「自衛隊・ミリタリー」カテゴリーアーカイブ

木更津駐屯地 創立56周年記念行事「第50回 木更津航空祭」に行ってきた (その2)

続きです。この観覧場所だと、アナウンスが殆ど聞こえないので、状況はあまり良くわからないけど、とりあえず見てるという感じ。

何年後化はわかりませんが、攻撃ヘリと偵察ヘリは全てUAV(無人機)に置き換えるという方針になり、この2機種も遠からず見られなくなります。

ただ、代替のUAVって特に決まっていないんですよね。単に流行りものに乗っかった挙げ句、何も決まっていない…とならないようにしてほしいですね。

そして展示飛行も終了。やっぱりここのメインはCH-47JAチヌークなんだな。

でも久しぶりにUH-60Jの機動も見られたのが良かったかな。何せ、海空と比べると、陸自のUH-60Jは余り見る機会がないんですよね。

そして最後にV-22オスプレイが6機、ずらりと展示と体験飛行のため整列しました。ここから雨がひどくなってつい移動してしまいましたが、このあとにエレファントウォークさながらに機体が移動、撮り逃しちゃいましたね…。

上の1枚目、退役した保管機の連絡機LR-1とV-22オスプレイのコラボ!3枚ペラ同士で、わりと似ている機体同士だったり?

オスプレイ6機が並ぶ頃には雨が強くなって、早めに帰る観客も多かったかな。そのため、この後お昼を買いに行ったら、露天のお店は在庫を積み上げてちょっと可愛そうな状況でした。お昼の書入れどきに皆さん帰っちゃいましたからね…。

ササッと地上展示を見る

雨が強いので足早に。

何とオスプレイの格納庫が空いていました。中には入れないけど、撮影禁止ともなっていなかったです。

整備中のV-22オスプレイ

結構貴重なシーンですね。

そしてさらに貴重な航空自衛隊の給水車も。いすゞの全輪駆動トラックのTSDの自衛隊版で、懐かしのボンネットトラック。
今や現役車は数少ないそうで、貴重な1台。73式大型トラックの登場でこのタイプの導入は少なくなったものの、 HTS型として自衛隊向けには1993年まで製造していたそうで、この車両は1990年(平成2年)式でした。こう見えて昭和ではなく平成の車両なんですね。

悪路走破性に優れていることから、原型が1951年から生産されていたため、基本設計は70年以上前の車両ということになります。すごいな~

一旦格納庫で雨宿り

チヌークにちなんだマーキング

ゲスト機は荒天のため殆ど来なくて、米軍からは唯一海軍厚木基地のMH-60Sがハロウィン仕様で展示。この機体は揚陸指揮艦ブルーリッジ搭載機です。

ブルーリッジは長年横須賀港が母港なので、日本人に馴染みの深い艦艇。ハロウィンなのでお菓子をくれた隊員さんも日本語ペラペラw。

雨が強いのでUH-2もちょっと見ただけ。まあこの機体はいずれ陸自の主力機になるので。マンホールの蓋も何種類かあるそうですが、雨なので確認したのはこれだけ。

最後にオスプレイをちょこっと見て、帰投の撮影は諦めて自分が先に帰投しました。

オスプレイ洗機、富士重工業(現スバル)専用水栓なんてあるんですね。水道料金別枠かな(笑

午後は雨がひどくなってしまいましたが、飛行展示中は小雨だったのが幸い。雨だから行くのやめようかと思ったけど、来年もうオスプレイは移動のため見られない可能性もあり、来てよかったですね。

木更津駐屯地 創立56周年記念行事「第50回 木更津航空祭」に行ってきた (その1)

忙しくて更新できていませんでしたが、先日土曜日、木更津へ行ってきました。

天候は「雨」。この日の天気予報は早朝から雨が降り始め、お昼以降強くなる、とのことで、行くかどうかかなり迷いましたが、妻から「行かない後悔するなら行ってきたら」の有り難い一声で、しっかり雨天装備も持参し行ってきました。

午前5時半の木更津飛行場

早めに着いて偵察活動(笑)。午前6時頃から雨が降り始めましたが、腹をくくって駐車場へ移動。幸いにも、午前7時過ぎに一旦雨は止み、時々小雨が降る天気ながら、何とか持ちこたえた感じです。

