Radeon RX 7800XTのために1000W電源のANTEC NE1000G M ATX 3.0を買ってみた

自作PCの電源の話です。
今や自作PCにコスト的メリットはないと言われて久しいですが、全て一気に買い替えるのではなく、パーツ単位で購入できるので、出費を分散させることが出来るというメリットがあるのと、PCショップのBTOだと、電源はコストを抑えられることが多いので、自作マニアではないけど、やっぱりそれなりにパーツにはこだわりたかったりもします。これでも自作歴は四半世紀ですから。

ふと思い立って、電源容量足りているのかなと思って、PCの構成から必要な電源を割り出せるドスパラのページを見てみると、最近入れたGPUのRadeon RX 7800XTが結構電力食いであることが判明。

うちのPCは、他にHDD3台、M.2 SSD2枚、BD-Rドライブ1台、USB3.0拡張ボード1枚と、割と電力は使っているようです。
ただドスパラの計算は、必要容量の2倍に設定されていて、これは少々やりすぎかなと思っています。
1.7~1.8倍で計算させているサイトが多いようなので。
実際のところ、すべての電源を最大消費電力で食うシチュエーションはそうそうないですから。

実際のところ、今の750Wで容量は足りているから使えているわけですが、余裕はあまりないのと、使っているドスパラとENERMAXのコラボ電源750Wも、購入から5年以上経過しているので、リプレースを兼ねて電源容量UPすることにしました。
750Wの上となると850Wか1000Wです。今750Wで特に不安定になることはなく動いていますが、もう少し余裕を見ると850W、さらに余裕を見て1000Wでもよいかなと。
ただ1000Wを超えると2万円越えになるんですよね。コスパでいうと850Wなら1.5万円から。ただ将来余裕を見越し、マザボとCPUのリプレースも2年後と考えると、先に電源は整えておいてよいかなと思いました。
色々調べて選んだのがこちらです

ANTEC NE1000G M ATX 3.0

電源はここ何台か、ENERMAXを使っていたのですが、最近日本国内の販売代理店での扱いが休止(執筆2024年10月時点)となっていて、以前ほどの勢いはないようですね。
今回は初めてANTECです。自作ユーザーにとっては老舗のパーツメーカーですね。電源も昔から評判は良いです。
今回選んだ理由としては、価格コムに書かれていた情報で、中身がSeasonicの80Plus Platinumを謳っている電源と同じらしいということです。

そういや確かに着脱式コネクタの辺りのデザイン、確かにSeasonicの電源と似てるんですよね。OEM製造元が同じ、なるほどです。
この製品自体は電源効率の認証が80Plus Goldですが、実は変換効率は限りなくPlatinumに近いのだとか。
個人的にも電源効率は80Plus Goldあれば十分効率が高いので、それ以上の物は必要ないと思っています。十分効率が高いと言って差し支えないです。この認証はあくまで変換効率であって電源品質ではないです。品質が良いと思ってPlatinum認証のものを買うのはあまり意味がないかもしれません。ほんの僅かな効率アップのために高いものを買う必要性はあまりないでしょうね。
あと、保証期間が10年と長いのも選択理由でした。今回Amazonで購入しましたが、ちゃんとANTECの国内代理店であるLinksの10年保証シールが貼られていました。
部品の品質も良くなり、10年戦えるぞという意気込みを感じます。

1000Wはやや過剰かもしれませんが、電源の負荷率を下げるという点で、今回1000Wをチョイス。1000Wだとフル出力なら電子レンジ並みですが、実際にはフル稼働させてもせいぜい500Wと見積もってはいます。
PCIe5.0で定義された12VHPWRケーブル付属でATX3.0準拠、電源自体はそうそう規格は頻繁に変わらないので、10年保証と相まって、長く使えることを優先しました。
現時点で12VHPWRを使うのはGeForce RTX 40xxシリーズの中上位機種のみで、Radeon RXシリーズは従来からあるPCIeの8ピンコネクタ(1コネクタ150WまでなのでRX 7800 XTでは2コネクタ使用)ですが、将来的には使うかもしれませんしね。
電源を変えたからと言って、性能が上がるわけではありませんが、より安定性が増すと考えればよいでしょう。

交換中、PCデスク周辺の埃がすごいことに気づき、その掃除もし始めたので、思いのほか交換に(というより掃除に)時間がかかりました。
今までのENERMAXの電源は、マザボに供給するATX20ピンやCPU8ピン電源はケーブルが電源筐体から直に出ていたのですが、ANTECの今回の電源は全て着脱コネクタになっていて、これが地味に面倒でした。そう頻繁に着脱しない箇所かつ必ず使用するので、着脱式じゃなくてよいのですけどね。
とにかくケーブル地獄!

