「横須賀基地」タグアーカイブ

横須賀地方隊 オータムフェスタ2024を見に行ってきた その2

ヴェルニー公園のカレーフェスで昼食をとったあと再入場して、警務隊のデモをチラ見。

護衛艦「いずも」を見学。
F-35B STOVL戦闘機搭載のための空母化改修の第2段が2024年度から始まる予定となっており、今回の一般公開が、空母化改修される前の最後の姿での公開となったかと思います。

みんな大好きエレベーターに乗って飛行甲板へ。俯瞰した状態じゃないと、艦首の形状は分かりづらいですが、改修により矩形化され、先行して回収された護衛艦「かが」と同様、艦首側はより広い飛行甲板となります。

第4・5スポットはF-35B対応として、第1段改修時に耐熱塗装を施工されています。
耐熱塗装部分は表面の凹凸が少ないようですね。そうでない部分はスリップ防止のため凹凸のある加工がされています。ってところは動画で撮って写真は撮ってないwのでそのうちアップします。

搭載機であるSH-60K哨戒ヘリとクレーン車は、残念ながら規制線の向こう側での展示となっていました。
再びエレベーターで格納庫へ。

格納庫内は大きな「いずも」の旗が掲げられているほかちょっとしたとした展示はあるものの、ヘリなどはなく、途中大きな防火扉が閉められていたことから、奥に格納されているか、あるいは大規模改修前なので搭載機は降ろされている可能性がありますね。

いずもを降りて、最後に、海上自衛官の制服ファッションショーを見て終了。


女性隊員のマタニティ用の制服があるんですね。これは知らなかったです。
最後にまさかの横須賀地方総監まで登場。階級はもちろん海将。

最後の最後に晴れ間が出て来るという残念な点ではあったけど、ゆっくり楽しめた1日でした。

横須賀地方隊 オータムフェスタ2024を見に行ってきた その1

夜明け前に横須賀に到着して艦艇の写真を撮って、朝食後に入場待ちの列に並びました。
この時点でかなりの人数が並んでいたものの、この日は強風のため、予定されていた特別機動船・水中処分艇体験搭乗は中止となってしまいました。

強風のため特別機動船と処分艇の体験搭乗は中止

今回は32歳以下という制約もあるので、並んでいた大半のオジサン(私含む)は対象外でしたが、若い方は残念でしたね。

ということで、ゆっくり艦艇見学をします。風が強いですね~。


お目当ては砕氷艦「しらせ」(AGB-5003)で、これは乗ったことがなかったので、まず最初に見学しました。
文部科学省予算で建造、運用は海上自衛隊が行っていますが、民間の研究者も乗せての南極観測を行う艦艇故に、通常の自衛艦とは異なり、エレベーターが設置されていたり、階段も急角度ではない一般的なものになっています。内部は民間商船に近い感じですね。

海洋観測機材を水中に降ろすためのウインチがあったり、コンテナ船のようにコンテナを縦方向に積み上げられるコンテナセルガイドなど、独特の装備が多いですね。

民間人も乗るので、若い潜水隊員の方に「長期間ネットも使えない中でのお仕事大変では?」と聞いたところ、その隊員さんは全く苦にならないようで、今や隊員確保のため自衛艦に衛星通信ネット回線のSTARLINKを載せる試みもあるようですが、その方はネットはなければないで構わないそうです。みんながみんな同じ意識ではないようですね。
南極観測を含む航海は概ね1回半年程度だそうですが、一般市民からするとなかなかつらいものがありますね。でも、一度はそういう仕事はしてみたいものです。

ヘリ甲板、1万年前の南極の氷がありました。
MCH-101クラスの大型ヘリ2機を乗せるので甲板も格納庫も広いですね。

南極で観測機材やコンテナなどの積み下ろしを行うため、大型のクレーンを何基も装備しているのも特徴。

艦内も本当に広い(護衛艦比で)。通路や階段も広めになっています。

応急警報盤には「武器部警報」の表記も。砕氷艦は戦闘艦ではないので艦自体の固定武装はありませんが、対テロや警備上の目的で小銃は保管されているそうなので、そうした弾薬庫の警報もあるということのようです。

