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カメラ自体は嫌いじゃないけど、Fujifilmの販売姿勢にモヤモヤした話

X(旧Twitter)にもちょこっと書いたけど、Fujifilmの高級コンパクトカメラX100VI発売発表、モヤモヤしている人が多数いるなと感じました。

Fujifilm X100VI カッコいいんだけどね

なぜかというと、このカメラの前のモデルであるX100Vは2020年2月に発売(シルバーモデルが2月、ブラックが3月)されましたが、2022年11月に製品の供給が追いつかないとのことで、注文受付を一時停止するとメーカーより発表されました。

その発表から1年以上経過し、X100VIの発売発表(2024年2月20日付け)に合わせて、ついにX100Vは受注再開することなく、販売終了が発表されました
X100Vをずっと待っていた人たちにとっては、X100Vが供給できない理由が不明な上に、X100VIの発表されたことにモヤモヤを感じているのではないでしょうか? さらに、Fujifilm創立90周年記念モデルX100VI Limited Editionを1934台販売するということで、余計にモヤモヤする展開になりました。

製造国がX100Vまで日本だったのが、今回発表のX100VIでは中国製になっていることからも、国内生産が段々と難しくなってきている印象はありますが、その辺りはFujifilmからの発表がないため何とも言えません。ただ、少子高齢化により労働人口が減ってきている日本で、今後製造することが難しくなってきているのは確かでしょう。
とは言え、供給が追いつかないまま受注停止を続けたままの販売終了は、人手不足とかの問題ではなく、部品供給に問題があったのではと思いますが。
このあたりの説明が一切なくX100Vを販売終了するとともに、X100VIの発表は、メーカーとしての姿勢を疑います。特にコンシューマ向けの、しかもこだわりを持った製品ですから。

これ以外にも、Fujifilmのカメラの販売姿勢、モヤモヤすることが多いです。個人的にFujiflmのカメラは嫌いではないし、X100シリーズは好きで欲しいと思ってはいたのですが、どうもFujifilmというメーカー、カメラ部門の研究開発と販売マーケティングの方向性に一体感がないような気がしてならないのです。

元々写真フィルムの会社だったFujifilmは、デジタルカメラの普及による写真フィルムの売上減少に対応するため、医療分野に力を入れるようになり、現在では医療機器や製薬などのヘルスケアにおける経営利益が1/3程度を占めています。それでも2023年3月度の決算報告では、イメージング分野も経営利益の23%程度はあるんですけどね。

X-T1発売による一眼レフへのディスり

思えばYamaroのFujifilmに対するモヤモヤが始まったのは、初代XシリーズのX-Pro1X-E1のようなカメラから、EVFをレンズ光軸上に配した一眼レフスタイルのX-T1が発売された辺りから。当時散々一眼レフをディスった宣伝をしていました。「一眼レフからFujifilmのミラーレス機に乗り換えた写真家に言わせていた」感じですけどね。でもその広告を使ったのはFujifilmですからね。自ら言っていないだけで。その前まではFinepix S5 Proのような一眼レフを販売していたのに?と思いました。

X-Pro1やX-E1は一眼レフカメラのようなファインダの出っ張りはなく、そのコンパクトさを売りにしていました。
ところがX-T1はEVFをレンズ光軸上に配して一眼レフと同じ出で立ちになり、ミラーレス一眼は一眼レフに取って代わるものだという意識も芽生えたのでしょう。実際それは10年後の現代では正しかったことになり、一眼レフメーカーのCanonやNikonもミラーレス一眼に注力していますが、とにかく当時のFujifilmはこれからはミラーレスの時代だ、一眼レフは古いと言わんばかりの宣伝をしていました。
もちろんこれは現代のミラーレスカメラの視点で言えば、順当に進化したため、すでに一眼レフを超える部分が多くなっています。が、2014年当時は、まだミラーレス一眼はこれからといったところで、動体を追うのはまだ一眼レフに劣り、特にAFはまだ不安定でした。
それでも動体写真ではない分野では十分な性能となり、またフィルム製造の経験を生かした発色のこだわりや古典的な一眼レフスタイル、ベイヤーセンサながら独自のカラーフィルタ配列のX-Trans CMOS II センサーなど、X-T1は人気がありましたね。動体を撮らない人の中には乗り換えた人も多かったでしょう。

あれからミラーレスのAFも随分進化し、FujifilmのXシリーズも一定のユーザーを獲得し、いつしか乗り換え写真家による一眼レフディスり広告を出すこともなくなりましたが(その代わりそれを真似たような個人のブログ「私が一眼レフからX-〇〇に乗り換えた理由」みたいなのは今でも多数散見されますが)、今度はまた別の広告が論議を巻き起こしました。

X100Vのストリートスナップ広告で炎上

そう言えば、あの路上迷惑ストリートスナップ炎上事件も、注文受付を中止していたX100Vの宣伝広告だったんですよね。つくづくX100Vってカメラ自体は悪くないのに、宣伝で炎上し、受注停止の挙げ句に次世代モデル発表で販売終了と、カメラそのものとは別の所で曰く付きなモデルだったわけですね。

ストリートスナップ炎上事件は、スナップ写真のあり方そのものを問われるまでに発展しましたが、それはさておき、あの炎上が発生した際にFujifilmの対応も随分叩かれました。個人的に件の写真家のやり方には賛同できまんし、Instagramでは熱りが冷めたのか、あの時のストリートスナップ写真を掲載していますが(ちゃんと許可は取ったのかな?)、謝罪したものの、件の写真家自体をさっさと引っ込めてなかったことにしてしまったFujifilmの姿勢にも疑問を持った次第です。ああFujifilmにとっては単なる宣伝のためで、写真文化云々は関係ないんだなと思ったわけです。


ここに書いたことは個人的に感じたモヤモヤを綴っただけで、Fujifilmを貶める意図はありませんし、カメラ自体は嫌いではなく、むしろX100VIは結構気になる存在ではあります。ただもう自分お手の届く価格でもないので、買うことはないでしょうけど。このような用途のカメラは、自分にとっては、LUMIX GX7MK3 + SUMMILUX 15mm F1.7で十分なんですよね。

20年前にCOOLPIX2500で撮ったDATとサンヨーテクニカと中島みゆき

今から20年前の2004年といえば、デジカメはコンパクトデジカメが手に届く価格になり、とはいえまだデジタル一眼レフはNikonならD1XCanonならEOS-1Dの時代、まだまだレンス交換式のデジタルカメラはフィルムカメラより効果だった時代です。

この当時Yamaroが使っていたデジカメはNikon COOLPIX2500でした。そのCOOLPIX2500で撮った写真。

ジャンクで買ったPIONEERのDATデッキD-50とサンヨーテクニカのエンジンスターターのリモコンと中島みゆきの純金CD

たぶん、当時ハードオフ巡りの戦利品でゲットしたPIONEERのDATデッキ(デジタルオーディオテープ)のD-50です。ローディング不具合で安くなっていたような?
すでに同じPIONEERのDATデッキD-HS5を持っていたので(今でも持っていますが…)、これは確かオーディオのオフ会で寄贈しました。今見るとカッコいいね、SONYのDATデッキも良かったけど、PIONEERも大好きでした。
今や個人が音楽を録音する、という行為そのものが消滅してしまいましたね、サブスクの時代ですし。どちらかというと、動画撮影の音声別収録のためにメモリーレコーダーを使う、という場面でレコーダーを使っている人が今は多いかも?

