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【観艦式2022】フリートウィーク 木更津新港で護衛艦を見学してきた2

10月30日(日)の国際観艦式2022のフリートウィークの第1弾として開催された、木更津新港での護衛艦展示。
最新鋭の「もがみ」型護衛艦に続き、護衛艦隊の防空、そして弾道ミサイル防衛の任務も追加付与された、イージス艦も見学してきました。

イージス護衛艦「あたご」(DDG-177)

イージス護衛艦「あたご」(DDG-177)は、海上自衛隊で5番目に就役した、イージスシステムを搭載する護衛艦です。2007年就役当初は、イージスシステムのバージョンはベースライン7.1でしたが、現在はベースライン9.0とアップグレードされるとともに、就役時になかった弾道ミサイル防衛のBMD5.0も付与されました。
就役から15年たち、従来の概念いえば、艦齢半ば、といったところですが、折からの予算不足により、1993年にに就役したイージス護衛艦「こんごう」も、まだ後継艦の話は聞かないことから、「あたご」もまだまだ長く使われることでしょう。

「こんごう」型よりも踏み込んだレーダーステルス対策がされていますが、最新鋭の「もがみ」型護衛艦を見たあとでは、ステルス対策はもう一歩というところです。
最も、戦闘艦のステルス対策は、敵レーダーやミサイルからの探知を遅らせることが目的なので、やりすぎると使い勝手の悪いフネとなるので、そのあたりのトレードオフが難しいですね。

それにしても、久しぶりに近くで見るイージス艦、やはり大きいですね。重厚感が違います。いかにも強そうです。

乗艦してすぐに、前甲板で62口径5インチ砲と高性能20mm機関砲ファランクスの動作展示がありました。

5インチ砲の旋回、ちょっと油切れっぽい音がしますが、こんなものなのかな?
ファランクスは、ちょうど見づらい位置で、空発射したとき見えなかったのが残念(音だけで楽しみました)。

22隻と大量建造予定で、今後の護衛艦隊のワークフォースとなる「もがみ」型護衛艦、防空の要として今後も長きにわたって活躍するであろうイージス護衛艦「あたご」を両方見られるのは、なかなかないだけに、木更津の展示は非常に良かったと思います。
横須賀より交通アクセスが限られる分、並んだとは言え30分掛からない程度でしたので、じっくり見学できました。

され今週末はいよいよ国際観艦式。今回は一般非公開となってしまったのは残念ですが、どこからか眺めたいなとは考えています。

【観艦式2022】フリートウィーク 木更津新港で護衛艦を見学してきた1

先週末、妻が腹痛で救急搬送となって、本当は土曜日に行こうと思っていた、国際観艦式2022のイベントの一環である、フリートウィークはパスしようと思っていましたが、日曜日、ある程度回復してきてお出かけして問題なさそうな感じだったので、息子を連れて木更津新港に行ってきました。

駐車場430台、混むだろうけど止められるだろうと甘く見ていたら、なんと駐車待ち1時間以上と言われ、結局近隣駐車場に停めてからの移動となりました。
同日横須賀でも艦艇公開を行っていて、そちらよりは人は少ないのですが、それでも大盛況でしたね。

護衛艦「もがみ」(FFM-1)を見学

個人的に横須賀をパスして木更津に向かったのは、最新鋭の護衛艦「もがみ」型2艦が来ているから。横須賀の護衛艦「いずも」は見学したことがあるし、並びの列もすごそうですからね。

見学の列に並びつつ、最新鋭の護衛艦のディテールを外から眺めるとします。
就役直後、横須賀に配備されてすぐに、軍港めぐりの観光船から眺めたりしましたが、今回は乗艦できるとあって楽しみです。

2022年に就役した護衛艦「もがみ」(FFM-1)と「くまの」(FFM-2)

