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新旧NIKKOR 35mm撮り比べをしてみた【中距離風景編】

35mmレンズは標準レンズたる50mmより少し画角が広く、35mmが標準レンズという人も世の中に少なからず存在しますし、私もその一人です。
屋内でも屋外でも、汎用的に使える画角で、昔の単焦点コンパクトカメラでも35mmや38mmというレンズはよく使われていました。

ずっと50mmの画角が苦手だったワタシ(今は苦手意識はなくなり好きな画角になりました)には、35mmレンズは必ず持ち出したい1本となり、いつの間にかレンズも増えました(笑
レンズ交換式のNIKKORレンズだけで4本あります。ま、世の中にはもっとたくさん持っている人もいますが、この4本はそれぞれ思い入れのある4本です。

左からNIKKOR-S Auto 35mm F2.8(後期型), AI AF Nikkor 35mm f/2D, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sです。NIKKOR-Sは1959年発売の前期型ではなく、後期型になりますが、NikonのFマウントレンズでも古いものになります。これは親父が1970年に新品で買ったものです。
AIレンズは持っていなくて、いきなりAFレンズのAI AFとなりますが、これが自分にとっての最初の35mm交換レンズです。これを長年使い、待望のAF-Sは初めて予約して買ったレンズでした。そしてNIKKOR Zは、Zマウントで初の単焦点レンズとして2018年位発売されたレンズになります。Zマウントレンズはハズレがないので、試したくて購入しました。

新しくなるほどレンズが大きくなっていますね。古いほど光学系も機構もシンプルとも言えます。Zマウントではマウント径が一眼レフのFマウントより大きいため、大きい径と短いフランジバックを活かした製品づくりをしているせいか、大きめのレンズが多いですね。

ここからは三脚を据えて、レンズ交換しつつ各f値で撮り比べをしています。
今回は中距離風景編、ということで、練馬の光が丘公園にやってきました。
ここはかつて陸軍飛行場があった場所であり、戦後はアメリカ軍が駐留していた場所でもあります。なので、とても広いのですよね。息子もサッカーの練習試合でたまに使っていたりします。自転車で走るもよし、ランニングもよし、スケボーで遊べルるエリアもあり、BBQエリアもあり、なんでもあるんです。こういう撮影テストにピッタリの場所です。

カメラはNikon Z8を使用し、ISO感度は64に固定、AWBは自然光オート、絞り優先のマルチパターン測光で撮影しています。
1本のみMFレンズのNIKKOR-S Auto 35mm F2.8は非CPUレンズなので、カメラ側にあらかじめレンズ情報を入力しています。
現像はLightroom Classicで未調整撮って出しで出力しています。
描写だけでなく、絞りによる露出のばらつきも確認してみてください。

NIKKOR-S Auto 35mm F2.8

半世紀以上前のレンズだけあり、開放では画面中心でわずかに球面収差による影響が見られなくはないものの、なかなか解像力は悪くないです。正直なところ、こんなによく写るとは思っていませんでしたね。
このレンズはAI改造をしていないため、AF一眼レフではフィルム機でもデジタルでも使用していなかったレンズです。Zマウント機へはFTZ IIを使用して撮影していますが、初期のAuto NIKKORレンズはAIレンズ行こうと違ってわずかに寸法の公差設定などが違うそうで、レンズによっては装着が硬かったり外しにくいものがあるため、公式には装着できないことにはなっていますが、自己責任で装着の上撮影しています。確かに手持ちのこの個体は少し装着は硬めでした。

絞るほど解像感は増していき、f11では周辺までかっちり解像します。非CPUレンズの場合は絞り込み測光になるため、実絞りと計算値と乖離はそうそうないはずですが、何故かf11とf16では露出オーバー気味になってしまいました。
もしFやF2をお持ちなら、このレンズは標準レンズとしてコンパクトで確かな描写を得られそうです。F2.8と他のレンズより若干暗いのも(光学設計的に無理がない)古い割に描写の良さを感じさせる要因でしょう。
カラーバランスはやや寒色寄りに感じますね。

AI AF Nikkor 35mm f/2D

80年代の光学設計のレンズ、Auto NIKKORより30年新しいだけに、開放から安心して使えますね。グルグルボケの原因になる非点収差もあまり感じませんね。ただワタシが持っているレンズの個体差なのか、右下隅がほかより像が流れてしまっている気がします。ただf11まで絞ると全体としてかっちり解像します。中心部は開放から何ら問題なく使えそう。
このレンズに限りませんが、初期のAF Nikkorレンズ、ごく一部を除一眼レフではAF時にフォーカスリングが回転するタイプ故に、MFの操作性がスカスカです。MFレンズのようなネットリ感を出せないのは、フォーカスリングごと回る機構によるものです。
そのためか、フォーカスの繰り出しによるガタツキもあり、こうした四隅の一部のみがボケるといった症状、この時代の85mm以下のAF単焦点レンズでよく見かけるような気がします。
中古で買う場合はこうした個体差が出やすいことに注意が必要です。

絞るほど解像感が増していくのは最近の新しい設計のレンズでは味わえない感じです。かといって開放も緩くはないです。
AF一眼レフならフィルムでもデジタルでもオススメの1本です。とてもコンパクトです。ただ外装は昔のプラ外装故に、現代のプラ外装ほど高級感は出せないですね。チープ感も結構あります。使い込むほどテカってしまいます。
色味は少し黄色味が強い気がします。

AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED

2014年発売の本レンズ、流石にまだ新しいだけあります。開放でも中心部はキリッと描写します。周辺はわずかに非点収差による影響はなくはないですが、デフォーカスしていくボケのグラデーションが良いですね。なので、絞り開放でも自然にボケていく感じです。個人的に大好きな描写で、どんな撮影もそつなくこなせるのと、AF-SによりAFもスパッと快速とまで言わないものの、ストレスなく使えます。もちろんFTZ II経由でZマウントボディでもAFが使えます。フル機能で使えるので、AF一眼レフでもミラーレスでも、ちゃんと使えるのがありがたいです。

開放からしっかり解像するので、絞り込むほど解像感が増していく感じはありませんが、f11まで絞ると、この撮影条件では周辺までちゃんと解像しますね。f16だと回折の影響が出てくるので、f11までが実用でしょう。
色もニュートラルに感じますね。

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

実はAF-Sより4年新しいだけです。2018年発売。が、描写がぐっと上がったのはミラーレス専用設計で、口径が大きくフランジバックが短いZマウントの性能を如何なく発揮出来るからでしょう。
開放ではことさらカリカリ感を出していなことに好感が持てます。描写の繊細さが出ています。解像力だけ見ると、ほとんどAF-Sと変わらないですが、デフォーカスしていく部分のつながりがAF-Sより更に上をいっているのではないでしょうか?
少し手前のボケに二線ボケが出ていますが、そこまで目立つ感じではないですね、

絞りによる解像力の変化はもっとも少ない気がします。とにかくグラデーションが豊かですし、f16まで絞っても回折の影響は少なめです。個人的には風景ならf11が良いと思います。
暗部の階調もよく出ていますし、風景でカリカリしないのは本当に好感が持てます。
色味もよりニュートラルで、Nikonで言われがちな黄色味もこのレンズは感じませんね。
光学設計はNikonではない(KONICA MINOLTA?)とも言われていますが、そんなことはどうでもよく、さすが最新ミラーレス専用レンズだけあります。デビューから7年近く経ちますが、まだまだII型は不要でしょう。
Zマウントユーザーは1ポンあって損はないレンズです。


作例が多いので今回はここまで。他にもいくつかのパターンで撮影しましたので、ぼちぼちアップしたいと思います。

Zマウントユーザーならスナップにこの1本。f/1.4よりも描写は良いです。

AF-Sレンズの場合、安価なDX(APS-C)フォーマット用レンズとフルサイズFX対応の以下のレンズとは描写は別物です。APS-Cのデジタル一眼レフでもこちらのレンズがおすすめです。

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入間基地ランウェイウォーク2025に行ってきた

2025年のランウェイウォークも従来のような抽選ではなく一般開放となりましたので、天気を気にしつつ行ってきました。
おかげさまで今回は開始直後は晴れ、途中曇ったりしたものの、気温もぐっと上がって、これがギリギリの気温かもしれませんね。

何と言っても今回期待したのは、昨年度を持って退役したC-1輸送機を近くで見られる最後のチャンスだったから。

これを見せられると、展示することは予告されていたわけですから、それは楽しみです。
同日は横須賀でよこすかYYのりものフェスタ2025も開催されており、海上自衛隊横須賀基地で練習艦も公開されていて、本当は土曜日はそちらを見る予定だったのが荒天で中止、日曜日は開催されたので、結構悩んだのですが、結局入間基地に行きました。

そしてお目当てのC-1輸送機、スペマの002号機、最終生産機の031号機、EC-1の021号機とフルラインアップを見ることが出来ました。1機くらいは残すかもしれませんが、恐らく3機揃っての最後の公開となったでしょうね。

それではランウェイを歩きます。
今回、カメラはいつもの便利ズームセットのZ 24-200mmと180-600mmではなく、ちょい古いAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRIIを中心に撮影。便利ズームは良いのですが、航空祭ではないので、ある程度制約をもたせつつ高画質で撮影したかったので。
結果的に、明るいレンズで撮るのも良いね、となりました。

そして、中判フィルムのBRONICA S2も持ち込みました。ランウェイウォークは航空祭と違ってまったりゆったり撮影できそうなのは去年の経験でわかっていたので、三脚持ち込みもOKということで、ちょっと重くなるけどこれで撮影もしました。フィルム足りないよ~ってくらいに楽しみました。

気温はぐっと上昇し、最終的には27℃まで上がったようで。長袖だと暑かったな。アスファルトの上なのでどうしても体感気温はグッと上がりましたね。

普段撮れない衛星アンテナなどの施設も見られました。途中曇ったりもしたけど、結構暑かったので、曇ると少し体感気温も下がり、風も抜けて快適になりましたね。

毎日が航空祭? 内覧会実施中のこちらのお家、航空ファンが羨む立地

例の病院前の建売物件内覧会中、ランウェイから見るとこんな感じで、もう滑走路が丸見え。この物件を買ったら快適に撮影できそうですね。

R/W35エンドまで来ました。

ここまで2km、滑走路としては決して長い方ではないのですが、さすがに機材を持ってあちこち移動して撮りつつだと心地よい疲れが来ますね。
では戻りましょう。

そして今回自分にとっては初めて、C-2輸送機を改造した電波情報収集機RC-2を近くで見ることが出来ました。

それこそEC-1は退役近くなるまであまり近くで撮影できなかったのですが、RC-2に関してはこうして撮影できるのも、時代が変わったなぁと思います。
特徴的なコブの中に電波情報収集のためのアンテナがあるのでしょうね。

プロペラを外されたままのYS-11EAはすでに書類上昨年度いっぱいで退役しているはずです。これも正式に退役済みとなるので、もしかするとこれが見られる最後の機会だったかもしれませんね。YS-11EBはもうしばらく飛ぶでしょうね。

こういう機会で素晴らしい展示をしてくれた航空自衛隊入間基地の皆様に感謝です。C-1輸送機へのリスペクトがあったからこそですね。

お疲れ様でした。

クロスバイクで望遠レンズ輸送システム完成!

