「カメラ・レンズ関連」カテゴリーアーカイブ

Kyocera T PROOFで何年かぶりにカラーネガを使ってみた

今から20年以上前に、京セラはまだカメラ事業を行っていて、フィルムコンパクトカメラのT PROOFがそろそろ販売終了になるという話を聞いて、新品購入しました。

このカメラの特徴は、何と言っても、何の変哲もないプログラムオートでしか撮れない、見た目は安っぽい(笑)カメラなのに、レンズはなんとCarl Zeiss Tessar T* 35mm F3.5を搭載していることです。
シンプルな光学構成のTessar(テッサー)ですが、その描写性能は折り紙付きで、多くのカメラメーカーがこの光学系をお手本としました。
それこそフィルム一眼レフがメインだった時代のサブ機、あるいは普段持ちとして散々使ったT PROOF、外観は傷だらけですが、ちゃんと今でも動きます。

何故か生活防水仕様となっていて、電池やフィルム蓋にはちゃんとゴムパッキンが入っています。もっとも、20年以上経過してゴムも硬化しているでしょうから、今となっては防水性能は期待できないけど、それでもないよりはマシですかね。

とにかく絞りすら設定できないプログラムオート機ですが、それ故に面倒なことは考えず、サクッと撮れるのが良いです。

Kodak ColorPlus 200を詰めてみた

去年チャンプカメラで買ったKodakのカラーネガフィルム、ColorPlusのISO200を入れてみました。
久しぶりのKodak、そしてカラーネガで撮るのは数年ぶりでしょうか? デジタルが主力になって、好きだったカラーネガフィルム、FujifilmのREARA ACEがなくなって以降、カラーネガをあまり使わなくなってしまいました。フィルムで撮るときは、カラーリバーサルかモノクロメインになりました。

そうこうしているうちに、若者の間で緩やかにフィルムカメラブームが起き、カラーネガフィルムも少し復活したかに見えましたが、今度はコロナ禍やロシアのウクライナ進行などの情勢不安定により、フィルム自体が大幅値上げとなってしまいました。

そんな中ですが、チャンプカメラは様々なフィルムを置いていまして、その中から安牌(笑)でチョイスしたのがKodak ColorPlus 200です。
ISO200という中途半端な感度がまた良いです。昔からそんなにメジャーではなかったISO200ですが、今となっては、ISO100より少し感度が高く、ISO400より粒状感が少ない、というちょうどよいバランスです。

T PROOFはAFコンパクト末期のカメラだけあって、フィルムのローディングは赤線に先端を合わせて蓋を閉じるだけのイージーローディング。20世紀末期のフィルムカメラは当たり前でしたが、MF時代は装填失敗もよくある話でしたからね。

さて、昨年末のクリスマスにフィルムを装填し、ゆるく撮影していました。2月末に撮り終えて現像(パレットプラザはなんと1時間で現像同時プリントしてくれる!)しました。ゆるりとスキャンしていきたいと思います。

Nikon Z f?の噂に思う、ユーザーの意見を聞きすぎないことの重要さ

Nikonのレトロ調ミラーレス一眼「Z f」の噂話は、去年辺りからチラホラ見かけていますが、先日のカメラと写真のワールドプレミアショーCP+でNikonの開発陣にインタビューしたフランスの記事で、このZ fの噂(期待?)についての質問に対する受け答えがされています。

以下、ネット翻訳下抜粋です。

Nikon Z fc は、昨年のベストセラーの 1 つです。この成功の理由は何だと思いますか? ニコン Df のように、特にフルフレームでヴィンテージの外観を持つ他のカメラを発売する予定はありますか?

Nikon Z fc の最初のコンセプトは、楽しさと喜びに基づいています。個性的なデザインのカメラが欲しいという方に、手に取って撮っていただく喜びを感じていただければと思いデザインしました。

このデザインは、ニコンの長い歴史とクラフトマンシップから生まれました。表現されるのはすべて私たちの情熱です。Z fc は、伝説的なフィルム カメラである Nikon FM2 によく似ています。これが、私たちの歴史とFM2の歴史を知っているお客様の期待に応える方法です。彼らは、この歴史的なケースに 2 滴の水滴のように見えるため、Z fc のデザインを高く評価しています。同時に、必ずしも FM2 を知らないが、Z fc のヴィンテージな外観を高く評価している若い世代にも多くのことを語っていると思います

センサーサイズに関しては、十分にコンパクトで手頃な価格のケースを提供したかったため、APS-Cを選択しました. そして彼の名前は私たちの考えを示しています。Z fc の「c」は英語の カジュアルに対応します。このケースを使用する前に、よく考える必要はありません。手に取って、撮影を楽しんでください。大きさ、価格ともに納得のポイントです。