一見して、これまでの護衛艦よりもステルス性を重視した、外壁を大幅に傾斜させ、かつ突起物を減らした外観が印象的です。
これまでもステルス対策は護衛艦も行っていたものの、欧州のものと比べると控えめでした。単純に船としての使い勝手や取り回しも悪くなるため、トレードオフとなる点も多いようです。
「もがみ」型は、係留具なども極力船体に格納しているため、整備性や使い勝手は気になるところです。

やはり従来の護衛艦とは一線を画すデザインです。かなり欧州のステルスフリゲートを意識している感じがあります。
特徴的な複合空中線「ユニコーン」は、内部に複数のアンテナを搭載し、メーカーもうこれを海外に売りたい感じですね。もう専守防衛、国内専売の時代ではない感じですね。
「ユニコーン」アンテナの根本を見ると、カメラが6方向に搭載されています。これで360度周りの状況をCICのスクリーンに映し出して確認できるようです。その上にあるものは、光学複合センサーでしょうか?
とにかくアンテナ周りは色々興味が湧きます。

それでは乗艦します。2艦のうちのどちらに分散乗艦となり、今回は1番艦「もがみ」を見学できました。

最新鋭の護衛艦とあって、艦内の撮影は禁止でした。ステルス性重視のため、多くの装備を艦内に収めていますが、まだ装備されていないものや、艦内壁の材質など、従来うと結構違うな、という印象でした。
旧型の汎用護衛艦「あさぎり」型と比較しても、実際には排水量が大きく、見た目も中身も、乗ってみると思ったより大きいという印象。それでも、この後に乗ったイージス護衛艦「あたご」と比べると、艦内の通路などやや狭く、このあたりはイージス艦の余裕のある大きさと比べると、ギリギリのサイズなのかなという感じもしました。

とにかく随所に、これまでの護衛艦とは違う流れを感じさせ、これは自衛隊だけでなく海外にも売りたい、という考え方が現れているようにも感じました。

続いてイージス護衛艦「あたご」を見学しましたが、その話はまた。

Nikonと潜望鏡

Nikon(旧日本光学工業)と旧海軍、及び現在の海上自衛隊のの結びつきは非常に長く、というより国産兵器の光学系の国産化を目指して設立された会社なので、当然と言えば当然ですが、現在でも、海上自衛隊の潜水艦に搭載されている光学潜望鏡はNikon製です。

上の写真は、2008年に行った海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」の退役潜水艦「あきしお」に搭載されていた光学潜望鏡で、1984年製とあります。ゆうしお型潜水艦「あきしお」は1986年に竣工していますが、その2年前に調達されたようですね。
塗装の質感や、塗装が剥がれて真鍮が見えている感じが、Nikonの初代一眼レフ、Nikon Fを彷彿とさせます。

光学潜望鏡と電子潜望鏡

潜水艦の潜望鏡は、潜水艦物の映画なんかでよく見かけますが、潜水艦内の発令所に設置されています。その上には、潜水艦特有のセイルがあり、潜望鏡は使用時にセイルの上に伸ばして、海中の潜水艦から会場の様子を見ることが出来ます。

海上自衛隊初代潜水艦「くろしお」(旧米海軍ガトー級ミンゴ)の模型 中央の2本の筒状のものが潜望鏡とその格納部分

潜望鏡は常に露出しているわけではなく、使用しない時は、潜水艦の艦内に格納します。潜水艦は海中に深く潜航するために、強靭な鋼の船体(耐圧殻)を持ちますが、潜望鏡が通る部分は船体に穴を開けているわけですから、ここから如何に水漏れさせないかが最大の課題でした。
光学式潜望鏡の場合、潜望鏡を格納しても、ある程度の光学系は長さを必要とするため、格納時は発令所より下の部分まで格納スペースを必要とします。
これが光学式潜望鏡長年のデメリットでした。内部に複雑な光学系とミラーがあるため、格納スペースを要しました。
上の写真で分かるように、潜望鏡の筒は船体の下まであるのがわかります。

