横須賀で英空母プリンス・オブ・ウェールズを見てきた(その2)

予約していたYOKOSUKA軍港めぐりの11便に乗りました。
お盆休みに英空母来港とあって、この日の便はすべて満員御礼だったようです。

本当は右舷側に座りたかったけど、まあよいか。
この日は風が強く、動画撮影も試みたのですが、風圧でカメラがブレにぶれてだめだったので、船上では写真中心です。

フネは動くので、パッパッと撮っていきますが、なにせ風が強くって体が持っていかれる…。

ファンネルや船体に紋章やイラストが描かれたフネは海外に多いですが、主砲に描かれているのは珍しいですね。

ノルウェーとイギリス艦艇、停泊後の式典か何かがあったのかな、ずらりと人が並んでなにかの準備中でした。
海上自衛隊の艦艇は右から護衛艦まや(DDG-179)、護衛艦くまの(FFM-2)、そして護衛艦あまぎり(DD-154)、新旧入り乱れていますね。特に古いあさぎり型護衛艦は、まだ数年以上使われるようで。ご苦労さまです。

そして英空母HMSプリンス・オブ・ウェールズです。しっかりアメリカ海軍横須賀基地のバースに収まっていました。

艦載機も見えますね。いずれ高い場所から拝みたいですが、さて行けるかな? 実は8月末に抽選で見学ができるということで申し込みしましたが、執筆時点では結果が出ていません。当たったら見学、当たらなかったら松島基地航空祭かな、なんて思っています。

そしてさらに珍しいのが、何と攻撃原潜が停泊していたこと。

米海軍のヴァージニア級攻撃原潜「ミズーリ」(SSN-780)で、ヴァージニア級は初めて見ました。コネチカット州グロトンのニューロンドン海軍潜水艦基地所属ですが、横須賀に来ている目的は不明。船体にワイヤー状のものが巻かれているようで、消磁作業中でしょうか? 吸音タイルの継ぎ目が見えていて、それなりに痛みはあるようです。
この艦はヴァージニア級のBlockIIで2010年就役、15年経過していますが、現在アメリカでは原子力潜水艦の整備拠点が減って整備が間に合っておらず、ずっと整備待ちの艦艇があるくらいなので、こちらは酷使されていそうですね。

遠方に米海軍補給艦が。1隻離れて停泊中の潜水艦は「たいげい」で、最新型にも関わらず、試験潜水艦となっていて、新装備品のテストの従事しているそうです。
なぜ名前がっわかったかと言うと、ハッチの横に建てられた隊員の名簿が入った看板に「たいげい」と書かれていました。
もちろん作戦に従事する艦艇ではないから、見えても問題ないんでしょう。

掃海母艦「うらが」の窓に貼られた海将補旗(左の桜2つ)と第一代表旗(司令不在の意)

掃海母艦「うらが」(MST-463)の窓には、海将補旗(左の桜2つ)と第一代表旗が、第一代表旗は、司令不在を意味し、港内停泊時のみ使用されるものだそうです。
お盆ですしお休みなのか、陸でのお仕事があるのでしょうね。
この掃海母艦「うらが」、当初は機雷破壊用に退役艦から外した76mm砲を搭載する予定だったのが、砲の状態が悪く見送りとなり、以後搭載予定のまま28年を迎えます。
おそらく今後10年程度で退役するでしょうけど、後継艦の話は聞かないですし(なさそう?)、砲を搭載することも恐らくないでしょう。そのための人員と予算を確保してまで、といったところなんでしょうね。

新井堀割水路を通って戻ります。

その時時で見られる艦艇は違いますし、何なら入出港するタイミングのものも見られたりしますので、ぜひYOKOSUKA軍港めぐりを体験してみてください。

賑やかで観艦式のようでした。ノルウェーのフリゲートは、8月19日から22日にかけて東京国際クルーズターミナルを訪れる予定。行きたかったけど平日なんですよね。近くで見たいのですが。

横須賀で英空母プリンス・オブ・ウェールズを見てきた(その1)

2025年8月12日、横須賀にイギリス海軍空母「プリンス・オブ・ウェールズ」と随伴の45型駆逐艦「ドーントレス」、そしてノルウェー海軍のフリチョフ・ナンセン級フリゲート「ロアール・アムンセン」が入港しました。

ということで、前日は栃木県の足尾や日光東照宮に出向いていたのですが、その話はまた今度にするとして、先に横須賀の写真を。3時間睡眠で夜のうちに出発し、夜明けの横須賀へ。