しかし、おっしゃるように、Z fcを発売するとすぐに、多くの人がフルサイズセンサーと同等のものを求めていました. もちろん、今後の製品について詳しくは言えませんが、こうした要望を聞き、それらに十分に応えられる製品の種類を考えています

https://phototrend.fr/2023/02/interview-nikon-cpplus-2023-monture-z/

この記事がデジカメinfoで紹介され、Nikon Z f登場に対する期待が高まっているように思いますが、個人的に色々思うことを、ここでは書いてみたいと思います。
Twitterだと角が立ちそうなことや、誤解されそうなこともあるので。あくまで、個人的な意見ですからね。

もちろん上の画像のZ fはフェイクですよ! https://nikonrumors.com/2022/06/07/new-black-nikon-zf-camera.aspx/

ぼくの考えた理想のZ f論に見る、実際の売上との相違

発売の予定もまだ出ていないうちから、こうした待望論が出てしまうと、どうしても皆が考えたそれぞれの理想と、現実との乖離が大きくなってしまいます。
もちろん、妄想するのは個人の勝手ですし、それをメーカーが全てピックアップするわけでもないですから、個人で語る分には個人の自由です。
が、それがいざ製品になったときに、理想とかけ離れるほど、やっぱいらないじゃん、となります。

そもそも、やたら理想をぶちまけた挙げ句に買わない人は多いのです。スポーツカーなんかもそうですね。いざ出してみると、思ったほど売れない。そのくせ文句ばかり言われる、ここがこうじゃないああじゃないと。そういう人は客ではないですからね。

Z f待望論を見るにつけ、かつてNikonが一眼レフのDfを販売した時の、販売に至るまでのティザー広告から実際に販売されるまで、そして販売終了の流れを思い出します。

なぜNikon Dfはあまり売れなかったのか?

Nikon Df

Nikon Dfが発売されるまで、ネット上ではちょっとしたブームとなりました。Nikonもティザー広告で少しずつ情報をちら見せし、往年のフィルム名機のF3を登場させてみたり、開発担当がF3の開発も行ったミスターニコンの後藤だったりと、とにかくかなりカメラファンを期待させたのではないでしょうか?
ところがいざ発売されてみると、ネット上にはこんなネガティブな意見が出てきました。

  • 中身はD600でしょ?
  • ファインダがいまいち
  • AFがD600と同じ
  • 重たい
  • 分厚い
  • 質感がいまいち

Dfが既存の製品の流用が多かったのは確かです。後に後藤氏もAERAdotのインタビューで、Dfの開発について、このように語っています。

「一眼レフのラインアップがきちんと決まっているなかに、売れるかどうかわからない、しかもぜんぜん違う雰囲気のカメラを入れようとしたわけですから。そりゃあ、反対されますよ。でも最終的に『できるだけ部品を流用して、お金をかけないで作りますから』と、最上層に頼み込んだら、『それならいいだろう』という感じでOKを取りつけました」

https://dot.asahi.com/dot/2019061400057.html?page=5

もちろん、全てを専用品として作ってしまうと、相当価格が上がってしまいます。ただでさえニッチな製品なのに、開発費を上げてしまうと、それを価格に転化せざるを得ません。それでも買ってくれて利益が出せるLeicaのような製品ならまだしも、Nikonのプロ機でもない趣味性の高い製品の売上は知れているわけです。
なので、ファインダやAF周りはD600、撮像センサはD4(ここは部品単価で相当頑張った部分と思う)を流用したのです。
もちろん、ダイヤル類は新規設計ですし、デザインも他の一眼レフとは異なるので、そこに費用はそれなりにかかったはずです。
でも、その部品流用の妥協点が、ユーザーにはしっくりこなかったようです。

とは言え、仮にDfがファインダやAFも更に上位機種と同等にこだわったとしたら、更に価格は十数万円は上がったのではと思います。
後藤研究所では、開発と売上のバランスに相当苦労したと思いますし、本音で言えばファインダはもっと上質にしたかったはずです。でもそれを行うと、価格が上昇し、更に売れないカメラになってしまうことが明白だったので、妥協点を設定して開発したと想像します。
残念ながら、それ故にユーザーの方が好き勝手言った割に買わない、というドツボにはまってしまったのです。

個人的には、すでにD800ユーザーだったので、D4のセンサ自体に魅力はあったけど、それ以外に魅力だったのは可倒式AIガイド(ここで言うAIは人工知能ではなく、NikonのFマウントレンズの絞りリングの位置の機械連動方式のこと)くらいで、上面ダイヤルに興味もなかったので(コマンドダイヤルがあるのに、わざわざシャッタースピードや露出補正をダイヤルで設定する必要性がない)、結局買うこともありませんでした。