しかし、スチルカメラの世界と同様に、近年は潜望鏡のデジタル化、ミラーレス化がなされています。
21世紀に入って、電子潜望鏡とよばれる、デジタルカメラや赤外線などの各種センサを搭載した潜望鏡が登場しました。これらは筒の上部にカメラやセンサが搭載されているため、従来の潜望鏡のようにミラーはなく、潜望鏡で見た画像は艦内のモニタに表示可能です。このため、耐圧殻を光学系が貫通する必要もなくなっています。デジタルなので、映像をデータに残すことも可能です。
もっとも、従来の光学潜望鏡も、カメラを取り付けてデータを残すことは可能ですが。

海上自衛隊では、1世代前のそうりゅう型から、従来の光学潜望鏡(Nikon製の13m光学潜望鏡B型改5)にプラスして、電子潜望鏡として、英タレス社製CMO10を三菱電機がライセンス生産した非貫通式潜望鏡1型を搭載しています。

そして最新の潜水艦たいげい型では、ついに光学式潜望鏡はなくなり、非貫通式潜望鏡1型改1にプラスして、三菱電機製(光学系はNikon製)の光学センサA型が採用されています。主契約は三菱電機のようですが、光学系はNikonのようですね。
国産の電子潜望鏡が英国製より良ければ、次の世代では搭載品が変わるでしょうね。

ヘリコプターフェスティバル in TATEYAMA 2022に行ってきた その5

今回でラスト~。
ということで、動画メインで撮ってしまいましたが、パパっと見るならやっぱりスチルなんだよね~。
Z 9で動画を撮っていたけど、D850にはAF-S 200-500mmを着けていたので、これもいくつか撮りました。

救難飛行展示は動画メインでしたが、合間にスチルでも撮影。やっぱりスチルのほうが楽しいな。動画は時々気が向いたら、くらいが良いのかな。

帰投の準備中の写真もいくつか。

いや~天気が良かったので暑かった。そして日焼け止め塗ったけど、かなり日焼してしまいました。
どちらかというと黒くなるより真っ赤になるタイプなので、日焼けはなるべくしたくないです。シミになるしね。

MCH-101は帰らないのかな? 飛んでるところを見たかった

ということで、これにて終了。

帰りに保存展示機を撮る

館山航空基地の門をくぐってすぐのところにある保存展示機を撮って帰りました。

やっぱりHSS-2Bシーキングが印象深いです。高校生だった頃、初めて体験搭乗で乗ったヘリコプターで、内部は立って歩けるくらい広く、後継機のSH-60Jシーホークより内部が広く快適でした。アメリカの大統領専用ヘリが、導入から半世紀以上を経て未だこのVH-3Dシーキングであるのも、後継機とされたVH-60Nシーホークの内部が狭く主力になれなかったのは大きいでしょうね。
特に、HSS-2の最終型B型は、ディッピングソナーやソノブイ、ESM、MADが改善され、対潜哨戒ヘリとして単独でのオペレーション能力が高く、日本の対潜能力向上に寄与した機体でもあります。対潜装備を外した輸送型のS-61Aは、砕氷艦「しらせ」(先代)に搭載されていました。

そして、HSS-2Bの後継機であるSH-60Jも今や展示機になる時代ですか…。今はロービジ塗装となってグレーの機体ですが、SH-60J全盛期の頃の白とグレー塗装が今となっては懐かしいですね。SH-60Jも、今ではK型が主力となり、100機以上生産された機体も今や十数機しか現役機は残っていませんが、K型や更に後継のL型の配備計画が予算の関係で進まず、もう数年は現役のはずです。

とまあ色々と思いを巡らせつつ、最後に寄り道しました。

特務艇「はしだて」(ASY-91)

元々、ヘリコプターフェスティバル in TATEYAMA 2022(館山航空基地一般開放)は、「たてやま海まちフェスタ2022」のイベントの1つという位置づけで、他にも様々な場所で展示がありましたが、館山航空基地の隣の館山港で、海上自衛隊の特務艇「はしだて」(ASY-91)の公開展示も行われていました。
前年ながら、タッチの差で見学時間を過ぎてしまったので、外観を見るだけでした。
横須賀に配備されているので、YOKOSUKA軍港めぐりでも見ることができる機会はあるものの、近くで見るのはそうないので、じっくり観察。