無事PCも起動、UPSで消費電力が見られるのですが、ベンチマークソフトをぶん回しても、300Wも消費していないようです。しかもこれはディスプレイ込みの消費電力です。つまり、元々そこそこ余裕はあったわけで、850W電源でも良かったかもですね。まあ余裕があるに越したことはないということで。

CPUフル稼働させた状態でも、ディスプレイの電源込で300Wも消費していないのね…

そもそも繋いでいるUPS(APC RS1000)、1000VAで出力は600Wまでなので、仮に電源がフル出力状態ならUPSの供給能力が足りないですね…。まあ実際に600Wどころか300Wも使っていないですけど。

意外と長いATX電源の歴史

1995年にIntelがATX規格を制定して以来、現在に至るまで長い事使われています。
それまでのAT電源は、PCをシャットダウンする際に、OSを終了させた後、手動で電源を切る必要がありました。ATX電源では、今では当たり前ですが、電源のシャットダウンが自動化されています。
Windows95と共に、ATX電源もPCを普及させた陰の立役者と言ってよいと思います。

自作PCをやっていると、CPUやメモリ、ストレージはこの四半世紀でどんどん規格が変わっていきましたが、電源だけはATX電源の規格はほぼ変わらず、追加されたもの(SATA電源, PCIe6or8ピン, 12VHPWR)と消えていったもの(FDD4ピン,ペリフェラル4ピン←まだコネクタは電源に付属しているけどもう使わないでしょう)はあれど、中身は大きく変わっていなくて、壊れなければ長く使えるものでもあります。
頻繁にパーツを変える自作PCマニアでも、電源は長い事使い回しという人も多いと思います。

その昔、20世紀と21世紀の狭間くらいの自作PCでは、ケースを買うと電源が付属するのは当たり前でした。このため、あえて単体で電源を買おうとするのは、品質と安定性を求める人とか、周辺機器を多くつないでいる人が多く、だいたいはケース付属のどこの馬の骨ともわからないメーカーの電源を使っていました。
が、やはりPCの性能が上がるにつけ、電源品質もシビアになり、安物電源は不安定、あるいはファンの音がうるさいといったことも言われるようになり、次第に電源は別売りのを買う、というのが徐々に浸透していったかと思います。2000年代も半ばになると、ケースに電源が付属しないようになってきました。
まあ今考えたら、1万円もしないケースに電源が付属していたのだから、そりゃ電源にコストかけられないのも納得ですね。

2008年11月に買った自作PCパーツ、懐かしい。電源はENERMAX EMD425AWTでたったの425W!

そしてActive PFC回路搭載(これによりずいぶん安定した電源が増えた)がトレンドになり、灰色の地味なケースから装飾が施されたりFANが光ったり、着脱式ケーブルが主流になり、と変わってきましたが、箱の規格は変わらないので、ちゃんとどのケースにも収まります。

2008年11月に買った電源はたったの425W!今の半分以下です。この頃はグラボを使わずオンボードで頑張っていたと思うので(Radeon HD3300のオンボード)、消費電力は少なかったですね。

どこそこのメーカーの電源は品質が良いだのFANが静かだのコスパがいいだの、昔はいろいろ言われましたが、今はどこのメーカーのを買っても安定してますね。
日本製コンデンサを使用して品質の良さを謳うのも当たり前になりました。保証期間もずいぶん長くなった1年から3年だったのが、5年、そして7,8年や10年、12年も出てきました。それだけ品質が安定した証拠ですね。
もう電源品質で悩む時代ではなくなりました。昔は電源やメモリ、グラボのドライバとか色々相性問題が多かったなぁ(遠い目)

横須賀地方隊 オータムフェスタ2024を見に行ってきた その2

ヴェルニー公園のカレーフェスで昼食をとったあと再入場して、警務隊のデモをチラ見。

護衛艦「いずも」を見学。
F-35B STOVL戦闘機搭載のための空母化改修の第2段が2024年度から始まる予定となっており、今回の一般公開が、空母化改修される前の最後の姿での公開となったかと思います。