当時の愛車はCF-4アコードSIRで、そのセキュリティ&エンジンスターターとして、サンヨーテクニカのSTARBOを使っていましたね。サンヨーテクニカは、もう知らない人も多いと思いますが、昔はリモコンエンジンスターターやターボタイマーとかレーダー探知機を売っていたカー用品メーカーでしたが、末期はライバルメーカーと比較して古臭くて開発力がなくなってしまって、最終的に会社として解散(倒産ではない)してしまいました。
でも一時期は一斉を風靡していて、カー用品店でよく見かけたブランドでした。リモコンエンジンスターター自体、今はハイブリッド車が増えたのと、スマホから車内のエアコンを入れられる車種も出てきて、最近は下火なんでしょうかね。

そして中島みゆきの純金CD、中島みゆきの「中島みゆき」(ややこしいw)。CDは通常信号面にアルミニウムを使用していますが、一時期”金”を使ったCDも限定で出ていました。
金蒸着のメリットは、1番は見た目でしょうか? アルミニウムより音がいいなんて言われたこともありましたが、近年初期のCDのアルミ蒸着層が製造工程の不具合や傷に寄って腐食してなくなってしまうということが、金なら腐食しないため発生しないメリットはありますね。保存生が良いとは思います。
ただ、今は見かけなくなってしまいましたね。コストが掛かりますしね。

Nikon COOLPIX2500は2001年の年末にカメラのキタムラで安売りしていたので買いました、これを撮ったカメラはKodak DC3200でした

Nikon Z 8 FW C:Ver2.00のピクセルシフトを試す

NikonもZ fでついにピクセルシフトを搭載したわけですが、搭載が遅かったのは、メーカーポリシーとしてそれって必要?というのがあったのかなと勝手に想像しています。
が、ベイヤーセンサのカメラである以上、ピクセルシフトによる恩恵は結構有るんじゃないかなと思っていました。
モアレフリーで高解像度なFoveonセンサのSIGMAがフルサイズセンサの製造で苦しんでいるようですが、擬似的にこれを再現できるピクセルシフト、もちろん動態撮影が出来ないという制約はありますが。

Z fは2,450万画素ですが、Z 8は4,571万画素と画素数も多く、ローパスフィルタレスのため、Z fとはまた違った感じになるのでしょうか?
現時点ではRAW撮影し、NX Studioで合成でのみ対応しています。
他メーカーのようにボディ内生成出来ないのは残念ですが、まだNikon的には実験的搭載なんでしょうかね?

ピクセルシフト撮影で撮影する

まずは静止画撮影メニューからピクセルシフトを設定します。
撮影コマ数は、4コマ、8コア、16コマ、32コマです。説明としては

  • 4コマ:色再現性の高い画像が生成されます。 
  • 8コマ:ノイズが軽減された色再現性の高い画像が生成されます。
  • 16コマ:色再現性が高く高解像度の画像が生成されます。
  • 32コマ:ノイズが軽減された色再現性が高く高解像度の画像が生成されます。

ディレーはシャッターボタンを押して何秒後にピクセルシフト撮影が開始されるか(三脚撮影時のブレ防止)、待機時間は1コマ撮影毎の待機時間で、通常は0で連写で問題ないでしょう。

NX Studioで合成する

撮影した写真データをパソコンに取り込んで、NX Studioを起動します。

ピクセルシフトした画像の有るフォルダを参照し、左上にピクセルシフト合成があるので、クリックします。
すると、合成できる写真を自動で参照するので、合成したい写真にチェックを入れて実行をクリックします。

すると、ピクセルシフト合成されたRAWファイル(拡張子は.NEFXになる)が生成されます。

一筋縄ではいかないピクセルシフト撮影

さて複数枚撮影して合成するピクセルシフト撮影ですが、生成されるファイルサイズも大きくなります。

普段は最もファイルサイズが小さくなるRAWの高効率を使用しています。高効率★と比較して、やや暗部の階調で劣る部分があるようですが、厳密に比較しないとわからない程度なので、普段はほぼ高効率です。

今回RAWの設定は高効率のままでしたが、生成されるファイルは単純に高効率の4倍とはならず、ロスレス圧縮(1枚概ね45~49MB程度)の5倍程度(4,8枚合成の場合)の232MBか、あるいは19倍(16,32枚合成の場合)の915MBとかなり大きくなります。いずれも4倍、16倍とならないのが不思議です。

1枚が1GBに近いファイルは何とも扱いが大変ですね。

さて撮影結果。まずオリジナルファイルはこんな感じです。ブロクの制約で、オリジナル解像度のまま掲載できないため、解像度を絞っています。

オリジナル画像をWeb用に縮小(フルHD解像度)

このため、ドットバイドットの確認をできるよう、画像を切り抜きました。

オリジナル画像の切り抜き

4枚合成

4枚合成では「色再現性の高い画像が生成されます」とのこと。このモードでは解像度はオリジナルのままで、ベイヤーセンサの4ドット分を合成しているので、結果的にRGBを1つのピクセルで生成できることになります。通常ベイヤーセンサでは、周辺の色から画像を生成するため、単純にセンサのドット数通りの解像感や色再現が出ないとされていますが、それをピクセルシフトで合成させることで、色再現性を高めることになります。

4枚合成切り抜き

うーん、良くなったかどうかわからない…
ということでオリジナルと比較してみましょう。

←オリジナル 4枚合成→

あれ、解像感はオリジナルのほうがあるような…。ただ、4枚合成のほうが無理にシャープネスをかけていなく自然に感じます。4枚合成する以上、ごく僅かなブレも影響してきます。当然三脚は使っていますが、かなりシビアかもしれません。
色再現性については…この画像ではあまりわからないですね。

8枚合成

「ノイズが軽減された色再現性の高い画像が生成されます」とあるように、4枚合成を2回行うことでノイズ軽減を図っているのでしょう。生成されるファイルは8枚合成でも1枚撮影と同じ解像度と4枚合成と同じファイルサイズです。

8枚合成、ボヤけてしまった…

残念ながらブレた可能性が高いです。画像が明らかにボヤけてしまっています。これは何回か撮影して良いものを採用するのが無難です。
撮影枚数が増えるほど、こうしたブレのリスクが高くなります。これは明らかに失敗写真で比較対象として不向きですがですが、こうした失敗のリスクがピクセルシフト合成では高いということですね。今回望遠レンズというのも、失敗のリスクが高くなる要因でした。
次は広角レンズで試したいです。とりあえずオリジナルとの比較画像を。

←オリジナル 8枚合成→

ピクセルシフトの恩恵より歩留まりの悪さのほうが目立つ結果になりましたね。悪い例です。

16枚合成

「色再現性が高く高解像度の画像が生成されます」とあるように、この16枚からは縦横共に解像度がオリジナルの2倍になります。シフト量を4,8枚の倍とすることで、解像度も上げるモードです。

16枚合成(4,8枚合成と同じ切り出しに)
16枚合成を横方向2000ピクセルで切り出し

やはりブレの影響か、冬とはいえ望遠なので空気のゆらぎ(陽炎)の影響もあると思われます。とにかくシャキッとしない画像になってしまいました。
解像度は上がったはずなのに、見かけ上の解像感は下がってしまいました…。ちょっと難しすぎる条件のようです。


←オリジナル 16枚合成→

完全にブレと陽炎の影響ですね。ピクセルシフトは望遠撮影には不向きかもしれませんね。16枚撮影ともなると、秒20コマのZ 8でも1秒近く撮影を行うので、三脚とはいえ微ブレと陽炎の影響は無視できないでしょう。

32枚合成

「ノイズが軽減された色再現性が高く高解像度の画像が生成されます。」ということで、16枚合成を更にもう1回行うということでしょう。画像データも相当なものになります。

32枚合成(4,8枚合成と同じ切り出しに)
32枚合成を横方向2000ピクセルで切り出し

ほんとすみません😅 こりゃ駄目ですね。ボヤボヤもいいところで、完全に微ブレと陽炎の影響、どちらかというと後者の影響が大きそうです。合成量が多いほど、僅かな空気のゆらぎも無視できないという事がわかりました。というのも、合成した画像の1枚1枚は決してブレていないのです。とにかくわかったことは、

ピクセルシフト撮影は、望遠レンズでは微ブレと陽炎の影響が出やすく実用が難しい

ということですね。
今回は作例として大失敗でしたが、撮影時間が1秒以上ともなると、望遠撮影では空気のゆらぎ、陽炎が無視できないということです。

←オリジナル 32枚合成→

色の違いは撮影時間の違いによるものです。
もうピクセルシフト撮影の比較というよりは、望遠レンズでの撮影の難しさのほうが際立った感じです。

今回はピクセルシフト撮影の良さを全く出せませんでしたが(汗)、また違う撮影で(標準か広角レンズで)試してみたいと思います。

Nikon Z 8の大型FWアップデートC:Ver.2.00

2023年5月発売以来、1度小規模なファームウェア(以下FW)アップデート(C:Ver.1.00→1.01)をしたのみだったNikon Z 8でしたが、2024年2月7日、C:Ver2.00というメジャーバージョンアップが公開されました。