迎賓が目的の船ですが、災害派遣にも対応しています。次見学できる機会があれば、ぜひ中を見てみたいです。
この後、渚の駅たてやままでえっちらおっちら歩いて、バスに乗ってイオンタウン館山の駐車場まで移送後、おみやげを買いに、車でまた渚の駅に戻りました

ところが、渚の駅の外から海を眺めていたら、特務艇「はしだて」が後退しながら出港している様子が見えました。ちょっと得した気分です。

館山から自宅までは、大渋滞で4時間以上かかってしまいました。どっと疲れました。次回はもっと飛行展示がたくさんあるとよいな~。

おしまい!

2017年5月に撮影したすがしま型掃海艇「いずしま」

もう5年前に函館で撮影した、大湊地方隊函館基地隊第45掃海隊のうわじま掃海艇「ながしま」(MSC-680:番号と所属は撮影当時)と、すがしま型掃海艇「いずしま」(MSC-687)。

大湊地方隊函館基地隊第45掃海隊のうわじま掃海艇「ながしま」(MSC-680:番号と所属は撮影当時)とすがしま型掃海艇「いずしま」(MSC-687)

左側の「ながしま」は、後に呉で掃海管制艇に種別変更されたあと、2020年に退役しています。
一方、右側の「いずしま」は現在も函館基地に所属しています。

なぜこの写真を今頃再アップしたかというと、先日、知床観光船のKAZU I(カズワン)が沈没し、その捜索で沈没した船体を発見したのが、この写真左の「いずしま」だったからです。読売新聞の写真では、黄色の機雷掃討用の遠隔操作無人潜水機(ROV)、PAP-101が写っているのがわかります。

記事では「水中カメラ」と書かれていますが、本来は機雷を掃討するため、テレビカメラを搭載し遠隔で水中を航走捜索し、機雷を発見した際には爆雷で水中処分したり、係維索カッターで機雷の係維索をカットするための装備です。

ところで、KAZU 1は元々が40年以上前に瀬戸内海を航行する船だったようで、船体の経年劣化や瀬戸内海の穏やかな海用なので、波に耐えられなかった、という話もありますが、主原因は、海が荒れるのが予想されていたのにも関わらず、出港させてしまったことでしょう。
乗客には判断しようがなく、安全航行を無視した結果です。

掃海艇の自衛艦旗

この2艇とも、磁気機雷による反応を避けるため、船体は木造となっています。しかし、この次の世代の掃海艇「ひらしま」型を最後に、寿命の長いFRP船体に移行しました。
すがしま型掃海艇12隻は、事故で修理を断念し、2020年に退役した2番艇「のとじま」(MSC-682)以外は、執筆時点で全て現役ですが、木造船体の寿命はおおよそ20年程度とされており、すでに23年経過している1番艇も近い将来に退役するでしょう。

ところで、KAZU Iは水深100mの海底に沈んでいるということですが、そのくらいの深さだと飽和潜水が必要となるため、掃海艇のダイバーでは対応不可能です。波の状況や海流、海底の状況によりますが、船体の引き揚げはそうすぐにはできないでしょう。
まずは船内に取り残された人がいないかの確認が先でしょうけど、飽和潜水となると、潜水艦救難艦の出番となるかもしれませんね。

横須賀に護衛艦「くまの」が来たので見に行ってきた その4

ダラダラ引きずってきましたが、これにてラストの、YOKOSUKA軍港めぐりで見てきた艦艇のご紹介。

地味ですが、海上にあるこちらは横須賀消磁所の消磁装置です。

横須賀消磁所の消磁装置

一般に目にすることはあまりないであろう設備で、鋼鉄で出来ている艦艇は、地磁気の影響を受けて、ごく僅かながら磁化されます。
磁気を帯びると、磁気機雷や対潜哨戒機の磁気探知で探知されやすくなることから、定期的に消磁を行っています。
ここは海上自衛隊とアメリカ海軍の共用施設です。
ロシアなんかは、艦艇を消磁用の導線でグルグル巻きにして消磁するそうですが、ここでは艦艇がここに停泊し消磁します。この施設内に消磁コイルが入っているのでしょうね。

