2023年を締めくくる、行きつけでの日本酒飲み

職場の日本酒仲間と行ってきました、日本酒忘年会。小さなグラスで少しずつ飲めるのが魅力。ということで、たくさん種類を試しました。

今回一番のヒットは、黄色のラベルの吉田蔵u 貴醸酒 うすにごりでしたね。モダン山廃で仕込んだ貴醸酒という、そんなの見たことないわ~ってお酒。山廃にありがちなどっしり系ではなく、モダンの名前がつくだけあって、より洗練されて飲みやすくなっています。酒で仕込む貴醸酒ですが、芳醇で甘くなる貴醸酒感は割と抑えられて、全体として個性的でありつつも飲みやすさも兼ね備えていました。

こういう一期一会の出会いもあれば、いつもの定番もあり、最後に十四代で締めという最高の流れでした。良い1年を締めくくれたな~

【23/12/17の記録】百里基地航空祭2023 その3

百里基地航空祭の午後。第3飛行隊(3SQ)のF-2機動飛行。これが一番の楽しみでした。
レンズは迷った挙げ句、AF-S 600mm f/4Gに1.4倍テレコン、TC-14EIIIを取り付けました。安牌で、引きで600mmでも良かったのですが、今回は攻めで。
なお、機動の内容については、近年こうして事前解説してくれるのは有り難いです。

午後の機動飛行の解説

結果としては、反省点はあれど、ぶっつけ本番でしたが、これで良かった!

とにかく近い!近いけど遠い。相手はアフターバーナー全開で機動するので、近いと思ったらあっという間に離れる。5kgを超える重たいレンズ、AF-S 600mm f/4Gを振り回す腕がどんどんダルくなる。
ナイフエッジでなくサムライソードというのがまたいい名称ね。
月と絡めて撮れたのが良かった! バッチリ決まりました。残念なのは、その光線状態では半逆光だったということ。それでもきちんとフレームに収まったので良しとします。

再び月と絡めた直後に太陽(笑) あまりカメラのセンサには良くないけど、一瞬なので。旋回するので、光線状態がコロコロ変わります。なので様々な表情が出ますね。
この日惜しかったのが、前日雨だったにも関わらずこの日は風が強くて(西風風速10m/s以上)、湿気のある空気が風で流れて乾燥していたんでしょうね。F-2でよく見られる主翼の付け根から出るヴェイパーがほとんど発生しなかったことですね。

AF-S 600mm f/4Gは、何故かテレコンをつけたほうが周辺減光が目立ちますね。このレンズはZマウントを含めると2世代前と古いので、画質は良いけどこうした点に設計のふるさを感じます。

さていよいよ演目も佳境へ。
ハイレートからの…ものすごい急角度で進入! これはトリミングしているので近く見えますが、ハッキリ言って午前のAGGとは比較にならないくらい進入角度がエグかった!

もうこのツッコミは…ビックリですわ。F-16ベースの機体を更にやや拡大したF-2の機動性の良さを存分に発揮したのではないでしょうか?
そして最後のパッカーンことコンバットブレイクは、近すぎて850mm(600mm+テレコン)では画角からはみ出してしまったけど、順光で撮れたので満足です。去年の航空祭では午前晴れていたのに、午後の機動飛行だけ雲が出てしまって光線状態だけが残念だっただけに、2023年は見事、天気が挽回してくれて、満足度の高い演目が見られました。

NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR Sだったら、内蔵テレコンを切り替えられて便利だし軽いし最高な画質だよなぁと妄想しつつ、850mmだけで撮れ高もよく、本当に良かったです。

これで年内の航空祭は終了。大イベントをほぼほぼ満足行く撮影ができて、感謝感謝です!

【23/12/17の記録】百里基地航空祭2023 その2

百里基地航空祭20203、午前の部の続き。

救難展示、背景で黒い煙がモクモクと。演出ではなく、遠方で火災があったようです。

そしてF-2戦闘機4機による対地攻撃(AGG)展示。
個人的に、百里基地のAGGはかつてのF-4EJファントムIIのイメージが強いので、基地内で見るAGGは…もう一つだったかな。これは立ち位置が悪かったのもあるかもですが。
引き上げ高度が高かったような。

前日のフライトがなくぶっつけ本番での撮影だったので、立ち位置は課題ですね。ただ別の場所で撮っていた方も、もう一歩だったという話もあって、ま、こればかりは、その日の風向きなど状況次第ってところもあります。