みんな大好きエレベーターに乗って飛行甲板へ。俯瞰した状態じゃないと、艦首の形状は分かりづらいですが、改修により矩形化され、先行して回収された護衛艦「かが」と同様、艦首側はより広い飛行甲板となります。

第4・5スポットはF-35B対応として、第1段改修時に耐熱塗装を施工されています。
耐熱塗装部分は表面の凹凸が少ないようですね。そうでない部分はスリップ防止のため凹凸のある加工がされています。ってところは動画で撮って写真は撮ってないwのでそのうちアップします。

搭載機であるSH-60K哨戒ヘリとクレーン車は、残念ながら規制線の向こう側での展示となっていました。
再びエレベーターで格納庫へ。

格納庫内は大きな「いずも」の旗が掲げられているほかちょっとしたとした展示はあるものの、ヘリなどはなく、途中大きな防火扉が閉められていたことから、奥に格納されているか、あるいは大規模改修前なので搭載機は降ろされている可能性がありますね。

いずもを降りて、最後に、海上自衛官の制服ファッションショーを見て終了。


女性隊員のマタニティ用の制服があるんですね。これは知らなかったです。
最後にまさかの横須賀地方総監まで登場。階級はもちろん海将。

最後の最後に晴れ間が出て来るという残念な点ではあったけど、ゆっくり楽しめた1日でした。

横須賀地方隊 オータムフェスタ2024を見に行ってきた その1

夜明け前に横須賀に到着して艦艇の写真を撮って、朝食後に入場待ちの列に並びました。
この時点でかなりの人数が並んでいたものの、この日は強風のため、予定されていた特別機動船・水中処分艇体験搭乗は中止となってしまいました。

強風のため特別機動船と処分艇の体験搭乗は中止

今回は32歳以下という制約もあるので、並んでいた大半のオジサン(私含む)は対象外でしたが、若い方は残念でしたね。

ということで、ゆっくり艦艇見学をします。風が強いですね~。


お目当ては砕氷艦「しらせ」(AGB-5003)で、これは乗ったことがなかったので、まず最初に見学しました。
文部科学省予算で建造、運用は海上自衛隊が行っていますが、民間の研究者も乗せての南極観測を行う艦艇故に、通常の自衛艦とは異なり、エレベーターが設置されていたり、階段も急角度ではない一般的なものになっています。内部は民間商船に近い感じですね。

海洋観測機材を水中に降ろすためのウインチがあったり、コンテナ船のようにコンテナを縦方向に積み上げられるコンテナセルガイドなど、独特の装備が多いですね。

民間人も乗るので、若い潜水隊員の方に「長期間ネットも使えない中でのお仕事大変では?」と聞いたところ、その隊員さんは全く苦にならないようで、今や隊員確保のため自衛艦に衛星通信ネット回線のSTARLINKを載せる試みもあるようですが、その方はネットはなければないで構わないそうです。みんながみんな同じ意識ではないようですね。
南極観測を含む航海は概ね1回半年程度だそうですが、一般市民からするとなかなかつらいものがありますね。でも、一度はそういう仕事はしてみたいものです。

ヘリ甲板、1万年前の南極の氷がありました。
MCH-101クラスの大型ヘリ2機を乗せるので甲板も格納庫も広いですね。

南極で観測機材やコンテナなどの積み下ろしを行うため、大型のクレーンを何基も装備しているのも特徴。

艦内も本当に広い(護衛艦比で)。通路や階段も広めになっています。

応急警報盤には「武器部警報」の表記も。砕氷艦は戦闘艦ではないので艦自体の固定武装はありませんが、対テロや警備上の目的で小銃は保管されているそうなので、そうした弾薬庫の警報もあるということのようです。

次に向かいに停泊中の護衛艦「たかなみ」(DD-110)へ。

もう艦齢21年を迎えるベテラン艦ですが、この「たかなみ」型より2世代前の「あさぎり」型が未だ全艦現役(2027年までに初期の艦は退役する予定)なだけに、まだあと十数年は運用されることになるでしょう。
既にソナーシステムを最新の「あさひ」型護衛艦と同様のマルチスタティック化するための予算が計上されていますが、レーダーも「もがみ」型のASEAに改装する話もあるようです。

