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小学校に上がって初めての公開運動会に行ってきた

2020年に小学校入学だった娘氏、2020年といえば日本国内でもCOVID-19コロナウイルスが広がりつつあり、会社も100%在宅勤務に切り替わり、外出も最小限とされました。
当然、あらゆる行事は中止となり、小学生初の運動会もありませんでした。
去年は運動会は非公開実施、親はプロ?が撮った固定カメラで顔の判別すら出来ない低解像度動画を見るだけで終了。
そして今年は学年別ですが、初めての公開となりました。

動画をZ 9、スチルをD850で

Nikon Z 9で初の子供の行事撮影です。Z 9はもちろんスチルでも歩留まりがよく撮影できることが期待できますが、それよりも動画の性能が良いので、Z 9は動画撮影で、D850をスチルに専念。Z 9の動画設定はは4K H.265 10bit SDRとしました。ProRes 422だと、いきなりデータ容量をH.265の数倍食ってしまうので、落とし所が難しいですね。一般には、H.265の10bitでまず問題ない品質で撮ることが可能ですし。

体は1つなので、スチルと動画の両方に力を入れるのは無理です。ということで今回は動画メイン、スチルは被写体(娘氏)の移動の少ない場面で、三脚で動画撮りっぱなししながらD850でスチル撮影、ということにしました。

露出失敗!? -1.3EV補正になっていた

最初に撮ったのがかけっこで、被写体が動くので、スチルは妻に任せて動画に専念しました。
が、撮影場所が逆光にならざるをえないところだったのもありますが、カメラにモニタフードを買おうと思ってすっかり忘れていて、画面が暗くて見づらいな~なんて思いながら撮っていました。
ところが、かけっこが終わって気づいたんですよ。「露出補正-1.3」になっていることに…

あちゃー、そりゃ暗いわけです。大失敗した~!
が、こちらは家に帰って動画を見たところ、全く使い物にならない訳では無いな~となりました。

露出補正-1.3のまま撮ってしまった動画の静止画切り出し

真っ黒に潰れてはいませんね。このくらいなら救済できそうです。10bitで撮っているので、諧調にも余裕があります。
親に動画を送るつもりだったので、Davinci Resolveでトーンカーブを調整してみました。

Davinci Resolveのカーブ・カスタムで高輝度側を詰めて、中間を少しだけ持ち上げた

高輝度(ハイライト)がないので、ピークを詰めて(右上の点を左側に少しずらした)、中間(中央の点)を少しだけ持ち上げました。
やり過ぎは禁物ですが、10bit動画なので、8bitのJPGよりは諧調に余裕がありますしね。2bit余裕があるということは、4倍細かいわけですから、最終的に8bitの動画として出力する分には、過度に調整しなければ問題ないでしょう。

トーンカーブ補正後、このくらいなら問題ないでしょう

これを見ると、ゴリゴリに編集するつもりはなくても、HDRで撮るつもりはなくても、最低限H.265 10bit SDRで撮ったほうが良いな~と思いました。
本音でいうと、Davinci Resolveで編集するなら、少なくともProRes 422で撮りたいのですが、何せデータを食うし、その上にはProRes RAWやN-RAWもあり、どんどんデータを食います。スチルのRAWでもヒーヒー言っているのに、動画のRAWだなんて空恐ろしいですわ…。もちろん得られるものは大きいし、ゴリゴリに編集するならRAWが良いのは言うまでもないですけどね。

調整前後の比較

動画切り出し静止画が普通に使える時代

それよりも今回、動画を見ていて思ったのは、4Kであれば800万画素もあるわけで、動画から静止画を切り出しても、本当に余裕があるということです。いや、4K自体なら、もう数年前からカメラに搭載され始めていますが、動画の圧縮性能そのものが向上していますね。

例えば、これまでの我が家で4K 動画が撮れるカメラ、Nikon D850Panasonic LUMIX GX7MK3は、4K動画のフォーマットはH.264/MPEG-4 AVC 8bitでした。
Nikon Z 9は、従来からのH.264に加えて、H.264よりさらに画質を維持したまま高圧縮を実現できるH.265/HEVC 8bit/10bitにも対応できますし、より高画質のApple ProRes 422 HQ、さらに2種類のRAW動画、Apple ProRes RAW HQとN-RAW(いずれも12bit)に対応します。