この後の米軍のF-16の機動飛行はなかったため、早めにお昼と食べてポジションチェンジとしました。

続く…

【23/12/17の記録】百里基地航空祭2023 その1

令和5年度百里基地航空祭本番当日。晴れです。これのために頑張って働いています。
あさイチは展示機をじっくり拝みまして(F-35Aはあさイチも大盛況だったんで撮っていない)。

朝焼けで撮れてよかった~。
E-2Cの8枚ペラ機、割と新型のE-2Dと誤認している人がいましたが、あれはE-2Cのペラ改装機ですからね~と心のなかでつぶやきながら(笑
入間基地のC-1輸送機がゲスト期に選ばれたのも良かったです。もう後3年前後で退役が見込まれていますからね。見られる今がチャンスです。

気象観測のため、まずF-2Aが1機のみ上がります。晴れ間にまだ雲が残っている状態。機体には光が当たっていませんね。

その後オープニングの経過飛行。立ち位置的にF-2A 3機のパッカーンはちょっと失敗。これは場内だと仕方ないか。

続いて、ゲスト機小松基地の306SQのF-15J 2機による機動飛行。さすがF-15はパワフルで迫力があります。
アフターバーナー焚きっぱなしのナイフエッジ、8の字、これぞ戦闘機の真骨頂! 長いこと王者で有り続けたイーグルのパワフルな迫力ある機動です。

この暴れっぷりを良い天気で見れて、サイコーでした! 一方、機体にトラブルも出たようですが、これは素人があれこれ言っても仕方ないので…。
百里基地からF-15がいなくなってもう何年でしょう? 主力戦闘機だけど余り見る機会がなくなってしまったけど、こうして毎年来てくれるのは有り難いですね。

続く…

【23/12/16の記録】百里基地航空祭2023特別公開…雨からの…

週末ブログ更新できなかったのはこのためです。ということで、土日で百里基地航空祭に行ってきました。

土曜日は特別公開。招待券がなければ入れないということで、外から見ようと思っていたのですが…雨です。
雨にやられました。ご厚意で雨宿りさせてもらったところで始まったのが…

焼き芋(笑) 炭を焼いて暖を取るところから、芋があるということで焼き芋が始まって…

管理人のお母さんがつきたてのお餅を持ってきてくれまして、お餅まで焼きました。これが柔らかくって美味しくって。
悪天候で飛行機は飛ばなかったけど、もうこれで大満足!

そして、ご好意で基地内へ。本当にありがとうございます!

久しぶりに百里基地に帰ってきた第301飛行隊(301SQ)のスペマも! F-35Aはステルス機で塗装も制限があるそうですが、頑張っていますね。
この日はゲスト機も悪天候故に、来る予定だった米軍のF-16はキャンセルとなりました。それでも基地内に入ってからは多少晴れても来ましたが、結局視程が悪く、この日のフライトは全てキャンセルとなりました。

少し太陽が出てきたので、展示されているF-2A(03-58559)をじっくり観察。

今までこうした展示は格納庫内でしたが、今回珍しく屋外で、ASM-2(93式地対艦誘導弾)にAAM-3(90式空対空誘導弾)、AAM-4(99式空対空誘導弾)、JDAM、20mm機関砲弾、フレアポッドが展示されていました。

小さなF-2も!

第3飛行隊(3SQ)のF-2が動き出しましたがやはり視程が回復しないため、地上滑走のみ(ハイスピードタキシーを実施)でした。
晴れ間は出ているものの、気温が高かったために、雨が降った後の湿気が上がってしまい、視程は回復しないままでした。

特別公開で来れなかった外来機が来るかも?ということで、基地の外で待っていたら、やってきました。

一見少し青空も見えていますが、周辺は基地の影響で、機体も霞んでいますね。空自CH-47J(LR)、E-2Cに海自SH-60K。
E-2C(34-3459)は複合材製の八翅プロペラNP2000仕様ですね。この仕様は航空自衛隊13機導入されたE-2Cのうちの3機(執筆時点)しか改修されていない貴重な仕様です。

そんなこんなでこの日の撮影終了。ご一緒された方々と夕食をいただきました。
飛行機写真的には残念でしたが、BBQが思いの外楽しく、これで満足した1日でした。日曜日は晴れるという予報だったので、それに期待でしたね(晴れました!)