これほどまでの機能追加や改善、バグフィックスはそうそうないですね。
以下、NikonのHPからの改定内容の引用です。

■ 静止画撮影関連
• [静止画撮影メニュー]に[ピクセルシフト撮影]を追加しました。
• ピクチャーコントロールに新しい項目を追加しました。
• [静止画撮影メニュー]>[AF 時の被写体検出設定]に[鳥]を追加しました。
• 拡大表示の倍率を、最大 400% まで拡大できるようになりました。
• [静止画撮影メニュー]に[オートキャプチャー]を追加しました。
キャプチャー条件として[モーション](被写体の動く方向)、[距離](被写体を認識する遠近の範囲)、[被写体検出](被写体を検出するかどうか)を設定し、設定した条件でカメラが被写体を認識すると自動で連続撮影を行います。
※ キャプチャー条件[距離]は NIKKOR Z レンズ装着時に使用できる機能です。NIKKOR Z レンズ以外のレンズを装着している場合、動作しないことがあります。
※ 撮像範囲は[FX(36×24)]または[DX(24×16)]が使用できます。
• [ハイスピードフレームキャプチャー +]撮影時にプリキャプチャー機能を使用する場合に、プリキャプチャー機能がキャンセルされるまでの時間が 30 秒から 300 秒に延長しました。
• [静止画撮影メニュー]>[副スロットの機能]で[JPEG+JPEG 分割記録]選択時の画像サイズ設定に[サイズ L]を追加しました。
• オートブラケティング撮影時に選択できる補正ステップ幅を追加しました。
※ [オートブラケティングのセット]を、[AE・フラッシュブラケティング]、[AE ブラケティング]、または[フラッシュブラケティング]に設定している場合です。この変更は、[インターバルタイマー撮影]>[オプション]>[AE ブラケティング]>[補正ステップ]にも適用されます。

■ 動画撮影関連
• ピクチャーコントロールに新しい項目を追加しました。
• [動画撮影メニュー]>[AF 時の被写体検出設定]に[鳥]を追加しました。
• 拡大表示の倍率を、最大 400% まで拡大できるようになりました。
• [動画撮影メニュー]に[オートキャプチャー]を追加しました。
キャプチャー条件として[モーション](被写体の動く方向)、[距離](被写体を認識する遠近の範囲)、[被写体検出](被写体を検出するかどうか)を設定し、設定した条件でカメラが被写体を認識すると自動で連続撮影を行います。
※ キャプチャー条件[距離]は NIKKOR Z レンズ装着時に使用できる機能です。NIKKOR Z レンズ以外のレンズを装着している場合、動作しないことがあります。
※ 撮像範囲は[FX]または[DX]が使用できます。
• N-Log 動画撮影時、[ISO 感度設定]>[M モード時の ISO 感度]に低感度を追加しました。
• ハイレゾズーム速度の設定内容を変更しました。
• スローモーション動画機能を追加しました。

■ 再生関連
• 動画再生時の i メニュー項目に[再生の速度]を追加しました。
• [再生メニュー]に[縦横位置情報の記録]を追加しました。
• [再生メニュー]>[グループ再生の設定]に[自動連続再生の設定]を追加しました。
• 再生時の i メニュー項目[送信指定(PC)]、[送信指定(FTP)]の機能を変更しました。また、同メニュー項目に[優先送信指定(PC)]と[優先送信指定(FTP)]を追加しました。

■ 操作関連
• [カスタムメニュー]の d18 と g17 に[半押し拡大解除(MF)]を追加しました。
• [カスタムメニュー]> a11[フォーカスポイント表示]に[フォーカスポイントの太さ]を追加しました。
• [セットアップメニュー]の[カード初期化(フォーマット)]で物理フォーマットの手順を変更しました。
• 撮影機能設定の呼び出し中に露出補正とホワイトバランスの設定の変更が可能になりました。
• レンズのパワーズームに対応しました。
• [カスタムメニュー]に d5[露出ディレーモード]を追加しました。
• 以下の[カスタムメニュー]に割り当て可能なボタン、割り当てられる機能を追加しました。また、設定のリセット機能を追加しました。
– f2[カスタムボタンの機能(撮影)]
– f3[カスタムボタンの機能(再生)]
– g2[カスタムボタンの機能]
※ [ピント位置優先]と[ピント位置(顔優先)]は、f3[カスタムボタンの機能(再生)]>[メインコマンドダイヤル]または[サブコマンドダイヤル]>[画像送り時の拡大位置]で設定可能です。
※ f3[カスタムボタンの機能(再生)]>[メインコマンドダイヤル]または[サブコマンドダイヤル]>[画像送り]の設定が、拡大再生中の画像送りにも適用されるようになりました。
• [セットアップメニュー]の[レンズ情報手動設定]の機能を変更しました。
• IPTC プリセットの[Category]で登録できる最大文字数を 3 文字から 256 文字に変更しました。
• [セットアップメニュー]の[電子音]のメニュー構成を変更して、電子シャッター音の音量や音の種類を選べるようになりました。

■ 表示関連
• マニュアルフォーカス撮影時に表示されるフォーカス距離指標に距離表示機能を追加しました。
• [セットアップメニュー]の[ファインダー表示サイズ(静止画Lv)]を[ファインダー表示サイズ]に名称を変更し、動画モードや再生モードにも適用されるようにしました。

■ ネットワーク関連(NX Field にも関連)
• ATOMOS AirGlu BTと接続時、接続が切断したとき、または接続が不安定なときに警告表示を行うようにしました。
• リモートグリップ MC-N10 と ATOMOS AirGlu BT の併用が可能になりました。
• [ネットワークメニュー]の[FTP サーバーと接続]に機能の変更と追加をしました。
• 連動レリーズモードの設定方法を変更して、登録できるグループ数を 20 に増やし、グループ内でマスターカメラから制御できるリモートカメラの台数を 16 台に増やしました。
• [ネットワークメニュー]の[カメラと接続]に[著作権情報の上書き]を追加しました。

■ アプリケーション関連
• NX MobileAir との組み合わせで機能を追加しました。
– カメラの静止画ライブビューに NX MobileAir の状況を表示する様にしました。
– カメラの[メニュー設定の保存と読み込み]でメモリーカードに保存したカメラの設定データをスマートフォン(NX MobileAir)に保存したり、スマートフォンからカメラのメモリーカードに送信したりできる様にしました。

■ その他
• [静止画撮影メニュー]の[静止画フリッカー低減]を[ON]に設定した場合、シャッターをきるときに撮影画面が一瞬暗くなりますが、暗くなる時間を短縮しました。
• [3D- トラッキング]において、[AF 時の被写体検出設定]で[オート]、[人物]、[動物]、[乗り物]を選択し、かつ被写体が検出できていない場合における小さく動きの速い被写体の捕捉精度を向上しました。
• 低速連写でフリッカー検出時の AF ロックオンを改善しました。
• これら以外のオートフォーカスの動作や安定性も改善しました。
• [ファインダーの明るさ]が[オート]の時に再生モードのファインダー表示が暗くなる場合がある現象を改善しました。
• インターバル撮影において、輝度差のあるシーンや、スターライトビューを使うような暗いシーンでも 1 枚目から適正露出で撮影されやすくなりました。
• スターライトビューが ON の時は、ヒストグラムを表示しないようにしました。
• 動画記録可能な残り時間が少なくなった場合の警告表示を、残り時間が 1 分未満のときに残り時間表示部が赤背景に白文字となるよう変更しました。また、動画記録中でない場合でも警告表示が出るようにしました。
• 動画の再生画面で、タッチ操作によるプログレスバーの再生位置変更時により細かく送れるように改善しました。
• [AF エリアモード]が[3D-トラッキング]に設定され、かつ人物が大きく写っている場合、AF エリアの近くに瞳の検出枠があるときは、AF エリアに近い瞳を優先してピントを合わせるようにしました。
• [カスタムメニュー]のd11[赤色画面表示]で、[表示モード1]或いは[表示モード2]に設定しているときの RGB ヒストグラム表示を見やすくしました。
• 以下の不具合を修正しました。
– インターバルタイマー撮影で撮影した画像の露出がアンダーになる場合がある。
– フラッシュ発光を行いながらフォーカスシフト撮影を行うとフラッシュが発光しない場合がある。
– WR-R10 を装着しながら USB 給電を行っている状態で半押しタイマーオフの状態から復帰したとき、ピントの位置が[フォーカス位置の記憶]で設定した位置に戻ってしまう。
– 連写やフォーカスシフト撮影を行った際に露出が正しくない場合がある。
– [モニターモード]が[ファインダー優先 2]に設定されていて、かつ[AF-ONボタン]に[再生]が割り当てられているとき、AF-ON ボタンを押すと画像の再生がすぐ終了する。
– シャッタースピードを[Bulb]に設定したとき、シャッターボタンを押しても撮影されない場合がある。
– [AF エリアモード]が[3D-トラッキング]に設定されているとき、タッチシャッターを[フォーカスポイント移動]にしてタッチ操作を行うと、マルチセレクターやサブセレクターによるフォーカスポイントの移動ができない。
– [AF エリアモード]を[ワイドエリア AF(S)]、[ワイドエリア AF(L)]、[ワイドエリア AF(C1)]、[ワイドエリア AF(C2)]のいずれかに設定していると、被写体を検出している時にセットアップメニューの[AF 微調節の設定]で設定した微調節量が反映されない。