H.265は画質を圧縮率を高められる、ということは、その分ビットレートに余裕を持たせることで、より高画質に撮ることが出来るわけですね。

Nikon Z 9の4K H.265 10bit動画からの切り出し、露出が最適なら静止画として何ら文句ない画質

上の写真は、露出補正を戻して撮った動画をそのまま切り出したもので、JPG化に際しては色域の設定と(sRGBに最適化)、Web用に解像度をHDに落としただけですが、Web掲載用で十分な画質が得られています。
H.264では、細かい部分で圧縮の影響により、ああ動画から切り出したのだな、とわかる画室の劣化が見られました。これは動画では動いているのであまり気にならなくても、静止画にすることで、圧縮による影響がJPGそのものよりもはっきり出てしまうからでしょうね。もちろん、H.264でもビットレートに余裕を持たせればその限りではないですが、そうなると、今度は記録メディアへの書き込み速度が影響してきます。

Z 9のH.265 10bit動画が、スチル切り出しにも問題なく使えることがわかったので、もう少し積極的に動画は撮りたいなと思います。問題はデータ容量だけですね。

【2022年9月28日】LUFTWAFFE in HYAKURI

やっとRAW現像が終わった、百里基地へのドイツ空軍初訪問の写真。2022年9月28日(水)のことであります。

当初防衛省発表では、27日(火)から30日(金)までの訪問ということと、28日に百里基地3SQのF-2戦闘機3機とドイツ空軍のEF2000(ユーロファイター)3機が共同訓練を実施するとの内容でしたが、27日はドイツ空軍機は日本に訪れず、28日(水)に飛来するだろうということで、元々28日狙いでしたが、仕事も休みを取れたので、行ってきました。

ADS-Bのデータより、日本時間9時過ぎにシンガポールを飛び立ったドイツ空軍の給油機A330 MRTT、時間的には16時前後くらいに百里基地に到達できるかな、との予測の元、午前は築城基地の8SQのF-2の上がりを撮影。

あんまり捻らないね…。天気はすこぶるよかったので、まあ良しとしましょう。8SQのクロヒョウマークも久々に見れましたしね。

ところが、その後上がった百里の3SQの上がり、なぜかカメラのカスタム設定が変わっていて、AFがシングルAFになっている!? RAWでなくJPG-Sになっている!
撮り逃しました…

かろうじてまともに撮れた1枚 F-2A (43-8530)

1枚だけまともに撮れたけど…。これはJPGからの撮って出し(Web用に解像度は落としています)。
Z 9のバグなのか、うっかり設定を触ってしまったのか、謎です。でも触った覚えないんだけどなぁ…。

撮影ポイントを移動し、ドイツ空軍機のお出迎えのため練習がてらの撮影。

そしていよいよドイツ空軍機のお出ましです。まずは戦闘機に随伴する給油・輸送機のA330 MRTT。正確にはドイツ空軍所属ではなくNATO所属の機体となります。
パッと見は旅客機みたいですね(そもそもベースがA330旅客機)。

自衛隊や米軍の給油機と異なり、窓が機体後ろまでついているので、余計に民間機っぽく見えますが、主翼にあるプローブアンドドローグ方式の給油システムの格納部の存在と、お尻のフライングムーブ方式の給油システムの2種類の給油可能なのが識別点ですね。
一時期は、米軍や自衛隊も本機の導入を検討したこともあったようですが、結局は双方ともB767ベースのKC-46Aが採用されました。
とにかく、日本国内ではなかなか見られない機体なので、見られるのは貴重な体験でした。

続いて、午後位置で上がった3SQと8SQ(こちらは撮影していません)の降りを撮影。

そしてさらにドイツ空軍機。次に来たのはA400M輸送機。機体規模は自衛隊のC-2輸送機に匹敵しますが、C-2がターボファンエンジン2発に対し、A400Mは4発のターボプロップです。
ということでシャッタースピードを落としたら、ブレの連発(苦笑

