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NX Studioの絞り込み機能の不具合とその対処方法

2021年年3月より登場した、Nikonの画像閲覧とRAW現像ソフト「NX Studio」は、従来閲覧とRAW現像で分かれていたソフトを統合し、これまで重いと言われていた従来の閲覧ソフトViewNX-iよりも表示速度が向上しました。
また、閲覧とRAW現像がシームレスに行えるようになりました。
が、ViewNX-i時代からちょくちょく出ている不具合がまた最近出てしまいました。

絞り込み機能を使うと画像表示できない

特定のフォルダで、絞り込み機能を使うと、レーディングやラベルを指定しているのにも関わらず、画像が一切表示できなくなる不具合が発生してしまいました。
例えば、最近撮ったとある日のフォルダ、画像にレーディングや赤のラベルを指定しました。

レーディング(★)と赤のラベルを画像に指定

この状態で、例えば赤いラベルを指定した画像のみ表示しようと絞り込み機能を使うと、こうなります。

「表示できるファイルが見つかりません」となってしまう

「表示できる画像が見つかりません」となり、何も表示できなくなってしまいます。
赤いラベルの指定を解除すると表示できるようになります。同様に、レーディングを指定しても、表示されなくなってしまいます。
この事象は、ViewNX-iの時代も時々発生していて、ファイルの入っているフォルダ名を一時的に変更することで解消される場合もありましたが、今回はフォルダ名を変更しても解消しません。
数十枚程度なら良くても、千枚以上撮影することの多い飛行機写真で発生すると、何のためにラベルやレーディングを付けたかわからなくなってしまいます。

Nikonのカスタマーサポートに問い合わせてみた

まずは、画像の保存先が内蔵ドライブ化外付けドライブかの確認と、下記手順の実施と確認がありました。

【NX Studio でトラブルが発生した場合の対処方法】
https://search.nikon-image.com/faq/products/article?articleNo=000044486

もし、NX Studioをバージョンアップ後に発生している場合は、
原因の切り分けのため、前回バージョンのVer.1.2.2 でも
状況をご確認いただきたく存じます。

お手数ではございますが、現在インストールされているVer.1.3.1を
アンインストールした後、Ver.1.2.2をインストールしていただき、
Ver.1.2.2での動作をご確認くださいますようお願いいたします。

【NX Studio Ver.1.2.2】
https://downloadcenter.nikonimglib.com/ja/download/sw/228.html

上記を行っていただいても現象が改善しない場合、状況について
確認いたしたく存じますので、一連の流れを動画にてお撮りいただき、
当窓口へご提供いただけないでしょうか。

あわせまして、該当フォルダへ画像を転送する際の手順をお知らせ
くださいますようお願いいたします。

このやり取りでは解決せず、次にTempフォルダの削除依頼がありました。

動画を拝見いたしましたが、当窓口のNX Studioでは正常に動作しましたので、
念のため、、以下の手順でキャッシュフォルダの削除と、Tempフォルダ内の
ファイルの削除を実施していただき、動作が改善するかご確認くださいますよう
お願いいたします。

手順1.)

 <削除していただきたい項目>

 ・C\ユーザー¥ログイン名¥AppData¥Local¥Nikon¥NX Studio内にある
   「Cache」フォルダ

  ※Cacheフォルダごと削除してください。

 ・C¥ユーザー¥ユーザー名¥AppData¥Local¥Temp内にある
  フォルダやファイル

 ※もし、上記の削除していただきたいファイルやフォルダが見えない場合は、
  コントロールパネル>フォルダーオプションにて、「隠しファイル、
  隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」にチェックを入れ、
  「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない(推奨)」の
   チェックを外してください。

  隠しフォルダの設定を解除しても見えない場合や削除できない場合は、
  スキップしてください。

手順2.)

 1.)の作業が完了しましたら、ごみ箱も空にしてくださいますようお願いいたします。

手順3.)