https://downloadcenter.nikonimglib.com/ja/download/fw/514.html

項目が多岐にわたっているため、全てを確認することは出来ませんが、個人的な注目ポイントをピックアップしてみました。

▼ピクセルシフト撮影

イメージセンサの手振れ補正技術を応用し、撮影時に1ピクセル毎にシフトさせて複数枚撮影することで、解像度をアップしたり、偽色を低減出来る技術で、他メーカーでは以前よりあったものですが、Nikonはこれまでこの手の機能は搭載せず、Nikon Z fで初めて採用しました。
Z 8が2番手の搭載機種になるとは。Z 9にもそのうち搭載されるのでしょうか?
Z fと同様、三脚使用が前提で、他メーカーのように手持ち撮影や動態もある程度対応、いうものではなく、カメラ内生成は出来ず、別途NX Studioでの合成となるなど、実験的要素が大きいように思いますが、解像度よりむしろローパスレス機故にモアレの発生が懸念される被写体で効果が発揮できればと思います。

NX Studio Ver1.60にピクセルシフト合成追加

これは早速試してみたので、別記事で書きたいと思います。

▼AF 時の被写体検出設に[鳥]が追加

Nikon Z 9のC:FW:Ver.4.10で追加された被写体検出「鳥」がZ 8にも搭載されました。
これは野鳥撮影に重宝するでしょうね。Yamaroは鳥は普段撮りませんが、どの程度の精度があるか今度試してみたいと思います。
ちなみに「飛行機」はZ 8では最初から搭載されていて、Z 9でもこのモードにより飛行機撮影中余計なものが横切っても、AFが持っていかれる頻度が下がりました。

▼[オートキャプチャー]が追加

こちらもZ 9のC:FW:Ver.4.00で追加された機能です。これだけ搭載に時間がかかったのは、同じ処理エンジンを積んでいるとはいえ、全く同じシステム構成ではないため、検証に時間がかかったのでしょうか? あるいはもう完成していたけど、他の機能と同時に発表したかったからでしょうか。

▼[カスタムメニュー]の d18 と g17 に[半押し拡大解除(MF)]を追加

これは以前よりMFレンズユーザーからあった要望反映ですね。
私はMF用に拡大設定をカスタムでAF ONボタンに割り当てていて、これを押すたびに拡大と全体表示を交互切り替えていましたが、確かにフォーカスを合わせた後は構図確認のため全体表示したく、そこの半押しで拡大解除出来るのは操作系といては自然なことですね。これも他社では出来てNikonでできていなかった項目の改善でしょう。

▼レンズのパワーズームに対応

執筆時点でNikonのZマウントでパワーズームはDXフォーマット用のNIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR    https://www.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_dx_12-28mm_f35-56_pz_vr/ のみとなっていて、フルサイズ用はラインアップされていません。
もちろん、Z 8でもクロップによりDXフォーマットのレンズにも使用可能ですが、近い将来フルサイズ用の電動ズームレンズの登場が期待できそうです。
個人的にはZ 24-200mmの電動ズーム版、あるいはZ 28-300mmに期待したいところです。

▼マニュアルフォーカス撮影時に表示されるフォーカス距離指標に距離表示機能を追加

Z 9のFW C:Ver4.00で追加された機能がZ 8にも搭載されました。現状Zマウントレンズのみで、私が試した限り、FTZ II経由でのFマウントE・G・Dタイプレンズでは表示されません。
これは特に固定距離にフォーカスを合わせたい場合に便利ですね。ついでに深度表示も出来たらありがたいのですが。

▼[静止画撮影メニュー]の[静止画フリッカー低減]を[ON]に設定した場合、シャッターをきるときに撮影画面が一瞬暗くなりますが、暗くなる時間を短縮

地味にありがたい。ブラックアウトフリーが売りのカメラですが、フリッカー軽減すると一瞬暗くなるんですよね。0にはならないようですが、短縮はありがたいですね。


ということで、ピクセルシフトは別途試したいと思います。


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雪の日をエモく撮るならフラッシュだ!

Yamaroは地元が北海道だったので雪は珍しくありませんが、なにせ関東暮らしをするようになって20年近く、冬に雪が降ることはほぼない地域なので、雪が降るとついつい写真を撮りたくなります。

今回はフラッシュを使って降雪の様子を撮ってみました。
なお、カメラはNikon D850、レンズは50mmがAI Nikkor 50mm f/1.2Sという80年代設計のマニュアルレンズ、60mmはAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDです。

ホワイトバランスを変えてみよう

フォーカスはマニュアルで無限遠に、絞りが1段違うだけでもこれだけ表情が変わりますが、更にこの2枚は色温度を変えていて、左は3800K(ケルビン)、右が6400Kです。やや青っぽく寒々しさを強調するか、雪だけど暖かみのある感じにするか、ほぼ同じ構図でもこれだけ変わります。
雪が映り込むのはフラッシュを発光しているから。近年、カメラの感度性能が良くなって、フラッシュを軽視する傾向がありますが、フラッシュのような光は使い方次第です。

上の2枚はフォーカスが遠方なので、手前の雪にはピントが合っていません。しかしフラッシュ光で照らされているので、ぼやけてこのような写真になります。

フォーカス位置を変えてみよう

どこにフォーカスを合わせるかで、表情も変わってきますね。

ほぼ同じ位置から、レンズの絞りは開放のf1.2で、フォーカス位置を左は思い切り手前、右は少し遠方にずらして(でも無限遠に合わせてはいない)撮ってみました。
左はなかなかに幻想的で、街灯や照明の明かりとフラッシュで照らされた雪が大きくボケています。レンズの口径食がよくわかりますね。
右はもう少しピント位置を奥にずらしてみました。この方が雪のボケにも遠近感がありますね。

次は同じレンスで絞りを少し絞ってf2に、そしてフォーカス位置をずらした2枚。

まず絞りを少し絞ったことで、フラッシュ光が当たった雪のボケが少し後退。このレンズは絞りが最近のレンズのような円形絞りではないため、絞り羽の形の影響でボケがカクカクとなっています。フォーカス位置も無限遠か否かで後も表情が変わります。何を主体に見せたいか、雪自体が主体なのか、雪が降る街が主体なのか、といったところですね。

とにかく色々試してみよう

色温度を変えて非現実的な世界を作るもよし、絞りを絞ってみるもよし、開放にするもよし、明るめにしたり暗めにしたり、あとRAW現像であれば「明瞭度」を上げ下げすると、これまた表情がコロコロ変わります。

一眼カメラを持っていても、最近は案外フラッシュ持っていないって人も多いです。でも、とりあえず安いのでもいいから買ってみましょう。どんなに高感度が良くなっても、フラッシュはあると楽しいですよ。


安価なフラッシュでも十分遊べます。デジタルだからあれこれ試してその場で結果がわかる、良い時代です。

NikonのDタイプレンズって何だ?