天気は曇り、時々雨もぱらつく。東京湾へ入ってくる英空母プリンス・オブ・ウェールズをどこで撮るか悩みました。観音崎あたりか、馬堀海岸か。ただ天候が悪く、視程もいまいちかもしれないと思い、安牌のヴェルニー公園へ。ただ、ここからだと、英空母はどうせ米海軍側に停泊するだろうから、頭しか見えないかなと。
かといって某公園は既に脚立で場所を占領している輩がいて治安悪い。そこで撮りたくはない。煩わしいことは嫌なのでね。

日も昇り、と言っても曇りですが、先に護衛艦「ゆうぎり」が出港。かなり船体にサビが出ていて、任務が忙しいんだろうなと。昔はこんなにサビサビの状態の護衛艦にお目にかかることはまずなかったのですが。

朝撮った護衛艦「おおなみ」では真っ白の制服を着た隊員が登檣礼のスタンバイ。

そして午前8時、やっと英空母プリンス・オブ・ウェールズが入港しました。

予想通り、頭しか見えませんね。これは数年前に来た英空母クイーン・エリザベスと同様ですが、さすが空母だけあって船体が大きいので、米艦艇や建造物の隙間から、艦載機はよく見えました。統合電気推進の通常動力空母で、アイランドを前後に分けているのが独特ですね。
英国の艦艇はかっこいいですね。

動画はXにNikon Z9のN-RAWで撮ったときに同時生成されるHDプロキシ動画を貼っておきました。N-RAWの動画データは後で編集してYoutubeにアップしますね。

1時間弱経過後、随伴艦である英駆逐艦ドーントレスが入港。こちらは空母を守るための艦隊防空を任務として、日米のイージス艦と同様、長射程の防空ミサイルアスター30を搭載しています。

こちらは海上自衛隊側のバースに入っていきました。

こちらもXにプロキシ動画を貼っておきました。

英45型駆逐艦は防空艦ですが、既に各国トレンドになっている3~4面固定アレイではなく、回転式のレーダーを搭載しています。
でも船体が今どきのステルス艦型なので、古臭さは感じないのが不思議です。

煙突部分に入っているマークについては、軍事評論家の岡部いさく先生が解説されています。

こういうマークは欧州の艦艇ではよく見られます。

続いてノルウェー海軍のイージスフリゲート、ロアール・アムンセンが入港。

主砲には熊のマークが。こちらも岡部いさく先生が解説されています。

こちらはあまり詳しくはわからなかったようです。どなたか取材で明らかにしてください(笑

フリチョフ・ナンセン級フリゲートはスペインのイージス艦をベースとしているものの、レーダーがフリゲート用の小型のSPY-1Fを搭載していて、他のイージス艦よりも探知距離は低下しています。採用例はこの艦型のみです。既にAESAレーダーが主流の中、古いPESAはあまり魅力に写らなかったのでしょうね。
搭載ミサイルもSM-2のような長射程の艦隊防空用ではなく、個艦防空レベルのESSMとなっています。

こちらも簡易に入港シーンを。

小型化したSPY-1Fレーダーとはいえ、パッシブなので内部は導波管でそれなりにスペースをとっていると思われます。結構頭でっかちなマストです。

これらの海外艦艇のホストシップだった護衛艦「てるづき」も入港しました。

この後はあらかじめ予約していたYOKOSUKA軍港めぐりの船に乗ってきましたが、その写真は次回に。
この日の軍港めぐりは全席満員御礼だったようです。夏休み期間ですしね。

【松屋酒造】流輝 (るか) 純米吟醸 山田錦 針金屋別注

久しぶりに、針金屋加藤酒店に行ってきました。
ここの店主自ら手詰で組んだ、ここだけのお酒です。

ベースはタイトルの同名のお酒ですが、別注では醪(もろみ)を絞る最初の部分である「あらばしり」と、最後にギュッと酒袋を押して絞る「責め」を混合して手詰めしたお酒となっています。
一般に荒走りの部分は、雑味が少ない若々しく繊細な部分、そして最後の責めはギュッと絞るので苦みや雑味といった部分が表に出てきます。
これらを混合したということで、どんな味わいになるか楽しみなお酒ですね。

スペックとしては、酵母は非公開、アルコール度数は15度と一般(ちょっとだけ低い)。おりがらみの生酒、もちろん要冷蔵。
ロットによっては吹き出しがあるかもしれないようです。冷やしていただきましょう。

