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オーストラリア海軍が次期フリゲート艦に改もがみ型を選定、どんな艦艇になる?

先日、オーストラリア政府より、アンザック級フリゲートの後継艦として、日本の改もがみ型護衛艦が選定されたことが発表されました。


アンザック級は1990年代から2000年代に就役し、初期の艦が間もなく30年を経過することから(1番艦は後継艦導入費用にまわすため2024年に退役)、後継艦の選定が行われていました。


候補しとて名乗りを上げたのが、日本の改もがみ型以外に、ドイツのMEKO-A200ないし改良型のA210型、韓国の大邱(テグ)級フリゲートのバッチ2または3、スペインのAlfa3000型の4か国です。

このうち最初の選定で韓国とスペインは脱落となりました。
韓国は、海軍に関しては対北朝鮮を念頭に90年代初頭までは比較的小ぶりのコルベットやミサイル艇中心だったものが、この四半世紀でより外洋志向の海軍にシフトし、近年は自国兵器の輸出も積極的に行っています。
が、他の3国と比べてフリゲートクラスの水上艦はまだ実績が少なく、大邱(テグ)級はVLS(ミサイル垂直発射装置)が韓国製ミサイル専用K-VLSで汎用性に欠けます。
船体が小さく乾舷が低めで、外洋での航行に支障が出そうな点や、米国製のMk.41 VLSへの改装に問題もあるかと思います。
レーダーも回転式の3次元レーダーSPS-550Kで、アンザック級は途中でCEAFAR多機能レーダーに改装しているため、多機能レーダー搭載となると改装のための開発費用や船体の小ささがが不利です。
またこのクラスは推進軸の不具合が出ていること、乗員人数が140名とサイズのわりに多いことも選定から漏れた理由でしょう。

スペインは元々海軍国家で艦艇輸出にも力が入っている国ですが、提案したAlfa3000型ははまだ実艦艇が登場していません。完成CGを見ても何となく野暮ったく見えるのと、船体もアンザック級と大きく変わらないか小さいようで、航続距離や外洋航行性能でオーストラリア海軍の要求を満たせなかったものと思われます。実艦がまだないということは、開発から建造までに時間がかかることで、これも早く代替艦が欲しい、遅延はあってはならないという思惑にも合致しなかったでしょうね。

日独案の一騎打ちに

最終的にドイツと日本の一騎打ちとなりました。
ドイツは古くから兵器輸出に力を入れており、現在のオーストラリアのアンザック級フリゲートも、ドイツのMEKO-200型ベースです。
そのため、今回も艦艇の輸出経験がない日本よりも、経験豊富でかつアンザック級と同じ流れを汲むドイツが有利ではないかとも言われていましたが、ドイツが提案していたMEKO-A200型は、MEKO-200型の後継と言われつつもつながりは薄く、設計がやや古い上に南アフリカやエジプト海軍といった小規模採用しかなく、これらの艦艇は米国製ミサイルを搭載していないため、米国製Mk.41VLSを搭載するとなると、VLS周りの設計変更が必要です。そしてMEKO-A210型は現時点で実艦艇が存在しません。
レーダーもMEKO A-200型ではどの国も3次元レーダーが回転式で多機能レーダーは搭載していません。写真を見ても、アンザック級とほぼ同じサイズとはいえ、かなり小型の艦艇で発展性に乏しい、つまり重量がかさむ多機能レーダーの搭載は出来なくはなさそうだが、余裕もなさそうです。

アルジェリア海軍のMEKO A-200「エル・エルラディ」級フリゲート
Wikipediaより引用 Merzoug Gharbaz – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=43358393による

対する日本が提案した改もがみ型は、ベースとなったもがみ型FFMは既に8隻が就役(2025年8月時点)で4隻が建造または艤装中、既に改もがみ型FFMの建造にかじを切りつつあり、2025年度内に1番艦の起工が予定されています。しかもこの中から既に豪海軍向けに建造割り当てを行っています。これは今回の販売競争で官民一体で尽力した成果の1つですね。確実に前回のそうりゅう型潜水艦輸出失敗の教訓が生きているでしょう。

