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Velbonのワケあり品の自由雲台QHD-66ASを買ってみた

Twitterのカメクラ界隈で話題になっている、Velbonのマグネシウム製自由雲台QHD-66ASを買ってみました。

なんと送料税込¥3500でした! クラス的には、2万円台の雲台になるはずと思われます。試作品の放出としてのB級品とはいえ、破格です。理由として、

〇開封済み商品になります。
〇製品本体に多少の擦れや汚れ等があります。
〇保証は付きません。到着時の初期不良交換対応のみになります。
〇故障時の修理対応も受付できません。
〇本体のみで特に記載がない限り付属品はございません。
〇パッケージ無し、配送用の簡易梱包になります。
〇別倉庫での管理になりますので、他商品との同梱が出来ません。
〇個々の状態についてのお問い合わせにはお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

【楽天市場】【B級品 訳あり特価 送料無料 同梱不可 返品・交換不可】Velbon(ベルボン) 中型自由雲台 QHD-66AS 4907990501004 マグネシウムボディ トルク調整 アルカスイス互換:ハクバストア 楽天市場店 (rakuten.co.jp)

だそうです。

仕様は以下の通りで、5kgまでの機材に対応できます。

■カメラ台 : 51×38mm
■高さ : 107mm
■底面径 : 38mm
■質量 : 300g
■推奨積載質量 : 5kg
■三脚取付ネジ穴 : UNC1/4、UNC3/8両対応
■タイプ : 自由雲台
■カメラネジ : UNC1/4(細ネジ)
■クイックシュー : QB-6AS N
■水準器 : 丸型水準器

マグネシウム製のため、比較的軽量ですね。

Velbonブランドのベルボン株式会社は、2020年8月に、三脚と用品類の開発・販売・修理事業を、同じく写真用品の会社であるハクバ写真産業株式会社に事業移管しました。
これに伴い、山梨県の北杜市明野町にあった工場は閉鎖となりました。Yamaroもかつて北杜市に住んでいたことがあり、ドライブしていて発見したVelbonの工場、こんなところにあるんだ!と思ったものです。昔は明野村だった場所です。

この製品を開発途中で、Velbonの事業がハクバに移管されたため、製品としては開発に至らなかった商品です。
近年、三脚や雲台などは、中華ブランドの勢力が増しており、日本のVelbonは開発力の点で遅れを取っているように感じていましたが、負けじと奮闘していたが叶わず…といったところでしょうか。
個人的に、初めて買った三脚はVelbonだったので、中華ブランドに負けず、頑張っていただきたいところです。

B級品とは思えないパッケージ

Velbon QHD-66ASと昔買ったPH-253

配送用の簡易梱包、と書かれていましたが、箱にはきちんと製品シールが貼ってあって、ごく普通の製品梱包と変わらない印象。説明書と付属品もあり、このまま売っても問題のない感じです。中華ブランドなら当たり前の簡易梱包よりむしろちゃんとしています。
ボール部にグリスがべったりなので、ここはもう少し拭き取ったほうが良いかもです。

小さめながら、アルカスイス互換プレート付き。QB-6AS Nとあり、QB-6ASのマイナーチェンジ版でしょうか。近年、アルカスイス互換クイックシューが増えてきたため、特定の雲台専用のクイックシューは少なくなってきています。このクラスなら、今はアルカスイス互換のほうがメリットが大きいかな?
クイックシューは360度回転させることも可能で便利です。

トルク調整リング付き


ボール部の締め付けの部と同軸上に、ローレット加工のトルク調整リング付き。微妙な締め付けにより、滑らかに運ダウを動かすことが可能…ですが、重い機材を載せると、調整幅が少なく、動きもそれほど滑らかではありませんでした。この辺りは価格なりでしょうか。ねっとりとした滑らかさがあると良いのですが。
あと、ボール部をよく見てもらうと、動かしていくうちに黒い塗装が剥がれて、下地が見えてきています。恐らくこれが商品化までたどり着けなかった理由の一つでしょうね。
構造的には、一昔前の雲台という印象。最近はグリスに頼らない、テフロンコートされたのボール自由雲台が主流になりつつありますから。

ミドルクラスの一眼カメラまでに最適

 Nikon D3400 + 標準ズームとの相性はピッタリ

推奨積載重量5kgですが、1~2kgまでの機材に適している感じです。ボディとレンズで1kgに満たないD3400 + AF-P DX 18-55mmはがっちり固定できます。剛性感もまずまずです。

D850(MB-D18付き) + AF-S 24-70mm f/2.8E VRは辛い

さすがにD850(MB-D18付き)にAF-S 24-70mm f/2.8E VRとの組み合わせはきついです。固定は可能ですが、フリクション調整は、重量があるため調整幅が少ないです。単純に固定して、動かすときはカメラをしっかり持てば問題はありませんが、やや心もとない感じです。やはりこのクラスになると、もう一回り大きく剛性感の高い自由雲台が必要です。


今回試していませんが、この自由雲台とBRONICA S2の組み合わせも良さげですね。
もともと写真の三脚(SLIKの初代カーボンのPRO 803 CF)には3ウェイ雲台が付いていますが、あまり使い勝手が良くないので、この自由雲台で使ってみたいと思います。

【待ちましたよ…】Nikon Z 9の雑感

2018年にNikonのフルサイズミラーレス一眼、Zシリーズが販売開始されました。
しかし、恐らく躍進するSONYのαに対抗すべく、急遽出しました感が大きく、Z 6Z 7はNikonの一眼レフに及ばないスペック、マウントアダプタFTZには不格好な三脚座が、遅れて出たバッテリグリップは縦位置シャッターボタンやダイヤル無し、とまあ後出しなのにチグハグ感、ライバルの周回遅れ感は否めず、Zマウントにはずっと縁がありませんでした。
Z 7IIZ6 IIが出て、やっとある程度追いついてきたかに感じましたが、かと言ってD850を置き換えるほどか?と問われると、そこまでかな、という気がしまして。
Nikonは長年のユーザーでもあるので、愛着はありますが、Nikonのミラーレスの周回遅れに、将来はCanonに移行しようかな? なんて去年のEOS R5/R6デビューを見て思ってしまうくらいでした。
が、2021年3月、やっとZシリーズのフフラッグシップ、Z 9が発表、これはちょっと待ってみようという気にはなりました。
なんだかんだでFマウントの資産を抱えすぎましたので(笑)、Canonに移行と言っても、なかなか難しいのも事実。レンズ数本なら出来ても、それ以上となると…。