澱を絡めると濁りは強め

開栓、とりあえずガス感はなく吹き出しはなし。
上立香は洋梨のような濃厚な甘みです。注ぐと澱が絡んでいい濁り具合。口に含むと…えええ、このトロッとした感触、そして甘みはまるで飯米かのような糖度の高い、甘酒を彷彿とさせます。洋梨のような甘み、だけど後味にちょっと大人びた苦みとアタックがあり、余韻は長め。とにかくとろっとした感触がまるで果汁100%の洋梨ジュースを思わせる丸みのある甘み。
酒米は定番の山田錦なのに、まるで飯米のような膨らみのある甘みば独特で癖になります。
今回の別注、見事です。これは他では味わえないです。
諸事情で四合瓶を買いましたが、一升瓶で買いたいですね。


通販では通常の流輝 純米吟醸 山田錦を購入できます。別注がこんなに美味しいなら、通常版も美味しいに決まっています。

オーストラリア海軍が次期フリゲート艦に改もがみ型を選定、どんな艦艇になる?

先日、オーストラリア政府より、アンザック級フリゲートの後継艦として、日本の改もがみ型護衛艦が選定されたことが発表されました。


アンザック級は1990年代から2000年代に就役し、初期の艦が間もなく30年を経過することから(1番艦は後継艦導入費用にまわすため2024年に退役)、後継艦の選定が行われていました。


候補しとて名乗りを上げたのが、日本の改もがみ型以外に、ドイツのMEKO-A200ないし改良型のA210型、韓国の大邱(テグ)級フリゲートのバッチ2または3、スペインのAlfa3000型の4か国です。

このうち最初の選定で韓国とスペインは脱落となりました。
韓国は、海軍に関しては対北朝鮮を念頭に90年代初頭までは比較的小ぶりのコルベットやミサイル艇中心だったものが、この四半世紀でより外洋志向の海軍にシフトし、近年は自国兵器の輸出も積極的に行っています。
が、他の3国と比べてフリゲートクラスの水上艦はまだ実績が少なく、大邱(テグ)級はVLS(ミサイル垂直発射装置)が韓国製ミサイル専用K-VLSで汎用性に欠けます。
船体が小さく乾舷が低めで、外洋での航行に支障が出そうな点や、米国製のMk.41 VLSへの改装に問題もあるかと思います。
レーダーも回転式の3次元レーダーSPS-550Kで、アンザック級は途中でCEAFAR多機能レーダーに改装しているため、多機能レーダー搭載となると改装のための開発費用や船体の小ささがが不利です。
またこのクラスは推進軸の不具合が出ていること、乗員人数が140名とサイズのわりに多いことも選定から漏れた理由でしょう。

スペインは元々海軍国家で艦艇輸出にも力が入っている国ですが、提案したAlfa3000型ははまだ実艦艇が登場していません。完成CGを見ても何となく野暮ったく見えるのと、船体もアンザック級と大きく変わらないか小さいようで、航続距離や外洋航行性能でオーストラリア海軍の要求を満たせなかったものと思われます。実艦がまだないということは、開発から建造までに時間がかかることで、これも早く代替艦が欲しい、遅延はあってはならないという思惑にも合致しなかったでしょうね。

日独案の一騎打ちに

最終的にドイツと日本の一騎打ちとなりました。
ドイツは古くから兵器輸出に力を入れており、現在のオーストラリアのアンザック級フリゲートも、ドイツのMEKO-200型ベースです。
そのため、今回も艦艇の輸出経験がない日本よりも、経験豊富でかつアンザック級と同じ流れを汲むドイツが有利ではないかとも言われていましたが、ドイツが提案していたMEKO-A200型は、MEKO-200型の後継と言われつつもつながりは薄く、設計がやや古い上に南アフリカやエジプト海軍といった小規模採用しかなく、これらの艦艇は米国製ミサイルを搭載していないため、米国製Mk.41VLSを搭載するとなると、VLS周りの設計変更が必要です。そしてMEKO-A210型は現時点で実艦艇が存在しません。
レーダーもMEKO A-200型ではどの国も3次元レーダーが回転式で多機能レーダーは搭載していません。写真を見ても、アンザック級とほぼ同じサイズとはいえ、かなり小型の艦艇で発展性に乏しい、つまり重量がかさむ多機能レーダーの搭載は出来なくはなさそうだが、余裕もなさそうです。

アルジェリア海軍のMEKO A-200「エル・エルラディ」級フリゲート
Wikipediaより引用 Merzoug Gharbaz – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=43358393による

