ガーン!D850のファインダ内7セグ表示が…

ミラーレス一眼全盛の時代に突入し、EVF(電子ビューファインダー)も液晶や有機ELディスプレイですから、シャッタースポードなどの各種情報も、すべて同じディスプレイに表示されます。
対して、一眼レフの場合は、光学ファインダですから、レンズを通した像はミラーとペンタプリズムを通して見ることが出来ます。このため、シャッタースピードなどの情報表示は、光学スクリーンの下の液晶、近年は有機ELパネルを搭載しています。

Nikon D850は有機ELパネルを搭載していてこんな感じに表示されています。(Xperia 1のカメラで撮りました)

光学ファインダスクリーンの下に有機ELによる測光設定、シャッタースピード、絞り、露出インジケータ、ISO感度、撮影可能枚数が表示されている

シャッタースピードは1/60秒で、「60」と表示されるのが通例です。

シャッタースピード1/1250秒

普段は、戦闘機を撮るときでも、シャッタースピードは速くて概ね1/1000~1/1600秒で撮っています。つまり、めったに1/2000秒以上には設定しないのです。
ところが、先日、気づいてしまったんですよ…

1/3200秒 ん?

アレ? アレレ? 表示が変だぞ!

なんと、シャッタースピード表示の7セグの4桁目、一番上が点灯していないのです。

7セグの一部だけ不点灯、こんな故障ってあるんですね

1/8000秒にしてみると、より不具合がわかりやすい。シャッタースピードは1/8000秒にするのは、f1.4とかのレンズの絞り開放で、晴天下で撮影するときくらいしか使わないですからね。

Nikon D850は10月で購入から5年を経過し、購入時のキタムラの5年延長保証も終了してしまいました。これからの修理は有償なんですよね。
ちなみに修理見積もりをネットで取ってみると…

3万円ちょっとかかるようです。
まあ、機能上大した不具合ではないので、放置でもよいのですが、そろそろオーバーホールもしないとなと思っていたところです。オーバーホールは概算で6万円弱なので、オーバーホールついでに修理したほうが、トータルで得になるはずなので、オーバーホールを検討したいと思います。
D850は自分にとって最後のデジタル一眼レフになると思うので、末永く使いたいですしね。

Nikon Z 9の動画形式、どれを使えばいい?

Nikon Z 9(FW Ver.3.00)は、動画形式が多岐に渡り設定できます。発売初期のFWから進化し、8.3K 60p RAWでの撮影も可能となりました。
が、まだ8Kディスプレイや再生環境が一般的ではなく、またスチルではRAWで撮ることはあっても、素人にとってはRAW動画って何?となったりもします。
Z 9のFW3.00で使用できる動画は以下のとおりです。

●RAW
・N-RAW 12bit(SDR/N-Log) ※8.3K60p対応 / 24bit LPCM
・ProRes RAW HQ 12bi(SDR/N-Log) / 24bit LPCM

●YUV
・ProRes 422 HQ 10bit(SDR/N-Log) 4:2:2 / 24bit LPCM
・H.265 10bit(SDR/N-Log/HLG) 4:2:0 ※8K60p対応 / 24bit LPCM
・H.265 8bit(SDR) 4:2:0 ※8K60p対応 /24bit LPCM
・H.264 8bit(SDR) 4:2:0 /16bit AAC

意外にも、音声はH.264以外、全て非圧縮のLPCM 24bitなんですね。

H.265 HEVCでは音声はLPCM 24bit 48kHzサンプリングで収録される

Nikon Z 9の凄いところは、これら各種動画が、オプションのFWや外部レコーダーなしに、本体のみで対応できるところです。
特にRAW動画やProRes 422 HQにボディのみで対応できるのが良いですね。
執筆時点(2022年12月)でフルサイズミラーレス一眼で最強の動画機と言われる所以です。
ただ、スチル目的で買った人にとっては、私も含め、こういった高画質動画撮影機能は宝の持ち腐れだったりもしますが、動画も実際やってみると結構楽しいので、ぜひ動画もチャレンジしてほしい所です。

動画データをダブルスロットの両方に同時記録ができない、といった不満はあるものの、Z 9の動画機としての能力は非常に高いと言ってよいでしょう。

どの動画形式で撮ればよい?