撮影の難しい機体ですね。まあこちらもこんな大きさの機体を望遠AF-S 600mm + TC-14EIIIで850mm相当で撮るのもどうかという感じですが…
一応、D850とAF-S 200-500mmもスタンバイしていましたが。

ユーロファイターはと言うと、富士山上空でF-2Aの528号機、F-2Bの128号機とフォトミッションを実施。山梨県からは目視できたそうですね。

そしていよいよ、富士山上空でフォトミッションを終えた、ドイツ空軍のユーロファイター(あちらはタイフーンという名称は諸般の事情で使わず、EF2000またはユーロファイターと呼ぶのだそうです)が視界に入りました。
まずはF-2とのフォーメーションです。

まずチェイス機のF-2Bが先に降ります。

128号機はフォトミッションの写真に納まっていた機体なので、112号機がフォトミッションを行ったのかな?

その後、タイフーンのみのフォーメーション!

しかし欧州ってデルタ翼機が好きよね~。ミラージュシリーズやラファール、グリペンなど、デルタ翼ばっかり(笑
なのに日本や周辺国では採用されていないので、米軍の訓練用で民間が飛ばす機体以外、なかなか見られないですからね。

そしてフォーメーションからのブレイク。スペマのタイフーン、夕日がきれいに当たったところでAFが抜けた! Z 9のAF、肝心な時に信用ならんな~。これ、自分が職業カメラマンだったらD6にしていますね。なんでAFポイントも被写体も中央にいるのにすっぽ抜けるのかな?

ちょっと日陰になってしまったアングルで撮り直し。鬼トリミングでこんな感じ。こういうトリミング耐性がNikon Z 9の救いでしょうか…。でもこれは流石に遠かったな~。

ユーロファイター3機のアプローチ。
最後の機体は複座、ちょっとずんぐりな感じですね。

茨城空港から

百里基地はお祭り状態。周辺もでしたが…。

時間切れにてここで終了。もう少し見たかったですけど、遅くなるので退散しました。ご一緒させていただいた皆様、大変感謝です。ありがとうございました。

30日のお見送りは出来ませんでしたが、皆様の写真で楽しませていただきました。
ロシア、中国、北朝鮮に囲まれる日本ですが、欧州勢との協調は大切ですね。

只今RAW現像中 LUFTWAFFE in HYAKURI

昨日展開の皆様、お疲れ様でした。そして撮影ご一緒させていただいた皆様には感謝です。

LUFTWAFFE ドイツ空軍 A400M (54+29)

昨日は帰宅後、データをパソコンに移して、RAW現像までやる余力はなく寝てしまいました。
只今、RAW現像中です。明日にはお見せ出来るかな?

【清水清三郎商店】作 ZAKU 恵乃智 中取り 純米吟醸

10月より値上げする清水清三郎商店の作(ZAKU)シリーズ。9月最後の購入と言うことで、今回は恵乃智の中取りです。

【清水清三郎商店】作 ZAKU 恵乃智 中取り 純米吟醸

一升瓶で購入。恵乃智を飲むのは久しぶりですが、その中でも、中取りです。

ラベルにも書かれているように、中取りは、酒を搾る過程における、最初の部分「荒走り」と最後に圧力をかけて搾る「責め」を含まないお酒です。通常これらをブレンドするところ、あえてブレンドせずその中間のみを瓶詰めしたお酒です。

酒米は非公開、精米歩合60%、その他の情報は非公開です。作 ZAKUシリーズは味を安定させるために、近年人気の火入れしない生酒ではない火入れ酒ですが、生鮭のようなフレッシュな味わいを楽しめます。
ここまでは基本情報、恵乃智の中取りは初めて飲みます。さてどんな感じかな?

