「日本酒」カテゴリーアーカイブ

【高千代酒造】たかちよ 59 Takachiyo CHAPTER X AI-IPPON 純米吟醸 無調整生原酒

これは自宅ではなく、とある小さな蕎麦屋で頼んだお酒です。
所要まで少し時間があったので、久しぶりに行ったお店です。コロナ前が最後だから、3年ぶりくらいかしら?

【高千代酒造】たかちよ 59 Takachiyo CHAPTER X AI-IPPON 純米吟醸 無調整生原酒

たかちよはジューシー系な日本酒の鉄板ですね。

酒米に「愛山」を22.5%、「一本〆」を77.5%使用。一本〆は、酒米ではおなじみの「五百万石」と「豊盃」を交配した品種だそうです。
これを扁平精米することで、余分な部分のみをきれいに削っています。
酵母は、これ使えばジューシになると言われているとか言われてないとか? 協会1801号です。

【高千代酒造】たかちよ 59 Takachiyo CHAPTER X AI-IPPON 純米吟醸 無調整生原酒

上立ち香は、南国系の果実を思わせる濃厚な甘みを感じます。これは口にしても同じで、まずトロピカルな膨らみのある甘味と酸味が広がった後、余韻はスーッと綺麗に引いていきます。トロピカル系なジューシーな日本酒でありながら、後味はスッキリと引いていくため、飲み飽きないですね。
いやぁ、さすがたかちよです。ジューシーさとキレの良さが素晴らしいです。キレの良さには、ごく僅かにからみも伴っているので、これがいつまでも甘い感じを口に残さないので、飲み飽きないわけです。

少し温度が上がるに連れて、甘みの膨らみは増しますが、キレの良さは変わらず。
素晴らしいお酒でした。

【清水清三郎商店】作 ZAKU 雅乃智 中取り 純米大吟醸

久しぶりに行った酒屋、Yamaroが大好きな「作 ZAKU」がいつもより多めに揃っている! 店主曰く、10月より値上がりするとのことなので、その前に多く仕入れたそうで、その仕入れももう10月まではないとのこと。
ということで、少し奮発してみました。

【清水清三郎商店】作 ZAKU 雅乃智 中取り 純米大吟醸

三重県の日本酒といえば私の一押し、清水清三郎商店ですが、今回は少々お高めですが、作 ZAKU 雅乃智 中取り 純米大吟醸を購入しました。
悔いの残らないよう?、一升瓶です。

何度も書いていますが、作 ZAKUシリーズは味の安定性を求めるため、火入れ酒を原則としていますが、火入れでありながら、生酒のようなフレッシュな味を追求しています。
雅乃智(みやびのとも)は、作 ZAKUシリーズの中でもバランスの取れた甘みと酸味、苦味、味の膨らみが特徴ですが、さらに「中取り」は、醪を搾る過程の最初の「荒走り」と、絞りの最後部分である「責め」の部分を取り除いた、中間の最もクリアな部分のみを瓶詰めしたものです。
もちろん、それらを混合した通常の雅乃智も美味しいのですが、中取りはどうでしょう?

【清水清三郎商店】作 ZAKU 雅乃智 中取り 純米大吟醸

酒米は定番の山田錦、精米歩合50%の純米大吟醸、アルコール度数は16%と一般的です。その他の情報はありません。
火入れ酒なので常温保存は可能ですが、酒屋の店主曰く、火入れだけどフレッシュなお酒ゆえ、できれば冷蔵保存がおすすめとのことです。

わずかに黄色みがかっているがクリアに近い

冷酒でいただきました。上立ち香は爽やかな吟醸香、それも上質な香りです。

口に含むと、甘みをことさら強調しないけど、ふわり洋梨のような上質な甘味と酸味、そしてごく僅かに苦味、そしてほどよく辛さもでます。
そのすべてが押し付けがましくなく上質、これは日本酒好きでも酒は飲むけど日本酒にこだわりはない人向けにも合いますね。
上質な味なので、贈答品にも良さそうです。

温度が上がると、甘みの膨らみが増してきます。少し温度が上がったほうが、バランスが良いなと感じました。
とにかくフレッシュさもありながら、上質さも兼ね備えていて、これこそ高級なお酒、という味わいです。値段も少し高めですが、べらぼうに高価ではありません。
特別な時にぜひ飲みたいお酒ですね。