これだけ動画形式があると、何を使えばよいか迷うところです。
まずRAW動画ですが、写真のRAWデータと違い、この形式で撮っても、簡単に見ることはできません。
写真のRAWは、基本カメラメーカーの純正RAW現像ソフトやサードのRAW現像ソフトで、比較的簡単に見ることができますが、動画の場合はそうはいきません。
Nikonの閲覧&RAW現像ソフトのNX Studioでも、RAW動画とProRes 422 HQは再生できません。
なので、基本何もせず撮って出しには不向きというのは、前回のブログにも書いたとおりです。

基本的には、RAW動画はカラーグレーディングなどを前提としたもので、編集後の最終書き出しで最高の結果を得るためのものと捉えたほうが良いでしょう。
私のようなド素人には、よほど特殊な撮影をしない限りはまず不要だったりします。そもそもデータ量も相当なものになります。

N-RAWは今のところ、対応できる編集ソフトはDaVinci ResolveとEDIUS X Proのみ、ProRes RAWは現時点で8Kには非対応です。
いずれにしろ、撮って出しに使うにはあまりにデータが重いです。カードも少なくとも512GBが欲しくなります。

ということで、あくまでもYamaro的にコレを使う!という設定です。

撮って出し、カット編集程度ならH.265

まだ再生互換性ではH.264 MPEG-4 AVCよりは落ちるかもしれないH.265 HEVCですが、圧縮率の高さと効率の良さはH.264を上回り、細部の圧縮ノイズの少なさは目を見張る者があります。

上の写真は先日も掲載したH.265動画からの切り出しですが(HD解像度に落と「しています)、カラーグレーディングしていないので、若干色味はスチルに劣るものの、圧縮ノイズの少なさ、とくに後方の森の木々の描写がスチルと遜色ないのがさすがです。これがH.264だと、こうした高周波の細かい描写が苦手だったりします。
ヘリのテイルローターが、ローリングシャッター歪が少し出ているのがわかりますが、これは静止画に切り出したからで、動画で見る分には違和感がないです。

ちなみに、H.265 10bitでは、階調モードをSDR、N-Log、HLGが選べますが、再生環境など考えると、一般的なSDRで良いのかなと思います。
HLGは対応ディスプレイがあるなら良いですが、まだ非対応環境も多いですね。

色味やガンマカーブ、カラーグレーディング編集するならProRes 422 HQ

非可逆圧縮ですが、低圧縮率のProRes 422 HQなら、編集耐性が高いです。色味やガンマカーブ、映画っぽいトーンなどカラーグレーディングを当てるといった作業ならこれでしょう。

圧縮率が低いので画質もとても良いProRes 422 HQ

細部の表現は、H.265をさらに上回っている印象です。ホワイトバランスが多少ずれていても、調整して最終的にH.265に書き出しても、画質の劣化をほぼ感じないですね。

まだまだ動画はわからないことだらけですが、色々試してみたいと思います。

WindowsでProRes動画を再生する方法

動画編集の世界では、業界標準的に用いられているAppleのProRes 422 HQコーデックは、ビデオ編集用途向けの高画質の圧縮フォーマットです。
高画質である分、一般的なデジカメで用いられているコーデックのH.264(MPEG4/AVC)よりも圧縮率が低く、かつ編集用途が前提の形式であるため、そのまま再生する用途には不向きです。

Windows環境では標準で再生ができません。
もともと、ProResで撮って未編集で再生、と言う用途向けではない上に、ProResはAppleが開発した形式のため、Windows環境では以前はAppleの再生ソフト、QuickTimeで再生できたものの、Windows向けのQuickTimeの開発終了に伴い、現在のWindows環境では再生が難しくなってしまいました。

VLCメディアプレイヤーで再生できる!?