週末も更新できないので…

ブログ更新できていませんが、この週末に向けて非常に忙しく、土日も更新できないと思われるので、とりあえず生存報告。

2022年の百里基地航空祭は午後曇ってしまいました…

明日の天気は曇なのであまり期待せず、のんびりやりたいと思います。
日曜日は晴れるみたいなので、ここに期待ですね。

【バランスくずれ】嫁チャリのバッテリが死亡したので買い替えた

嫁車の電動アシスト自転車で通勤し始めて、早3年。それ以前も通勤場所の関係で自転車通勤していたので、トータルでは7,8年程度自転車通勤しています。
それなりの距離を走っているので、バッテリも消耗するわけですね。

ここ最近、残量表示まだ2メモリあるのに、突如バッテリが落ちる事象が出ていて、そろそろ怪しいかなとは思っていましたが、先日バッテリを充電器にかけてしばらくしたところ、こんな表示になってしまいました。

嫁チャリはPanasonic製ですが、メーカーサイトを見ると、このように消灯が流れるように表示される場合は、バッテリのセルバランスが崩れているとのことです。

電動アシスト自転車用のバッテリやEV、スマホやカメラなど、今や充電可能な二次電池としてリチウムイオン電池が一般的になっています。
サイズに対して容量、電圧が高く、デジタル化、電動化社会社会に欠かせないモノとなっています。

さて、皆さんは自転車のバッテリというと、大きいケースに入った1つの電池と思っている人も多いでしょう。
しかし実際は、ケースの中には複数の小型のリチウムイオン電池のセルが、直列や並列でつながっています。

https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/100467/~/%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%8C%E5%A4%89%E3%81%AA%E7%82%B9%E6%BB%85%E3%82%92%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8C%EF%BC%88%E3%83%AA%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%EF%BC%89


特に自転車用は容量が大きいため、バッテリセルを複数直列にして電圧を稼ぎ、さらにそれらを並列に接続することで、容量を確保しています。

一般的に、この1つ1つのセルの電圧は概ね3.7V前後です。(材料によってはこの限りではありませんが)
これはリチウムイオン電池に使われている材料の特性で、出力できる電圧が決まっているからです。乾電池が1.5Vと決まっているのと同様です。

このセルの電圧は均一でなければならず、例えば3.7Vが公称電圧のセルで、劣化により3.5Vしか出力できなくなった場合は、セルバランスくずれとなります。電池は電圧の低い方に電流が流れていく特性があるため、劣化したセルに電流が大量に流れると、発熱しセルが発火する可能性があります。
モバイルバッテリが発火した動画を見かけたことがある人もいると思いますが、あれは最悪の事態です。

このため、リチウムイオン電池を使用したバッテリは、セルの電圧や電流監視基板が入っていて、電圧差が生じた際に特定のセルを遮断したり、バッテリそのものを使えなくする仕組みとなっています。

今回は、セルバランス崩れと監視基板が判断して、流れる表示になったようです。
これはバッテリセルが劣化しているため、つまりバッテリの寿命です。購入2年以内であれば、このような表示になっても保証交換できるようですが、それ以上の年月が経ったものは劣化との判断なので、自費交換です。これが結構高くって…


4万円超え…。最も自転車そのものを買い替えると10万円超えますし(嫁車は12年前買った当時は8.5万円でした)、付属バッテリは容量の小さいものが多いので(上のバッテリは大容量タイプ)、今回もバッテリ買い替えとなりました。3本目ですね。毎日乗っているので仕方ないですが。

Panasonic NKY514B02B 数年は持ってほしいな

数年は使えるといいな~

【島崎酒造】東力士 純米酒 低アル特濃 ニゴリ酒

先月買ったばかりですが、最後の1本を妻が買ってきました。

【島崎酒造】東力士 純米酒 低アル特濃 ニゴリ酒

スペックは先月買ったニゴリ全く一緒です。製造も2023年10月と同じ。買った酒屋も同じ(笑
つまり、同じなので別にブログで紹介しなくてもいいかな~と思っていたのですが…

【島崎酒造】東力士 純米酒 低アル特濃 ニゴリ酒

※注いだ時の写真を撮り忘れました

あれ? 味わいが違う? そう、2023年版は、低アルとはいえ前年よりもアルコール度数が高い(それでも10%と日本酒としては低い)のですが、1ヶ月購入時期が違う(酒屋で眠っていた)だけで、割と変化しますね。

