「旅客機」カテゴリーアーカイブ

【城南島海浜公園】たまには広角で飛行機を撮るのも悪くない

昨日持ち出したNikon D850AI AF Nikkor 20mm f/2.8Dの組合せ、これでスナップするのも案外悪くない。何よりレンズがコンパクト(AF-Sよりもずっと軽量コンパクトで全長も短い)なので、持ち出ししやすい。
ということで、娘を早朝塾の講習に送り出した後、午前中まだ早い時間帯だったので、城南島海浜公園に行ってきました。

まだ潮干狩りのシーズンではないので、やっている人も見かけなかったけど、もう水遊びできるくらいに気温が上がっていましたね。
そして花粉?黄砂?で空が霞みがちだったので、あまり抜けの良い絵にはならなかったですが、広角レンズと飛行機、悪くないですね。

AI AF Nikkor 20mm f/2.8Dは、元をたどるとAI Nikkor 20mm f/2.8Sという1984年発売のMFレンズから同じ光学系でAF化したレンズなので、今時の広角ズームと比べても、色収差が出るし、解像力もいま一歩ですが、でもこうやって持ち出しやすいのは魅力です。
フレア、ゴーストも出ますが、太陽光を入れた時の光芒が良い感じです。
あと、一眼レフのD850に着けて撮りましたが、ミラーレス機だとこういう太陽が入るような撮り方って、センサ焼けが心配で、どうも気を使ってしまうのですが、一眼レフならそこまで気を使わなくて済むのもよいですね。そういった点で、一眼レフも手放せないです。

望遠も持ってきました。こちらはZ9とZ 180-600mm、さすが現代のズームレンズ、ちゃんと撮れます。でも単焦点のロクヨン持ってくればよかったな…

あとはもうダラダラとスナップしながら浜辺を歩きました。もう春を通り越して、いきなり初夏が来た感じの気温でしたね。

望遠と広角の両極端ですが、楽しいですね。広角は今はスマホでも撮れるし、あえて古い広角レンズで撮るメリットはないけど、いいんです。撮っていて楽しければ。
広角なんかもうAF使わず(空主体だと返ってAFが迷って撮れない)、すべてMFで撮っていますが、どうせパンフォーカスなのでシビアなフォーカシングも必要ないですし。
ただ、モータ非内蔵のこの時代のAF Nikkorって、MFにするとフォーカスリングがスカスカなので、すぐフォーカスズレちゃうのが玉に瑕です。
そういう点だけは、AF-Sレンズや最新のZレンズに部がありますね。


最新のNIKKOR Z 20mm f/1.8 Sともなると、MTFも昔のレンズとは大違い。

【百里基地】25/2/23の記録 コープ・ノースからF-35Aが帰国

コープ・ノース25で日米豪のF-35戦闘機がグアムに集結し共同訓練が行われていました。

21日までの訓練を終え、23日、ホームの三沢基地より先に、一旦百里基地に飛来するとの情報。せっかく日曜日なので、見に行ってきました。

ちょっと早めにファントムを拝んできました

さて百里基地にF-35Aが戻って来る時間は13~16時と公表されていましたが、この手の予定はだいたい遅い方になるんですよね。

タイガーエア台湾のA320Neoが上がろうとしたところに、無線が入りました。コースサインは「レガシー」。すわタイガーの機体に阻まれるか…

いや、先にタイガーエア台湾が上がりました。ふぅ。続けざまにF-35Aの期待が見えました。ギアは後ろから先に出るんですね。

カエル(302SQ)とオジロ(302SQ )の29-8733と732号機です。2から始まるので2022年導入の機体ですね。そして既にもう40機導入されているんですね。
元々F-4EJファントムII戦闘機の代替として当初は42機導入の予定だったので、先にファントムが退役してやっと当初の予定機数に近づいてきました。
その後、F-15JのPre-MSIP機の代替もF-35AとB型と決まり、最終的に147機導入予定となっています。