KhodaaBloomのクロスバイク、RAIL DISK EX LIMITEDを購入して半年、通勤やら撮影の移動用として使っていますが、やっと理想の望遠レンズ輸送システムを完成させました。

デデン!(効果音w)

リアキャリアに縦長カゴを装着

とまあこんな感じです。ホームセンターで見つけた縦長カゴが、望遠レンズバッグのNikon CL-L2がすっぽり入る寸法だったのです。メッチャクチャAmazonで探していてあっさりホームセンターで見つけました。現物確認、実店舗、大事ですね。

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で、買ったものをAmazonで調べたら売っていました。

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縦長リヤカゴ、51cmの縦長で、ちょうどレンズバッグが50cmくらい、ぴったりです。

クロスバイクには、ディスクブレーキ車用のリアラックTOPEAKのSUPER TOURIST DX TUBULAR RACKを取り付けています。

このリアラックの便利なところは、クイックトラックシステムというスライドさせてリアラックに取り付けできるシステムがあり、荷台にカゴなどを必要に応じて簡単に取付け、取外しができるところです。

縦長カゴをTOPEAKのクイックトラック化するためFIXER 6を仕様

縦長カゴは、通常の自転車の荷台に取り付けることが前提ですが、これを自己責任でTOPEAKのクイックトラックシステムに対応させるため、FIXER 6というアタッチメントを使用しています。
もちろん、縦長カゴに完全に適合するわけではないので、やや無理矢理感はあります。ここは自己責任ですね。

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これを使うことで、カゴを簡単につけ外しできます。用途に応じて色々カゴを付け替えられて便利です。

このシステムにより、自分で望遠レンズをリュックで背負う+カゴにもう1本の望遠レンズ+カメラが入ったバッグを載せられて便利です。AF-S 600mm f/4GとNIKKOR Z 180-600mm、それぞれにカメラを付けた状態で移動できるようになりました! 撮影で大活躍です。
ようやく理想の望遠レンズ輸送システムが完成しました。これで自転車移動での撮影の幅が広がりますね。

RICOH GR IV発表に見えるSONY APS-Cセンサの世代交代とPENTAXの今後

実を言うと、RICOHのGRシリーズはかつて一度も手に入れたことはありません。

1994年のRICOH GR1からGRは始まった


昔からRICOHはコンパクトカメラを多く出しているメーカーでしたが、ちょうど自分が写真を始めた90年代後半、フィルムのGR1やその改良型GR1sが登場しました。
当時もコンパクトながら高性能なレンズを搭載し、評判が高かったのですが、GRシリーズをこれまで買わなかった理由はただ1点、28mm単焦点レンズだということ。
個人的に35mm好きなので、28mmはやや画角が広すぎるんですよね。
とは言えあのシンプルでスマートなポケットサイズのカメラは魅力なのは確かです。いつも欲しいとは思っているんです。
2005年にデジタル化され1/1.7型CCDを搭載したGR DIGITALシリーズを経て、センサがAPS-CサイズになったGRシリーズが発売され、2018年に発売のGR IIIがこれまでの最新機種でした。これをベースとした派生モデルも登場しています。

そして2025年5月22日RICOH GR IVの開発が発表されました。2025年秋発売予定です。

RICOH GR IV

GR IIIは部品調達の都合で7月で製造終了する

2018年から7年間の長きにわたって生産されてきたGR IIIシリーズですが、長く売れ続けているカメラで、2024年3月には生産が追い付かず受注の一時停止同年8月に一部受注再開となりましたが、以降も慢性的に在庫不足が続いて抽選販売も実施されていましたが、2025年7月に部品調達の都合で製造終了するとのアナウンスがありました。
ただし、焦点距離40mm相当のレンズを搭載するGR IIIxは当面の間、製造・販売を継続とのことです。

さて部品調達の都合とは何か?
1つはイメージセンサではないかと思われます。
というのも、今回GR IVでは2600万画素のセンサを採用しています。GR IIIやその他Canonを除く2400万画素クラスのAPS-Cセンサを搭載するカメラは、センサがSONY製と言われていますが、既にソニーセミコンダクタのラインアップにAPS-Cの2400万画素の掲載はなく、2600万画素センサになっています。
このAPS-C 2600万画素センサは現行のカメラではSONYとFujifilmで採用されています。

https://www.sony-semicon.com/ja/products/is/camera/index.html 中央のIMX571が外販されているAPS-Cの2600万画素センサ

この部品調達の都合とは、APS-C 2400万画素のイメージセンサが含まれているのではないかと思われます。もちろんあくまでも推測ですけどね。
生産数の少ないGR IIIx用と補修部品用として2400万画素イメージセンサの在庫を残して、GR IIIは販売終了してGR IVに移行するのかもしれません。
レンズの調達都合という可能性も0ではないですが(GR IVではレンズの光学設計が変更となる)。