【日本盛】日本盛 生原酒 大吟醸

アウトドアでも飲める日本酒がコンセプトの、日本盛の生原酒シリーズ3本目です。

【日本盛】日本盛 生原酒 大吟醸

最近珍しい、純米”ではない”大吟醸酒。
大吟醸と名乗れるお酒は、精米歩合50%以下、そして純米ではない醸造アルコール添加のお酒となっています。近年は、精米技術も上がったため、大吟醸酒の流通も増えていますが、純米酒が好まれる傾向にあるため、醸造アルコールを添加した、非純米の大吟醸は珍しくなってきている気がします。
アルコール添加の場合、一般に吟醸香を高めるために添加されることが多いです。
「芳醇な香りの辛口」とボトルに書かれているだけあり、アルコール添加することで吟醸香を豊かにするとともに、辛さも出すというのが目的でしょう。

【日本盛】日本盛 生原酒 大吟醸

窒素ガス充填により、非加熱生酒ながら常温保存可能。
冷やしてお飲みくださいとありましたが、仕事の残業で22時帰りだったので、冷やす時間もなく、常温でいただきました。

割と黄色みがかっています

酒造の意図通り、上立ち香は華やかな吟醸香。ちょっと甘ったるいくらいに香りが立ちますね。
口に含むと、うん、日本酒度+4とは思えないくらい、膨らみのある甘さです。常温でこれだけ甘いので、恐らく冷やして飲んだな方がバランスのよい甘さになるはず。常温ではやや過剰な甘さを感じました。

アル添によりアルコール度数高めの18度以上。通常のアル添酒は、加水してバランスを整えますが、原酒とあるように加水はしていないため、アルコール度数を高めることで、結果的には後味に辛さを出しています。ただ、甘みのほうが勝つために、辛さは程よいバランスです。

これは冷やしていただくのがベストバランスですが、常温でも芳醇な甘みと香りを楽しめるので、このあたりはお好みでしょう。
量販酒のため深い味わいはないものの、わかりやすい味付けで、アウトドアでの濃いめの味の料理とともに楽しめそうなお酒です。

【箱館醸蔵】郷宝 GOHHOU 特別純米 彗星

今回函館に帰省して楽しみにしていたのがこのお酒の購入でした。

【箱館醸蔵】郷宝 GOHHOU 特別純米 彗星

郷宝(GOHHOU)ブランドのこのお酒は、2021年4月に、北海道函館市の隣町である亀田郡七飯町に誕生した酒蔵です。
今では日本全国が米どころですが、広い北海道でも函館を中心とした道南地区では、1986年(昭和61年)にとある酒蔵が廃業して以降、酒蔵が存在しませんでした。
しかし2021年4月に、函館の酒屋の女将と、國稀酒造出身の杜氏らが中心となって立ち上げたのが「箱館醸蔵」です。

2021年は帰省を予定してたのですが、断念せざるを得なくなりました。2022年、ついに購入することができました。
酒蔵店舗は土日のみの営業だったので、道の駅なないろ・ななえにて購入しました。

【箱館醸蔵】郷宝 GOHHOU 特別純米 彗星

「道南テロワール」をテーマとしているとのことで、道南産の米と米麹、水、人で醸す酒です。
酒米に彗星を使用、ここ最近北海道産の酒米として、よく使われるようになってきました。
これを精米歩合55%と吟醸レベルまで削っています。

ほんのり淡黄色

要冷蔵ですから、冷やした状態でいただきます。
上立ち香は強く主張せず、爽やかな吟醸香です。口に含むと、お、さっぱりしていますね。スーッと体に浸透する感覚。
しかしその中にしっかりと込めの甘味と旨味、後から酸味と辛さが心地よいバランスです。そしてスーッと引いていきます。口当たりは抜群です。そしてキレが良いですね。なかなかのお酒ですよこれは。

まだ出来たての酒蔵ですから、これからどんどん改良を重ねていくと思います。なかなか関東では手に入れづらいと思うので、来年また帰省できたら、買いに行きたいですね。

【梅津酒造】冨玲(ふれい) 生酛仕込 純米酒 玉栄80 H28BY

酒ブログへようこそ(笑 いや酒ブログじゃないよ。書きたいことを書きたい時に、がコンセプトで長年やっております。

ということで、量販酒の合間に、こだわりのお酒もちゃんと飲んでいます。最近は、古酒系のお酒も結構大好きです。冷蔵保存しなければならない生酒もそれはそれで良いのですけどね。

【梅津酒造】冨玲(ふれい) 生酛仕込 純米酒 玉栄80 H28BY

応援之酒、フレー!フレー!こと冨玲(ふれい) 、関東では珍しい鳥取県のお酒で、生酛仕込の純米酒です。
酒米に玉栄を精米歩合80%とあまり削らず使用、H28BYということで、2016年に醸造したものを熟成させています。6年経過したので、古酒と言って差し支えないでしょうね。
アルコール度数は14%とやや低めです。日本酒度が+16で辛口、酸度も2.4と酸味も多め、生酛造りですから、蔵付き天然酵母と乳酸菌を取り入れたお酒です。