久しぶりのカエルとオジロ、懐かしいよね。一昔前までどちらも百里基地のファントム部隊だったんだもの。

さて予定では4機帰投ですが、2機の後先にスカイマークのポケモンジェットが離陸のためR/W03Lに待機。
そこのにこりの2機が降りてきました。

結局スカイマークが上る前に2機がタッチダウンすることに。

728と729号機でした。ちょうどタッチダウン直前で太陽が遮られて暗くなってしまいました。あとスカイマークのジェットブラストの影響で絵が甘くなってしまったので、そこは割愛。

スカイマークが上がってこの日の撮影は終了でした。ポケモンジェット、ウイングレットの外側だけでなく内側にもピカチュウが描かれているんですね。
お手振りもありがとうございます!

月曜日の三沢に向けての帰投は仕事があって見られなかったけど、上がりで捻ってくれたようですね。

久しぶりにベランダテレ(望遠)ワーク

コロナ禍だった数年前はよくベランダフォトやっていましたね。
それこそベランダからブルーインパルスを撮れたのは本当に嬉しかったです。

この週末、2月とは思えない気温15℃になったのと、入間基地のC-2輸送機が体験搭乗で家の近くも飛行していたので、久しぶりにベランダで望遠撮影(つまりテレワーク)を実施。
仕事の方のテレワークは、自分の業種的に現物を触らないと出来ないものが多いので、すっかりやらなくなりましたが。

機体はC-2 (18-1213)で、コールサインCOSMO13で飛んでいました。気温が高く、遠方は陽炎の影響が酷かったけど画質はいまいちだけど富士山と絡めて撮れたので良しとしましょう。

夕方は羽田新ルートで羽田に降りていく旅客機を撮影。

B787-9やA350-1000といった新世代の機体も増えて来ましたね。その一方、B767-300のような古い世代(ただB787の納期遅れで導入した機体なので機齡自体はそれほど古くはない)の機体もまだまだ現役です。

この撮影ではAF-S 600mm f/4GとTC-20EIII、久しぶりの2倍テレコンでしたが、2倍ともなるとフレーミングは三脚があっても難しい。やばいな、2倍テレコンの感覚も取り戻さないと、すっかりフレーミング感覚が鈍ってます。

GITZOのフルードジンバル雲台は安定性が高くて良い

高かったGITZOのフルードジンバル雲台、最近はビデオ雲台と望遠レンズの組み合わせも多いですが、ジンバル雲台はカックンとレンズが下を向いてしまう事故が原理的にないので、重い望遠レンズほど安心感がありますね。


フルードジンバル雲台、高いですが安定感抜群です。望遠端焦点レンズならこれですね。

【百里基地】25/2/7の記録

2025年初の百里基地撮影。今年度で退役となるC-1輸送機を撮りに入間基地へ行こうか迷いましたが、今年に入ってファイターをまだ撮っていないということで、行ってきました。

AGG訓練予定ありでしたが、これはあくまで予定なので、飛ぶかどうか入ってみないと。ノーフライトの「魔の金曜日」とも呼ばれるこの日でしたが、行ってみると早朝からハンガーにF-2戦闘機とT-4練習機が並んでいました。

そして珍しく(笑)朝早めから訓練開始。

F-2A (13-8512) 電線入って大失敗…

シャッタースピードが遅かった(息子のサッカー撮影の設定のまま)、そして電線被った! 場所を間違えましたね。トホホ…
まあリハビリ撮影なんでこんなもんです。

午前はT-4のフォーメーションもあったのですが、レンズが長かったな…。そして空気が乾燥していてヴェイパーが全く出なかったのが残念。
この日は午前中西風で、滑走路はどちらを使うか微妙でしたが、読み通りR/W21運用でした。

陸自のUH-1Jも来ました。UH-2ではなかったけど、今後UH-2はどんどん増えていくだろうから、J型も退役が進むでしょう。
色々撮影場所を転々としながら、のんびり撮影。

この後の2ndは光線状態が微妙で撮影はせず見送り(撮影ポジションを失敗しただけですが)、そららで買い物をして昼食をとり、戻ってきた機体を撮影。

スペマのF-2B (53-8130)も撮れたので、まあ良しとしましょう。
その後、移動しようかと思ったけど、風向きが微妙。もしやと思ったら、ランチェンとなりました。