そして予定時間に無事入場。お、新型汎用ヘリのUH-2も来ていますね。

残念ながら、荒天ということで外来機は米軍のMV-22オスプレイを始め、警察や消防、民間機などが飛来せず、やや寂しい展示となってしまいましたが、飛行展示も編隊の経過飛行以外は実施されたのが幸いでした。

オスプレイは飛ばないの?? 新しい格納庫が遠方に出来ていますね。いえいえ飛びますよ。遠方でスタンバイしていました。
陸上自衛隊のV-22オスプレイ17機は、木更津駐屯地への配備は2025年7月までの暫定配備で、その後は佐賀空港に移動する予定のため、この規模の陸自オスプレイを木更津で見られるのは今回が最後、と思っています。
が、ここには重整備を担当するスバルが拠点を構えていて、定期整備は米軍のオスプレイを含め木更津で行う予定となっていて、全く見られなくなるわけではないものの、木更津航空祭でこの規模で見られるのは今回が最後になるはずなんですよね。

そのオスプレイが動き始めました。そして、今後退役が決まっているOH-1「オメガ」に、去年はいなかったUH-60JAの姿も。
そういえば、2013年度の調達を最後に、陸上自衛隊ではUH-60JAは新規調達されておらず、そろそろ初期の期待は30年近くになり、今後の動向が注目されます。
まさか新型とは言えUH-2で補うのは、ちょっとパワー不足な感じはしますが。

今回はあまりオスプレイ飛ばないなぁ。それでも、荒天で飛行展示中止とならなかったのは良かった。雨は時々小雨が降る程度、一応カメラは濡れないよう防水カバー、対策は万全で挑みました。

やっぱりここの主役はCH-47JAなんですね~。今年は去年はなかったヘリボーンによる車両や普通科(歩兵)の展開の展示も。オスプレイもその速度を活かした展開が本来の使い方ですからね。

撮影場所、ミスったかなと思ったけど、ここはここで良かったかな。天気はどんよりでしたが、幸いこの時点では時々小雨が降る程度、来てよかった。そして去年割と航空祭や駐屯地祭で荒天だったこともあり、それなりに装備をしっかりしていたのも良かったです。望遠レンズのレインカバーはめったに使わないけど、ここでは役に立ったし、カメラバッグもレインカバーがあるので助かりました。
割とゴミ袋を被せたり、なにも対策していない人も多かったのですが、防滴対応のカメラレンズでも、長時間ではトラブル発生の確率が上がるので、対策をするに越したことはないですね。

続く…


大切な望遠レンズを壊さないように。防塵防滴仕様でも過信は禁物ですよ。

防衛力抜本的強化の進捗と予算 -令和7年度概算要求の概要-を読む

8月30日、防衛省より発表された「防衛力抜本的強化の進捗と予算 -令和7年度概算要求の概要-」は、日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わり、自衛隊もそれに対応すべく大きく変化し始めたことを端的に示している内容となりました。

こちらから資料を確認することができます。

令和6年8月30日付で公開された「防衛力抜本的強化の進捗と予算 -令和7年度概算要求の概要-」

個人的なトピックを拾ってみました。

民間海上輸送力の活用(p8)

これによると、現在民間船による輸送は「ナッチャンWorld」「はくおう」の2隻でしたが、これが8隻たいせになるようです。

よくみると、「民間船舶6隻を確保」とあります。つまり「ナッチャンWorld」と「はくおう」を廃船し更新するのではなく、この2隻は継続使用(2025年までの契約なので契約更新)の上で、更に6隻を追加するものと読めます。
個人的には、ナッチャンWorldがまだ見られるのは嬉しい限りです。6隻の民間船は、これまでの2隻のような高速船なのか?、中古なのか新造なのかも気になりますが、契約期間や改修期間の短さから、中古の船舶と思われます。

2025年までの契約だったナッチャンWorldも契約更新される可能性が高い

潜水艦発射型誘導弾の開発・取得(p12)