自衛艦隊司令部側の艦艇

長浦堤防におやしお型潜水艦2隻、対岸の自衛艦隊司令部側に世代違いの汎用護衛艦が停泊。
汎用護衛艦、やはり世代の新しい「てるづき」(DD-111)と、「ゆうぎり」(DD-153)ではデザインがだいぶ異なりますね。
30年以上前の「あさきり」型と、2010年代就役の「あきづき」型では、四半世紀の世代差があるので、ここは仕方のないところですね。

海洋観測艦は海洋の情報収集に当たる艦艇で、見た目は地味ですが、対潜作戦上重要な艦艇です。同様の中国艦艇が、近年日本周辺を頻繁に航行するようになったのも、やはり対潜作戦上の海洋データが重要だからですね。

潜水艦は、今回は2世代前の「おやしお」型のみで、「そうりゅう」型は見かけませんでした。たまたまでしょうけど。

それでは、狭い新井掘割水路を通って戻ります。

横須賀警備隊側の艦艇

水中処分母船3号(YDT03)は、掃海のための水中処分部隊を輸送する船です。
特務艇「はしだて」(ASY-91)は、自衛隊の船としては異色の白を主体とした、別名迎賓艇とも呼ばれる船です。


YOKOSUKA軍港めぐりの船を降りました

ということで、約45分の船旅ですが、案内人の絶妙トークと解説を交えての航海なので、船に詳しくなくても、飽きずに楽しむことが出来ると思います。
ちょうどこの時間、雲が出てしまって天気は少々残念(このあと晴れたw)でしたが、その時々でしか見られない艦艇もあったりするので、何度乗っても楽しいですね。
なお、YOKOSUKA軍港めぐりに乗ると、案内所があるコースカベイサイドストアーズの駐車場2時間無料券が発見されるほか、ストアーズで買い物をすれば、金額に応じてさらに駐車場の○時間無料券ももらえますので、ぜひお食事やお買い物もされることをお勧めします。

横須賀に護衛艦「くまの」が来たので見に行ってきた その3

YOKOSUKA軍港めぐりでは、主に海上自衛隊横須賀基地や米海軍の艦艇を見ることができます。
もちろん何が見れるかはその時次第なので、何度か乗ったことがあっても、結構楽しめます(艦艇ファン的には)

昨日は護衛艦「くまの」(FFM-2)をダイジェストでお送りしたので、今回はそれ以外の艦船をご紹介。

おやしお型潜水艦


軍港めぐりで一番最初に目にするのが、第2潜水艦郡司令部側に停泊中の潜水艦です。
もちろんその時々で全く何もいない時もありますし、2隻停泊していることもありますが、今回は、おやしお型1隻のみ。
ちなみに、新造直後、および練習潜水艦を除き、どの艦が行動しているか把握できないよう、潜水艦については艦名は記載されていません。
また、最大潜航深度が把握されないよう、耐圧殻の厚みがわからないように、ハッチには緑色のカバーがされています。
機密の塊が潜水艦であり、地味ながら、日本の海上防衛の砦でもあります。

護衛艦「いずも」(DDH-183)


空母化工事第1段を終えて、2021年10月にはF-35Bの着艦と発艦に成功しています。
近くで見ると、やっぱり大きいですね。それでも米海軍の空母より二回り小さいのだから、通常の空母が如何に大きいかですね。

米海軍

米海軍は多くの艦艇が停泊中で、空母ロナルド・レーガン(CVN-76)も定期メンテナンス中です。
最新のイージス駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」(DDG-115)は、アーレイバーク級のフライトIIAリスタートと呼ばれていて、一度建造終了したフライトIIA型の再建造版になります。この艦は、AN/SPQ-9Bレーダーの搭載はないようです。
3隻並んだタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦も、既に艦齢はほぼ30年を越えているため、向こう数年内には退役となる予定です。その後釜は、最新のアーレイバーク級フライトIIIになるのかな?

