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NX Studio Ver. 1.5.0で追加された2つのモノクロームを試す

Nikon純正のRAW現像ソフト、NX Studio Ver. 1.5.0が出ましたので、早速更新してみました。

更新内容は以下の通りです。

  •  Z f で撮影された静止画および動画に対応しました。
  • Z f で撮影されたピクセルシフト画像について、NX Studio でのピクセルシフト合成が可能になりました。
    ※ ピクセルシフト合成されたファイルは拡張子 NEFX で保存されます。
  • ピクチャーコントロールに[リッチトーンポートレート]、[ディープトーンモノクローム]、[フラットモノクローム]を追加しました。
  • Picture Control Utility 2 の機能を統合し、カスタムピクチャーコントロールの作成、読み込み、書き出しが可能になりました。
  • 以下の現象を修正しました。
    – [D-ライティング HS]を調整し画像を書き出すと、書き出された画像の D-ライティング HS の効果が弱い場合がある。
    – RAW 画像に XMP/IPTC 情報(ラベル、レーティングなど)を設定し、ホワイトバランスの自動調整を適用して保存すると設定が反映されない。
    – Nikon Transfer 2 で連写した画像をカードリーダー経由で転送すると、すべての画像が転送されない場合がある。
    – 動画編集機能で出力した動画の音声が途中から再生されなくなる場合がある。
    – 動画編集機能で素材にテキストの挿入を行った場合に、[テキスト設定]ダイアログのプレビュー表示の負荷が高い場合がある。
    – 下部ツールバーの[フォーカスポイント]がオンのとき、イメージビューアーに画像が「処理中」のまま正常に表示されない場合がある。

今年からAdobe課金してLightroomを使いだし、最近やっと慣れてきたところですが、Lightroomは機能盛りだくさんで、ついつい画像をあれこれ弄ってしまう嫌いがあります。
Lightroomでもついにポイントコントロールが追加され、AIによるぼかし機能など、もうRAW現像の概念を超えつつある中、現像の基本を抑えたNX Studioは、久しぶりに使ってみると、やりたいことがシンプルに纏められているので使いやすかったりします。これが無料ソフトなのですから、言うことないです。

2つのモノクロームを追加

今回、ピクチャーコントロールに[リッチトーンポートレート]、[ディープトーンモノクローム]、[フラットモノクローム]を追加とあるように、Nikon Zf登場にあわせて、3種類のピクチャーコントロールが追加されましたが、この内モノクロ2種類に興味があり試してみました。

まずカラーのデフォルトのオートでの出力、昨日アップした写真がAdobe Lightroomで現像したものでしたが、やっぱりLightroomって彩度高いですね。それでも現像時に「自然な彩度」は落としているのですが。
また、よく言われるNikonの絵は黄色い、ってのは確かにNX Studioで出力するとそんな印象はありますね。ちなみにカメラはD850です。

そして2つのモノクロームですが、いいですね。これはデフォルトのままで出していますが、どちらもやり過ぎ感がないです。
ハイキーに柔らかく仕上げるならフラットモノクロームをベースに、深みを出すならディープトーンモノクロームでしょうか。ディープトーンの方は、PanasonicのLUMIXのL.monochromeに似ている感じです。ただコントラストを上げているだけでなく、暗部の階調は潰さずに保ちつつ、引き締まった風合いを出していますね。これは好みです。

追加された2種類を、それぞれをベースに更にトーンカーブを調整してみました。

フラットなので調整しやすいですね。ガンマカーブをいじって、更に柔らかくするためにクイックシャープを落としてみました。黒浮きしない感じにしてみました。

ディープトーンモノクロームをベースにトーンカーブを調整

こちらは逆に、ディープトーンモノクロームをベースに、更にトーンカーブを調整して深みを出してみました、ちょっとやり過ぎ感あり。どれが好みかは人それぞれですね。

久しぶりにNX Studioで現像しましたが、Lightroomだとついつい追い込みすぎてしまう感じが、こちらだと程々に仕上げられて、ある意味本来の写真を少し整える程度ならNX Studioで十分と感じました。
問題は大量の画像を編集出力する場合で、その場合はLightroomのほうが動作が速いのですよね。

NX StudioにPicture Control Utility 2 の機能を統合し、カスタムピクチャーコントロールの作成、読み込み、書き出しが可能になったとのことで、こうしたモノクロームを調整したものをカスタムとしてカメラに適用するのも良さそうです。試してみようと思います。

