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Nikon Z 9 + NIKKOR-Q Auto 135mm F3.5

早くZ 9で戦闘機を撮りに行きたいと思っていますが、仕事が忙しく、休みが取りづらい状況。
ということで、その反動が(笑)マニュアルレンズに来ています。

NIKKOR-Q Auto 135mm F3.5は、1959年にNikon Fとともに発売された、Fマウントの初期の中望遠レンズです。
その光学系は、一眼レフ登場以前の、レンジファインダーのSマウントの同名レンズ(1950年発売)からそのまま継承されたレンズです。
つまり、日本の戦後すぐに設計されたレンズとなります。

Nikon Z 9 + NIKKOR-Q Auto 135mm F3.5

光学系は3群4枚のゾナータイプ。シンプルな光学系です。
写真のレンズは、Nikon名となる前の、「Nippon Kougaku Japan」となっており、前期型となります。
このレンズは、銀座の三共カメラのジャンクで購入したものです。ジャンクなのに、びっくりするくらいきれい。外観も光学系も、半世紀前のレンズとは思えない良好な状態です。
このレンズは比較的安価な中望遠として売れたのか、割とジャンクでよく見かけるレンズで、f値もさして明るくもないf3.5なので、中古でも殆ど値がつかない状態です。
個人的にも、AI改造していないため、これまで手持ちのAFフィルムやデジタル一眼レフで使用できず、今回Zマウント用のマウントアダプタ、FTZ IIを入手したことにより、初めてフルサイズのデジタル一眼で撮影することになりました。

本当に半世紀前のレンズ? しっかり解像するレンズ

最近思っているのが、デジタルカメラの場合、レンズだけでなく、カメラのイメージセンサも光学系の1つで、それを含んでの評価をしないといけないなと感じています。同じレンズでも、カメラボディに寄って描写が変わってくることに気づいたからです。
デジタルでは、特に古いレンズを使う場合、シャキッとしない描写になることも少なくないですが、それを古いレンズだから、と切り捨てられないくらい、イメージセンサ側のセンサフィルタやセンサ自体の光学系とも密接に関わってくると感じています。

開放f値がf3.5と、単焦点レンズにしては比較的暗い本レンズ、暗いだけに、開放からそつない描写です。
開放では、この時代のレンズらしく、描写の線の周りに球面収差による影響や軸上色収差と思われる色付きが見られるものの、比較的少ないです。
f値が違いますが、同じ焦点距離のAF DC-Nikkor 135mm f2Dのほうが、開放での軸上色収差が大きいため、これと比較しても、本レンズは開放から解像力が高いレンズです。f5.6からf8辺りに絞ると、中心は特にシャキッとした解像力の高い描写になります。

ピントが見やすく実用的なレンズ

Fマウントの登場とともに発売されたレンズ、その光学系はSマウントのニッコールから継承されているだけありますね。暗いレンズだけに、開放から実用的に使えるレンズです。
背景ボケは固めで、ボケに線が出やすいのは、解像力重視故でしょうか。この時代のレンズとしては、収差が少なめなのは、あえて過剰補正して解像力を重視しているかもしれません。
昔は、レンズは開放で使うより、ある程度絞ることを重視しており、ボケ味が重視されるようになったのは90年代以降でしょう。とはいえ、背景を選べば、その解像力の高さを生かした撮影ができます。
ほとんど開放で撮りましたが、Z 9のEVFでもピントが見やすく、拡大表示で追い込めるので、撮影は結構楽しかったです。

Nikonはデジタル一眼レフでは、CPUのないMFレンズでも、フォーカスが合っているかどうかはフォーカスエイドで確認できますが、Nikon Zの場合は、現状CPU非搭載レンズは、フォーカスエイドが使用できません。もっとも、拡大表示やフォーカスピーキングを使えばピントを追い込めますが、CPUレンズでのフォーカスエイドが一眼レフよりも精度が高く優秀なだけに、ぜひ非CPUレンズでも、フォーカスエイドが使えると良いですね。