午後再び来た陸自のUH-1J (41925)でしたが、R/W03で進入。タッチアンドゴー訓練でした。なるほど、風が微妙に西北西になったので、もしやと思ったら、やっぱりそうなったか、といったところ。

3rdで再びF-2が上がります。2機のみ。どうやらAGG訓練の様子。午後だと光線状態や飛行高度から、あまりダイナミックな撮影は期待できないと思いつつ、上がりを撮って直ぐに移動。

600mmにx1.4テレコンでも遠い。そう、ここからのAGGは割と高度が高いんですよね。写真はもちろんトリミングしています。
あまり絵にならなかったとはいえ、この時間のこの場所、月が入るんですよね。うまいこと月に機体が入らんかなと撮っていたら、入りました! なかなか狙って撮れないので(同じ軌道で機体が飛んでくる可能性が低いので)、偶然といえば偶然ですが…。でもまあそれなりに狙っていたので満足。

このあとF-2は別の訓練で空港空域を離れたので、最後に降りてくる機体を狙って移動。ギャラリーは自分1人。まあローカルのなんでもない日なので、そうですよね。
またしてもT-4のフォーメーション、レンズ長すぎて撮れず…。タッチアンドゴーを何度か実施。

スカイマークを撮り、降りてきたF-2とT-4を撮って、この日の撮影は終了しました。

お疲れ様でした!

【百里基地】百里基地航空祭 2024/12/8の記録 その3

いよいよ午後のF-2戦闘機によるAGG(空対地射爆撃)です。

去年一昨年の成功体験を引きずってしまい、撮影ポイントとレンズの選択を少々誤ってしまいました…。
パッカーンは850mm(ロクヨン+x1.4テレコン)では近すぎてはみ出した。
去年はAGGと言いつつ2機揃っての8の字機動も見せてくれましたが、今年はそういうのがなかったですね。

全体的に午前の機動飛行と比べると、やや消化不良な撮影となってしまいました。でも、この1週間トータルでは色々撮れたのは良かったです、ということにします。

そして帰投は場所を移動して撮影してきました。
ゲスト機が帰っていきます。もう少しで退役のAH-1Sコブラ、後継機が決まったT-7練習機。T-7なんて、元を辿ればT-34メンターを改良し国産化したT-3を経てさらにそれを改良したのがT-7ですから、もうこれ以上の発展の余地がない機体なんですよね。まだしばらく飛ぶでしょうけど、こういう機会を見つけて撮っておかないとです。

小松基地のスペマF-15Jは格納庫へ。これらの機体は翌日月曜日に帰投しました。
久しぶりに見たタイガーエアに続き、オスプレイも帰投します。事故があったので来るかどうか心配でしたが、操縦ミスによるものとのことで、飛行再開できてよかったですね。夕日に照らされ一番エモく撮れました。

最後に帰投したのはC-130Hでしたが、これは帰りに寄ったそららから拝むことが出来ました。

これで2024年のイベントも締めとなりますね。今年は移動機材として自転車を更新したりしましたが、今回の百里基地航空祭でその課題も見えたので、自転車はアクセサリ類をまた購入したいな。カメラは…もういいや今ので理想の体制ですし。でも重たいレンズ、ロクヨンは軽くしたいな…、そんな事を考えながら締めとします。

【百里基地】24/12/2の記録 その3

この時期は日が短いですから、15時も過ぎると夕陽になってきました。早いなぁ、と思いつつ、3SQが再び動き出します。
ローカルの訓練なのか、航空祭向けなのか? 航空祭はこの時間はもう終わっているので、時間的にはもうやらんのかなと思いつつ、ちょっと期待しちゃいます。

先にT-4が上がりましたが、F-2戦闘機は待機。どうやらSKYMARKが先に上がるようです。

F-2戦闘機の1機が珍しくR/W03のL/Rの間で待機。そこにSKYMARKが来たけど、小回りがきくB737なので、眼の前でクルンとターンして上がっていきました。