Medical-NIKKOR 120mm F4(IF)用のDC電源LD-2を入手

以前、Medical-NIKKOR 120mm F4(IF)とAC電源のLA-2を入手しましたが、残念ながら電源のLA-2は故障していて、そのうち修理しようかと思っていましたが、今回乾電池で動かすためのDC電源LD-2を入手しました。
単3電池8本で動きます。

Medical-NIKKOR 120mm F4(IF)用DC電源LD-2

電池であれば、構造も単純ですし、何ならAC化の改造もしやすいですね。
問題は使えるかどうか。
何しろ、Medical-NIKKOR 120mmは1981年に販売され、1998年まで売られていましたが、殆どの個体は80年代製造。私の個体はS/N:180945なので、ごく初期の個体と思われます。
40年前後経過しているものが多いので、レンズ本体はともかく、こうした電源周りのアクセサリが枯渇しています。
レンズ単体だけなら比較的入手しやすいのですが、専用の電源やコード類、アタッチメントレンズといった付属品が欠品しているケースが多いのです。
当方も2倍撮影が可能なアタッチメントレンズがないため、手に入れたいとは思っています。

話はそれましたが、コード類はあるため、これが断線していないことを祈りつつ、接続してみました。
さて光るかな?

電源ON! キュイ~ンとコイル鳴きの音を発していますが、イチかバチかでシャッターを切ると…光った!

ということで、早速ベランダの花を撮ってみました。

カメラはNikon D850です。Medical-NIKKORは電源ユニットと、カメラ側のシンクロケーブルを接続すれば、どのカメラでも使用可能。何ならZマウント機でも可能ですが、シンクロターミナルを備えているのは、今のところNikon Z 9のみで、他のカメラは別途アクセサリシューからシンクロターミナル端子を取り出すホットシューアダプタを使用すれば使用可能です。

今回は撮影倍率を入れてみました。描写はやや固めかな? 構造上絞り設定がなく、撮影倍率が上がるほど絞られ、1x(等倍)ではf32まで絞られます。
とはいえ、現代なら感度をコントロールできますし、レンズ本体のあるISO/ASA設定で光量もある程度コントロールできます。
実際の使っている様子は、そのうち別途記事にしたいと思います。

元々医療用の記録撮影用として開発されたMedical-NIKKORは、先に200mmが販売され、これは焦点距離が長くワーキングディスタンスも大きいことから、手術などの邪魔にならない距離から撮影、という至上命題を満たすレンズでしたが、その後に出た120mmはワーキングディスタンスが200mmほどはとれないため、どちらかという本来の医療用途よりは学術用途などの接写用として入手した人も多かったのではないでしょうか? 現在でも比較的流通しているのは、そこそこの数が売れたからでしょう。

とりあえず、レンズ内蔵のフラッシュが生きていることがわかっただけでも、コレクションとしての価値がちょっとは上がったかな?

AF-S Micro NIKKORとMedical-NIKKORをアサガオ撮影で比較

今日はベランダのアサガオがたわわに咲いていたので、AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDとMedical-NIKKOR 120mm F4(IF)で撮ってみました。

紫は一般的なベイヤー配列のセンサで出すのが難しい色ですね。
このレンズは、比較的柔らかいボケ味で、ピント面とボケとの繋がりが良好です。

Medical、色乗りが良いですね。そして素晴らしいシャープネス、しかもカチカチじゃないシャープさなので、不自然さはありません。
口腔内撮影も考慮されたレンズなので、しっかりと全体が映るのがこのレンズの目的です。絞りはありませんが、接写するほどf値が暗くなるので、適度にシャープさを保っています。
ただ、このレンズは絞り値を伝える機構は持たないため、内蔵スピードライトを使わない場合は、カメラはフルマニュアルで露出を決定する必要があります。
これがこのレンズの難しさでもあります。

内蔵スピードライトは復活させたいですね。

【小原】コアップ・ガラナ りんご果汁10%

コアップ・ガラナと言えば、北海道を代表する清涼飲料で、北海道で流通するコアップガラナは、主に函館の隣町七飯町の(株)小原が製造しています。

リンク先にあるように、実はコアップ・ガラナは「日本コアップ(株)」が商標権を持ち、国内の複数の清涼飲料水メーカーで販売されています。有名所では、ホッピービバレッジも扱っているようですね。