防衛省の資料 https://www.mod.go.jp/atla/pinup/pinup050825.pdf より引用


ハードウェアに目を向けると、他国の提案より大型の基準排水量4,880t(満載排水量は6,200t)、これは他国提案艦艇が4,000tに満たない満載排水量からするとかなり大型で、まず持って余裕が違います。
UAV,UUVの運用能力が最初からあり、かつ多機能レーダーも最初から搭載しています。32セルのVLSを搭載、もがみ型譲りの長い航続距離(1万海里≒18520km)が決め手でしょう。
もがみ型で欠けていた対空戦闘能力の強化、多機能ソーナー搭載で、バランスの取れた戦闘能力を備えています。
今回、オーストラリアはハードウェアにはできるだけ手を付けない、という方針だったようで、つまり他の案ではハードウェア的に満足できなかったとも言えます。一般に戦闘システムなどは後から改装可能だとしても、レーダーやソーナーといった装備は改装が大掛かりになるためです。
特に対潜能力はオーストラリア周辺、特に中国やウクライナ情勢といった安全保障状況の変化もあり、今後重要視していく部分で、ここは海上自衛隊が昔から力を入れていた分野でもあります。

またもう1つの決め手は建造ペースが西側でも早い部類に入る年2隻以上で、2029年に1番艦を導入したいオーストラリアにとっては、すでに改型の船体設計が出来ていていることは有利に働いたはずです。
加えて、もがみ型では省力化に力を入れており、乗員わずか90人で運用可能です。これは従来の同規模の艦艇より少なく、例えばもがみ型より船体が小さい「あぶくま」型護衛艦ですら120名、アンザック級で約160~170名なので、如何にもがみ型が省力化に尽力したかがわかります。ただ新型FFMは搭載兵装も増えるため、乗員も多少は増えるかもしれませんが、それでも省力であることに変わりありませんね。どこの国も今は少子化により海軍を志す若者も減りつつあるため、省力化は重要なテーマですね。
米国製で三菱重工がアメリカ以外で唯一ライセンス生産を行っているMk.41 VLSを搭載、しかも日本の護衛艦は、これまですべてのMk.41 VLSでStrike-Lengthというもっとも深さのある大型のものを搭載しているため、トマホークやSM-6のような大型なミサイルを装填可能です。
こうした点や将来拡張性、そして日本との防衛安全保障関連強化を考慮した結果が選定に繋がったと考えられます。

また、今回の選定理由はオーストラリアの政府の公式発表で明らかにされていて、

  • 生涯を通じて、もがみ型の運用コストは他の3つの提案よりはるかに低い
  • 2029年に最初のフリゲート艦が引き渡され、2030年に就役するという政府のスケジュールを満たすための唯一の選択肢
  • 改もがみ型の生産枠3隻分を既にオーストラリア向けに割り当てている
  • トマホーク巡航ミサイルを発射する能力

としています。元々アンザック級の後継として導入予定のハンター級の設計不具合やコストアップ、遅延が問題になっているため、改もがみ型に期待しているのでしょうね。

改もがみ型ベースのどのような艦艇になるのか?

オーストラリアは改もがみ型をそのまま輸入するのではなく、日豪共同開発とし、豪政府の要求に合致する形で仕様を変更します。
これは単純に武器を輸出できないが共同開発なら可能とする日本の法律と、アメリカ製のミサイル等の兵装や戦闘システム、豪海軍規格を用いて導入したいオーストラリアの思惑と一致します。
現時点でオーストラリア政府より発表があった改もがみ型ベースの新型フリゲートの概要は以下の通りです。

  1. 11隻建造、うち最初の3隻は日本国内で建造、残りをオーストラリアで建造
  2. レーダーなど基本的なハードウェア、装備品は極力改もがみ型を踏襲する
  3. SM-2/SM-6スタンダード対空ミサイル?(←後述)やトマホーク巡航ミサイルを搭載する
  4. 戦闘システムはロッキード・マーチン製を採用
  5. 2029年に1番艦を受領し、2030年に就役、3番艦は2034年までに就役

1.は前述の通り、既に3隻分の改もがみ型FFM建造スケジュールが豪海軍向けとして割り当てられているとのことです。現在、冷戦終了後の費用削減のツケが回ってきていて、西側の多くの国で設計建造能力が低下している中、日本も護衛艦を建造可能な造船所はこの30年で減らしつつも、何とか年2、3隻建造できる能力があります。
オーストラリアは遅延のない建造計画を求めていて、これに応えられるのが改もがみ型しかないということでしょう。
1番艦は2029年に引き渡し、恐らく米国製戦闘システムのテストなども必要になることから、1年テストに充てて、2030年豪海軍で就役すること目標としているようです。

