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EL-NIKKOR 50mm F2.8で桃の節句な接写をしてみた

先日、世界の中古カメラ市で買ってきた引き伸ばしレンズ、EL-NIKKOR 50mm F2.8とベローズPB-4で、桃の節句で妻が買ってきたお花を撮影してみました。

NikonのベローズPB-4と、GITZOのフルードジンバル雲台を組み合わせています。こんな組み合わせで撮る人はそうそう居ないでしょう(笑
そもそも望遠レンズと組み合わせるのが前提なジンバル雲台ですが、全長が長くなり重量もそれなりにあるベローズを組み合わせて使うのも、実はそれなりに使い勝手が良いのです。
特にピシッとアングルを決めやすいので、私はこの組み合わせが好きです。

EL-NIKKOR 50mm F2.8は繊細な描写

EL-NIKKOR 50mm F4も持っていますが、1段明るいこのレンズも、なかなかどうして繊細な描写です。ピントが合えば芯がちゃんとあるけど、柔らかく、それでいて決めの細かい描写です。コントラストはややあっさり目でしょうか。
カメラはD810を使用。内蔵フラッシュは赤外線ワイヤレスコマンダーとしても使用できるので、対応スピードライトを使えば、別途コマンダーなしにワイヤレスでスピードライトが使えるので、スピードライトSB-900を手持ちで、いろいろな角度から光を当てて撮影してみました。
この使い勝手の良さで、この手の撮影では未だD810が欠かせないのです。

いい! 個人的にEL-NIKKOR 50mm F4より、このF2.8のほうが接写においては好みの絵が出ました。カリカリな描写ではなく、柔らかで繊細、ボケのつながりが良好。
50mmなので、接写では被写体にかなりレンズを近づけなければならないのが難点ですが、ワーキングディスタンスをとらなくても良い条件であれば、使い勝手も良好ですね。

Nikon D810 + EL-NIKKOR 50mm F2.8 + BP-4

D810、ずっと外で定点撮影用に使っていて、センサの汚れがかなり気になりました。RAW現像でゴミ取りに苦労しました…。センサクリーニングしないとね。

ベローズアタッチメントPB-4にAF Nikkor 20mm f/2.8Dをリバース取付して超マクロを撮ってみた

接写関連のアクセサリ、軒並み生産終了となっているので、慌ててかき集めたとう話は前回しましたが、実写はどんな塩梅かな? ということで実写してみました。

組合せとしては、Nikon D850にベローズアタッチメントPB-4、リバースリングBR-2AとBR-5リングを介してAF Nikkor 20mm f/2.8Dをベローズに逆向きに取り付けしました。
さらに、レンズ先端(リバース取り付けしているので、実質マウント側になります)に、 オートリングBR-6、そこにダブルレリーズAR-10を取り付けています。AR-10の2ピンターミナルは、変換コードMC-25Aを用いて、10ピンに変換してD850に取り付けています。

まずはこの組合せでアサガオを撮ってみた

撮影倍率は、この組合せで5.56~12.54倍にも達します。マクロレンズ(NikonでいうマイクロレンズとかMCレンズ)では、一般的には0.5倍~1倍(等倍)までとなりますから、超高倍率撮影が可能となります。

まずはNikon D810 + AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDの等倍撮影です。

Nikon D810 + AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDの等倍撮影

もちろん、これでもかなり寄れています。

では、PB-4 + AF Nikkor 20mm f/2.8Dのリバース取り付けではどうでしょうか?

おお、すごい。ですがとても撮影は難しいです。まず、一眼レフの場合、光学ファンダではほぼ真っ暗、被写界深度も浅すぎますし、ちょっとカメラに触れただけでも被写体が移動してしまいます。
写真は、リモート発光させたフラッシュを光源としています。フラッシュの当て方が難しいです。
そして、写真はf22に絞っていますが、これだと解説の影響が大きいのか、はたまたレンズの解像力の限界か、かなり解像力的には劣る結果になりました。倍率は今までで一番高い撮影ができるものの、やはり一般撮影用レンズでは、画質の影響が大きいようです。
この辺り、Ultra Micro Nikkorとかだと、もっと解像するのかしら?
写真はベランダで撮りましたが、風やエアコン室外機の振動の影響もモロに受けます。10倍以上の撮影だと、ブレや振動の処理が大変ですね。