最近SNS上でにわかに話題になっている、NikonのDタイプレンズ。
どうやらその名称だけが独り歩きして、勘違いが横行しているようです。
曰く、

  • レンズ側にAF(オートフォーカス)用モータを搭載していないレンズがDタイプレンズ
  • 絞りリングがあるAFレンズがDタイプレンズ

は一括りにDタイプと呼んでいる方がいるようです。

特に近年はオークションだけでなく、メルカリに代表されるフリマアプリの普及で、以前よりも多くの人たちが売買を気軽に行えるようになった結果、質の悪い出品者も増えました。特に転売ヤーによる出品は、質の悪さが目立ちます。説明不足、勘違いが横行している中、Nikonの一眼レフ用Fマウントレンズでも、誤った説明をしている出品者やSNS、ブログを見かけるようになりました。

「聞くところによるとモーターを内蔵していないレンズが全てDタイプというわけでもない……らしいですが、」と飯田ともき先生にとっても難しいのがFマウント

もっともこれは仕方ないと思う側面もあり、NikonもFマウントという1つのレンズマウント規格に対し、1959年から年代ごとに改良を加えてきた結果、あまりにも種類が増えすぎてしまったことが原因です。これらはユーザーの混乱を招き、さらには互換性の面でも混乱を招きました。
80年代のAF化の流れで、スパっとMFレンズの規格(FDマウント)を断ち切って立ち上げたCanonのEFマウントは、それまでのマウントとレンズをすべて捨てることになりましたが、結果的にNikonのような互換性問題もきっぱり断ち切った完全電子マウントとしたことにより、その後の進化による互換性問題は全くなく、初代のEOSボディと最新のEFマウントレンズも問題なく使用出来、なんなら初期のEFマウントレンズは純正アダプタ経由で、最新のRFマウントのEOSミラーレス機でも全機能を使用可能です。

NikonはFマウントという機械結合部分を一眼レフでは変えなかった結果、ある程度互換性は確保できたものの、最終的には互換性の面では大きく世代が異なるカメラとレンズの組み合わせで、一部装着できない、あるいは機能を発揮できない問題が生じました。
もっともプロやハイアマチュアが多く愛用していたNikonのカメラは、AF化や電子化といった点に対して保守的なユーザーも多かったですし、CanonはEFマウント以前のFDマウントで保守的なユーザーが少なかったからこそ、全てを断ち切ってEFマウントを立ち上げる英断が出来たとも言えます。
それを出来たのはCanonだけで、NikonもPENTAXもMinoltaも、マウント変更しないままAF化を行いました。

【訂正】MinoltaはAF化の際にαマウントに変更しましたね。Canonのような完全電子マウントではありませんが。訂正させていただきます。

起死回生で完全電子マウントにしたCanonに、シェアや販売台数で軍配が上がりました

で、Dタイプレンズって何なの?

脱線したので話を戻すとDタイプの定義は、Nikonのサイトにこう書かれています。

D信号(距離信号出力機能)
被写体までの距離情報をカメラボディーに伝達
DはDistance(距離)を表します。レンズのフォーカスリングに連動する内蔵エンコーダーで得た被写体までの距離情報をカメラボディーに伝達し、より高精度な露出制御を実現する3D-RGBマルチパターン測光Ⅱ/Ⅲ、i-TTL-BL調光等を可能にします。このD信号を持つレンズの内、レンズ本体に絞りリングを持つものをDタイプレンズ、持たないものをEタイプレンズ、Gタイプレンズと呼びます。

https://www.nikon-image.com/products/nikkor/about/technology.html#d

DタイプのDはDistance(距離)のことを意味し、「内蔵エンコーダーで得た被写体までの距離情報をカメラボディーに伝達」する機能を有するレンズのうち、「レンズ本体に絞りリングを持つもの」をDタイプと呼んでいます。
ここにはAFモータ内蔵、非内蔵(ボディ内蔵のモータを使用)については書かれていません。つまり、DタイプレンズにはAFモータを内蔵したものもありますし、非内蔵のものも存在するということです。
さらに言うと、AFレンズだけでなくMF(マニュアルフォーカス)レンズにもDタイプが存在するのです
これらはレンズの名称、レンズに書かれている銘板で見分けることが可能で、レンズの開放f値の後ろに「D」と入っているものが全て、Dタイプレンズとなります。
例を示すと、

▼AFモータ非内蔵Dタイプレンズ
Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D

AI AF Nikkor 20mm f/2.8Dはモータ非内蔵Dタイプレンズのため、Nikon ZボディとマウントアダプタのFTZ IIの組合せではAFが使用できないが、マニュアルフォーカス時はフォーカスエイドでのピント合焦表示は可能

▼AFモータ内蔵Dタイプレンズ
・Ai AF-I ED Nikkor 600mm F4D(IF)
Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)

AI AF-S Zoom Nikkor ED 80~200mm F2.8D(IF)もモータ内蔵Dタイプレンズで、Nikon ZボディとFTZ IIでAFも使用可能

▼MFのDタイプレンズ
PC-E Micro NIKKOR 85mm f/2.8D

となります。
MFレンズにもDタイプがある、は案外盲点で、コアなファンでも忘れがちですね(笑) 上記のPC-EのDタイプレンズは電磁絞りを採用しながらも絞りリングは搭載されており(絞り値の機械的伝達のAI機構は有していない)、シフト・ティルト機構を持つためAF化できないためMFのみ、かつ距離エンコーダを搭載という数少ないレンズです。
1992年9月以降に発売されたNikonのCPU搭載レンズ(電子接点があるレンズのことです)は、2001年7月に発売されたCPU搭載MFレンズ AI Nikkor 45mm F2.8Pを除いて全て、距離エンコーダを搭載しています。
それ以前に発売されたFマウントのAFレンズ、F3AF用レンズを含むFマウントのAFレンズやMFでCPU内蔵のAI-Pレンズは、距離エンコーダを搭載しておらず、Dタイプレンズではありません。

Dタイプが登場する以前のAFレンズ(1986年4月以降に発売されたAF Nikkorレンズ及び1983年4月に発売されたF3AF用レンズ)は、例えば、
・Ai AF Nikkor 50mm F1.4S
といったように、名称としては末尾にSが付き、これはMFレンズのAi-SレンズにAFが付いたもの、と理解すれば良いかと思います。
特定の名称はなく、また初期のAFレンズ故に中古市場でも現在は数が少なくなってきているため、それらを混同してDタイプと呼んでしまっている人が一部にいるのだと思います。

なお、前述のNikonのサイトの説明にあるように、絞りリングがなくなったGタイプレンズ、さらに電磁絞りを採用したEタイプレンズは、距離エンコーダを内蔵していますが、名称としてはDタイプレンズとは呼びません。
Dタイプレンズは、必ずレンズの銘板にも開放f値の末尾に「D」が入っていますので、見分け方は簡単ですね。

現在は全てのDタイプレンズの生産が終了

NikonのAF一眼レフの発展と共に歩んできたDタイプレンズも、21世紀に入り絞りリングをなくしたGタイプレンズが主流となり、さらに電磁絞り採用のEタイプレンズの登場と共に、次第に数を減らし、2020年9月にはPC-Eレンズを除き、全て生産終了となっていることを確認しました。

そして、最後まで残っていたPC-EのDタイプレンズ、PC-E Micro NIKKOR 45mm f/2.8D EDも、先ほど確認した所「旧製品」の表示が出ており、これで全てのDタイプレンズが生産終了、産業用レンズを除いて、NikonのFマウントレンズで絞りリングを搭載したレンズが消えることになりました。

最後のDタイプレンズも「旧製品」に

Fマウントレンズやボディの開発はすでに終了していると思われ、ミラーレスのZマウントレンズも充実してきている現在、Fマウントの新製品が今後出ることは恐らくないでしょう。もしかしたら、企画もので20年後にあるかもしれませんが。
Dタイプレンズは終了しましたが、中古市場では豊富に出回っています。それでも年月とともに状態の良い個体は減るでしょうね。中には銘レンズもあるので、欲しい方は早めに確保したほうが良いでしょう。


“最後”のDタイプレンズ、いかがでしょうか? 今のところZマウントでPCレンズがデビューする気配はありません。こういう特殊レンズこそ、Nikonが率先して出すべきなんですが、今やニッチな商品はチャイナレンズのほうが強いかも?

