「ヘリコプター」カテゴリーアーカイブ

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航空科学博物館 屋外展示機1

1日空いてしまいましたが、成田空港に隣接する航空科学博物館、屋外展示機も、小型機中心ながらありましたのでご紹介。

航空科学博物館の屋外展示機

三菱重工 MU-2

航空自衛隊と陸上自衛隊が使用していたため(陸自はLR-1の名称で採用)馴染みが深いMU-2。最近、事実上の事業凍結となってしまったスペースジェットの三菱重工が1960年代に開発したビジネスターボプロップ機で、やはり売上的には赤字だったものの、販売自体は好評で、700機以上を販売しました。
どうも黒字化できないのは、三菱重工の開発形態や販売体制の稚拙さであるのは、今も昔も変わっていないようですね。
自衛隊向けの機体開発ならともかく、民間機として販売するには、海外展開が重要、とくに航空大国アメリカを相手にするには、並大抵のことではないですね。

お馴染み 日本航空機製造 YS-11

ここで説明するまでもない、1960年代に開発され、民間機としては2000年代まで運用されていた国産旅客機YS-11。展示機は開発試作機のJA8611が展示されています。PROP-JETという、ターボプロップ機であることを示す機体の文字が、時代を感じさせますね。
エンジンは、ロールスロイス・ダートで、これを搭載した、執筆時点で唯一現役の、航空自衛隊のYS-11FC (52-1151)がまもなく退役となる予定です。

2019年入間航空祭におけるYS-11FC(52-1151)のデモフライト

なお、エンジンをGE T64に改装した機体も航空自衛隊では現役ですが、これらも後数年内には退役でしょう。

シコルスキー S-62

1960年代以降、海上自衛隊の対潜ヘリHSS-2として採用されるほか、世界各国で使用され、今も米大統領機としても使用され続けているシコルスキーS-61を単発エンジン化し、機体を縮小したのがシコルスキーS-62です。ベースとなった機体はS-55ですが、S-55がレシプロエンジンで600馬力だったのに対し、S-62はターボシャフトエンジンとなり、馬力も倍以上の1250馬力となったため、飛行速度や積載力も上がり、救難ヘリとしても余裕の出力だったようです。

S-61と同様に、前輪の格納場所にフロート、機体の底も船のような形状とし、着水能力があります。
実機を見て初めて気が付きましたが、エンジンの空気取り入れ口は中央ではなく、左側にオフセットしているのですね。

鮮やかな色の機体は、現役当時からこの色だったのかな?
Wikipediaには記述がありませんでしたが、自衛隊以外に海上保安庁でも使用されていたようで、この機体は海上保安庁から寄贈されたものだそうです。

ちなみに展示パネルには、エンジンは730馬力と書かれていましたが、定格出力を抑えて使用されていたようです。

続く…

【百里基地】20/9/10の記録 その1

7日(月)に小松基地から飛行教導隊(アグレッサー)のF-15DJが百里基地に展開、今週いっぱい訓練…のハズでしたが、諸事情により早めに戻ることになったそうです。

本当は、アグレッサーを撮りたかったのですが、1日早く帰投、早朝は家庭的事情により行くことが出来ないため、アグレッサーの撮影は諦めて、ファントムが撮れればいいかな、ということで向かいました。

案の定、私が到着する1時間前には、アグレスは帰投したようですね。

到着時、どこで撮ろうか迷いましたが、結果的にはここで良かったなーとなりました。ちょうど4機フォーメーションで301SQのファントムが飛んできました。

4機のファントムはタッチアンドゴーを行い…

上空をフライパス、カッコいいです。

そして今度は着陸進入。

スペマファントムは見れなかったけど、獅子丸こと440号機含め、いつもの機体が元気に飛んでいて、楽しかったですよ。
COVID-19の影響で、今年度全ての航空祭や自衛隊イベントが中止に、そして今後のニューノーマルの世界では、イベントも制限されそうです。
こうして生で見る機会は確実に減るわけです。今までは本当にラッキーだったんだなと、改めて思いましたね。

続く…

2009年の富士総合火力演習

11年前の今日、じゃなくて1日早いですが、2009年8月31日の富士総合火力演習の写真を、今回アップしてみます。人生では、確か3回目くらいの撮影だったような?

