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【相原酒造】令月 くだもの デラウェア

初めて買った酒蔵のお酒です。今回は妻リクエスト。

【相原酒造】令月 くだもの デラウェア

数量限定販売とこと。日本酒なのに「くだもの」「デラウェア」と銘打ったお酒です。

【相原酒造】令月 くだもの デラウェア

日本酒好きであれば、まるで芳醇な果物だとか、桃ジュースだとか、そういった例えに代表されるフルーティな日本酒も数多くあるのですが、一般に日本酒に対するイメージといえば、まだまだ「辛口」「淡麗」「爺の飲み物」「居酒屋飲み放題」のイメージがつきまといます。
これは味そのものより、安く大量生産を優先させたした酒蔵のせいでもあるのですが、こうしたイメージが先行する限り、ワインなど洋酒に太刀打ち出来ないのではないかと思っています。

そういったイメージを覆すため? とてもわかり易い「くだもの」をストレートにアピールしています。
酒米は八反錦を真吟精米(いわゆる扁平精米)し、米の心の美味しい部分を残しつつ、表面の雑味をきれいに削っています。精米歩合60%、協会9号酵母使用、アルコール度数は平均的な16度です。

デラウェアはラベルにあるようにブドウの品種で、この品種をイメージしたと思われます。果たして?

ほんのり淡黄色の酒

上立ち香は…ああ、確かにブドウっぽい気がしますが、芳醇な香りではなく、どちらかというとあまり主張しないタイプ。
冷酒で口に含むと、思いの外あっさりで、確かにブドウっぽい酸味はありますが、芳醇ではなく、かと言って端麗でもない中庸。
うーん、思ったほどブドウっぽくないなと感じたけど、少し間を置いて飲むと、お、だんだんブドウの酸味と甘味が増してきた、そして香りも日本酒ではなくもっとフルーツ系に近づいてきました。
温度が少し上がったほうが、ブドウ感を楽しめますね。ただ、思ったよりはあっさりなブドウで、個人的にはもっとわかりやすく芳醇さをアピールしても良い気がしました。
でも、他にはない上立ち香、雑味感はまったくない透き通った後味など、個性はしっかり放っていますね。

火入れ酒ですが、開栓して少し経過したほうが良さそうな味わいでもあります。が、初日にして半分空けてしまった…。さて変化は楽しめるかな?

Nikon Z 9で撮影した写真を無線LANでシームレスにNASに転送する方法

ここ5,6年で販売されているスチルカメラの多くに、BluetoothやWiFiが搭載されるようになりましたが、ちょっと前の機種ではスマホとの接続を目的としたものが多く、撮った写真を無線LAN経由でパソコンやNASに転送することが出来ないカメラが多いですね。

例えばNikon D850D500はWiFiを搭載しているものの、ボディ単体では、あくまでスマホでの撮影画像表示や画像を高速伝送するためのもので(Bluetoothでも転送可能)、PCやFTPサーバーに送信するには、別途ワイヤレストランスミッターWT-7を購入する必要があります。

ワイヤレストランスミッターWT-7を取り付けたD500

しかしここ最近のミドルクラス以上のボディでは、パソコンに接続でき、画像転送可能な機種も増えてきました。
Nikonの場合、D6やZ 9がボディ単体でPCと無線LAN、有線LAN接続やFTP転送可能です。

ちなみに、SONYだとミドルクラスのα7 IV、CanonだとEOS R6は無線LANでFTPサーバーに接続対応しています。NikonはZ 6IIだと、パソコンと接続は可能ですが、FTP接続はなく、あくまで1対1のアドホック接続のみのようで、この点はNikonは一歩遅れていますね。

NASのFTPサーバー機能を使ってZ 9の画像を転送する

近年は一般家庭でも、NASを使うことで気軽にFTPサーバーを立ち上げられるようになりました。
我が家では、NETGEARのReadyNASが2台稼働していて、FTPサーバ機能もついています(NETGEARは最近NASの開発を辞めてしまったようです…)。

このNASのFTPサーバをONにしておくことで、家の中で無線LANが接続できる環境であれば、カメラで取った画像をシームレスにNASに転送可能となります。
それではZ 9でFTP転送の設定してみましょう。
予め、NAS側のFTPサーバ機能をオンにしておきます。また、NASはIPアドレス固定のほうが何かと便利です。