F-2戦闘機はスペマ機を含む6機が待機。

夕陽に映えるF-2戦闘機が上がっていきます。
そして、やっぱりローカルの訓練ではなかった! 航空祭に向けての訓練ですね。フォーメーションにAGGとこなしていきます。
ああここまでやるなら、撮影場所ここじゃないほうが良かったか? まあ、それは本番にとっておきましょう。ここでしか撮れないものもあるということで。

パッカーンは真横で撮りたいな~。この時間のフライト、普段ローカルでこんな機動やらないので、もう心のなかではプチ航空祭、しかもこの夕陽に映える時間帯です。

終わりと思わせつつ、タッチアンドゴーで再び上がります。

いやぁこの時間、ホント絵になりますね。フォーメーションは4機、残りの2機は別行動でした。

せっかく夕方のこの時間、実はこの明るさでの戦闘機撮影は久しぶりの撮影、かつちょっと暗い望遠ズームのZ 180-600mmでは初めてなので、流し撮りで遊んでみました。

と言っても自分ができるのは1/125秒。腕の立つ方は1/30秒とかで流すんだからすごいですね。それでも何枚かはうまくいきました。
そして、本当に真っ暗にならない限り、開放f6.3のレンズでも、割とちゃんとAFが使えて迷うこともありませんでしたね。
Nikon Z 9もZ 8も、正直カタログスペックほど暗所AFが強いとは思えず、そこはまだD6とかD850クラスの一眼レフのほうが有利と思っていますが、食いついていればZ 8とかでも外すことはなかったですね。
ミラーレスの像面位相差AFは、フォーカス大外しからの復帰は苦手なようですが、そうでなければむしろコントラストAFも併用して食いつきは良いようです。

ってことでこの日の撮影は終了。満足の行く撮影ができた1日でした。
これは本番も楽しみですね~

【百里基地】24/12/2の記録 その1

11月に行こうと思っていた百里基地、ついに行けなかったので、百里基地航空祭の予行演習をしているこの時期に初めて行ってみました。

ポケモンジェットがいたよ B737-800 (JA73NG)

朝、ハンガーにはまだ3SQのF-2戦闘機は並んでおらず、相変わらず朝が遅いなと思いつつ、ふと空を見ると…

逆光だけど、小松の306SQのF-15J (72-8962)が!

おおお、ホームの3SQが動くより前に、先に306SQがおいでになりました!

この時間空港側からは逆光だけど、まずはこれが見られてよかったね。
もちろん、ただ来るだけじゃないでしょ。

いや~やってくれましたね。ハイレートからの大暴れ! もう航空祭始まりましたっけ?

久しぶりに豪快なF-15の機動を見ましたね。
画角もちょうど600mmレンズにx1.4テレコンでよかった。
ただ、これだけ晴れると、12月でも気温が高く、もっと低空の状態では陽炎が出て全く解像せず。難しいですね。

とにかくアフターバーナーガンガン炊いて豪快に機動して、もうこれだけで午前中の撮影は満足。
ところで百里基地所属の3SQは?? この時間にハンガーに機体を並べ始めていたようです。相変わらず朝が遅いのね(笑

午後の写真はまた次回に。

【4ヶ月使ったレビュー】NIKKOR Z 180-600mmは航空機やスポーツ撮影に適した入門望遠レンズ

2023年8月31日に発売され、事前予約で真っ先に手に入れたNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR

NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR導入

タイトルに結論を最初に書いてしまいましたが、この数か月の望遠撮影では、Fマウント単焦点望遠レンズAF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR(以下ロクヨンG)と共に、このNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VRで撮影をしてきました。荷物を減らしたい撮影状況でも、Z 180-600mmは活躍しています。
そもそもAF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VRは、気軽に持ち出せる重量サイズのレンズではないので、Z 180-600mmの出番の方が多くなっています。