AFも中途半端に入れるくらいなら、むしろ取っ払ってMF専用機にしても良かったのではと思いますが、それではマーケット的に更に厳しいですからね。

Nikon Z fcが売れたのは価格を抑えたから

ミラーレス時代になり、Nikonが最初に出したヘリテージデザインのNikon Z fcはそれなりに売れたカメラだと思います。
これはシンプルに、フルサイズではなくAPS-CのZ 50をベースとし、質感もそこそこに抑えたからでしょう。
または貼革のカラーバリエーションを期間限定ながら設定したのも大きかったのではないでしょうか?
仮にカメラオタクの要望、質感にこだわる、を実践していたら、高価になって売れなかったでしょう。

Dfのように大きく重くもない、薄くてシンプルな、かつてのフィルムのFM2をオマージュし、カメラオタクではなく一般カジュアルユーザーに向けた開発だったのも良かったと思います。
Z 50のデザインは個人的にあまり好きではないけど、このカメラならちょっと欲しいな、と思わせたりします。
よく見ると、上のD fもオマージュしているように思いますよ。

質感を抑えた、ここは結構重要です。まずは見た目なんですよ、カメラも車も。それでいて質感もこだわってしまったら、それこそLeicaの領域です。
レンズキットで10万円台半ばに抑えたこともよかったでしょう。

Z fはあくまでリップサービスでは? まずはZ 6IIIの開発が急務

Yamaroの個人的結論からいうと、Z fはあくまでリップサービスで、開発も検討していると言ったに過ぎないと思っています。少なくとも今は売る段階ではないと思っています。
まずは、ライバルメーカーに対して、特にAF性能が周回遅れとなっている、ミドルクラスのZ 6IIをモデルチェンジし、Z 6IIIを発売することが急務でしょう。
Z 9はフラッグシップ機で、誰しもが手を出せる価格ではありません。今やSONYのα7IVや、CanonのEOS R6 MarkIIがミドルクラスのミラーレス一眼で売れに売れているモデルで、Z 6IIは完全に取り残されている状況です。

未だFマウントのみのユーザーも多数いると思われるNikon、何とかしてZマウントに手を出してもらうためには、手の届く価格のZ 6III登場が急務です。ボリュームゾーンのカメラが周回遅れではどうしようもないですから。

そして、Z 6IIIが登場してある程度売れた暁には、それをベースとしたZ fを売るのは、販売戦略の1つとしてアリなのではと思っています。
とにかくユーザーは変に「ぼくの理想」を妄想しすぎないこと、そしてNikonもユーザーの要望する「ぼくの理想」に付き合いすぎないこと、むしろ突き放すくらいの製品を出して欲しいですね。

言えることは、Z fは決して安くなない(Z fcよりちょっと高いくらいなんてのは、フルサイズである以上あり得ないです)と思いますよ。
Z 5ベースなら…多少安くなるけど、それ欲しいですか?

EL-NIKKOR 50mm F2.8で桃の節句な接写をしてみた

先日、世界の中古カメラ市で買ってきた引き伸ばしレンズ、EL-NIKKOR 50mm F2.8とベローズPB-4で、桃の節句で妻が買ってきたお花を撮影してみました。

NikonのベローズPB-4と、GITZOのフルードジンバル雲台を組み合わせています。こんな組み合わせで撮る人はそうそう居ないでしょう(笑
そもそも望遠レンズと組み合わせるのが前提なジンバル雲台ですが、全長が長くなり重量もそれなりにあるベローズを組み合わせて使うのも、実はそれなりに使い勝手が良いのです。
特にピシッとアングルを決めやすいので、私はこの組み合わせが好きです。

EL-NIKKOR 50mm F2.8は繊細な描写

EL-NIKKOR 50mm F4も持っていますが、1段明るいこのレンズも、なかなかどうして繊細な描写です。ピントが合えば芯がちゃんとあるけど、柔らかく、それでいて決めの細かい描写です。コントラストはややあっさり目でしょうか。
カメラはD810を使用。内蔵フラッシュは赤外線ワイヤレスコマンダーとしても使用できるので、対応スピードライトを使えば、別途コマンダーなしにワイヤレスでスピードライトが使えるので、スピードライトSB-900を手持ちで、いろいろな角度から光を当てて撮影してみました。
この使い勝手の良さで、この手の撮影では未だD810が欠かせないのです。

いい! 個人的にEL-NIKKOR 50mm F4より、このF2.8のほうが接写においては好みの絵が出ました。カリカリな描写ではなく、柔らかで繊細、ボケのつながりが良好。
50mmなので、接写では被写体にかなりレンズを近づけなければならないのが難点ですが、ワーキングディスタンスをとらなくても良い条件であれば、使い勝手も良好ですね。

