「技術系」カテゴリーアーカイブ

網戸がすぐ外れるので戸車を修理してみた

築20年近いマンション、いろいろガタが出てきています。
分譲マンションの賃貸を、社宅として借りて9年住んでいますが、この数年はガスコンロに食洗機、先日はトイレのウォッシュレット交換となりました。
20年も経てば、色々不具合が出てきますね。

さて今回は網戸。ベランダの網戸、ここ何年か外れやすくなっていて、そのたびにつけ直して調整をしていたのが、ついにどうやってもすぐに外れるようになったので、戸車をチェックすることにしました。

戸車とは、編みやサッシ窓をレールでスライドさせるための車輪が組み込まれた部品です。
網戸をひっくり返してみました。

豊和工業網戸 

少し見づらいですが、ここに車輪(ローラー)が着いています。表側からネジ回すことで、車輪の高さを調整することが出来ます。戸車を外してみました。

車輪の調整ネジを回すことで、車輪が下がり、これで本来は網戸が外れなくなる構造です。が、このネジ部分が壊れていて、高さがすぐに戻ってしまいます。

高さ調整ネジ取付部にクラック(ひび割れ)あり

よく見ると、高さ調整ネジの取り付け部分にクラック(ひび割れ)が発生しています。これで負荷がかかった時にネジが効かなくなってしまうようです。

交換部品を調べてみると…

部品廃番でした

ネットで調べてみたところ、同じ形状と思われる、豊和工業のE型?の部品は廃番のようです。他に、Amazonや楽天などいろいろ調べても出てきませんでした。残念ながら、もう買えないようです。
別に社宅扱いの賃貸マンションなので、不動産屋に言えばいい話ですが、とにかく不動産の対応が遅いので、とりあえず自分でなんとかしてみます。

プラリペアで割れた部分を補強する

クラック部分をV字にカット

まずはクラックの入った部分を、V字にカットします。

プラリペアを使用

ここで登場するのがプラリペア。以前も当ブログで登場しましたが、プラスチックを形成できる粉末と溶剤のセットです。強固なプラスチックを造形できるので、こうした補修にぴったりです。

V字カットした部分にプラリペアを流し込む

V字カットした部分に、プラリペアを流し込みます。これで、クラックした部分の広がりを防いで、ネジがしっかりかかるようにします。
念の為、ネジ山部分にもプラリペアを流し込みました。固まる前にネジを入れておきます。
プラリペアは5分で硬化完了するのも良いです。接着剤だと、丸1日かかるし、ベースが劣化しているので、そこまで強固にはなりません。

これで修理完了。ただ、車輪の取り付け部分自体もたいぶガタが来ていて、対処療法でしかないのは確か。補修部品が手に入らない以上、今後外れやすくなったら、網戸毎交換ですね。その際は大家さんにご相談となりますね。
自衛隊に小銃も納品している豊和工業さん、補修部品、使いたい頃に廃番にしないで~と強くお願いしたいです。

購入から10年近いREGZA ZG2のタイムシフトHDDの改装を試みる

家電、人生の転機に買うことって多いですよね。
我が家のテレビも、ちょうど家を新築した際に購入したものです。現在栃木の自宅は、転勤で賃貸として、年末には10年目を迎えるのでメンテナンス(壁と屋根塗り)に入る予定ですが、家電にとっては10年は節目ですよね。だいたい不具合が出て、買い替えのタイミングですね。

10年前、タイムシフトHDDはテレビ内蔵だった

今や本家東芝の手を離れてしまって、ブランドのみとなったREGZAですが、当時は他社を抜きん出たマニアックなメーカーでした。
タイムシフトマシン機能は、HDDに最大6チャンネルの地上波放送を同時録画でき、過去にさかのぼって視聴できる機能です。録画忘れしても、タイムシフトのHDD内のデータが上書きされない限り、過去にさかのぼって視聴することが出来ます。そのため、チューナーも多数積んでいて、我が家のREGZA ZG2も、タイムシフト用に6チューナー、裏録画用に2チューナー、通常視聴用に1チューナーという構成で、当時としては相当な高性能機でしたね。当時、スマホアプリとも連携できましたね(現在アプリは公開終了)。
妻はこのタイムシフトを気に入って、よく使っていました。