2020年の総火演は、COVID-19の影響で、時期も5月に、そして一般観客無しでのLIVE配信となりましたが、確かに早朝から並んで、まともに見れないシート席で、雨や気温を心配しながら見るよりは、自宅から、普段絶対見られないアングルから見られるライブ配信、今後主流になりそうですね。

2020年 令和2年度富士総合火力演習のアーカイブ

ただ、撮影好きとしては、やっぱり生で見て、撮影したいというのはありますけどね。今の機材で撮影したいな。

この時は、地べたのシート席、かつかなり後方だったので、地上の車両はまともに撮ることが出来ず(今見返すと、必ず人がかぶっている…)、ヘリとか航空機がメインになってしまったな。当然、戦車の発砲炎なんかも撮れなくって、そもそも戦車自体がまともに撮れなかったな。

富士の裾野にある演習場は、さすが山の天気、といった具合に、行ったことのある人ならご存知でしょうが、とにかく天候の変わりやすい場所です。
この日は早朝から演習開始当初については晴れていましたが、一気に雲が来たかと思うと、霧も発生。

空挺が始まった11時には霧が濃く、それでもちゃんと目標地点に降りてくる空挺隊員に、痛く感動したものです。

終わり~FinePix F200EXRの絵は青かった…

後半はヘリの撮影ばかりになってしまいました。もうこの当時、AH-64Dアパッチ・ロングボウが飛んでいましたね。
そして、AH-1Sコブラの後継機はまだ決まらず。

11年前ともなると、一昔前ですが、写真に写っているヘリも車両も、多くは現役なんですね。もちろん、16式機動戦闘車や19式装輪自走りゅう弾砲など、その間に登場しましたが、やや近代化に遅れているのが実情ですね。


COVID-19で新しい生活が始まっていますが、来年以降、こうした自衛隊のイベントがどこまで開催されるのか、また延期となった東京五輪が果たして開催できるのか(個人的には厳しいと見ています)、そしてイベントの見せ方をどう変えていくのか、その辺りが気になるところです。
総火演は、ここのところの夏の猛暑を考えると、今年と同様、5月開催が理想に思うし、観客も大幅に減らしての開催が理想なのかな、と個人的に思うところです。見るだけなら、配信のほうがよく見れますしね。

久しぶりの厚木基地撮影

夏休み期間中の航空機撮影、横田基地に行こうかも迷ったのですが、横田は前々日のホーネット飛来、そして行ってしまったので、祭りのあとと言う感じですし、のんびり撮影したいなぁと言うことで、厚木基地に行ってきました。2年ぶり?

P-3C (5074)

気温は37℃、猛暑?酷暑? とにかく、水分補給はしっかりと、他にギャラリーもいないし、綾瀬スポーツ公園はしばらく来ないうちに駐車場も有料になったようで、ここにもギャラリーはいなかったので、いつも厚木ではここ、と言うスポットで、上がりを撮ろうかとスタンバイ。車で待機しながらなので、日陰で楽なんですわ。

午前中は残念ながら撮影成果ゼロ。
気を取り直してまず降りてきたP-3Cを撮影。しかし、以前と比べるとP-1哨戒機が増えて、P-3Cは退役が進んでいる感じですね。

米海軍のMH-60Rが上がりましたが、その後しばらくは成果なし。遠方には、退役したSH-60J(8263)と、その奥にはP-3Cの残骸が置かれていました。どちらも退役が進んでいる機体ですね。

そして、今日はもう撮影諦めようかなぁと思っていた時、ラジオが入りまして。

P-1の5504号機飛来。どうやらローパス訓練だったご様子。ちょうど撮影ポイントが良い場所でした。かなり近い!