ほんのり淡黄色

火入れ酒ではありますが、冷蔵庫保管を推奨。もちろん常温でも問題ありませんが、ある程度長期保管するなら冷蔵がおすすめとのことです。

上立ち香は華やかな吟醸香。雅乃智の中取りよりもより吟醸香が強めです。
口に含むと、甘い!けど芳醇な膨らみや酸味とともに、後から苦味と適度に辛さも来ます。洋梨のような芳醇な甘みが持ち味ですが、甘すぎず余韻を残しつつ引いていきます。

広く万人に飲んでほしいというコンセプトのもと、決して複雑すぎない、個性的すぎないお酒ですが、高い次元でバランスが取れたお酒です。
やっぱり作はハズレ無しですね。安心して飲めます。そして贈答用にもピッタリのお酒ですね。

【白玉醸造】名門の粋 魔王

まだ日本酒にハマっていなかった、というより20代後半、暫くの間日本酒が苦手で飲めなかった時期があり(今ではこんなに飲んでいるのに!)、その頃は焼酎にハマっていました。
といっても、お店で飲む程度で、自分で買うのはもっぱら黒霧島とかでしたが。

その頃ちょっとした焼酎ブームというのもあって、比較的居酒屋にも有名な焼酎が多く置かれていたりして、そこで出会ったのがいわゆる3Mとも呼ばれる「森伊蔵」「魔王」「村尾」ですが、その中では比較的手に入りやすいのが「魔王」ではないでしょうか。

芋焼酎のなかでも、よく使われる黒麹や白麹ではない、黄麹を使用することで、芳醇な吟醸香でフルーティな味が楽しめます。

こいつは以前通販の5本セットで手に入れたものです。満を持して開けます。
熟成酒ならではの芳醇な味を楽しめるかな?

【白玉醸造】名門の粋 魔王

まず香りが良いですね~。本当にフルーティです。いも焼酎なので、当然さつまいもの香りですが、それ以上に日本酒にあるフルーティな吟醸香です。
ロックで飲みましたが、冷たい状態でも芳醇な香りと甘み、そして適度な辛さがあるので、アルコール度数は日本酒より高いのに、あまりそれを感じさせません。

このあとストレートで飲みました。いい! より甘みが増して、さらに芳醇な味を楽しめます。
良いものは良いね。どうもお酒を色々飲み始めると、少量生産の通好みのお酒を好んで、ベタなお酒は避けがちになることもあるけど、改めて焼酎の良さを実感した次第。

同酒造の「白玉の露」もドはまりしましたが、さすがに魔王は上を行きますね、当たり前ですが。

【カセットテープ豆知識】オートテープセレクターの検出孔

80年代生まれまでの世代であれば、大抵の人が使ったことがあるであろうカセットテープも、生まれたとき既にMDの時代でした、CD-Rがありました、という世代には、大昔のメディアという印象が強いであろうカセットテープ。

最近リバイバルしてちょっと人気みたいなので、あの頃オーディオをやっていたオッサン連中なら知っているであろう知識も、若い世代には新鮮? というカセットテープネタです。

カセットテープの種類をデッキが自動判別するための穴

カセットテープには、大きく分けて4種類の磁気特性の種類があり、ノーマルポジション(Type I)、ハイポジション/クロームポジション(Type II)、フェリクロームポジション(Type III)、メタルポジション(Type IV)がありました。
このうち、今でも売られているのは、当初から販売されていたノーマルポジションのみです。また、フェリクロームポジションテープは、ノーマルとハイポジの良いとこ取りでしたが、製造コストがかかることと、その後すぐメタルポジションテープが登場したことから、80年代半ばほぼ死滅しました。Yamaroも使ったことはありません(当時使っていたSONY TC-FX5にはテープポジションセレクタに存在していた)。

カセットデッキは、これらテープの磁気特性の違いから、録音時にはバイアス量、再生時にはイコライザー時定数の違いから、テープの種類(ポジション)を切り替える必要があります。

80年代半ばまでは手動切替だったものが、徐々に自動切替になっていきました。
では自動でどうやって判別したかというと、カセットテープ側に検出孔と呼ばれる穴の有無で判別していました。

テープの種類により穴の数が違う

フェリクロームテープ(Type III)は、前述の通り80年代なかばに消えてしまったことから、こうした検出孔はなく、オートテープセレクターのカセットデッキでは、ノーマルポジションテープとして検出されてしまいましたが、あまり普及しなかったテープなので、実質的に問題はなかったようです。

カセットデッキ側にも、検出孔の穴の有無を検知するための検出スイッチ(テープの誤消去防止爪の検知も含む)が存在しました。

誤消去防止爪とテープポジション検出スイッチ
左から誤消去防止爪検出、メタルポジション検出、テープの存在検出(検出されないとデッキの操作ができない)、ハイポジ/メタルの検出スイッチ、誤消去防止爪検出スイッチ(PIONEER T-03SR)