が、やはりコアップガラナといえば、北海道のイメージが強いですね。そんな地元函館に帰省した際に買ってきたコアップ・ガラナ。

2種類のコアップ・ガラナ

左は復刻版ボトルとして流通するコアップ・ガラナで、一般のペットボトルより量は少ないです。このガラス瓶は比較的よく見かけるのですが、右のボトルは見たことがなく、よく見ると「りんご果汁10%」と書かれています。普通のコアップ・ガラナには果汁は入っていません。

七飯町の(株)小原は、今どき珍しくHPを持っていないため、紹介ページをリンクします。が、ここにも果汁入りのコアップ・ガラナは掲載されていません。
全くもってこの果汁入りの販売経緯は謎ですが、独自のコアップ・ガラナを何種類も展開しているだけあり、また七飯町は北海道で始めてリンゴ栽培を始めた土地というのも関係しているのかもしれませんね。

りんご果汁以外はいつものガラナ

いつものガラナに10%のリンゴ果汁が入っているだけっぽい気もしますが、色はやや薄めです。
飲んでみました。ガラナの独特な味わいは薄まって、リンゴ果汁による酸味と甘味が増している感じですね。これぞガラナ!という独特の薬味感は減って、飲みやすさに降っている感じです。
これはこれで悪くないですね。こういうものだと思えば、違和感なく飲めますね。
妻は炭酸キツー、ということでしたが、元々炭酸に弱いので。炭酸の強さは普通のコアップ・ガラナと同じくらいかなと思います。
この果汁入りは函館限定とあり、流通は少ないと思いますので、函館以外で見かけたら、とりあえず買っときましょう(笑

Medical-NIKKOR 120mm F4(IF)を入手した

一度使ってみたかったレンズです。

Medical-NIKKOR 120mmF4(IF)は、その名称の通り、医療用、医学用の記録撮影のためのレンズとして開発されたレンズです。
おもに外科手術や、口腔内の記録撮影の為、リング状のスピードライトを内蔵させたレンズです。現在でこそ、チャイナレンズで見かけたりもしますし、マクロリングライトが一般的ですが、1960年代にはまだ一般的ではありませんでした。
最初に販売されたのは、1962年のMedical-NIKKOR Auto 200mm F5.6で、焦点距離200mmと割と望遠マクロでした。何度かのマイナーチェンジ後、1981年12月に、焦点距離120mmの本レンズが発売されました。

Medical-NIKKOR 120mm F4(IF)

120mmという焦点距離、Macro-Nikkorなど非Fマウントのレンズを除くと、単焦点のFマウントではこのレンズのみのとなっています。元々一般向けレンズではなかったからか、Nikonの現行のデジタル一眼レフやミラーレスの中級機以上の非CPUレンズ装着時に設定できる焦点距離に、120mmは存在しません。105mmの次は135mmとなっています。
しかし、何故かズームレンズでは、24-120mmというのがFマウントからZマウントに至るまで存在しているので、120mmという一見中途半端な焦点距離には、Nikonは何かしらの考えがあるのでしょうね。

なお本レンズは、AC UNITのLA-2と専用コード、および取扱説明書が付属していましたが、残念ながら2倍までの撮影を可能とするアタッチメントレンズと、DC UNIT LD-2、3ピンシンクロコードSC-22は付属していません。SC-22以外は今後入手してみたいと思います。

絞りリングはなし

特殊用途レンズ故に、使い方や使い勝手は特殊です。
まず本レンズに絞り機構はなく、常に絞り開放となります。開放f値はf4ですが、これは最長撮影距離1.6m時(撮影倍率1/11倍)の場合で、撮影倍率が上がるほどf値も暗くなります。アタッチメントレンズなしの状態では、最短撮影距離0.35mで最大撮影倍率1倍、この時のf値はf32となります。
これは記録撮影のためのレンズですから、できるだけピントの合う範囲は広いほうがよく(被写界深度が深い)、明るさよりも優先事項だからと思います。
そして内蔵するスピードライトを発光させることが前提のレンズのため、暗いf値、何よりフィルムカメラの時代のレンズですから、デジタルのように簡単に感度を変えられないフィルムでも問題なく撮影できるようになっています。
また、f値は撮影倍率(フォーカス位置)、すなわち被写体までの距離で決まるため、内臓のスピードライトはレンズ側でフィルムのASA/ISO感度(デジタルカメラのISO感度)を設定すれば、自動でGN(ガイドナンバー)も決定され、適正露出で発光が可能となっています。
フィルムでは現像するまで結果がわからないため、こうした機構は撮影難易度を下げる有効なものでした。