何度もローパスしていきます。ギャラリーは他にいなかったので、自分だけ撮れて、ちょっと嬉しいですね。

他にもP-1が降りてきていましたが、5504号機だけが、何度もローパス訓練を繰り返していました。

大型機の切り取り方のトレーニングになったかな? ロクヨンでテレコンなし、写真は一部トリミングしていますが、ちょうど600mmで良い感じに切り取れました。天気も良かったので、久しぶりに青空背景で撮れた気がします。

UH-60L (96-26702)

珍しく米陸軍機のロクマル、米陸軍機はよく分かりませんが、レジ番号から、UH-60Lらしいです。

最後に、部隊マークもない米海軍のC-40A(B737-700ベースの輸送機)が離陸して、ここで撮影終了。

たまには戦闘機ではない機体を撮るのも楽しいですね。写真の切り取り方の勉強にもなりますし。

【百里基地】20/7/29の記録2

お昼を挟んで…撮影ポイント移動。天気もそんなに良くないのに、結構ギャラリーいてびっくり。

移動してまもなく3SQが降りてきた。

引き続き、ロクヨンにX1.4テレコンで。600mmと850mm、かなり違います。フレーミングは本当に難しいです。
加えて、AFの設定も見直しが必要と思いました。
何しろ、SIGMA 150-600mm SportsよりAFも速く、絞りもやや開け気味で撮れるので、被写界深度が浅い。ちょっとしたミスが目立つ目立つ。
4ヶ月ぶりの撮影で、リハビリを兼ねているけど、いきなり課題を叩きつけられた感じ。

F-2は機体が小さめなので、x1.4テレコンはあったほうが良い感じです。撮影難易度もぐんと上がります。
そして、連続で降りてくると、後半バテますね。レンズが重いです。腕(技術的にも筋力的にも)を鍛えねばですね。
これがロクヨンEなら相当負荷が軽減されるのでしょうね。

陸自のUH-60JAが来ました。

そして3rd上がりは、またまた3SQのF-2です。百里基地、すっかりF-2が主役で、ファントムはどんどん退役していて、フライトもだんだん減ってきているのでしょうね。

遠方から眺めると、見える機体もF-2がメイン、ファントムは端に駐機している感じですね。

そして上がりも、単発機だけにエンジン音は、ファントムやイーグルと比較して静かです。

この時点で15時近く、今日のファントムの上がりはないのかな…と思っていました。

UH-60J(SP) (08-4590)

さて、帰ろうかどうしようかと迷っていると…聞き覚えのあるエンジン音が。

続く…

まさかのチェッカーYS-11を捉えた!

Twitterには上げましたが、PCでRAW現像して改めて。

昨日、なんと自宅から、入間基地飛行点検隊所属のYS-11FC(52-1151)が飛んでいるのが見えました!

YS-11FC(52-1151)

戦後初の国産旅客機として知られるYS-11も、既に民間、海上保安庁、海上自衛隊からは引退して久しく、残すは航空自衛隊の7機(執筆時点)となっています。

その中でも、写真の151号機は、1965年(昭和40年)導入の、最古の機体で、初期型の機体で採用されたロールスロイスのダート10を現在も使用する機体です。

飛行点検隊(通称:チェッカー)は、基地の航空保安施設、航空管制施設などの点検、強化をする部隊で、YSの151号機は、同部隊最後のYSで、今年度内に退役すると言われています。既に後継機のU-680A(セスナサイテーション680)が納入されていて、これが正式運用されれば、いよいよYSの引退となります。

最近入間基地は行っていないので、航空祭前に引退すると思われるこのYSも、飛んでいる姿を撮影する機会も多分ないのだろうなぁ…と思っていましたが、まさか自宅から撮れるとは! この時間、まだエアコンを付けず窓を開けていてよかった…。窓を閉めたら音に気づかないですからね。

そしてきっかり1時間後、今度は逆方向にまた飛んでいるところを捉えることが出来ました!