■発表から待たせすぎでしょう

2021年3月に突如、フラッグシップ機のZ 9の開発発表があったのも、恐らくその前月にSONYからフラッグシップ機のα1の発売が発表されたのも大きいでしょう。
Nikonは、東京オリンピックに於いてはD6がメインのフラッグシップ機として使用され、その次の冬季北京オリンピックには、ミラーレスのフラッグシップ機が試験投入で使われることを想定していたと思われます。
オリンピックが2020年ではなく2021年開催となり、そのあたりの計画が狂ってしまったこともありますが、α1のインパクトは大きかったと言えます。
あくまでも想像ですが、2021年開催となった東京オリンピックには、Z 9は当初から試験投入は考えていたと思われます。その結果を見て、2022年の冬季オリンピックまでに投入するか判断だったのではないでしょうか?
α1のスペックが出て、Nikonもフラッグシップを開発発表しないと、そのパイを奪われかねない、という判断があったのかもしれません(あくまで想像ですよ~)。
しかし、そんな感じで、当初の予定より早く開発発表せざるを得なかったため、実際の販売予告までに半年以上の時間を要してしまったのは、痛手でしたね。
いつ発売するのか? スペックはどうなのか、割と最後まで噂レベルでしか出なかったので、このあたりの販売戦略をどう考えるかは、今後の課題でしょうね。
発表だけしていつまでも売らないと、熱も冷めてしまいますから。
そして、10月のティーザー広告も、あまり大きなサプライズはなく(8K動画の連続撮影時間くらいかな)、ここでもSNS界隈では、割と賛否両論が多かったように思います。
半年以上、待たせすぎは、もうなしにして欲しいですね。Canonのようにスパっと発表して売るほうがスマートだと思うのですが。

■一番のサプライズ、メカシャッターレス

長年続いた一眼レフ全盛期から、ミラーが消え、次に消えるといわれていたシャッターユニット、完全電子シャッター化は以前から言われていました。
電子シャッター自体は今に始まったことではなく、ミラーレス一眼になってからは、電子シャッターも搭載したカメラが増えてきました。
実は、Nikonのレンズ交換式のミラーレス一眼では、Zシリーズ以前の1インチセンサミラーレス(Nikonではレンズ交換式アドアンストカメラと称していた)で、電子シャッターのみの機種を展開していました。
Nikon 1 Jシリーズは、一貫してメカシャッターレスで、電子シャッターのみを採用していました。ローリングシャッター歪は原理的に発生してしまうものの、実際に撮影でローリングシャッター歪が目立つことはなかったため、電子シャッターの幕速は極めて速かったのでしょう。画素数を落とせば、最大1200fpsの超スローモーション撮影も可能でした。
このため、あえてメカシャッターを省くことで、上位のVシリーズと違って割り切って作ることができたのでしょう。
しかし、まさかその後に出したメカシャッターレスのカメラが、いきなりフラッグシップ機だったのには驚きました。SONYのα1も、電子シャッターでもローリングシャッター歪みの少ないセンサを採用したにもかかわらず、メカシャッターは健在でした。
メカシャッターレスのカメラは、全画素同時読み出しが可能なグローバルシャッターの搭載が必須と思われていましたが、ローリングシャッターのセンサであっても、読み出し速度がメカシャッター並みに十分速ければ、電子シャッターのみでも問題ない、という判断でしょう。
グローバルシャッターのカメラは、業務用途では開発されているものの、センサの単価が非常に高くて画素数を増やすのが難しいからか、一般的なスチルカメラへの搭載はまだ難しいようです。
十分な読み出し速度のある積層CMOSセンサを採用したことで、メカシャッターレスを実現したZ 9ですが、この辺りも後述する値段の安さに繋がっていると思われます。

■二番目のサプライズ、価格

事前情報で、D6より安くなる、という噂もあったZ 9。個人的には懐疑的で、α1の初期の価格、88万円に近いのではないか、と想像していました。
この懸念はよい意味で裏切られ、最安値で63万円弱となりました。70万円前後のD6と比べても、1割安いということになります。
これはかなり戦略的な価格です。
実はD850も、秒9コマ連写するには、パワーバッテリパックとEN-EL18系のバッテリとその充電器が必要で、これが結構な投資でしたので、それを考えると、この値段には驚きです。
利益度外視することはありえませんから、メカシャッターユニットがなくなった恩恵が出ていると思われます。(センサ保護のためのシャッターは存在)
フラッグシップのD6は一眼レフカメラだったので、ミラーユニットが必要ですし、メカシャッターは当然存在します。これらが存在しない分のコストは下げられますから、その分を単価の高いと思われる積層CMOSセンサや、あるいはEXPEED7などの画像処理、内部メモリなどに充てることができます。それでもD6より安くなっているのだから、メカシャッターやミラーがいかにコストを上げていたか、ということです。
ここで、ミラーもシャッターもなくなったカメラは、海外新興企業も作りやすくなって、日本のメーカーは駆逐されかねない、という意見もありますが、カメラはボディだけでなく、レンズやアクセサリを含めたシステムですし、レンズは依然といてメカの塊です。ここのアドバンテージは大きく、むしろ単体のカメラ自体がスマホカメラの影響でマイノリティになりつつあり、あえて新興メーカーが参入するほど、この業界は甘くないのかな、と思います。
とにかく、価格はだいぶ頑張って、22年前のデジタル一桁初代のNikon D1とほぼ同価格帯というのは、すごいことですね。

■9種類の被写体検出可能なAF

Nikonのミラーレス一眼で、一番の弱点だったAFですが、493点という測距点はZ 7シリーズと変わらないものの、、9種類の被写体検出できる、ディープラーニング技術を用いて開発したアルゴリズムを搭載して、動態への食いつきはD6以上とされています。
低照度‐6.5EVからの測距が可能で(f/1.2レンズ使用時)、スターライトビュー有効時は‐8.5EVからと、かなり頑張っています。ただし、今までf/2.0連巣基準で出していた数値が、急にf/1.2レンズとなったのが解せませんが、それでもなお、より低照度に強くなっていると思われます。
SNSで指摘されているように、公開された動画は、低照度のAFのシーンがないため、判断が難しいところです。この辺りはカタログ値は鵜吞みにはできないため、実機での確認で判断したいところです。
9種類の被写体検出の1つにYamaroがよく撮る飛行機があり、全体や先頭部、コックピットの設定があるのも面白いですね。どこまで食いついてくれるかが楽しみです。
被写体検出も、任意選択とオートが選べますが、オートの場合、複数の被写体が同時にフレームに入った場合、