2.は前述の通り、ハードウェアに手を付けないことで極力開発費増加と遅延を抑えるということでしょう。ハードに手を付けてしまうと、船体その他再設計が必要です。つまりレーダーはOPY-2もしくはその発展型(恐らく自衛隊向け23式艦対空誘導弾A-SAM搭載に合わせて捜索距離を強化するはず)をそのまま採用すると思われます。

3.ここが原文を読んでいて一番わからなかった部分で、原文にある

「新しいステルスフリゲートには、SM-2/SM-6ミサイル(筆者注:長射程の防空ミサイル)を発射する能力がある」としています。これは既にオーストラリアで就役しているホバート級イージス駆逐艦にある運用能力ですが、元々イージスシステムを搭載しないもがみ型や改もがみ型では運用能力がないため、前後の文脈から単純にオーストラリア海軍全体の運用能力としての話なのか、改もがみ型の話なのかが分かりづらいです。new stealth frigateという文脈でいうと、ホバート級はdestroyer(駆逐艦)なので、ハンター級フリゲートの話をしているのかもしれませんが(ハンター級はSM-2ミサイル搭載予定)、それならあえてnew stealth frigateと呼ばずハンター級と呼ぶはずですし、腑に落ちないですね。

改もがみ型のMk.41 VLSはStrike-Lengthなので、単純にミサイルを搭載するだけであれば、SM2/SM-6も搭載可能です。ですが、戦闘システムがそのままでは対応せず、また後述のロッキード・マーチン線戦闘システムにSM-2/SM-6運用能力を持たせたとしても、国産のOPY-2レーダーとのインテグレーション(適合確認)が必要ですし、射程を活かせるとも思えませんので、この話は管制能力はないが、ホバート級イージス艦からの管制で発射は可能を意味するのか、よくわからないところです。

ただ、明確にトマホーク巡航ミサイルは載せるとしていて、元々トマホーク武器管制システムは戦闘システムと別の個別のシステムなので、これは可能でしょうね。

4.は、公式発表での豪国防大臣の発言によれば「戦闘システムは実際にはロッキード・マーチン製」とのことで、実は元から純国産ではなくロッキード・マーチン製であると読み取れます。ただし戦闘システムの翻訳は必要としていて、この翻訳とは文字通りの言語の翻訳なのか、それともシステムを理解するうえでの「翻訳」なのかはさておき、気になるのは「実際にはロッキード・マーチン製」と言う文脈で、元々もがみ型護衛艦の戦闘システムにロッキード・マーチンが関わっているとするならば、そこが選定理由の1つになった可能性は高く、つまり日本製のミサイルだけでなく、アメリカ製のESSMの搭載もスムーズにできると思われます。
改もがみ型は対空ミサイルを国産A-SAMとしていますが、実はESSMも搭載運用可能なのかもしれません。A-SAMはESSMよりも射程が長く大型でVLSの1セルあたりの搭載は1発(ESSMのような1セルに4発入るクワッドパックは不可能)なので混在の可能性はありそう。
そうなると、オーストラリアの改もがみ型はVLアスロックは積まないので、32セルのVLSにSM-2/SM-6とESSMの混在搭載する可能性はあるでしょうね。
戦闘システムだけ日本向けの改もがみ型と別のものを載せるとなれば、そこの開発やインテグレーションも時間と金がかかりますが、戦闘システムとは三菱電機製OYQ-1情報処理装置を搭載しているもがみ型も、辿っていくと戦闘システムの一部にはロッキード・マーチン性を採用しているのかもしれません。このあたりは素人にはさっぱりですね。

5.はもっともオーストラリア海軍が望んでいることで、ハンター級フリゲートの失敗の二の舞いになりたくないという強い現れでしょう。
次期潜水艦などとにかくいろいろな話が二転三転し遅延する状況では、今回のフリゲート取得は絶対に失敗できない事案でしょう。

以上よりあくまで推察ですが、オーストラリア海軍の改もがみ型ベースの次期フリゲートは

  • 船体やレーダー、ソーナー、主砲は改もがみ型護衛艦と同一
  • 巡航ミサイルとしてトマホーク搭載
  • 対空ミサイルはESSM、SM-2/SM-6も搭載
  • 対艦ミサイルは日本製の17式艦対艦誘導弾ではなくNSM
  • 短魚雷発射管は多分そのまま日本製(オーストラリアが要望する物に改装も比較的容易)
  • SeaRAMはオーストラリアで採用実績がないが今更ファランクスにすることもないのでそのまま
  • OYQ-1戦術情報処理装置はオーストラリアの要望するロッキード・マーチン製へ変更(共通コンソールも日本製ではないものになる?)
  • UAV,UUVはオーストラリアが独自開発?