カセットデッキ側は、写真のデッキはオートリバースデッキのため、誤消去防止爪検出スイッチがテープのA面B面用に左右それぞれ存在します。

ウォークマンなど再生専用機の場合は、イコライザーの再生時定数(ノーマルは120μs、ハイポジとメタルは70μs)のみ検出すれば良いため、メタルポジション検出スイッチが存在しませんでした。

今となっては懐かしい話ですね。

KENWOODのチューナー KT-1100Dの調整を行った

久しぶりにオーディオネタを連発しています。

カセットデッキのPIONEER T-03SRのベルト交換をしたついでに、その下に設置していたFM/AMチューナーのKENWOOD KT-1100Dの調整を行いました。

KENWOOD KT-1100D

元々はチューナーの老舗

今、KENWOODのイメージはと言うと、一般にはカーナビ、かろうじてミニコンポを売っている、というイメージしかありませんが、元々はFMチューナーなどの受信機の会社として設立し、旧社名のTRIO(トリオ)で、チューナやアンプなどオーディオ機器、そして無線機のメーカーでもありました。また、オシロスコープのような測定器も販売していました。
TRIOはかつてはオーディオ御三家として、SANSUI(現在は法人格が消滅し、ブランド名のみ海外に切り売りされている)、PIONEER(カーナビなどを売るパイオニア本体から切り離され、オーディオブランド名が存続中)と供に、1960年代から70年代の日本のオーディオ界を席巻しましたが、今や御三家で本体から切り離しや倒産せずに生き残っている唯一のブランドだったりします。名前はKENWOODになり、会社自体はVictorと合併しましたけどね。

このKT-1100Dが販売される1年前の1986年に、KENWOODに社名変更されていますが、既にKENWOODブランドは1984年辺りから使われているようですね。
チューナーとしてもバブル期故に贅沢な設計となっており、音質も素晴らしく、同社の高級機Lシリーズほど贅沢な作りではないにしろ、当時の定価が¥74,800とかなり高額な部類です。90年代に入ると、バブル崩壊し、贅沢なアナログ回路の極みであるチューナーは低価格化し、単体オーディオ機器では下火になっていったので、この時代の機種は今や希少なFMを高品質で楽しめるチューナーです。

私はと言うと、学生時代に友人の祖父が使っていたものを処分する、と言うことでタダで頂いたものです。その友人の祖父からはBRONICA S2ももらったので、今でもこの2台が現役なのは、何と物もちが良いというか(笑)

末永く大切にしたいと思います。

経年でずれた同頂点の調整

チューニング自体はデジタル表示ですが、アナログ回路故に経年でどうしてもズレが生じます。

同調点がずれて中央の白いバーではなく、右に1つずれた赤いバーが表示されている

チューニングシグナルバー、周波数が一致すると中心に電波強度が表示され、左右の赤いバーは中心周波数からずれていることを示します。90年代以降はこうしたチューニングバーを搭載する機種はほぼなくなってしまいました。これも贅沢なチューナーの1つの機能でした。
さて、不具合としては、このバーがチューニングを合わせても中心に表示されません。
この部分は何度か調整していますが、数年でズレが発生してしまいます。ズレてしまうと、ステレオ受信ができなくなってしまいます。
今回はこの調整を行いました。調整のやり方や技術的なお話は、こちらのHPが参考になります。大昔から見ていて、今でも参考になります。こうした情報が長く残ることこそ、HPの醍醐味なんですけどね。HP全盛期から消えてしまった情報は多いですから。

同頂点L9を調整する

精密ドライバで、L9を回して同調点を調整します。今回調整するのはここだけですが、これで同頂点ズレが解消され、ステレオ受信可能になります。
実は、ラックから引っ張り出すのが億劫で、この数年、殆どRadikoで過ごしていたので、ちゃんと調整して、再びメインオーディオで聴けるのが楽しみです。