2,3枚目は陽炎の影響で解像度出てませんが、記録写真ということで。いずれの写真も850mmからDXクロップした上に、更に鬼トリミングしていますが、そんなのでもWebに載せる程度なら問題ない画質で撮れてしまうのが、Nikon D850の良いところですね。

いや、まさかチェッカー機を自宅で見れるなんて! また来てねw


昨日は珍しく色々収穫がありまして、他にもこんな機体が。

東邦航空 AS350(JA9878)

初めて見た黄色の東邦航空のAS350、旧阪急航空(廃業)から引き継いだ機体で、1990年製ですから、ヘリコプターとしてはだいぶ古い機体です。
なにか四角い箱をぶら下げていますが、観測機器なんでしょうか?
ご存知の方いらっしゃいましたら、コメントお願いします。


夜、娘が「飛行機飛んでるよ~」と見つけてくれた機体。

この時間、ちょくちょく見かける米空軍横田基地所属と思われるC-130Jの4機編隊。遠方で旋回して、多分この後横田に降りたんでしょうね。
2枚めは久しぶりにロクヨンにつけっぱなしだったTC-14EII(1.4倍テレコン)を外して撮影。

これから湿度が上がり暑くなって、望遠撮影は陽炎と霞との戦いになりますが、我が家の上空に飛行機が来るのは歓迎ですから(笑)、是非撮られに来ていただきたいです。

闇夜の写真は救済できる?

シリーズ化した…というわけじゃないですが、ネタブログということで。

自宅ベランダからのテレ(望遠)ワーク、夜もたまにヘリや飛行機が飛んで来たるするのですよね。ただ、夕暮れなら映えてくれていいですが、夜だと基本真っ暗で、航空灯火しか見えないってことがほとんどです。機種も肉眼で判別できない。

そんな状況でも、Nikon D850のAF、中央は-4EVに対応するため、テレコンをつけたロクヨンでもビシッと合います。まあ灯火類があるので、純粋に真っ暗な被写体ではないですけど…。で、撮れるには撮れるけど、まあ真っ暗ですから、結局はなんだかわからない真っ暗写真になったりします。

撮って出しのまま出力 ISO25600で撮影

そこで、RAW現像で救えないか試してみました。ある程度なら、センサ側にわずかにでも情報が残っていますし。ただ今回は本当に真っ暗。果たして。

Capture NX-Dで+1.0EV露出補正

Capture NX-D(+1.0EV補正)

ピクチャーコントロールはフラットに、+1.0EV程度では全くヘリのディテールがわかりませんね。暗部が持ち上がっただけです。

Capture NX-Dで+3.0EV露出補正

Capture NX-D(+3.0EV補正)

では+3.0ではどうかというと、ノイズが増えただけでした。ノイズリダクションは特にいじっていないので、残念ながら、今データにはまったくもって機体の輪郭が分かるような情報は残っていないですね。

ここには載せませんが、Capture NX-Dは、+5.0EVまで露出補正が可能ですが、+5.0EVでも、もっとノイズがひどくなっただけで、機体の輪郭は見えませんでした。合唱?

Capture One Expressで+1.0EV補正と微調整

Capture One Express(+1.0EV補正と微調整)

無償のCapture One Expressも、Capture NX-Dのようなゴミ消しツールや字コントロールポイントはないものの、純粋にRAW現像での画像調整項目が多く、なかなか優れたソフトです(カタログファイル作成はうざいですが)。

自動調整ではノイズだらけになってしまったので、手動で+1.0EVに露出補正し、微調整してみましたが、ノイズもデフォルトでは結構多めなんですね。イマイチな結果でした。

Luminar 3ではもはや遊んでみるしかなかった

Luminar 3で闇夜に太陽を追加してみたが…

無償公開され話題のLuminar 3ですが、もはやどのソフトでも救済困難な画像なので、AI Image Enhancerをベースに、露出+1.0EV、闇夜に太陽光を追加。あれ、太陽光なのに光芒だけで、太陽そのものはどこに? 色々調整していると、中心に星(というかノイズ)が現れて、もはや何が何やら(笑