ZG2 SERIES 〈レグザ〉の最高峰。タイムシフトマシン搭載。プレミアムハイエンドモデル 55V型・47V型・42V型
購入投資はCELL REGZAを超える画質と高機能も売りだったZG2シリーズ

が、HDDは寿命があります。録画用のHDDは、テレビ購入4年でクラッシュして、延長保証交換しています。
逆に稼働率の高いタイムシフト用HDDは、壊れることなく使い続けられてきました。が、去年から、タイムシフト録画を再生しようとすると、再生できない不具合が。HDDを初期化してみても、6チャンネルのうち3チャンネル分が再生できなくなってしまいました。

REGZA ZG2シリーズは、タイムシフト用に750GBのHDDを2台内蔵していて、HDD1台あたり3チャンネル分を録画しているようです。そのうちの1台がクラッシュしてしまったようで、3チャンネル分しかタイムシフト再生できない状況でした。

現在の殆どのテレビは、録画用HDDは内蔵ではなく、USB接続の外付となっているのは、恐らくHDD内蔵時代、不具合修理が多かったせいでしょうね。HDDの管理は個人でやってね、となったのもうなずけます。外付けなら、クラッシュしても自分で交換できますから。

単純にHDD交換しても初期化出来ないZG2

さてREGZA ZG2シリーズですが、内蔵HDDを単純に交換できない機種です。これまで、いろいろな方が交換にチャレンジし、失敗してきました。というのも、単純にHDDを入れ替えても、テレビ側がHDDを認識しないのです。どうやら、内蔵HDDには特殊なパーティションと記録方法が用いられていて、それがないと、テレビ側で初期化しても、初期化に失敗するようです。

既にメーカーも去年(2020年)の時点で、販売から時間がたった機種なので、修理対応不可との連絡がありました。まあ4K の時代ですしね…。

ところが、2021年に入って、価格コムの掲示板に、HDD改装成功の書き込みがありました。そんなわけで、自分もチャレンジすべく、ジャンクのHDDを調達。

ジャンクのWD7500BPVT 750GB 2.5in HDD

REGZA ZG2の内蔵HDD、耐久性の低い2.5インチのHDDなんですよね。恐らくスペースの関係でしょう。
ジャンクのHDDも同じ750GBを購入。これがネットではなかなかないし、あっても妙に高かったりだったので、これは秋葉原のジャンクショップで購入。

ジャンクのWD7500BPVT 稼働時間も少なく問題なし

HDDの状態も、CrystalDiskInfoで調べたところ、仕様時間も344時間と少なく、問題なく使えそうです。

まずはZG2のタイムシフトHDDを取り出してみる

価格コムの掲示板の情報では、まず元のHDDのデータダンプが必要とのことなので、幸い片側のHDDは生きているので、これをコピーすることに。
ではテレビの外装を外します。
※ブラウン管テレビほど危険ではないですが、部分的に高圧がかかっています。技術者以外は真似しないように!

きったねぇ!