対する日本が提案した改もがみ型は、ベースとなったもがみ型FFMは既に8隻が就役(2025年8月時点)で4隻が建造または艤装中、既に改もがみ型FFMの建造にかじを切りつつあり、2025年度内に1番艦の起工が予定されています。しかもこの中から既に豪海軍向けに建造割り当てを行っています。これは今回の販売競争で官民一体で尽力した成果の1つですね。確実に前回のそうりゅう型潜水艦輸出失敗の教訓が生きているでしょう。

防衛省の資料 https://www.mod.go.jp/atla/pinup/pinup050825.pdf より引用


ハードウェアに目を向けると、他国の提案より大型の基準排水量4,880t(満載排水量は6,200t)、これは他国提案艦艇が4,000tに満たない満載排水量からするとかなり大型で、まず持って余裕が違います。
UAV,UUVの運用能力が最初からあり、かつ多機能レーダーも最初から搭載しています。32セルのVLSを搭載、もがみ型譲りの長い航続距離(1万海里≒18520km)が決め手でしょう。
もがみ型で欠けていた対空戦闘能力の強化、多機能ソーナー搭載で、バランスの取れた戦闘能力を備えています。
今回、オーストラリアはハードウェアにはできるだけ手を付けない、という方針だったようで、つまり他の案ではハードウェア的に満足できなかったとも言えます。一般に戦闘システムなどは後から改装可能だとしても、レーダーやソーナーといった装備は改装が大掛かりになるためです。
特に対潜能力はオーストラリア周辺、特に中国やウクライナ情勢といった安全保障状況の変化もあり、今後重要視していく部分で、ここは海上自衛隊が昔から力を入れていた分野でもあります。

またもう1つの決め手は建造ペースが西側でも早い部類に入る年2隻以上で、2029年に1番艦を導入したいオーストラリアにとっては、すでに改型の船体設計が出来ていていることは有利に働いたはずです。
加えて、もがみ型では省力化に力を入れており、乗員わずか90人で運用可能です。これは従来の同規模の艦艇より少なく、例えばもがみ型より船体が小さい「あぶくま」型護衛艦ですら120名、アンザック級で約160~170名なので、如何にもがみ型が省力化に尽力したかがわかります。ただ新型FFMは搭載兵装も増えるため、乗員も多少は増えるかもしれませんが、それでも省力であることに変わりありませんね。どこの国も今は少子化により海軍を志す若者も減りつつあるため、省力化は重要なテーマですね。
米国製で三菱重工がアメリカ以外で唯一ライセンス生産を行っているMk.41 VLSを搭載、しかも日本の護衛艦は、これまですべてのMk.41 VLSでStrike-Lengthというもっとも深さのある大型のものを搭載しているため、トマホークやSM-6のような大型なミサイルを装填可能です。
こうした点や将来拡張性、そして日本との防衛安全保障関連強化を考慮した結果が選定に繋がったと考えられます。

また、今回の選定理由はオーストラリアの政府の公式発表で明らかにされていて、

  • 生涯を通じて、もがみ型の運用コストは他の3つの提案よりはるかに低い
  • 2029年に最初のフリゲート艦が引き渡され、2030年に就役するという政府のスケジュールを満たすための唯一の選択肢
  • 改もがみ型の生産枠3隻分を既にオーストラリア向けに割り当てている
  • トマホーク巡航ミサイルを発射する能力

としています。元々アンザック級の後継として導入予定のハンター級の設計不具合やコストアップ、遅延が問題になっているため、改もがみ型に期待しているのでしょうね。

改もがみ型ベースのどのような艦艇になるのか?

オーストラリアは改もがみ型をそのまま輸入するのではなく、日豪共同開発とし、豪政府の要求に合致する形で仕様を変更します。
これは単純に武器を輸出できないが共同開発なら可能とする日本の法律と、アメリカ製のミサイル等の兵装や戦闘システム、豪海軍規格を用いて導入したいオーストラリアの思惑と一致します。
現時点でオーストラリア政府より発表があった改もがみ型ベースの新型フリゲートの概要は以下の通りです。

  1. 11隻建造、うち最初の3隻は日本国内で建造、残りをオーストラリアで建造
  2. レーダーなど基本的なハードウェア、装備品は極力改もがみ型を踏襲する
  3. SM-2/SM-6スタンダード対空ミサイル?(←後述)やトマホーク巡航ミサイルを搭載する
  4. 戦闘システムはロッキード・マーチン製を採用
  5. 2029年に1番艦を受領し、2030年に就役、3番艦は2034年までに就役