Windows標準のプレイヤーでは再生できないProResですが、VLCメディアプレイヤーであれば再生できる、という情報を得たので、久しぶりにインストールしてみました。昔はよくお世話になった再生ソフトです。

Windows10や11ではMicrosoft Store経由でもインストール可能です。
再生してみました。が、音声は流れるものの、映像は3,4コマで停まってしまい、それっきりでした。
PCはRyzen 9 5900XにビデオはGeForce RTX 3060ですが、まともに再生できないようです。

Davinci Resolveなら再生できる

Davinci Resolveは動画編集ソフトで、当然ながらProRes 422 HQにも対応しています。編集しなくとも、Davinci Resolveで読み込ませることで、再生可能でした。

Davinci Resolveならコマ落ちなく再生可能だった

特にカクつくこともなく、再生可能でした。
ただし、4K60pのProResだと、200MB/s以上のデータとなっているため、HDDでは読み出し速度が追いつかずカクつきます。SSDからの読み込みが不可欠ですね。
元々ポストプロダクション用のProRes 422 HQなので、撮って出しには不向きですが、編集しなくともDavinci Resolveのような動画編集ソフトに投げれば、再生は可能です。Davinci Resolveの無料版でも、素人には十分高度な編集もできるので、インストールしていて損はないでしょう。

【五十嵐酒造】五十嵐 純米酒 無濾過生原酒 直汲み

日本酒、色々試したくって、買ったことのない銘柄、種類を買いたくなってしまいますが、今回は久しぶりにリピート買い。と言っても前回買ったのは3年くらい前だろうか?
埼玉県飯能のお酒といえば、五十嵐酒造の「五十嵐」です。間違いのないお酒です。同酒造の「天覧山」をベースとした直汲みのお酒です。

【五十嵐酒造】五十嵐 純米酒 無濾過生原酒 直汲み

イエローラベルにしました。令和4年BYの新酒です。
酒米は五百万石、精米歩合60%、吟醸酒ではないそうです。とあるサイトによれば、日本酒度は+4、酵母は協会1001号で、10号酵母系とのことです。

【五十嵐酒造】五十嵐 純米酒 無濾過生原酒 直汲み

発泡系です。一升瓶の発泡系は、かつて冷蔵庫内「たかちよ」大漏洩事件があったので、かなり慎重になっています。
栓が吹き飛ぶこともあるので、慎重に開栓しました。
たしかにガス感はありますが、栓がポンと飛ぶほどではなかったです。が、瓶内発酵の具合によっては飛ぶこともあるので、十分注意しましょう。

結構なおりがらみ、注ぐとシュワシュワ

上立ち香は爽やかな吟醸香、甘みを感じます。口に含むと、微発泡感とともに、爽やかなマスカット系の甘みと酸味が広がります。ただ、以前のよりも酸味は少なく、割と苦味もありますね。
温度が少し上がると、やや苦味主体だったのが甘みもより出てくるので、バランスが良くなります。冷蔵庫から出して、注いで少し時間が経過したくらいのバランスが好みです。

あとは一升瓶ならではの、味の変化を楽しみたいと思います。

【IKEA】ÖL LJUS LAGER エール・ユース・ラーゲル

先日IKEAで家具類を色々買ったのですが、食材も売っていたりします。アルコールも、以前はスウェーデンの伝統的なお酒であるスナップスを売っていたのですが、アルコール度数が高い蒸留酒故に、万人受けはしにくい感じでした。
現在スナップスは日本のIKEAでは販売されておらず、代わりに販売されているのがビールでした。

