ちょっと変わったラインアップの酒屋、でも実は自宅からそう離れていない場所にあるお店で買ってきたお酒。「どぶ」と書いていますが、どぶろくではなく、にごり酒です。
日本酒発祥の地とされる奈良県のお酒です。関東ではあまり出回っていないかな?
生酛のどぶは、生酒もあるようですが、こちらは火入れです。かなり澱が多いにごり酒で、澱は細かいですが、下の方に結構貯まりますね。
なんとなくイメージで、甘そうな感じがしますが、逆です。+15は日本酒度、つまり相当辛口です。酒屋さんの販売ラベルには、冷酒から熱燗までどれもおすすめ、とありました。
まずは冷酒でいただきます。香りは仄か、でも口に含むと、いや辛い~。そして苦味も結構舌に付きますね。でも割とスパっと切れる感じです。生酛造りの日本酒は、しっかりしたコクのある強めの味になるものが多いそうですが、このお酒も生酛らしい、力強い味わいです。
ではちょっと温度が上がって冷(常温)、これはどうでしょう? ん??甘みが出てきました。もちろん辛さはまず一番に来るけど、後味にほんのり甘みが出てきました。こちらのほうが好みかな。
ここはとばかりに燗酒に。より甘みが出てきました。もちろん、澱が多めで辛さと苦味が基調になっていますが、温度が上がるにつれ甘みも増すのは、まさに昔ながらの日本酒です。
個人的には、ぬる燗がこのお酒にマッチしているかなと思います。
平成30年醸造なので、1年以上寝かせているんですね。
精米歩合は65%で、ことさら削っていないし、残してもいない中庸。アルコール度数は少しだけ低めな15度。
生酛らしい力強いお酒だけに、この味の温度による七変化は、なかなかマニアックですね。