お迎えが来そうな画像になりました。


こちらも、元の画像が良くないと、どうしようもないね、という良い見本となりました。シャッター速度は、ブレを恐れて1/200秒でしたが、もう少し落としても良いかな。ただロクヨンにテレコンで850mmのレンズを、手持ちで撮っているのですから、あまりシャッター速度を下げられない。いくら手ブレ補正があっても、動く被写体では限度があります。

早くまともに飛行機を撮りに行きたいですね。

SH-3/HSS-2シーキングは傑作機だよねぇ

JMSDF HSS-2B(8164)陸上型

いやね、好きなんですよ、ちょっとブサイクなこの機体が♪

Yamaroが人生で初めて乗ったヘリコプターが、写真の海上自衛隊のHSS-2Bシーキングでした。
立って歩けるくらい中は広く、その後乗ったUH-1Jが、基本席に座ったまま、立って歩けない機内、というのとは対象的でした。

写真は1998年の千歳基地航空祭のゲスト機としてきていたもので、残念ながら、現役時のシーキングの写真は、自分が撮ったものではこれが最新だったかなと。今みたいにデジタルでパシャパシャ何枚も撮れる時代ではなく、まして貧乏学生の身分、フィルム代と残撮影枚数とにらめっこしながら撮っていました。

ちなみに、その人生初めてシーキングに乗ったときは、乗り込むときから降りるときまでを、ビデオ撮影しましたが、これがまたHi8(8ビリビデオ)撮影だったので、今や見る手段がないという…。まあこれはDVだったとしても、同じことですけど。

海上自衛隊の対潜ヘリは、後継のSH-60Jが1991年から運用され、HSS-2Bは2003年に全機引退しました。1998年撮影の写真の機体は、HSS-2B末期生産の機体で、艦載型と陸上型のうちの、陸上型で、艦載型と違い着艦のための装備がなく、またソノブイとESMの運用能力がない、陸上基地からの運用を前提とした機体でした。

初飛行はF-4ファントムIIと同じ、1959年

1950年代から70年代にかけては、アメリカの航空産業は活発かつ大量の新機種を開発していました。そんな時代だからこそ、失敗だった機種も多いし、反対に大成功した機種も多い。F-4ファントムIIも未だ現役国があるように、シーキングの原型であるシコルスキーS-61は、1959年に初飛行して以来、輸送ヘリや対潜ヘリとして成功し、対潜型はアメリカでも海上自衛隊でも現役を退いていますが、輸送型やその派生型が今でも現役だったりします。

アメリカの大統領専用ヘリ「マリーンワン」が、2020年時点で未だにシーキングの派生型、VH-3Dなのも、後継機の開発に手間取ったのもありますが、その使い勝手の良さがあるでしょう。
前述のように、立って歩けるくらい広い機内のVH-3Dに対し、その後採用されたVH-60は、対潜ヘリとしてもSH-3/HSS-2の後継機となったSH-60系のヘリで、機体はシーキングより小さく、機内も腰をかがめないと移動できないため、大統領専用機ヘリとしては狭く、あくまでバックアップの位置づけとなって、VH-3Dが主力ヘリとして使われ続けています。
そのVH-3Dも、いよいよ後継機のVH-92(S-92ベース)が開発段階にあり、数年後には引退の予定です。

シーキングが米大統領専用ヘリVH-3Aとして採用されたのが1961年、現在のVH-3Dが1978年ですから、初代から60年近く運用されているわけです。後継機がなかなか決まらなかったとはいえ、一般に固定翼機より寿命が短いと言われる回転翼機で、ここまで長く使われる機体は他にないでしょう。

機種型式、S-61?HSS-2?SH-3?

