AF Nikkor 20mm f/2.8Dの中玉バルサム切れ、修理できるか?

AI AF Nikkor 20mm f/2.8D

NikonのDタイプレンズとして、最後まで販売されていた中の1本、AI AF Nikkor 20mm f/2.8D、先日ついに「旧製品」となりましたが、私はこのレンズをかれこれ十数年保有しています。
調べたら、2004年にヤフオクで手に入れているようです。
今はAF-S 16-35mm f/4Gも持っているのですが、あちらは結構大きく重いので、わずか270gと軽量コンパクトで、バッグにもう1本として入れておけるこのレンズ、割と重宝していたんですよね。

私の最近の使い方だと、16mmまで使うことは年に2,3回程度、20mmで十分間に合ったりします。
AF-S 20mm f/1.8Gもあるので、これも結構欲しかったりしますが、やっぱり少し暗くても、ずっとコンパクトなf/2.8Dのほうが、使用頻度考えるとコスパが高かったり。

それほど解像度坊ではない私、D850を使っていても、このレンズで十分なんですよね。

で、本題、バルサム切れ発生

以前から、逆光だとかなりフレアっぽい感じになっていて、古いレンズだしそんなものかなぁ、と思っていましたが、先日持ち出したときに、これはおかしいぞ、となりました。

先日長瀞で、AF 20mm f/2.8Dで撮った写真

この写真、パッと見はおかしいところはありません。ですが、これを撮ろうとファンダを覗いた瞬間、おかしいと。明らかにファインダ全体が白っぽくフレアがかっているのです。デジタルでは、階調補正されるので、写真としてはおかしくないですが。
光にかざして光学系をチェックしてみました。うーん、曇りとかカビとか、特に見えないんですけど…。

で、家に帰ってから、もう一度しっかり確認。

ライトボックスを引っ張り出して、その上に載せてみました。

レンズをライトボックスに載せてみた

この時点でも特におかしいところはなかったのですが、いろいろな角度からよーく見ていくと…

この写真は撮るのに苦労しました。見事なバルサム切れです。写真は四半世紀ほどやって来ましたが、まさか手持ちのレンズでバルサム切れが発生するとは…

調べると、このレンズ、バルサム切れの事例が多いようです。
Nikon界隈ではお馴染みのHaniwa様も、バルサム切れではなくカビのようですが、同じ光学系のAI Nikkor 20mm f/2.8Sを2018年に修理にだされていたようで、全光学系修理だったそうです。
この時点ではMFの20mmもまだ現行品だったはずなので、修理部品は保持されていたようです。しかもRoHS対応のガラスになっているようですね。

さて、当方のAF Nikkor 20mm f/2.8Dも、MF時代からの同じ光学系、そしてつい最近まで現行品レンズでしたから、修理できるとは思うのですが、先の修理屋さんのブログには、

古い機種のため、メーカーから部品供給は受けられませんでしたが

https://oldlens-repair-studio.com/191007-repair-nikon-af-20-28d/

という一文。え? 確かにMF時代からの光学系の古い機種ですけど、ついこの間まで現行品だったレンズ、部品供給できないわけないよね? もしかして外部修理業者には部品出さないの? それとも、修理用の部品がもうNikonにもないのか?
オールドNikonの修理業者ではおなじみ、ニコンOBの方が立ち上げたフォト工房キィートスさんにも修理依頼をしてみたところ、中玉の部品供給出来ないので、修理できないとの連絡が。やはり修理できないのか。

確かに、AF Nikkor 20mm f/2.8D、かなり古いレンズで、もう製造自体は相当前に終了していて、長いこと在庫限りの可能性は考えられます。そうなると、補修用部品も製造は止めていて、在庫の部品も思ったより早く払底してしまった、ということもありそうですが…。

ただ、Nikonのサポートページを見ると、しっかりと修理可能品リストに、AF Nikkor 20mm f/2.8Dは入っているんですよね。

2020年9月時点で、修理可能なリストに入っているAF 20mm f/2.8D

ということで、素直にNikonに修理に出してみます。まあはっきり言うと、中古の同製品を買うのと変わらない修理費にはなるでしょう。ただ、もう旧製品となった今、そして他の修理業者では修理できないとなると、このレンズはなんとしても救い出したい、という気持ちが強いです。

中古の同レンズでは、いつしか同じ症状になるでしょうし、ちゃんと直し他レンズのほうが安心でしょう。光学系もRoHS対応の新しいガラスになるとしたら(私の個体はS/Nから察するに90年代製造)、バルサム切れに対しても、品質改善の対策がなされている可能性もあります。

さてどうなるやら。そして修理費用(泣)

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