端的に言うと、味に落ち着きが出てきました。低アルニゴリの特徴である、どぶろくのようなフレッシュで膨らみのある甘みと、ヨーグルトドリンクのような酸味が、12月に買ったラスト1本では、酸味と甘味がやや落ち着き、旨味と深みが出てきました。
フレッシュな出来立てが良いか、やや寝かせた落ち着きが良いか、ここは好みが分かれると思います。このニゴリの売りであるフレッシュさを味わうなら、すぐに飲んだほうが良いですが、変化を楽しむという点で、たった1ヶ月置いただけでこれだけ変わるというのは、実に興味深いです。
あまり置きすぎると、せっかくのフレッシュさが失われてしまうので、このあたりの落ち着き加減がギリギリなのかなという感じではありますが、今期ラストの低アルを飲めてよかった。

次はアル添のニゴリが出荷されると思うので、それはそれで買ってみたいと思います。

何でしょう? 急反転する飛行機雲

これは入間基地か横田基地にアプローチする輸送機とわかるけど…

ずーっとインターバルで撮っていると、たまに何でしょう?というものが写ったりします。

まずは動画でどうぞ。

この日は雲がなく、時々飛行機雲が通過するのですが、一部飛行機雲は富士山上空で急反転したんですよ。視程がよく、遠方の航空機がたまたま反転しただけと思うのですが…これが90年代なら矢追純一さん案件ですね。

画像をトリミングしてみましたが、最後の写真は2つの飛行機雲があり、どちらもなにかしらの物体の後に尾を引くように飛行機雲が出ているので、何かしらが飛んでいるのは間違いないのですが、最初に出てきた反転する飛行機雲は、反転後の雲の尾の引き方がちょっと不自然だったり…。これぞUFO?

こういうのも含めて、案外インターバル撮影って面白いんですよね。


ところで、今回はNikon D810のインターバル撮影を、いつものJPEGではなくTIFF形式で撮ってみたんですよ。1枚100MBを超えますが(汗) 流石に画質は良いですね。スチルのRAW(NEF形式)をDavinci Resolveが扱えれば最高なんですが。
というのも、インターバル撮影したスチルのJPEGをDavinci Resolveで動画変換する際、上の動画もそうなんですけど、空の部分でバンディングノイズ(階調の変わる部分の境目が見える)に悩まされています。
画質設定は最高ですし、最高画質にディベイヤーしているのですが…。
TIFFなら非圧縮画像なのでマシになるかなと思ったけど、変わらず。これって何かしらの設定がまずいと思うのですが、よくわからないので、詳しい方がいらっしゃいましたら、コメントでご指摘いただければと思います。

時代によるメカニカルシャッターの耐久回数の移り変わり

目指せ60万ショット! まだまだ使い続けますNikon D810

先日、ベランダに据えて富士山のインターバル撮影しているNikon D810、シャッターカウント数をショット数comで確認すると、56万回を超えたところでした。

公称20万回のシャッター耐久回数のD810だけど、既にその3倍近くに達している

Nikon D810の公称シャッター耐久回数は、20万回です。もちろん、これは設計上の目安としているものであり、実際はそれより早く壊れる可能性もありますし、その逆も然りです。それにしても、公称の3倍近く使えているということは、実際には余裕を見た設計をされていると思われます。

公称シャッター耐久回数ってどのくらい?

フィルムカメラ時代は、一般的なフィルムは1本36コマまででした。これを何本も撮るのはプロやごく一部のハイアマチュアに限られていたため、フィルムカメラ全盛期ではあまりシャッター耐久数が話題になることはありませんでした。

2000年あたりのアサヒカメラのNikon F3特集で、図書館で複写用に使われていたNikon F3が、シャッターを88万回切ったけど壊れなかった、という記事を見たことがあります。
一般にメカは適度に継続して使われると壊れにくいです。これは業務で使われるタクシーやパトカーが、廃車までに50万~80万キロも走ってしまうのと同様ですね。
実際調べた限りの公称シャッター耐久回数は、以下の通りです(間違っていたらコメントでご指摘願います)。

機種シャッター耐久回数
Nikon F215万回
Nikon F410万回
Nikon F515万回
Nikon F615万回
Canon EOS -1N10万回
Canon EOS-1V15万回
フィルムカメラのシャッター耐久回数