1.は前述の通り、既に3隻分の改もがみ型FFM建造スケジュールが豪海軍向けとして割り当てられているとのことです。現在、冷戦終了後の費用削減のツケが回ってきていて、西側の多くの国で設計建造能力が低下している中、日本も護衛艦を建造可能な造船所はこの30年で減らしつつも、何とか年2、3隻建造できる能力があります。
オーストラリアは遅延のない建造計画を求めていて、これに応えられるのが改もがみ型しかないということでしょう。
1番艦は2029年に引き渡し、恐らく米国製戦闘システムのテストなども必要になることから、1年テストに充てて、2030年豪海軍で就役すること目標としているようです。

2.は前述の通り、ハードウェアに手を付けないことで極力開発費増加と遅延を抑えるということでしょう。ハードに手を付けてしまうと、船体その他再設計が必要です。つまりレーダーはOPY-2もしくはその発展型(恐らく自衛隊向け23式艦対空誘導弾A-SAM搭載に合わせて捜索距離を強化するはず)をそのまま採用すると思われます。

3.ここが原文を読んでいて一番わからなかった部分で、原文にある

「新しいステルスフリゲートには、SM-2/SM-6ミサイル(筆者注:長射程の防空ミサイル)を発射する能力がある」としています。これは既にオーストラリアで就役しているホバート級イージス駆逐艦にある運用能力ですが、元々イージスシステムを搭載しないもがみ型や改もがみ型では運用能力がないため、前後の文脈から単純にオーストラリア海軍全体の運用能力としての話なのか、改もがみ型の話なのかが分かりづらいです。new stealth frigateという文脈でいうと、ホバート級はdestroyer(駆逐艦)なので、ハンター級フリゲートの話をしているのかもしれませんが(ハンター級はSM-2ミサイル搭載予定)、それならあえてnew stealth frigateと呼ばずハンター級と呼ぶはずですし、腑に落ちないですね。

改もがみ型のMk.41 VLSはStrike-Lengthなので、単純にミサイルを搭載するだけであれば、SM2/SM-6も搭載可能です。ですが、戦闘システムがそのままでは対応せず、また後述のロッキード・マーチン線戦闘システムにSM-2/SM-6運用能力を持たせたとしても、国産のOPY-2レーダーとのインテグレーション(適合確認)が必要ですし、射程を活かせるとも思えませんので、この話は管制能力はないが、ホバート級イージス艦からの管制で発射は可能を意味するのか、よくわからないところです。

ただ、明確にトマホーク巡航ミサイルは載せるとしていて、元々トマホーク武器管制システムは戦闘システムと別の個別のシステムなので、これは可能でしょうね。

4.は、公式発表での豪国防大臣の発言によれば「戦闘システムは実際にはロッキード・マーチン製」とのことで、実は元から純国産ではなくロッキード・マーチン製であると読み取れます。ただし戦闘システムの翻訳は必要としていて、この翻訳とは文字通りの言語の翻訳なのか、それともシステムを理解するうえでの「翻訳」なのかはさておき、気になるのは「実際にはロッキード・マーチン製」と言う文脈で、元々もがみ型護衛艦の戦闘システムにロッキード・マーチンが関わっているとするならば、そこが選定理由の1つになった可能性は高く、つまり日本製のミサイルだけでなく、アメリカ製のESSMの搭載もスムーズにできると思われます。
改もがみ型は対空ミサイルを国産A-SAMとしていますが、実はESSMも搭載運用可能なのかもしれません。A-SAMはESSMよりも射程が長く大型でVLSの1セルあたりの搭載は1発(ESSMのような1セルに4発入るクワッドパックは不可能)なので混在の可能性はありそう。
そうなると、オーストラリアの改もがみ型はVLアスロックは積まないので、32セルのVLSにSM-2/SM-6とESSMの混在搭載する可能性はあるでしょうね。
戦闘システムだけ日本向けの改もがみ型と別のものを載せるとなれば、そこの開発やインテグレーションも時間と金がかかりますが、戦闘システムとは三菱電機製OYQ-1情報処理装置を搭載しているもがみ型も、辿っていくと戦闘システムの一部にはロッキード・マーチン性を採用しているのかもしれません。このあたりは素人にはさっぱりですね。

5.はもっともオーストラリア海軍が望んでいることで、ハンター級フリゲートの失敗の二の舞いになりたくないという強い現れでしょう。
次期潜水艦などとにかくいろいろな話が二転三転し遅延する状況では、今回のフリゲート取得は絶対に失敗できない事案でしょう。