なんて思っています。こちらの記事もなるほどと思いました。
いずれにしろ、今後の交渉でどんな形に仕上がるのか楽しみですね。

ヴェルニー公園で米駆逐艦マイケル・モンスーアや体験航海の護衛艦あさぎりの出入港を動画撮影した

先月2025年7月20日、横須賀のヴェルニー公園で米ミサイル駆逐艦「マイケル・モンスーア」や体験航海を行う護衛艦「あさぎり」と特務艇「はしだて」を撮影してきましたが、動画でも撮っています。

だら~っと長回ししたのをかいつまんでいますが、それでも27分もあるので、ながら観でどうぞ。

色域情報、何かバグっているかなぁ。環境によって色が濃く見える場合は、色域がズレているかもしれません。本当はHDRでアップしようと思ってBT.2020に設定したけど、どうもうまく行かなくって。動画関係は本当に難しいと言うか、あまりに色々な方式が乱立しすぎていますからね。
書き出した動画はうちの環境では正常に見えるのですが、Youtubeにアップしたものは全画面にすると色域が変わってしまいますね。

【追記】HDR版アップしました

色がおかしい件は、やはり色々設定に不備があったようです。こちらで記事にしています。

今度はHDR版再生可能です。再アップロードしたものがこちらになります。

【百里基地】25/7/25 「レゾリュート・フォース・パシフィック」の記録 その2

午後の部、ですが微妙に午前も入っています。
ということで25日の1stの上がり、3SQのF-2は捻ったけど、三沢のF-16は捻らず…。なんでも28日(月)はF-16もかなり低い位置で捻ってくれたそうで、やっぱり月曜にすればよかったかなぁと思いつつ、まあこれは運次第なので仕方ないですね。

珍しく2ndの上がりは12時ちょい前に、しかもR/W21上がりでライトターンは珍しいですね。3SQのF-2だけでF-16の動きなし。
この日時のこの時間だと、この捻りをアップで撮るのは難しいですね。

さらに13時には先に上がった機体が降りてきたり、また別の機体が上がったり。

この日は3SQ捻ってくれましたねぇ。気合入っていますね。
ここで撮影ポイント移動します。

金曜日だし、まさかもう米軍に動きなし?と思ったら、ついにKC-135T (59-1462/91462) が動き出しました。これが撮りたかったんだよ~!

後継のKC-46Aがトラブっていてなかなか引退できないKC-135、まだしばらくは見られそうです。
そして3rdと言っていいのかな? 3SQのF-2B (43-8128) にプラスして、ついに米軍のF-16も上がりました! ただし2機だけです。

F-2もF-16も離陸からアフターバーナー全開です。

15時半、先に3SQのT-4 (16-5670)とF-2B (43-8128) が帰ってきました。

何度かタッチアンドゴーを実施。色々上がりと戻りがバラバラなんですね。上空ではどんな訓練を行っているんだろう?

そしてこの後1時間以上動きなし。なかなか帰ってこない。いつもより訓練時間が長いですね。17時過ぎにやっと帰ってきました。まず先に戻ってきたのは3SQのF-2です。

続いて、やっとF-16も帰ってきたよ~。タッチアンドゴーを実施してタッチダウン。

ちょっとこの日のF-16は大人しかったなぁ。

更に30分経過し、やっとKC-135も戻ってきました。

やっぱり4発機はダイナミックで良いなぁ。これでも全長はB767ベースで双発のKC-767やKC-46より短いんですよね。
F-16やKC-135のように古い機体はそろそろ引退に近づいています。F-16ですらもう結構な年数が経過しているんですよね。

ってことで、F-16の機動はいま一歩でしたが、暑い中来た甲斐はあったかなと。
30日までの訓練ですが、日中はかなり暑く、2Lの水筒を持っていったけど空になったくらいです。本当に水分・塩分補給はしっかりと行って、少しでも頭痛や目眩を感じるようなら、涼しい場所に避難しましょう。紐付きの帽子は必須ですね。