Nikon D810 + EL-NIKKOR 50mm F2.8 + BP-4

D810、ずっと外で定点撮影用に使っていて、センサの汚れがかなり気になりました。RAW現像でゴミ取りに苦労しました…。センサクリーニングしないとね。

Nikon Z 9 Firmware C:Ver3.10にアップデートしてみた

発売から1年3ヶ月、2021年12月24日に発売されたNikon Z 9、2021年末に発売されたからか、どうも発売から2年経過しているイメージで語られがちですが、まだ1年ちょっとだったりします。
その間に順当にバージョンアップが行われているのは好感が持てますね。
口の悪い人たちは、そんなのは最初からやっておけ、なんて言いますが、今やミラーレス一眼はソフトウェアのウェイトが大きく、PCやスマホのOSやソフトだってバージョンアップで機能改善やデバッグが行われているので、こうした改善は評価したいです。
個人的には、8.3K60PのRAW動画を撮れるのだから、連写速度も秒20コマと言わず、30コマは行けるのではと思っているのですが、これは次のVer4.00で期待? AF精度や書き込み速度との絡みもあるでしょうけど。

C:Ver3.10への更新内容は以下のとおりです。

  • 以下の製品に対応しました。
  • – NIKKOR Z 85mm f/1.2 S
  • AF エリアモード]を[ワイドエリア AF(S) ]、[ワイドエリア AF(L) ]、[ワイドエリア AF(C1) ]、[ワイドエリア AF(C2) ]、[ 3D- トラッキング]、[オートエリア AF ]のいずれかに設定して連続撮影を行ったときのコントラストが低い被写体に対するピント精度を向上しました。
  • 別売のスピードライト装着時の連続撮影速度を改善しました。
  • 以下の不具合を修正しました。
    • – 再生時の i メニューにある[画像編集]>[トリミング]を行うと、まれに切り抜く範囲が正しく変更できなくなったり、表示画像が歪んだりしてしまう。
    • – 再生時の i メニューにある[画像編集]>[比較明合成]を行うと、多数の画像を合成した時に画像に緑の色付きが発生することがある。
    • – 再生画面で拡大表示した状態でレーティングを設定すると、表示画像が一時的に異常となることがある。
    • – ごくまれにカメラが操作を受け付けなくなる。
https://downloadcenter.nikonimglib.com/ja/download/fw/486.html

「…連続撮影を行ったときのコントラストが低い被写体に対するピント精度を向上しました。」と言うのは、元々暗所やコントラストに低いう被写体へのAFが苦手なNikonミラーレス機だけに、どの程度改善されたか気になるところです。

更新ファイルは約95MBもある

早速ダウンロード。Nikon Z 9のFirmwareアップデートはいつも時間がかかりますが、一眼レフと違って更新ファイルのサイズが大きいですからね。今回のファイルは約95MBありました。

パージョンアップのプログレスバー進行は、相変わらず遅いです。更新自体は数分で完了しました。

相変わらず低コントラストは苦手

夜明けの風景を撮ってみました。レンズはNIKKOR Z 40mm f/2です。

画面中央ではAFが合わず、やむなく下の建物にフォーカスエリアを移動

一眼レフのD850ならAFが合うこの風景ですが、残念ながら画面中央の雲のある空ではAFが合わず、やむなく下の建物にAFエリアを移動させて撮影。やっぱりこうした場面でのAFは苦手で、ここがまだ一眼レフのAFセンサに追いついていないです。コントラストAFなら、このくらい雲があればAF合うかなと思ったのですが…。
思うに、Z 9の像面位相差AF暗い場面への対応がそもそも無理で、コントラストAFもまだ洗練度が足りない気がしています全画素使ってのコントラスト検出はしていないのかも? まだまだ改善が必要です。少なくともEVF上で見えているのだから、出来ないはずはないと思っているのですが。

NIKKOR Z 40mm f/2のコマ収差

最近フォトヨドバシで、新宿光學総合研究所なる記事が、どこぞのカメラメーカーとのコラボで書かれていますが、この記事がとてもわかりやすいのです。
コマ収差、なんぞや、というのもとてもわかりやすく書かれています

そのコマ収差ですが、NIKKOR Z 40mm f/2は光学設計がZマウントのニッコールの中では、比較的ゆるいためか、絞り開放だと割りと発生します。上の写真と同じ風景の右下隅を切り出してみました。
絞り開放のf2と1段絞ったf2.8で、これだけコマ収差の出方が違うのです。

どうでしょう? 点の光が扇状になる度合いが、絞り開放では盛大に発生しているのに対して、1段絞りを絞るだけで、これだけ改善します。
もちろん1段では本当に隅の方は多少コマ収差が残っていますが、煙突のてっぺんの赤い光は1段絞ってコマ収差はかなり解消されているのがわかります。
このレンズは、レンズの特性が絞りで変わります。開放ではガチガチに収差をなくしておらず、良い意味で絞りの違いによるレンズの味わいや特性の変化が楽しめます。