上の文章を書いていて、何だかいろいろな機種名が登場してしまいましたが…

もともと、製造メーカーのシコルスキーの社内型式がS-61で、これをベースに対潜ヘリとして、米海軍がHSS-2の名称を使用しました。

そのHSS-2の名称で、海上自衛隊も採用し三菱重工がライセンス生産しましたが、米海軍では、その後機種名をSH-3に改め、海上自衛隊はそのままHSS-2の型式名称を使い続けたため、同じベースながら複数の名称が存在します。

海上自衛隊でも、輸送機型はS-61Aの名称です。

ライセンス生産したイギリスでは、メーカー名称が頭に入ったウェストランド・シーキング〇〇○という名称ですし、同じくライセンス生産したイタリアでは、製造したアグスタの頭文字が入ったAS-61です。
カナダではCHSS-2→CH-124という型式で、2018年まで使用されていました。30カ国近くで運用された実績があり、それぞれの国での名称があるということですね。

世界の傑作機「シコルスキーSH-3シーキング」は絶版なのね…

ネットで様々な情報が得られる昨今ですが、ネット普及以前の情報は、今でも書籍のほうが上でしょう。

手持ちの書籍でもお気に入りの、世界の傑作機シリーズ「シコルスキーSH-3シーキング」、1999年のこの本も、20年以上経過した現在、残念ながら絶版ですが、古本でも見つけたらぜひ手にとって欲しい1冊です。

なぜ長く使用されている?

ここからは、世界の傑作機内の記述も引用して、個人的見解を書いてみましょう。

  1. 強力な1200~1500馬力級のガスタービンエンジン2機搭載で出力に(当時としては)余裕があること
  2. 適度に大型な機体であること
  3. アメリカ以外でもライセンス生産されて独自の発展を遂げた

なんだかんだでこの3点が大きいのではないかなと。

1と2は、元々海上で対潜ヘリとして使用することから、安全性のため双発であることは必至、加えて開発当時の対潜機材が大きく重かったため、それに合わせて出力の大きなエンジンと機体が必要なことが挙げられるでしょう。
その結果、対潜機材を下ろせば、広い機内となり、出力にも余裕が生まれるため、輸送機として使われることにもなりました。

対潜機としては、重たい対潜機材のため、夏場の高温下での運用は出力低下もあるため、HSS-2B陸上型では、夏は燃料満載状態での垂直離陸ができず、滑走離陸だったそうです。
その分、対潜機材のない輸送機型では機体が軽く、出力は余裕があったと言われています。
実はシーキングは、当時のヘリコプターの速度記録(339km/h)や上昇記録、平均移動記録なども持っていて、当時のヘリコプターとしては、大型ながら強力なエンジンで俊足だったことが伺えます。

適度に大型というのもポイントで、この規模の機体を、カナダや海上自衛隊ではフリゲイトクラスの戦闘艦に艦載機として運用していましたが、このギリギリの大きさが、これより大型のチヌークやH-53系より扱いやすいのでしょうね。

そして、3も大きなポイントでしょう。
アメリカシコルスキー社製以外に、海上自衛隊は三菱重工がライセンス生産し、初代のHSS-2から、HSS-2A、HSS-2Bと独自の発展を遂げて、最終的にB型では、一部対潜機材は米海軍のSH-3より優れていたともされています。また、海自のHSS-2系は対潜型167機、輸送型が5機生産され、単独国では生産数は多めです。
イギリスでライセンス生産された、ウエストランドシーキング、イタリアのアグスタ製シーキングは、世界各国に販売されました。

後継機は?

