油長酒造の「風の森」でも、米をあまり磨かず作る807シリーズ。
807とは、精米歩合が80%、協会7号酵母を使っていることを示しているそうです。
今回は、酒米を奈良県産の「露葉風」を使用。露葉風は、1963年(昭和38年)に匂配された品種ですが、栽培が難しく、一時その栽培が途絶えていた品種です。これを、平成13年に復活させ、今では奈良県内の酒造で多く使われる酒米となったそうで、奈良県内の酒造だけ見ると、あの山田錦を凌ぐ使用量だそうです。
心白が山田錦よりも大きく、吸水速度も速くて処理が難しいそうですが、さてどんなお味かな?
開栓時は、ガス感があり、ポンと音がしました。
注ぐと香りは非常に豊かで、力強さを感じます。
プチプチと発泡感があり、甘みと酸味も力強いけど、決して押し付けがましくないです。とにかく力強い濃い味で、今までの807シリーズでも、風の森全体でも、ここまで力強いお酒はなかったと想います。
削っていないだけあって雑味感もあり、濃い味の食事との組み合わせでも、酒の味をしっかり楽しめます。
苦味はやや多めで、この辺りは削っていないお米らしいお酒と言えますが、決してそれがネガになっていないのが面白いところ。
ちょうどこの日肉料理だったので、肉料理との組み合わせでも、しっかり酒の味は主張します。
風の森シリーズ、とにかく種類が多いので、毎回新鮮に楽しめます。
ついつい飲み過ぎちゃうんですよね、風の森は…。