【2008年撮影】三峰ロープウェイ旧三峰山頂駅舎

過去に撮影した写真を、新たにRAW現像し直してみました。RAW現像ソフトの進歩は日進月歩ですね。今回はLightroom Classicで実施しました。

埼玉県は三峰山の山頂までの三峰ロープウェイの歴史は古く、1939年(昭和14年)に初代のロープウェイが開通しました。
初代区間は1964年(昭和39年)にロープウェイの搬器(いわゆるゴンドラ)の変更(定員21名から71名に大型化)に伴い運行区間も若干変更されたため、駅舎も変更されました。
麓の駅舎の場所は新旧とも同じ場所でしたが、山頂駅は駅舎の場所が異なっていて、旧駅舎は新駅舎よりもやや下った場所にありました。
三峯神社まで少し遠かったのもあって、恐らくもう少し神社に近い場所に新駅舎設置の要望があったのでしょうか? 搬器(ゴンドラ)の大型化も、戦後の混乱期から落ち着いて、観光客が増えたためと聞いています。

さて旧山頂駅は新駅舎に移転した後は、長らく放置されていました。新駅舎で運行していたロープウェイは2006年に設備の老朽化と金属疲労の発見により運休となり、改修更新に多額の費用がかかることから、そのまま2007年にロープウェイ自体の廃止が決定、2007年12月より、新駅舎とともに旧駅舎も取り壊されることになりました。

皮肉なことに、旧駅舎は廃駅から40年以上放置された挙げ句、新駅舎と共に取り壊されることになったのです。山頂旧駅舎は、2009年12月から取り壊しが始まりました。
その直前の2009年11月に旧駅舎を撮影しました。

解体準備のため、長いこと放置されていたと思われる旧駅舎へのアプローチのために樹木の伐採が行われていました。

旧駅舎は40年以上放置されており、落書きや空き缶も時代を感じさせるものでした。

旧駅舎までのゴンドラは、新駅舎までの索条(ワイヤロープ)、支持鉄塔が設置された際に恐らく撤去されたのでしょう。ロープウェイらしきものは駅舎以外残っていません。
麓を望遠レンズで覗くと、大輪駅が見えました。すでにこの時点で、新経路の索条も撤去されて、まだ駅舎だけが残っている状態でした。

木造で趣のある建物、戦前の建築で、私の通っていた小学校も昭和9年建造だったため(卒業と同時に取り壊されて鉄筋校舎になりました)、ペンキの色合いや窓枠など、昭和初期を感じさせる駅舎は懐かしさを感じました。

すでにこの建物は取り壊しから十数年が経過しました。こうした昭和初期の建物は21世紀も20年を超えた現在、非常に少なくなっています。
自社をモチーフとしたという建物は趣があり、現存しなくなってもなお、写真として語り継げたらなと思います。

撮影はNikon D300にAF-S DX 18-70mm, AI AF 35mm f/2D, AI AF24mm f/2.8D, AF-S 80-200mm f/2.8Dです。
RAW撮影していたため、現代のソフトでしっかりとした画質で再現像できました。色やAWBの転び方などは、時代を感じさせる部分もありますが、最終的な出力は問題ない品質ですね。

なお、麓の大輪駅と新山頂駅の写真はこちらにまとめています。

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