【百里基地】25/7/25 「レゾリュート・フォース・パシフィック」の記録 その1

6月末防衛省から発表された米軍主催訓練「レゾリュート・フォース・パシフィック」。複数の基地で実施されていますが、百里基地でも実施されているため、仕事が忙しいところではあるけど、もうしばらく行けないだろうなと思って休みを取っていってきました。

先週は横須賀で、今回は小美玉市で日の出を見ましたね。早起きは三文の徳です。
というのもいつも朝の遅い3SQも、今回はかなり早くから上がると聞いて、早めに来ております。でもちょっと早すぎたな(笑

1stで先陣を切ったのは米空軍三沢基地所属の第35戦闘航空団のワイルドウィーゼルのF-16Cでした。この日は南風なのでR/W21上がりでした。撮影には視界が広いので好都合です。

翼端にAIM-120 AMRAAM、さらに空戦機動計測装置(ACIM)も搭載していますね。
しかし2機ともあまりひねらず…

更に1時間後、もう2機も上がりました。1基は複座のF-16Dですね。

この時間からもう陽炎の絵右京でややぼんやりな絵に。どちらもストレートに上がっていきました。朝だからか? やけにおとなしいですね。

続いて3SQのF-2が上がります。13-8562号機のヴェイパーがすごかった!

でも陽炎の影響か、解像度が低い写真に。残念!せっかく絵は良かったのに。
F-2、7機上がりましたが、気合入っていましたね。

個人的にこういう絵が撮れたので満足。

ど順光ではない絵も良いですね。ゾロ目の555号機でした。

降りを撮るため移動。あれ、誰もいないな~。知っている人は知っているはずのスポットですが…

まさかの7機フォーメーション、850mmでは4機しか入らず…

暑い中汗ダラダラで待機していたら、7機のフォーメーション! しかし、せっかく持ってきた望遠ズームレンズを出す時間がなく、仕方なく600mm+テレコンの850mmで撮りましたが、4機しか入らず😂

後は各機ちょい捻りつつ降りてきました。

この撮影も部分的に陽炎の影響か解像せずの写真多し。本当に暑かったのと風が弱かったので。AFにも少し迷いが見られましたし。

後に上がったF-2が先に帰ってきて、三沢のF-16がまだ戻ってこない。30分後、やっと帰ってきました。

ということで午前の部は終了。午前はこの後T-4もタッチアンドゴーを行っていたようですが、あまりに暑くとりあえず「空の駅そらら」に一旦退避しました。
もちろん野菜を買い出したわけですが。

続く…

横須賀の早朝

現在横須賀に来ている米海軍の斬新なステルスデザインを採用したズムウォルト級ミサイル駆逐艦2番艦マイケル・モンスーア(USS Michael Monsoor DDG-1001)を見たいと思っていてなかなかチャンスが無いなぁと思っていましたが、この週末珍しく子供たちの予定がなく、妻のお出かけしたらのお言葉に甘え、早朝の横須賀に行ってきました。

日の出の時間、例の場所から。

ギリギリ日の出に間に合った。結構早起きしたんですけどね。

少しずつ空が明るくなってきました。
カメラを少し右に振ると…

遠方に

遠方にマイケル・モンスーアが見えますね。特異なデザインです。手前は海上自衛隊のもがみ型FFMまや型イージスDDG、いずれもこの数年で登場した新世代の艦艇です。

露出を上げてマイケル・モンスーアをクローズアップ。ほぼ平面で構成された徹底したステルスデザイン。そしてタイコンデロガ級イージス巡洋艦すら凌駕するサイズです。

足場が組まれているのを見ると、しばらくここで改修工事を行うと思われ、もうしばらく横須賀にとどまると他所されます。
元々就役当初はもっと出っ張りや露出するアンテナがない、平面アンテナだけで構成された艦でしたが、衛星用レドームやらTACANらしきアンテナが付いているのを、すべて平面アンテナで構成出来ないとか、追加装備でやむを得ない、といった感じなのでしょうね。
そして砲塔が露出しないAGS 155mm砲2基は、搭載砲弾があまりに高価であることから、結局搭載されたものの実用化できず、今後撤去が予定されています。
したがってこの姿を見られるのはお志らくこれが最後じゃないかな?