この日ヘリは搭載されていませんでした。
54口径127mm速射砲の扉が開いていて、内部が見える状態に。無人砲塔なので、中はかなり狭そうですね。手動で砲塔を回転させることが出来るハンドルがありましたが、さすがに電動なんでしょうね。内部の銘板に2013年の表記あり。製造はもっと昔のはずなので、オーバーホールとか改修がされた表記かな?
搭載の90式艦対艦誘導弾(B) は実弾のようです。2006年製で製造は三菱重工ですが、発射筒は銘板に富士重工(現スバル)と書かれていました。分業なんですね。

このあと少し早めにお昼をとって、午後再入場。

続く…

【長澤酒造】高麗王 秋の詩 純米ひやおろし

横須賀のオータムフェア2024の写真は編集中、ということで、編集の都合上、先にこちらをご紹介。

鎌北湖の撮影の帰りに見つけた酒蔵で買ったお酒の第2弾。

【長澤酒造】高麗王 秋の詩 純米ひやおろし

ひやおろしの時期です。ってことで購入。仕込んだお酒を火入れしたうえで貯蔵、その後は火入れをせず瓶詰めして、夏を過ぎて秋になる9月から出荷されるお酒です。

高麗王のお酒はこの時買った2本が初めてなので何とも言えませんが、関東圏でもあまり見かけないだけに、色々試したくなっています。紅葉が始まった頃、鎌北湖は良さげなのでまた行きたいですね。

【長澤酒造】高麗王 秋の詩 純米ひやおろし

情報は少なめ、純米であること、精米歩合70%であること。アルコール度数は15度と一般的。他のサイトによると、酒米は埼玉県産の飯米である「彩のかがやき」で、飯米ですが最近酒造りにもよく使われているようですね。

ほんのり黄色、長瀞蔵のおちょこですみませんw

酒蔵の売店で冷蔵状態で売られていたので、冷蔵保管状態から開栓。
上立香はザ・日本酒らしいコメの甘みを感じさせます。口に含むと、お、どっしり感がありますね。アルコール感が強いと言うよりも、旨味と辛さがぐっと押し寄せますね。
ところが驚いたことに、2口目をいただいたところ、甘みがパッと広がるではないですか! びっくりしました。2口目なんてまだそんなに時間が経っていないのに。スッキリした甘みが口いっぱいに広がり、適度に酸味と苦味があとからくる、そして先程よりはどっしり感は和らぎ、余韻はやや長いかな。
とにかく1口目と2口目でこんなに印象が変わる不思議。食べ合わせたものが特段味の濃いものではないのに。

少し温めてみました。ああ、いいね、この酒は温度が上がるほどに素直に甘みが増していきますね。やや辛口系ではあるけど、最初の甘みが押し付けがましくなくふわっと押し寄せるのが、飯米だけど甘すぎないで良い印象です。

また買いに行きたいな~

横須賀地方隊 オータムフェスタ2024を見る前に…

ご無沙汰しております。忙しくてブログ更新なかなか出来ていませんが…。
日曜日、横須賀地方隊 オータムフェスタ2024に行ってきました。夜明け前に到着。少し仮眠したあと、三脚を担いで夜明けの写真をまず撮影。

この日の天気、予報では曇っているけど午前中に晴れる、とのことでしたが、風は1日強い。気温も下がるということで、上着も持っていきましたが、正解でした。風が強くて寒いのなんの。滑走路もそうですが、海沿い撮影も風があるので防寒着が必要な季節になってきましたね。

左は護衛艦「いずも」(DDH-183)、右奥に見えるのが砕氷艦「しらせ」(AGB-5003)ですね。オータムフェア2024の見学対象艦となっています。
せっかく三脚を持ち込んでの撮影だったけど、何せ風が台風か思うくらいに強く、こんな大きな艦艇もけっこう動揺しているようですね。感度下げると被写体ブレしちゃいまして。なかなか難しですね。
「いずも」は年度内に空母化改修の第2段、艦首形状を矩形化し必要な装備を追加したり、艦内の改修も行う大規模改修が入るため、この形では見納めとなります。改修は概ね3年近くかかるようです。

小雨もぱらついたり不安定な天気でした。
対岸、米海軍の方は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」(DDG-115)が整備中。2017年就役のフライトIIA、イージスシステムのベールライン9と新しい艦艇ですが、けっこうサビが目立ちますね。このあと塗装するのでしょうけど。