周波数表示自体のズレは直らなかったけど、ステレオ受信が可能に

残念ながら、他の部分の調整が必要なのかな? 本来の周波数に対して0.1MH低い表示で、同調点が白表示になり、ステレオ受信可能になりました。

受信感度も下がってしまったけど、ノイズレスでステレオ受信できるので、とりあえずこれでよし

うちはマンションのケーブルテレビでFMは再送されているため、一般的なアンテナ受信とは周波数が異なっていますが、本来の周波数より0.1MHz低いところで同調点が合ってしまいます。周波数自体の調整が必要ですが、オシロスコープや発振器などがないと、これ以上の調整は難しいので、深追いせずに、ラジオがきれいに聞こえればそれで良しとしました。ちゃんとステレオ受信も可能になりました。
ただ、感度がずいぶん下がってしまいました。受信感度がDIRECTだと、バーの表示が低いのです。以前はインジケーター7つくらいでていたのが、2~4つしか出ません。感度を上げるDISTANCEにすると改善しますが、ノイズも増えるので、DIRECTでノイズレスで聞けている分にはこれで十分でしょう。

音が良い! Radikoとは雲泥の差

最近radikoばかりで聴いていたので、久しぶりにKT-1100DでFMを聴いてみたら…いやぁ、別格です。当たり前ですが、radikoがHE-AAC v2 48kbpsの高圧縮低ビットレートで配信されているのに対し、FMチューナーはアナログ波をそのまま受信していますから、電波環境さえ良ければ、音質は単体FMチューナーを使用するほうが圧倒的に優れています。
MP3とCDとの差、以上に違いますね。音の厚みが全く別物です。ああ、radikoではこんなに失われていた音があったのか、と痛感。

しかし、オーディオの下火とともに、現在は高品質なチューナーは、AccuphaseのT-1200MacintoshのMR87くらいしかなくなってしまいました。もはや1,2万円台のチューナーすらないのです。ちょっと前まで、もう少し低価格でYAMAHAが頑張っていたのですが、それも生産完了となってしまいました。
カーナビではFM/AMチューナーが搭載されていますが、将来的にはradikoになってしまうのかな? 便利なような、そうでないような時代になってきましたね。

友人が転勤するというので、行きつけでお食事など

高校の同級生、近くに住んでいたのですが、ついに転勤ということで(転勤族としては割と長めの4年住んでいたそうで)、行きつけの小料理屋でお食事(飲み会)を。

1日数組程度しか入れない小さなお店故に、前もって予約して行きました。

1枚目のお通しからして豪華です。
もう年齢的に、量より質になってきました。美味しい海鮮、天ぷらでお腹いっぱいです。

天ぷらラストのかき揚げは、お茶漬けや丼にもできたけど、そのまま天ぷらでいただきました。美味しかったなぁ。
ここは1人で来ても楽しいんですよ。食を楽しめます。

友人の転勤先は横須賀なので、そんなに遠くはなく、むしろ年に何回かは行きますしね。また会いましょう。

カセットデッキ PIONEER T-03SRのベルトを交換してみた

カセットデッキネタです。
前回、B’z Highway Xのミュージックテープを、手持ちのカセットデッキ、PIONEER T-03SRで再生してみたのですが、その過程で再生は問題ないものの、テープの早送りの回転が不安定であることがわかりました。

早送りが不安定になったカセットデッキ PIONEER T-03SR

せっかくの有休日なのに天気も悪いので、内部のベルトが伸びているのだろうと思い、交換することにしました。

ペナペナの安い筐体のデッキですが、MADE IN JAPANだったりします

まだPIONEERの本体がオーディオ部門を手放していなかった90年代の製品です。きちんとMADE IN JAPANです。今なら間違いなくMADE IN CHINAになっていることでしょう。PIONEERも、本体はオーディオ部門を切り離し、最近そのオーディオ部門を持っていたオンキヨーホームエンターテイメントが破綻、しかし何とかアメリカ企業のPremium Audio Companyにブランドを拾われ、日本国内ではTEACが代理店となることとなりました。
PIONEERブランドのオーディオ、好きなので、これからも良い商品を生み出して欲しいですね。