既にAPS-Cの2400万画素センサを搭載するカメラはラインアップが少なくなっており、SONYだと2019年発売の古いα6400と2023年発売のVLOGCAM ZV-E10のみ、そしてRICOHグループとなったPENTAXは2022年発売のKFに搭載されています。
Nikonに至っては、APS-Cセンサ搭載カメラの現行品は、一眼レフもミラーレスも2088万画素センサで、逆に2400万画素搭載のカメラは販売終了しています。
2016年発売のD500からの古い2088万画素のほうが長く使われ、最新のZ50IIにも採用されているのが面白いです。よほどセンサの素性が良かったんでしょうね。
そしてFujifilmも現行ラインアップに2400万画素センサはありません。
PanasonicはAPS-Cのラインアップはなく、Canonは自社製造センサです。

PENTAXの一眼レフ、どうなる?

PENTAX KFは今後どうなる?

SONYの2機種は既に2600万画素センサ搭載の後継機種が発売されていますが、PENTAX KFは…どうなるんでしょうね?
PENTAXのデジタル一眼レフはラインナップがすでに3機種しかなく、次期モデルの噂も聞こえてこない状況です。

2025年5月現在のPENTAXの一眼レフは3機種

同じSONY製の2400万画素センサと思われるGR IIIが後継機種を発表する中、PENTAX KFは後継機種の話が今のところないんですよね。2022年発売でまだ古いわけではないともありますが。
RICOHグループとしては、2400万画素センサの在庫は恐らくGR IIIxとPENTAX KF用にある程度確保はしているでしょうけど、今KFってどれだけ製造されているのでしょう?
製造が追いつかないGR IIIと比較して、KFの製造は…果たしてどの程度行われているのでしょうね?
そしてこのままKFが生産完了すると、PENTAXのラインアップは設計の古いフルサイズの3600万画素センサを搭載するK-1II、APS-Cの2600万画素だけどニッチなモノクロセンサを搭載するK-3 Mark III Monochromeしかなくなってしまいます。
一眼レフを継続すると宣言したPENTAXですが、このままだとPENTAXのレンズ交換式カメラが消滅してしまいそうです。
PENTAXブランドでは防水コンデジのWGシリーズ、フィルムハーフ判のPENTAX 17がありますが、フィルムカメラの次が果たしてあるのか、その前にやるべきことがあるんじゃないの?一眼レフとかさぁ、と思ってしまいますし、いやもしかしたらAPS-C一眼レフを開発中なのかもしれません。

最後に残る一眼レフカメラがPENTAXと思っていただけに、ちょっとPENTAXの動向が心配ですね。
CanonもNikonも一眼レフは残り3機種で、2社とももう新規開発はないでしょうから。そうなるとやっぱり一眼レフはロストテクノロジーになっていくんでしょうね…

2025年5月現在、Canonの一眼レフは3機種
2025年5月現在、Nikonの一眼レフは3機種

最後までの残る一眼レフはどれかな? 私も使っているD850ももう8年近く販売中です。

少しずつNikon Z9IIの噂も出てきていますね

2021年12月の発売からこの年末で丸4年になるNikon Z9ですが、過去Dシリーズは概ね4年周期で大型モデルチェンジでした。
ミラーレスのZになってからは、ファームウェア(FW)の更新でかなり機能拡張があったので、モデルサイクルも長くなる傾向にあります。
とは言え、3年半経過しているので、モデルチェンジの噂が出てきているのは必然でしょうね。

私もZ9が初めてのフラグシップ機導入でしたが、次も買うかと言われると…資金繰りが非常に厳しいです。今娘の塾代に相当かかっているので。
そして恐らく値段も次のモデルはかなり上がるでしょうから、下取りに出して買い替えも難しいかな?

ってことで、長く使うことになりそうです。後もう1回くらい、AF改善のアップデートがあればいいなぁとは思っています。被写体を認識して捉えた後の食いつきがもう少し改善してもらえれば、と思います。特にサッカーの撮影は入り乱れるので。

昨日は息子のサッカーの練習試合でしたが、こういう撮影はZ8ではなくZ9なんですよね。バッテリの持ちと望遠レンズ装着時のグリップのしやすさや重量バランスの良さ、操作性は、Z9に軍配が上がります。
息子氏、胸トラップできるようになった! 以前はビビってた状況でもしっかり対応できている。成長したなぁ。

土曜日1日雨だったので、サッカーコートは一部ぬかるんで滑りやすいところも。逆に雑草が伸びてボールが転がらないなど、コンディションが悪い中結構健闘しました。

モビリティリゾートもてぎ、子どもが遊べるアトラクションがたくさん出来ていた

まだツインリンクもてぎだった時代、レースのない日は本当に…静かでした。何せ交通の便が悪い場所ですからね。遊べる施設も少なかった。
それが改修されてモビリティリゾートもてぎになってから、遊ぶ場所が一気に増えました。

場内のレースコース前のチケットセンター周辺、以前はほとんどなかったアトラクションが増えました。
上の写真に写っているのはジップラインのアトラクションです。高所恐怖症にはおすすめできませんが(笑)。一緒に行った息子は「絶対にヤダ」だそうですが、パパはやりたかったよ!