フォーカスリング、というよりは撮影倍率を決定するためのリングは、クリックストップ付きです。これは、GNの設定にも影響するため、あえてクリックストップが付いており、微妙なピント合わせは、被写体またはカメラを前後させることで決めるようです。

レンズとカメラボディは、シンクロコードでつなぐことで、シャッターを押すとリングスピードライトが発光する仕組みです。

AC UNIT LA-2は残念ながら動作せず

さてレンズ側には別途電源供給が必要ですが、残念ながら、付属してきたAC UNIT-LA2は動作しませんでした。

AC UNIT LA-2は動作せず

元々動作未確認ということで期待していませんでしたが、やっぱりダメ。パイロットランプはいつまでも点灯せず。これが動作しないと、レンズ側のスピードライトは発光しません。恐らくチャージのためのコンデンサあたりが容量抜けしてしまっているのでしょう。
本レンズのS/Nは180945でした。このレンズは180***からS/Nが始まっているのと、付属してきた説明書が81.10の版であることから、80年代初頭の、本レンズ発売当初の個体であると推定します。古いので動かなくて当然です。
ちなみに本レンズ、1998年までと案外長く発売されていたようで、それなりに中古でも流通個体は多いですが、その多くが電源ユニットや専用コードなしだったりします。今回は動作しないものの、コード類や説明書付き、レンズもカビなどの問題はないものが1万円程度でしたので、これは掘り出し物だったと思っています。
とあるサイトによれば、最後期のS/Nは203***で、約2万3千本製造されたらしい(根拠はありませんので念のため)ので、それなりに流通はしているということになります。

LA-2はいずれ分解して、コンデンサ交換など修理可能か確認してみるとして、乾電池を使うDC UNIT LD-2を入手してみたいと思います。90年代まで売られていたので、この年代の部品なら、まだ希望はあります。

素のレンズで撮影してみた

内蔵スピードライトは使えずとも、マクロ専用レンズとしては使えます。120mmという焦点距離も、実はワーキングディスタンスを取りつつ撮影するのに、最適な焦点距離なんですね。とくに外科手術では、あまり被写体にカメラを近づけられないですしね。
撮影倍率が大きくなるほど暗くなるレンズのため、今回は外部スピードライトに頼ってみました。

モアレが出ているのは仕方ないですが1/2倍ともなると、液晶ディスプレイのドットがしっかり写っているのがわかります。
マニュアルレンズなので、当然歪み補正は入りませんが、線がピッタリ出ていて、ほぼ湾曲が見当たりません。120mmという中望遠なのもありますが、素晴らしい結果です。

1倍での撮影

1倍ではf32と暗くなるため、一眼レフではピント合わせが難しいですが、D810のファインダでなんとかピントの山を見つけて撮影。
500円玉をやや斜めにして撮りましたが、素晴らしい解像力です。もう少し低い撮影倍率より解像力は落ちるものの、これがフィルムであればフィルムの解像力を超えているかなと思えます。D810の3625万画素で少し回折の影響があるかな、と言った程度です。

こういう撮影ではマクロ撮影スタンドが欲しくなります

接写スタンドがほしいな~。ベローズ撮影でも、あると便利なんですよね。

これも外部スピードライトを使いましたが、ISO感度を調整すれば、適正露出を探せるので、露出については(ライティング自体は別として)デジタルならそれほどハードルは高くなさそうです。
今度はもう少し立体感のある被写体を撮ってみたいと思います。


ところで、RED BOOK NIKKORのHPで、なかむら小児歯科の中村先生のMedical-NIKKORが紹介されています。
また、なかむら小児歯科のHPにて、ご自身も紹介されています。

実は本レンズを手に入れたのは、この冬に口唇顎裂2回目の手術予定の、息子の歯茎の撮影をしようと思っていたから。なので、なんとしても内蔵スピードライトで撮ってみたいのです。
スピードライトを復活させたいな。