廉価デッキらしく中はスカスカ

販売当時の定価は¥39.800、購入価格は、確か当時エイプランというオーディオ雑誌によく載っていた通販の会社で、¥26,800と大幅割引されていました。高校生のお年玉でも手が出しやすい価格でしたね。
今ではありえない廉価なのも、カセットデッキの末期で作り手もコストダウンしても性能を維持できた時代です。

中身はスカスカ

廉価デッキらしく、鉄板もペナペナですし、中身もスカスカです。それでも、こうすることで低価格化していたのですから、アナログ末期のコストダウン技術はすごいです。

電源小さい! 大した消費電力はなく、アナログ回路も小規模なので、こんなものでしょうね。ヘッドやキャプスタン・ピンチローラーは、いつでもメンテ出来るので、今回は簡単に清掃するに留めました。
そして内部のメカを見てみると…おお、これまた安っぽいね。

写真中央奥の細いベルトが伸びていました

今回ダメだったのは、上の写真の中央奥にある細い方のベルトです。これが経年で伸びてしまい、回転時にたわんで回転トルクがしっかり伝わらず、早送りのスピードが不安定になっていました。

ちなみに、T-03SRはカセットテープを巻き取るモータはたったの1つ。1つのモータでテープの巻取、キャプスタンの回転を行っているのです。手前にある大きなプーリーが、テープを安定して送り出すためのキャプスタンの軸を動かしています。中級機以上であれば、個々の部分が独立したモータになっています。廉価機故に、1つのDCサーボモータで全てをこなしているのです。
このため、テープの回転ムラを示す、ワウ・フラッターは0.08%WRMSと、単体オーディオデッキとしては、あまり良くはありません。
それでも、実用上何とか問題ないレベルにはなっていますが。

早速ベルトを交換することに。

手持ちの汎用ベルトで近い長さのものを選択

以前買っていた汎用ベルトを使って交換します。
交換は取り外して入れ替えるだけなので簡単ですが、分解しないでやると、案外奥にあるプーリーにベルトを引っ掛けるのが大変でした。

こんな感じで、早送り・巻き戻しでもベルトがたわまなくなり、回転が安定しました。
メインのベルトも交換したいところですが、幅が太く長いため、これはまた次回ですね。今のところ再生は問題ないです。

DOLBY S NR基板

おまけです。せっかく開けたので、DOLBY S NR(ドルビーノイズリダクション)基板とやらを見てみました。

縦に基板が刺さっていますね。DOLBY S NRは、業務用のDOLBY SRを民生化した、最後のドルビーノイズリダクションシステムで、ノイズの低減効果は低音域まで及び、おおよそ24dB程度のノイズ改善が可能です。
ただし、1991年に登場したため、時代は徐々にデジタルオーディオに移行しつつあり、単体オーディオデッキでしか採用されることはありませんでした。
特に、初期のものは回路構成が大きいため、コストが掛かり高級機のみに採用、またナカミチなど高級カセットデッキメーカーの一部は最後まで採用しませんでした。
PIONEERのT-03SRは、このDOLBY S NRのICに、SONYのCXA1417Qを採用することで、回路をシンプルコンパクト化することが出来たためコストが下がり、定価¥39,800のデッキながら、DOLBY S NRを搭載するに至りました。
このT-03SRが、DOLBY S NRを搭載した最も安価なデッキでした。

でも見ての通り、SONY CXA1417Qで小型化出来たと言っても、あくまでもそれは単体デッキでの話で、DOLBY B/C NRのように、ICがワンチップ化されポータブルオーディオ、ラジカセ、カーステレオにも採用されたのと違い、IC1つで構成できたわけではないようで、これもDOLBY S NRが普及しなかった要因の1つです。

90年代は既にDAT(デジタルオーディオテープ)、MD(ミニディスク)と言ったデジタル録音メディアが登場、YamaroもT-03SR購入当時にDATデッキもMDも持っていたため、カセットデッキはこの廉価機で妥協していました。
90年代後半は既にカセットデッキは技術的ピークを迎え、デジタルと久遠メディアの登場と共に衰退が始まりつつありました。

あれから四半世紀、カセットデッキやカセットテープの技術が失われてしまったのも、無理はないですね。
今あるデッキやテープは末永く使えるようにメンテナンスしないとですね。