【梅津酒造】冨玲(ふれい) 生酛仕込 純米酒 玉栄80 H28BY

お燗でお召し上がりください。はい、そうします。が、まずは常温、いわゆる「ひや」でいただきます。「ひや」は冷酒ではないですよ。
昔は冷蔵庫がなかったので、常温の状態が「ひや」、それ以外は燗にして飲むのが日本酒でした。

では開栓します。

濃厚な飴色

琥珀色というか、飴色ですね。これは、ザ・古酒ですね。

まず常温で。上立ち香は生酛造りらしく、酸味があり古酒らしい甘みがありそうな香り。口に含むと、いや~古酒だ。凝縮された旨味と酸味。辛さはそれほど強くないけど、やや古びた酸味が強いかな?

ということで、おすすめの燗で飲んでみます。俄然、甘みが出てきました。温度が上がるほど甘みは感じやすくなりますが、その状態でベストバランスです。
酸味と甘味が調和します。米の甘みが膨らみますね、それでいて酸味は変わらずあります。さっぱり系ではなく、旨味が次第に膨らんで押し寄せるタイプです。ですがしつこすぎないです。
なるほど、これぞ生酛造りのお酒です。好きですよ。

食後にじっくりと味わいたいお酒です。

【日本盛】生原酒 純米吟醸

夏休み突入です!

さて、量販酒も真面目にレビューしたいと思います、ということで、日本盛のお酒2本目!

【日本盛】生原酒 純米吟醸

生原酒シリーズは、飲みきりサイズの一合ちょい、200mlボトルです。
日本酒度-5、アルコール度数16度と一般的なスペックです。

【日本盛】生原酒 純米吟醸

濃厚なコクとフルーティな味わい、とありますが、さてどんな塩梅かな? 何となくこれは冷やしたほうが良いかもと思って、冷蔵庫で保管してからの開栓です。
窒素ガス充填なので、開戦直後に清涼飲料水でもよく見かけるような、フワッとガスっぽさがでます。
あ、発泡系日本酒のようなガス感ではないですよ。

ほんのり黄色

上立ち香は、吟醸酒ならではのフルーティさを感じます。口に含むと、思ったよりは甘味は控えめ。前回飲んだ本醸造より雑味感は薄いけど、米の旨味はもう一つ。嫌な辛さはないけど、なんだかこう、印象に欠けるというか、決してスッキリしすぎているわけではないけど、なんだろう、全体が薄い印象です。何かこれといった特徴がないですね。

この手のお酒は大量生産のため、米も色々混ぜて使っているのかは知らんけど、これは純米吟醸にしたことで、返って使っている米の品質が分かってしまった感じです。
あまり良い米ではないのに、下手に削って純米にすると、返って粗が出てしまう。
オーディオで例えて言うなら、へっぽこ音源をモニタースピーカーで聴く、車なら高級車に安物アジアンタイヤを履かせるようなものですかね? ん?例えになってない?

ということで、個人的はガツンとアルコール度数は高く、ぐんと甘みを出している本醸造のほうが、値段を考えたらコスパが良いし、味の主張もでている気がしますね。
後は大吟醸と純米大吟醸の2本が残っていますが、さてどんな感じだろうか?

【日本盛】生原酒 本醸造

先日、練馬区の光が丘公園にたまたま行ったら、ちょっとしたお祭をやっていまして、少し見てきましたが、こんな屋台がありまして。

日本盛の屋台

日本盛、兵庫の酒蔵、よくスーパーマーケットで売っているような量販メーカーですけど、試飲できるということで、試飲してみたら、あれ、思いの外良いな、ということで、飲み比べセットを買ってみました。

4本セットで、鬼殺しはおまけ

スーパーで売っているようなお酒は、たいてい「山田錦」とかこの商品のような「生原酒」みたいなものがトップに出ている商品が多いですね。いわゆる酒蔵のブランド名が入っていない量販酒、これもその類なのですが、試飲したら、ほほう、と思うことがあり、お家で試してみることにしました。
ということで今日はその第1弾。

【日本盛】生原酒 本醸造

この4本で最も安価な1本です。200mlと1合ちょっとの量で、アウトドアでの飲みきりサイズを想定しているようです。たしかに、安価なお酒は紙パックが多いですが、まるでちょっと良いコーヒのアルミボトルに入っている日本酒は珍しいですね。