私の戦闘機・航空機撮影のメインレンズは、現在もあくまで単焦点レンズのロクヨンGですが、ネイティブなZマウントの最新レンズであるNIKKOR Z 180-600mmがどの程度航空機撮影が可能か、また画質やAFの速さはどうか、簡単に比較していこうと思います。
また、息子がサッカーを始めて、試合を撮る機会も出てきたので、サッカー撮影についても書こうと思います。
このレンズの撮影はほぼ動態メインとなっているため、静態撮影中心の方と少し評価が違うかもしれない事をご了承ください。
野鳥撮影も行わないため、被写体との距離は離れた場面が多いです。

●サイズ・重量・操作性

全長は315mmとやや長め。縮めた状態のAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRよりも48mm長いため、カメラバッグは選ばなければなりません。

180-600mm用にレンズケースNikon CL-L2を購入しました

ただインナーズームなのでズーミングに係わらずレンズが伸びないのが特徴です。
伸びるズームの場合、重心変化が大きい、レンズに埃が入りやすいといったデメリットがある反面、ズームの広角側ではレンズ全長が短くなるため、持ち運びの点では有利です。
ズームで伸びないのは、個人的にはメリットが大きいと思い、特に望遠域での重心変化は、ブレの発生具合にも影響してくるので、大きなメリットです。
ズームリングの回転角度は70度と小さいため、、AF-S 200-500mmより高倍率になったにも関わらず、ズームリングを持ち直すことなくズームの端から端まで移動でき、素早いズーミングが可能です。
かつて使っていたSIGMAの150-600mm Sportsは、伸びるズームを生かして直進ズームのように使うことが可能で、これはこれで便利でしたが、ズーミングしたときの重心移動が厄介でした。そもそもレンズ重量も2,860gと割と重かったですし。
またAF-S 200-500mmはズームの回転角が160度近くあり、素早いズーミングに難ありでした。
それと比べると、Z 180-600mmは小さな回転角と、リングのトルク変動もほぼなくスムーズなので、使い勝手は良好です。

Z 180-600mmは重量も2,140gと比較的軽量。ただこれを軽量ととるか、重いととるかは人それぞれ。私は何せ5,060gの重量級なロクヨンGを使っているため、それからしたらずっと持っていられるくらい軽量に感じます。少なくとも長時間手持ち撮影も苦にならないレベルです。
これが初めての超望遠ズームという人には重く感じるでしょう。ただ、これより軽いとなると、フルサイズならNIKKOR Z 600mm f/6.3 VR Sと言ったやや暗めの単焦点か、M4/3など小さなフォーマットのカメラ&レンズを使うしかないでしょう。
600mmという焦点距離は、それなりの覚悟は必要なレンズです。買っても扱いきれずに手放す割合が高いのも、この手の超望遠レンズだったりします。

操作性は、まず本体スイッチとボタンは必要最小限で、フォーカのA/M切替とフォーカスリミッター、そしてL-Fn1ボタンがあります。
手振れ補正の切替はボディ側のメニューからの設定で、私は手持ち撮影が殆どで、ほぼSportsモードしか使わないので、本体側の切り替えスイッチが無くても困らないです。
L-Fn1ボタンにはAFロックやAF ONなど、あらゆる機能が割り当てられますが、私はロクヨンGと同じ、フォーカス位置呼び出しを割り当てています。
万一フォーカスを大外ししても、無限遠手前位にフォーカスが来るように設定しているので、このボタン1つでもあるかないかは大違いです。AF-S 200-500mmやSIGMA 150-600mm SportsにはFnボタンはありません。

マルチコントロールリングは、デフォルトのフォーカスリングの設定で使っています。
息子のサッカーの試合では、選手が入り乱れた場合に、息子以外にフォーカスが持っていかれることがあったため、コントロールリングを併用しフォーカスを時々MFとして使いましたが、概ねリ回転角に対しリニアにフォーカスは追従します。使い勝手はAF-SやSIGMAのHSMのリアルタイムMFと大きく変わらない印象でした。

ほぼAFで問題ないけど、とっさのMF操作も概ね良好

ズームリングのすぐ手前にコントロールリングがあるので、ほぼ持ち替えせずにフォーカスリングからコントロールリングに手を伸ばせるので、さっとMF出来るのも良いですね。