文字情報のみですが、これまで開発だけだった「潜水艦発射型誘導弾」が、具体的な取得に踏み込みました。
これとは別に、垂直発射型の巡航ミサイルの導入も検討されていますが、垂直発射型はミサイルのみならず、発射する潜水艦本体からの設計が必要で、既存の潜水艦に導入不可能なので、現在最新の「たいげい」型潜水艦の次の潜水艦からの導入になるでしょう。
潜水艦発射型誘導弾は、従来の533mm魚雷発射管から発射可能なミサイルで、これまでのハープーンBlock IIでもGPSによる対地攻撃は可能でしたが、射程が短い(124km以上とされている)ので、より長射程のミサイルとなるはずです。

これに限りませんが、自衛隊の国産兵器は、開発期間が長く、開発完了して配備が始まる頃に陳腐化というジレンマがありましたが、近年は取得しつつ継続開発(改修)をしていくようになりました。これは他国なら当たり前のことでしたが、どうせ使わない戦わないという感じだった自衛隊の装備も、明日戦うかもしれない、という考え方に変わりつつあることを示しているように思いますね。

イージス・システム搭載艦(p14)

これ自体は既に公表されている装備ですが、今回具体的な船体イメージが出てきました。

AN/SPY-7アクティブ・フェーズドアレイレーダーが本来陸上配置だったイージス・アショア用ですから、かなりの大きさであることが分かります。
これまで日本のイージス艦は、4面のフェーズドアレイレーダーの上に艦橋がありましたが、イージス・システム搭載艦は艦橋より上にレーダーを配して、レーダーの視界を優先しています。レーダーが高い位置にあるということは、重心位置も高くなるため、復元性を確保する上で、船体も大型幅広になると思われます。

128セルのVLS(ミサイル垂直発射装置)を搭載、将来的にトマホークや高出力レーザー兵器を搭載予定となっています。
結局のところ、トマホークを登載するということは、能動的な攻撃も可能であることを示し、従来の護衛艦と同様な運用になってしまわないか懸念されるところです。本来は弾道ミサイル防衛のための装備ですが、それはあくまで表向きになりそうな…。

こんごう型イージス艦の後継艦の技術調査(p14)

ついに具体的に初代のイージス護衛艦「こんごう」型の後継艦の話が出てきましたね。

2015年の観艦式より、中央と右の艦艇がこんごう型イージス護衛艦

米海軍以外では初めて海外に売却が許されたイージスシステムを搭載した艦艇ですが、こんごう型は1番艦の予算化は1987年(昭和62年)、昭和なんですよね。
護衛艦「こんごう」の竣工は1993年(平成5年)で、既に艦齢は31年に達しています。従来であれば、もう後継艦が建造中で間もなく退役、という感じでしたが、護衛艦の艦齢は海外派遣の増加や予算不足もあり伸びる傾向にあり、従来30年に満たず退役していた艦艇も、軒並み30数年は運用する感じになっています。
実は「こんごう」型のベースとなった米海軍の「アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦」も、1番艦の「アーレイ・バーク」は1991年竣工で、まだ退役の具体的な予定は決まっていないようです。艦艇が長く使われる傾向は米海軍ですらそうなのだから、海上自衛隊はなおさらでしょうね。

「こんごう」型の具体的な除籍時期は決定していませんが、今から後継艦の技術調査となると、技術調査→予算化→設計→建造で概ね6、7年程度かかるとして、2032年前後なのかと想像します。それまでにイージスシステムのアップグレードは…恐らくなさそうですね。ここはアーレイバーク級の初期の艦と同様、ベースライン9へのアップグレードは検討してほしいところです。ただ、「こんごう」型は諸事情により米国製ではないオリジナルの兵装の割合も多く(イタリアの主砲、国産ソーナーなど)、イージスシステムとのインテグレーションなど少々面倒な要素があるのも、アップグレードしにくい事情の1つかもしれません。

艦載型UAVの取得(p16)

UAVの取得が進んでいますが、艦載型、それも小型と書いてあることから、多くの護衛艦に搭載できそうな感じです。

これは護衛艦などに登載することで、SH-60K/L哨戒ヘリを補間するものと思われます。哨戒ヘリ取得数の減少との絡みもあり、どう運用されるか、どのようなセンサを積むのかが注目ですね。サイズ的には、護衛艦のヘリ格納庫にSH-60K/Lと一緒に収まるくらいなのでしょうね。どうやって離着陸するか、カタパルトのようなものを使うのかもしれません。