 メモリーカード内に画像が保存されている場合は、カメラとパソコンを
 付属のUSBケーブルUC-E24で接続していただき、Nikon Transfer 2で
 画像を転送し直してください。

 ※メモリーカード内に画像が無い場合は、テスト撮影してください。

手順4.)
 ごみ箱が空になりましたら、あらためてNX Studioを再起動し、手順3.)で
 転送し直した画像で動作をご確認ください。

※ここでの動画確認は、実際に絞り込みを実行して表示されないという一連の流れを動画キャプチャしたものです。

このTempフォルダの削除でも駄目でした。
そして以下のNikonからの連絡が、今回の解決のヒントになりました。

前回のご案内を実施しても改善しなかったとのことで、ご迷惑を
おかけしており、誠に申し訳ございません。

他に改善策がないかお調べいたしますので、以下の内容について
確認させていただきたく存じます。

1.)お問い合わせ当初のご連絡内容から、100枚以下では問題なく
  絞り込みができる、ということで間違いないでしょうか。

2.)前回、転送し直していただきましたが、絞り込みが働かないフォルダは、
  画像の他に別のファイルが保存されておりますでしょうか。

この「別のファイル」が今回のヒントになりました。
実は、サイドカーファイル(編集内容が記録された画像とは別の設定ファイル)のフォルダが、NX Studioで編集した場合は生成されます。
「NKSC_PARAM」というフォルダが画像フォルダの下に生成され、そこにサイドカーファイルが保存されます。
これはRAWやJPG問わず、NX Studioで編集した場合は、元のファイルはいじらずにサイドカーファイルに書き込むことで、元ファイルの破損を防止する仕組みになっています。※設定でサイドカーファイルを生成せず画像ファイルに書き込むことも可能

この絞り込みできないトラブルが発生しているフォルダを見ると、NKSC_PARAMフォルダ以外のファイルがあることに気づきました。

.NikonImageInfo.NXFというファイル

謎の.NikonImageInfo.NXFファイル

該当の画像フォルダを見ると、”.NikonImageInfo.NXF”というファイルが有ることに気づきました。Nikonのサポートからは、

>NX Studioで生成されたファイル、フォルダ
がフォルダに存在しているとのことですが、NX Studioで画像編集する場合、
NKSC_PARAMフォルダは生成されますが、同一階層にファイルは生成されません。

との回答があり、本来この”.NikonImageInfo.NXF”というファイルは存在してはいけないようです。
ただ、このファイル名はNikonと入っているように、Nikonのソフト側で生成されているのは間違いないでしょう。
ちなみにこのファイルをテキストエディタで開くと、

このようなファイル内容でした。どうやらNX Studioに入っている画像転送ソフト、Nikon Transferが生成しているようです。
このファイルを削除してみました。
NX Studioを再起動して絞り込みしてみると…

絞り込みできるようになった

おお! 解決しました。
色々原因不明ですが、何故か勝手に生成されていた”.NikonImageInfo.NXF”を消すことで解決しました。
Nikon Transferの設定は特に毎回いじっていないのですが、ソフトのバグっぽいですね。

この対応でも絞り込み表示ができない場合は、該当フォルダの名前を一時的に変更し、NX Studioで表示させ、一度ソフトを落としてフォルダ名を戻してサイド表示させることで、解消することもあるようです。

いずれにしろ、今後のバージョンアップで解消されることを望みます。

Xperia 1 II + Luminar 3

どれも旧バージョンだったりしますが、このタイトルの組み合わせでRAW撮影し、現像してみました。

 Xperia 1 II (24mm)

Luminar 3のAerial AI Enhancerを40%強度で適用、後はノイズ軽減させて色温度を落としています。ISO800、このくらいなら十分使える印象です。

Xperia 1 II (70mm)

センササイズが小さくなる70mmのほうは、ノイズがかなり多いです。こちらもLuminar 3のAerial AI Enhancerを強度70%で適用して、ノイズ軽減もさせているのですが、それでもこれだけノイズが残ります。ISO1000だと結構絶望的にノイズが乗りますね。あまり使いたくない感度です。
やはりセンササイズが24mmレンズ側より小さい分、ノイズ耐性がかなり違うのがわかります。RAW現像云々だけではどうしようもないですね。

最近は、AIで画像解析しつつノイズ軽減できるソフトも登場、Topaz Denoise AIとかが有名ですね。個人的にはそこまでして…という感じもありますが、試してみたい気はします。

廃屋と廃スプリンター

2009年、栃木県は佐野市の葛生(くずう)付近で撮影した写真。

廃屋と廃スプリンター

廃屋と廃車のセットが好き。
廃屋の車庫にナンバーを外された、E80系のトヨタ・スプリンター。ハチロクで有名な、豆腐屋さんの漫画のAE86スプリンター・トレノは、このセダンのスプリンターの姉妹車です。
オーナーが高齢になり、ナンバーを外して廃車にしたまま月日が経った。そんな感じですね。
この古そうな家屋の1階がガレージというのも面白いですが、2階部分は住居のしては狭いので、おそらく納屋的に使っていたんでしょう。
よく見ると、写真右奥にも建物があり、こちらが住居だったと思われます。
奥の収去へのアプローチは雑草が生えていないので、この時はまだか管理されていたのでしょうけど、住居は人が住んでいる様子はありませんでした。