一方海上自衛隊のもがみ型は、ズムウォルト級ほどではないにしろ、現実的な船体と上部構造物の徹底したステルスデザインを採用しています。元々は低コストで数を揃えるために兵装を削った護衛艦でしたが、今までの護衛艦より徹底したステルスデザインで、急に先進的に見えてしまうから面白いですね。
ただ兵装は貧弱で、今までにないUAVやUUVによる掃海機能を持たせていることからも、単独行動より後方支援を主体とした艦であることがわかります。正面を切っていく戦闘艦ではないということですね。

さて日の出の時間です、太陽が顔を出しましたので、このために持ってきたPC-Nikkor 28mm F3.5にレンズを切り替えました。1980年発売の古いシフトレンズですが、実は2005年まで販売されていた息の長いレンズ。HPにも情報が残っているくらいです。
カメラがミラーレスになり、絞り込みのままでのファインダの確認が容易になったので俄然使いやすくなりました。

午前4時51分

日の出時間はもう少し早いのですが、ちょうど雲があり、そこの切れ間から顔を出した瞬間を撮影。光芒も出ています。これが撮れてよかったと思う瞬間。
日の出は夕暮れと同じマジックアワーですね。
この日は前日にも行った体験航海のため、最古の護衛艦「あさぎり」と、特務艇「はしだて」が停泊し既に出向準備していました。

早起きしてよかったな~


PC-Nikkor 28mm F3.5は発売期間が25年と長かったからか、比較的中古でもよく見ます。ただそれだけに状態はピンキリです。専用レンズフードは当時別売りだったために数が少なくプレミアが付いています。が、フードがなくても割と逆光フレアに強いレンズです。

ふら~っと入間基地

微妙なスキマ時間を見つけて入間基地でC-2輸送機(18-1213)の上がりを見てきた。

いつも横からは何なので、どセンターで撮ろうと思ったら微妙にズレたw
モクモクの雲は既に真夏。こういう入道雲を背景にするのが好き。

この機体は北上予定だったけど、すぐに降りてきたみたいです。理由は不明。

6月ももう終わり。しかし6月から熱帯夜になる真夏の気温、これが9月まで続くと思うとげんなりしますね。
しばらく平日休みをとって飛行機を撮りに行くのが難しそうな状況なので、こうして週末のスキマ時間でふらっと撮りに行く感じですが、7月8月は暑いし子供のイベントも多めなので、少し大人しくしてます。

【百里基地】25/6/18の動画

戦闘機撮影はスチルメインですが、今やカメラの設定レバーひとつ切り替えるだけで動画がサクッと撮れてしまう時代です。
ちょっとお遊びでF-2戦闘機のタッチダウン動画を撮ってみました。

腕が、腕が痛いぜ! 5kg超えのAF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VRの手持ちで動画を撮るのは腕が死にますね(笑
三脚なし手持ち撮影なのでブレはご勘弁ください。
ミラーレスになって動画撮影もスチルと遜色ないAFが使えるようになったのはありがたいです。

同じ場所から5年前にはF-4EJ改ファントムIIのハイスピードタキシーをNikon D850で動画撮影していました。レンズは同じAF-S 600mmです。

こちらは動画撮影中の動体のコントラストAFはほぼ絶望的なカメラなので、MFで撮っています。
D850

D850もZ9も、望遠レンズかつ動体撮影だと、4K動画でのローリングシャッター歪みはそれなりに出ていますね。
そしてD850の動画も当時のカメラ(2017年発売)としてはなかなか画質は悪くないですね。

【百里基地】25/6/18の記録

実に4ヶ月ぶりになってしまった百里基地のローカル撮影。
3月くらいから仕事が忙しくなってきて、微妙に休みを取りづらい状況でした。が、そろそろ気持ち的にも限界!ということで、グイッと休みをぶち込みまして行ってきました。

相変わらず3SQの朝は遅いですね。先に上がっていたのは入間基地所属のチェッカーさんこと飛行点検機のU-680A、サイテーションラチチュードが空港の各種設備の点検飛行を行っていました。