アスレチックはかなりのガチでした(笑)子供用だろと思って舐めていたら、謎解きしながらあちこちくぐったり登ったり。本格的でした

ちょっと困ったのが、この日望遠レンズなどカメラ機材も持っていたのですが、荷物を預ける場所にコインロッカーはなく、置くだけの棚しかないんですよね。
貴重品は身につけてと言われても、望遠レンズの入ったバッグでこのアトラクションは無理がありました…。
ぜひコインロッカーは欲しいですね。これだけが目的なら軽装をおすすめします。

アスレチック系が充実しているのと、屋内アスレチックもあるので、雨天でも楽しめそうです。室内アトラクションは時間入れ替え制でゴミゴミしていないのもいいですね。

この日は古くからのクルマ仲間のつかさんと合流、昔アコード仲間だった友人と、今や家族ぐるみで遊んでるのですから、時が流れるのは早い。20年以上の付き合いですからね。


この日はレースがあったのでイベントも多かったですね。Nikonはレースのスポンサーだったようで、双眼鏡無料貸出をやっていました。
スーパーフォーミュラのステージでもNikonの公演やっていました。

今や女性も望遠レンズでガンガン撮る時代です。フィルム時代の頃はとんと見かけなかったけど、時代ですね~。

令和7年度防衛大学校入校式の式典飛行を見てきた

土曜日、横須賀方面で色々写真を撮ってきましたが、時系列的にまずはこちらから先にご紹介。

防衛大学校の入校式の式典飛行、経過飛行なので、特段見るものがあるわけじゃないですが、どんなものかなと思いまして。
実際の飛行はお昼くらいかなと思っていましたが、実際そんな感じでしたね。

奥ではCH-47JAが2機編隊で飛んでいましたが、これは入校式典とは関係のない訓練ですね。
EC-225LP スーパーピューマMK.Ⅱ+が2機、11時前に降りてきて、これが防衛副大臣搭乗機でした。帰りに上がっていく機体、よく見るとJG-1021に4つの桜が掲げられていて、これが防衛副大臣搭乗機でした。
防衛大臣だったら桜5つですね。

続いて12時過ぎ、経過飛行実施。大体検討をつけた海岸沿いで撮影していましたが、ヘリは小さく、輸送機や哨戒機は大きい、F-2はあっという間、と言う感じでした。
単焦点600mmにx1.4テレコンで撮影していましたが、状況的にはズームの180-600mmで良かったかも。遠方は180-600mm撮影。

まあ特段これと言った写真でもないですね、これだけ準備して撮っていてなんですが。ただわざわざ見に行ったのは、近い将来いなくなるであろうAH-1Sコブラの飛ぶ姿を見たかったからです。
ギャラリーも少なかったですが、機材だけは三脚も持っていったので、通り人にジロジロ見られましたがw

毎回こういう場所で聞かれる「そのレンズ何倍ですか?」というのは今回なくて(何倍って概念は多分望遠鏡や双眼鏡から来てるんだと思いますが)、じっちゃん達(若い人は絶対に話しかけないですね)が一様に「何ミリですか」と聞く辺りに、横須賀は少し意識高いと感じましたw
とあるじっちゃんは、「え、600mm」という、多分そのデカさの割にい意外と短いな、と言うニュアンスの反応だったのが面白かったです。
実際はテレコンも入っていて850mmだったのですが、そこは説明が面倒なので、更に突っ込んで質問してきたじっちゃんだけにお話しました。

撮影はアレでしたが、色んな人と話せたので、それが良かったですね。あと、この撮影の移動では使わなかったけど、チャリンコ持っていって一走りできたのも楽しかったな。
その他の撮影の写真はぼちぼちアップします。

PC Nikkor 28mm用に探していたレンズフードHN-9、ついに見つけたので購入

苦節数年? 古いシフトレンズであるPC Nikkor 28mm F3.5を持っていますが、この時代のレンズはレンズフードが別売りだったんですよね。
今でこそ当たり前のようにレンズフードが付属するようになりましたが、そうでなかった時代のレンズは、中古でももちろん殆どの場合フードが付属しません。
従って探さなければなのですが、Nikonは数年前まではある程度古いレンズのフードも別売り販売していたのと、中古流通量もそれなりにあるので、一般的なレンズのフードにはあまり困りません。
が、PC Nikkor 28mm F3.5のフードは別です。HN-9と言う型番が設定されていますが、広角レンズほどレンズフードの高価があまりないため、流通量が極めて少なく、NikonのFマウントレンズ用としては希少性が高く、流通価格も高価です。

上のブログにも書きましたが、HN-9に適合するレンズは…

  • Nikkor-UD Auto 20mm F3.5
  • PC-Nikkor 28mm F4
  • PC-Nikkor 28mm F3.5

これら3種類しかなく、PC Nikkorは比較的中古では見かけるものの、使い勝手やフードの効果が薄いことから、とにかくHN-9と言うフードは手に入らないんですよね。
中古でもプレミア価格で取引されていて、なんだかなぁとは思っていました。

ところが先週末中古ショップでついに見つけてしまいました! そして相場よりは安く、しかもほぼ未使用品を見つけてしまったのです!
相場より安いとは言え、それなりには高いけど、これを逃したらもう見つけられないだろうと思い、購入を決断しました。