2009年の時点で、倒壊しそうなこの廃屋(納屋?)、もう現存していないでしょうね。この時代はまだGPSアダプタを持っていなかったので、今となっては撮影地の詳細も不明です。

3D LUTで色味を変えてみた

実は、上の写真は当時JPGでしか撮っていません。今でこそRAWでバンバン撮っていますが、まだ2009年当時は、カメラのメモリカードも4GB、カメラはNikon D300でしたが、1200万画素のカメラとは言え、RAWでガンガン撮ると、それなりに容量を食う(それでも1枚12MB程度でですが)ので、無闇矢鱈にRAWでは撮っていなかったのです。
ただ、D300の時代のJPG撮って出しの色味は、今見るといま一歩だったりします。撮って出しだと上の写真の色はこんな感じです。

撮って出しだと色温度が高すぎる

ホント、今見るとAWBがダメでした。でもこの時代のカメラってこんなものですけどね。
今回は、Photoshopのカラールックアップから、3D LUTを充ててみました。

Photoshopの3D LUTを充ててみた

これだけ雰囲気が変わります。LUTは、どちらかというと動画編集のほうで認知していたけど、静止画でも充てられます。色味のおかしいJPGの救済に役立ちますね。

投げ売りXperia 1 II SO-51AでRAW撮影を試してみた

3年も前の機種のカメラを今更レビューしても、誰の得にもなりませんが、撮っている本人が楽しめればそれで良いかな、って軽い気持ちで書いています。
とは言え、RAWで撮れるのは楽しいです。センササイズも、メインカメラは初代Xperia 1の1/2.6型センサーよりも大きい、1/1.7型のデュアルPDセンサーを搭載しているので、画質も向上しているはず。
昔使っていたCOOLPIX P7000と同じセンササイズなんですよね。今や1インチセンサがスマホに載る時代ですからね。もっとも、スマホの場合は、センサの画素全てを使っていないみたいですけど。

最もセンサが大きいのは24mmレンズを搭載したセンサのみですが。

レンズ交換式カメラでは最近トレンドのAI被写体認識(カメラ自体にAIが搭載されているわけではないのに注意を)も、実はXperia 1 IIで実装されていたんですね。へぇ。

JPG撮って出し、各レンズの味付け

同じ場所から単純にレンズのみ切り替えて撮影。
これだけで判断するのもナンセンスですが、やっぱり色味というか傾向は違いますね。
超広角16mmは少し赤っぽく、広角24mmは緑が浮いているのとフレア、ゴーストが発生、70mmは逆光でのフレアの影響か、太陽光直射ではないけど、ややコントラストが浅い結果に。
Cari Zeiss T*コーティングと言えど、まあこんなものかなと。

JPGとRAW(DNG形式)は味付けが異なる

撮って出しのJPGと比較すべく、JPG+RAWで撮ってみました。

どちらも撮って出し、RAWはAdobe Camera RAWで現像し未調整で出力したものです。結構絵作り違いますね。

JPGよりRAWのほうが明るめになっているのと、JPGはだいぶシャープスがかかっているのに対して、RAWはシャープネスがかかっていない様子です。
なるほど、JPGは撮って出しで見栄えするような味付けがなされている、ということですね。
RAWは調整を前提をに、シャープネスがかかっていないのはわかりますが、割と露出が明るいのは気になりますね。

では調整したRAWとJPG撮って出しを比較してみましょう。

左がJPG撮って出し、右がRAWを個人的な好みに現像したもの

透かしのサイズが違いのはご愛嬌。望遠側とは言え、わずかに歪み補正もされているのでしょうね。RAWの方は歪み補正していません。
こうして比較すると、JPG撮って出し、解像度を落としてSNSに掲載するための味付け、と言えそうです。

でも個人的には、デフォルトのシャープネスがかかっていない状態からのRAW現像は現像しがいがあって楽しいです。

24mmは結構歪み補正を行っているようです。JPGと歪み補正なしのRAWで、街頭の傾きが違うのがわかります。
JPGは木の枝の部分のシャープネスが強すぎますね。RAW現像ではシャープネスは弱めにかけましたが、もっとシャープネスは弱めでも良いかな。色温度は少し暖色に振りました。
流石にメインカメラ、初代Xperia 1よりセンサが大きい分の恩恵は感じられます。四隅を除き、解像力も十分あります。これならスナップカメラにも良さげですね。