衛生通信網の整備(p18)(補足:p41)

多国間の衛星通信帯域共有枠組み対応機材整備、これは西側の同盟国の衛星通信を活用することで、ワールドワイドでの活用を目論んでいるようですね。
次期衛星通信の整備も始まるようですが、トピックは既に練習艦「かしま」「しまかぜ」で運用されている商用低軌道衛星通信機材の整備ですね。

写真を見ると気づく人もいると思いますが、この商用低軌道衛星通信とはStarlinkです。
練習艦から先に導入されたのは、新人海上自衛官の退官阻止が狙いと思われます。というのも、今やスマホを使った情報社会ですが、艦艇勤務では従来個人携帯は使用できず、専用の通信回線で家族などと文字でのメールが出来る程度しかなく、情報隔離されていました。これに耐えられない新人隊員もそうですが、中堅どころもやはり情報から遮断される勤務に耐えられざず、退官者や艦艇勤務を避けるといった傾向が近年増えているようです。
もちろん、機密の観点から作戦中の情報統制はされるかと思いますが、ではどこからの作戦で情報統制するか、通信の秘密と機密の観点のバランス、難しいですしね。

以下背景はp41にも書かれています。

p41より抜粋

これで多少の隊員の精神的な改善が期待できればいいのですが。

共通戦術装輪車(p22)

16式機動戦闘車をベースとした三菱重工製の共通戦術装輪車のシリーズとして、89式装甲戦闘車の後継として24式装輪装甲戦闘車が正式化されたようですね。同様に96式自走120mm迫撃砲の後継として、24式機動120mm迫撃砲、そして87式偵察警戒車の後継として、まだ正式化されていないものの偵察戦闘型が計画されていて、これまでバラバラに開発されていた車両を、ベース車から派生させることで、開発コストを抑えているようです。

96式装輪装甲車はフィンランド製のパトリアAMVが後継車両となりましたが(日本製鋼所がライセンス生産)、こちらは三菱重工が開発していたため、系統としては別になりますね。

これにより、国産車両の空洞化は避けられたかな。全て国産である必要はないと思いますが、かといって全て海外に頼るのも調達の面でよろしくないですからね。

次期初等練習機の取得(p24)

航空自衛隊のT-7初等練習機の後継機取得が具体化してきています。

T-7練習機は富士重工製(現スバル)で、2000年に取得が決まった際は、対象機種としてスイス製のピラタスPC-7も候補に出ていました。
今回、スバル製となるのか、はたまたピラタスになるのか興味深いですが、イメージのシルエットがどう見てもピラタスです(笑)
恐らく、ピラタスPC-7シリーズまたはPC-21になるのではないかと見ています。
世界的に練習機は共通化が進んているので、個人的にはスバルが手掛けることは、ライセンス生産や整備であり得るかもしれませんが、一から作る、あるいはT-7の改良型の線は薄いのかなと思っています。

23式艦対空誘導弾(p29)

ずっと「新艦対空誘導弾」の名称でしたが、なんと去年正式化されていた!? 24式ではなく23式艦対空誘導弾となっていて、これがミスタイプとかでなければ、去年公表された試験艦「あすか」からの発射シーンは、既に正式化されていたとなりますが、どうなんでしょうね?

このミサイルは03式中距離地対空誘導弾(改)をベースとしており、火器管制レーダーによる中間指令誘導と最終的にミサイル自身のアクティブレーダー誘導による攻撃が可能で、恐らく次期FFMから搭載されるでしょうね。
米国製ESSM(発展型シースパロー艦対空ミサイル)より長射程化されていると思われますが、これにより米国製システムを登載するイージス艦は搭載兵装も米国中心とする一方で、国産の汎用護衛艦の系列、新型FFMやそれに続くDDXはミサイルも国産化が進むのでしょうね。この辺り、海上自衛隊の艦艇は2系列の装備でバランスを取っている感じですね。