この手のレンズにボケ味を求めるのは酷だけど…LUMIX G VARIO 14-140mm

マイクロフォーサーズの場合、同じ画角でフルサイズ機と比較した場合、どうしてもボケ量が小さくなるため、中途半端なボケになりやすく、割とレンズの性能がわかりやすく写真に出てしまいます。

LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 背景ボケが二線ボケ

こちらはマイクロフォーサーズ用の高倍率ズームのLUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.(リンク先はII型で写真は初代ですが、光学系は同じ)ですが、97mm付近(フルサイズ換算200mm程度)で背景のボケが二線ボケです。いわゆるううるさいボケですね。

10倍ズーム故に、光学系は結構無理をしています。大昔のフィルム一眼レフ用の高倍率ズームよりはずっと高性能になり、解像力低下もあまり感じませんが、唯一このレンズの欠点はボケが二線ボケになるということ。しかもフルサイズのようにセンサが大きければ、多少レンズ自体に二線ボケがあっても、ボケが大きくなりごまかせますが、マイクロフォーサーズの場合は大きくボケないため、割と目立つんですよね。

このあたりは便利ズーム故の欠点です。とはいえぜひ改良してほしいですね。

こういうボケ味は普及型ズームの限界を感じるかな Z 180-600mm

ここのところ、息子のサッカーの練習試合が毎週のようにあって、毎週のようにNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VRを持ち出して撮影しています。
プラスして、サブはLUMIXのGX7MK3に14-140mmを使っています。望遠メインで、ガチ撮りでもないので、この組み合わせは結構気に入っています。

概ね気に入っているZ 180-600mmですが、サッカーの試合ではなく、直前に練馬区の光が丘公園で自転車練習中の息子を撮ったこの写真、こういうのを見ると、やはり単焦点望遠と普及タイプのズーム望遠の差を感じますね。

ボケ味は、あくまで「味」ですから好みが出るにせよ、やはりここで差が出るかな、というやや騒がしいボケ味な気がしました。
2枚目の写真になると、被写体の息子が近くなるので、相対的に背景がもっとボケて、ボケのうるささは気にならなくなります。
こういう点が、例えば単焦点望遠レンズはもっと安定して一貫性のあるボケになりますね。
ズームレンズの場合、光学系が複雑になり、特に望遠になるほどその傾向は強いので、一貫性のあるボケ味や安定性を求めるなら、やはり単焦点レンズに軍配が上がるよね、と思いました。

ただ、やっぱりサッカーの試合自体はズームレンズが便利です。もちろん、戦闘機撮影と同じで、瞬間を切り取るという意味では単焦点レンズですが、息子の成長記録という点ではズームの便利さは捨てがたいですね。

【4ヶ月使ったレビュー】NIKKOR Z 180-600mmは航空機やスポーツ撮影に適した入門望遠レンズ

2023年8月31日に発売され、事前予約で真っ先に手に入れたNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR

NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR導入

タイトルに結論を最初に書いてしまいましたが、この数か月の望遠撮影では、Fマウント単焦点望遠レンズAF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR(以下ロクヨンG)と共に、このNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VRで撮影をしてきました。荷物を減らしたい撮影状況でも、Z 180-600mmは活躍しています。
そもそもAF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VRは、気軽に持ち出せる重量サイズのレンズではないので、Z 180-600mmの出番の方が多くなっています。

私の戦闘機・航空機撮影のメインレンズは、現在もあくまで単焦点レンズのロクヨンGですが、ネイティブなZマウントの最新レンズであるNIKKOR Z 180-600mmがどの程度航空機撮影が可能か、また画質やAFの速さはどうか、簡単に比較していこうと思います。
また、息子がサッカーを始めて、試合を撮る機会も出てきたので、サッカー撮影についても書こうと思います。
このレンズの撮影はほぼ動態メインとなっているため、静態撮影中心の方と少し評価が違うかもしれない事をご了承ください。
野鳥撮影も行わないため、被写体との距離は離れた場面が多いです。

●サイズ・重量・操作性

全長は315mmとやや長め。縮めた状態のAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRよりも48mm長いため、カメラバッグは選ばなければなりません。

180-600mm用にレンズケースNikon CL-L2を購入しました

ただインナーズームなのでズーミングに係わらずレンズが伸びないのが特徴です。
伸びるズームの場合、重心変化が大きい、レンズに埃が入りやすいといったデメリットがある反面、ズームの広角側ではレンズ全長が短くなるため、持ち運びの点では有利です。
ズームで伸びないのは、個人的にはメリットが大きいと思い、特に望遠域での重心変化は、ブレの発生具合にも影響してくるので、大きなメリットです。
ズームリングの回転角度は70度と小さいため、、AF-S 200-500mmより高倍率になったにも関わらず、ズームリングを持ち直すことなくズームの端から端まで移動でき、素早いズーミングが可能です。
かつて使っていたSIGMAの150-600mm Sportsは、伸びるズームを生かして直進ズームのように使うことが可能で、これはこれで便利でしたが、ズーミングしたときの重心移動が厄介でした。そもそもレンズ重量も2,860gと割と重かったですし。
またAF-S 200-500mmはズームの回転角が160度近くあり、素早いズーミングに難ありでした。
それと比べると、Z 180-600mmは小さな回転角と、リングのトルク変動もほぼなくスムーズなので、使い勝手は良好です。

Z 180-600mmは重量も2,140gと比較的軽量。ただこれを軽量ととるか、重いととるかは人それぞれ。私は何せ5,060gの重量級なロクヨンGを使っているため、それからしたらずっと持っていられるくらい軽量に感じます。少なくとも長時間手持ち撮影も苦にならないレベルです。
これが初めての超望遠ズームという人には重く感じるでしょう。ただ、これより軽いとなると、フルサイズならNIKKOR Z 600mm f/6.3 VR Sと言ったやや暗めの単焦点か、M4/3など小さなフォーマットのカメラ&レンズを使うしかないでしょう。
600mmという焦点距離は、それなりの覚悟は必要なレンズです。買っても扱いきれずに手放す割合が高いのも、この手の超望遠レンズだったりします。

操作性は、まず本体スイッチとボタンは必要最小限で、フォーカのA/M切替とフォーカスリミッター、そしてL-Fn1ボタンがあります。
手振れ補正の切替はボディ側のメニューからの設定で、私は手持ち撮影が殆どで、ほぼSportsモードしか使わないので、本体側の切り替えスイッチが無くても困らないです。
L-Fn1ボタンにはAFロックやAF ONなど、あらゆる機能が割り当てられますが、私はロクヨンGと同じ、フォーカス位置呼び出しを割り当てています。
万一フォーカスを大外ししても、無限遠手前位にフォーカスが来るように設定しているので、このボタン1つでもあるかないかは大違いです。AF-S 200-500mmやSIGMA 150-600mm SportsにはFnボタンはありません。

マルチコントロールリングは、デフォルトのフォーカスリングの設定で使っています。
息子のサッカーの試合では、選手が入り乱れた場合に、息子以外にフォーカスが持っていかれることがあったため、コントロールリングを併用しフォーカスを時々MFとして使いましたが、概ねリ回転角に対しリニアにフォーカスは追従します。使い勝手はAF-SやSIGMAのHSMのリアルタイムMFと大きく変わらない印象でした。

ほぼAFで問題ないけど、とっさのMF操作も概ね良好

ズームリングのすぐ手前にコントロールリングがあるので、ほぼ持ち替えせずにフォーカスリングからコントロールリングに手を伸ばせるので、さっとMF出来るのも良いですね。

使い勝手については、トータルで満足です。

●解像力

まず画質で一番わかりやすいのが解像力です。
Zマウントレンズは、安価なものも含めて、解像力不足を感じることはほぼなく、特に画面周辺ではFマウントの同クラスのレンズと比較しても、安定した解像力を提供してくれます。
Zマウントでは高倍率ズームのNIKKOR Z 24-200mmでも従来の高倍率ズームのネガを感じさせないくらい、画面の隅々までしっかりと解像します。
レンズは望遠になるほど、光学設計上後玉(一番カメラ側についているレンズ)も撮像面から離れるため、一眼レフとミラーレスでの差は少ないと言われています。
しかし、実際にはZマウントの180-600mmは、Fマウントの同クラスのレンズであるAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRを確実に越える画質を提供してくれました。
元々FマウントのAF-S NIKKOR 200-500mmも比較的良好な解像力でしたが、Z 180-600mmは全焦点距離でさらに一皮むけた印象です。
少なくとも、AF-S 200-500mmや、Tamron, SIGMAの150-600mmクラスからの買い替えでは、解像力は確実に向上します。
各種収差の少なさも、解像力に貢献しているでしょう。

航空機のディテールもよく出ています

中心付近は、どの焦点距離でも絞り開放から解像力は高いです。画面隅は比較するとやや低下する傾向はあるもの、一眼レフのレンズと比較するとその差は大きくはなく、
安定しています。1段絞れば周辺解像力も向上しますが、私はほぼ絞り開放でしか使っていませんが、画質低下は殆ど感じられないので、安心して絞り開放から使えます。
SIGMAは600mm付近は少しだけ絞ったほうが良好、AF-S 200-500mmは開放から問題なく使えるも、少し絞ったほうが良くなりました。それと比較しても、Z 180-600mmは航空機撮影ではほぼ絞り開放で問題なかったです。