画面内に複数の異なる被写体があり、フォーカスポイントが意図していない被写体を捉えている場合は、マルチセレクターで意図している被写体を選べます。

https://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_9/features01.html

となっています。マルチセレクターでの選択は、被写体が多いほど時間がかかるため、タッチパッドで選べるなど工夫が欲しかったですね。Canon EOS R3なら視線入力で選べるかなと思います。
やはり実機を使って判断、となりそうですが、やっと動態AFはライバルに追いついたかな、と言えそうですね。

■世界初のブラックアウトフリーReal-Live Viewfinder

ブラックアウトフリーは、既にα9シリーズなど、一部の機種に搭載され始めていますが、

ファインダー像の消失が起きないよう同一画像を表示する従来のブラックアウトフリー撮影とは異なり、実際の被写体の動きを常にそのまま表示します。

https://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_9/features02.html

とあるように、実はこれまでのブラックアウトフリーは、撮影中のコマ落ちは同一画像で補っていたそうです。(知らなかった~OMさんSONYさんそうだったの!?)
今回は、連写し続けても、コマ落ちせずEVFに表示できるのが売りのようです。
EVFのスペック自体は、Z 7/Z 6シリーズと変わらない369万ドット0.5型OLEDですが、元々ZシリーズのEVFは工学系の設計が良いからか、ドット数以上に見やすいファインダーとなっているため、ドット数の大きさよりも、見やすさと表示レートダウンのなさを優先させたのでしょう。

■スチルは20コマ/秒に留まる

SONYのα1が、5010万画素ながら、JPG/圧縮RAWで30コマ/秒に対応(対応レンズが必要)なのに対し、Z 9では、RAW撮影では20コマ/秒に留まります。JPGだとフル画素では30コマ/秒となります。
連続撮影枚数も、α1はRAW(恐らく圧縮RAW)で238、ロスレス圧縮RAWで92枚、Z 9ではロスレス圧縮RAWで79コマに留まるものの、高効率★圧縮RAWで685コマ、さらに高効率圧縮RAWで1000コマ以上となります。
軍配はα1に上がるものの、新開発の高効率圧縮RAWを使えば、一気に連続撮影枚数が向上します。ちなみに、α1はJPGのLファインで400枚です。
この辺りは、各カメラとも使用するメモリーカードや設定、レンズなど、様々な要素が絡んで、一概には言えないようです。
特にSONYの場合、30コマ/秒は装着するレンズでも使えないものもあり、サードのレンズでは15コマ/秒に制限されます。
また、Z 9は将来的に8K60p(12bit RAW)動画の内部記録に対応するようなので、将来的にスチルも高圧縮RAWで30コマ/秒に対応すると嬉しいのですが。
個人的には、余りにデータが増えすぎるので、20コマ/秒でも十分ですが、将来的なアップデートに期待したいところですね。

■高画素機の宿命か、ISO感度はD850やZ7と変わらず

高感度番長のD5,D6のユーザーが、一番気になる部分ではないでしょうか? 2000万画素のD5,D6は、高感度耐性も高く、基本感度はISO100~102400、拡張で高感度側は5段分(ISO3280000相当)の増感が可能でした。
対して、Z 9は、これまでの4500万画素クラスのD850やZ 7/Z7IIと変わらず、ISO64~25600(拡張で2段分ISO102400)に留まります。
ここはもう少し頑張ってほしかった部分ですし、夜や屋内撮影が多いユーザーは気になるところでしょう。高感度撮影が多いD5, D6ユーザーは、簡単にはZ 9へは移行できないのではないかな、と思われます。
かといって、Z 6/Z 6IIでは多くの点で見劣りします。Nikonは高感度耐性の高く、8Kを取り除いたZ 8も検討すべきでしょうね。
ちなみに、α1も基本感度はISO100-32000と、わずかに高感度が有利なだけで、拡張感度は同じISO102400なので、やはり高画素機はこの辺りが限界なのでしょうね。

■動画は現時点で再強か

元々ビデオカメラを販売しているSONYもCanon、スチルカメラの動画でも評判は良いですが、EOS R5がフルサイズミラーレス一眼初の8K動画の撮影が可能ながら、熱問題にに苦しんだことは記憶に新しいです。α1も8K30pは連続撮影30分ですが、Z 9は8K30pで最大125分の内部記録を可能としました。
SDR、N-Log、HLGに対応、ProRes 422 HQ 10ビット、H.265の内部記録対応など、この辺りはライバルも対応していますが、やはり8K動画の長時間記録は他にないメリットです。
実際に125分も長回しすることはほとんどないでしょうけど、それだけ熱耐久に優れていると言えます。特に近年温暖化が進んで真夏は灼熱になるため、そういった場面での撮影でも、熱による録画停止のリスクが軽減されていそうです。
8K動画撮影には、高速書き込み可能なCFexpressカードは必須ですが、特に将来の8K60pやRAW動画には、ProgradeのCOBALT 1700Rのような最低継続書込速度1400MB/sのSLCメモリが推奨されています。

■新バッテリEN-EL18dは大幅容量アップ

バッテリのEN-EL18シリーズは、Nikon D4から採用されている形状のバッテリです。
D4の標準品だったEN-EL18は10.8V 2000mAhでしたが、D4Sで採用されたEN-EL18aは2500mAhに容量アップし、以降EL18b,EN18cと型式はマイナーチェンジされましたが、機能容量とも大きな変化はありませんでした。
今回EL18dでは、3300mhとEL18a~c型から3割以上の容量アップ下と同時に、Z 9からのUSB給電にも対応します。
ただし、EL18dは、形状は従来のEL18シリーズと同じですが、対応機種は現在のところ、Z 9以外にD6,D5のみとなっており、初代EL18~EL18cが使えた機種が全て対応しているわけではないようです。D850のMB-D18バッテリーパックやD4シリーズにはには非対応
なのが残念ですし、理由も知りたいところです。
ちなみに、EL18d対応充電器も、新型のMH-33となり、従来のMH-26a/26は充電不可能となっています。