予備装備品の維持

従来航空機を除いて、自衛隊の装備品は寿命いっぱいまで使い切って廃棄とされてきました。
しかし陸上戦では、例えばウクライナ紛争では、陸軍大国のロシアは古い戦車も活用しています。旧式化した装備でも、使い方によっては有効な戦力になることが証明されていますし、そもそも装備数が少ない自衛隊の兵器を少しでも維持する方向になってきたのは一定の評価をしたいですね。

昨年度いっぱいで全車退役した74式戦車は、現有の16式機動戦闘車と共通の105mm砲弾が使用可能ですし、90式戦車も列強の戦車の中では決して古い装備ではありません。米軍のM1エイブラムス戦車は、初期型は90式戦車より古いですが、現在も改良されて運用されているように、90式戦車はまだまだ有効活用できる車両です。
MLRSも然りで、これらが廃棄ではなくモスボールされるのは、いわば「備え」なんですよね。いよいよ中国の脅威が差し迫っているとも言えます。

水中発射型垂直発射装置の研究(p34)

これも具体的なイラストは初めてかな? 潜水艦発射型の垂直発射装置。
サイズに余裕がある米海軍の原子力潜水艦と違い、通常動力潜水艦にはサイズ的な限界があります。日本の最新の「たいげい」型は、世界的に見ても通常動力型としては最大級ですが、VLS(垂直発射装置)を登載するということは、必然的にその区画は全階層がミサイルで埋め尽くされることになります。

イメージ図では、セイルの後方にVLSがありますが、潜水艦の場合、この区画にエンジン、モータ、蓄電池があります。
こちらのページのイラストが参考になります。もちろん船体を伸ばせば不可能ではないのですし、弾道ミサイル原潜は、ロシアのタイフーン級を除くとセイル後方にミサイル区画がありますが、これはミサイルが大きく発射機を重心位置を中央に配したいためでしょうね。タイフーン級は例外ですが、船体が世界最大級に大きく、セイルを広報に回しても余裕があったからかもしれませんね。
VLSは実際はセイルの前方に設けられるのではないかと思います。米海軍の攻撃原潜のバージニア級も、セイル前方にVLSを装備しています。搭載数も多くないので、前方のほうが合理的に感じますが、さてどうなるやら。

川崎重工が独自に作成したイラストは、セイルが後方に、ミサイル区画は前方と思わせる構造に

川崎重工が2023年12月に独自作成したコンセプト案のイラストでは、セイルを後方に、ミサイル区画は前方になっています。そして海自潜水艦はうずしお型以降セイルプレーン(セイルの横についている潜舵)を採用してきましたが、これが船体側の先代に戻っています。セイルが後方になったことにより、潜舵の効きを維持するため船体側に移動させています。
個人的に、このイラストのほうが現実的に感じますが、韓国のKSS-IIIは通常動力潜水艦ながら、セイル後方にVLS6セルを搭載しているようです。色々考え方があるんでしょうね。

組織改編(p51)

かなり大掛かりな組織改編が入るようです。

陸上自衛隊は武器学校などが統合され、後方支援学校が新編されます。
海上自衛隊では、何と護衛艦隊と掃海隊群が統合されて自衛艦隊となり、その直下に水上艦隊、さらに水上艦群、水陸両用戦機雷戦群、哨戒防備群となります。これは大きな変化で、特に水陸両用戦機雷戦群は、海兵隊のような役割を担うのか注目です。
航空自衛隊では宇宙作戦群が宇宙作戦団が新設され、そこに3つの宇宙作戦群がぶら下がる形になります。
指揮系統の改善が図られるとよいですね。

かなり詳細に書かれていますので、安全保障の観点からも一度目を通しておくとよいでしょう。

ヘリコプターフェスティバル in TATEYAMA2024 その3 SH-60Kのデモと帰投

午前中UH-60Jのラストフライトを見たので、あとはのんびりと。


腹ごしらえにお弁当を買ってきました。時間もあるのでゆっくり並びながら、撮った写真の選定(レーディング割当)を。この辺りはNikon Z 9以降とても楽になりました。プレビューが速いのも良いですね。