ReadyNASで”WT”というフォルダを作成し、FTPをONにする

次にカメラ側。Nikon Z 9の場合、MENUを押すと、ネットワークメニューという項目があるので、その中から「FTPサーバーと接続」を選択します。

接続設定から新規追加を選択すると、「接続ウィザード」または「手動設定」が選択可能。
ここでは「手動設定」の方法を選択肢し、接続方法「無銭LAN」を選択します。すると、下記メニューが表示されます。

「全般」では接続設定の名称を入力できます。家庭内のNASに接続するので、ここでは”Home”としておきました。

次に「無線」を選択、無線LANに接続します。所望のSSIDを選択し、ネットワークパスワードを入力します。認証方式はWPA2-PSKまたはWPA3-SAEで、これは今どきの無線LANアクセスポイントなら最低限WPA2に対応しているので問題ないでしょう。

「TCP/IP」はカメラ側のIPアドレスの設定です。通常はDHCPによるIPアドレス「自動」で問題ないでしょう。

「FTP」でFTPサーバーの種類「FTP」または「SFTP]を選択します。後者はSSHによる暗号化プロトコルを用いています。
家庭内であれば、通常のFTPで問題ないでしょう。業務用として使う場合、SSH対応のFTPサーバーであれば、後者を使うべきでしょう。
あとは、NASのIPアドレスと、記録先のフォルダを入力します。ポート番号は通常デフォルトで問題ないです。パッシブモードも通常はONで問題ありません。

FTPサーバーのIPアドレスと記録フォルダを設定

以上で、設定完了。あとは、設定した名称を選択すると、左下の画像のように接続表示となります。ボディ側のLANのLEDも点滅します。
接続後は、「オプション」から各種設定が可能です。ここでは、「撮影後自動送信」をONにしてみました。
すると、撮影した画像データはシームレスにNASに転送されます

後はカメラで撮るだけ! 撮ったデータは、ReadyNASの”WT”フォルダに撮影画像がFTPで自動転送されました。

自動転送設定で、撮ったデータはシームレスに転送される

データ転送速度も実用的です。
例えばスタジオ撮影や結婚式会場など無線LAN環境下の撮影で、カメラマンが撮った写真がシームレスに飛んでくるので、すぐにPCでの画像確認や編集が可能ですし、カメラ側のメモリーカードとは別にバックアップが取れるという意味でも、こういう使い方が出来るのは便利ですね。
ではアマチュアではこういう使い方、メリットが有るのかというと…ん~、やっぱり撮ったデータをすぐPCなどで編集できるのは、人によっては便利かな~と思います。いちいちメモリカードを出し入れしなくても済みますし。

タイムラプス用のインターバル撮影でも、無線で飛ばせたら結構便利ですしね。
色々使い方はあるかと思います。

CQオーム・COMETオリジナルエアーバンドアンテナAIR-51Xを買ってみた

戦闘機など自衛隊機、軍用機撮影にあると便利なエアバンド受信機ですが、導入して数年、ダイヤモンドアンテナのエアバンド受信アンテナSRH1230を使っているのですが、車のドアに挟んでしまって、少し折れ曲がってしまっています。
そのせいかは分かりませんが、最近、どうも感度が悪い気がしていました。
他の人が入っているのに、自分のレシーバー(STANDARD VR-160)のみ入らなかったり、途切れることがありまして。
元々STANDARD VR-160、エアバンドでは定番のicom IC-R6より少し感度が悪い気はしていましたが、それにしても入らないなぁ、ということがしばしば。

先日の百里基地撮影の際に、撮影仲間の使っているアンテナ、CQオームオリジナルのAIR-51Xを教えてもらい、試しに買ってみることにしました。


古畳(笑)とCOMET X CQOHM AIR-51X

SRH1230より細く、長さは51cmと、SRH1230より少し長いです。
パッケージを簡素化…とありましたが、割としっかりとした箱で送られてきました。
中身は確かに簡素化してますね。

ダイヤモンドアンテナのSRH1230(上)より少し長め

取付は一般的なレシーバーのアンテナに使われているSMA-P型なので、ねじ込むだけです。

さて、折れてしまっているSRH1230と比較してみましょう。
自宅から定常的に聞けるのは、羽田空港のアプローチ(APP)やデパーチャー(DEP)、あるいは東京コントロールなどです。とりあえず、常時流している羽田空港のATIS(Automatic Terminal Information Service)をベランダで受信してみました。