上の写真の左上の等倍切り出し 本当に隅の部分だけ急に収差が増えている

24mmレンズ、ごくごく隅の方だけが、急に収差が増えて解像力低下しています。ここは妥協して、トリミングも前提のスマホの使い方だから、というのもあるのでしょうね。

とりあえず、3年前のスマホでも十分綺麗に撮れています。Galaxyみたいに1億画素とか、もはやナニソレ的な感じの飛び道具も、そろそろ技術的にサチってきているのかな、というのを感じます。スマホも買い替えサイクルはどんどん延びてきているようですからね。

たまにスマホでもRAWで撮ってRAW現像を楽しむ、と言うのはアリですかね。
今度は夜のスナップでも撮ってみようかな。

Nikon Z 9とWireless Transmitter Utilityを使ってカメラから直接PCへ画像データを転送する方法

Nikon Wireless Trasnmitter Utility

以前、Nikon Z 9からFTPサーバーに直接画像を転送する方法を記載しましたが、Nikonの場合、無線LAN経由でFTPサーバーへ転送できるボディが限られるため、より多くの機種で使える方法として、無線LAN経由で直接PCに画像データを転送できる「Wireless Transmitter Utility」というソフトを使った方法があります。
対応機種は以下のとおりです。

  • Z 9、Z 7、Z 7II、Z 6、Z 6II、Z 5、Z fc、Z 50、Z 30、D780(カメラ内蔵の Wi-Fi に対応)
  • D6(カメラ内蔵の Wi-Fi / 有線 LAN に対応)
  • D5、D4S、D4(カメラ内蔵の有線 LAN に対応)
  • ワイヤレストランスミッター WT-7
    (対応カメラ:Z 7、Z 7II、Z 6、Z 6II、D850、D810、D810A、D780、D750、D500、D7200)
  • ワイヤレストランスミッター WT-6
    (対応カメラ:D6、D5)
  • ワイヤレストランスミッター WT-5
    (対応カメラ:D5、D4S、D4)
  • ワイヤレストランスミッター WT-4
    (対応カメラ:D4S、D4、D3X、D3S、D3、D800、D800E、D700、D300S、D300、D7000)
  • 通信ユニットUT-1 (WT-5 装着時も含む)
    (対応カメラ: D4S、D4、D810、D810A、D800、D800E、D750、D7200、D7100、D7000)

ミラーレスのZシリーズはすべて無線LANを搭載しており、かつオプションのワイヤレストランスミッターなどをを導入する必要なく、無線LAN経由による画像転送が可能です。
一眼レフでは、D780とD6が本体の無線LANのみで対応しますが、それ以外の機種は有線LAN、または別売りのワイヤレストランスミッターを導入する必要があります。
ワイヤレストランスミッターは業務用と前提のためか、10万円前後と高価で、一般的な使い方では現実的ではないでしょう。他メーカーはもっと早くからボディだけで実現していただけに、ちょっと遅れているNikonですが、ミラーレスになって全機種対応しているので、まあ良しとしましょう。
WiFi内蔵のD850で、別売りのワイヤレストランスミッターを買わないとPCに無線LAN転送で出来ないのが悔やまれますが(WiFi転送はスマホのSnapBridge経由のみ対応)。

Z 9でのWireless Transmitter Utility設定方法

まず予め、PCにはWireless Transmitter Utilityをインストールしておきます。(Windows/Mac対応) インストールしたら、まだ起動せず、先にカメラ側で設定を開始します。

Z 9のメニューを開き、ネットワークメニューから、「PCと接続」を選択します。なお、スマホとSnapBridgeでBluetooth接続している場合は、スマホとのBluetooth接続は切断となります。

ネットワークメニューの「PCと接続」を選択

次に「接続設定」を選択します。

PCと接続から「接続設定」を選択

接続設定から「新規追加」をクリックします。

接続設定から「新規追加」をクリック

任意の接続設定名を入力します。私はすでに「Home」で設定していました。デフォルトだと「WLAN1」となります。

任意の接続設定名を入力

設定名を決定すると、接続ウィザードが表示されます。

接続ウィザードで接続方法を選択

家庭内など無線LAN環境がある場合は、上記の「Wi-Fi接続先を検索」を選択します。下記の「PCと直接接続」は、ノートPCのように無線LANを内蔵しているPCと直接アドホック接続する際に選択します。
ここでは無線LANアクセスポイント経由でPCに転送するので、上記を選択します。