Nikon HN-9 適合レンズの表記は20/3.5としか書かれていない

PC Nikkorはなぜかフードに適合として書かれていないのですが、こちらが使用可能です。フィルタ径は72mmなので、汎用フードで72mmのフィルタ径かつ焦点距離20mmに対応するねじ込み式のものが仮にあれば、それを流用させることは可能です。
ただ、多くの72mmのフィルタ径の汎用ねじ込みフードは、28mmまでのレンズに対応するか、記載がなく不明なものが多いのです。
なのでHN-9にこだわりました。実際このフードが有用かと言われると、そうでもないので、コレクターズアイテムみたいな感じですね。

元々フードがなくても、この時代のレンズとしてはやや大きめで威風堂々としていますが、フードを装着することでより”らしさ”が増しますね。
ほとんど自己満足の世界ですが、やっぱりフードがあるとかっこいいしテンションも上がります。
撮影に対する効果は殆ど無いでしょうけどw

フードを付けるとレンズの蓋は装着できない

ただし、このレンズフードを装着したままレンズの蓋は閉められません。なので、仕舞う際にはいちいちフードを外す必要があります。
また、レンズフィルタとの併用では、最大シフト時に画面隅に若干のケラレが生じる場合があります。
そういった点から見ても、やや実用に欠けるフードですが、とりあえず数年探していたものが相場より安かった、しかもほぼ新品未使用に近い状態なので満足です。

それにしても今年はBRONICA用Nikkor-O 50mm F2.8の純正レンズフードも手に入れられ、レンズフードの当たり年ですね。


PC Nikkor 28mm F3.5も物によってはかなり値付けされているけど、探せば数万円以内に収まるレンズです(2025年4月現在の相場)。
フードが相対的に高いんですわ…。実用上フードはなくてもよいのですが。

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アウトレットで激安だったのでNATIONAL GEOGRAPHIC IL 5050バックパックを買ってみた

カメラバッグ如何にかかわらず、今自分用のバックパックは望遠レンズ用の大型バッグ2つしか持っていなくて、それより小型のものはずっと肩掛けを使っていました。
が、肩掛けバッグは荷物が取り出しやすい反面、片方の肩への負担もそれなりにありるし、かがむとバランスが悪いですよね。

プライベート用にちょっとした荷物+カメラ用にバックパックは欲しいと思っていたのですが、それなりにしっかりしたものは良い値段なのと、間仕切りがないバックパックは荷物は入るけど奥に入れたものが取り出しにくいとか、使い勝手の面で敬遠していたんですよね。
ただ最近クロスバイクを買ったので、移動で荷物を運ぶ際に、肩掛けだとどうしても屈み姿勢になるためバランスが悪いので、あまり大きくないバックパック欲しいなと思っていました。

そう思っていたら、年度末なのか大幅値引きされたバックパックが出ていて、クーポンとポイントでさらに安くなるので、ポチってみました。

NATIONAL GEOGRAPHIC IL 5050

NATIONAL GEOGRAPHICと言えば、アメリカ発のドキュメンタリーチャンネルで、「メーデー!:航空機事故の真実と真相」などが面白いですが、なぜかそことカメラアクセサリメーカーのManfrottoがコラボしたカメラ用品を出しています。以前は三脚も安価な商品で出していましたが、今は殆どディスコンになっていて、カメラバッグがメインですね。

今回買ったバッグNATIONAL GEOGRAPHIC IL 5050も、定価は3万円を超えるものですが、8割引きになっていました。サワrに割引クーポンとポイント諸々使って4千円強。普通のリュックより安い。よほど在庫を捌けたかったのでしょうね…
バックパックSと言う商品だけあり、対応カメラは各社ミラーレスでも小型のものですが、一応フルサイズ機のSONYのα7シリーズ、α9シリーズも対応となっています。
それらより一回り大きいNikon Z8はちょっと厳しいかもしれないけど、間仕切りは動かせるので何とかなりそうと思いまして。
普段はコンパクトなLUMIX GX7 MarkIIIを入れて、水筒やら身の回りの物を入れて、といった感じかな。

上が汎用の荷物入れで、下にカメラ関係が入るというバッグになっています。

もうカメラが入っている!

パカッと空けたらもうカメラが入っているw 販売時のイメージのようです。でもこういうのが入っているので、意外とコストは掛かっていそうですね。

中のカメラ収納部はこんな感じ

収納部はSサイズだけあり確かに小さめです。ミラーレスでも比較的小型のマイクロフォーサーズ、APS-C向けで、フルサイズだとファインダの出っ張りがない機種や、SONYのαシリーズならぎりぎり入るようですが、一回り大きいNikon Z8だとどうでしょう?

何とかギリギリNikon Z8が入りました、ちょっと奥行き方向が厳しそうですが…。EVFの出っ張りがはみ出しています。

Nikon Z8を入れた状態でなんとか蓋も閉められた


この状態でもなんとか蓋を閉められました。ワタシのNikon Z8はLアングルアダプタを付けているので、少し背が高くなっているんですよね。これを外せばもう少し苦しげなく入りそうではありますが、交換レンズは小型のものがあと1本入るかぐらいな感じです。やはりこのバッグはSサイズだけあり、NikonやCanonのフルサイズ機には不向きですかね…。SONYのαの小ささには感服します。

もちろんもっとコンパクトなカメラなら難なく入りますし余裕すらあります。

マイクロフォーサーズのLUMIX GX7 MarkIIIなら難なく入るし、交換レンズ3,4本も余裕ですね

Panasonic LUMIX GX7 MarkIII(GX7MK3)なら余裕で入る上に、交換レンズ3,4本程度もちゃんと入ります。カメラバッグとして使うなら、やはりこのサイズのカメラに適したバッグです。Nikon Z8だと交換レンズは下のカメラ収納部ではなく、上の汎用収納部に入れれば何とかいけそうです。あるいは下にレンズを立てて収納し、カメラはバッグに入れないで首からぶら下げる使い方なら行けそうです。