遠方にもアーレイ・バーク級のフライトIとタイコンデロガ級イージス巡洋艦の姿も。艦名は見えませんが、タイコンデロガ級はこの2,3年内に全艦退役予定で、世界初のイージスシステムを搭載した画期的な防空艦も、まもなく見納めとなりますね。
写真のタイコンデロガ級は、AN/SPS-49対空レーダーも残されているため、AMODを行っていない非改修型のようですね。

特徴的外観のなヴァリアント級港湾タグボートのメノミニー」(YT-807)も停泊中。なおこの日海上自衛隊の潜水艦はこちらのバースには停泊していませんでした。

この撮影している間にも、もう並んでいる人たちが! ご苦労さまです。自分はこのあと一旦戻って朝食をとってから並びましたが。

さてオータムフェアの写真は編集中。しばしお待ちを。

夜明け時間に撮るのも楽しい

先日木更津の夜明け時間に撮った写真。

遠方に見える工場、釣り人を乗せて沖へ向かう漁船、朝焼け、迫る雨雲(笑
このあと雨でしたが、木更津航空祭の展示飛行中は小雨でなんとか持ちこたえました。

あまり感度を上げたくなくて、レンズの手ブレ補正(NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR)に頼ってシャッタースピードを落としたけど、ぴしっとブレなく撮れているのはさすがです。手ブレ補正がないフィルムで感度も自由に変えられない時代は、こうした撮影は三脚必至でしたからね。
デジタルと手ブレ補正は、確実に写真の表現の幅を広げた技術だと思います。もちろん、フィルムで撮るのも楽しいのですけどね。技術と楽しさは別腹よ(笑

NikonのSnapBridgeの「Wi-Fiステーションモード接続」を試す

もう半年前の話ではありますが、2024年3月13日付けのSnapBridgeのアップデートで、「Wi-Fiステーションモード接続」なるものが追加されました。

対応機種は、執筆時点(2024年10月現在)でZ 9とZ6IIIのみです。上の画像だとZ 9のみですが、Z 6IIIも対応しているようです。

SnapBridgeは、Nikonの対応カメラとBluetoothでスマホやタブレットと常時接続し、画像をスマホに転送したり、スマホが取得したGPS位置情報を撮影データに付与したり、Wi-Fi接続では画像だけでなく動画転送も対応(対応機種に限る)、またスマホ画面を使ったリモート撮影可能と多彩な連携が可能です。
カメラメーカーの中でも割と早くBluetoothによる接続が出来ていたので、一度接続設定すれば、その後は自動でカメラとスマホがつながるのでとても便利なソフトですが、やや安定性に難があり、特にWi-Fi接続が上手くいかないことが多いのです。
Bluetooth接続状態からWi-Fiに切り替えようとすると失敗することが多く、Nikon Zシリーズの方がDシリーズより失敗が多いのです。
特に多くの画像転送をしたいときは、Bluetoothは通信速度が遅いため時間がかかってしまうで、Wi-Fiでつないだ方が良いのですが
この切替では、Bluetoothでカメラとスマホがつながった状態で、SnapBridgeからカメラ側にWi-Fiの起動(カメラ側がアクセスポイントになる)とスマホ側でカメラのWi-Fiに接続させる、ということを行っているはずなのですが、どうもうまくいかないようです。

認証/暗号がWPA2-PSKならすんなりつながるかも?

これについては、うちの環境では、カメラ側の「認証/暗号」設定を、WPA2-PSKに設定することで接続できるようになりました。スマホ側はWPA3-SAEに対応しているのですが、どうも接続しようとしても切断するを繰り返してうまく行かないようです。

NikonのWi-Fi接続の認証/暗号設定
WPA3-SAEだとうまく接続されない場合は、WPA2-PSKに設定してみるとうまくつながるかも

カメラ側がアクセスポイントになる従来からあるWi-Fi接続、D850ではすんなりつながるので、なぜだろうと思っていましたが、D850は2017年発売のやや古いカメラ故に、まだWPA3-SAEには非対応で、WPA2-PSKのみなんですよね。
WPA3-SAEで繋がらないトラブル、Nikonにはぜひ改善してほしいところですね。要望は出しておきます。

Wi-Fiステーションモード接続を試す

一方、Wi-Fiステーションモードでは、アクセスポイントはカメラではなく無線LANアクセスポイント側、あるいはテザリング状態のスマホとなります。
カメラはそのアクセスポイントにまず接続しに行く、という手順になります。