吉倉桟橋の自衛艦

こちらは「くまの」と共に某公園から眺めていた護衛艦と補給艦です。

ージス艦「はぐろ」(DDG-180)は、新鋭まや型イージス艦の2番艦で、イージス艦では初めて、カスタービン電気推進(COGLAG)方式を採用しています。
「はぐろ」は、新造時に、本来搭載するはずだった対水上レーダーAN/SPQ-9Bが、諸般の事情により納入が間に合わず、後日装備とされていましたが、今回見たところでは、AN/SPQ-9Bも装備されており、どうやら今月の点検時にやっと装備できたようです。
このレーダーはアクティブフェーズドアレイ2面の回転式で、イージス艦のSPY-1Dレーダーを補完し、特に低空や潜水艦の潜望鏡探知に優れているとされています。

護衛艦「やまぎり」(DD-152)は、近くで見ても、やはり錆が目立ちますね。既に昨年末にはこの状態で、錆びた状態のまま長くいるのは、自衛艦では珍しいことです。
そろそろ定期修理が近いから、そのままにしているのかもしれません。
この艦も1989年(平成元年)就役で、既に33年経過していますが、護衛艦不足もあり、「もがみ」型がある程度数がそろうまでは、しばらく現役になりそうです。既に艦齢伸長工事を実施し、戦闘システムもOYX-1に更新しています。

まだまだ紹介したいですが、ここで時間切れ。次回でラストにします。

横須賀に護衛艦「くまの」が来たので見に行ってきた その2

続きです。今度は海上から護衛艦「くまの」(FFM-2)を拝もうと、実は前日に予約していました、YOKOSUKA軍港めぐりを。

乗船待ちに撮影。やはり護衛艦「くまの」目当てで来ているカメラマンも結構いましたね。
それまで晴れていたのですが、ちょうど乗船前辺りから雲が広がってしまいました。こればっかりは仕方ないですね。

護衛艦「くまの」ディテールをダイジェストで

YOKOSUKA軍港めぐり、何度か乗りましたが、今回のメインは護衛艦「くまの」ということで、今日はディテールをダイジェストでお届けします。

やはり、従来の護衛艦と一線を画す印象です。ここまでステルス対策に踏み込んだ護衛艦は初めてで、さらに海上自衛隊初の乗員のクルー制を導入(予定)する艇です。
艦橋の窓も従来の護衛艦よりフラットで、開口部は狭い印象です。
レーダーは新型のOPY-2を採用、Xバンドのレーダーで、対水上・対空・電子線を統合したものとなり、それらを補間する電子光学センサとして、OAX-3光学複合センサーが艦橋の上部に搭載されています。
後部を見ると、ヘリ格納庫シャッター右横にもレーダーらしきものがありますが、これも航海レーダーなのかな?
艦尾は大きな扉があり、ここから掃海関連の無人機雷排除システム用水上無人機(USV)と機雷捜索用無人機(UUV)を展開すると思われます。
主機はディーゼルとガスタービンの複合CODAG方式で、これも護衛艦では初めてです。特に低回転のディーゼルと、高速回転のガスタービンを同時につないで動かすために、減速機の製造が難しいとされている方式です。
ディーゼルを巡航機として使うことで、経済性も重視しています。

現時点では、VLS(ミサイル垂直発射装置)は未搭載で、これまでの護衛艦の標準対潜装備たるVLアスロックは搭載されておらず、対空兵装もSeaRAMのみで、現時点では中射程のシースパローなどのミサイルも非搭載。今後、国産のアクティブレーダーホーミングの対空ミサイルを搭載するとも言われています。
このため、現時点ではどちらかというと、掃海よりの護衛艦、と言えますね。
ともあれ、今後アップデートを繰り返しつつ、22隻というこれまでの護衛艦では最多の建造が計画されており、古い護衛艦「あさぎり」型や「あぶくま」型を代替していくと思われます。

