「ニコンミュージアム企画展」タグアーカイブ

ニコンミュージアム「企画展「AI NIKKORの魅力~ニコン社員による写真展~」を見に行ってきた

ニコンミュージアムが、2024年の本社移転に伴い。2024年3月1日から長期休館に入るということで、夏休み閉館から開けた16日、行ってきました。
今回はタイトルの通り、AI NIKKORという、NikonがFマウント一眼レフカメラ用のレンズとして最も長期間販売していたMF(マニュアルフォーカス)レンズによる写真を、社員自ら撮影したものを展示していました。

会期は2024年2月29日まで延長となりましたが、パネルの表示では9月2日までとなっていました。今後修正されるのかな?

各レンズで撮られた写真とレンズが展示されていました。
どれも中々の力作です。ニッコール千夜一夜物語でおなじみのあの社員の写真(佐藤氏のお子様の成長記録も)、中にはMr.ニコン、フェローだった”元”社員のあの方写真も!

基本、AI NIKKORはMFレンズですが、最初に撮ったパネルにもあるように、技術的重要性から、F3AF用レンズのみはAFレンズですが、この企画展に登場しています。

AI AF Nikkor 80mm f/2.8SとAI AF Nikkor ED 200mm f/3.5Sの2本は、F3AFという、マニュアルフォーカス一眼レフのF3をベースにAF化したカメラ専用のレンズで、F3AF以外には、一眼レフではF-501、F4、F-601Mにしか装着できません。しかし解説文にありましたが、マウントアダプタFTZを介したZマウントのミラーレス一眼で撮影可能ということです。となると、手に入れてみたくなりますね。

企画展以外の定常展示も、少しづつ入れ替えなどをして工夫しているようです。
コロナ禍で一時撤去されていた、触ることが可能な歴代カメラの展示が復活していました。これは嬉しい!

Zマウントシステムの展示もあり、2018年登場から5年、やっとレンズも充実し始めたな、という印象です。
水中カメラのNIKONOS-Vの展示もよかった。もう今水中カメラをNikonが売ることはないのだろうけど。せっかくNikon 1 AW1まで出していたのにね。

ということで、ニコンミュージアムも来年2月で一旦休館となりますので、ぜひ足を運んでは?

ニコンミュージアムの企画展、「ニコンF2誕生50周年と知られざるシネ・ニッコール」

ニコンミュージアムの企画展、「ニコンF2誕生50周年と知られざるシネ・ニッコール」を見に行ってきました。

●入場は体温測定と連絡先を記載

自動ドアはスタッフが内側から開けてくれます

いつものように入場しようとすると、自動ドアが開かない! 中から係りの方が来てドアを開けてくれました。
簡単に出入りできないようになっています。厳しい入場制限を行っていて、入るとタッチペンを持たされ、体温測定と連絡先(電話番号かメールアドレス)をタブレットに入力するようお願いされました。
館内のタッチパネルはタッチペンで操作、以前あった触れる展示機は全て撤去されていました。

それでは展示を見ていきましょう。

●F2の展示

入口から入ると、企画展の看板とともに、まずはF2の展示です。

2021年8月31日~2022年2月26日のニコンミュージアム企画展「ニコンF2誕生50周年と知られざるシネ・ニッコール」

Nikon F2は、1971年に販売開始された、一眼レフのフラッグシップモデルの第2世代になります。フラッグシップ機では最後のフルメカニカルカメラで、今でもメカニカルカメラの最高峰の1台とされています。
まず、当時のF2のカタログの拡大されたものが壁に貼られていました。

その横にはF2を愛用した冒険家「植村直己」のために寒冷地撮影のためにカスタマイズされた、通称「ウエムラスペシャル」が展示されていました。何台か作られたうちの1台です。このカメラが、後の報道用F2Titan(チタン)のベースになったとされています。