NIKKOR Zはどれもものすごく写りがよく、スキのない描写ですが、写りすぎる、という側面も少なからずあります(人間贅沢ですね)。このレンズは、ちょっと肩の力を抜いた感じで好感が持てます。もちろん、もっと高価なZレンズはものすごく良いのですけどね。

5年ぶりにCP+に行ってきた

カメラと写真映像のワールドプレミアショー、CP+が4年ぶりのリアル開催、ということで自分としては2018年開催以来5年ぶり(2019年は行かなかった)に行ってきました。

前回は家族撮影できるイベントが予約できたので、家族全員参加でしたが、今回は息子と2人です。

成長しましたね。
ただ、今回は息子氏が足を捻挫(骨折?)して、まだ足が痛いので、ベビーカーで移動、なのでタッチアンドトライのコーナーは試せず、さっと眺める程度でした。

色々感じたこと

以下、本当にさらっと眺めた久しぶりのCP+の雑感です。

まず入場口、会場のパシフィコ横浜、コロナ対策なのか知りませんが、入場口の規制を行っていました。

CP+2023は入場口を限定していた

ただ、これ、意味があったのかな?と思いました。
カメラアクセサリーアウトレット専用入場口から最初入りましたが、思ったより客入りが少ないなという印象で、わざわざ入り口を区切る必要性はなかったのかなと思いました。もちろん結果論であって、もっと客が来るなら意味はあったかもしれませんが。
とにかく、入口が少ないのは不便でした。

また、入場には印刷したQRコード付き入場章をぶら下げる必要があり、これは子供であっても必要です。その他のこうした展示では、子供が入場可能な場合は、入場章が不要の場合が多いのですが、ちょっと面倒に感じました。登録のために複数のメアドを使わなければならず、現地に行けば印刷して渡してもらえるようでしたが、このあたりの説明が不十分に感じました。
個人名が表示されてしまうのも、企業やプロならともかく、プライバシーの観点から必要性がないのではと感じました。
2018年に行ったときのような、家族て楽しめるイベントもなかったのも残念でした。このあたりはもう少しコロナ禍が落ち着けば復活するのかなと期待しています。

入場客数も、パッと見で明らかに以前より少なく、今ひとつ盛り上がりに欠けていた気もします。これはカメラ業界の衰退そのものを表しているようにも感じました。
スチルカメラはもはや行き着くところまで行き着いてしまい、ミラーレス化とAI被写体認識がトレンドかもしれませんが、これって写真を撮ることの本質そのものではないですからね。
確かに動態の被写体を撮影することへのハードルは下がったけど、カメラやレンズの単価は上昇し、どんどん高嶺の華になってきている気がします。

スチルよりも、動画系、とりわけ配信やムービー系の展示のほうが、個人的には見ていて楽しかったかな。シネレンズなんかは、究極のMFレンズだけあり、操作性重視、ゴツいのに緻密で、道具感の塊です。合理的で極度に自動化されたカメラは、少しワクワク感に欠けるのですよね。

また、メーカー系の展示、やはり勢いがあるのはCanonとSONY、そしてFUJIFILMでしょうか。特にSONYは、かつてのNikonの勢いをそのまま引き継いで、望遠レンズ系もずいぶん力が入っていたように感じました。
そのNikonは、ボディの新作もなく、特にZ 9以外に動態に強いボディの発表はまだなく、恐らく3月くらいに発表されるという噂のZ 8?やZ 6IIIの情報もまだなく、ちょっとインパクトには欠ける印象でした。

アクセサリ系も、やはり以前と比べて出店数が少なく、特に中国を筆頭とするアジア系企業の出展も少なかったですね。コロナ禍だからかでしょうか。

PanasonicのLUMIXも、おねーさんがいらっしゃいました。MFTとフルサイズ機の間で、どうラインアップを展開するのか、やや中途半端感があったのは否めないですね。
個人的にタムロンのねぶたと組み合わせた展示が目を引きました。

ベビーカーに乗せた息子を連れていたのもあって、あまりしっかりとは見れませんでしたが、以前と比較して、展示には全体的に寂しさを感じ、客入りの少なさと相まって、来年リアル開催されたとして行くかは微妙なところかな…と感じたのも確かです。

結局アウトレットで用品を買って、全体をサラッと見て終了でした。カメラやレンズは、お店やショールームでも試せますし、イベントも見るだけならオンラインで楽しめます。
この手の展示会も、多くの企業の商品をリアルで触れられるメリットはあるものの、ドイツのフォトキナがなくなったように、そろそろ開催方法を考える時代に来ているかもしれません。