10年分(録画HDD交換時に清掃しているとすると6年分?)のホコリがぎっしりです。特に空冷ファンは見るも無残にホコリで埋まっています。デジタル時代になって、テレビもいわばパソコンと同じ。空冷ファンが付いていても、ホコリが後も堆積しては、冷却もままならないでしょう。よく動いていたなという印象。これだもの、10年も経てば、不具合も発生しておかしくないです。
まずは清掃から入りました。これだけでも、裏蓋を開けた価値がありますね…

液晶パネルはLG製、今やLGパネルが世界を席巻しています。日本がブラウン管とプラズマに固執した結果ですね。有機ELパネルも、LGが優位に立っています。
HDDはタイムシフト用の日立の2.5インチ 750GB HDDが2台、重ねて設置されています。何故重ねたのか…コレでは奥のHDDは放熱厳しいですね。

取り外したタイムシフト用HDD 日立HCC547575A9E380

かつて日立もHDDを生産していました。懐かしいですね。その後HGST(日立グローバルストレージテクノロジーズ)となり、さらにWD(ウェスタンデジタル)の参加となり、今はHGSTブランドのHDDは消滅してしまいました。
さて外した2台のどちらかが不具合なので、調査してみます。

あれ、2台共読めています。1台はクラッシュしたかと思いきや、代替処理済みのセクタは出ていますが、これは読み書きできないセクタを飛ばしているので、現時点では使えているとうことになります。
ということは、このHDD、近い将来本当にクラッシュして読めなくなる可能性はありますが、現時点では読めているようです。

未割り当ての128MBにモデル名やシリアル情報などが書かれているらしい

やはり特殊な書き方をしているっぽいことは、HDDのパーティションが区切られていない領域に、モデル名やシリアル情報を参照している領域があるようです。しかし、面倒なことをしてくれるものですね。

工場出荷時設定で復活

というわけで、今回はあえてHDDは交換せず、そのまま戻して、工場出荷時設定にテレビを初期化してみました。設定を一からやり直したところ、問題なく両方のHDDでタイムシフト録画が出来ているようです。
時々再生までにもたつくのは、恐らく代替処理済セクタのあるHDDが、やはり不調と思われます。そう長くないうちに、本当クラッシュするかもしれないし、このまま使えるかもしれない。
どちらのHDDも、使用時間は5万時間近くに達していて、熱耐久の厳しい2.5インチHDDとしては、そろそろ寿命が来てもおかしくない頃です。

HDDの寿命は、はっきり言って運次第ですから、とりあえずはこのまま使って様子見したいと思います。自分は殆ど今テレビを使わないですし(子どもたちがメインかな)。

とりあえず、今回は改装せず終わりましたが、今後クラッシュした際に、価格コムの情報を元に、改装してみたいと思います。HDDも買ってあるしね。

21年モノの扇風機の首振りが壊れたので開けてみた

寝室で使っている扇風機、首振りをすると、内部からカラカラ音がして、最近首振りの動きも渋い。
特に音がカラカラと大きくなってきたので、開けてみました。
妻が一人暮らししていた若い頃に買った、21年前の扇風機です。

※電化製品の整備は、知識のない方は危険ですのでやめましょう。全て自己責任でお願いします。

ドウシシャの2000年製のハローキティ扇風機

この機種は、首振りはリモコンまたは本体のスイッチで独立して動作します。昔からある、本体のノブを引っ張って首振りさせるタイプではありません。

写真のぶらんとしているのが、首振り用のモータです。この先端が回ることで、メカリンクにより首振りします。
この状態で首振りをオンにすると、モータは回りますが、トルクがものすごく弱い。指で摘むと止まってしまいます。止まると中でカラカラ音がする、これが異音の真相ですね。

モータは台湾のANN YIH PRECINEのAM-03

モータは台湾メーカーのANN YIH PRECINEのAM-03というもので、回転速度は2.5/3rpmと超低速。内部で相当な減速比で減速させているようです。
検索してみましたが、同じモータを入手する手段はなさそうです。

ちなみに、同スペックの似たモータであれば、Amazonで買えそうですが…

モータ内部はこんな感じで、複数のギヤで大きく減速させている

スペック的には良さそうですが、問題は、モータシャフトの接続部のサイズと形状で、ここが違うので、単純に付け替えるというわけには行かなそうです。
しかも値段は千円を超えます。安い扇風機なら、3千円程度で買えるのに、わざわざ21年前の扇風機に投資するかと言われると…微妙です。
Yamaroの本業では、メカメンテナンスもやっていたりします。部分的に直すか、ごっそり交換するか、修理不能判定を出すかは、修理にかかる時間と部品コストからトータルで判断します。
今回は修理不能と判断しました。