とまあZ 9の雑感をタラタラと書いてみましたが、HPでは頻繁にディープラーニングという言葉が出てきており、AFの認識追従やAWBの精度アップに貢献しているようです。
また、今後のファームアップで、さらに動画やスチルの連写性能を上げていくことが告知されており、現時点での性能に留まることなく進化しそうですね。
これらの技術が、ミドルクラスのボディに降りてくると、ライバルメーカーに対するアドバンテージにもありそうですし、技術競争も進むでしょう。
D3の再来といわれているZ 9ですが、これでNikonも少しは盛り上がってくれると、カメラ業界も賑わって良いと思いますね。
後はZレンズかな? 特に望遠レンズはこれからですしね。

ベランダでベローズPB-4を使って接写してみた

スッキリ晴れた週末。でも予定がちょこちょこあったので、スキマ時間でベランダの五色唐辛子を接写で撮ってみました。

Nikon ベローズフォーカスアタッチメントPB-4は、かつてNikonが販売していた、接写用のアタッチメントです。
一般に、写真用レンズは、カメラ側からマウント面が離れるほど、より接写が可能となります。そのためのエクステンションチューブ(接写リング)もありますが、ベローズはさらにレンズをカメラから離すことで、より高い倍率で撮影可能です。
近年はカメラレンズもミラーレスかと同時に電子マウント化が進み、カメラボディと通電・通信されていないとフォーカスも絞りも動かすことができなくなりつつあり、カメラメーカー純正のベローズ廃れてしまいましたが、デジタルになって結果がすぐ分かり、撮り直しなど、色々試行錯誤しながら撮ることが簡単になった現代こそ、こういうベローズで遊ぶのが面白いのですよね。

現代の最新の高度に電子化されたレンズは、こうしたベローズで使うことは出来ませんが、機械式の機構が残ったFマウントレンズ(Dタイプ以前)以前のレンズはもちろん、今回ここで使っている引き伸ばしレンズ(現像済みフィルムの像を印画紙に露光するためのレンズ)など、色々取り付けて撮影できます。

Panasonic DG-GX7MK3 + LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH. 最短撮影距離で撮影

センササイズが小さいため、接写に強いマイクロフォーサーズ機ですが、マクロレンズでないと(しかも広角)だと、最短撮影距離ではこんな感じです。

では、ベローズを使うとどうでしょう?

EL-Nikkor 80mm F5.6

Nikon D850 + Bellows PB-4 + EL-Nikkor 80mm F5.6

どうでしょう? 蕾がここままで接写できます。引き伸ばしレンズの、EL Nikkor 80mm F5.6を使っています。
コントラストが浅いのは、ピクチャーコントロールをニュートラルで現像しているからです。レンズのコントラストが低いわけではありません。非常に繊細かつ解像力の高いレンズです。

FUJINON-ES 90mm F4.5

FUJINON-ES 90mm F4.5

以前1500円で買った富士の引き伸ばしレンズ、FUJINON-ES 90mm F4.5です。光学系が大変綺麗だったので、思わず購入してしまいました。今回初撮りです。

同じ蕾を、ベローズのセッティングを変えず、レンズのみEL-Nikkor 80mmから FUJINON-ES 90mm F4.5に交換してみると、やや撮影倍率は下がるようです。しかし描写はなかなかで、EL-Nikkorと甲乙つけがたいものがあります。解像力はわずかにEL-Nikkorが上回るように感じますが、FUJINONのしっとりした描写も好みです。これも良いレンズです。
引き伸ばしレンズは、小粒でも実力の高いレンズが多いですね。

EL-Nikkor 135mm F5.6

Nikon D850 + Bellows PB-4 + EL-Nikkor 135mm F5.6

花が咲き終わって、唐辛子の実がなりつつあります。いわば、唐辛子の赤ちゃんですね。

50~90mmの引き伸ばしレンズと比較して、急に大きくゴロンと重たくなるのが135mmのEL-Nikkor。見た目は質感の高く、大きさの割に質量があるレンズです。
やはり同じセッティングで撮ると、撮影倍率は80~90mmより低いですね。その代わり、ワーキングディスタンスが取りやすいです。とは言え、接写での使い勝手などは、やはり80~90mm軍配が上がります。
ただその描写は大変優れており、好きなレンズです。どちらかと言うと、接写よりも一般撮影に適したレンズかもしれません。
一眼レフでも無限遠が出せます。作例は、RED BOOK NIKKORのページに掲載されています。

再びEL-Nikkor 80mm F5.6

Nikon D850 + Bellows PB-4 + EL-Nikkor 80mm F5.6

レンズを再びEL-Nikkor 80mm F5.6に交換。やはり接写は80mmのほうが勝手が良いですね。


せっかくアオリ撮影もできるPB-4、今度は物撮りにもチャレンジしてみたいですね。

テレコンTC-14EIIを紛失…見つからなければIII型を検討か

今日、これから息子の保育園のミニ運動会があるのですが、それに向けて、超望遠レンズは必要ないので、AF-S 70-200mmに1.4倍テレコンTC-14EIIあれば十分かなと思って、いつも入れている、AF-S 600mm用のレンズバッグを探したけど…見つからない。えっ? なぜ、となりまして。

AI AF-S TELECONVERTER TC-14E II
どこに行ったの? Nikon TC-14EII

コロナ禍で超望遠撮影する機会はへ減っていて、このレンズバッグ最後に持ち出したのが、9月7日夜中に、横須賀はヴェルニー公園から撮影した、英空母HMS クイーン・エリザベス(Queen Elisabeth)の撮影でした。

2021年9月7日に横須賀ヴェルニー公園から撮影したHMS Queen Elisabeth

1.4倍テレコンバーターのTC-14EIIは、いつも超望遠用のカメラバッグに入っていまして、この撮影では使っていませんが、レンズを出す際に、テレコンはレンズの隙間に入れてあるので、テレコンも一度外に出しています。ってことは、この時に落とした可能性が高いです…。
車の中で落とした可能性はゼロではないにしろ、車の中でバッグは開けていなかったので、可能性としては低く、しかもその後2ヶ月近く車を使っていますし。

神奈川県警の遺失物検索をしてみましたが、残念ながら横須賀市でのカメラ関連の遺失物は、鉄道で見つかったものだけのようです。

神奈川県警の遺失物検索では、色々条件を変えたが見つからず

光学系が一新されたTC-14EIII

紛失したかもしれないTC-14EII、後継のTC-14IIIが発売されています。

AF-S TELECONVERTER TC-14E III ブラック
Nikon TC-14EIII

初代とII型は、コーティングの改良があれど、光学系は同じでしたが、III型になって光学系が一新されています。そして、Fマウント用のAFテレコンバーターで唯一、絞りリング搭載レンズに非対応となっています。
初代とII型が、”AI AF-S TELECONVERTER”と言う名称なのに対し、III型は”AF-S TELECONVERTER”です。
頭についていた”AI”(ここで言うAIは人工知能のことではなく、Nikonの開放F値自動補正方式 AI = Automatic Maximum Aperture Indexing)が、III型ではなくなっています。
これは、2000年代に、多くの望遠レンズが、絞りリングのあるDタイプから、絞りリングのないGタイプ、あるいは電磁絞りのEタイプに移行したからで、絞りリングの位置を伝達するAI機構がなくなったため、テレコンバーター側も不要としたのでしょう。ようは、古いDタイプの超望遠は対応を切り捨てたわけです。