Manfrottoの244 MICRO FRICTION ARMを買ってみた

ちょいとやりたいことがありまして、買ってみました。

これだけだと、何をするものやら…ですよね。Manfrotto 244 MICRO FRICTION ARM (244MICRO-AR)です。Manfrottoと言うと、イタリアの三脚メーカーの老舗です。ということでこれは三脚関連用品です。

こちらはARMの先端を1/4インチネジに変換するアダプタ、1/4” Anti Slip Plate adapt. for 244Mini & 244Micro (244ADPT14AS)です。長い名前だ…

ARMの両端は用途に応じて変更可能

こんな感じに先端のアダプタを変更可能です。クランプなども取付可能です。

Manfrottoのビデオ雲台、ナイトロテックN8のこのネジ穴、買った時は何に使うんだろうと思っていましたが、こうやってアームを付けることが可能なのです。

やりたかったこと

これです。これがやりたかったのです。

モニタを吊り下げてみた

フィールドモニタ、カメラのアクセサリシューに取り付けると、どうしても重心が高くなってしまうのと、カメラの高さを確保した際にモニタが見づらくなるため、低い位置にモニタを設置したかったのです。
そして、モニタ&バッテリの重量はしっかりARMが支えてくれます。締め付ければ緩むこともなく快適です。

ただし、弊害もありまして…

モニタフードの枠に鑑賞する

フィールドモニタのフードの取付枠と1/4インチネジアダプタが干渉します。フードを諦めるか、少しずらして使うか、ネジの高さ嵩増しを行うか、ちょっと工夫が必要ですね。
とは言え、とりあえずこれで快適に動画も撮れそうです。

松屋銀座「世界の中古カメラ市」で買ってきたもの

貧乏人なので、買うと言っても金ピカのLeicaとか、新品未使用のNikon F2 Titanとか、そういったものではなく、ジャンクばかりでした。

ジャンクばかり3点

とは言え、ジャンクはジャンクでも、どれも程度が良いものでした。
左から、NikonのTC-301S(なんと公式HPに情報残っている!)で、1984年頃から2005年と21世紀初頭まで販売されていたものですが、S/Nが203249なので、恐らく80年代製造のものと推察します。
NikonのAI方式の300mm以上の望遠レンズに対応し、写真のようにレンズマウント側の光学系は出っ張っているため、装着できるのは自ずと望遠レンズに限られます。
ではこれに合うレンズを持っているかと言われると…ないんですけどね。とりあえず1000円で光学系もきれいだったので抑えました。

中央はEL-NIKKOR 50mm F2.8で、F4は持っているのですが、F2.8は持っていなかったので買ってみました。こちらも光学系はきれいで、レンズキャップはありませんが、予備でいくつか持っているので、これはこれで。

右がNikon純正アクセサリながら、物自体には何も書かれていない、LEICA MOUNT BASE PLATE(箱の裏にはライカ ザガネと書かれている)、NikonなのにLEICAと書かれていて、一見何変わりませんが、LEICA MOUNTとはL39スクリューマウント、M型ライカ以前のカメラで使われているスクリューマウントのこと。
この商品は、L39スクリューマウントが採用されている、EL-NIKKORなどの引き伸ばしレンズや、その他工業用レンズなどを、暗箱などに取り付けるためのベースプレートとなっています。6つの小さな穴は、テーパー座のネジ穴座面となっていて、このベースマウントを機器や暗箱などに取り付け、そこにEL-NIKKORなどL39スクリューマウントのレンズを取り付けることが出来ます。
こんなNikon純正品が、実はちょっと前まで売られていたのですよ。使い道はともかく、ほぼ新品で状態も良いので、これも抑えました。

早速買ってきたEL-NIKKOR 50mm F2.8にLEICA MOUNT BASE PLATEを取り付けてみた

こんな感じで、EL-NIKKORを取り付けできます。このレンズを、他の機器にネジ止め出来るわけです。
では今の自分に使い道があるかと問われると…ないですけどね。でも、この手のアクセサリは貴重なので、買っておきました。
カメラ市のようなところで、いろいろな店でじっくりこういうアクセサリを探すのは楽しいですね。

4年ぶりに銀座に行ってきた

もう東京に住んでかれこれ11年目ですが、コロナ禍以降、いやそれ以前から、そうめったに都心方面に出向くことはなく、先週末久しぶりに行ってみた銀座。

高級なお店が並ぶ、キラキラした街ですね。コロナ禍当初よりは人出も増えてきた印象。特に外国人観光客も戻ってきている感じはありますね。

で、写真の通り、LOUIS VUITTONへ…行くわけもなく(笑)、お隣の松屋銀座へ。

何年ぶりだろう? 世界の中古カメラ市

これに行ってきました。

カメラ関係、最近はボディもレンズよりも、もっぱらアクセサリ類を探しています。
特に、引き伸ばしレンズEL-NIKKOR関連のものとか、フード系とか。なかなか特定分野のアクセサリって中古でも見つからないので、こうして多くの店が集まっている中古市って、探すのに最適なんですよ。