植村直己本人は、マッキンリー単独登頂を成功させたのちに消息を絶っており、今に至るも発見されていません。F2ウエムラスペシャルもまた、今でも彼とともに眠っています。

今回の展示では、F2の各種モデルのほか、その当時のオプション、アクセサリ類も展示されており、今回はそちらがメインです。
Yamaroは、F2のCdS露出計搭載モデル、F2 Photomicを持っています。露出計内蔵モデルでは、個人的にこの初期のPhotomicが一番デザインは優れていると思います。

とにかく豊富なアクセサリがあったNikon F2。もちろん他のFシリーズに使えるものもありますが、フラッグシップ機のF2用は、一般には使わないような特殊なもの、実験的なものまで多数揃えられています。

F2の販売された1970年代は、それまで1回発光するごとにバルブを交換するフラッシュバルブ(プリントゴッコのバルブみたいなもの、と言えば分かるのは30代後半からかな?)から、何度でも発光できるエレクトロフラッシュに移行したのもこの時代で、フラッシュ(Nikonではスピードライトと呼称)が充実しだしたのもこの時代ですね。

アクセサリのうち、ベローズのPB-4は所有していますが、自動絞りを機械的に絞りリングを動かすことで実現したEEユニットは、実物を始めてみました。
どういう仕組みかというと、絞りリングにあるNikonのMFレンズ特有の露出計連動爪である通称”カニ爪”の両端を挟んでモータで動かす仕組みです。その後のAI方式にも対応したEEユニットでは、AIガイドを同様に挟んで絞りリングを動かしています。実際に動く動画もモニタで展示されていました。初めて見ましたが、こんなギミックなんですね。

長尺フィルムバックも250枚用と750枚用があり、スポーツ写真で重宝されたことでしょう。デジタルになった今なら、素人でもメモリカード交換せずに数千枚撮影なんて簡単にできてしまう時代ですが、この時代はフィルム10本も撮れば、たくさん撮ったなという感覚でした。フィルムチェンジの時間を考えると、報道のスポーツ撮影は、こうした長尺フィルムが使われていたのです。時代ですねぇ。

どのアクセサリにも言えることは、どれも質感や工作精度が高く、所有欲をそそるということ。今のNikonのカメラにも、こういう憧れるアクセサリが欲しいですね。今、なんでもソフトウェアでできる時代になり、逆に実態を伴ったギミックのあるモノが見直されてきています。今後再びニッチになっていきそうなカメラ市場で以下に売っていくかのヒントが、ここにある気がします。

●シネ・ニッコールの展示

シネ・ニッコール(Cine NIKKOR)は、かつて映画カメラや、8mm,16mmシネカメラ用に作られていたレンズです。かつては、Nikonも8mmムービー(ビデオではなく8mmフィルム)を販売していましたが、主流ではなかったようです。
シネ・ニッコールについては、そんなわけで私もあまり詳しくはなく、実は1本コレクションで持っていたりしますが、センサの比較的小さいM4/3カメラでの運用もちょっと厳しそうな感じです。

ムービー用のレンズとあって、写真用のレンズよりもズームレンズの普及が早く、10倍以上のズームレンズも開発されていました。小さなフォーマットだからこそですね。
レンズも小さい(単焦点なら)ので、コレクションしたくなる気持ちもわかります。

シネニッコールをNikon Z7に装着し撮影された動画も公開されていました(撮影は禁止)。
イメージサークルがフルサイズよりも小さく周辺が黒くなるため、動画では編集でトリミングしていました(ズームアップして黒いイメージサークルからトリミングへと移行する過程も動画で見ることが出来ます)。
やや収差は多めですが、フルHDであれば、案外よく解像しており、当時の8mmフィルムには十分な解像力を持っていたことが伺えます。


ということで、ちょうど仕事の谷間になって、急遽行ってきたニコンミュージアム、コロナ禍の平日とあって、客は自分ひとり(最後に2人入ってきましたが)でしたが、おかげで十分堪能できました。

