これはX(Twitter)にも投稿した画像ですが、先日帰省帰りの新幹線から撮った2つの写真、1枚目が電子シャッター、2枚目がメカシャッターです。
1枚目はたまたま絞りがf1.7で撮った写真で、シャッタースピードは1/10000秒と高速ですが、景色が早く流れている手前の防音柵が斜めに歪んでいるのがわかります。
いわゆる、ローリングシャッター歪ですね。
これはデジタルカメラに一般的に用いられているCMOSセンサの特性で、1つの画素をセンサのの上から横方向に順次読み出して行くため、画面の下に行くほど撮影タイミングが遅れてズレていくために発生します。
たとえ1/10000秒の高速シャッターであっても、あくまで露光時間の話であって、センサの読み出し速度は変わらないために発生します。
一方2枚目は、絞りをf5に設定、シャッタースピード1/1000秒のメカシャッターで撮影。こちらは手前の柵の歪みがほぼ無く撮影されています。厳密には、メカシャッターもシャッター幕を上から下へ動かすため、センサの上と下でタイムラグは生じますが、一般的な電子シャッターより高速なため、ほぼ歪みを感じません。
SONYのα1やNikonのZ 9、Z 8のように、電子シャッターがローリングシャッターでありながら、高速読み出しによりメカシャッターとほぼ変わらないカメラも存在しますし、CCDセンサのようにセンサ全体を一気に読み出すグローバルシャッターであれば、原理的に歪みは発生しませんが、現在、市販のデジタルカメラでCCDを採用したものは皆無になってしまいました。
GX7MK3はメカシャッターは1/4000秒まで、それ以上は電子シャッターになります。ローリングシャッター歪を防ぎたいなら、1/4000′秒を超えないよう、絞りを絞るか感度を落とすか、NDフィルターを使う必要があります。撮り方の工夫でローリングシャッター歪は防ぐことが可能です。