いくつか掘り出し物を買ったので、後日ご紹介します。

ペリカンケースもどき? Lykus ハードケースHC-3310を買ってみた

精密機器の梱包ケースとしておなじみのペリカンケース、仕事でも使っていたりしますが、本家のペリカンケースは何せ高価です。
もうちょっと安いもの、そんなにガチである必要もないのですが、とある用途に使いたくて、似たものを買ってみました。

Lykus HC-3310

Lykus(ライカス)というブランドのハードケースです。ペリカンケースと同様、耐衝撃、防水性に優れたケースとのことです。


ここまでガチなケースを求めていたわけではないけど、ガチではないケースも実際に中の緩衝スポンジなどを別途購入すると結構良い値段になってしまうので、だったらガチなケースにしてみようと思いました。
購入先はドローンのショップで、ケース自体もドローンの収納を目的にしているようですが、別にドローン専用ケースというわけではなく、それ以外の精密機器なんかも収納可能です。

開けると、中にはスポンジが詰まっています。
一見、ただの大きいスポンジが詰まっているだけに見えますが、押してみると、1cm程度の切れ目が入っていて、カッターナイフなど不要でカットが出来ます。また、スポンジは厚手の切れ目が入ったものが2段、一番下が切れ目のない薄手の緩衝スポンジ、という構成です。
なお、スポンジが傷んでしまったり、別の形状にカットしたい場合は、スポンジだけも別途購入可能です。

説明書には、入れるものより少し小さい程度にカットを、と書かれていましたので、入れるものを押し付けてだいたいの型の検討をつけたら、スポンジを押しながら切れ目をカットしていきます。

カッターナイフ無しで、手できれいにカットできる

結構カットは大変ですが、間違ってカットしてしまうと買い直しになるので、慎重に行います。

フィールドモニタとバッテリ関連を収納できました

はい、目的はこれ。カメラ用のフィールドモニタ、FEELWORLD T7 Plusとバッテリ、ケーブルを収めたく、このケースを買いました。
フィールドモニタ、画面に傷つけたくないので、ちゃんと保管しなければなりませんが、何しろモニタはただの板なので、これを収納するってけっこう大変。
そこでハードケースの出番となりました。

ホームセンターで良いケースがないか探したけど、結局値段の割に…という感じだったので、ハードケースにしてみました。何だかそれっぽい感じに収まりましたね。
ケースは深さに余裕があるので、まだ開いている部分はモニタのアームなんかを収納したいと考えています。そのアームも、まだ買ってから開けてないな。そのうち紹介します。

AstrHori 18mm F8 フルフレーム?シフトレンズで撮ってみた

昨年購入して、届いたのが年明けになった、中華レンズ、AstrHori 18mm F8 広角レンズ フルフレーム シフトレンズを屋外で使ってみました。
シフトレンズとは、カメラを水平に向けたまま、レンズを平行に光軸中心からずらすことで、ずらした向きに撮影可能です。
わかり易い例は、ビルを真下から撮影すると、上階に行くほどすぼんで撮れますが、シフトレンズを使えばこれが最小限に抑えられます。

超広角レンズでシフト可能なレンズは、通常30万円以上します。例えば、NikonのPC NIKKOR 19mm f/4E EDは、こんなに前玉が出っ張っていて、価格も34万円前後します。

PC NIKKOR 19mm f/4E ED

これだけ前玉が出っ張っている理由は、シフト機構を使うことで、通常の19mmの広角レンズ以上のイメージサークルが必要だからです。より大きなフォーマットの中判レンズくらいのイメージサークルが必要です。例えて言うなら、カメラを水平の角度で、超広角で撮影して、その一部を切り取る感覚ですね。

超広角レンズでシフトレンズ、というのがもの高価かつ大型レンズになるのはこういった理由からですが、チャイナはその斜め上を行きました。
レンズサイズはパンケーキレンズ並みにコンパクト、かつシフトもできる18mmレンズを、2万円を切る価格で出してきました。

AstrHori 18mm F8 フルフレームシフトレンズ(Zマウント用)

これを見た時、本当に18mmの画角があるのか? そして本当にシフトできるのか、甚だ疑問でした。何せ、暗いレンズとは言え、こんなパンケーキサイズでシフトできる程のイメージサークルがあるのか?
そしてその疑問は、悪い意味で確信に変わりました(笑