使い勝手については、トータルで満足です。

●解像力

まず画質で一番わかりやすいのが解像力です。
Zマウントレンズは、安価なものも含めて、解像力不足を感じることはほぼなく、特に画面周辺ではFマウントの同クラスのレンズと比較しても、安定した解像力を提供してくれます。
Zマウントでは高倍率ズームのNIKKOR Z 24-200mmでも従来の高倍率ズームのネガを感じさせないくらい、画面の隅々までしっかりと解像します。
レンズは望遠になるほど、光学設計上後玉(一番カメラ側についているレンズ)も撮像面から離れるため、一眼レフとミラーレスでの差は少ないと言われています。
しかし、実際にはZマウントの180-600mmは、Fマウントの同クラスのレンズであるAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRを確実に越える画質を提供してくれました。
元々FマウントのAF-S NIKKOR 200-500mmも比較的良好な解像力でしたが、Z 180-600mmは全焦点距離でさらに一皮むけた印象です。
少なくとも、AF-S 200-500mmや、Tamron, SIGMAの150-600mmクラスからの買い替えでは、解像力は確実に向上します。
各種収差の少なさも、解像力に貢献しているでしょう。

航空機のディテールもよく出ています

中心付近は、どの焦点距離でも絞り開放から解像力は高いです。画面隅は比較するとやや低下する傾向はあるもの、一眼レフのレンズと比較するとその差は大きくはなく、
安定しています。1段絞れば周辺解像力も向上しますが、私はほぼ絞り開放でしか使っていませんが、画質低下は殆ど感じられないので、安心して絞り開放から使えます。
SIGMAは600mm付近は少しだけ絞ったほうが良好、AF-S 200-500mmは開放から問題なく使えるも、少し絞ったほうが良くなりました。それと比較しても、Z 180-600mmは航空機撮影ではほぼ絞り開放で問題なかったです。

実のところ、解像力だけの話をすると、条件にもよりますが古い単焦点のロクヨンGにかなり迫っていると思いました。ほんとうに技術の発達にはビックリです。
もちろん、しっかりブレなく撮れた場合は、古くても単焦点のロクヨンGの方が圧倒的にしっかりと解像するものの、その差は以前の望遠ズームよりも縮まってきていると言えます。
条件によって、と書いたのは、やはり被写体との距離や明るさ、コントラストの条件の変化が大きくあっても、古くても単焦点レンズの方が安定性は抜群に高いです。そこは明確にズームと単焦点レンズの差が出るところです。特に最短撮影距離付近では、Z 180-600mmはやや画面隅の解像力が低下する傾向は感じます
なので、このZ 180-600mmは単焦点望遠よりは各種条件での安定性(解像力だけでなくボケ味など総合力)は一歩引くものの、日中なら殆どの場面では十分な高画質を発揮できるレンズと言えます。
望遠レンズに於いて、画面の隅までカリカリに描写させる場面は少ないと思いますが、遠景の風景などは、2段絞ると、隅々まで解像力が上がります。

●ボケ味

味、と表現するように、好みの分かれる部分です。
f値の大きなズームレンズだけに、広角側でのボケはやや中途半端です。
また、背景の距離と被写体によっては、ややボケがざわつくこともありますが、それでもAF-S 200-500mmと比較しても、背景ボケは滑らかに感じました。

後ボケは悪くない
ズームと考えれば後ボケは素直

後ボケと前ボケ、前ボケのほうがざわつく印象はあります。

前ボケは少しざわつく印象

ただ、一般に後ボケのほうが重視されることは多いので、この手のズームではこんなものかな、という感じですね。決してうるさいボケというところまではならないです。

単焦点には敵わないものの、この価格帯の望遠ズームとしては大きな欠点はなく、良好です。
望遠側で口径食が少し発生するようですが、玉ボケを気にするような撮影をしなければ、特段欠点にはならないでしょう。