中古市場には、豊富に初代やII型のテレコンバーターが出回っているので、実質的には問題ないでしょうけど、Fマウントの互換性を重視してきたNikonも、この頃には古いものはバッサリ切り捨てるようになったので、一部には批判もあったようです。

ただ、自分ももうDタイプのテレコン対応望遠レンズは使っていないですから、III型で問題ないですね。
買うとしたらこのIII型でしょう。

Amazonだと、Zマウント用より高いんですね…。
さて部屋ももう一度探すか…

ニコンミュージアムの常設展示から

先週行ってきたニコンミュージアム、常設展示も、微妙に変わってきている?
まず、コロナ禍とあって、操作展示、つまり触れる展示物は全て撤去されていました。

手前の台にあった触れる操作展示機は撤去

ここにはNikon FやらF2 Titanやら、それはきれいにメンテナンスされたボディが誰でも触れる状態で展示してありました。F2 Titanには、いたく感動したものです。
コロナが落ち着いて、早く操作展示が復活してくれることを願います。

NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctのカットモデルが

以前なかった展示としては、あのNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctのカットモデルが展示されていました。

大口径f/0.95を実現するために、ガラスがぎっちり詰まっています。そして鏡胴を見る限り、確かにAFモータを組み込む余地がなさそうなのもわかります。仮にここにAF機構を取り込むとなると、ただでさえ太いレンズが、より太く大きくなってしまうでしょう。そして、この光学系では、AFを組み込んでも実用速度は期待できない(逆にMFと割り切ったための光学系であるとも言えますが)感じでしょうか。

こんな感じで常設展示も、少しずつ変化があります。やはり定期的に訪れてみるのが良さそうですね。コロナ禍でなかなか難しいですけどね。

ニコンミュージアムの企画展、「ニコンF2誕生50周年と知られざるシネ・ニッコール」

ニコンミュージアムの企画展、「ニコンF2誕生50周年と知られざるシネ・ニッコール」を見に行ってきました。

●入場は体温測定と連絡先を記載

自動ドアはスタッフが内側から開けてくれます

いつものように入場しようとすると、自動ドアが開かない! 中から係りの方が来てドアを開けてくれました。
簡単に出入りできないようになっています。厳しい入場制限を行っていて、入るとタッチペンを持たされ、体温測定と連絡先(電話番号かメールアドレス)をタブレットに入力するようお願いされました。
館内のタッチパネルはタッチペンで操作、以前あった触れる展示機は全て撤去されていました。

それでは展示を見ていきましょう。

●F2の展示

入口から入ると、企画展の看板とともに、まずはF2の展示です。

2021年8月31日~2022年2月26日のニコンミュージアム企画展「ニコンF2誕生50周年と知られざるシネ・ニッコール」

Nikon F2は、1971年に販売開始された、一眼レフのフラッグシップモデルの第2世代になります。フラッグシップ機では最後のフルメカニカルカメラで、今でもメカニカルカメラの最高峰の1台とされています。
まず、当時のF2のカタログの拡大されたものが壁に貼られていました。

その横にはF2を愛用した冒険家「植村直己」のために寒冷地撮影のためにカスタマイズされた、通称「ウエムラスペシャル」が展示されていました。何台か作られたうちの1台です。このカメラが、後の報道用F2Titan(チタン)のベースになったとされています。


植村直己本人は、マッキンリー単独登頂を成功させたのちに消息を絶っており、今に至るも発見されていません。F2ウエムラスペシャルもまた、今でも彼とともに眠っています。

今回の展示では、F2の各種モデルのほか、その当時のオプション、アクセサリ類も展示されており、今回はそちらがメインです。
Yamaroは、F2のCdS露出計搭載モデル、F2 Photomicを持っています。露出計内蔵モデルでは、個人的にこの初期のPhotomicが一番デザインは優れていると思います。

とにかく豊富なアクセサリがあったNikon F2。もちろん他のFシリーズに使えるものもありますが、フラッグシップ機のF2用は、一般には使わないような特殊なもの、実験的なものまで多数揃えられています。

F2の販売された1970年代は、それまで1回発光するごとにバルブを交換するフラッシュバルブ(プリントゴッコのバルブみたいなもの、と言えば分かるのは30代後半からかな?)から、何度でも発光できるエレクトロフラッシュに移行したのもこの時代で、フラッシュ(Nikonではスピードライトと呼称)が充実しだしたのもこの時代ですね。

アクセサリのうち、ベローズのPB-4は所有していますが、自動絞りを機械的に絞りリングを動かすことで実現したEEユニットは、実物を始めてみました。
どういう仕組みかというと、絞りリングにあるNikonのMFレンズ特有の露出計連動爪である通称”カニ爪”の両端を挟んでモータで動かす仕組みです。その後のAI方式にも対応したEEユニットでは、AIガイドを同様に挟んで絞りリングを動かしています。実際に動く動画もモニタで展示されていました。初めて見ましたが、こんなギミックなんですね。

長尺フィルムバックも250枚用と750枚用があり、スポーツ写真で重宝されたことでしょう。デジタルになった今なら、素人でもメモリカード交換せずに数千枚撮影なんて簡単にできてしまう時代ですが、この時代はフィルム10本も撮れば、たくさん撮ったなという感覚でした。フィルムチェンジの時間を考えると、報道のスポーツ撮影は、こうした長尺フィルムが使われていたのです。時代ですねぇ。

どのアクセサリにも言えることは、どれも質感や工作精度が高く、所有欲をそそるということ。今のNikonのカメラにも、こういう憧れるアクセサリが欲しいですね。今、なんでもソフトウェアでできる時代になり、逆に実態を伴ったギミックのあるモノが見直されてきています。今後再びニッチになっていきそうなカメラ市場で以下に売っていくかのヒントが、ここにある気がします。