違いは…うーん、SRH1230のほうが、メーターが振れていますね。SRH1230が6~8セグ振っているのに対して、AIR-51Xは5セグ。SHR1230のほうがノイズも少なめな気がします。
やはり定番のSHR1230は伊達ではないのか~。ただ、あくまでこれは1つの条件下での結果なので、実際に他の場所で使ってみてどんな塩梅かは試してみたいと思います。

【豊乃鶴酒造】大多喜城 桃色にごり酒

先週千葉に行った際に、BBQ用のお肉の調達と同時に買ったお酒です。

【豊乃鶴酒造】大多喜城 桃色にごり酒

桃色というと、当ブログでは群馬の「流輝 桃色無ろ過」をよく紹介していましたが、こちらのお酒も赤色酵母を使用したお酒となります。

「大多喜城」というブランドのお酒を買うのは初めてです。あまり米どころのイメージがない千葉ですが、実はこうした小さな酒蔵はかなり多くあります。ほとんどが地産地消で、あまり県外に出回らないようです。なので地元で買うしかなく、こうして旅先で買うのもまた一期一会ということです。

赤色酵母は、仕込みによって発色が変わる不安定なものですが、色合いと酸味が、桃やイチゴを思わせる風味となることもあり、近年少しずつ増えてきているように思います。
アルコール度数は10度と抑えめにして、軽めのテイストで飲みやすさを追求しているようです。
その他、日本酒度や酒米銘柄は非公開です。

濁り成分多めで、イチゴミルクのような風合い

冷やしていただきました。上立ち香は仄かで、ことさら主張しないタイプ。
口に含むと、思ったよりもさっぱりとしています。甘みも大きくは主張せず、イチゴのようなさっぱりとした酸味が基調となっています。
濁りによる苦味、やや粗さも感じさせるけど、後味はさっぱりとしていて引きずらないですね。
個人的に、この手のお酒であれば、もう少し甘さを立たせても良いかな、とは思うけど、これはこれでしつこすぎず飲みやすいお酒ではあります。

またお出かけしたら、ご当地でお酒を仕入れたいですね。

【清水清三郎商店】作 ZAKU 恵乃智 中取り 純米吟醸

10月より値上げする清水清三郎商店の作(ZAKU)シリーズ。9月最後の購入と言うことで、今回は恵乃智の中取りです。

【清水清三郎商店】作 ZAKU 恵乃智 中取り 純米吟醸

一升瓶で購入。恵乃智を飲むのは久しぶりですが、その中でも、中取りです。

ラベルにも書かれているように、中取りは、酒を搾る過程における、最初の部分「荒走り」と最後に圧力をかけて搾る「責め」を含まないお酒です。通常これらをブレンドするところ、あえてブレンドせずその中間のみを瓶詰めしたお酒です。

酒米は非公開、精米歩合60%、その他の情報は非公開です。作 ZAKUシリーズは味を安定させるために、近年人気の火入れしない生酒ではない火入れ酒ですが、生鮭のようなフレッシュな味わいを楽しめます。
ここまでは基本情報、恵乃智の中取りは初めて飲みます。さてどんな感じかな?

ほんのり淡黄色

火入れ酒ではありますが、冷蔵庫保管を推奨。もちろん常温でも問題ありませんが、ある程度長期保管するなら冷蔵がおすすめとのことです。

上立ち香は華やかな吟醸香。雅乃智の中取りよりもより吟醸香が強めです。
口に含むと、甘い!けど芳醇な膨らみや酸味とともに、後から苦味と適度に辛さも来ます。洋梨のような芳醇な甘みが持ち味ですが、甘すぎず余韻を残しつつ引いていきます。

広く万人に飲んでほしいというコンセプトのもと、決して複雑すぎない、個性的すぎないお酒ですが、高い次元でバランスが取れたお酒です。
やっぱり作はハズレ無しですね。安心して飲めます。そして贈答用にもピッタリのお酒ですね。

【白玉醸造】名門の粋 魔王

まだ日本酒にハマっていなかった、というより20代後半、暫くの間日本酒が苦手で飲めなかった時期があり(今ではこんなに飲んでいるのに!)、その頃は焼酎にハマっていました。
といっても、お店で飲む程度で、自分で買うのはもっぱら黒霧島とかでしたが。