【日本盛】生原酒 本醸造

本醸造なので、醸造アルコール添加です。原酒にさらにアルコール添加していて、アルコール度数は19%とかなり高め。生原酒は火入れと加水していないお酒ですが、窒素ガス充填とは言え、さすがに全く火入れしていないで常温保存は難しいので、恐らくはどこかの過程で火入れは行っているでしょう。火入れ過程は充填前のタンク火入れと瓶火入れで通常2度ありますが、そのうちの1回を省くと生酒、とする量販メーカーは多いようです。

日本酒度は、HPによると6と甘口です。なんとなく生原酒でアルコール添加となると、辛口な印象ですが、さにあらずということです。

やや茶色がかった色

上立ち香は仄かですが、常温で口に含むと濃厚な甘さ。ちょっと甘すぎるかなというくらい濃厚。これにはびっくり。ただ、この手のお酒にありがちな、癖のあるアルコール感は少なく、高いアルコール度数ながら、口に残る嫌味なアルコール添加らしさはなく、これはこれで良いのかなと。

なんでもアウトドアのmont-bellとコラボしたボトルもあるとのことで、アウトドアで飲むことも想定されているようです。となると、このくらいのやや強めの味付けがちょうどよいのかもしれません。冷やせない環境で常温、あるいは燗で飲んでも良いバランスになっているように感じます。

この手のお酒は、ちゃんとした酒屋で買っている日本酒からすると、色々と雑味やアルコールぽさだけが残ったりするものですが、このお酒はわりとそういうネガが少なく(ないとは言わない)、これなら飲んでも良いな、と思わせます。

チェーン店の居酒屋も、最低限このレベルの日本酒から置いてほしいものです。

【大矢孝酒造】残草蓬莱 純米吟醸 Queeen 薄にごり生原酒 R3BY

最近残業続きで、なかなか酒屋に寄れませんが、久しぶりに定時退社した日に寄って買ってきたお酒です。

【大矢孝酒造】残草蓬莱 純米吟醸 Queeen 薄にごり生原酒 R3BY

あまり酒処のイメージがない神奈川県のお酒ですが、Yamaroの大好きな酒造の1つでもあります、大矢孝酒造の「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」のフレッシュな夏酒、純米吟醸 Queeen 薄にごり生原酒です。

Queeenの由来は、アルコール度数12%から来ているそうです。Queeenの”e”が1つ多いのは誤字ではなく、意図的なもののようです。
生原酒の場合、加水していないためアルコール度数が高いお酒が多いですが、このQueeenは12%と抑え気味。
酒米は、麹米が山田錦、掛米が出羽燦々で、精米歩合は60%、注目度127%はどういう事(笑
澱を絡ませて、瓶内二次発酵させているお酒です。

またしても吹き出し注意のラベルのお酒。ただ、購入した酒屋では、多分そこまで吹き出さないと思いますが、慎重に開けてください、とのことでした。
ということで、十分に冷やしてゆっくりと開栓しました。

きれいな薄にごり

開栓…とりあえず吹き出しはなさそうです。注ぐと軽くプチプチしている感じですが、思ったよりはガス感は少なめ。

上立ち香は、きれいな吟醸香、飲む前から爽やかな甘い香りが漂います。
口に含むと、ん? 割と苦味が強め。甘い香りに対して、味わいは甘さ控えめ、すっきりとした爽やかな酸味が口に広がり、さっぱりと切れます。
ちょっと苦味が多めかな? と思いましたが、2杯目をいただくと苦味が一変! 今度は甘みがじんわり出てきて、苦味は後退。ここでウェルバランスとなりました。
こんな短時間で味がここまで変化するのか!? 驚きです。ということで、少し空気に触れさせたほうが、程よい甘みが出ます。
その甘味も、決して甘すぎず主張しすぎず、酸味との苦味と旨味のバランスが、高い次元で調和しています。

アルコール度数が低いのですが、決してライトな感じはなく、しっかりアルコールの良さも出ていますね。それでいて飲みやすいので、まあ減るのが早いこと(笑
今回は保管場所の関係上四合瓶ですが、できれば一升瓶をおすすめしたいです。味わいの変化が楽しめると思います。

【寺田本家】五人娘 発芽玄米酒 むすひ

先々週千葉は館山に行った際に買ってきたお酒です。

【寺田本家】五人娘 発芽玄米酒 むすひ

発芽玄米酒、だそうです。
千葉はあまりお酒どころ、というイメージではないですよね。関東圏でも埼玉や群馬は名酒が多くありますが、千葉はちょっと少ない気はします。
それでも、「五人娘」は千葉では名の通ったブランドですね。その中でも、ひときわ個性を放つのが、この発芽玄米酒です。
「開栓注意・横倒厳禁」のラベルもあり、吹き出し系のお酒です。しっかり冷蔵して冷やした状態での開栓が求められています。