●シネ・ニッコールの展示

シネ・ニッコール(Cine NIKKOR)は、かつて映画カメラや、8mm,16mmシネカメラ用に作られていたレンズです。かつては、Nikonも8mmムービー(ビデオではなく8mmフィルム)を販売していましたが、主流ではなかったようです。
シネ・ニッコールについては、そんなわけで私もあまり詳しくはなく、実は1本コレクションで持っていたりしますが、センサの比較的小さいM4/3カメラでの運用もちょっと厳しそうな感じです。

ムービー用のレンズとあって、写真用のレンズよりもズームレンズの普及が早く、10倍以上のズームレンズも開発されていました。小さなフォーマットだからこそですね。
レンズも小さい(単焦点なら)ので、コレクションしたくなる気持ちもわかります。

シネニッコールをNikon Z7に装着し撮影された動画も公開されていました(撮影は禁止)。
イメージサークルがフルサイズよりも小さく周辺が黒くなるため、動画では編集でトリミングしていました(ズームアップして黒いイメージサークルからトリミングへと移行する過程も動画で見ることが出来ます)。
やや収差は多めですが、フルHDであれば、案外よく解像しており、当時の8mmフィルムには十分な解像力を持っていたことが伺えます。


ということで、ちょうど仕事の谷間になって、急遽行ってきたニコンミュージアム、コロナ禍の平日とあって、客は自分ひとり(最後に2人入ってきましたが)でしたが、おかげで十分堪能できました。

開催は来年2月末までと長めとなっていますので、是非機会があれば行ってみてください。年末にはワクチン接種が進んで、コロナも落ち着くと願っています。

急遽午後休取ってニコンミュージアムと我楽多屋へ行ってきた

ずっと仕事が忙しかったのですが、ちょうど業務の谷間になったので、急遽午後休みをとって、品川のニコンミュージアムと、四谷の我楽多屋さんへ行ってきました。
ニコンミュージアムは企画展を見てきたので、後日紹介します。
今回の戦利品はこちら。

おなじみ、ニコン一口ようかんですが、新しい味が追加されたので、買ってみました。
なかなか攻めたラインアップです。チョコレート化ブルーベリーはともかく、唐辛子って(笑
箱のデザインは、一見して中身がなにかわかりませんね。おみやげにどうぞ。

我楽多屋では、こんなものを調達。

我楽多屋で買ったモノ

田中長徳氏の「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」は無料で頂いたものです。20年近く前に出版された本ですが、在庫となっていたものを、我楽多屋さんで無料配布しています。お買い物がなくてもどうぞ、とのことです。
あとはジャンクのレンズ。AF NIKKOR 70-300mm f/4-5.6G、EDレンズではない安い方ので、AF-Sタイプでもないので、D3x00とかD5x00などではAFが使えないタイプですが、70-300mmは古いSIGMAのAPOしか持っていなかったので、お試しで。ちょっと使った限り、開放では収差の影響はあるもの、1段絞ればカリッと仕上がります。これもいずれレビューしましょう。

SIGMAのフラッシュ EF-610 DG SUPERが露出オーバー修理から返ってきた

SIGMAのアウトレットでたったの¥6,600で購入したフラッシュEF-610 DG SUPER。購入直後から、バウンス時のTTL調光で露出オーバーとなり(真っ白に白飛び)、修理に出しました。

1回目の修理では、SIGMA所有のテスト機のNikon D850、D810共に症状が確認できないということで、接点と発光部を交換して戻ってきたものの、こちらのD850とD810では相変わらずバウンス時のみ露出オーバー発生。
しかもバウンス時は最大発光しているっぽく、撮れる画像は真っ白なのに、「露出不足○○EV」がフラッシュ側に表示される始末。

というわけで、再び修理に出しましたが、SIGMA側からの提案で、症状が発生したときの機材も送ってほしいとのことで、D810とAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8Gも一緒に送りました。

Nikon D810 + AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED + SIGMA EF-610 DG SUPER

その結果、SIGMA側でも症状が発生することを確認したとのことで、”個別調整”ということになりました。
個別調整ということは、やはりSIGMA側のテスト機では症状が出ないけど、バウンス時の露出は調整します、ということなんでしょうね。もしかしたら、他のボディでは、個別調整により、逆に露出不足になる可能性はありますが、とにかく今回は手持ちのD850とD810の2機種で同じ症状であること、Nikon純正とNissinのフラッシュでは症状は発生しないことから、ボディ側の不具合でもなさそうですし、調整してもらって修理完了となりました。
SIGMAも、アウトレット品のフラッシュに、ここまで人件費をかけて赤字でしょうし、個人的にはマニュアル発光がメインの使い方になるかなと思っているので、これで良しとします。

では、i-TTL調光での結果を見てみましょう。調光補正はなしです。

Nikon D810 + AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED + SIGMA EF-610 DG SUPER バウンス撮影

改善されていますね。露出オーバーも発生しません。
SIGMAさん調整ありがとうございます。これでTTL調光でも安心して使えます。ただやっぱり、SIGMAのテスト機との違いが何なのか、そこだけが気がかりですが。

SIGMA EF-610 DG SUPERはバウンスしたかは撮影データに残らない

NX StudioではEF-610 DG SUPERはバウンスしてもデータとしては記録されない

以前も書きましたが、SIGMAのEF-610 DG SUPERは、撮影データには、バウンス撮影したかの記録が残りません。これはSIGMAに確認したところ、仕様のようです。
なお、フラッシュ名がSB-800になるのも仕様で、手持ちのサード製では、Nissin Di866MarkIIも同様です。

Nikon SB-900ではバウンス撮影するとデータが記録される

Nikon純正のSB-900と、サードでもNissin Di866MarkIIは、バウンス撮影時は「応用撮影:バウンス」と撮影データに記録されます。

ともあれ、これでSIGMA EF-610 DG SUPERもまともに使えるようになったので、活用したいと思います。

純正とサードのスピードライト i-TTL調光対決!

先月、SIGMAオンラインショップのアウトレットで、レンズとスピードライトを購入しました。
あれから1ヶ月、スピードライトのEF-610DG SUPERはすでに実戦投入して使っていましたが、レビューが出来ていなかったので、今回レビューしてみたいと思います。
せっかくなので、純正のスピードライト、Nikon SB-900と、サードのNissin Di866 MarkIIと比較してみることにしました。
どれもすでに生産完了しているので、今更比較するのもなんですが。

子供らが貼ったにぎやかなシールを背に(笑
左からNissin Di866 MarkII, Nikon SB-900, SIGMA EF-610 DG SUPER

何れもガイドナンバーの大きいフラグシップモデル

この3機種は、何れも各メーカーの販売当時のフラグシップ機で、ガイドナンバーも大きいのが特徴です。
Nikonはガイドナンバー(DN)を35mmレンズの照射角時で載せるので、カタログでは低めに見られがちですが、実際のところどうでしょう?

