audio-technica AT-F7で聴くカール・ベームのロマンティック

クラシックのレコードを聴くのに、久しぶりにaudio-technicaのMCカートリッジAT-F7を装着したけど、針圧を無意識に1.5gに調整して再生したら、なんだか音がスカスカだったという話。

audio-technica AT-F7で聴く「カール・ベーム指揮 ロマンティック」

結果的には針圧間違えていまして、AT-F7の推奨針圧は2.0g(1.8~2.2g)でした、というの気づくのに少し時間がかかってしまいました。

先日買ってきたレコード、カール・ベーム指揮のウィーンフィル演奏、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(ロンドンレコード SAL1112)。ブルックナーの交響曲第4番は、演奏時間がブルックナーの交響曲の中では比較的短いとは言え、約70分弱あります。
レコード盤は、一般的に収録できる時間は片面30分ですが、レコードはCDと違い内周も外周も回転数は一定です。LPレコードは毎分33 1/3回転の一定回転なので、外周と内周では針がレコードの溝をトレースする速度が変わることになります。つまり、内周になるほど溝をトレースする速度が遅くなるため、音質的には不利になります。
レコードの原盤作成では、この音質差をいかに少なくするかが腕の見せ所のようです。

カール・ベーム指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 ブルックナー 交響曲第4盤「ロマンティック」(ノヴァーク版) ロンドンレコードSLA1112

さて「ロマンティック」は演奏時間が70分弱と、一般的なLPレコードの60分よりも長いので、盤によっては2枚組になっていたりすることもあるようですが、このロンドンレコードの「ロマンティック」は1枚に収めていて、A面の第1楽章と第2楽章の演奏時間はトータルで45分を超えるんですよね。つまり、LPレコードとして、かなり無理をしている感じはあります。

で、冒頭のカートリッジの針圧を間違えた話なんですが、最初演奏したときに、あまりにスカスカな音に、ああ無理な収録時間がたたって溝の振幅とれなかったからなんだろうな、元々中古のレコードだし…と思っていました。
そして演奏時間が進むにつれて、どんどん音も悪くなっていき、いやいくらなんでもこれはないよな~と思っていました。

そしてふと、「あれ、針圧って1.5gだっけ?」となりまして。

レコードを再生するためのカートリッジ(いわゆる針と溝の振動から発電するためのケースが一体化した部分)は、適正針圧があり、カートリッジによってバラバラです。
無意識に1.5gに針圧を設定していましたが、昔使っていた同じような形状のaudio-technica AT-F3IIが1.5gだったので、それに無意識に合わせていました。
しかし、audio-technica AT-F7の適正針圧は前述の通り2.0gだったんですよね。

ちゃんと2.0gに合わせたら、それはもう別物のようにちゃんと芯のある音で演奏できまして。ああ、レコード再生ってこんなちょっとしたことで大きく音が変わるのね、と思った次第。

とは言え、やはり片面45分ってのは少々無理があるようですね。B面も32分あり、やはり一般的なLPレコードより少し長めですが、それでも音質的にはB面のほうがよく感じます。
このレコードはちょっと極端ですが、昔のレコードしかない時代はなかなか大変だったな、収録時間の制約がなくなった現在はこんな悩みもなくなったなぁ、と思った次第。
まあ、レコードはレコードの良さってのはありますから。

そしてカール・ベーム&ウィーンフィルの演奏は…格別でした。カール・ベームは日本でも人気の指揮者だったそうですが、日本人の感性に合うのかな? 繊細かつ厚みのある演奏ですね。これはリマスターされた音源でも聴いてみたいですね。


中古レコードの値段は千差万別、一期一会ですね。私はもっと安いお値段で購入しています。

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