試験醸造酒、最近色々な酒造で少量販売していますが、今回は「風の森」でおなじみの油長酒造の試験醸造酒です。
風の森シリーズは精米歩合(お米を精米する際の削る割合)をガッツリ削ったものからほぼ削らないものまで、各種販売していますが、こちらは風の森の中でも特に削らない部類で、何と精米歩合は90%です。10%しか削っていないということになります。
普段硬水を使ってで仕込む所、このver.3では軟水と、追水に超硬水と、水を分けているのがポイントのようです。深層地下水を使っている!
そして酒米は奈良県産秋津穂、長期低温発酵醪を使用しています。
アルコール度数はやや低めの14度。さてどんなお酒に仕上がっているかな?
開栓注意のラベルが蓋にあったので慎重に開栓。生酒なので冷やした状態でいただきます。
上立ち香はラムネとも瑞々しい葡萄とも思えるなんとも芳醇な甘みを感じます。口に含むと、爽やかなガス感とともに、香りに違わぬラムネ、葡萄の甘みと共に、結構な複雑味と旨味も出てきますね。酸味も適度にありますが、何と言っても複雑味がこれまで飲んだ風の森の中でも引き立っています。複雑味は、苦みとも酸味とも渋みが織りなすハーモニーで、これは今まで飲んだことがない味わい。それでいてちゃんと芳醇な甘みもあるので、決して飲みづらいお酒ではないのですが、上立ち香の芳醇な甘さからはちょっと想像がつかない感覚です。
まさに試験醸造らしい試みです。個人的に、この複雑味をあと少し抑えるだけで、かなり好みのバランスになりますね。
風の森、開発力も素晴らしいですね。日本酒発祥の奈良県を代表する酒蔵と言っても過言ではないでしょう。見つけたら買いですよ!
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