35mmレンズの照射角、ISO100でのガイドナンバーは、Di866 MarkIIが40、SB-900が34、EF-610 DG SUPERが36となります。この中はNikonが一番低めですが、実用上は大差ないかな、といったところです。

ちなみに、照射角が狭まるほど、DNは大きくなります。
105mmの場合、Di866 MarkIIは60、SB-900は49.5、EF-610 DG SUPERは61です。
ここまで来ると、NikonのGNの低さが目立ちますが、Nikonは105mm以上の照射角も設定でき、200mmの場合、GNは56となります。

Nikonデジタルカメラのi-TTL調光を3機種で比較

Nikonは伝統的に、スピードライトのTTL調光の精度に優れていて、フィルム時代から現代まで、その評価は高いかなと思っています。
TTL調光は、Through The Lensの頭文字で、レンズを通して調光することで、実際の撮影での精度を上げています。外部調光という、スピードライト側のセンサーを使った調光もありますが、これだと被写体の状況が反映されない、環境光での調光となるので、精度が落ちてしまいます。もっとも、カメラ固定であれば、被写体の状況に対する変動が少ないので、現在のTTL対応のスピードライトは、だいたいが外部調光に対応していますし、もちろんマニュアル発光も可能ですね。

固定被写体の場合は、マニュアル発光が実は扱いやすかったりします。しかもデジタルになってからは、結果がその場でわかるので、撮影状況を見ながら設定を変えれば良いので、フィルム時代よりも、スピードライトに対する敷居は下がったよう思います。
マニュアル発光しか出来ないスピードライトも、Amazonなんかで人気なのもうなずけますね。安くてもちゃんと発光できれば用をなすわけですから。

話を戻すと、TTL調光は、結婚式など常に移動しながら、状況が変化する環境で威力を発揮します。いちいちマニュアルで調整していられない場面では有効です。
純正は当然ながら、カメラとの互換性も高いわけですから、調光精度も良くて当然ですが、果たしてサードのNissinとSIGMAがどこまで制度が高いのかを比較してみます。

三者(三社)三様の作りと操作系

正面と違って背面は三者(三社)三様の作りになっている
左からNissin Di866 MarkII, Nikon SB-900, SIGMA EF-610 DG SUPER

背面のパネルと操作系は、写真でわかるように三者(三社)三様です。

SB-900とEF-610 DG SUPERは、大きめのモノクロ液晶ですが、Di866 MarkIIは小さめながらカラー液晶です。

操作系は、Di866 MarkIIは液晶画面を見ながら、基本は十字キーと中央ボタンで操作できて、見た目はシンプルです。

SB-900は、中央にダイヤルとOKボタン、別体のボタン、モード切替件電源ダイヤルで構成されていて、現行機のSB-5000に通ずる操作系です。

EF-610 DG SUPERは、一昔前の操作系と言った印象で、複数のボタンと電源スイッチで構成されています。

この中では、Di866 MarkIIが新鮮な印象ですが、現行のNissinのストロボ(Nissinはストロボと呼称しています)はカラー液晶は搭載せず、よりシンプルなバー表示になっていて、コストに見合わなかったのかもしれません。個人的には、このカラー液晶はTTL時にはシンプルに表示、マニュアルやワイヤレス時には細かく表示できて好きです。

面白いもので、発光部のヘッドのパンとチルト機構のロックも三者三様です。

Di866 MarkIIはロック機構がなく、フリーでヘッドが動かせます。これは、バウンスで縦位置や横位置撮影を短時間でこなす場合には便利です。もちろん固定できないという欠点はありますが、個人的にこの部分のロック機構は不要派です。

SB-900は1箇所のロック解除ボタンで、パンとチルトのロック解除が可能。また、パンは正面から左右どちらにでも180度回せます。これは便利です。他の2機種は、片側が90度までしか回りません。

EF-610 DG SUPERは、パンとチルト、それぞれにロック解除ボタンがあります。これが結構面倒で、同時に動かしたい場合は結構もたつきます。

付属品も違いがあります。

付属のスピードライトスタンド
左からNissin Di866 MarkII, Nikon SB-900, SIGMA EF-610 DG SUPER 用

3機種とも、赤外線ワイヤレス発光に対応しているため、スタンドも付属しています。

この中で一番頑丈そうなのは、右のSIGMAのEF-610 DG SUPERのスタンドで、リブもしっかり入っていて、三脚穴の周辺もリブを立てて剛性を上げています。実際、たわませても一番剛性感が高いです。

中央のSB-900のスタンドAS-21は、三脚穴が唯一プラスチックで、高価な純正スピードライトの付属品としてはいまいちです。

Di866 MarkIIのスタンドは、三脚穴は金属ですが、リブが少なめで剛性感は高くありません。

もっとも、スタンドは市販品含めて色々ありますから、付属品はあくまでおまけレベルなんでしょうね。

その他写真は載せませんが、SB-900はバウンスアダプターやカラーフィルター、フィルターホルダーもついていますが、他の2機種は付属していません。この辺りも、実売価格で差がついている所以でしょうね。

対決1:直射のTTL調光比較

それではいよいよ対決。被写体は大きめのぬいぐるみ。撮影距離は2m程度です。
内蔵スピードライトとの比較もしたかったので、スピード内蔵のNikon D810に取り付けてみました。レンズは、AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDです。
いずれも、露出補正、調光補正なし、ホワイトバランスはオート、ピクチャーコントロールはスタンダードで撮っています。

意外にも、内蔵スピードライトが、個人的には一番好ましい結果となりました。
Nikonのi-TTL調光は、背景の明るさも加味して、またホワイトバランスのスピードライト・ボディ間の伝達なども行っているようですが、SB-900がやや青みがかったホワイトバランスになってしまいました。