隊内の喫茶「無番地」で購入した唐揚げ弁当、海苔が「ロクマル!」

海苔がロクマルなんです。手が出ますね

午後はいつものSH-60Kのフライトデモを観覧。

今回は1機のみ、時間も短め。救難のロクマルが今回主役だったので、哨戒機のK型は脇役だったかな? いつもの洗浄シャワーを見てフライトイベントは終了でした。

客が少なくなって来たのを見計らって、ラストフライトを終えたUH-60Jを見学。


コックピットの計器は古いだけに、CRTとアナログ計器が主体です。陸自のUH-60JAや空自のUH-60Jとほぼ同じ仕様となっているようです。原型機のシコルスキーUH-60AやSH-60Bといった米軍の機体を踏襲しているようですね。
同じ海自のロクマルでも哨戒機のSH-60Kは、2000年代初頭からの機体ですがグラスコックピット化され、アナログ計器はほぼなくなりディスプレイ主体となっているのと対照的です。UH-60J/JA型は2010年代前半までの機体は計器類は古い仕様のままとなっているようです。
哨戒機のSH-60Kは、日本の独自改良が多く、ローター形状からコックピット、キャビン拡張に対潜システムと、米軍機とは違った発展をしているのに対し、救難や輸送主体のUH-60Jは、機体は大きく変更を加えてないのでしょうね。
陸自のUH-60JAはこの10年調達予算が付いておらず、今後後継機をどうするかが不透明な状況です。
空自のUH-60Jは、順調に機体入替を行っているようで、現在生産されている機体は、非公式にUH-60JIIと呼ばれる近代改修型になっているようです。そのうちこの近代化仕様のコックピットを見てSH-60KやLと比較してみたいですね。

そして帰投。
今回はロクマル主体となったため、その他のゲスト機は少なめでした。

相変わらず暴れっぷりを披露して帰投する空自UH-60J。いいねぇ~

OH-1は今回はあまり目立たぬ存在でしたが、最後は素晴らしい機動を見せてくれました。この軽快にループ上昇できる機体も、後数年で退役の予定、後継機はないと思うと、技術の継承ができずにもったいないですね。不祥事がなければ…エンジン不具合がなければ…UH-2に繋げられたかもしれないのに。
見られるのは今のうちですよ。

そして最後は滑らかに上がっていく陸自のUH-60JA。

いやそれにしても暑かった。
息子のサッカー用の小型クーラーボックスにペットボトルとパックのアクエリアスを凍らせて持って行って正解でした。命の水でしたね。

持っていってよかったミニクーラーボックス

ついでに日焼け止めも頻繁に塗り直していました。去年はだいぶ日焼けしてしまったので、今回はやけど状態にならずに済みました。日焼けにが弱いもので。
事前の準備が役に立ちました。7月の撮影、もう対策無しじゃいられないですね。

お疲れ様でした。


夏の撮影に冷たいものは必須ですね。1人にちょうどよい小型クーラーボックス↓

created by Rinker
Coleman(コールマン)
¥1,780 (2024/10/09 06:37:53時点 Amazon調べ-詳細)

ヘリコプターフェスティバル in TATEYAMA2024 その2 救難ヘリコプターUH-60J 2機のラストフライトと除籍式

ヘリコプターフェスティバル in TATEYAMA2024の目玉イベントとして前面に押し出されていたのが、海自の救難ヘリコプターUH-60J 2機のラストフライトと除籍式でした。

陸海空3自衛隊が所有するUH-60J(陸自はJA型)のうち、海自と空自のJ型は救難ヘリコプターとして運用されています。
このうち海自では1990年代から2000年代初頭にかけて19機を導入しましたが、救難ヘリコプターは空自に一本化するという中期防衛力整備計画に基づき、機体更新をせず徐々に数を減らしています。
ただ、一本化という方針だったのが、なぜか第21航空隊硫黄島航空分遣隊の機体に関しては、UH-60JからSH-60Kの対戦機材を外した救難仕様(元の哨戒機仕様に戻すことも可能)に更新する事となりました。つまり硫黄島のみ救難ヘリは海自が引き続き運用することになります。これは中期防衛力整備計画が廃止され、新たに防衛力整備計画が策定された中で決められたのかは不明です。
今回、立山航空基地に来たUH-60J 2機は、このSH-60K救難仕様との入れ替えで除籍するため、花道として今回のイベントの目玉となりました。
海自のUH-60Jは元々機体数が少なく、あまりお目にかかれるチャンスがなかっただけに、このオレンジ色の機体が飛ぶ姿を見られる最後のチャンスです。
このイベントもあって、じゃあ全てのタイプのロクマルシリーズを集結させようとなったそうです。