【IKEA】ÖL LJUS LAGER エール・ユース・ラーゲル

IKEAらしいシンプルなラベルです。あちらの読みではLAGARはラーゲルですが、日本だとラガービールと言う方が通りが良いですね。
市販されている多くのビールはラガービールです。ビールと言えば欧州だとドイツやベルギーが有名ですが、スウェーデンはあまりイメージがないですね。

瓶ビールって、何故かそれだけで美味しそうですよね。王冠がおしゃれです。
アルコール度数は5%と少し低めです。

色味も日本のビールに近い感じ

香りはそれほど強くはないです。日本の一般的なビールに近い感じですね。喉越しも…お、やや濃い味ですが、総じて日本のビールに近い味わいです。甘味や苦味が強調された感もなく、飲みやすいですね。キリンのラガービールに似たような感じです。そのキリンラガーボールも、しばらく飲んでいませんけどね。

ということで、海外ビール感を味わいたいなら、ちょっとその感触は薄いけど、万人受けしやすいビールとしては、IKEAらしいかなと思いました。

エアバンド用のBluetoothイヤホンを新調してみた

エアバンドレシーバーはコードが煩わしいので、Bluetoothレシーバーで飛ばして、Bluetoothイヤホンを使っています。
ここ2年ほど骨伝導イヤホンを使っていました。イヤホン、片耳が好きではなく、両耳タイプの主流であるカナル型は、自分の左右の耳の穴の大きさが違うので、どうしても違和感があって耳が痛くなり、好きではないのです。
骨伝導ならどうかなと思って使ってみましたが、結論としては音量が足りない! これに尽きました。まあ安物だからかもしれませんが。
あと、バッテリの持ちが悪く、1日の撮影の途中で切れてしまうこともしばしば。

ということで新調してみました。


カナル型ではなく、18時間の長時間稼働、エアバンド用なので音質は求めない、安い、ということでこれにしてみました。

しかしまあ、2千円ちょっとなのに箱が立派ですね。しかもパッケージと取説は日本語です。仕向地向けに箱や取説もカスタマイズしているとは…。もはや怪しい日本語のパッケージは、この価格ですらお目にかからなくなりつつあります(たまに残ってるけどw)。

色はレッドを選択。ブラックだと無くしそうだから、目立つ色にしましたが、ちょっと安っぽさが出てしまったかな。

不思議な形状のユニット

イヤホンユニット自体はアルミフレームで、そのまま装着しているイメージ写真が掲載されていますが、このイヤホン単体では、確実に耳から滑り落ちます。
もしかしたら個人差で、他の人なら問題ないかもしれませんが、とにかく自分の耳の形状、ちょっと特殊なんじゃないかなと思うくらい、市販のイヤホンが合わないもので。
写真右に写っているラバーを装着すると、まあまあ良い感じになりますが、やはり左右で耳の大きさが違うためか、装着感が左右で結構違うんですよね…

さて実践ではどんな感じかな?

Nikon Z 7IIをレンタルして1日1000枚撮影した感想

先日、Nikon Z 7IIを1日レンタルし、4日の百里基地航空祭の撮影をしてきました。

■Nikon Z 7IIをレンタルしてみた

https://yamaro.info/wordpress/2022/12/03/nikon-z-7ii%e3%82%92%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%ab%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%81%9f/

レンタルしたNikon Z 7IIに手持ちのNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRを組合せて撮影

航空祭では、AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VRNikon Z 9を、AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRNikon D850を、そしてNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRに今回レンタルしたNikon Z 7IIを使用しました。
レンズ交換無しで、3本のレンズを使用するため、3台のボディを使いたかったのですが、実際にこれらのレンズやボディは、航空祭でどれもちゃんと使いました。ただ、かなりの重量(十数kg程度)となったため、その後の披露は半端なかったですが。