実のところ、解像力だけの話をすると、条件にもよりますが古い単焦点のロクヨンGにかなり迫っていると思いました。ほんとうに技術の発達にはビックリです。
もちろん、しっかりブレなく撮れた場合は、古くても単焦点のロクヨンGの方が圧倒的にしっかりと解像するものの、その差は以前の望遠ズームよりも縮まってきていると言えます。
条件によって、と書いたのは、やはり被写体との距離や明るさ、コントラストの条件の変化が大きくあっても、古くても単焦点レンズの方が安定性は抜群に高いです。そこは明確にズームと単焦点レンズの差が出るところです。特に最短撮影距離付近では、Z 180-600mmはやや画面隅の解像力が低下する傾向は感じます
なので、このZ 180-600mmは単焦点望遠よりは各種条件での安定性(解像力だけでなくボケ味など総合力)は一歩引くものの、日中なら殆どの場面では十分な高画質を発揮できるレンズと言えます。
望遠レンズに於いて、画面の隅までカリカリに描写させる場面は少ないと思いますが、遠景の風景などは、2段絞ると、隅々まで解像力が上がります。

●ボケ味

味、と表現するように、好みの分かれる部分です。
f値の大きなズームレンズだけに、広角側でのボケはやや中途半端です。
また、背景の距離と被写体によっては、ややボケがざわつくこともありますが、それでもAF-S 200-500mmと比較しても、背景ボケは滑らかに感じました。

後ボケは悪くない
ズームと考えれば後ボケは素直

後ボケと前ボケ、前ボケのほうがざわつく印象はあります。

前ボケは少しざわつく印象

ただ、一般に後ボケのほうが重視されることは多いので、この手のズームではこんなものかな、という感じですね。決してうるさいボケというところまではならないです。

単焦点には敵わないものの、この価格帯の望遠ズームとしては大きな欠点はなく、良好です。
望遠側で口径食が少し発生するようですが、玉ボケを気にするような撮影をしなければ、特段欠点にはならないでしょう。

●倍率色収差・軸上色収差・球面収差

いずれの項目も全く気にする必要はなく、RAW現像で倍率色収差のチェックを外しても、色収差は気になりません。軸上色収差も実写では全く気にならないですね。
最短撮影距離付近で、やや球面収差による影響があるような…気がしないでもないです。最短撮影距離付近では
解像力低下を感じるのは、球面収差の影響かもしれませんが、あからさまに目立つほどの球面収差ではないかと思います。

●湾曲収差

糸巻き歪みは補正を外すとあるようですが、大きくはないため、補正をした所で画質に影響は感じられません。
常時補正で良いでしょう。
コマ収差は、そのような撮影シチュエーションがないため未評価です。

●AF速度

NIKKOR Z 180-600mmはAFモータにSTM(ステッピングモータ)を使用しています。
STMはパルス波による電流のON/OFFに高速に繰り返すこと(これをスイッチングと言います)でモータを回転させます。1パルスごとの回転角が決まっているため、パルスの発生回数で回転角を正確に出すことができ、またパルスを発生させる間隔を変化させることで、ゆっくり回すことも速く回すことも可能です。速度制御しやすく、エンコーダのような角度センサを別途用いる必要がなく、回転角度が正確という特徴があります。また静粛性も高く、ほぼ無音です。
半面、DCモータや超音波モータと比較してトルクがやや低めという欠点もあります。
このため、従来は比較的小型なレンズや、安価なレンズに用いられてきました。

航空祭のフォーメーションからのブレイク、こういうのは全く問題なくAF追従

Nikonでは、現状Zマウントレンズでは殆どがSTMを採用していて、高価な超望遠レンズの一部のみが、SSVCM(ボイスコイルモータ=リニアモータ)を採用しています。
NIKKOR Z 100-400mmは、ややAFが遅め、と言われていました。
本レンズに関しては、爆速ではないものの、超音波モータのAF-S 200-500mm比較しても速いと感じられるレベルです。超音波モータだから何でも爆速というわけではなく、結局のところ超音波モータでもレンズによって採用されるモータが変わりますし、f値にもよりますし、STMだからとかリニアモーターだからとか、一概に言えないです。
さすがに同じAF-Sでも、AF-S 600mm f/4G(ロクヨンG)の方がスパっとキレのある速さですが、Z 180-600mmもこのクラスのレンズとしては健闘しているほうでしょう。

A/Bを焚いての離陸も問題なし

ただし、コントラストが低い被写体で、時々AF速度低下を感じます。スーではなく、じわーといった感じに遅くなることがあります。
これはレンズのせいというよりは、カメラ側の問題でしょうね。Nikon Zの像面位相差AFは、少しでも暗いとあまり機能せず、コントラストAFに依存する傾向がありますが、自衛隊車両のようなカーキ系の車両のようにコントラストが低いと、さらにAFが合わなくなる場面が何度かありました。
この辺りは、レンズよりむしろカメラ側の改善を望むところです。

雨天では迷彩の99式自走榴弾砲より手前の雨粒にフォーカスが合うことも→素早くMF操作して撮影

戦闘機が十分追えるので、旅客機や大型軍用機程度の速度は何ら問題なく撮影出来ます。

大型機なら80年代のAF機とレンズでもAFで追えますからね

息子のサッカー撮影は、まだ小学校低学年なのでスピードはさほどではないですが、少なくともAFの遅さは感じず、3Dトラッキングでしっかり追いかけられていて、フォーカスが追い付かないことはないですね。

息子が始めたばかりのサッカーでもZ 180-600mmは大活躍!

このクラスのレンズとしては十分速いと言えます。モータの種類だけでなく、フォーカス群のメカ構成やカメラボディ側の性能で、AF速度は変わりますので、STMだから遅いという先入観は持たないほうが良いですね。

●総評

ポートレイトや風景、野鳥撮影では評価が変わるかもしれませんが、少なくとも私が良く撮る動態撮影の航空機、そして息子のサッカー撮影に於いては、なかなかのパフォーマンスで、このクラスの望遠レンズとしてコストパフォーマンスが高いレンズと言えます。
Nikon Zユーザーの超望遠レンズ入門として、広くお勧めできるレンズです。そしてさらに重箱の隅をつつきたくなったら、単焦点レンズの世界へどうぞ!
執筆時点(24年1月)でもまだ品薄なのが残念なところです。


↓専用ケースではありませんが、ボディを装着したままピッタリ入りますよ

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時代によるメカニカルシャッターの耐久回数の移り変わり

目指せ60万ショット! まだまだ使い続けますNikon D810

先日、ベランダに据えて富士山のインターバル撮影しているNikon D810、シャッターカウント数をショット数comで確認すると、56万回を超えたところでした。

公称20万回のシャッター耐久回数のD810だけど、既にその3倍近くに達している

Nikon D810の公称シャッター耐久回数は、20万回です。もちろん、これは設計上の目安としているものであり、実際はそれより早く壊れる可能性もありますし、その逆も然りです。それにしても、公称の3倍近く使えているということは、実際には余裕を見た設計をされていると思われます。

公称シャッター耐久回数ってどのくらい?

フィルムカメラ時代は、一般的なフィルムは1本36コマまででした。これを何本も撮るのはプロやごく一部のハイアマチュアに限られていたため、フィルムカメラ全盛期ではあまりシャッター耐久数が話題になることはありませんでした。

2000年あたりのアサヒカメラのNikon F3特集で、図書館で複写用に使われていたNikon F3が、シャッターを88万回切ったけど壊れなかった、という記事を見たことがあります。
一般にメカは適度に継続して使われると壊れにくいです。これは業務で使われるタクシーやパトカーが、廃車までに50万~80万キロも走ってしまうのと同様ですね。
実際調べた限りの公称シャッター耐久回数は、以下の通りです(間違っていたらコメントでご指摘願います)。

機種シャッター耐久回数
Nikon F215万回
Nikon F410万回
Nikon F515万回
Nikon F615万回
Canon EOS -1N10万回
Canon EOS-1V15万回
フィルムカメラのシャッター耐久回数

フィルムカメラ時代のフラッグシップ機は、概ね10万~15万回でした。如何にフィルムをたくさん使えるプロと言えど、フィルムは使えば使うほど金がかかりますから、今ほどシャッターを切れなかったですからね。それこそ一般のカメラマンだと、36枚撮りを月10本撮ったところで、1年で4320コマ+αです。10年使ってもまだ5万回、20年でやっと10万回、そんな感じですね。なので、報道のプロでもない限り、シャッター耐久回数をそこまで気にすることもなかったのが実情ですし、そもそも回数が電子的に記録できるわけでもないので(別売りのデータバックでシャッタカウントを記録ができるカメラもありましたが)、実際どの程度シャッターを切ったかは未知数ですね。