無線LANアクセスポイント、多くの家庭では無線LANルータやモバイル無線LANアダプタが受け持っていると思いますが、それだけでなくスマホのテザリング(スマホが無線LANアクセスポイントになっている状態)でも可能というのは朗報ですね。スマホのテザリングだと、カメラとスマホがWi-Fiでつながっていても、スマホ自体はモバイル回線につながっているので、通信が可能です。従来のWi-Fi接続は、スマホがカメラのWi-Fiに接続しに行くため、Wi-Fiでつながっている最中は、スマホ側はモバイル回線での通信が一切できない、つまりインターネットにはつながっていないことになります。なので、その逆となっているWi-Fiステーションモードのメリットは大きいと言ってよいでしょう。
ただし、執筆時点で対応しているカメラは、Z 9とZ6IIIの2機種のみとなっています。ええっ、Z 8やZ fは対応していないの!? 次のFWアップデートで対応してほしいところですね。

まずは自宅の無線LAN経由でスマホとカメラがつながるか確認。
https://nikonimglib.com/snbr/onlinehelp/ja/wifi_st_mode_connection_6.html
上記マニュアルにしたがって、カメラ側の[スマートフォンと接続]>[Wi-Fi接続(ステーションモード)]で、SSIDを選択し、無線LANアクセスポイントに接続します。
同じSSIDに接続したスマホ(またはタブレット)でSnapBridgeを立上げ、「Wi-Fiステーションモード接続」を選択して接続対象のカメラ(Z 9またはZ6III)を選び、「Wi-Fi接続」→「Wi-Fiステーションモード」→接続可能なカメラを選択、となります。

しばらく待っていると接続可能なカメラが表示される

ただ、最初はなかなか「接続可能なカメラ」に何も表示されない状態が続きました。何度かキャンセルして再接続してやっと検出できました。この辺り、ネットワークの状態にもよるので何とも言えませんが、もう少しスパッと表示されてほしいところです。

Wi-Fiステーションモードで自宅の無線LAN環境経由でスマホのSnapBridgeとZ 9がつながった状態

あとはスマホ側から画像取り込みを行うかでスマホ側に画像や動画を送ることが可能です。
また、Wi-Fiステーションモードで接続後、設定から自動送信指定することで、以降撮影した写真を自動的にスマホに送信することも可能です。逆にこのモードではカメラ側から指定した画像の送信はできません。

またWi-Fiステーションモードを終了させたい場合は、右上のアイコンからメニューを開いて終了させる必要があります。少々わかりにくですね。

接続認識は今一歩と言ったところで、一度接続を切って再接続しようとして、接続待機中のままになることも何度かありました。この場合はSnapBridgeを立ち上げ直すとうまくいくこともありました。もう少し安定性は向上してほしい所。

同様に、スマホ側でテザリングし、カメラをスマホのテザリング中のSSIDに「Wi-Fiステーションモード接続」させることで、同様にWi-Fi転送可能です。出先ではこのスマホテザリングによるWi-Fiステーションモードが便利そうで、RAW画像や動画ファイルも送信できるので、撮った動画をすぐにネットにアップロードといったことや、Lightroomなどで編集すると言ったことも可能。

従来からあるWi-Fi経由でのライブビュー画像の表示と撮影ももちろん可能です。一部機種は動画撮影にも対応します。これでカメラから離れた状態でスチルや動画撮影が可能なのですが、案外この機能を知らない人も多いのでは? D850でもスマホ画面でライブビュー撮影出来るんですよ。

スマホの画面でライブビュー撮影も可能

リモコンやケーブルレリーズがなくても、スマホで撮影操作可能なので、是非試してみてください。

SnapBridgeのBluetooth通信によろ画像転送は便利な反面、大量に送ろうとすると時間がかかったり、うまく送信されないこともあるので、そうした場合はWi-Fi接続が便利です。
Wi-Fiステーションモード+スマホテザリングなら、Wi-Fi接続中もモバイル回線が使えるので便利ですよ。

【備忘録】Lightroomで「書き出しにGPUを使用」がグレーアウトした場合の対処

ここ最近、RAW現像が重いなぁ、書き出ししたらCPU使用率100%になっている!と思って、Adobe Photoshop Lightroom Classicの「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」の項目を確認すると、Camera Rawのグラフィックプロセッサーを使用の「画像処理(処理バージョン5以降)にGPUを使用」と「書き出しにGPUを使用」がグレーアウトしているではないですか!