ここからは動画です。
エンジンスタートからローター回転、タキシングからの上昇までを動画で撮ってみました。※着陸~エンジン停止まで一括で編集しちゃいました

この白とオレンジ色の派手な機体は、途中で洋上迷彩になった空自のUH-60Jと違い、運用当初から変わらない目立つ色です。
コンバットレスキューに指向した空自に対し、最後まで平時の救難重視の目立つ色にこだわった海自、とも言えそうです。

この後はスチル撮影。救難展示を披露しました。

編隊で戻った2機は着陸後、所定位置に戻り、エンジンを停止、最後のフライトを終えました。もう二度とエンジンがかかることはない、空に上がる事もないのです。
大勢の命を救った機体は、今観衆に見守られ、その役目を終えました。

そして、この日がパイロットとしてラストフライトだった有川3等海佐、スピーチの後は後輩からのサプライズで花束贈呈がありました。
機体と共にパイロットとしての仕事を終えるのは感慨深いですね。

これにて、海自の救難ヘリUH-60Jは、最終号機の残り1機のみとなっていて、これも今年度中には除籍される見通しです。

ラストフライトを終えたUH-60Jはこのあと見学もしましたが、その写真はまた。

ヘリコプターフェスティバル in TATEYAMA2024に行ってきた その1 「3世代のSHを眺める」

先週末の撮影が立て込んで編集が進んでいませんが、千葉県は海上自衛隊館山航空基地で行われたヘリコプターフェスティバル in TATEYAMA2024に行ってきました。

いつものように百里基地からUH-60J (08-4591)が飛来

入場は何段階化に分けて、徐々に入口に近づく感じでしたが、その待ち時間、上の写真の場所に確かに去年まであった展示機が全て撤去されていることが確認できました。
ここにはかつて、SH-60JやHSS-2B、南極観測船で使われたS-61Aなどが展示されていましたが、今年の3月に全て撤去・解体されてしまいました。
特に希少なS-61Aの解体は残念ですね。

去年まであった入口の展示機はすべて撤去されていました

館山航空基地のヘリコプターフェスティバルは、都心からやや遠いためか、航空祭などと比べると混まないので、個人的にはゆっくり見られる穴場的なお祭りなんです。
ガチで並ばなくても、ほぼ最前列の2列目からちゃんと見えるので。

ただこの時期の暑さは堪えますね。今回は熱中症対策で息子がサッカーで使っている小型のクーラーボックスを持ち込みましたが、これは正解でしたね。
こんな暑さなので行こうか迷ったのですが、今回は「ロクマル」まつり、なんと3自衛隊の全タイプのロクマル(H-60シリーズ)が集結するということと、海上自衛隊の救難ヘリUH-60Jのラストフライトがあるためにやってきました。

哨戒ヘリSH-60J/K/Lの3世代が展示される

これはもう二度とないことかもしれませんね。海上自衛隊の哨戒ヘリは、対潜水艦や水上艦を見つけ出す、攻撃を行う、救難などの任務を主体としたヘリコプターです。
1991年に部隊配備が開始された最初のSH-60Jは、ベースとなったのは米シコルスキーのH-60シリーズのうち、対潜型のSH-60Bシーホークをベースとし、対潜機材の一部は国産のものが搭載されています。
103機生産されたSH-60Jの2024年3月末時点での現役機は、令和6年度の防衛白書によるとわずか7機、それでもより新しいSH-60Kも退役が始まっていることを考えると、古いほうがまだ7機残っているのは不思議に思うかもしれません。
これは多数製造されたSH-60Jが、予算の関係で後継機のK型で全て更新できなかために、一部機体は機体寿命延命措置により5年程度の寿命を延ばしているからだそうです。
初期のK型は寿命延長されていないため、先にK型が退役するという流れになったようです。