その頃ちょっとした焼酎ブームというのもあって、比較的居酒屋にも有名な焼酎が多く置かれていたりして、そこで出会ったのがいわゆる3Mとも呼ばれる「森伊蔵」「魔王」「村尾」ですが、その中では比較的手に入りやすいのが「魔王」ではないでしょうか。

芋焼酎のなかでも、よく使われる黒麹や白麹ではない、黄麹を使用することで、芳醇な吟醸香でフルーティな味が楽しめます。

こいつは以前通販の5本セットで手に入れたものです。満を持して開けます。
熟成酒ならではの芳醇な味を楽しめるかな?

【白玉醸造】名門の粋 魔王

まず香りが良いですね~。本当にフルーティです。いも焼酎なので、当然さつまいもの香りですが、それ以上に日本酒にあるフルーティな吟醸香です。
ロックで飲みましたが、冷たい状態でも芳醇な香りと甘み、そして適度な辛さがあるので、アルコール度数は日本酒より高いのに、あまりそれを感じさせません。

このあとストレートで飲みました。いい! より甘みが増して、さらに芳醇な味を楽しめます。
良いものは良いね。どうもお酒を色々飲み始めると、少量生産の通好みのお酒を好んで、ベタなお酒は避けがちになることもあるけど、改めて焼酎の良さを実感した次第。

同酒造の「白玉の露」もドはまりしましたが、さすがに魔王は上を行きますね、当たり前ですが。

【カセットテープ豆知識】オートテープセレクターの検出孔

80年代生まれまでの世代であれば、大抵の人が使ったことがあるであろうカセットテープも、生まれたとき既にMDの時代でした、CD-Rがありました、という世代には、大昔のメディアという印象が強いであろうカセットテープ。

最近リバイバルしてちょっと人気みたいなので、あの頃オーディオをやっていたオッサン連中なら知っているであろう知識も、若い世代には新鮮? というカセットテープネタです。

カセットテープの種類をデッキが自動判別するための穴

カセットテープには、大きく分けて4種類の磁気特性の種類があり、ノーマルポジション(Type I)、ハイポジション/クロームポジション(Type II)、フェリクロームポジション(Type III)、メタルポジション(Type IV)がありました。
このうち、今でも売られているのは、当初から販売されていたノーマルポジションのみです。また、フェリクロームポジションテープは、ノーマルとハイポジの良いとこ取りでしたが、製造コストがかかることと、その後すぐメタルポジションテープが登場したことから、80年代半ばほぼ死滅しました。Yamaroも使ったことはありません(当時使っていたSONY TC-FX5にはテープポジションセレクタに存在していた)。

カセットデッキは、これらテープの磁気特性の違いから、録音時にはバイアス量、再生時にはイコライザー時定数の違いから、テープの種類(ポジション)を切り替える必要があります。

80年代半ばまでは手動切替だったものが、徐々に自動切替になっていきました。
では自動でどうやって判別したかというと、カセットテープ側に検出孔と呼ばれる穴の有無で判別していました。

テープの種類により穴の数が違う

フェリクロームテープ(Type III)は、前述の通り80年代なかばに消えてしまったことから、こうした検出孔はなく、オートテープセレクターのカセットデッキでは、ノーマルポジションテープとして検出されてしまいましたが、あまり普及しなかったテープなので、実質的に問題はなかったようです。

カセットデッキ側にも、検出孔の穴の有無を検知するための検出スイッチ(テープの誤消去防止爪の検知も含む)が存在しました。

誤消去防止爪とテープポジション検出スイッチ
左から誤消去防止爪検出、メタルポジション検出、テープの存在検出(検出されないとデッキの操作ができない)、ハイポジ/メタルの検出スイッチ、誤消去防止爪検出スイッチ(PIONEER T-03SR)

カセットデッキ側は、写真のデッキはオートリバースデッキのため、誤消去防止爪検出スイッチがテープのA面B面用に左右それぞれ存在します。

ウォークマンなど再生専用機の場合は、イコライザーの再生時定数(ノーマルは120μs、ハイポジとメタルは70μs)のみ検出すれば良いため、メタルポジション検出スイッチが存在しませんでした。