今後の発展に期待したいところです。

横須賀に護衛艦「くまの」が来たので見に行ってきた その1

2022年3月25日、最新型のもがみ型護衛艦の2番艦「くまの」(FFM-2)が横須賀にやってきました。同基地の掃海隊群配備のようです。
護衛艦でありながら、掃海隊群という異例の配備ですが、もがみ型護衛艦は、従来の護衛艦と比較して、より多用途任務をこなす艦艇として、掃海機能も付与されています。
従来の掃海艇が削減される代わりとして、掃海のための無人機雷排除システム用水上無人機(USV)と機雷捜索用無人機(UUV)の運用能力が付与されているのが最大となっています。

例の公園から観察する

公園から横須賀基地の艦艇を望む

朝、横須賀基地の艦艇を見ることが出来る、艦艇ファンならおなじみの、とある公園でまず撮影してきました。
写真右側にヘリコプター護衛艦「いずも」(DDH-183)、左側から護衛艦「やまぎり」(DD-152)イージス護衛艦「はぐろ」(DDG-180)補給艦「ときわ」(AOE-423)、そして中央にお目当ての最新鋭艦「くまの」が見えます。

護衛艦は、それぞれ艦種記号が異なる4種類が並んでいて、護衛艦と名がつくも、空母に近い「いずも」、掃海機能が付与された「くまの」と、任務の幅が広がる海上自衛隊の現状を示していますね。

護衛艦「くまの」を観察

護衛艦より高い視点から見る機会は、なかなか少ないです。じっくり観察しました。

これまでの護衛艦は、対レーダーステルス対策として、壁面の傾斜こそ着けていたものの、突起部が多く、諸外国の戦闘艦と比較すると、あまり積極的ステルス対策がされていないように(少なくとも外観上は)見えましたが、もがみ型護衛艦では、これまでの護衛艦で最も進んだ対レーダーステルス対策がされているように見えます。
まず艦首を見ると、艦を係留させるためのロープの巻取り部やボラードが一切見当たらず、ツルンとしています。これらはすべて艦内に設置されているようです。

VLS(ミサイル垂直発射機)は予算の都合上、未搭載で、主砲の後方の搭載予定部分は、これまたツルンとしています。
かなり傾斜がついた壁面ゆえ、斜めになっている扉を開くのは一苦労に見えますね。

煙突も隠れていますし、対艦ミサイルもまだ未搭載なのか、それとも隠れて見えないのか、写真ではよくわかりません。

TACANなどのアンテナ類は筒型の中に設置されています。OPY-2レーダーはやや小ぶりですね。回転式のレーダーはもはや搭載しないかと思ったら、航海レーダーらしきものがマスト前方に設置されていますね。護衛艦とて、通常航行中は一般船舶と同様なので、ここは民生品のレーダーを搭載しているようです。

それにしても、ここまで徹底したステルス対策、欧州の艦艇のようでもあり、従来の護衛艦離れしていますね。将来的なシリーズ化、輸出も視野に入れているように感じました。

その他艦艇

手前の護衛艦「やまぎり」、かなり錆びていますね。海自の護衛艦は割ときれいにしているだけに、これだけ錆びている護衛艦は長期任務のあと、そしてこれから定期修理に入る直前なのかなと思われます。
艦齢33年の古参護衛艦で、従来ならとうに退役している艦齢ですが、予算不足から護衛艦の入れ替えが進まず、しばらく現役に留まると思われます。もがみ型がある程度揃ってからの退役になるでしょうね。

そして、イージス護衛艦「はぐろ」、マストに新造時搭載されていなかったレーダー、AN/SPQ-9Bもやっと搭載されたようですね。アメリカからの納品が遅れていたわけですが、紆余曲折あってやっと搭載されたようです。この辺りの話は、色々ありますが、ここではあえて書きますまい。