異音は恐らく、内部のギヤが欠けていて、トルクが伝達できず、外力がかかるとギヤが歯飛びして空回りしているのでしょう。
このモータは封印されていて、こじ開けてみようと思ったけど、うちにある工具ではびくともしませんでした。

仕方ないので、新しい扇風機を検討します。DCモータので5千円台なら買いたいな~と思ってコジマに行ったら、4980円で買えるモデルがあったので、購入しました。


ネット通販でも、実店舗でも同じ価格でした。
安物なので筐体は価格相応に安っぽいですが、DCモータなので、とても静か! 寝室用にしましたが、ACモータの扇風機は一番弱い風でも、寝る時には強すぎて、壁に風を反射させていましたが、こちらは微弱風で回せるので、直接体に向けても、寒ずぎずにそよ風が当てられます。

リビングならそれなりに強い風が必要なので、ACモータでも良いのですが、寝室ならDCモータの扇風機がおすすめです。何より、音が静かなので。
下手に修理するより、買い替えてよかったです。

【大晦日】Blog@yamaro.info 2020年総括1

COVID-19に振り回された1年、という印象です。
仕事の上でも、東京五輪に向けた仕事がスパっとなくなってしまい、テレワークが増えた1年でもありました。

2020年は、Wordpressによるブログを導入して、間もなく1年(2019年11月から試験運用開始)となります。
旧アサブロの旧態依然とした仕様から、大幅に進化しました。写真も複数アップしやすくなり(今どきそんなの当たり前なのですが、アサブロは何と1枚ずつしか上げられないのがストレスだった)、写真ブログとしても投稿にかかる時間が大幅短縮できました。

また、商品の紹介とともに、Amazonや楽天アフェリエイトを活用、リンクを踏んで購入してくれた方には感謝します。弱小ブログ故に、大きな収入ではないものの、当サイトのサーバーとドメインの維持の費用くらいは頂けております。感謝です。

書きたいことを書きたいときに、がコンセプトゆえ、その時時で話題が偏りがちですが、変わらずお付き合いいただければと思います。

2020年1月

1月はまだ、COVID-19は中国で大流行し、日本にもそろそろ入ってくるのか…、という感じで、まだ通常通り外出できていましたね。
初詣も、そもそも今回は妻の実家に帰省も諦めましたが、今年の正月科帰省して初詣出来ていたし、東京ディズニーシーにも行きました。もうしばらくは行けない感じですね…。

2020年2月

2月は、横浜に寄港したダイヤモンド・プリンセスでのCOVID-19感染者発生で、ついに日本にもCOVID-19の影響が出始めた頃でしたね。
百里基地では、2020年3月を持って偵察機のRF-4E/EJファントムIIを運用する501SQが最後間もなく終了なので、撮影に出かけていました。

2020年3月

3月、いよいよCOVID-19が日本国内でも流行し始めました。とは言え、前半はまだ外食を控える、という感じまでには至っていなかったような。泊まり出張もあり、その先で出会ったお酒とか、アップしていました。月末に関東では季節外れに雪が降ったり、一転して花見をしたり。百里基地では収穫なし。この頃にはそろそろ外出を控えよう、ソーシャルディスタンスをとろう、集まりの人数は最小限に、という動きが出てきていましたね。
行事は縮小や中止、娘の保育園卒園式も、1人で行きました。

2020年4月

いよいよCOVID-19が日本で流行、医療機関は切迫する状況。
娘の小学校入学式を行って、学校自体は休校、仕事は全面テレワークになりました。
外出も最小限に、体力維持のお散歩だけの日々。子供を見ながらテレワークでした。
そんな中、腕を落とさないよう、テレ(望遠)ワークを自宅ベランダから開始。これが案外色々撮れて、実は一番望遠レンズを使っていた時期だったりします。