今となっては懐かしい話ですね。

KENWOODのチューナー KT-1100Dの調整を行った

久しぶりにオーディオネタを連発しています。

カセットデッキのPIONEER T-03SRのベルト交換をしたついでに、その下に設置していたFM/AMチューナーのKENWOOD KT-1100Dの調整を行いました。

KENWOOD KT-1100D

元々はチューナーの老舗

今、KENWOODのイメージはと言うと、一般にはカーナビ、かろうじてミニコンポを売っている、というイメージしかありませんが、元々はFMチューナーなどの受信機の会社として設立し、旧社名のTRIO(トリオ)で、チューナやアンプなどオーディオ機器、そして無線機のメーカーでもありました。また、オシロスコープのような測定器も販売していました。
TRIOはかつてはオーディオ御三家として、SANSUI(現在は法人格が消滅し、ブランド名のみ海外に切り売りされている)、PIONEER(カーナビなどを売るパイオニア本体から切り離され、オーディオブランド名が存続中)と供に、1960年代から70年代の日本のオーディオ界を席巻しましたが、今や御三家で本体から切り離しや倒産せずに生き残っている唯一のブランドだったりします。名前はKENWOODになり、会社自体はVictorと合併しましたけどね。

このKT-1100Dが販売される1年前の1986年に、KENWOODに社名変更されていますが、既にKENWOODブランドは1984年辺りから使われているようですね。
チューナーとしてもバブル期故に贅沢な設計となっており、音質も素晴らしく、同社の高級機Lシリーズほど贅沢な作りではないにしろ、当時の定価が¥74,800とかなり高額な部類です。90年代に入ると、バブル崩壊し、贅沢なアナログ回路の極みであるチューナーは低価格化し、単体オーディオ機器では下火になっていったので、この時代の機種は今や希少なFMを高品質で楽しめるチューナーです。

私はと言うと、学生時代に友人の祖父が使っていたものを処分する、と言うことでタダで頂いたものです。その友人の祖父からはBRONICA S2ももらったので、今でもこの2台が現役なのは、何と物もちが良いというか(笑)

末永く大切にしたいと思います。

経年でずれた同頂点の調整

チューニング自体はデジタル表示ですが、アナログ回路故に経年でどうしてもズレが生じます。

同調点がずれて中央の白いバーではなく、右に1つずれた赤いバーが表示されている

チューニングシグナルバー、周波数が一致すると中心に電波強度が表示され、左右の赤いバーは中心周波数からずれていることを示します。90年代以降はこうしたチューニングバーを搭載する機種はほぼなくなってしまいました。これも贅沢なチューナーの1つの機能でした。
さて、不具合としては、このバーがチューニングを合わせても中心に表示されません。
この部分は何度か調整していますが、数年でズレが発生してしまいます。ズレてしまうと、ステレオ受信ができなくなってしまいます。
今回はこの調整を行いました。調整のやり方や技術的なお話は、こちらのHPが参考になります。大昔から見ていて、今でも参考になります。こうした情報が長く残ることこそ、HPの醍醐味なんですけどね。HP全盛期から消えてしまった情報は多いですから。

同頂点L9を調整する

精密ドライバで、L9を回して同調点を調整します。今回調整するのはここだけですが、これで同頂点ズレが解消され、ステレオ受信可能になります。
実は、ラックから引っ張り出すのが億劫で、この数年、殆どRadikoで過ごしていたので、ちゃんと調整して、再びメインオーディオで聴けるのが楽しみです。

周波数表示自体のズレは直らなかったけど、ステレオ受信が可能に

残念ながら、他の部分の調整が必要なのかな? 本来の周波数に対して0.1MH低い表示で、同調点が白表示になり、ステレオ受信可能になりました。

受信感度も下がってしまったけど、ノイズレスでステレオ受信できるので、とりあえずこれでよし

うちはマンションのケーブルテレビでFMは再送されているため、一般的なアンテナ受信とは周波数が異なっていますが、本来の周波数より0.1MHz低いところで同調点が合ってしまいます。周波数自体の調整が必要ですが、オシロスコープや発振器などがないと、これ以上の調整は難しいので、深追いせずに、ラジオがきれいに聞こえればそれで良しとしました。ちゃんとステレオ受信も可能になりました。
ただ、感度がずいぶん下がってしまいました。受信感度がDIRECTだと、バーの表示が低いのです。以前はインジケーター7つくらいでていたのが、2~4つしか出ません。感度を上げるDISTANCEにすると改善しますが、ノイズも増えるので、DIRECTでノイズレスで聞けている分にはこれで十分でしょう。