さて、実際に使ってみての感想です。

初代Z 7よりは改善されたけど…

初代のNikon Z 7は、2017年のD850の登場からわずか1年後に発売され、D850出たばっかりなのにミラーレス版が出て、D850を食ってしまうのではないかと期待した結果、見事に悪い意味で裏切ったカメラでした。D850よりもバッファが小さく、連写はすぐ詰まってしまうし、何よりAFがもっさりで、とても動態を撮れるカメラではありませんでした。静態専門カメラでした。
ミラーレス特有の、連写するとパラパラパラ漫画になる(メカシャッターで撮る以上は避けて通れないけど)のは仕方ないとして、14bit RAWでは連写速度が低下するなど、D850より劣る面が目立ちました。
Nikonにとっては初代のミラーレスなので仕方ない面もあるとは言え、すでにフルサイズミラーレスで先人を切っていたSONYからは、当時でも周回遅れ感があったのは否めなかったです。一眼レフへの遠慮もまだあったのではないかと思います。

それと比較すると、Z 7IIは初代のネガを潰して改善し、4K動画の60p対応やバッファの積み増しも行って、やっとスペック上はD850と並ぶ、あるいは一部は超えるスペックを出してきました。
ただ、やはり全体としてD850と比較して、使いづらさ(AF切り替えがメニュー画面のみ)やAFのもっさり感は依然あります。
一眼レフは、AFは専用の位相差AFユニットが組み込まれ、AF処理は画像処理とは独立している、という感じだったのが、ミラーレスでは画像処理と並行して行われるため、CPUの処理速度が肝となっています。
Z 7IIは画像処理にデュアルEXPEED 6を使用していますが、これでも処理速度には余裕が無いのでしょう。Z 9のEXPEED 7では、Z 7IIの10倍の処理速度を持つため、ディープラーニングによる被写体検出が可能となりました。
Z 7IIは初代Z 7のマイナーチェンジに過ぎず、大きく改善しライバルに追いつけるには、EXPEED 7を搭載したZ 7III(あるいはZ 8?)の登場が不可欠でしょう。

NikonのミラーレスはZ 9から入った自分にとっては、どうしてもフラッグシップのZ 9と比較してしまいます。Z 7IIは2020年発売、Z 9は2021年発売で、その発売年はわずか1年差ですが、同じ画素数のフラッグシップ機とミドルクラス機、と言った以上に差を感じました。

Z 7IIの操作性

まず戸惑ったのが、AFの切り替えはすべてメニュー画面で行うこと。Z 9やD850は専用のAF切り替えボタンが存在しますが、Z 7シリーズにはありません。
これが一番、操作系で不満に思った点です。

PASMの切り替えを行うモードダイヤルは、Z 9やD850がボタンを押しながらコマンドダイヤルで切り替えるのに対し、Z 7IIはNikonのミドルクラス機以下に共通するダイヤル式なのが、この価格のボディでありながら、どうもなぁと思っていましたが、実際使ってみると、この点についてはさほど違和感はなかったです。

コマンドダイヤルは、背面側はZ 9やD850が埋込式なのに対し、Z 7IIは上部が露出しています。また表面の材質も硬めで、これが回しにくい印象でした。

また、これはレンタルしたZ 7IIが不調だったのか、液晶のタッチパネルが使えませんでした。実際にはタッチパネル内蔵なので、これはZ 7IIが悪いのではなく、レンタル機材の不良なわけですが、やはりタッチパネルに慣れてしまうと、あらゆる操作がタッチパネルでできないのが不便でした。

全体としては、操作系はD750に近い印象ですが、Z 9のサブとして使うと、操作系の違いが多く、違和感が残る結果となりました。まあ慣れの問題で、決して使いにくいという感じではなく、Nikonユーザーであれば、ある程度すんなりと受け入れられるはずです。

Z 7IIのAF

今ミラーレス機で一番注目されるのはAFの性能でしょう。
ミラーレスはライブビューで常時被写体を捉えているため、画像認識を使った被写体認識によるAFが主流になっています。
これは一眼レフの位相差AFでは不可能で、かろうじてNikon D6が測光センサを使って顔認識を行っている程度です。