次に向かいに停泊中の護衛艦「たかなみ」(DD-110)へ。

もう艦齢21年を迎えるベテラン艦ですが、この「たかなみ」型より2世代前の「あさぎり」型が未だ全艦現役(2027年までに初期の艦は退役する予定)なだけに、まだあと十数年は運用されることになるでしょう。
既にソナーシステムを最新の「あさひ」型護衛艦と同様のマルチスタティック化するための予算が計上されていますが、レーダーも「もがみ」型のASEAに改装する話もあるようです。

この日ヘリは搭載されていませんでした。
54口径127mm速射砲の扉が開いていて、内部が見える状態に。無人砲塔なので、中はかなり狭そうですね。手動で砲塔を回転させることが出来るハンドルがありましたが、さすがに電動なんでしょうね。内部の銘板に2013年の表記あり。製造はもっと昔のはずなので、オーバーホールとか改修がされた表記かな?
搭載の90式艦対艦誘導弾(B) は実弾のようです。2006年製で製造は三菱重工ですが、発射筒は銘板に富士重工(現スバル)と書かれていました。分業なんですね。

このあと少し早めにお昼をとって、午後再入場。

続く…

護衛艦「はたかぜ」を見学(2014年1月)

昨日のブログでは、護衛艦から練習艦に艦種変更された「はたかぜ」(TV-3520)が、横須賀から呉に向けて旅立った話題と、去年撮った護衛艦時代の写真を掲載しました。
あまり「はたかぜ」を撮っていないなと思っていましたが、実は中も見ていたことがわかりました。記憶というものは曖昧ですね。

今から6年前の2014年1月、海上自衛隊横須賀基地にて、ミサイル護衛艦「はたかぜ」(DDG-172)を見学する機会がありました。
今回は、その時の写真を再編集してお送りします。

この日のバースには、イージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)や、ヘリコプター護衛艦「ひゅうが」(DDH-181)など、自衛隊を代表する艦艇も停泊していました。

ミサイル護衛艦「はたかぜ」(DDG-171)と退役護衛艦「旧さわゆき」(exDD-125)

見学する「はたかぜ」と、その手前には2013年に退役した護衛艦「さわゆき」。「さわゆき」はこの時点で退役から9ヶ月、やや塗装が薄くなってきていました。

メザシ係留されている「はたかぜ」に乗り込むためには、退役艦「さわかぜ」経由で乗り込まなければならないので、じっくりディテ0るを観察。遠目にはまだきれいでしたが、よく見ると塗装にクラックが入り始めている他、主砲は砲身が取り外され、対艦ミサイルやCIWS(高性能20mm機関砲)も取り外されていました。
レーダー類は取り外されておらず、これはこの撮影の後、2015年に解体されるまでそのままだったようです。

なぜ退役後すぐ解体されなかったか、中の人に聞いたところ、解体にも入札など手続きが色々必要で、それが決まらないと解体できないのことでした。未だ現役の同型艦もいるので、機密の観点からも、解体業者はどこでも良いというわけには行かないですしね。


ここからは、ミサイル護衛艦「はたかぜ」に乗艦、まずは外観ディテールを。

乗り込んだ状態での撮影の為、どうしても全景というよりは、部分部分のディテール撮影になってしまいます。

「はたかぜ」は、イージス艦登場以前の、最後のターターDシステム搭載の艦隊防空のための護衛艦です。そのため、主兵装は、Mk.13発射機から発射されるスタンダードSM-1MR対空ミサイルで、イージス艦のように同時に複数目標対処は難しいため、イージス登場後は一気に陳腐化してしまったという経緯があります。とはいえ、この撮影時点では、前護衛艦隊にイージス艦は配備されておらず、まだ第一線の防空艦、そして現在も、「はたかぜ」型2番艦の「しまかぜ」は、「まや」型イージス護衛艦の2番艦が就役するまでは、第一線の防空艦として運用されます。