無線を聞いていると、「〇〇、-xxdBm」とか無線航法機器に対する評価試験を行っている様子で、色々な角度で進入しているようですね。

そしてやっと3SQが上がります。

ストレート上がりではなく捻ってくれてありがたし! 面白いことにベイパーが出る機体と出ない機体がありまして、近くでとっていたカメラマンの方曰く、飛ばし方で出る出ないがあるようです。バンク角とかフラップ、ラダーの使い方とかなんですかね? 素人なのでよくわからないですが。

そして降りてくるのを撮影、

560号機だけ、AAM-3のキャプティブ弾を装着。AAM-3もファントムが飛んでいたときはよく見ましたが、案外F-2で装着しているシーンは少ない気がします。後継のAAM-5はミサイルが長くなったので、F-2用にも専用ランチャーが必要なようですが、まだ3SQの機体で装着しているのは見たことがないですね。

午後はアラハン前から。

この時間、まだ6月なのに気温は33度くらいあったかな? 湿度も高くてきつかったです。
ギャラリーも2,3人と少なめ。ファントムラストの頃とはえらい差ですねw

スカイマークにチェッカーさんも。
チェッカーはこの日1日R/W03運用でしたが、反対側のR/W21からも進入してきました。もちろん無線航法機器点検のためですね。

チェッカーさんはランディングせずフライパスです。

そして2ndの降りは14時台。時折チェッカーさんがフライパスしていきつつ、F-2「マンモス」が降りてきます。

さてこの後どうしようか、時間的に中途半端なだなぁと思いつつ、せっかく出しということで3rdの上がりに期待します。ってことでポイントを移動。
そして15時半過ぎ、Egスタートしました。

久しぶりにAF-S 600mm f/4GとTC-14EIIIで850mm相当(1.4倍なら840mmじゃね?となりますが、この組み合わせでのExif上の焦点距離は850mmとなります)の手持ち撮影、いや正確に言うと静浜基地航空祭でも撮ったので久しぶりではないけど、ローカルの百里基地出とるのが久しぶりだと、やっぱりいつもの感覚を取り戻すのに時間がかかりますね。
もう少しマメに撮りに行きたいですね。

降りまで撮りたかったけど、時間的制約でここまでの撮影で切り上げました。
そのうちナイトも撮りたいなぁ。

入間基地ランウェイウォーク2025 フィルム編

GWに撮影して12枚撮りのフィルムのうち3枚ほど余っていて、せっかくならちゃんと撮影できる機会と思って1ヶ月程度撮影できないままでしたが、入間基地のランウェイウォークなら広いし撮影もじっくりできるのでは?ということでBRONICA S2を持ち込みました。

まずは残り3枚のモノクロで撮影。

このFOMAPAN profi line creative 200、カールしやすいといういかにも東欧フィルムっぽい感じですが、写りはコントラストも軟調でも硬調でもない中庸を行く感じですね。
ただ、ほんとカールまくっているのがスキャナのホルダに入れるのが大変でした。

そしてせっかくなのでFujichrome VELVIA 50(RVP50)でも撮影してみました。
が、この日SEKONICの古い露出計の調子が悪かったんですよね。針の動きが不安定なんですよね。バッテリはチェックボタンを押す限り問題なさそうでしたが。

なので最初の4枚は露出オーバーしてしまいました…。VELVIA 50はリバーサルでは比較的オーバーに強いんですけどね。

感覚的にも、いくらISO50の低感度フィルムとは言え、大丈夫かなと思いながら撮っていましたが、やっぱりそういう時の感って当たるんですね。フィルム撮影も少なくなって感が鈍ってきてはいたけど、やっぱり長年やっていると、ン?となるわけです。
露出計は、スマホアプリでもあったりしますが、スマホカメラの感度とフィルムって実際の感度が異なる場合もあるので、やっぱり専用が欲しいな。

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今使っているL-188の後継機ですね。というかこの商品は相当長くられています。もっともシンプルで扱いやすいです。
これでも2万円前後なので、なかなか手が出ないんですよね。でもいつかは買わないとです。

ここからは露出計が調子を取り戻したのか、割と良い感じの露出になっています。良かった~。
ただ接触不良っぽい挙動もあるので、そのうちメンテナンスはしなければと思います。