顔認識AFは、2005年にNikonのコンパクトデジカメに初めて搭載されたのを皮切りに、その後のミラーレス一眼ではあたりまえに搭載されるようになりましたが、特にセンサのサイズが大きく被写界深度の浅いAPS-Cやフルサイズフォーマットのミラーレス一眼では、さらに踏み込んだ瞳認識が搭載されるようになりました。

現在Nikonのミラーレスがライバルメーカーと大きく差がついてしまっているのが、AFの性能でしょう。とりわけ、ライバルメーカーはこのクラスのカメラにもAIによる被写体認識機能を充実させてきており、やっと瞳AFがそれなりに実用になったZ 7IIの周回遅れ感は否めないです。これはミラーレスにとっては処理速度に余裕がないEXPEED 6では如何ともし難いところでしょう。
特にオートエリアAFは、Z 7II単体で使うと悪くはないけど、Z 9と比較してしまうと、どうしても旧世代のミラーレス、という感想しかありません。

今回借りたZ 7IIは、ファームウェアのバージョンが最新ではなく(具体的なバージョンは見落としていました)、この状態ではとにかく瞳認識がほぼ機能しなくて、この点は以前使っていたLUMIX GX7MK2(現在使っているGX7MK3の1つ前のカメラ)以下でした。
ファームウェアを最新のC:Ver1.50にしたところ、認識率はかなり向上し、実用となったものの、Z 9のように素早い動きにもついていけるまでには至っていないかな、という印象です。それでも、子供のスナップくらいには使えるかなといったところです。

小さな被写体と空、ピントは合っている

小さな被写体にコントラストのない背景は、AFの苦手な被写体です。上の写真はZ 7IIのオートエリアAFですが、これについてはピントが来ました。ただ、AFはじわっと合う印象で、同じレンズでもZ 9のようにスパッとは来ないんですよね。とは言え、じわっとでも一度ピントが合うと、精度自体は良かったです。
AFがいくら速くいても、いくら認識しようと、精度自体が悪ければ意味がなく、この点Z 7IIは悪くないですね。
そういった意味で動きの激しくない被写体がメインなら、Z 7IIのAFはありでしょう。

ただライバルメーカーのAF、とりわけ被写体認識が良すぎて(フォーカスの精度は別として)、すごいな~となってしまうわけです。商品としてみた場合、仮に動態なんて撮らないという人でも、比べてしまうと、やっぱり被写体認識がすごいと、そっちを選んでしまいますよね。
上の写真の3枚目のSKYMARKの上がるシーンなんてのは、ぶっちゃけ被写体認識なんてなくても、問題なく撮れてしまいますが、あれば便利なのは確かです。
自分は鳥は撮らないのですが、小鳥のような小さな被写体と複雑な背景なら、被写体認識AFが欲しくなるのはわかります。結局何を撮るかですね。

今、AI被写体認識、ディープラーニングはカメラを売る上でのトレンドですから、そうなってしまうのは仕方ないですが、こちらも高いお値段のカメラを買うわけですから、この点はNikonに頑張って欲しいところです。

Z 7IIの連写性能

今や秒何コマ、という連写性能、エントリークラスのカメラでも秒10コマ程度は普通に出せる時代になりました。フィルムカメラの時代は、秒8コマスゲーとか言っていた時代が懐かしいです。
Z 7IIも14bit RAWで9コマ/秒、やっとD850+MB-D18に追いつきました。

そして連写速度より重要な連写バッファも、D850に追いつきました。というか初代Z 7がひどすぎました。なんでD850よりバッファ少ないのかと。
実際、撮影していて連写も多用しましたが、バッファ詰まりはあまりなくスムーズでした。