面白いことに、カメラ収納部は取り出してそれ単体で肩掛けバッグにもなります。まあそれをしないためにバックパックを買ったので、そういう使い方はたぶんしないでしょうけど。

この状態だと多分Nikon Z8は蓋が閉められないでしょうね、M4/3やAPS-Cまでですね
https://www.manfrotto.com/jp-ja/national-geographic-iceland-2in1-camera-backpack-s-for-csc-ng-il-5050/

小型とはいえ14インチのノートPCも入るし、サイドに小型の三脚も取り付けられるし、ペットボトルもサイドポケットに入ります。

くるくる巻かれている上の収納部は割とモノは入りそう、何ならタブレットやノートPCも入ります

なかなか便利ですし、Sサイズながら結構入ります。これより大きいMサイズもあるようですが、個人的にはかさばるのでこれくらいがちょうどよいですね。
フルサイズ機と多くの交換レンズを運ぶなら、今使っているVanguardのALTA SKY 53がありますし。
これならちょっとした撮影もそれ以外も、気軽に持ち出せそうですね。これで古いバッグ類は処分できそうかな。


アウトレットでまだ安く出ています(2025年3月末現在)。お早めに!

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DPREVIEWの記事やTKO氏退社に想うRICOHのPENTAX一眼レフの見えない将来

PENTAX K-rのカラバリモック 2011年に100円(笑)で購入

ちょっと前に見た海外のDPREVIEWの記事。RICOHのカメラ事業部のインタビューで、個人的にPENTAXのカメラは所有したことがない(上の写真のK-rはモックです)のですが、仕事が製造業なので、プロダクトに対する想いについて、ちょっと書いてみました。

https://www.dpreview.com/interviews/8811743241/ricoh-pentax-interview-monochrome-gr-kazunobu-saiki

「私たちは、写真撮影の結果だけに焦点を当てたいのではなく、人々に写真撮影のプロセスを楽しんでもらいたいのです」とリコーカメラ事業部のゼネラルマネージャー、斉木一信氏は言う。

Google翻訳そのままの文章ですが、RICOHが目指す写真撮影のプロセスを楽しむとは何か、ふと考えてしまいました。
この記事はRICOHのGRシリーズの焦点を当てていますが、同社が抱えるPENTAXブランドの一眼レフについても言及されています。

まずGRシリーズについては、コンパクトカメラ全体の販売総数が落ち込む中で、GRの需要が高いことを強調していますし、実際そうだと思います。
あのサイズのカメラでさっと撮れて高画質、というのは他にはないもので、長きにわたって需要があるのは、ブランドとして認知され成功している証だと思います。
何よりあの価格のカメラ、高価すぎず安すぎずの絶妙な価格で、長期間継続して売れるカメラはなかなかないでしょう。
現在のRICOHのカメラ事業は、GRシリーズで持っていると言っても過言ではないでしょう。

ところがPENTAXのデジタル一眼レフ(DSLR:Digital Single Lens Reflex camera)の話になると、何だかモヤモヤした回答しかしていないのが気になりました。

「DSLR 愛好家の一定のグループがまだ存在すると私たちは信じています。」

希望的観測でしかないですね、“信じています”では。
といういのも、今PENTAXはミラーレス一眼はやらない、一眼レフを続けるとしているのに、現時点で主軸をミラーレスに移したCanonやNikonよりボディのラインナップがさみしい状態です。

2025年3月時点のPENTAXの一眼レフはわずか3商品 製品 | RICOH IMAGING


レンズはパッと見た限りCanonの一眼レフ用EFマウントレンズよりは多いのですが、元々PENTAXはデジタル一眼レフはAPS-Cを主軸に展開していたため、1機種のみのフルサイズ機であるK-1IIのフルサイズ用レンズがNikonと比べても少し寂しい状態、特に望遠レンズはラインナップがもともと少なかっただけに、今や風前の灯火状態です。

300mmを超えるレンズは今やこの1本のみ HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW

Canonは既に一眼レフ用のレンズはかなり整理が進んでいて、単焦点レンズはかなり減ってしまいましたね。Canonももう一眼レフ用の単焦点望遠レンズがなくなってしまいました。つまり、スポーツ報道プロ向けももうミラーレスに軸足があるということです。その点、Nikonはまだ一眼レフ用望遠レンズはフルラインナップですね。(2025年3月現在)

CanonもNikonも、ミラーレスが今後は主体であり、また一眼レフ用レンズもアダプター経由で使えることから、資産も無駄にはならないでしょう。
しかし、ボディもレンズも新しいものが出ないPENTAXは、一眼レフかミラーレスか以前に、このシステムに将来があるのか?となっている状態です。

一眼レフもミラーレスも、レンズ交換式カメラはシステムとして成り立っています。GRシリーズやPENTAX 17のようなコンパクトカメラは、基本それ1つで完結するので、ユーザーも気軽に購入しやすいのに対し、レンズ交換式の場合は、レンズやアクセサ含めたたシステム上に成り立っていて、PENTAXの新しいボディが出ないからと言って、CanonやNikonなどの他メーカーのボディでPENTAX Kマウントレンズが使えるわけではないし、フラッシュその他のアクセサリも同様です。
今PENTAXユーザー、特に昔から使っていてレンズを多く持っているベテランは、そして望遠レンズ主体で撮影しているユーザーは、もうはっきり言って他に移らざるを得ない状況ではないかと思うんですよね。