それでは、今度は海上から観察しましょう。続く…

独フリゲート「バイエルン」を見に東京国際クルーズターミナルに行ってきた

何だか横田基地にアレが飛んできているみたいですが、6日土曜は妻がお仕事、子供を見なければならないので、横田は難しい。
ということで、子供らを連れて5日に東京に入港した、ドイツ海軍のブランデンブルク級フリゲート「バイエルン」(F217)を見に、東京国際クルーズターミナルに行ってきました。

以前は、こうした海外の艦艇は晴海旅客ターミナルで受け入れていましたが、東京国際クルーズターミナルの開設に伴い、晴海旅客ターミナルは廃止が決定され、近い将来解体が予定されています。ただ、普通に開いてはいるみたいですけどね、解体の話はどうなっているんだろう?

東京国際クルーズターミナル、お台場の船の科学館隣に出来ていまして、行くのは初めて。車で直接乗り付けられて、それほど広くないですが、駐車場も併設されています。

晴海埠頭は、レインボーブリッジをくぐれない大型客船が増えてきたことから、レインボーブリッジ手前にあるお台場に旅客ターミナルを作ったようですね。

ただし、写真撮影的には、船が接岸している場所は、昼過ぎはちょうど逆光なんですよね…。
対岸は貨物ターミナルなどで、一般人は入れませんから、順光を狙うなら午前中か。あるいは午後海上から見るかのどちらかですね。

「バイエルン」は、ブランデンブルク級フリゲートの3番艦として、1996年に就役した艦艇。艦齢は25年なので、ベテラン艦ですね。
ホストシップの護衛艦「さみだれ」も2000年就役なので、世代的には同じ艦艇になります。
両者とも、初めてシースパロー短SAMの発射機をVLS(垂直発射機)化した艦艇で、同じOTO76mm単装速射砲を搭載しています。
船体は「さみだれ」のほうが一回り大きく余裕がありますね。

対艦ミサイルは、日本語のWikipediaではエグゾセとなっていますが、ドイツ語のWikipediaではハープーンとなっており、外観上もエグゾセではなくハープーンですねこの台座。ドイツ語のWikipediaによれば、2015年に運用終了のためハープーンに改装されたようです。

また、RIM-116 RAMは、アメリカと独の共同開発なので、独の艦艇に広く用いられています。最近は海上自衛隊も搭載し始めていますね。

ヘリコプターは、欧州ではおなじみのリンクスで、小型なので船体の比較的小さなブランデンブルク級も2機搭載しています。
より大きな、今回のホストシップでもある護衛艦「さみだれ」は、機体もリンクスより大きいSH-60J/Kなので、通常は1機搭載です。

ドイツらしいなと思ったのは、リンクスが理路整然と並べられ、機体の塗装も美しいことでしょうか。この辺りは、お国柄が出ますね。

ブランデンブルク級の船体も、独らしく乾舷が高い重厚なイメージです。
ただ、やや船体の大きさに余裕はないように見え、シースパロー短SAMのVLSは船体に収められなかったために艦橋前の高い位置にあるため、前方視界が悪そうに見えるのと、重心が高くなりそうな感じです。
レーダー類は欧州の標準的な構成ですね。

元々、中国も訪問する予定だった「バイエルン」ですが、中国側から入港拒否されています。そもそもドイツの艦艇がインド洋や太平洋方面、日本に来るもの20年ぶりです。
元々、左派政党のメルケルと中国共産党は蜜月とも言われていて、ドイツも今は中国向けの自動車生産が主力です。地理的に中国とドイツは離れていて、戦略的にはお互い利害関係はなし。
一方で開かれたアジア太平洋、航行の自由作戦は、イギリスやフランスなど欧州も参加しているため、そちらの顔を立てなければならず、どっちつかずの印象です。
エネルギー政策も、化石燃料と原発依存をなくしていくと言いつつ、いざとなれば周辺国に依存する、特にロシアとエネルギー政策で連携もしていたりと、八方美人なんですよね。

それはともかく、純粋にドイツ艦艇を近くで見られたのは良かったです。