無線LANのSSIDリストが表示されるので、接続したいSSIDを選択します。ちゃんと2.4Gと5G帯の表示も出ます。
屋外で使用する場合は、5G帯は使用NGなので、2.4G帯を選択しますが、屋内であれば電波干渉の少ない5G帯がベターです。

無線LAN SSIDがリストアップされるので、接続するSSIDを選択する

SSIDを選択すると、無線LANの暗号キー(パスワード)入力画面になるので、暗号キーを入力します。

暗号キー(パスワード)を入力

無線LANに無事接続できると、IPアドレスの設定方法が表示されます。通常は「自動取得」で問題ないでしょう。
ここでは自動取得を選択しました。IPを固定したい場合などは、手動設定してください。

IPアドレス取得方法を選択、通常は自動取得で問題ない

自動取得を選択すると、自動で割り当てられたアドレスが表示されます。

DHCPで自動設定されたIPアドレスが表示される

次へを押すと、下記のように、Wireless Transmitter Utilityを起動するように促されますので、PC側で起動します。

カメラ名は機種名とS/Nで表示されます

ここでPC側のWireless Transmitter Utilityを起動します。すると下記の画像が表示されます。

ペアリングするカメラがリスト表示される

次へを押すと、「カメラに表示される認証コードを入力してください」と表示されます。ここでカメラに戻ると、カメラの液晶に認証コードが表示されます。

カメラ側で認証コードが表示される

表示されている4桁の認証コードを、PCのWireless Transmitter Utilityに入力します。
ちなみに認証コードは設定のたびに変わります。

カメラに表示された認証コードを入力

認証コードを入力すると、ペアリングは完了です。

カメラとWireless Transmitter Utilityの接続が完了

最後に、画像を転送するフォルダと、転送後の表示アプリケーションを選択します。
NX Studioを選択すると、転送するたびにNX Studioがアクティブになります。もしPCですぐに編集したい場合は、NX Studioに設定すると便利ですが、例えばインターバル撮影して常時転送の設定にした場合、転送されるたびにNX Studioの画面がアクティブになって、他の作業をPCで行いたい場合に、いちいちNX Studioがアクティブに画面で出るため、面倒です。
このため、うちの環境ではエクスプローラーに設定しました。

転送先フォルダと転送後表示設定を選択

以上で設定は完了です。

あとは、Wireless Transmitter Utilityの画面を閉じても、PCが起動していれば、カメラの画像が転送されます。

なお、カメラ側でオプションの項目に入ると、転送方法の設定が変更可能です。
「撮影後自動送信」をONにすると、取ったそばから自動的に転送されます。OFFでは、カメラ側で転送設定した画像のみ転送されます。
RAW+JPEG撮影で、JPEGファイルのみ転送するといった方法や、JPEG+JPEGの設定の場合は、2つのカードスロットのどちらか任意の方のみ転送もできたりもします。
便利ですね。
これがボディ単体で出来ないD850、何とかならんかねぇ。

画像の転送設定は色々変更できます

写真を撮ると、自動転送されるように設定すると、PCにデータがポンポン入ってきます。これは楽で良いです。家で物撮り、スタジオ撮影に便利ですね。

こうした便利機能が、Zボディはどの機種も使えるので、早く2台目のZボディがほしいところ。ワイヤレストランスミッターWT-7は中古でも高いですしね。

城ヶ島からの風景

国際観艦式撮影で行ってきた城ヶ島のこぼれ写真です。

個人的に、結構このスポットから撮影は悪くなかったです。もちろん、視程は厳しく、艦艇をくっきり撮ることは出来なかったし、航空機もそれほどこの周辺は飛ばなかったので、その点は残念だったけど、単純に写真を撮るスポットとしてよかったのと、逆光でシルエットになる艦艇、という絵も悪くないなと思いました。
岩場なので、重い機材を持って移動は骨が折れるけど、三脚を据えても迷惑がかからない広い場所で、ゆっくり撮れるのは良かったですね。

こうしてみると、左下の護衛艦「もがみ」型はやはり独特のシルエットで、新世代の艦艇だなと言う印象です。

写真データに埋め込まれたGPSデータの確認

ところで、もう10年ほど前から、カメラで撮影した画像にGPSデータを埋め込んでいます。
かつてNikonのNX Studioやその前進のViewNX-iなどには、埋めこんだGPSのマップを表示できる機能がありましたが、Google MapsのAPIの仕様の問題? 契約の問題なのか、現在この機能が削除されてしまいました。
そこで最近使っているのがこのソフトです。