以上よりあくまで推察ですが、オーストラリア海軍の改もがみ型ベースの次期フリゲートは

  • 船体やレーダー、ソーナー、主砲は改もがみ型護衛艦と同一
  • 巡航ミサイルとしてトマホーク搭載
  • 対空ミサイルはESSM、SM-2/SM-6も搭載
  • 対艦ミサイルは日本製の17式艦対艦誘導弾ではなくNSM
  • 短魚雷発射管は多分そのまま日本製(オーストラリアが要望する物に改装も比較的容易)
  • SeaRAMはオーストラリアで採用実績がないが今更ファランクスにすることもないのでそのまま
  • OYQ-1戦術情報処理装置はオーストラリアの要望するロッキード・マーチン製へ変更(共通コンソールも日本製ではないものになる?)
  • UAV,UUVはオーストラリアが独自開発?

なんて思っています。こちらの記事もなるほどと思いました。
いずれにしろ、今後の交渉でどんな形に仕上がるのか楽しみですね。

Nikonも一眼レフのアクセサリを減らしつつあるのでDK-17Fを買っておいた

Canonも然りですが、Nikonもミラーレス化により一眼レフカメラの開発を終了し、アクセサリもすでに多くは製造を終えているのか、在庫がなくなったものから徐々にディスコンになりつつあります。

ファインダ関連のアクセサリも、ミラーレス化に伴い徐々にディスコンになっていて、新品で買えなくなる前に少しずつ買っておこうと思いまして。
今回買ったのは、フッ素コート付きファインダーアイピース DK-17Fです。

NikonのZミラーレスではアイピースそのものが外せない、カメラ一体になっていて、外せるのはファインダの周りのゴム枠だけだったりします。
一方Nikonの一眼レフはアイピースが外れるようになっていて、傷ついたりした場合は交換可能です(交換不可能の機種もあります)。

この商品は「アイピースのレンズ両面に、ニコン独自のフッ素コートを採用。汚れ(埃、水滴、油、泥)が付着しにくく、付着しても簡単に拭き取れます。」とあり、最近光学フィルタやレンズの前玉でも多く見られるフッ素コートが採用されています。
汚れが付着しにくい、除去しやすいというのはよいですよね。

D850に装着してみましたが、HPの製品写真にもあるように、極僅かに青っぽい色味になるように感じます。したがって、光学ファインダでみた感じでホワイトバランスを考慮はしないほうが良いかもしれません。この辺り、誰にでも進められる商品ではないですね。特に屋内撮影メインならあえて選ぶ必要はないかもしれません。

とはいえ買えるうちに買っておけ、な商品ですね。

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初めて息子と2人でいつもの小料理屋へ

この店は昔から知っていてよく行くので、子供連れでも問題ないのですが(もちろん騒いじゃだめよ)、いつもは家族でいていたお店、妻はこの日飲み会、娘は塾の合宿で長期不在、ってことで、息子小学3年生と初めて2人で行ってきました。

こんな感じですが、どれも息子のお気に入りで、今回初めて息子にもお通し(写真左上)が出ましたが、これも美味しかったみたいです。なかなか通ですね(笑

いま息子の一番のお気に入りが、はまぐりの天ぷら。私も好きなんですが、息子もハマっていて、お変わり頼んだくらいです。

本当に美味しいんですよ。
少々お高いのですが、たまにはこういうお店でのんびり食べるのもよいですね。

週末カメラ関係のお買い物少々

今年は諸事情によりカメラ関係のものは節制していますが、アクセサリ類などちょっとしたものは買っています。
週末は日本カメラ博物館に行ったあと、何年かぶりにに中野に行ってみました。

中野のケンコー・トキナー

まずはケンコー・トキナーへ。

アウトレット販売見たくて行ってみました。
めぼしいものはなかったけど、フィルター類に照明、バッグや三脚など、掘り出し物が出ているので、ちょくちょく行ってみると良いかも?

中野といえばフジヤカメラ。こちらも実店舗は久しぶり。何年ぶりだろう?