ブルーインパルスを引きで撮る分には、何ら問題なかったですね。

Z 7IIのファインダー

Z 9ユーザーである自分にとっては、ファインダの見え方そのものはZ 7IIも引けをとらないけど、Z 9と比べると一番落ちるかな、という品質でした。つまり、悪くはないです。
ただ、連写中のファインダ表示がパラパラ漫画になる方が気になりました。これはメカシャッターである限り、避けて通れないミラーレスの宿命です。個人的に、Z 9のようなブラックアウトフリーで連写できてこそ、ミラーレスのメリットが享受できていると思っています。Z 7III(Z 8?)はぜひブラックアウトフリーを継承して搭載して欲しいですね。連写時の快適さ、フレーミングの追従性が全く違います。
この点、ミラーアップによる像の消失があっても、ミラーダウン時にリアルに見える一眼レフのほうが動態を追いやすいのは確かです。飛行機界隈で今でも一眼レフ税が多いのはそのためです。逆に、そうした飛行機界隈の一眼レフユーザーがミラーレスに移行するには、ブラックアウトフリーは不可欠と思っています

また、時と場合によってフレームレートの低下も、Z 7IIでは気になりました。この点、拡張で120fpsのZ 9はほぼ光学ファインダーで見る世界に近い(ヘリのローターはパラパラになるけど)ですが、ヘリやプロペラ機のペラの見え方は、やはちょっと気になりました。

Z 7IIの画質

これは全く文句なしです。ヌケの良さはZ 9よりむしろ良いです。Z 9は少し濁るというか、S/NがD850と比べてももう一歩と思うところもあるのですが、Z 7IIはD850を超えるクリアなヌケの良い画質でした。
これは背面液晶のプレビューで見てわかるくらいで、Z 7IIでもっとも良いと思ったポイントですね。

画質はDRやISO感度など、定量化出来る部分もあるけど、食べ物の味と同じでトータルで定量化出来ない部分も多いですが、Z 7IIはひと目で良いな~となる画質でした。
若干ハイライトがピーキーなのはD850に似ていますが、D850より画像処理エンジンが新しい分、素直にヌケの良い画質、ベールを脱いだ、という表現になります。

Z 9も単体では感じなくても、Z 7IIと比べると、高速読み出しによる熱の影響などあるのか、少しヌケが良くないです。口の悪い連中は濁ってるなんて表現もしますが。

安くなったら買うのはありかも?

まだまだ30万円はするZ 7IIですが、今型落ちとなった初代Z 7が20万円前半になっているように、Z 7IIがそのくらいの値段になったら買っても良いな、と思いました。
逆に、Z 7はどんなに安くても欲しいとは思わないです。

以上、あくまで個人の感想です。Z 7も静態撮影なら、コスパは良いと思いますよ。ただ、私の使い方では不満が出るので買いませんが。

Nikon Z 7IIで百里救難隊の動画を撮ってみた

先日の百里基地航空祭2022の撮影のためにレンタルしたNikon Z 7II。たった1日のレンタル(実質1泊2日ですが)でしたが、スチルで1000枚、動画もいくつか撮りました。

今回は、百里基地航空祭の百里救難隊の飛行展示をZ 7IIの4K 60pで撮影してみました。
Z 7IIは、ボディ本体での動画は、4K 60pの場合、撮影範囲はフルサイズの93%のセンササイズとのことで、わずかにクロップされますが、ここはそれほど大きな問題にはなりませんでした。撮影していて違和感なし。
ただ、撮影中のファインダのフレームレートの低下が気になりました。また、動画画質自体も、これ単体で見れば悪くはないですが、Z 9の動画に比べると、やはり一寸落ちるな、という感想です。と言うよりZ 9の動画の品質が良すぎるのですが。

Nikon Z 7IIの4K動画から静止画切り出し(HD解像度に落としています)

色味は撮って出しだと、少しグリーンが強い気がしました。動画編集時に、少しだけ色バランスを調整してみましたが、Z 9のクリアでヌケの良さのある動画と比べると、少し細部のディテールが出ていない感じです。
Z 7IIの動画コーデックはH.264で、このクラスのカメラでは標準的ですが、より高画質高圧縮で、同じビットレートならH.264よりも品質を保てるH.265で撮れるZ 9と比較してしまうと…と、先にZ 9を使ってしまった自分にとっては、やっぱりもう一歩かなという印象です。

