Nikon ES-1とCOOLSCAN フラットベッドスキャナを比較する その2

Nikon D810 + ES-1 vs Nikon COOLSCAN IV vs EPSON GT-X750第2弾です。

今回も、フィルム箱からたまたま手に取ったフィルムがカラーリバーサルなので、そちらをスキャンしてみました。

2002年に山梨県は昇仙峡周辺で撮影、Nikon F90XにAi AF Nikkor 35mm f/2D。絞りf4/シャッタースピード1/4000秒。
フィルムはKodakのEktachrome DYNA High Color(EBX)。
Kodak版Velviaとでもいいましょうか。
Ektachromeもなくなって久しい、と言うか、Kodak自体、カラーリバーサルフィルムの一般販売を2012年に終了してしまいました。

今見ると、このフィルムもKodakらしい暖色のイメージの色合いに感じます。Velviaよりも明らかに暖色系です。
発色は、High Colorを謳うだけあってかなりよく、ただ個人的には発色を求めるならVelviaだったので、このフィルムは確か1回きりしか使わなかったと思います。

フィルムの状態としては、エアブローで取りきれない埃が少々が付着しており、うっすらと線傷が入っています。
発色の良さは、スキャンでもよくわかりますね。
GT-X750のみ、ドライバの設定でトリミングを自動にしてしまい、アスペクト比が異なっています。

設定については、ES-1を組み合わせたD810は、ピクチャーコントロールをナチュラル(前回はスタンダードでしたが)、光源はスピードライトSB-900、ホワイトバランスはフラッシュに固定、ADLはオート、感度はISO64です。

なお、今回はデータ量の関係上、全体写真は解像度を長辺側2048pixelに落としています。
発色やコントラストなどを比較してみてください。

その代わり、中心付近の等倍切り出しも行って掲載しています。
COOLSCAN IVは2900dpi、GT-X750は3200dpi、色の設定はデフォルトのままの設定です。
D810も撮って出しです。

●Nikon D810 + Nikon ES-1
Nikon D810 + ES-1

●Nikon COOLSCAN IV ED
Nikon COOLSCAN IV ED

●EPSON GT-X750
EPSON GT-X750

D810+ES-1は、やや赤みがかった印象ですが、フィルムの解像感を余すところ無く描画していると思います。
この撮影は、記憶では三脚を使用しており、手ブレはありません。
135判フィルムの解像感を余すところ無く写しとれていて、D810は流石と思いました。
やはりホコリが目立つのが欠点ですね。
太陽も白飛びが最も少なめに思います。ダイナミックレンジが広い証拠です。

COOLSCAN IV EDは、一番発色がライドボックスで見た原版に近いイメージです。ただ、発色はこの3つで一番控えめ。
解像感はなかなかです。
太陽の白飛びは、D810に一歩譲る印象。諧調表現は、10年以上前のスキャナとは思えない良さです。
ホコリ取りもかなり綺麗に行われています。


GT-X750は、やや赤みが原版より少なく、ギリーんが多めに感じます。太陽が白飛びしているようにも見え、ほか2つより輪郭が大きく見えます。ホコリ除去は処理がCOOLSCANより劣る印象で、ホコリを取った後のつながりが悪く、ここはホコリ取り処理をした、とわかってしまう感じです。
今回に限って言えば、あまり思わしくない結果でした。フォーカスももう一歩です。



それでは、それぞれの等倍切り出しです。

●Nikon D810 + Nikon ES-1
Nikon D810 + ES-1等倍切り出し

●Nikon COOLSCAN IVED
Nikon COOLSCAN IV ED 等倍切り出し

●EPSON GT-X750
EPSON GT-X750 等倍切り出し

こうして等倍切り出しすると、それぞれの特徴がよくわかりますね。

D810 + ES-1は、多分少しフォーカスがずれたようです。
ES-1はチューブを前後させて微調整できる反面、ちょっとした事で動いてしまうのが欠点で、今回も少しピントを外している印象。
とは言え、解像感はかなり良いですし、太陽の白飛びも抑えられ、階調がきちんと出ています。
暗部からのつながりもよく、ダイナミックレンジは最も広いと言えます。
光源であるSB-900の発光量を追い込めば、暗部はより階調豊かになるでしょう。今回は暗部は少し潰れ気味ですね。

COOLSCAN IV EDは、ドンピシャのフォーカスで、今回最も解像感が高いです。さすが専用機です。
ススキのディテール、綿の質感がしっかり出ていると思います。
太陽は白飛び気味です。ススキは暗部の表現もなかなか良いです。
全体的に満足度の高いもので、ホコリの除去もズムーズに行われていて、不自然さはありません。

今回はやはり一番残念な結果だったEPSON GT-X750。
まず太陽がかなり白飛びしてしまっているのがわかります。昔のデジカメで撮ったかのよう。
すすきのディテールも今ひとつで、ここはフォーカスが微妙にずれているからでしょう。
空の階調表現ももう一歩といったところ。ホコリ除去の処理がもう一歩で、解像感低下の原因に1つにもなっています。


我ながら、なかなか面白い比較でした。
リバーサルフィルムのスキャンについては、安定性の面で、今でも専用機が優位であることが分かりましたし、ホコリ除去やセッティングの面倒さはあれど、D810 + ES-1は最新機種らしく、解像感や階調表現はなかなかのものがあります。

リバーサルに限れば、これからフィルムスキャンに挑戦したく、気軽に行いたいのであれば、Nikon ES-1を使わない手はないと思います。
COOLSCANのような専用機は、国内メーカーはもはや中古でしか入手できず、中古でドライバも古くリスクは有りますが、性能は今でも十分通用することがわかりました。

フラットベッド機は、上級のEPSON GT-X970や最新のGT-X980がどの程度の実力なのか、非常に興味がわきますね。

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