●倍率色収差・軸上色収差・球面収差

いずれの項目も全く気にする必要はなく、RAW現像で倍率色収差のチェックを外しても、色収差は気になりません。軸上色収差も実写では全く気にならないですね。
最短撮影距離付近で、やや球面収差による影響があるような…気がしないでもないです。最短撮影距離付近では
解像力低下を感じるのは、球面収差の影響かもしれませんが、あからさまに目立つほどの球面収差ではないかと思います。

●湾曲収差

糸巻き歪みは補正を外すとあるようですが、大きくはないため、補正をした所で画質に影響は感じられません。
常時補正で良いでしょう。
コマ収差は、そのような撮影シチュエーションがないため未評価です。

●AF速度

NIKKOR Z 180-600mmはAFモータにSTM(ステッピングモータ)を使用しています。
STMはパルス波による電流のON/OFFに高速に繰り返すこと(これをスイッチングと言います)でモータを回転させます。1パルスごとの回転角が決まっているため、パルスの発生回数で回転角を正確に出すことができ、またパルスを発生させる間隔を変化させることで、ゆっくり回すことも速く回すことも可能です。速度制御しやすく、エンコーダのような角度センサを別途用いる必要がなく、回転角度が正確という特徴があります。また静粛性も高く、ほぼ無音です。
半面、DCモータや超音波モータと比較してトルクがやや低めという欠点もあります。
このため、従来は比較的小型なレンズや、安価なレンズに用いられてきました。

航空祭のフォーメーションからのブレイク、こういうのは全く問題なくAF追従

Nikonでは、現状Zマウントレンズでは殆どがSTMを採用していて、高価な超望遠レンズの一部のみが、SSVCM(ボイスコイルモータ=リニアモータ)を採用しています。
NIKKOR Z 100-400mmは、ややAFが遅め、と言われていました。
本レンズに関しては、爆速ではないものの、超音波モータのAF-S 200-500mm比較しても速いと感じられるレベルです。超音波モータだから何でも爆速というわけではなく、結局のところ超音波モータでもレンズによって採用されるモータが変わりますし、f値にもよりますし、STMだからとかリニアモーターだからとか、一概に言えないです。
さすがに同じAF-Sでも、AF-S 600mm f/4G(ロクヨンG)の方がスパっとキレのある速さですが、Z 180-600mmもこのクラスのレンズとしては健闘しているほうでしょう。

A/Bを焚いての離陸も問題なし

ただし、コントラストが低い被写体で、時々AF速度低下を感じます。スーではなく、じわーといった感じに遅くなることがあります。
これはレンズのせいというよりは、カメラ側の問題でしょうね。Nikon Zの像面位相差AFは、少しでも暗いとあまり機能せず、コントラストAFに依存する傾向がありますが、自衛隊車両のようなカーキ系の車両のようにコントラストが低いと、さらにAFが合わなくなる場面が何度かありました。
この辺りは、レンズよりむしろカメラ側の改善を望むところです。

雨天では迷彩の99式自走榴弾砲より手前の雨粒にフォーカスが合うことも→素早くMF操作して撮影

戦闘機が十分追えるので、旅客機や大型軍用機程度の速度は何ら問題なく撮影出来ます。

大型機なら80年代のAF機とレンズでもAFで追えますからね

息子のサッカー撮影は、まだ小学校低学年なのでスピードはさほどではないですが、少なくともAFの遅さは感じず、3Dトラッキングでしっかり追いかけられていて、フォーカスが追い付かないことはないですね。

息子が始めたばかりのサッカーでもZ 180-600mmは大活躍!

このクラスのレンズとしては十分速いと言えます。モータの種類だけでなく、フォーカス群のメカ構成やカメラボディ側の性能で、AF速度は変わりますので、STMだから遅いという先入観は持たないほうが良いですね。

●総評

ポートレイトや風景、野鳥撮影では評価が変わるかもしれませんが、少なくとも私が良く撮る動態撮影の航空機、そして息子のサッカー撮影に於いては、なかなかのパフォーマンスで、このクラスの望遠レンズとしてコストパフォーマンスが高いレンズと言えます。
Nikon Zユーザーの超望遠レンズ入門として、広くお勧めできるレンズです。そしてさらに重箱の隅をつつきたくなったら、単焦点レンズの世界へどうぞ!
執筆時点(24年1月)でもまだ品薄なのが残念なところです。


↓専用ケースではありませんが、ボディを装着したままピッタリ入りますよ

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2024年の初飛行機撮りは成田でした FLYING HONUも見られたよ!