ちなみに私はNikon F90Xsが最初のNikon一眼レフでしたが、このカメラにはデータバックMF-26が搭載されていて、シャッターカウント数を記憶できました。MF-26のバッテリを外さない限りはカウントし続けるのですが、それでも数年使って1万ショット超えたかな、という程度でした。アマチュアの使い方だとそんなところでしたね。

一方、デジタルカメラの時代になると、メモリカード(フロッピーディスクを使うマビカなんてSONYのデジカメもありましたね)を買ってしまえば、後は現像要らずなので、メモリーいっぱいまで撮ることができるようになりました。
ただ、2000年代前半のデジタルカメラは、メモリーカードの容量もどんどん増えていけど、画素数もどんどん増えていった時代なので、1枚のカードで撮影できる枚数は、感覚としては100枚から数百枚程度でした。フィルムよりはたくさん撮れますが、それでもやっとフィルム時代のシャッター耐久回数を使いきれるかな、という感じでしたね。

これが2010年代以降から、次第に画素数のアップが落ち着き、メモリ容量だけはどんどん増え続けて行ったので、それこそ1回の撮影で数千枚撮るなんて事もできるようになってきました

そうなると、今度はメカニカルシャッターの耐久回数が気になるようになってきました。自分もNikon D850は、最初の1年で10万回もシャッターを切っています。フィルム時代なら、どんなに頑張っても20年はかかるであろうシャッター回数を、わずか1年で消費です。

ではデジタルになってからの公称シャッター耐久回数はどの程度でしょう?

機種シャッター耐久回数
Nikon D2X15万回
Nikon D330万回
Nikon D70015万回
Nikon D440万回
Nikon D80020万回
Nikon D640万回
Nikon D78015万回
Nikon Z 720万回
Nikon Z 8 / Z 9N/A メカシャッターレス
Canon EOS 1DX MarkIII50万回
Canon EOS R350万回
SONY α150万回
SONY α9II50万回(電子先幕シャッター使用時)
デジタルカメラのシャッター耐久回数

全メーカー各機種はとても書ききれないので、代表的なものを記載しました。

1999年Nikon D1は、公称シャッター回数の資料がありませんでした。Nikon D1の発売された1999年のCFカードの容量は、多くても128MB(ギガバイトではないですよメガバイトです)、小型のHDDを内蔵したマイクロドライブで340MBでした。
96MBのCFカード使用時、JPEG 1/4圧縮の設定で73枚、RAWではわずか23枚しか撮影できませんでした。JPEGならフィルム2本分撮れます。逆に言うと、デジタルとはいえ20世紀末はその程度でメモリカードが一杯になってしまいます。この時代のデジタルカメラは、撮影枚数はフィルムとたいして変わらなかったのです。撮影枚数だけ見ると、デジタルのメリットはまだそれほどなかったのです。
したがって、この時代はシャッター耐久回数も、フィルムカメラより特段多くする必要もなかったでしょうね。バッテリの消耗も早かったですし。
後継機のNikon D2X(2005年)でも15万回、これは同時期にフィルムカメラのフラッグシップだったF5やF6と変わりません。それでもD2Xの時代になると、CFカード1GB(テラバイトではないですよ)という”大容量”カードが登場しましたが、画素数も1240万画素とD1の274万画素の時代から大幅に増加したため、1GBのカードでRAW(非圧縮)で49枚でした。今なら一瞬で撮り切ってしまいそうです。

しかしその後のD3(2007年)でシャッター耐久回数は倍増して30万回に。この世代になると、画素数は1280万画素とほぼ据え置きながら、連写速度が9コマ/秒(DXクロップで11コマ/秒)と飛躍的にアップしてフィルムフラグシップを超えるようになり、またRAWもロスレス圧縮出来るようになってデータ容量を抑えつつ、連写もフィルムカメラを超えるようになりました。CFカードも8GBが登場し、1枚のカードで数百枚以上の記録が可能になりました
この時代になると、プロもハイアマチュアもフィルムカメラからデジタルカメラへの切り替えが進み、いよいよフィルムカメラを超えるシャッター耐久回数が必要になると判断されたのでしょう
この世代のカメラになって、ようやくデジタルカメラのメリットの1つ、シャッター回数をフィルムより大幅に稼げるという時代になりました。

Nikon D4では更に40万回となり、現在のNikon D6もこれは変わっていません。一方、CanonやSONYの上位機種は、更に上の50万回の公称耐久回数を確保しています。
更に時代は進み、2021年末のNikon Z 9では、レンズ交換式フルサイズセンサのカメラで初めてメカシャッターレスの一眼カメラも登場しました。もっともレンズ交換式カメラでメカシャッターレスは、2011年のNikon 1 J1で既に達成しています、1インチセンサのカメラですけどね。

メカシャッターレス、すなわち先幕も後幕も電子シャッターとなると、メカシャッターではないため、撮影回数によるメカ消耗はなくなり、電子部品が壊れない限り、無尽蔵に撮影できるようになります。個人的にメカシャッターレスもミラーレス一眼のメリットの1つと捉えていて、更にSONY α9IIIのようなメカシャッターレスかつグローバルシャッターで高速な被写体でも歪みのない撮影が可能となったのは、デジタルカメラにおける新たな時代の幕開けと行っていいでしょう。

今後、メカシャッターレスのカメラはどんどん増えていくのではと思います。ただ一方で、シャッターの振動の心地よさというのは、疑似シャッター音では得られないものあがりますね。個人的にメカニカルカメラの最高峰と思っているNikon F2のTitanのシャッター音は最高と思っています。
メカシャッターが今後のカメラでなくなっても、メカシャッターの心地よさというのは大切にしたいですね。

公称シャッター耐久回数を超えるとどうなる?

各メーカーが独自にテスト基準を設定し、その回数を決めていると思いますが、公称シャッター耐久回数はあくまで目安であり、耐久の保証値ではありません
メーカーがシャッターユニットを設計する上での目安で、実際には使い方次第でもっと早くシャッターが破損することもあれば、その耐久回数を大幅に超えて問題ない場合もあります。なので、あくまで目安にしかなりません。
シャッターの寿命が近づくと、シャッタースピードの精度が悪くなったり、最悪シャッター羽根が曲がったり割れたりして動かなくなります
自分のカメラでは人生で一度も経験はありませんが、こんな感じにになるようです。

中古のカメラでシャッター回数が年式に対して極端に少ない場合、オーナーが変わって急にたくさん使い出すと壊れやすい、なんてこともあるかもしれません。
カメラのシャッターは、車のエンジンと違って、オイル交換など個人で簡単にメンテナンスできるものではないため、定期的にメーカーにオーバーホールに出さない限りは、基本的に使いっぱなしです。

一般にシャッターに限らず機械部品は、適度に使い続けることが、もっとも機械的な負荷がかかりにくいとされています。先に書いたように、タクシーやパトカーのように、毎日一定距離を走るような使い方は、機械部品に負担がかかりづらく、結果的に寿命が伸びることにも繋がります。
もちろん、使えば使うほど消耗劣化は進み、いつかは不具合が発生します。都市部のタクシーは1年10万キロ走行し、5~7年で廃車のようです。廃車寸前では、オイル消費も激しいと聞きます
カメラの場合は、オイル交換できるわけでもないため、オーバーホールに出す場合でも、公称シャッター耐久回数に近い場合や超えている場合は、交換部品があればシャッターユニットを交換するようで、概ね費用的には6~13万円前後かかります。ここはフラッグシップ機ほど高価になります。
特にフラッグシップ機はシャッターユニット自体が高耐久で高価なため、オーバーホールによる交換の場合は10万円を超える場合もあるようです。
D850クラスだと、7,8万円といったところのようです。

中古でもオークションなどの場合、こうしたシャッター回数を考慮しない値付けをされている場合があります。なので、できれば中古ならカメラ専門店の保証付きのほうが無難です。


ショット数.comはメカシャッタと電子シャッター、両方を加算した回数としてカウントしているようです。
2022年にNikon D850をオーバーホールした際は、ショット数.comで18万回シャッターを切っていたので、シャッターユニット交換と思いきや、交換されませんでした。
別のソフトで調べると、メカシャッターだけであれば11万回、インターバル撮影で電子シャッター回数が8万回近くと伸びていたため、合計18万回の表示だったようです。