Di866 MarkIIは、内蔵スピードライトに一番近い印象ですが、発光部の高さの関係で、内蔵よりも影が強めですね。

EF-610 DG SUPERは、被写体も背景も白に近いのにも関わらず、補正なしでもかなり明るめです。

直射の場合、内蔵スピードライトも捨てたものではないですね。内蔵スピードライトは、ワイヤレス発光の際のコマンダーとしても使えるので、個人的にD810を手放せない理由の1つとなっています。あると便利なんですよね。
というわけで、内蔵スピードライトに軍配が上がりましたが、次点でほぼ内蔵に近い結果が得られたDi866 MarkIIも、なかなか健闘したと思います。

ちなみに、サードの2社とも、撮影データ上では、スピードライトはNikonのSB-800と認識されます。

Di866 MarkIIもEF-610 DG SUPERも、NX StudioではSB-800と認識される

対決2:バウンスのTTL調光比較

個人的に、外付けスピードライトは屋内でバウンスを使う事が多いので、これが今回の対決の本題だったりします。
当然、内蔵スピードライトはバウンス出来ないので、ここでは外します。

SB-900とDi866 MarkIIがアンダーになってしまいましたが、逆にEF-610 DG SUPERは白飛び! それも部分的に飛んだのではなく、ほとんど真っ白になってしまって、明らかにおかしいです。もともと直射でも明るめですが、バウンスでは度を超えています。アウトレットでなく、正規価格で買っていたら突き返すレベルです。

Nikon SB-900は、ここでは青みがかっていません。実はSB-900、オートホワイトバランスでは、同じ被写体を連続で撮り続けると、色味が時々おかしい時があり、安定性がイマイチなことがあります。直射の写真は、そのイマイチに当たってしまったかもです。

バウンスの場合、何れもこの被写体、壁の白さなど加味すると、調光補正は必要ですね。
というわけで、補正した写真がこちら。

SB-900とDi866 MarkIIは、どちらもこれで適正(もう少し明るくてもいいかな?)な露出になったように思います。が、EF-610 DG SUPERは、-2.0に調光補正しても、まだ明るめです。一体どうしたことか?

結論、SIGMAのEF-610 DG SUPER、TTL調光ダメじゃん

身も蓋もない結論ですが、SIGMAはちょっとTTLでは使えないレベルです。
実はこの1ヶ月ほど、お酒など物撮り写真は、ほとんどがEF-610 DG SUPERで撮っていますが、TTL調光は常にフラッシュ側で-2.0EVの調光補正をし、それでも明るいのでボディ側でさらに調光しています。
D850でもD810でも同じ傾向のため、ボディ依存でもなさそうですが、TTL調光は、デジタルの場合、モニター発光(実撮影前の調光のための発光)でセンサ側の反射を、TTL調光センサが読み取って明るさを決定していますが、どうもEF-610 DG SUPERはこれが上手く行っていないのかもしれません。特にバウンス時がおかしいです。

SB-900やDi866 MarkIIは、バウンス時に「応用撮影:バウンス」と記録される

気づいたことがありまして、バウンス撮影した場合、SB-900やDi866 MarkIIは、撮影データに「バウンス」と記録されるのですが、EF-610 DG SUPERは、バウンスしても、この表示は記録されていません。
EF-610 DG SUPER自体は、バウンスさせると、背面の液晶もバウンス表示となりますが、これがボディに上手く伝達されていないような? そのせいで、調光がおかしくなっている可能性があります。

SIGMAは近年、安物サードレンズメーカーではなく、サードのレンズメーカーとしても一流、またLマウントやSAマウントのカメラも出し、カメラメーカーとしても躍進しつつあります。
ただ、昔から、SIGMAは純正互換のTTLスピードライト(フラッシュ)は出していますが、ほとんどその評判は聞かないし、周りで使っているという話も聞きません。
Nissinは連続発光に強いマシンガンストロボ(現MGシリーズ)はプロも愛用していますし、近年は安価な中華製フラッシュもよく見かけます。GodoxとかNeewerあたりは有名ですね。
そんな中、SIGMAのフラッシュは存在感が今一歩ですね。今回のこの結果が、不具合なのか仕様なのかは、この後SIGMAに確認してみます。

EF-610 DG SUPER、設計が古いせいか、まだフィルムカメラのTTL調光にも対応していますし(Nikon SB-800と同様)、DNも大きく、質感も悪くなくて期待していたのですが。

アウトレット品とはいえ、1年保証があるので、保証はきちんと使いたいと思います。

追記:早速Webから修理を申し込んで発送してきました。保証修理でも送料かかっちゃうのがなんともだね
※保証修理の場合は、着払いでとのメールが後で飛んできました。そういうのは申込時に表示して欲しいですね。

SIGMA直送!アウトレット品届きました

SIGMAといえば、今はサードのレンズメーカーでも生粋の高品質なレンズを提供するメーカーで、Foveonセンサのカメラや、Lマウントのカメラなど、個性的なカメラも提供しています。
生産拠点を海外に移すメーカーも多い中、一貫して国産に拘っているのもポイントです。

そんなSIGMAのオンラインショップで、アウトレット販売がありるということで見てみたら、びっくりするほど安いので、2点ほど買ってみました?

SIGMAのオンラインショップは初めて使いましたが、なんと製品は福島の会津工場直送! まさに産地直送です(笑
普通は国内製造であっても、どこぞの物流倉庫に保管していたりするものなのですが、工場内に倉庫もあるですかね?
箱は特にSIGMAと印刷もされていない無地のもの。この辺りはコストをかけていないのでしょうね。

で、今回買ったのはこちら!

フラッシュEF-610 DG SUPERと30mm F2.8 DN (Micro Four Thirs)

なんと、合計で1万5千円強。フラッシュEF-610 DG SUPERは¥6,600円! 30mmも¥8,800、びっくりですね。
SIGMAのフラッシュは初めての購入、昔から売っているのは知っていますが、SIGMAのフラッシュっていまいち評判を聞かないというか、売れてるの?という印象しかないです。ですが、この値段、はっきり言って捨て値でしょう。どんな安いGNの低いフラッシュでも、1万円はしますから。

30mm F2.8 DNは、マイクロフォーサーズ用です。ちょうどGX7MK3ように、今メインのSUMMILUX 15mmより、もう少し長い単焦点が欲しいなと思っていたところでした。

フラッシュ、案外質感は悪くなさそう。30mm F2.8 DNも、シルバーですが、鏡胴はツヤの多い材質です。滑って落としそうになるというレビュー記事が多かったのも、何となく頷けます。

フラッシュは多灯発光させるのに、いくらあっても困らないし、30mmも、今Nikonの一眼レフで一番良く使っている60mmと同じ画角なので、使いやすそうです。

ぼちぼち使ってレビューしていこうと思います。