2020年5月

GW休みも自宅、時々散歩の日々でした。散歩すると、近場で色々発見があるのは収穫だったり。こんなところにこんな建物があるのか~とかね。
Python勉強がてら、ラズパイを買ってみたりしました。
ブルーインパルスが医療従事者応援のために、東京都上空をフライト、なんとか家から見えるかな~と望遠レンズをセット、1200mmでも豆粒でしたけどね。

2020年6月

テレワークがメインとなるも、出社も時々行うように。
テレワーク中の自己学習で、ラズパイを使ったPython学習を進めたり、カメラマウントを再設計したり。
写研埼玉工場の解体を知り、この月から定期撮影を開始しました。写研の記事は、デザイン関係の方を中心に注目度が高く、当ブログのアクセス数が伸びたりしました。
テレワーク常態化に伴い、家の中の無線LAN環境も改善のため、11ax対応(WiFi6)のBuffalo AXR-5950AX12を導入したり、サブで使っているノートPCを11ax化したりでした。


2020年前半は、とにかく迫りくるCOVID-19、そして外出自粛と、とにかく日常の生活が大きく変わりました。

東京五輪は延期となり、予定のお仕事ができなくなり、会社や学校に行けなくなり、とにかく不便と忍耐の半年でした。

2021年は、もう少しCOVID-19が落ち着けばと思いつつ、後2,3年は続くのかなという感じでしょうか。
少しずつ新しい生活様式に慣れつつも、慣れからなのか、また感染者が増えつつあり医療切迫など、予断を許さない感じですね。
妻も、看護師なので、いつどうなるやらといったところです。

2021年元旦は、2020年総括の後半からお送りする予定です。では、良いお年を!

marantz SACDプレーヤー SA-15S1のトレイのベルト交換をしてみた

marantz SA-15S1

もう買ってから15年も経つのか…。marantzのSACDプレーヤー、SA-15S1、当時は十数万円程度した機種です。

CDプレーヤーは、SONYやTEACを使ってきましたが、この時代、SACDプレーヤーがそこそこのお値段で手に入るようになってきたので、TEACのVRDS-7との入れ替えしました。VRDSもかなり気に入っていた機種ですが、どうしてもSACDを聴いてみたくて…。

あれから15年、最近はハイレゾ音源はSACDよりも、ダウンロード購入するのがメインですが、CDだってまだ音楽の主役ですしね。

ただ流石に15年経つと、アンプやスピーカーと違って、可動部がある機械は、それなりに劣化も出てきます。

ここ1年ほど、トレイが出てこない、何度か開閉ボタンを押すと出てくる、ちょっと振動を与えると出てくる、といった具合にトレイの開閉がいまいち。多分ベルトが滑っているのだろうと思って、去年Amazonで補修用ゴムベルトは購入済みでした。

が、面倒でずっと修理をサボっていましたが、COVID-19で外出自粛なGW、ついに重い腰を上げて修理に取り掛かることにしました。

※注意:これより先の記事は、機器の分解を行います。参考にする場合は自己責任のでお願いいたします。破損や怪我、事故の責任は、分解者自身にあります。

まずはトップカバーを開けました。リアのネジ3本(銅メッキされているのはさすが)を外すだけで、トップカバーは外せます。

回路的には…まああまりカタログ映えはしないですね。シャシーは銅メッキされて言いませんが、ネジやCDドライブのベースなど、細かい所のみ銅メッキ品です。この辺りは、当時の上級機だったSA-11系よりは劣ります。
電源トランスも、デジアナ分離ではなく、EIコアタイプが1個のみですが、それでも安物プレーヤーよりはまだ立派かな。BANDOと書いてあり、バンドーエレクトロニクス社製のトランスです。HPを見る限り、オーディオ用に特化したトランスの会社のようですね。