フィルムカメラ時代のフラッグシップ機は、概ね10万~15万回でした。如何にフィルムをたくさん使えるプロと言えど、フィルムは使えば使うほど金がかかりますから、今ほどシャッターを切れなかったですからね。それこそ一般のカメラマンだと、36枚撮りを月10本撮ったところで、1年で4320コマ+αです。10年使ってもまだ5万回、20年でやっと10万回、そんな感じですね。なので、報道のプロでもない限り、シャッター耐久回数をそこまで気にすることもなかったのが実情ですし、そもそも回数が電子的に記録できるわけでもないので(別売りのデータバックでシャッタカウントを記録ができるカメラもありましたが)、実際どの程度シャッターを切ったかは未知数ですね。

ちなみに私はNikon F90Xsが最初のNikon一眼レフでしたが、このカメラにはデータバックMF-26が搭載されていて、シャッターカウント数を記憶できました。MF-26のバッテリを外さない限りはカウントし続けるのですが、それでも数年使って1万ショット超えたかな、という程度でした。アマチュアの使い方だとそんなところでしたね。

一方、デジタルカメラの時代になると、メモリカード(フロッピーディスクを使うマビカなんてSONYのデジカメもありましたね)を買ってしまえば、後は現像要らずなので、メモリーいっぱいまで撮ることができるようになりました。
ただ、2000年代前半のデジタルカメラは、メモリーカードの容量もどんどん増えていけど、画素数もどんどん増えていった時代なので、1枚のカードで撮影できる枚数は、感覚としては100枚から数百枚程度でした。フィルムよりはたくさん撮れますが、それでもやっとフィルム時代のシャッター耐久回数を使いきれるかな、という感じでしたね。

これが2010年代以降から、次第に画素数のアップが落ち着き、メモリ容量だけはどんどん増え続けて行ったので、それこそ1回の撮影で数千枚撮るなんて事もできるようになってきました

そうなると、今度はメカニカルシャッターの耐久回数が気になるようになってきました。自分もNikon D850は、最初の1年で10万回もシャッターを切っています。フィルム時代なら、どんなに頑張っても20年はかかるであろうシャッター回数を、わずか1年で消費です。

ではデジタルになってからの公称シャッター耐久回数はどの程度でしょう?

機種シャッター耐久回数
Nikon D2X15万回
Nikon D330万回
Nikon D70015万回
Nikon D440万回
Nikon D80020万回
Nikon D640万回
Nikon D78015万回
Nikon Z 720万回
Nikon Z 8 / Z 9N/A メカシャッターレス
Canon EOS 1DX MarkIII50万回
Canon EOS R350万回
SONY α150万回
SONY α9II50万回(電子先幕シャッター使用時)
デジタルカメラのシャッター耐久回数

全メーカー各機種はとても書ききれないので、代表的なものを記載しました。

1999年Nikon D1は、公称シャッター回数の資料がありませんでした。Nikon D1の発売された1999年のCFカードの容量は、多くても128MB(ギガバイトではないですよメガバイトです)、小型のHDDを内蔵したマイクロドライブで340MBでした。
96MBのCFカード使用時、JPEG 1/4圧縮の設定で73枚、RAWではわずか23枚しか撮影できませんでした。JPEGならフィルム2本分撮れます。逆に言うと、デジタルとはいえ20世紀末はその程度でメモリカードが一杯になってしまいます。この時代のデジタルカメラは、撮影枚数はフィルムとたいして変わらなかったのです。撮影枚数だけ見ると、デジタルのメリットはまだそれほどなかったのです。
したがって、この時代はシャッター耐久回数も、フィルムカメラより特段多くする必要もなかったでしょうね。バッテリの消耗も早かったですし。
後継機のNikon D2X(2005年)でも15万回、これは同時期にフィルムカメラのフラッグシップだったF5やF6と変わりません。それでもD2Xの時代になると、CFカード1GB(テラバイトではないですよ)という”大容量”カードが登場しましたが、画素数も1240万画素とD1の274万画素の時代から大幅に増加したため、1GBのカードでRAW(非圧縮)で49枚でした。今なら一瞬で撮り切ってしまいそうです。

しかしその後のD3(2007年)でシャッター耐久回数は倍増して30万回に。この世代になると、画素数は1280万画素とほぼ据え置きながら、連写速度が9コマ/秒(DXクロップで11コマ/秒)と飛躍的にアップしてフィルムフラグシップを超えるようになり、またRAWもロスレス圧縮出来るようになってデータ容量を抑えつつ、連写もフィルムカメラを超えるようになりました。CFカードも8GBが登場し、1枚のカードで数百枚以上の記録が可能になりました
この時代になると、プロもハイアマチュアもフィルムカメラからデジタルカメラへの切り替えが進み、いよいよフィルムカメラを超えるシャッター耐久回数が必要になると判断されたのでしょう
この世代のカメラになって、ようやくデジタルカメラのメリットの1つ、シャッター回数をフィルムより大幅に稼げるという時代になりました。