2024年1月5日。実は百里基地に行ったのですが…動きなし。
個人的統計によると、1月5日に訓練開始で飛ぶ確率は1/4くらいかな? 2023年は飛行始めが1月4日だったらしいです。5日も飛んでいました。

午後になっても動きなしなので、昼食してそららでお買い物の後、成田に向かいました。いつもの流れですね。無難にさくらの山公園です。
まだ正月休みの人も多いとあって、飛行機を眺める人達で賑わっていました。

しかしまぁ…無線垂れ流しおじさんとか、次は何が来るとかずーっと大声で叫んでいるおじさんとか、なかなかのカオスですね😅

そんな中見られてよかったのが、クロネコヤマトの機体と4発機ですね。

そしてFLYING HONUのオレンジ(通称La”ラー”)が降りるとのこと。おお、さすが大きい!

総2階建ての機体だけに、結構ずんぐりした印象ですね。世界的に4発機はコストの面から減少傾向にあり、A380も10年程度で生産終了してしまったため、今後20年で4初来を見る機会はどんどん減ってしまいそうです。B747もどんどん姿を消していて、見るなら今のうちですね。

【百里基地】23/11/20の記録

仕事は忙しいのですが、もう気持ちをリセットしたいのと、技量維持、そしてNIKKOR Z 180-600mmで戦闘機撮影してみたく、百里基地に出向いてきました。

午前。

浜松基地の第41教育飛行隊のT-400(41-5054)が。新人パイロットの教育訓練かな? 後はT-4が上がったのみ。F-2もエプロンに出ていたんですけどね…。3SQ、あまり上がらないんだよね(笑

午後。
やっと3SQのF-2が動き出す。

冒頭のF-2と最後の3枚のT-4はAF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR(ロクヨンG)で、それ以外をNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VRで撮影。
結論として、古いロクヨンに迫る解像力はありますし、オートフォーカスのスピードも、FマウントのAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRよりむしろ少し速いくらいでした。
よくSTM(ステッピングモータ)のAFレンズはAFが遅い、何ていう人もいますが、モータの種類だけでAFの速さは語れないと思いました。
そもそも光学設計も違うレンズ同士で、AF用モータの種類だけで語っても仕方ないです。
そしてズムリングも回転角が小さいのでズームアップやダウンでも素早く出来て使いやすいですね。直進ズーム出来たSIGMAの150-600mm Sportsも便利でしたが、ズーミングで重心が変わるため、安定性という面では重心変動が少なく鏡胴が伸びないNIKKOR Z 180-600mmのほうが有利ですね。

そして重たすぎるロクヨンと比較すれば、Z 180-600mmは相対的に軽いので、もう撮影が楽で仕方ないです。ロクヨンも最新の軽いのに買い替えたいです。宝くじ当たらないかな(笑

撮影ポイント移動。あえて、その時間は逆光になるけど、降りを間近で撮りたくてここへ。

いや~近い! 特にフォーメーションで降りてきた時は、気が抜けていたのでとっさに構えて画面いっぱい。
ロクヨンとZ 180-600mmのちゃんぽんで撮りましたが、やっぱりロクヨンは単焦点、古くても抜けは良いですね。ただZ 180-600mmも負けていません。

この日の戦闘機はこれだけ。とはいえ、ノーフラとかでなくてよかったです。

最後にまたポイント移動しましたが、F-2は格納し始めて、残念。
救難のUH-60Jと、横風で斜めに向いたスカイマークの降りを撮り(見事な着陸でした!)、コールサイン「はやぶさ UH-2」の無線を聞いて急きょ撮影した陸上自衛隊の最新汎用ヘリUH-2が撮れたので良しとしましょう。

まさかUH-2が見られるとは。今後はたくさん見ることになるんでしょうけどね。