仕事では、デジタルマイクロスコープで100倍の撮影とかを行っていますが、あれはブレ補正も入っていますし、そもそも室内、精密なステージにサンプルを置いて撮っているだけに、如何にベローズで撮るのが大変か思い知らされました。
まあ、デジタルマイクロスコープ、1千万円超えですからね…。

いやいや難しすぎますね…。ブレとの戦いです。普通の撮り方では、高倍率過ぎて、被写体を納めるのも大変です。
今どきのマイクロスコープって簡単に撮れるんだな、というのを実感させます。これを昔はフィルムで撮ってたんですよ。ものすごく高度な技術が必要ですね。

屋内へ移動

屋外での高倍率撮影は現実的に厳しい! ということで屋内へ。もっとも、三脚にしっかり据えていても、床のたわみでも微妙に被写体がズレちゃいます。
高倍率の顕微鏡ほど、ステージが頑丈、設置する台も頑丈なのはそのためですね。

サボテンを撮ってみました

いや、高倍率過ぎて難しい。被写界深度もものすごく浅いです。これがボディ単体でなら、深度合成でピント合わせるのですが、カミソリピント過ぎるし、ちょっとした振動で構図も変わるし、本当に難しいですね。

収差とピントの薄さに苦しみますね。難しい。それだけに楽しいですけど。苦戦しつつ、試行錯誤で撮るのは面白いし、デジタルなので結果もその場でわかるので、トライアンドエラーで楽しめます。
屋内でも、高倍率マクロ遊びができるので、楽しいですね。

写真的には、解像力が物足りませんが、ブログ掲載サイズ程度なら、まあまあ見られるかな?
今度は何を撮ってみよう? 定番のお金とか、金属表面は面白そうですね。

ベローズアタッチメントPB-4用にダブルレリーズAR-10とオートリングBR-6を導入してみた

Nikonは、以前は接写関係のアクセサリが充実しており、ベローズアタッチメントPB-4もその1つですが、ベローズとそれらに関連する多くのアクセサリが販売終了となっています。

Nikon D850 + Nikon PB-4 +EL-NIKKOR 80mm F5.6

しかし市場ではまだ何とか在庫があったり、中古で手に入れられるものもあり、時間が経過してプレミア価格にならないうちに、ある程度揃えておこうと思い、表題のアクセサリを買ってみました。
これらはいずれも販売終了してますが、1つは中古、2つは新品があったため、購入していました。

ダブルレリーズAR-10

Nikonユーザーでも、ほとんどの人は何に使うのか、さっぱりわからないと思うであろう商品です。
このレリーズは、後述するオートリングBR-6と組み合わせて使用します。
機械式レリーズが2つついたAR-7はかろうじて現行品として販売していますが(恐らく在庫限りでしょう)、AR-10は既に販売終了です。
AR-10は、片側が機械式レリーズで、もう片側が2ピンターミナルとなっています。

単純な形状の2ピンターミナル

すごく値上がりしています…

2ピンターミナルとは、NikonのMF一眼レフ時代に、モータードライブを付けたカメラに対し、機械式レリーズではなく、電気式のレリーズとして設定されていました。また、一眼レフでも、F-301やF-501、F801sとF70D、MF一眼レフ用モータードライブには2ピンターミナルが採用されていますが、それ以外のミドルクラス以上のAF一眼レフでは、10ピンターミナルが採用されていて、これはデジタル一眼レフでも踏襲、ミラーレスでは消えたかと思いきや、Z 9には10ピンターミナルが復活しています。

このため、2ピンターミナルから10ピンターミナルに変換するコード、MC-25/MC-25Aがないと、AR-10は直接D850やZ9の10ピンターミナルには取り付けできません。ちなみにMC-25Aも販売終了です。
仕方がないので、MC-25Aも最後の在庫と思われる新品を調達しました。

