昨年の航空自衛隊百里基地航空祭で基地内開放された際に、雄飛園に展示されていた機体と共に、VADSも展示されていました。
ちょっと前まで、航空祭で動作展示していた兵器です。
航空自衛隊の各基地に配備されていた防空兵器で、M61 20mm機関砲と射撃管制レーダー、TVカメラをセットした、最も初歩的な防空兵器2021年までに全てのVADSが退役しました
20mm対空機関砲については、防衛所要上の重要度が低下したことを踏まえ、令和2年度に運用停止を決定した。令和3年度中に176式全ての用途廃止を実行し、要員27名の配置換えを行った。
https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2022/sy0407/35.pdf
老朽化、そして基地防空のために射程の短い機関砲は能力不足と判断されたようです。
ただ、近年ドローンによる攻撃も想定され、安価なドローンに対してミサイルによる対処は、費用対効果の面で不利です。そういった観点では、VADSのように安価な兵器も活用できる場面はありそうですが、ウクライナ紛争のように、陸続きの隣同士が戦っているのと違い、日本は島国なので、ドローンによる攻撃、というのはテロくらいでしか想定されていないのかもしれませんが。
展示されているのはVADS-1改で、日本で改良されたタイプです。光学照準用のTVカメラを搭載していますが、搭載されているレンズはFUJINON-TV・Z 25-350mm f3.5 C14X25で、業務用テレビカメラ用の高倍率ズームレンズですね。センササイズは2/3型を想定しているものかな?
古いレンズなので情報はほぼありませんが、台湾のサイトでM4/3カメラにこのレンズを取り付けて撮影している記事がありましたが、焦点距離によってケラレがあるので、やはりM4/3用よりはセンササイズが小さい2/3型のテレビカメラ用ですね。対空射撃に使うため、望遠側はかなりの超望遠となります。
雄飛園の展示機。F-1戦闘機とRF-4E偵察機の迷彩塗装は、現役時代とかけ離れた塗り絵状態なのが残念です。まあ色々事情があるのでしょう。
こうした機体の維持、塗装費用も結構高額なのはわかります、がやっぱりこれはなぁ…