画像処理と書き出しにGPUを使用、がグレーアウトしている

再起動してみたり、Radeonのドライバを入れ直したりしてみましたが解消せず。以前はチェックできていたし、AdobeのHPでは少なくともRadeon RX 7800 XTは少なくとも要件を満たしています。

これはそこそこ古いGPUやCPU内蔵のGPUでも満たしているんですよね。
Radeonのドライバが悪さをしたのか、Lightroomのバージョンアップ時に何かがおかしくなったのかわかりませんが、こんな対処をしてみました。

設定ファイルを書き換えてみる

Adobeの「グラフィックプロセッサー(GPU)とグラフィックドライバーの問題に関するトラブルシューティング | Lightroom Classic」によるとLightroomの設定ファイルはどうやらここに格納されている模様。エディタで開いてみます。

C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\Lightroom\Preferences\Lightroom Classic CC 7 Preferences.agprefs

useAutoBahn = true を useAutoBahn = falseに変更することで、「ディスプレイにGPUを使用」がOFFになるようですが、そもそもこの項目のみはチェックが入れられる状態でした。
その下の行を見ると、

useGPUCompute = false,
useGPUForExport = false,

となっていて、この2行が「画像処理にGPUを使用」「書き出しにGPUを使用」に該当するようです。
Lightroomを落とした状態で、上記2行の”false”を””true”に書き換えました。

その上でLightroomを立ち上げ直しましたが、症状は解消せず、相変わらず2つの項目はグレーアウトの状態で、Lightroom Classic CC 7 Preferences.agprefsを再度エディタで開くと、再び上の2行は “false”に書き換えられてしまっています。うむむ、困りましたね。

設定ファイルを消去してみた

ならば設定ファイル自体を消してみよう、ということで、こちらのフォーラムの投稿も参考に、Lightroomを一旦落としてから以下のファイルを消去しました。正確には別フォルダにバックアップした上で消去しました。

C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\Lightroom\Preferences\Lightroom Classic CC 7 Preferences.agprefs
C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\Lightroom\Preferences\Lightroom Classic CC 7 Startup Preferences.agprefs
C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\CameraRaw\GPU\Adobe Photoshop Lightroom Classic\Camera Raw GPU Config.txt

この状態でLightroom Classicを再度立ち上げて、「パフォーマンス」の項目を開きます。
Camera Rawの設定は、グラフィックプロセッサーを使用が「自動」になっているので、「カスタム」に変更します。
すると、グレーアウトしていた「画像処理にGPUを使用」がチェックできる状態に! 更にチェックすると「書き出しにGPUを使用」にもチェックが入れられる状態となりました。

画像処理と書き出しにGPUを使用にチェックが出来るように!

この状態でLightroom ClassicでRAW画像を編集すると、あれまスイスイ快適に。さらに書き出しはチェックが入っていない状態の3倍は速くなりました!
システムによってはGPU書き出しではあまり速くならないようですが、少なくともうちの環境ではCPU(AMD Ryzen 9 5900X)の書き出しよりGPU(AMD Radeon RX 7800 XT)のほうが速いようです。

しかし、Geforce RTX 3060ではこうしたトラブルはなかったので、やっぱり今でもRadeonは一筋縄ではいかない? それともAdobeのせい?

新装ニコンミュージアムで動画もちょこっと撮ってきました

ニコンミュージアム、お昼くらいに少しお客さんが少なくなったタイミングを見計らって、手持ち撮影をNikon Z 8とスマホ(ASUS Zenfone 11 Ultra)で行ってきました。

やっぱりカメラ単体の手持ち撮影は厳しいなぁ…。かといってジンバル買ってまで撮るほど気合が入っているわけではないので。
こういった撮影はアクションカメラのほうが向いていると思うけど、ジンバル内蔵のZenfone 11 Ultraでも撮ってみればよかったかな? 最後のNikon F3 + MD-4 +AI Nikkor 400mm f/2.8Sの連写シーンのみ、Zenfoneで撮影しています。

是非足を運んでみてください。写真や動画では分からない、あ、こんなのもある、とか色々気付きがありますよ。古い商品の当時のカタログなんかも以前より大きな画面で見られます。
いずれ企画展もあるでしょうから、機会を見てまた行きたいと思います。