音が良い! Radikoとは雲泥の差

最近radikoばかりで聴いていたので、久しぶりにKT-1100DでFMを聴いてみたら…いやぁ、別格です。当たり前ですが、radikoがHE-AAC v2 48kbpsの高圧縮低ビットレートで配信されているのに対し、FMチューナーはアナログ波をそのまま受信していますから、電波環境さえ良ければ、音質は単体FMチューナーを使用するほうが圧倒的に優れています。
MP3とCDとの差、以上に違いますね。音の厚みが全く別物です。ああ、radikoではこんなに失われていた音があったのか、と痛感。

しかし、オーディオの下火とともに、現在は高品質なチューナーは、AccuphaseのT-1200MacintoshのMR87くらいしかなくなってしまいました。もはや1,2万円台のチューナーすらないのです。ちょっと前まで、もう少し低価格でYAMAHAが頑張っていたのですが、それも生産完了となってしまいました。
カーナビではFM/AMチューナーが搭載されていますが、将来的にはradikoになってしまうのかな? 便利なような、そうでないような時代になってきましたね。

カセットデッキ PIONEER T-03SRのベルトを交換してみた

カセットデッキネタです。
前回、B’z Highway Xのミュージックテープを、手持ちのカセットデッキ、PIONEER T-03SRで再生してみたのですが、その過程で再生は問題ないものの、テープの早送りの回転が不安定であることがわかりました。

早送りが不安定になったカセットデッキ PIONEER T-03SR

せっかくの有休日なのに天気も悪いので、内部のベルトが伸びているのだろうと思い、交換することにしました。

ペナペナの安い筐体のデッキですが、MADE IN JAPANだったりします

まだPIONEERの本体がオーディオ部門を手放していなかった90年代の製品です。きちんとMADE IN JAPANです。今なら間違いなくMADE IN CHINAになっていることでしょう。PIONEERも、本体はオーディオ部門を切り離し、最近そのオーディオ部門を持っていたオンキヨーホームエンターテイメントが破綻、しかし何とかアメリカ企業のPremium Audio Companyにブランドを拾われ、日本国内ではTEACが代理店となることとなりました。
PIONEERブランドのオーディオ、好きなので、これからも良い商品を生み出して欲しいですね。

廉価デッキらしく中はスカスカ

販売当時の定価は¥39.800、購入価格は、確か当時エイプランというオーディオ雑誌によく載っていた通販の会社で、¥26,800と大幅割引されていました。高校生のお年玉でも手が出しやすい価格でしたね。
今ではありえない廉価なのも、カセットデッキの末期で作り手もコストダウンしても性能を維持できた時代です。

中身はスカスカ

廉価デッキらしく、鉄板もペナペナですし、中身もスカスカです。それでも、こうすることで低価格化していたのですから、アナログ末期のコストダウン技術はすごいです。

電源小さい! 大した消費電力はなく、アナログ回路も小規模なので、こんなものでしょうね。ヘッドやキャプスタン・ピンチローラーは、いつでもメンテ出来るので、今回は簡単に清掃するに留めました。
そして内部のメカを見てみると…おお、これまた安っぽいね。

写真中央奥の細いベルトが伸びていました

今回ダメだったのは、上の写真の中央奥にある細い方のベルトです。これが経年で伸びてしまい、回転時にたわんで回転トルクがしっかり伝わらず、早送りのスピードが不安定になっていました。

ちなみに、T-03SRはカセットテープを巻き取るモータはたったの1つ。1つのモータでテープの巻取、キャプスタンの回転を行っているのです。手前にある大きなプーリーが、テープを安定して送り出すためのキャプスタンの軸を動かしています。中級機以上であれば、個々の部分が独立したモータになっています。廉価機故に、1つのDCサーボモータで全てをこなしているのです。
このため、テープの回転ムラを示す、ワウ・フラッターは0.08%WRMSと、単体オーディオデッキとしては、あまり良くはありません。
それでも、実用上何とか問題ないレベルにはなっていますが。