Mk.42 127mm単装砲も、かつて護衛艦の主力でしたが、現在では「はたかぜ」型2隻を残すのみとなりました。

現在、ミサイルはVLS(垂直発射装置)が主流ですが、専用発射機が残っているのも、80年代の古い護衛艦らしいですね。ASROCランチャの後ろ、艦橋の下には、ASROCの自動再装填装置が組み込まれています。

ハープーン対艦ミサイルは、このときは初期型のRGM-84Aと、Block1Cとも呼ばれるRGM-84Dが混載されていました。初期型はもう相当古いはずですが、まだ維持できているようです。最近でも、より新しい「むらさめ」型護衛艦が、RGM-84Aを搭載している事例もあるようで。


このあとはいよいよ艦内へ。まずは環境からです。

対潜コンソール?には、おそらく昔はCRT出会ったであろう表示装置、2014年時点で液晶モニタに。ソーナー(一般にソナーと言われている潜水艦の音響探知は、自衛隊ではソーナーと表記します)とCDS(Conbat Direction System:戦闘指揮装置)の表示があり、それぞれのデータから目標の方向や深度などが表示されるのかな? その下には、魚雷発射管とアスロック発射機の装填表示もありますが、赤丸は装填されているのでしょうね。ただ赤丸が訓練弾なのか実弾なのかは不明です。

フィンスタビライザーは、商船に搭載されているものと基本的に同じものでしょう。革巻きの操舵輪は、最新の護衛艦と比べると、なんとも古めかしい感じです。

速力表示版は、護衛艦でおなじみのもの。ちなみに、”一杯”とは、定格出力を超えて出力させるもので、例えば魚雷などから逃れるなど、万一の場合、機関に損傷を与えても、とりあえず出しうる最大のパワーで逃げるときのみ使うそうです。

係留図は、この日の横須賀基地の係留艦を掲示していました。お隣は「退役艦」、退役すると艦名も消されるため、名無しさんなんですね。

FURUNO FA-150 AISは、民間船舶にも搭載される船舶自動識別装置で、今では船舶の位置はインターネットでも船舶位置が表示可能ですね。


続いて艦内。ダメコン室と機関室を見せていただきました。

1枚目は、応急監視制御盤、いわゆるダメージコントロール(ダメコン)を行う場所で、艦内の火災や浸水状況を把握し、対応を行う場所で、戦闘艦では重要な区画の1つとなっています。

2,3枚目は機関室の制御盤です。「はたかぜ」型は、ミサイル護衛艦としては初めて(オールガスタービン艦は汎用護衛艦のはつゆきが最初)のオールガスタービン艦ですが、現在のような高度に電子制御された…という感じはなく、モニタも小さなものが最小限、主に計器と表示ランプで構成されていて、流石に古さを感じます。

3枚目はまさに速力を調整するための制御盤と速力レバーです。
ご丁寧に、速力の表示と速度、エンジン回転数とプロペラピッチの相関表を掲示してありましたが、「原速」12ノット(22.2km/h)までは主軸75rpmで、可変ピッチプロペラのピッチ角で速度調整し、それ以上はピッチ角固定で、軸速度を上げていくようです。
5戦速で30ノット(55.5km/h)、最大戦速で30ノット+α(32ノット程度までは行ける?)、一杯で「限界突破」だそうです。
前述の通り、最大戦速は、機関の損傷リスクを承知で、出しうる最大出力で逃げ切るためのものとなります。
さり気なく置かれているストップウォッチが、いかにも現場といった雰囲気です。

6年前の撮影ですが、なんだか懐かしいですね。
この時はNikon D800で撮影しましたが、やはり古いニコン、RAW現像でもちょっと苦労するタイプです。ハイライトが暴れるし、AWBはいまいち出し。画質自体は今の目で見ても良いのですけどね。
D800に比べると、後継のD810は本当に色の出方が良くなり、RAW現像で苦労することもなくなりました。

さて、護衛艦から練習艦となった「はたかぜ」、寿命延長されているので、あと4,5年は練習艦として活躍するのかな?
また観艦式など機会があれば見てみたい艦艇ですね。