AC端子は、3ピンタイプですが、アース線は結線されていないのがわかります。もっとも、ほとんどの家庭のコンセントは、3ピンではないので、実用上は問題ないのでしょうけど。

オーディオ機器、やはりバブルの頃までの贅沢な回路構成を見てしまうと、オーディオ氷河期の21世紀初頭の製品は…ちょっとさみしいものがありますね。

CD/SACDドライブのケースの蓋を開けたところ

CD/SACDドライブも、カタログでは自社製品と謳っていましたが、例えば往年のTEACのVRDSメカと比べたら、それはそれはしょぼいの一言です…。ドライブ後ろのラベルにDVDと表記があるように、このドライブはDVDプレーヤーと併用していたと思われ、おそらくこの当時のmarantzのDVD/SACDプレーヤーである、DV-9500やDV-9600辺りと同じものを使っているのでしょうね。SACDフォーマットも、結局はDVDの流用でしょう。
型式は「TD-5HP-D9」とあり、頭の”TD”の型式から、marantzが東英工業に委託製造したものと思われます。ドライブの写真を見ると、CD/SACD用TDT-2000S/Tと思われ、これをベースとしたmarantzのカスタム品でしょう。

ゴムベルトがヘロヘロ…

トレイを出した状態で電源OFFしています、そうでないど、この後トレイを引き出すのが難しいので。この状態で、トレイ開閉用のメカが見えますが、そこに使われているゴムベルトが伸びてヘロヘロになっているのがわかります。明らかに張りがない。
こんなところにゴムベルト使わないでほしいですが、ドライブメーカーは、ゴムベルトを使うことで、静かで滑らかな開閉が…と書いていました。うーむ、耐久性的にはマイナスですけどね。

本当は、この状態でベルト交換できればラッキーでしたが、残念ながら、ギヤがその上にあるために、ベルトはこのままでは外せない構造になっています。バラすしかないか…。あまり気が進まないですが、CD/SACDドライブを外す事にします。

CDトレイ先端とFFCを外す

まずは、トレイ先端の飾りと、ドライブ横のFFC(フレキシブルフラットケーブル)を外します。FFCはロックはなく、引っ張れば外れます。あまり触りたくないですけどね。ちなみに仕事ではもっと薄いFFCを扱っていて、爪もついていて折損必至…。あの作業はあまりやりたくないです。

トレイの先端飾りとFFC2つを抜いたら、後はドライブの足元4箇所の銅メッキネジを外すと、ドライブが抜けます。

CD/SACDドライブを外したところ

ドライブ自体は鉄板のしょぼいものですが、ベースシャシーは銅メッキされ、さらにトレイ後端も銅メッキパーツが付いています。
軽くホコリを除去します。案外汚れていませんね。グリスも劣化はなさそう。

トレイを引き抜いたところ

一番上基板と、基板が載っていた鉄板を外して、トレイを引き抜きました。

ギヤの軸の抜けどめを外す

後はギヤを外すだけです。ギヤの軸に抜けどめの薄いプレートが入っているので、先の細いピンセットで慎重に外します。

ギヤを外してやっとベルト交換

白いギヤ2つを外すと、やっとプーリーに到達。後は、古くなって伸びたベルトを、新しいベルトと交換します。ここで、Amazonで買ったベルトの登場です。ベルトは色々長さの違うものが複数あるので、長さの合ったものを選んで付け替えます。後は逆手順で復元して終了です。


通電させて、問題なくトレイの開閉が出くることを確認しました。簡単な整備ですが、電源を入れて動かすのは、いつもドキドキものです。

不思議なことに、音質も心做しか良くなったような…。いや気のせいでしょう。他は何も調整していませんし。ネジを締め直したのが良かったかな?