早速ベルトを交換することに。

手持ちの汎用ベルトで近い長さのものを選択

以前買っていた汎用ベルトを使って交換します。
交換は取り外して入れ替えるだけなので簡単ですが、分解しないでやると、案外奥にあるプーリーにベルトを引っ掛けるのが大変でした。

こんな感じで、早送り・巻き戻しでもベルトがたわまなくなり、回転が安定しました。
メインのベルトも交換したいところですが、幅が太く長いため、これはまた次回ですね。今のところ再生は問題ないです。

DOLBY S NR基板

おまけです。せっかく開けたので、DOLBY S NR(ドルビーノイズリダクション)基板とやらを見てみました。

縦に基板が刺さっていますね。DOLBY S NRは、業務用のDOLBY SRを民生化した、最後のドルビーノイズリダクションシステムで、ノイズの低減効果は低音域まで及び、おおよそ24dB程度のノイズ改善が可能です。
ただし、1991年に登場したため、時代は徐々にデジタルオーディオに移行しつつあり、単体オーディオデッキでしか採用されることはありませんでした。
特に、初期のものは回路構成が大きいため、コストが掛かり高級機のみに採用、またナカミチなど高級カセットデッキメーカーの一部は最後まで採用しませんでした。
PIONEERのT-03SRは、このDOLBY S NRのICに、SONYのCXA1417Qを採用することで、回路をシンプルコンパクト化することが出来たためコストが下がり、定価¥39,800のデッキながら、DOLBY S NRを搭載するに至りました。
このT-03SRが、DOLBY S NRを搭載した最も安価なデッキでした。

でも見ての通り、SONY CXA1417Qで小型化出来たと言っても、あくまでもそれは単体デッキでの話で、DOLBY B/C NRのように、ICがワンチップ化されポータブルオーディオ、ラジカセ、カーステレオにも採用されたのと違い、IC1つで構成できたわけではないようで、これもDOLBY S NRが普及しなかった要因の1つです。

90年代は既にDAT(デジタルオーディオテープ)、MD(ミニディスク)と言ったデジタル録音メディアが登場、YamaroもT-03SR購入当時にDATデッキもMDも持っていたため、カセットデッキはこの廉価機で妥協していました。
90年代後半は既にカセットデッキは技術的ピークを迎え、デジタルと久遠メディアの登場と共に衰退が始まりつつありました。

あれから四半世紀、カセットデッキやカセットテープの技術が失われてしまったのも、無理はないですね。
今あるデッキやテープは末永く使えるようにメンテナンスしないとですね。

【宮尾酒造】〆張鶴 純 純米吟醸酒

今回は自分で買ったのではなく、妻が頂いてきたお酒です。

【宮尾酒造】〆張鶴 純 純米吟醸酒

米どころ新潟のお酒ですが、初めて飲む銘柄です。日本酒は本当にたくさんの酒蔵がありますが、多くは地産地消で、まだまだ知らない酒は多いですね。

「〆張鶴(しめはりつる)」は、名前は聞いたことがあるような気がしますが、自分のよく行く酒屋では見かけたことはないです。埼玉の有名酒店、マツザキには置いているみたいだから、間違いはないお酒と思います。
こういう出会いもまた、日本酒の一つの楽しみですかね。
宮尾酒造は、文政2年(1819年)創業の老舗酒蔵です。さすが新潟ですね。

酒米は五百万石、精米歩合50%と大吟醸レベルまで削っています。アルコール度数はほんのすこし低い15%。日本酒度+3。さて如何に?

淡い黄色だけどほとんど透明

冷やした状態で。上立ち香は透き通った吟醸香。きれいな香りです。
口に含むと…おや、さっぱりしています。水です。きれいなお酒の代表格みたいな透き通った滑らかな味わい。甘みがまず出て、その後ちょっと辛さと苦味はあるけど、どれも押し付けがましくない、お淑やかで上品な口当たりです。いわゆる淡麗なお酒、なのですが、味わいはじわじわと押し寄せるタイプで、決して淡麗すぎて何も残らない…というタイプでもありません。
スーッと引きの良い後味で、これぞ純米吟醸酒というお酒ですね。温度が少し上がると、米の甘みに膨らみが出てきます。

これは日本酒好きにはたまらないでしょう。贈答用にピッタリ、あ、贈答されたので、これを提供した人は相当な通ですね。