基本的には米軍のSH-60Bベースですが、元々吊り下げ式ソナーを搭載しないB型に、SH-60Fオーシャンホークに搭載されているソナーを一部国産部品を使用して登載すると言った部分は、海自向けJ型の特徴です。米軍のSH-60Bと60Fの両方の機能を持たせたため、機体内部はかなり狭く、移動も大変とのこと。
前任のHSS-2Bがかなり大型で、内部も立って歩けるくらい広かったことを考えると、この狭さは移住性が悪く致命的ですね。
部品とか大丈夫なのかなと質問したら、退役した機体から使えるものを取り外して使えるので、むしろ最近まで作っていたK型のより在庫も豊富とのことでした。
K型は今一番数が多く、まだ退役機も少ないため、部品も基本新品、そうなると部品調達は予算に限りがありますからね。

後2,3年で退役すると思われ、飛べるのがわずか7機の貴重なJ型を見られる時間も、残り少ないです。

続いて今主力のSH-60Kです。
こちらは21世紀に生産されただけあり、J型より洗練されています。特にJ型の機体の狭さが指摘されていたため、キャビンのサイズを大きくしたのが特徴で、移住性は改善されています。

キャビンが広くなった(それでもHSS-2Bよりは狭いけど)のが一番乗員にとっては良いことのようですね。2005年から配備され、2024年までに81機製造されましたが、生産期間の長さに対して製造数はSH-60Jよりも少ないため、前述のJ型の寿命延長があったわけですが、K型はそれをやらないのは、最新のL型配備に予算をかけたほうが良いという判断からのようです。

とにかく現時点での機体数は73機(令和6年度防衛白書記載)と主力ヘリであることに違いはなく、展示機の8477号機は2024年製造ですから、今後も20年近く使われる予定です。

そして最後にSH-60L。現時点で最新の哨戒ヘリですが、現在量産型はまだ配備されておらず、展示機は先行テストを行っていた飛行試験機となっています。
このため銘板にはSH-60Lではなく「回転翼紹介機(能力向上型)飛行試験機」となっています。
K型でも米軍のMH-60Rとは違ったディスプレイのコックピットでしたが、L型はより大型のディスプレイで、これは米軍のMH-60Rよりも更に大型なんですね。
J型がB型ベースで大きくは違わなかったのに対し、K型とL型は日本独自のものになっているのが興味深いですね。

多めに写真を撮りました。ぱっと見はK型と大きくは違いはないのですが、ローターのトランスミッションの改良によりエンジン出力の伝達効率が向上したほか、最大のトピックは、マルチスタティック化により複数の機体や護衛艦からのデータを統合して処理できるようになったことでしょうね。
最新の12式魚雷にも対応しています。
量産機の配備はまだですが、今後はこの機体が主力となっていくので、見分けポイントなんかはじっくり研究したいですね。

続く…

【百里基地】2024年7月19日の記録 フランス航空宇宙軍来日!

防衛省からの発表通り、「パシフィック・スカイズ24」によるフランス・ドイツ・スペインの各空軍部隊が訓練のため、19日、日本を訪れました。
この内ドイツとスペインは千歳基地に、フランスが百里基地に来日しました。

いつもの通り、こうした事前広報される訓練では、多数のギャラリーが基地周辺を訪れるため、自分は人混みを避けたポジションから撮影を行いました。
航空祭以外では、撮影であまりに人混みの多いところで撮るのが苦手なもので。
あと自分の場所でしか撮れない写真を撮りたいな、というのもあります。

百里基地にはフランス句航空宇宙軍(Armée de l’Air et de l’Espace Française)のラファール戦闘機2機、給油機のA330 MRTTが2機、輸送機のA400Mが3機飛来しました。

まずはエスコートとフォトミッションのため(三沢周辺海域で撮影を行ったのが報道公開されていますね)F-2戦闘機が上がったようですが、自分の撮影ポジションからは遠巻きに上がるのを目視したのみ。
まずはADS-Bに表示される機体として、A300 MRTTが1機、9時に飛来しました。