ま、30万円以上する超広角シフトレンズが、以下にチャイナパワーと言えど、わずか2万円弱で実現は不可能と言うことです。

はい、フルサイズでは蹴られます。蹴られる(ケラレる)とは、ご覧のように映らない部分が出てくるということ。
つまりこのレンズ、フルサイズのフォーマットに対して、フルでシフトさせると蹴られてしまいます。イメージサークルが狭いのです。本来、フルサイズ対応のシフトレンズは、最大までシフトさせても蹴られないように、イメージサークルを広く取っているはずなのですが、このレンズは、2メモリくらいまでしかシフト時のイメージサークルがないのです。

フルサイズで蹴られないシフト量はメモリ2つ分がせいぜい

ちなみのこのレンズ、この記事を見て、Pergearで期間限定でさらに3千円割引になっていたので購入しました。が、このページにも購入先のPergearも、イメージサークルについては書かれていませんでした。

ところが、SNSで早くに届いた方のレビューにより、フルサイズでは到底イメージサークルが足りないということが判明、今ではPergearのページにも、「シフト機能を使用するには、最初にAPS-Cモードに切り替える必要が有ることに注意してください。」と追記されました。

まだ1万数千円で買えたので、笑って許せる範疇ですが、如何にチャイナと言えども、最初に販売した際にイメージサークルの狭さに言及していなかったのは問題ありでしょう。久しぶりに悪い意味での大陸クオリティを垣間見た気がします。

レンズの画質はどうか?

広角レンズの場合、どうしても太陽など光源は入りやすい写真となるため、現代のレンズとしてはフレア・ゴースト耐性も重要です。また、シフトレンズを謳うわけですから、十分な周辺画質も必要となります。

左がシフトなしの素の状態、右がフルでシフトした状態。画質は、光軸中心部分については解像力は問題なしです。ただ全体としてやや線が太い描写となります。
逆光耐性は、太陽光付近ではフレアっぽくなりますが、レンズ構成がシンプルだからか、内面反射はさほど多くはないようです。
そして周辺画質は、シフトしていなくても像が流れています。
APS-Cであれば、シフトしない状態では画面全域でほぼ解像力はそこそこ得られるはずですが、シフトすると周辺画質は物足りないでしょう。

上の3枚も、左上が素の状態、右上がフルサイズで蹴られないギリギリのシフト量(メモリ2つ分)、右下がフルでシフトさせた場合。
写真の鉄塔のパースペクティブを目立たなくさせる場合は、フルでシフトする必要がありましたが、フルサイズでは蹴られてしまいます。そしてシフトさせない場合も周辺の画質は、昔の広角レンズの域を出ていませんし、f8という暗いレンズであることも考慮すると、コンパクトとは言え物足りないです。

ちなみにこの値段でから、絞り機構は存在せず、開放のf8固定となります。絞って解像力を上げるという手段は使えません。

TS-E 17mm F4L

18mmという、CanonのTS-E17mm F4Lに続く超広角シフトレンズとして期待しましたが、やはり物理の法則に従い、開放f8と暗くしたところで、フルサイズのカメラでシフトした際のイメージサークルは得られないということです。

画質もフルサイズでは不満です。APS-C専用でしょう。そしてAPS-Cでも、シフトした際の周辺画質は期待しない方が良いでしょう。
以下はAPS-Cサイズ(DXフォーマット)にクロップしてシフトなし(左)とフルシフトで撮影した写真です。

さすがにAPS-Cサイズ(DXフォーマット)だと、シフトさせない左は画像の隅まで解像力はありますが、シフトさせると鉄塔の先端あたりは収差の影響で、解像力が出ていないのがわかります。

最短撮影距離付近0.34mでの撮影

最短撮影距離、広角故にそれほど背景はボケません。最短撮影距離付近は、線が太い描写ではない感じですが、解像力はもう一歩ですね。

スナップ向きのレンズではあります

シフトせずスナップするには、コンパクトなレンズ故に良い感じです。相変わらず周辺画質は良くないですが、フィルム時代の広角レンズはこんな感じだったのを考えると、まあこんなものかな、という気はします。NikonならZfcあたりと組み合わせるには良いかもしれません。

また、動画でも使ってみましたが、MFレンズで適度にフォーカスリングのトルクもあるのと、暗い広角レンズでフォーカスの距離指針を見ながらアバウトにフォーカシングしてもピントは合うので、4Kまでなら問題なく動画にも使えました。シフト機構をなくして、単なるAPS-C用単焦点広角レンズとして売っても良いかもしれませんね。


このレンズの後に、NikonのNIKKOR Z 40mm f/2を使うと、やっぱこれが安心、よく映るレンズです。値上がりしたとは言え3万円前後、これで開放f2で、コンパクトでAFも使える純正レンズ、これは買うべきレンズです。

Nikon Z 9 + NIKKOR Z 40mm f/2

最近大して安くもなくなってきたチャイナレンズより、よっぽど良いです。