画像位置情報取得ツール https://www.osadasoft.com/software/getgpsinfo/

画像位置情報取得ツールを使っています。ただこのソフト、1つのフォルダにある複数の画像の位置をすべて表示する機能はないようです。1つのファイルを選択して表示、という感じです。
また、Googleマップも表示はできますが、APIの契約の関係か、”For developmnent purposes only”と表示されてしまいます。Nikonもこれがあって表示機能をやめたのでしょうね。

かつてのViewNX-iで表示した2015年の観艦式で撮影した画像のGPSポイント、乗艦した護衛艦「きりしま」の航跡がわかります

↑Googleマップでなくて良いので、こうした機能はNX Studioに復活してほしいですね。

Z 9の高効率RAW不具合? 露出補正で色温度設定が反映されなくなる

※この不具合は、Ver1.1.2以降ののNX Studioで解消しました。(22/2/17追記)

先日のNikon Z 9でのファーストショットで確認した不具合です。
発売当初のファームウェアバージョン Ver1.00です。

TicoRAWを採用したZ 9の高効率RAW

Nikonの一眼カメラは、これまでRAWデータとしては、非圧縮・ロスレス圧縮・(非可逆)圧縮といった設定がありましたが、Z 9では、初めて「高効率RAW★」(従来の非圧縮RAWの1/2のファイルサイズ)と「高効率RAW」 (従来の非圧縮RAWの1/3のファイルサイズ) を採用しています。
これは、intoPIX社のTicoRAW技術を採用しているとのことで、特に「高効率RAW」は、ファイルサイズが同画素のJPG(FINE★)よりも小さくなっているため、JPGの代わりとして常用可能かなと考えています。
色深度も14bitのみで、従来のNikon一眼のように12bitは選べなくなっていますが、ファイルサイズが大幅に圧縮可能な「高効率RAW」では、もはや12bitの設定は不要という判断なのでしょうね。

さて、ファーストショットでは、この高効率RAWの画質と使い勝手、JPGとの比較をしたく、すべての撮影で高効率RAW+JPG FINE★で撮影しました。

画質の比較は追々行うとして、今回はその中で見つけた不具合の報告です。
なお、すでにNikonのサポートには打ち上げています。

露出補正をマイナスに振ると、画像の色温度が撮影時のものに戻ってしまう

こんな不具合を発見しました。NX Studio Ver1.10(Win)におけるRAW現像で、不具合が発生しました。

撮影時デフォルトのNX Studio画像

上の写真は、NX Studioの表示をキャプチャしたものです。屋内撮影ですが、照明の電灯色に引っ張られて、やや青っぽい絵になったため、もう少し色温度を上げてみたいと思い、まず色温度を上げました。

色温度を8300Kに設定

画面キャプチャだと分かりづらいですが、色温度が上がりました。
ここで露出補正をマイナスにしてみます。

露出補正をマイナスに振ると、画面上の色温度が撮影時に戻ってしまう

すると、画面上の色温度が、撮影時のやや青っぽい感じに戻ってしまいました。
これは露出補正を0.00より下、つまりマイナスにした場合のみ発生、プラス側では発生しません。
この状態で色温度を調整しても、数値は変わりますが、ほとんど画像に変化がなくなってしまいます。
高効率RAWで発生しており、ロスレス圧縮ではまだ試していませんが、現時点で発見した不具合です。
NX Studio側の不具合かなと思いますが、結構面倒なトラブルだけに、早急に改善してほしいですね

魚眼レンズの歪をあえて補正するとこうなる

今回の記事で使用したレンズは、Fマウントの魚眼レンズ、AI AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8Dは、ディスコンとなってしまったDタイプの対角線魚眼レンズです。

AI AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D ブラック
AI AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D(ディスコンとなってしまった最後のFマウント単焦点魚眼レンズ)


執筆時点で、Nikonの魚眼レンズは、魚眼ズームレンズのAF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E EDのみとなっており、Zマウントでは現時点では製品はなく、ロードマップにも書かれていません。
Fisheye 8-15mmは、2017年に発売と比較的新しく、また魚眼レンズは数が出るレンズではないため、しばらくはこの製品のみ継続販売されると思われ、新製品は期待できなさそうですが、個人的にはf値の小さい明るい単焦点魚眼が、Zマウントでも出ればいいのに、と思っています。
AFもいらないなら、海外のMF魚眼という選択肢もありますが、純正であれば、RAW撮影により、魚眼をあえて歪補正して、広角レンズとしても使うことが可能です。