オートリングBR-6

オートリングBR-6は、レンズをカメラやベローズに逆付けした際に、そのままでは実絞り(絞りリングで設定した値に絞り込まれる)となるため、ピント合わせ時にファインダ上で見えやすいよう絞り開放にしてピント合わせして、そのあと絞り込むという手間のかかる作業(しかもマクロ撮影でレンズに触れてしまうとピント位置がずれてしまうこともある)が必要なくなります。
このリングを装着し、絞りリングで絞りを設定しても、絞り自体は開放となります。これは自動絞りの一眼レフカメラで通常撮影するのと同じ状態です。
ダブルレリーズAR-10の機械式レリーズ側をBR-6に接続すると、レリーズした瞬間に設定した絞りに絞り込まれ、同時にカメラのシャッターが切れるという仕組みです。
デジタル時代においては、多少絞り込んでも、ライブビューで明るく表示させることは可能ですが、極端に絞り込むと、ノイズだらけでピントが見づらくなりますので、オートリングがあったほうが何かと便利です。

AI AF Nikkor 20mm f/2.8Dをベローズに逆付けして撮影する

以前、AI AF Nikkor 20mm f/2.8DをBR-5を介してBR-2Aリングを装着し、カメラボディに逆付けする方法をご紹介しましたが、今回はベローズに逆付けすることで、より撮影倍率を高めたいと思います。
同レンズは逆向きを直接ボディに取り付けた場合の撮影倍率は3.4倍ですが、エクステンションベローズPB-4を介すことで、5.56~12.54倍まで撮影倍率を上げることが可能です。

それでは、これらのアクセサリを組み合わせてみましょう。

何だかものすごく大げさなセットですが、これらのアクセサリは、ベローズPB-4を除けば、比較的まだ中古で手に入りやすいです。
今回物によっては、在庫ラスト1個の駆け込みセーフで新品を買えました。大切にしていこうと思います。

さて撮影結果は後ほど。これがまた…これだけ接写倍率が高いと、ものすごく難しいんだなという感想です。

ベランダでベローズPB-4を使って接写してみた

スッキリ晴れた週末。でも予定がちょこちょこあったので、スキマ時間でベランダの五色唐辛子を接写で撮ってみました。

Nikon ベローズフォーカスアタッチメントPB-4は、かつてNikonが販売していた、接写用のアタッチメントです。
一般に、写真用レンズは、カメラ側からマウント面が離れるほど、より接写が可能となります。そのためのエクステンションチューブ(接写リング)もありますが、ベローズはさらにレンズをカメラから離すことで、より高い倍率で撮影可能です。
近年はカメラレンズもミラーレスかと同時に電子マウント化が進み、カメラボディと通電・通信されていないとフォーカスも絞りも動かすことができなくなりつつあり、カメラメーカー純正のベローズ廃れてしまいましたが、デジタルになって結果がすぐ分かり、撮り直しなど、色々試行錯誤しながら撮ることが簡単になった現代こそ、こういうベローズで遊ぶのが面白いのですよね。

現代の最新の高度に電子化されたレンズは、こうしたベローズで使うことは出来ませんが、機械式の機構が残ったFマウントレンズ(Dタイプ以前)以前のレンズはもちろん、今回ここで使っている引き伸ばしレンズ(現像済みフィルムの像を印画紙に露光するためのレンズ)など、色々取り付けて撮影できます。

Panasonic DG-GX7MK3 + LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH. 最短撮影距離で撮影

センササイズが小さいため、接写に強いマイクロフォーサーズ機ですが、マクロレンズでないと(しかも広角)だと、最短撮影距離ではこんな感じです。

では、ベローズを使うとどうでしょう?

EL-Nikkor 80mm F5.6

Nikon D850 + Bellows PB-4 + EL-Nikkor 80mm F5.6

どうでしょう? 蕾がここままで接写できます。引き伸ばしレンズの、EL Nikkor 80mm F5.6を使っています。
コントラストが浅いのは、ピクチャーコントロールをニュートラルで現像しているからです。レンズのコントラストが低いわけではありません。非常に繊細かつ解像力の高いレンズです。

FUJINON-ES 90mm F4.5

FUJINON-ES 90mm F4.5

以前1500円で買った富士の引き伸ばしレンズ、FUJINON-ES 90mm F4.5です。光学系が大変綺麗だったので、思わず購入してしまいました。今回初撮りです。

