザーでも、ほとんどの人は何に使うのか、さっぱりわからないと思うであろう商品です。
このレリーズは、後述するオートリングBR-6と組み合わせて使用します。
機械式レリーズが2つついたAR-7はかろうじて現行品として販売していますが(恐らく在庫限りでしょう)、AR-10は既に販売終了です。
AR-10は、片側が機械式レリーズで、もう片側が2ピンターミナルとなっています。

単純な形状の2ピンターミナル

すごく値上がりしています…

2ピンターミナルとは、NikonのMF一眼レフ時代に、モータードライブを付けたカメラに対し、機械式レリーズではなく、電気式のレリーズとして設定されていました。また、一眼レフでも、F-301やF-501、F801sとF70D、MF一眼レフ用モータードライブには2ピンターミナルが採用されていますが、それ以外のミドルクラス以上のAF一眼レフでは、10ピンターミナルが採用されていて、これはデジタル一眼レフでも踏襲、ミラーレスでは消えたかと思いきや、Z 9には10ピンターミナルが復活しています。

このため、2ピンターミナルから10ピンターミナルに変換するコード、MC-25/MC-25Aがないと、AR-10は直接D850やZ9の10ピンターミナルには取り付けできません。ちなみにMC-25Aも販売終了です。
仕方がないので、MC-25Aも最後の在庫と思われる新品を調達しました。

オートリングBR-6

オートリングBR-6は、レンズをカメラやベローズに逆付けした際に、そのままでは実絞り(絞りリングで設定した値に絞り込まれる)となるため、ピント合わせ時にファインダ上で見えやすいよう絞り開放にしてピント合わせして、そのあと絞り込むという手間のかかる作業(しかもマクロ撮影でレンズに触れてしまうとピント位置がずれてしまうこともある)が必要なくなります。
このリングを装着し、絞りリングで絞りを設定しても、絞り自体は開放となります。これは自動絞りの一眼レフカメラで通常撮影するのと同じ状態です。
ダブルレリーズAR-10の機械式レリーズ側をBR-6に接続すると、レリーズした瞬間に設定した絞りに絞り込まれ、同時にカメラのシャッターが切れるという仕組みです。
デジタル時代においては、多少絞り込んでも、ライブビューで明るく表示させることは可能ですが、極端に絞り込むと、ノイズだらけでピントが見づらくなりますので、オートリングがあったほうが何かと便利です。

AI AF Nikkor 20mm f/2.8Dをベローズに逆付けして撮影する

以前、AI AF Nikkor 20mm f/2.8DをBR-5を介してBR-2Aリングを装着し、カメラボディに逆付けする方法をご紹介しましたが、今回はベローズに逆付けすることで、より撮影倍率を高めたいと思います。
同レンズは逆向きを直接ボディに取り付けた場合の撮影倍率は3.4倍ですが、エクステンションベローズPB-4を介すことで、5.56~12.54倍まで撮影倍率を上げることが可能です。

それでは、これらのアクセサリを組み合わせてみましょう。

何だかものすごく大げさなセットですが、これらのアクセサリは、ベローズPB-4を除けば、比較的まだ中古で手に入りやすいです。
今回物によっては、在庫ラスト1個の駆け込みセーフで新品を買えました。大切にしていこうと思います。

さて撮影結果は後ほど。これがまた…これだけ接写倍率が高いと、ものすごく難しいんだなという感想です。

ぴえん?強風でベランダの緑たちが大打撃!

昨日からずっと強風で、ベランダにおいてあったミニトマトやらが折れてしまいました…

今朝、折れて早くもシナってしまった茎をカットしました。

折れた茎はカット、シナシナの葉っぱは蘇るのか…

昨日の朝は青々とこの倍以上の高さで育っていたのに~! せっかく花も咲き始めたのに~! 全てシナシナになってしまったのでカットです。

いやひどい…。何で1日でこんなに? まるで潮風にでもやられた感じです。うちは海からかなり離れている方なのですが。
朝顔は強いから問題ないだろうけど、他がどうなるやら。トマトは復活できるかな?

追い打ちをかける悲しい出来事、D850の縦グリシャッターが…

本日発覚。D850用の縦グリことマルチパワーバッテリーパックMB-D18のシャッターボタンが壊れた…。上の写真撮っていて、半押しまでは効くけど、肝心のシャッターが切れません。えー、半押しは動くのに本押しが効かないなんて。
修理に出さないとだなぁ。

【PROGRADE】COBALT 1700R CFexpress Type B 325GB 値上げする前に買いたかったけど…

遅ればせながら、Nikon Z 9用に、PROGRADE COBALT 1700R CFexpress Type Bの325GBを、Amazonのタイムセールで購入しました。

PROGRADE】COBALT 1700R CFexpress Type B 325GB

高い…高いのぉ… 今まで使っていたのは同社のGOLD 1700Rシリーズですが、COBALT 1700Rは、GOLDのTLC (Triple Level Cell) に対して、信頼性の高いpSLC (Pseudo Single Level Cell) を採用しているのが特徴です。
その特徴は、HIDISCでおなじみ磁気研究所の産業用microSDの説明がわかりやすいです。

パソコンのSSDでも、SLCモデルは高価で、主流はMLCやTLCですが、pSLCは純粋なSLCより耐久性信頼性はわずかに落ちるものの、実質的にMLCなどよりも信頼性が高いメモリです。

カメラ用におけるSLCカードの利点は、その書き込み持続性にあります。

COBALT 1700R(左)には書き込み速度保証の1500MB/sの表記があるが、GOLD 1700R(右)には読み込み速度しか表記がない

COBALT 1700Rは、最大書き込み速度が1500MB/sで、これはGOLDの512GB, 1TBも同じですが、最低継続書き込み速度が違います。

https://www.amazon.co.jp/ProGrade-Digital-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB-CFexpress-COBALT/dp/B087GL9897?th=1

このように、継続的に1400MB/sを書き込めるのがCOBALT 1700Rの特徴で、特に8K動画のような大容量書き込みに適したカードです。もちろん、スチルの連写であっても、バッファフルからの書き込みで差が出る…はずです。
流石に650GBは高すぎなのと、8KのRAW動画を撮る機会はほぼないでしょうから、とりあえず325GBで。GOLDの512GBのスロット2にまわします。
本当は値上げする前に買いたかったですが、予算の都合上仕方なし。時々あるタイムセールで買うことにしましょう。

実際の性能差の検証は、時間があるときにでも。