「レンズを通して本物の光を見たいと思っているデジタル一眼レフ愛好家のグループがまだいると私たちは考えています。」

この考え方がもう後ろ向きではないかと思うのです。本物の光を見たいユーザーは一定数いるとは思います。が、それはPENTAXというシステムの光が見えない状況で、果たして今後も使いたいと思うでしょうか?
厳しいことを言うと、CanonやNikonにも一眼レフは残っていて、果たしてそれらのカメラと比較して、PENTAXがそれらのメーカーとは違う何かがあるのか?に尽きるのではと思います。
本物の光はCanonやNikonの一眼レフでも見られるし、PENTAXの未来が見えないことにはシステムに投資できない。さらに言うと中古市場でいくらDSLRが賑わったところで、それはPENTAX一眼レフの売り上げにはほとんど貢献しないでしょう。
写真の撮るプロセスを重視していると言う中で、PENTAXの一眼レフに果たしてライバルに対して抜きんでたものがあるのでしょうか?

「市場を注意深く調査し、ユーザーやデジタル一眼レフファンの声に耳を傾けます」と斉木氏は言う。「その後、事業ロードマップを描きます。」

このペースがあまりにも遅いのではないかと思うんですよね。あるいは、もうロードマップを描けないほどに事業縮小をしてしまっているのかもしれません。
動画よりも写真を楽しく撮るプロセスを提供するために動画に注力しないというのも、裏を返せばそんな余裕も能力もないのではと思いますね。

もちろん少ないリソースで動画を捨てて写真に注力するのは理解できます。ただ、それが果たして今のPENTAX一眼レフでなければ出来ないのか?と問われると、それに対する説得力のある物がないと、ただの遠吠えになってしまいます。
全体として、PENTAX一眼レフの話が後ろ向きのことしか発言していないわけで、存続か否かの瀬戸際になっていないでしょうか?

私も製造業の端くれとして、開発に携わっていますが、商品として開発するには何年かが必要で、仮に次の一眼レフの新機種が今年出るとしたら、もう3,4年前から企画としては決まっていて、昨年には試作機が出来ていて、テストとファームウェアなどの改善をしつつ、商品化の目処が立てばまずは小ロット生産に移行する、と言う流れではないかと思うのですが、果たしてそれが出来ているのかですね。

DPREVIEWの記事に対する反応を見ると、確かにカメラそのものが高価になり、もっと撮影するプロセスを楽しめる、何もかもがオートではないカメラを所望するような発言はチラホラ見かけます。でも次に出てくる言葉が「シンプルで安いカメラ」なんですよね。
現実にはシンプルで操作性を楽しめるようなカメラは、M型Leicaのような究極に高価なカメラなんです。
フィルム時代の末期の90年代、Nikonにはシンプルで安価なMF一眼レフのFM10が存在しました。が、それは一番売れたカメラかというとそうではなく、現実にはAFエントリー機のF60Dのほうが売れました。
結局、そういう発言をするユーザーは中古を買い、企業に貢献はあまりしない、なので売れないし、物が安価だとよほど数を出さない限り売り上げにつながらないわけです。
ニッチなものは高価にならざるを得ない、大衆向けほど安いし、大衆ほど知識がないから機能を求めるのが常です。

個人的にPENTAXがまずやるべき一眼レフは、Nikon D850を超えるK-1IIIの開発、Nikon D500を超えるK-3IVの開発じゃないでしょうか、まずは。一眼レフの究極を目指すなら、まずはライバルで売れた機種を超えなければ。それはカタログスペックだけではない、部分も含めてです。
その上で、PENTAXが考える、撮る楽しみと操作する楽しみのある一眼レフを出せばよいかと思います。
とにかくニッチになりすぎると、Leicaのような高額路線にならざるを得なく、それはPENTAXが目指すべきところではないでしょうから、しっかりとボディを出し、レンズもリファインする、その上でPENTAXが考える操作する楽しみを追求したカメラを出すべきじゃないでしょうか?

今レンズ交換式カメラが高価になりすぎたせいか需要が伸び悩み、代わりにコンパクトデジカメがまた伸びてきています。
ただコンパクトデジカメの内訳をみると、かつて日本メーカーが出していたけど撤退した1,2万円クラスの安価なデジカメをKodakが販売し、日本や欧州のメーカーは高価なレンズ一体カメラ(あえてコンパクトデジカメとは呼びません)にウェイトを置いている感じですね。コンパクトデジカメも二極化が進んでいます。
そういったところの間にPENTAXも一石を投じられればと思うのですが。

そしてPENTAXのプロダクトプランナー・デザイナーのTKO氏が退社するとのポストが御本人のXに投稿されました。

PENTAX 17Jlimitedなどを手掛けたのが最後なのか、実はこの後に続くプロダクトもある程度描いての退社なのかわかりませんが、きちんと後継者が継続できれば良いなとは思っています。何せ今の企業は、こうした後継者がなかなか育たないので。
さてPENTAXブランドの次なる手がどうなるのか、ユーザーではない自分も(会社ではPENTAXのコンデジ使っていますが)気になるところです。