Nikon D4では更に40万回となり、現在のNikon D6もこれは変わっていません。一方、CanonやSONYの上位機種は、更に上の50万回の公称耐久回数を確保しています。
更に時代は進み、2021年末のNikon Z 9では、レンズ交換式フルサイズセンサのカメラで初めてメカシャッターレスの一眼カメラも登場しました。もっともレンズ交換式カメラでメカシャッターレスは、2011年のNikon 1 J1で既に達成しています、1インチセンサのカメラですけどね。

メカシャッターレス、すなわち先幕も後幕も電子シャッターとなると、メカシャッターではないため、撮影回数によるメカ消耗はなくなり、電子部品が壊れない限り、無尽蔵に撮影できるようになります。個人的にメカシャッターレスもミラーレス一眼のメリットの1つと捉えていて、更にSONY α9IIIのようなメカシャッターレスかつグローバルシャッターで高速な被写体でも歪みのない撮影が可能となったのは、デジタルカメラにおける新たな時代の幕開けと行っていいでしょう。

今後、メカシャッターレスのカメラはどんどん増えていくのではと思います。ただ一方で、シャッターの振動の心地よさというのは、疑似シャッター音では得られないものあがりますね。個人的にメカニカルカメラの最高峰と思っているNikon F2のTitanのシャッター音は最高と思っています。
メカシャッターが今後のカメラでなくなっても、メカシャッターの心地よさというのは大切にしたいですね。

公称シャッター耐久回数を超えるとどうなる?

各メーカーが独自にテスト基準を設定し、その回数を決めていると思いますが、公称シャッター耐久回数はあくまで目安であり、耐久の保証値ではありません
メーカーがシャッターユニットを設計する上での目安で、実際には使い方次第でもっと早くシャッターが破損することもあれば、その耐久回数を大幅に超えて問題ない場合もあります。なので、あくまで目安にしかなりません。
シャッターの寿命が近づくと、シャッタースピードの精度が悪くなったり、最悪シャッター羽根が曲がったり割れたりして動かなくなります
自分のカメラでは人生で一度も経験はありませんが、こんな感じにになるようです。

中古のカメラでシャッター回数が年式に対して極端に少ない場合、オーナーが変わって急にたくさん使い出すと壊れやすい、なんてこともあるかもしれません。
カメラのシャッターは、車のエンジンと違って、オイル交換など個人で簡単にメンテナンスできるものではないため、定期的にメーカーにオーバーホールに出さない限りは、基本的に使いっぱなしです。

一般にシャッターに限らず機械部品は、適度に使い続けることが、もっとも機械的な負荷がかかりにくいとされています。先に書いたように、タクシーやパトカーのように、毎日一定距離を走るような使い方は、機械部品に負担がかかりづらく、結果的に寿命が伸びることにも繋がります。
もちろん、使えば使うほど消耗劣化は進み、いつかは不具合が発生します。都市部のタクシーは1年10万キロ走行し、5~7年で廃車のようです。廃車寸前では、オイル消費も激しいと聞きます
カメラの場合は、オイル交換できるわけでもないため、オーバーホールに出す場合でも、公称シャッター耐久回数に近い場合や超えている場合は、交換部品があればシャッターユニットを交換するようで、概ね費用的には6~13万円前後かかります。ここはフラッグシップ機ほど高価になります。
特にフラッグシップ機はシャッターユニット自体が高耐久で高価なため、オーバーホールによる交換の場合は10万円を超える場合もあるようです。
D850クラスだと、7,8万円といったところのようです。

中古でもオークションなどの場合、こうしたシャッター回数を考慮しない値付けをされている場合があります。なので、できれば中古ならカメラ専門店の保証付きのほうが無難です。


ショット数.comはメカシャッタと電子シャッター、両方を加算した回数としてカウントしているようです。
2022年にNikon D850をオーバーホールした際は、ショット数.comで18万回シャッターを切っていたので、シャッターユニット交換と思いきや、交換されませんでした。
別のソフトで調べると、メカシャッターだけであれば11万回、インターバル撮影で電子シャッター回数が8万回近くと伸びていたため、合計18万回の表示だったようです。

アサブロから移転して、2020年よりこちらをメインとします