スチルの画質は、Z 9よりZ 7IIのほうが良好に感じますが(このあたりの話は後日まとめたいと思います)、動画に関してはZ 9に敵わないですね。AFの遅さも気になりました。

【百里基地】3年ぶりの百里基地航空祭に行ってきました

ということで、ブログ更新は1日空けてしまいましたが、2022年12月4日、3年ぶりに茨城県は百里基地にて航空祭が行われましたので、行ってきました。

早朝より出陣しました。ご一緒させていただいた方々には感謝感謝です。1人だとトイレやお土産を買いに行くにも苦労しますからね。

今回は3年ぶりの百里基地航空祭とあって、かなり気合い入れていきました。
3年前は301SQ501SQのファントム最後の航空祭となりましたが、その後COVID-19の蔓延で、2年間航空祭はなく、その間にファントムは引退し、3SQのF-2戦闘機が配備されました。
百里基地での3SQの航空祭は今回が初めてとなります。

また3年も経過したので、こちらの撮影機材も変化しました。今回は、レンズ交換の手間を減らすべく、3本のレンズそれぞれにボディを用意。
Nikon Z 9 + AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VRと、Nikon D850 + AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR、そしてもう1台のボディは初めてレンタルを活用し、Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRで、24mmから600mmまでをカバー。600mmはテレコンも持参しましたが、結局今回の撮影では使用しませんでした。
Nikon Z 7IIの使用感については、別途記事にしたいと思います。

■午前のフライト

百里基地は、午前中は基地内からが順光となります。午前中は、救難の展示飛行、小松の306SQからのゲスト機、F-15J (72-8963)が孤高機動飛行を披露してくれました。

午前のフライト最後を飾るのはブルーインパルス。関東圏では、11月の入間航空祭ではブルーインパルスが来なかったせいか、これを見ようという観客も多かったようです。

■午後のフライト

午後は3SQの機動展示でしたが、なんと天候が曇りに…。天気予報も晴れ時々曇りで、午後からは少し雲が増えるという予報だったのですが、見事に曇ってしまいました…。午後は基地内では逆光になるため、重い機材を担いで数km歩いて移動しましたが、かなり堪えました。
それでこの天気は残念だったけど、素晴らしい機動を見れたので良しとします。若干ブレちゃったのもあるけど、ここはNikon Z 9がかなりの威力を発揮してくれました。ブラックアウトフリーのファインダ、これに慣れると、シャッターユニットのあるカメラは一眼レフでもミラーレスでも、連写時の像の消失が気になってしまいますね。

そしてブルーインパルス他ゲスト機の帰投まで見ました。今回はゲスト機の帰投が遅く、基地内だと見れない帰投もありました。そしてこの時間、雲が少し減り晴れ間も出てきました。ああ、F-2の機動のときに晴れていれば…。

というわけで、最後はナイトの撮影になってしまいましたが、E-2Cの帰投を見て帰宅。ご一緒に撮影した皆様、最後は機材の移動も手伝っていただきありがとうございました。
そして、コロナ禍以前のような航空祭にしてくれた自衛隊や自治体関係者の皆様にも感謝です。1日楽しませてくれました。個人的にも悔いのない撮影が出来て満足です。

今回はダイジェストで写真現像しましたが(3台のカメラで9千枚撮りました)、残りの写真はぼちぼち現像してアップしていきます。
そして、今回レンタルしたNikon Z 7IIについても書いていきたいと思います。良い点、悪い点、1日使うと見えてくることもあります。

ということで、お疲れ様でした! 2日たっても、重い機材を持って移動、望遠を振り回した筋肉痛が取れないです(笑

アサブロから移転して、2020年よりこちらをメインとします