先日、六本木の森タワーのTOKYO CITY VIEWで魚眼レンズで撮影した写真を、歪み補正してみました。

NX Studioのフィッシュアイ補正を使って補正してみた

フィッシュアイ補正は、画像補正により、通常は魚眼レンズの特性である歪曲を直線に補正します。
このため、周辺ほど歪みを補正するために、画像周辺ほど画質は悪化します。
補正後の画像は、周辺ほど画質が悪化しているのが分かります。

ミラーレス時代になり、一眼レフのようにレンズそのものの絵を光学ファインダで見ることがないため、魚眼ではない一般的なレンズも、レンズ自体の歪みはあえて光学的に補正せず、デジタル歪み補正を使っているレンズも多くなっています。ただ、フィッシュアイ補正ほど極端に歪むことはないため、実際の撮影データで補正による弊害を感じる事はほぼないようです。

上の写真は、あえて魚眼らしい歪みをわかりやすく撮った写真です。

魚眼レンズは、水平線を画面中央に入れることで、あえて魚眼の歪感を少なく撮ることも可能です。次がその作例です。

AF Fisheye-Nikkor 16mmは、多くの一般的な魚眼レンズで採用されている、画面の中心からの距離と角度が比例する等距離射影方式(Equidistance Projection )を採用しています。
このため、上のように水平線を中心に持ってくることで、その左右の歪みが逆に抑えられたように写ることがわかると思います。
これをフィッシュアイ補正すると、一般的な広角レンズのように、画面の左右に行くほど歪みが大きくなっているのが分かります。こうした画像では、魚眼レンズの特性を生かして、補正しないほうが、逆に自然に見えます。掲載写真は、若干水平線が中心から外れたために、わずかに水平線の直線が歪んでいますが、しっかり三脚で構図を決めれば、もっと自然な写真が撮れます。

フィッシュアイ補正前後を比較(右が補正後)

というわけで、魚眼レンズ、撮り甲斐があるレンズです。ぜひ使ってみてはいかがでしょうか?

NX StudioではJPGでも軸上色収差補正できます

Photoshop Lightroomなんかでは当たり前の軸上色収差補正ですが、Nikonの無料RAW現像/ビュアーソフトのNX Studioでも補正ができます。RAW画像だけでなく、JPGで撮ったものに関しても適用可能です。

軸上色収差とは?

軸上色収差とは、軸上光束で光軸方向に発生する色収差のことで、例えば白い被写体を撮影した時に、白に含まれる各波長の色によってピント面がずれてしまうことで、色のついたボケが被写体の周辺に発生してしまう現象です。
これは光学ガラスの特徴で、この発生を防ぐた、Nikonで言えばEDレンズのように、この色収差を抑えた特性を持つレンズを採用することが多いです。

DC-NikkorではDCリングをR側にすると、軸上色収差が発生することもある

手持ちのAI AF DC-Nikkor 135mm f/2Dでは、収差コントロール機構(Defocus Control)を搭載しており、無補正状態では、EDレンズ非採用ながら、良好に補正されている軸上色収差ですが、DCリングで球面収差の補正量をコントロールすると、光の状態と被写体によっては、軸上色収差が発生します。

例えばこの写真では、微妙に逆光気味ですが、息子の鬼滅の刃の鬼殺隊服の白い部分に注目すると、白の縁に赤いボケが発生しています。背景は緑の縁のボケが発生しています。
これは写真的には好ましくないのですが、補正で目立たなくすることは可能です。

AI AF DC-Nikkor 135mm f/2D DCリングをR側にセット
NX StudioではJPGでも軸上色収差補正が可能

そこで、NX Studioで補正してみましょう。写真はJPG撮影でしたが、RAWでなくても軸上色収差補正が可能です。ポチッとチェックを入れてみましょう。

どうでしょう? 白の縁の赤い色が軽減されているのが分かります。ただし、背景の緑の縁は消えていません。あり程度明確に発生していないと、補正が難しいからですね。
それでも、わかりやすい軸上色収差は補正できるので、是非試してみてください。

Nikonのもう一つのRAW画像 NRWとは?