ともかく、これで普通に使えます。コンデンサとかクロック交換の解像もやってみたいですが、あんまりはんだ付け得意でなくて(笑)
まあそのうち。

【インターネット老人会】先行者

10年前、ちょうど今の妻と結婚を前提とした同棲するため、引っ越し作業中に出てきたアイツを、最後の記念に撮りました。

これを知っている人は30代後半以上。

ネットランナーの付録「先行者」中華キャノン付き

テキスト系サイト全盛期だった2000年前後

かつて20世紀末のインターネット黎明期、日本のテキストサイトを賑わせた「侍魂」というサイトから端を発した、中華製ロボット「先行者」

侍魂は人気テキストサイトで、当時学生だった自分もよく見ていたサイトで、学生の間でもカルト的な人気がありました。

そこで紹介された中華製ロボット「先行者」が、当時既に世にデビューしていたASIMOにちっとも追いついていない、なんて記事が紹介されました。
さらに「先行者」が中華キャノンを発射するGIF動画が掲載されると、またたく間に日本のネット界でも話題となり、ついには雑誌「ネットランナー」(現在休刊)の付録としてプラモ化されました。

そのプラモが写真のものです。しっかり股間に中華キャノンがついています(笑)

実際に中華キャノンとされた部分は、左右の足の軸を動かすモーターとエンコーダの出っ張り部分で、左右の足それぞれに付いているため、このプラモは実物とは形状が異なるわけですが、こうしたネット界でのお遊びが、現物として商品化された先駆け的なものだったかもしれませんね。

さらには、当JAVAを使用したブラウザゲームの「日本製先行者開発プロジェクト」なるページも出来ました。もはや、JAVA環境が今のブラウザではなくなってしまい、遊べないですけどね…。当時は、ブラウザ上で割とまともに動くゲームはまだそんなに多くなかった(簡単なゲームはあったけど、このサイトのようなシューティング的なゲームはなかなかなかった)ので、今は当たり前でも、当時は画期的に思いました。

あれから20年、今は中国は技術経済大国

あれから20年、すっかり日本は技術大国としての地位を中国に奪われた感じです。特に基礎研究分野などは、金のかかり方が日本とはまるで違います。とにかく勢いがあります。
技術もそうですが、経済も既に中国はGDP世界第2位。日本は現時点で3位ですが、そのうち10位圏内に入れるかどうかになりそうな感じです。
もはや、中国は馬鹿にできないどころか、日本が大きく遅れを取っている分野が多くなってきました。

自分もいい歳になりましたが、日本を引っ張っていけるものづくり、果たして出来ているのかな? 自問自答しながら生活しております。

鳩の糞がひどいので超音波撃退器を買ってみた

買ってみたシリーズです(笑

結構前からなのですが、マンションのベランダに鳩が入って、糞だらけになっています。

夏は洗濯物を干したり、何かと外に出るので、そこまでではなかったのですが、冬はあまりベランダに出ないので、ここ最近結構鳩が来ているようです。気がついたら追い出しているのですが、そのうち巣でも作られてしまったら嫌なので、撃退方法を検討。

妻は、トゲトゲの出たシートを置くのが良いというので、ホームセンターで見てみたら、割と高いんですよね。

その他に、大きな目玉風船やらCDやらキラキラするものをぶら下げるとかもありましたが、効果はどうなんだろうと?

一番良いのは、ネットを張ってしまえばいいのですが、マンションでそこそこ高さもあるので、万一の脱落が心配。

ということで、Amazonに頼ってみました。

今コロナウイルス(COVID-19)が流行していて、中国からの物流が怪しいわけですが、この商品はPrimeで購入できるので、日本国内のAmazon倉庫にあるので、注文して翌日には届きました。