本店、Nikon関連は2階なのは昔から変わらず。望遠レンズ、超望遠単焦点もFマウント最終のEタイプ、中古価格だいぶ安くなりました。今が狙い目かもしれません。
このクラスのレンズは高価ですが、報道などプロが経費で買うのがメインなので、比較的モデルチェンジも早く、使い倒されているものも多いので、中古は割と安くなります。
今使っているGタイプもいずれは入れ替えたいですね。もっとも使い倒しても良いとは思っていますが、古いだけに今後修理できなくなる可能性が高いので。

本店の向かいに1階は映像関係、2階はアクセサリ関係のお店が出来ていました。ここは実は初めて。2階のアクセサリ館、今はカメラよりうこちらに興味が移っているので、現物を見て楽しませていただきました。
三脚とか雲台とか、やっぱりネットだけではわからないことがたくさん。実際に触ってみるのが重要ですね。
色々思うところあり、三脚買うならここかなぁと思いました。下手なオークション・フリマより値段含めてよいかと思いました。

結局買ったのはジャンク館で以下の2つ。

1つ目はKenko TokinaのC-PLフィルター。SUMMILUX 15mm F1.7用に46mmフィルタ径のものを。これ、まともに買うと実売ン千円するものが、何と990円!
市場在庫は少なめで、HPを見るともう46mmは生産終了しているようです。ラッキー♪
2つ目はNikon F2 Photomicの説明書。一応Nikonのサービスセンターで扱っていたと思われる公式品ですが、カメラも持っているので60円と安いので買ってみました。

こうして実店舗に出向いてみると、オークションなどネットより安いものも出ていますね。たまには行かないとですね。

予定を変更してのんびり日本カメラ博物館へ

本当は日曜日、清水マリンフェスタで護衛艦と戦闘機を撮ろうと思っていたんですけど、行きは良いけど帰りが遅くなりそうで、予定時間に間に合わなそうだということが判明。
撮影はキャンセルして、午前はのんびりと、午後は以前から行こうと思っていた日本カメラ博物館に初めて行ってきました。

半蔵門駅から徒歩5分、皇居のすぐ近くです。ちょっと路地の奥まったところにある建物です。

観たかったのはこれです。

入場料が大人300円とは現在の基準だととても安いですね。
この博物館が入っているビルは、日本カメラ財団のもので、元々は1954年(昭和29年)、戦後日本が外貨獲得のために色々なメーカーがカメラを製造輸出していましたが、それらカメラが一定の品質を保てているか検査し、お墨付きを出す機関だったそうです。
現在はカメラや写真文化を啓蒙する機関として活動しているそうです。

博物館は地下1Fですが…

え、やってる?ってくらいにちょっと薄暗い。一瞬今日は休館日かと思っちゃいました。ちゃんと調べてから行ったので休みってことはないと思うけど。

恐る恐る階段を降ると…

良かった営業中です。明かりがついていました。
なお、館内は撮影禁止なので写真はありませんが、日本の戦前からのカメラ、またカメラの起源など、さすがカメラ博物館だけある展示でした。
日本のカメラの歴史では、小西六(現在のKONICA MINOLTA)が戦前からカメラを作っていて、日本のカメラメーカーでもっとも歴史のあるメーカーでした。KONICA MINOLTAは現在ではカメラ事業をSONYに移管しましたが、80年代にはSONYも独自にマビカというフィルムではない電気信号でアナログ記録できるカメラを製造していたので、こういったメーカーが統合されて今や日本でもシェアの高いカメラメーカーに発展している、というのがよくわかりました。

思ったより小粒な博物館でしたが、所蔵するカメラは展示されているもの以外たくさんあるそうで、そういったカメラは企画展で展示されるようです。
また著名な写真家のカメラなんかも展示されています。

文字では伝わらないので(笑)、是非足を運んでみてください。

手ぬぐい買いました

おみやげに買ってきた手ぬぐい、なんかこの手書きのイラスト良い感じ☺️

再生ハードルが高すぎる!Ultra HD Bru-rayをPCで再生するのは困難

この春、PioneerがついにBlu-rayドライブの生産を終了してしまい、最後なのでと買ったドライブ。

せっかくなので、4Kビデオを再生できるUltra HD Blu-ray対応ドライブがほしいと思って買いました。
そして先月のAmazon プライムデーでお安くなっていたので、初めてのUltra HD Blu-rayソフトを買ってみました。

押井守監督の映画「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の続編となる「INNOCENCE(イノセンス)」のUltra HD Blu-rayリマスターです。

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この映画は学生の頃映画館で見て、あまりの映像の凄さに度肝を抜かれた作品です。アニメなのにこんなに立体感が出せるなんて!
ただ、内容は小難しいセリフも含め一般ウケはしないもので、興行収入も当時は振るわなかったようです。
どちらかと言うとこの作品は押井守が描きたかった映像美を凝縮したもので、ストーリーやセリフには伏線の張り方が弱くて分かりづらい部分も多いです。

後に脚本付きのDVD特別版を購入しましたが、あれからもう四半世紀、世の中HDどころか4Kの時代です。この当時の作品は4Kの解像度で作られているはずはなく、あくまでもリマスターではあるけど、元々の映像がすごいので、それを余す所なく描けていると期待しました。

が、その目論見はあっさりと崩されました

Ultra HD Blu-rayのPCでの再生はとてつもなく制約があるのでした。

えっ、Ultra HD Blu-rayドライブと4Kディスプレイだけじゃだめなん?