精米していないお米、つまり玄米を使うため、精米歩合100%(つまり米を削っていないということ)です。酒税法上、米を使わないと「清酒」ではなく「その他の醸造酒」となりますが、玄米ってどうなんでしょうね? 濾していないどぶろくなどは通称「濁酒」ですが、「濁酒」も「その他の醸造酒」となるため、似たような感じでしょうか?
玄米は、HPには書かれていませんが、とある酒屋のHPにはコシヒカリとありました。

アルコール度数は12%と、一般的な日本酒よりやや低めです。

本当に開栓注意! とにかくガスが出続けます

回転式の栓を慎重に回していくと、ほんの僅か開けただけで一気にガスが噴出! これはいまだかつてない活性度合いだ! 新政の天蛙(あまがえる)ほどではないにしろ(あれは相当吹くらしい)、とにかく活性が止まらない! 少し開けては締め、の繰り返しです。

10分以上経過してなおこの活性っぷり

開栓には20分を要しました。10分経過してもなお、上の写真のように少し開くだけで吹き出してきます。すごいわ。
活性具合も、生産時期によって異なり、味もつど変わるとのことです。今回のものは、かなり活性度合いは高かったのではないかな?

20分経過して、ようやく完全に開栓しても吹き出さず落ち着きました。それでも注ぐと、コーラかのようにシュワシュワと泡立ちます。

濁り酒系ですね

米の粒子が沈殿していますが、米粒ではなくもっと細かい状態です。
上立ち香は独特で、ラベルに書いてあったように、糠漬けのようなやや酸っぱい系の香りです。
口に含むと、酸味と独特の苦味、旨味で、確かに糠漬けっぽい風味もあり、力強い味わいとともに、甘みは控えめです。かと言って、ガツンと辛い系でもないので、不思議な味わいです。
好き嫌いは分かれそうです。日本酒と思って飲むと面食らうでしょうね。しかしこれは古代のお酒に近いのではないかな、という荒々しさと力強さを持っています。

開栓3日程度で、酸味が少し落ち着きますが、依然力強いです。そして何故か癖になります。不思議な味わいです。生産ロットでの味の変化も大きいようなので、また千葉に行った際には買ってみたいお酒です。

【土田酒造】土田生もと 令和元年酒造年度醸造

6月に注文したお酒です。飲もうと思ったら、いろいろあって飲めずに、今まで保管されていました。
体調も良くなったので、満を持して開栓してみました。

【土田酒造】土田生もと 令和元年酒造年度醸造

やっと食卓に戻ってこれました。寝室隔離で寝室飯でしたので。

群馬県の土田酒造といえば、生酛造りのお酒を主体としています。このお酒は、令和元年(2019年)醸造のお酒を冷蔵保管したものです。
精米歩合60%と、土田のお酒にしては割と削っていますね。酵母は7号酵母系の協会701号酵母、アルコール度数はほんの僅かに低い15%です。

【土田酒造】土田生もと 令和元年酒造年度醸造

仕込み桶ごとに味わいが違う、とのことです。このお酒は、土田酒造のオンラインサイトで購入しましたが、冷蔵保管されていたもののため、クール便にて届きます。ただし、冷酒よりも冷や(常温)から燗で飲むのが推奨されています。ただし、今回は冷酒の状態から飲み始めてみました。

淡黄色が買ったお酒

上立ち香は華やかさはなく落ち着きがあります。
冷酒状態で口に含むと、甘みと酸味は思ったより落ち着いていますね。雑味感がないのは、割と米を削ったお酒だからかな? 旨味からの苦味が強い感じです。
ちなみに、自分でも気づいていますが、コロナ感染してから若干味覚に変化があり、やや甘みの感覚が鈍っています。

常温(冷や)になってからは、だいぶ印象が変わります。生酛らしい甘みと酸味の膨らみが出てきました。うん、これだこれ、これこそ土田酒造のお酒です。甘みからの酸味、そして旨味、苦味へと、しっかり滑らかに調和していますね。面白いことに、3年ほど寝かせたお酒なのに、熟成酒の方な濃厚なクセは少なく、むしろ滑らかな味わいです。
冷酒状態で苦味にやや過度を感じたのが、温度が上がるとすっかりまろやかになりました。今回は試していませんが、ぬる燗~熱燗でも試してみたいと思います。この酒質からするに、ぬる燗がうまそうです。

【土田酒造】土田生もと 令和元年酒造年度醸造

まるでCMかのような水滴がついたので、撮ってみました(笑