値段は微妙ですね。果たして安いのか高いのか微妙ですが、物は試しということで。こういう使えるのか使えるのかわからないさじ加減ってのは、チャイナは上手いですよね。

さて、Amazonのリンク先を見てみると、5つのモードと感度調整がついています。

これでネズミなどの小動物から、鳥や猫などの比較的大きな動物まで、それぞれに効く超音波の各周波数を発信したり、LEDによる光で威嚇できたりするようです。

うちは特に動物は飼っていないので、全モードを繰り返すモード5に設定してみました。

電源は、内蔵する単三のNi-MHバッテリ3本とソーラーパネルによる充電、また付属のUSBケーブルでの充電が可能です。

USB充電時は緑色のLEDが何故か三日月型に光る

USB充電できますが、数時間充電しても変化がなく、緑色がつきっぱなし。これではいつ充電が終わったかわかりません。

中には3本の単三Ni-MH電池

蓋を開けてみました。一応防水なので、本体側にパッキンが入っていますね。中身は、1本がたったの800mAhの単三Ni-MHバッテリ。eneloopでも1900mAhあるご時世、まるで昔のNi-Cd電池並みの容量です。

面倒なので、結局この電池を外して、Panasonicの充電器で充電しました。これでとりあえず準備は整いました。

モード5で動作中の様子

動画は、モード5で動作中の様子です。スマホのマイクだとあまり拾えていませんが、13.5kHzからの超音波を発生させるため(モード1)、モード1~4までを繰り返すモード5に設定すると、人間の耳にも聞こえる超音波も発生するため、近くではキンキンと煩いです。おじさんにも煩いので、耳の良い若い方だともっと煩く感じるでしょうね。

うちはマンションのベランダなので良いですが、戸建ての庭に設置する際は、近隣の迷惑にならないよう注意が必要です。

さて、効果は出るかな?

TCT Japan 2020にいってきた

昨日、お仕事の商談…というよりは情報収集で、東京ビッグサイトで開催されていたTCT Japanに行ってきました。

東京ビッグサイト

国内最大級3Dプリンティング & AM技術の総合展

と銘打っています。

仕事で使えそうなフィラメントやら機械やらを調査。知っている営業さんから「大きな声では言えませんが…」という裏情報もらったり、色々サンプルいただいたり。

その中で気になっていたにがこちら。

Nikon Lasermeister 100A

画像はNikonのHPより引用

Nikonも光加工機 Lasermeister 100Aを展示していました。加工機、というので、てっきり3次元加工機なのかと思ったら、指向性エネルギー堆積法(Directed energy deposition)による3Dプリンタなのですね。名称が「加工機」となっているので、ちょっと誤解を招きやすいかなと思いました。

指向性エネルギー堆積法とは、簡単に言うと、肉盛溶接みたいなもので、レーザーを当てて、そこに金属粉を噴出させて、金属粉を溶かしながら造形していく方式です。なので、元々ある物体に肉盛りで追加工を行うこともできます。例えば、穴の空いた金属部品の穴埋めや、既存のものに3Dデータよる追加造形も出来るそうです。

カタログを頂きました

お値段は5千万円程度で、従来の同様なプリンタの半額。自社のレーザーを活用できるので、ライバルより安くできるとのことでした。この辺りは、さすが光学メーカーですね。

金属の粉末を噴射させるので、金属のプリンタで一般的な、槽内の窒素ガス充填は必要ですが、焼結は不要だそうで、別途焼結炉が不要だそうです。

金属の粉末を敷き詰めて焼結させる方式と違って、この1台でプリントを完結でき、場所も従来よりとらないのが強みだそうです。

同様の方式のプリンタでは、低価格だそうです。

これに限らず、従来より造形品質が良くなっていながら、価格が大幅に下がっている製品が多く、まだまだこれからもこの市場は伸びそうですね。

もっとも、もの作りが完全に3Dプリンタに置き換わる訳ではなく、もの作りの可能性が広がると言えるでしょうね。

他の技術展も同時開催していて、母校の大学も出展していて、懐かしくお話しさせていただきました。

では帰ります。

帰ります~