まさかソフトを立ち上げるまで、そんな制約があるなんて気づきませんでした。

なーに? Intel SGX ランタイムて?

Intel SGX ランタイムってなんだよ? とりあえずインストールをポチッと押すと…

対応していない

なんだよそれ~。BIOSで無効? ってことでBIOS(UEFI)を見てみましたがそんな項目はありません。
ここで初めてChatGTPに質問してみました。
すると2番目の項目でもううちの環境ではアウトでした。

Intelの第7~10世代Core iシリーズが必要

何と!CPUにIntelの第7~10世代Core iシリーズが必要だそうです。SGXランタイムが使えるのがどうやらこの世代だけらしい。Intelでも第11世代以降のCore iシリーズは非対応。
こんなに再生ハードルが高いなんて、Ultra HD Blu-rayを普及させたくないとしか思えない仕様です。
ウチのPCはもう数年前のAMD Ryzen 9 5900Xです。intelですらないので、そもそもお呼びでなかったのです。こんなことはドライブ買うときに全く気にしなかったですね。
つまり、対応CPUだったとしても、現在買い替えると再生不可能になってしまいます。

ChatGTPの結論としては以下の通りでした。

もはや再生出来る環境を新規構築するのは不可能

こりゃ普及しないわけです。Youtubeだって簡単に4K再生できるのに…。

ちなみに再生ソフトの大手のCyberLinkから、Ultra HD Blu-ray AdvisorというソフトがPioneerからのリンクでダウンロードできます。試してみました。

まずIntel SGXテクノロジーは前述の通り、Intelの極限られた世代のCPUとマザーボードしか対応しないですね。また外付けGPUも基本的にNGになるようで、「高度な保護オーディオ/ビデオ パス」も撥ねられました。
intelのオンボードビデオじゃないと基本難しいようです。外付けGPUが全くだめというわけではないようですが、ハードルが高いのは言うまでもなく。
2017年のPC Watchの記事でも、その再生ハードルの高さが垣間見えました。

結局、うちのPCでUltra HD Blu-ray再生はできないため、同梱されていたBlu-ray版のディスクで視聴しました。

DVDでは何回観たっけなぁ。とりあえずBlu-rayでも解像度はDVDより遥かに良いです。

流石にアニメ絵のシーンは少し古さは感じますね

4Kディスプレイだと、少し絵の解像感に物足りなさを感じさせる部分はあるものの、CG部分はさすがとしか言いようがないですね。

もはやまともに再生するにはUltra HD Blu-ray対応のレコーダーを買うくらいしか方法はなく、レコーダー自体がオワコンになりつつある今、どうしたものかと思案中。
とはいえレコーダーも手持ちの東芝の名機RD-X10はもう14年ものですからね。未だ使っていますが、当時の2TB HDD、いまでもレコーダーが2TB HDDとか存在するので、色んな意味で驚きです。

レコーダーもオワコンにならないうちに買っておきたいとは思いますが…んー

ヴェルニー公園で米駆逐艦マイケル・モンスーアや体験航海の護衛艦あさぎりの出入港を動画撮影した

先月2025年7月20日、横須賀のヴェルニー公園で米ミサイル駆逐艦「マイケル・モンスーア」や体験航海を行う護衛艦「あさぎり」と特務艇「はしだて」を撮影してきましたが、動画でも撮っています。

だら~っと長回ししたのをかいつまんでいますが、それでも27分もあるので、ながら観でどうぞ。

色域情報、何かバグっているかなぁ。環境によって色が濃く見える場合は、色域がズレているかもしれません。本当はHDRでアップしようと思ってBT.2020に設定したけど、どうもうまく行かなくって。動画関係は本当に難しいと言うか、あまりに色々な方式が乱立しすぎていますからね。
書き出した動画はうちの環境では正常に見えるのですが、Youtubeにアップしたものは全画面にすると色域が変わってしまいますね。

アサブロから移転して、2020年よりこちらをメインとします