新社屋で新たに開館したニコンミュージアムに行ってきた

旧品川本社に2015年からオープンしていたニコンミュージアムですが、本社を古くからニコン縁の地である西大井に移転、そこに新たにニコンミュージアムが併設されることになりました。
2024年10月12日(土)、ついにオープンしましたので、行ってきました。

2024年に完成したNikon本社の新社屋

入口では開館記念としててニコンミュージアムメダルを進呈されました。こういう記念品はいかにもNikonらしい(あえて画像は載せません)。

インダストリーゾーン

まず入場するとインダストリーゾーンが。その名の通り、業務用製品が中心の展示です。製造業や研究職でないとあまり馴染みのないものが多いかもしれません。

パッと見るとなにかわからないけど、よく見るとものすごいものが展示されています。Ultra Micro Nikkorとかがサラッと展示されていることに驚き。ごく一部の界隈に反響があったから? 実体顕微鏡も以前はなかった展示ですね。
また現行品としてデジマイクロ(マイクロメーター)も触れる状態で展示。マイクロメーターはミツトヨのイメージが強いのですが、Nikonも作っているんですね。

コンシューマコーナー

いわゆる民生品、とは言えほぼプロが使う商品も展示されていたり、民生品をベースとした特殊製品もサラッと展示されています。多くの人には馴染みのあるNikonといえば、カメラやレンズを主体としたこのコーナーですね。
タッチアンドトライコーナーでは、恐ろしいことにF3 + MD-4 +AI Nikkor 400mm f/2.8S やF2 + MD-1 + AI Nikkor 1200mm f/11Sなんかが触れて連写できる状態で設置されているではありませんが! ミュージアムに展示されている製品で、こんな無防備にトライできる状態で設置されているなんて! クレイジーですね!(褒め言葉)

かと思えば、タッチアンドトライコーナーのF6が不調となり急遽F5の50周年モデルに切り替わっていました。50周年記念モデル、普通にあるんかいw
まあ新装初日なので、頑張ったんだと思います。1950年代のNikon SPなんてのが誰でも触れる状態なんて、ありえないですよホント。
だいたい、Nikon F2のウエムラスペシャルとか、何の説明もなく展示されていたりするんですよ。ここは詳細な説明がほしいですね。そのうち展示されることを願います。

正確には左側はインダストリアルではなく引き伸ばしレンズのEL-NIKKORや大判用のレンズ、右には工業用レンズのRayfactが。工場の検査用センサなどに使われているレンズです。

これらは説明が必要と思いますが、今回の展示にはなし。いずれどう使うものかは補足展示してくれると良いですね。

そして創業当時の三菱財閥つながりが分かる展示、この辺りは良いですね。
将来は海上自衛隊潜水艦に搭載されている13m潜望鏡が展示されると面白そうなのですが。

レンズの展示は、従来と同様むき出しのままですが、横一列の展示となったことで、より圧巻さが増しましたね。
そうそう、タッチアンドトライコーナーの望遠レンズは、このレンズ展示から貸し出されているんですね。ちょうどAI Nikkor 400mm f/2.8Sが抜けていましたが、当に今さ割れる状態になっていたんですね。なお、展示のレンズはお触り禁止です。
でも、こうしてガラス越しではない展示が多いのは、直接見てほしいという意思と見学者のマナーが良いからでしょうね。ガラス越し展示にせざるを得ない、とならないことを切に願います。

ミュージアムショップ

先に券売機でチケットを買って、カウンターで商品引渡しのスタイルは以前と同様。ガチャガチャもありました。アンブレラマーカーのるつぼのアクリルイラストが当たりました(笑)

もちろんニコンようかんも購入。

ニコンようかんなどいくつかのグッズを購入。結構期間限定物も多いので、行くたびに新しい発見があったりします。今後に期待です。

新社屋もとても広くて綺麗でした。
こういう環境で仕事ができるのはちょっぴり羨ましい。

ミュージアムは従来の品川より広いので、今後企画展などの展示でも大いに活躍できるでしょう。今はまだ説明不足の展示も多いですが、いずれ充実してくると思いますので、頃合いを見計らってまた行きたいと思います。
なお、閉館日は「月曜日、日曜日、祝日および当館の定める日」となっているので、事前にご確認されることをお勧めします。

当日お会いした皆様に感謝申し上げます。お久しぶりでございました。
またお会いしましょう。

アサブロから移転して、2020年よりこちらをメインとします