Nikonのデジタルカメラ、一眼と一部のコンパクトカメラでは、一般的なJPG画像の他に、RAW(生データ)画像の形式として、Nikon独自のNEF形式、またはNRW系形式が採用されています。

このうち、一眼レフとミラーレス一眼(ZシリーズとNikon 1シリーズ)は、例外なく前者のNEF形式が採用されています。
また、コンパクトカメラのCOOLPIXシリーズのうち、COOLPIX A, COOLPIX 8800, COOLPIX 8700, COOLPIX 8400, COOLPIX 5700, COOLPIX 5400,COOLPIX 5000についても、RAW画像の形式はNEF形式となっています。
ちなみに、かつてのNikonのフィルムスキャナ、COOLSCAN用のNikon ScanもNEF形式で保存が可能でした。

私も以前使っていたCOOLPIX 5400でも、Firmware 1.4でRAW画像で撮影ができるようになりました。ただ、あの当時、ただでさえ撮影レスポンスが悪かったCOOLPIX 5400、RAWで撮ろうものなら、1枚撮って記録するのに10秒はかかっていたのと、当時のメモリーカードはせいぜい256MB(GBではないですよ!)なので、デーッタを食うRAWで撮ることはめったになかったですけど。

Nikon COOLPIX5400のRAW画像はNEF形式(Firmware 1.4で搭載)NX Studioで現像 かつての足尾銅山精錬所(2005年11月)

COOLPIX 5400はNEF形式ですが、RAW現像で調整できる項目は限られます。
現行のNX Studioで開くと、ピクチャーコントロール採用以前のカメラなので(当時の一眼レフでも未対応)、色の濃さや【輪郭強調などは大雑把にしか調整できません。アクティブDライティングも搭載していないので、RAWでも調整項目はブラックアウトします。

ただし、露出やコントラストなどは微調整できますし、D-ライティングHSはカメラに依存せず調整可能、カラーコントロールポイントも設定できるので、全く調整できないわけではなく、割と調整できるな、と言う感じです。ただ、ダイナミックレンジも狭いので、暗部を上げると画像が破綻しやすいのも事実です。

COOLPIX 5400のNEF形式は、NX Studioでは設定できる項目が限られるが、全く使い物にならないわけではない

数少ないNRW形式のカメラは?

RAW画像に対応する多くのNikonのカメラがNEF形式を採用しますが、ごく一部のカメラのみ、NRW形式ということなる形式を採用しています。
NRW形式を採用したカメラは、以下の機種です。

COOLPIX A1000、COOLPIX P1000、COOLPIX P950、COOLPIX B700、COOLPIX P7800、COOLPIX P7700、COOLPIX P7100、COOLPIX P7000、COOLPIX P6000、COOLPIX P340、COOLPIX P330

このうち、執筆時点(2021年9月)で現行機種なのはP1000P950の2機種です。
最初に採用されたのが、P6000で、なぜNEFではなく、別形式のNRWなのかは不明です。

私がかつて持っていた、P7000もNRW形式でした。

COOLPIX P7000でRAW(NWR撮影した画像)NX Studioで現像

なんとなく、NEF形式よりは設定項目が少ない簡易RAW画像、と言うイメージのNRW形式ですが、COOLPIX P7000の場合、むしろかつてのCOOLPIX 5400より設定できる項目は多いです。

最新のピクチャーコントロールと明瞭度以外選択可能

ただし、最新のピクチャーコントロールは適用できず、あくまでカメラ互換のピクチャーコントロールのみとなります。カスタムのピクチャーコントロールは適用可能ですが、最新のピクチャーコントロールにある「フラット」やクリエイティブピクチャーコントロールは適用できません。
それ以外は、アクティブDライティングなど、NEF形式の一眼とほぼ遜色なく現像可能です。
そういうちょっと至らない部分が、簡易RAW画像たるNRW形式なのかもしれません。

あえてNEFとNRW形式を分けた意図は?

結局の所、NRW形式を採用した理由はよくわからないですね。実は、他社も複数の形式があり、CanonはCR2/CR3形式、SONYはARW/SR2/SRF形式があり、やはり機種や世代で形式が変わっているようです。
形式を変えることで、RAW現像側の処理の仕方を変えているのかもしれませんね。

それでいうと、マイノリティなNikonのNRW形式も、そういう事情があるのかもしれませんね。画層ファイルのサイズが小さいのかと思いきや、上のP7000のNRW形式のデータ量は1枚で15MBもあります。10Mピクセルとしては、特段小さくはないですね。不思議です。

それと比べると、フィルムスキャナソフトののNikon Scan時代から、現在に至るまで、多くのRAW画像でNEF形式を採用しているのは、ある意味懐が深いRAW画像形式なのでしょうね。