開催は来年2月末までと長めとなっていますので、是非機会があれば行ってみてください。年末にはワクチン接種が進んで、コロナも落ち着くと願っています。

ニコンミュージアムで企画展 一ノ瀬泰造「戦場の真実、硝煙の中に生きる人々」を見てきた

COVID-19の影響でしばらく閉館していたニコンミュージアムが、6月30日より再開されました。
ただし、しばらくの間は入館予約制となり、入館3日前までに予約をしないと入場できません。
ということで、先週予約をし、仕事もお休みを取って品川へ行ってきました。

ニコン赤外線CCDカメラ サーマルビジョン LAIRD 3Aがお出迎え

入口では、予約時間に合わせてスタッフが待機、近づくと本名で呼ばれてびっくりしましたが、予約時に本名入れているからか…。同じ時間に入館したもう1人は海外の方でした。

入口には、最近良く見かけるようになったサーマルカメラが設置されていましたが、これがなんと1996年にNikonが販売した赤外線CCDカメラ、LAIRD 3Aでした。既に四半世紀近く前に、Nikonはこのようなものを販売していたようです。残念ながら、公式を含めて、日本語でのこの製品の情報はほとんど無く、英語のページに紹介がありました。
公式ページでは、2008年に、アフターサービス終了の告知がされています。
とは言え、こうして2020年にもちゃんと実用として稼働させているところが、博物館として素晴らしいことですね。

タッチパネルはタッチペンで操作

タッチパネルは直接手で触れないよう、タッチペンを入口で渡されました。

ニコンキャンディーのプレゼント

今だけ限定? 入館時のプレゼントで、ニコンキャンディーを頂きました。おしゃれなドロップス缶ですね。紙袋は、別途ニコンようかんを買った際に入れてもらったものです。ニコンようかんも、ミュージアム限定で復活しているようですね。

一ノ瀬泰造の写真は若さにあふれていた

一ノ瀬泰造氏 ※NikonのHPより引用

企画展 一ノ瀬泰造「戦場の真実、硝煙の中に生きる人々」は、COVID-19の影響で長期間ミュージアムが閉館していたため、公開が延長されて、9月26日(土)までの開催となっています。

バングラデシュ、ベトナム、カンボジアの激動地帯を撮影し、26歳の若さでこの世を去った報道写真家の、純粋かつ若々しさを感じさせる写真が印象的でした。
友人や家族に当てた手紙も公開されていましたが、防水カメラのニコノスが好きだったと思わせる文章もありました。

すべての展示物は撮影NGでしたが、被弾したNikon Fがひときわ印象的でした。頑丈なカメラが、あんなにひしゃげるものなんですね。

ミュージアムの常設展示も撮影

常設展示は、手で触れられる実演機材は撤去され、観覧のみの展示となっていましたが、基本的には以前と大きく変わるところはありません。

絵になるんですよねぇ、ここの常設展示品たち。
PC-Nikkor 28mm F3.5で撮影しました。

今回は滞在時間が1時間以内ということで、あまりじっくりは見れませんでしたが、久しぶりに行けて楽しかったな。

【私的アーカイブ】ニコンミュージアム企画展「コレクション展」2019年4~6月実施

2019年4月から6月に行われたニコンミュージアム企画展「コレクション展」の再掲です。

アサブロでは数回に分けて、掲載いたしましたが、写真のみ、こちらに再掲いたします。なお、コレクションの紹介文については、アサブロの方をご確認いただければと思います。

ここでは、写真のアーカイブとして、再掲させていただきます。

ニコンミュージアム企画展「コレクション展」を見てきた その1 

ニコンミュージアム企画展「コレクション展」を見てきた その2 

ニコンミュージアム企画展「コレクション展」を見てきた その3 

ニコンミュージアム企画展「コレクション展」を見てきた その4 

ニコンミュージアム企画展「コレクション展」を見てきた その5

Nikon F 60th Anniversary