現在、シーキングは、後継のH-60系、S-92系、EH-101(AW101系)それぞれの機体に更新されていますが、機体規模としてはH-60系は小さいため、実質後継機は同じメーカーで機体規模も同程度のシコルスキーS-92、そしてかつてシーキングをライセンス生産していたアグスタとウエストランドが共同開発したAW101でしょうね。

生産数としては、先に開発されたAW101のほうが多く、海上自衛隊も掃海輸送機としてMCH-101の名称で採用しています。

警視庁もEH-101の民間型を1機のみ採用しましたが、元々軍用機として開発された機体で、末期は部品取得が難しかったようで、2018年に退役しています。
また、警視庁はS-92Aも2012年より運用していましたが、こちらもつい最近、わずか8年の運用期間の後2020年4月に退役したようで、この手のヘリを軍用以外で運用することの難しさを物語っています。

シーキングもS-61の民間型は何カ国かで運用されていましたが、S-92とAW101は民間運用は難しそうな感じですね。同規模の機体は、AS332やEC225シュペルピューマが軍民警察問わず世界各国で運用されていて、シュペルピューマは比較的安価で使いやすい機体のようですね。

外出自粛生活中のGW休みも案外早い

ずーっと家にいる生活の中で、GW休み、飽きてしまうかなぁと思いつつも、案外そうでもなく、気がついたらこの週末で連休終了です。

(ちなみに、私の職場はカレンダーの旗日と関係なく、連休は会社のカレンダーで設定されています)

CH-47J(LR)

晴れて風が弱いと、地表から離れていても陽炎の影響が出る。入間基地所属のCH-47J(LR)ですが、Web用に縮小しても絵が波打っているのがわかります。エンジンの排熱の影響も出るし、望遠レンズは環境要因も関わってくるので、難しいですね。


誰もいなかったので、ちょっとだけ公園

体力維持のお散歩も、GW休み期間中だから出来ること。テレワーク中は自宅にいなけれなならないので、お散歩はできません。

お散歩途中で見つけた公園も、誰も遊んでいなければ、ちょっとだけ子供を遊ばせています。もちろんマスクは着用。レンズ絞りは開放で。(関係ないw)

お散歩レンズ、AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G EDは最適です。手持ちのレンズで唯一、発売前に予約して買って、もう6年なんですね。
絞り開放では、ほんの少し収差がまとわりついて柔らかい描写ですが、ちゃんとピントに芯があるのはさすが。これがAF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gだと、開放は解像力も下がってしまうので、DXフォーマットのカメラでも、DXでない35mmのほうが画質は良いですね。最も値段は実売で3倍近く差があるので、DXのコスパの良さは光るところです。


散歩から帰ってきて、また自宅から撮影した、米軍のC-130J。1,2枚めは思い切りトリミング。YJと垂直尾翼にあり、横田基地所属の機体ですね。2機編隊で飛んでいきました。


娘の小学校も、5月いっぱいの休校が決まり、自分も今月いっぱいはテレワークになりそうですね。さてどうなるやら。

AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED、こういう一見何の変哲もない普通のレンズで良い絵が撮れるようになったら、写真の上達第一歩と個人的に思います。
軽量なので、フルサイズ機でもDX機でも、標準レンズに1本どうぞ。

【テレワーク】JALの五輪塗装機とかUHナイトとか

私、本日からGW連休ですが、外出自粛な現在、お家でできることをしていくしかないかなぁと。掃除とか衣替えとかですかねぇ。急に暑くなってきましたし。

夕方、日々降りてくる飛行機を撮るのも、本当のテレワーク中の息抜きになっていますが、日に日にフライト数も減っているように感じますし、機体も小型のB737系が多いですね。

そんな中、降りてきたのが東京五輪の特別塗装機。初めて見ました。
去年の4月から運行していて、今年の10月末までの運行予定だそうです。

この塗装、来年また見られるのだろうか? COVID-19、早く収束して欲しいですね。


で、今度は夜になって飛んできた自衛隊のUH-1J。

なんか光ってる! 何なんでしょう? ISO感度はD850の常用感度最大のISO25600まで上げてますが、シルエットしか写っていないですね。

しばらくして、今度は2機編隊で飛んできた。肉眼でもライトしか見えない。ISO25600ではもはや機影もわからないですね。
それでも、テレコン着けて開放でf5.6にもかかわらず、AFがちゃんと合っているっぽいのはさすがです。

ところで、普段って夜はこんなに光っているのかな?
今度はもう少し感度上げて撮ってみますか。