そしてやりたかった撮影はこういうのです。

晴れてよかったし、雲の感じもよいです。
R/W35からの風景を中判フィルムで撮る、こういう機会はこのランウェイウォークしかないと思いました。

来年もこのイベントが有るかわかりませんが、またフィルムで撮りたいなと思いました。


リバーサリフィルムももう気軽に撮れる時代ではなくなってしまいました。特に中判用の120は1本あたり5千円弱。12枚撮れるとすると、1枚あたりのコストは…現像代も1700円ですからトータルで…考えたくないですね。
期限切れフィルムが最近脚光を浴びているのもそうした値段事情からでしょうけど、期限切れだとまともには撮れません。それをあえて狙って撮るほどコストも安くないですからね。贅沢な趣味になってしまいましたね。

戦闘艦としての機能は結構オミットされているのね、練習艦「しまかぜ」

本当は行きたかったよこすかYYのりものフェスタ2025、練習艦「かしま」(TV-3508)「しまかぜ」(TV-3521)を見学できるまたとないチャンスだったのですが、2日の開催予定のうち行こうと思っていた土曜日が荒天で開催中止、日曜日は入間基地のランウェイウォークに行くため断念しました。

特に練習艦「しまかぜ」は、元ミサイル護衛艦で、最後のターター・システム搭載艦、艦齢的にも恐らく今年度いっぱいで退役するのではないかと思われるので、見たかったのですけどね。

「はたかぜ」型ミサイル護衛艦の2番艦の「しまかぜ」は、その後イージスシステムの導入が決まったために、元々同型艦を4隻建造予定だったのが2隻で打ち切りとなり、従来の防空システムであるターター・システム最終艦となりました。

1番艦の「はたかぜ」が2025年3月退役したため、残っているのは「しまかぜ」のみ。今となっては古典的なターター・システムを搭載していて、艦の前方にMk.13ミサイル単装発射機を搭載しています。

この発射機は対空ミサイルのSM-1MRが艦内の格納庫よりせり上がって装填され、1発ずつ発射可能です。現在はVLS(垂直発射システム)が主流となっているため、この手の発射機は淘汰されつつあります。

装填速度やランチャの指向速度は思ったより早いです。
オーストラリア海軍でもすでに退役していますが、2013年にオーストラリア海軍のアデレード級ミサイルフリゲート「ダーウィン」での動作デモの動画を見ると、かなり速い速度でミサイルが装填されているのがわかります。

みんな「オー」と反応しているのがどこの国も一緒w
青く塗られているミサイルは発射は出来ない模擬弾で、発射機の動作テスト用です。

同じくオーストラリア海軍のSM-1ミサイルの実際の発射シーンです。

次弾装填速度も早いですね。
ただ、現在のイージス艦が搭載しているVLSでは、ミサイルが格納されたセルから直接発射できるので、もっと早い間隔で何発も発射可能です。
ターターシステムはミサイルの誘導レーダーの数プラスアルファしか同時にミサイル誘導できないため、冷戦時代のソ連の対艦ミサイルの飽和攻撃に対処できないことから、それに対応できるイージスシステムが誕生しました。

とは言え、「はたかぜ」型護衛艦は、当時の在来型のミサイル駆逐艦としては高性能な防空システムの部類に入りました。ただ、イージスシステムがあまりに高性能だったため、「はたかぜ」型はデビューから10年も絶たずに、「こんごう」型イージス護衛艦の登場(1993年)で一気に陳腐化してしまいました。

そして2021年3月、護衛艦「しまかぜ」は練習艦に転籍しました。恐らくこの時点でターター・システムのMk.13発射機は搭載ミサイルのSM-1MR対空ミサイルとともに機能をオミットされた可能性があります。

こんな投稿を見かけました。

練習艦になった時点で、対空ミサイルSM-1MRは恐らく降ろされたと思われ、また今後発射することもないことから、Mk.13発射機も機能を停止させたのでしょうね。
SM-1MRミサイル自体も恐らく使用期限を迎えているでしょうから、廃棄されていると思われます。

そして前後に2基積んでいる5インチ速射砲も…

どうやら後部の5インチ砲は砲口を塞がれて発射できなくなっているようです。これも恐らく機能的に殺すことでメンテナンスをしなくて良くなっているのでしょう。
前側は生きているのかな? 練習艦なので、訓練用や空砲による祝砲のため1門は動作出来るようにしているとは思いますが、わざわざ後部を使えなくしているのはメンテナンス費用の節約なんでしょうね。

今回はチャンスを逃してしまいましたが、退役までにもう一度近くで見てみたい、今や貴重なターター・システム搭載艦、また横須賀に来ないかしら?