同じ蕾を、ベローズのセッティングを変えず、レンズのみEL-Nikkor 80mmから FUJINON-ES 90mm F4.5に交換してみると、やや撮影倍率は下がるようです。しかし描写はなかなかで、EL-Nikkorと甲乙つけがたいものがあります。解像力はわずかにEL-Nikkorが上回るように感じますが、FUJINONのしっとりした描写も好みです。これも良いレンズです。
引き伸ばしレンズは、小粒でも実力の高いレンズが多いですね。

EL-Nikkor 135mm F5.6

Nikon D850 + Bellows PB-4 + EL-Nikkor 135mm F5.6

花が咲き終わって、唐辛子の実がなりつつあります。いわば、唐辛子の赤ちゃんですね。

50~90mmの引き伸ばしレンズと比較して、急に大きくゴロンと重たくなるのが135mmのEL-Nikkor。見た目は質感の高く、大きさの割に質量があるレンズです。
やはり同じセッティングで撮ると、撮影倍率は80~90mmより低いですね。その代わり、ワーキングディスタンスが取りやすいです。とは言え、接写での使い勝手などは、やはり80~90mm軍配が上がります。
ただその描写は大変優れており、好きなレンズです。どちらかと言うと、接写よりも一般撮影に適したレンズかもしれません。
一眼レフでも無限遠が出せます。作例は、RED BOOK NIKKORのページに掲載されています。

再びEL-Nikkor 80mm F5.6

Nikon D850 + Bellows PB-4 + EL-Nikkor 80mm F5.6

レンズを再びEL-Nikkor 80mm F5.6に交換。やはり接写は80mmのほうが勝手が良いですね。


せっかくアオリ撮影もできるPB-4、今度は物撮りにもチャレンジしてみたいですね。

NikonベローズPB-4で花を撮ってみた

5月なのに梅雨入りしてしまいましたね。そうでなくてもCOVID-19で遠出もできないし。
ということで、久しぶりにNikonのベローズPB-4で、接写を行ってみました。

いつもこの手の撮影はD810を使用するのですが、あいにくベランダでずっとタイムラプス用のインターバル撮影を行っていて使えないので、D850を使用しました。

普通に撮るとこんな感じ Nikon D3400 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED

D850の場合、内蔵フラッシュがないため、外付けのスピードライトをコマンダーとしてフラッシュを使うしかないのですが、今回は、アウトレット価格で安く調達した、NissinのAir1AirRを使用して、電波式ワイヤレスでスピードライトを発光させて、被写体に手持ちで当てて撮影してみました。

レシーバーが1台しかないので、今回は1灯のみです。本当は多灯発光させたいのですが。D810なら、スピードライト内蔵で、これをコマンダーに、手持ちの2台のスピードライトをワイヤレス発光できるので、本当は接写はD810が便利なんですよね。AirRを買い足そうかな。あるいは、NissinのAir対応のスピードライトを買い足すか。次買うならMG8とかMG10、あるいはMG80 Proかなと思います。

それはともかく、今回は1灯のみなので、光の当て方が1方向となり、少し不満が残りました。水滴の撮影では、スピードライトの四角い発光部の形状がモロに出てしまいました。ちょっと失敗ですね。
とはいえ、たまにはこういうベローズ撮影も楽しいです。

ベローズは既に、Nikonからはディスコンとなって久しいですが、今若い人の間でカセットテープやレコード、インスタントフィルムカメラが復権している現状を見ると、デジタル処理によらない、実物実体験というのも、新たな楽しみとして復活しているように感じます。

フィルムカメラの時代、ベローズユニットは使いやすいものではなく、マニアックな存在でしたが、デジタルになって、結果がすぐわかり、結果を踏まえて撮り直しも簡単になったので、敷居はむしろ下がったと思います。
レンズは、ミラーレス専用の電子制御のレンズ以外なら何でもくっつきますし、工夫次第と言ったところです。
こういった点からも、古いレンズ、メカ機構の残ったレンズは現代も重宝します。

あ、以前買ったFUJINONの引き伸ばしレンズ、試すの忘れていたので、また今度トライしてみます。