Velbonのワケあり品の自由雲台QHD-66ASを買ってみた

Twitterのカメクラ界隈で話題になっている、Velbonのマグネシウム製自由雲台QHD-66ASを買ってみました。

なんと送料税込¥3500でした! クラス的には、2万円台の雲台になるはずと思われます。試作品の放出としてのB級品とはいえ、破格です。理由として、

〇開封済み商品になります。
〇製品本体に多少の擦れや汚れ等があります。
〇保証は付きません。到着時の初期不良交換対応のみになります。
〇故障時の修理対応も受付できません。
〇本体のみで特に記載がない限り付属品はございません。
〇パッケージ無し、配送用の簡易梱包になります。
〇別倉庫での管理になりますので、他商品との同梱が出来ません。
〇個々の状態についてのお問い合わせにはお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

【楽天市場】【B級品 訳あり特価 送料無料 同梱不可 返品・交換不可】Velbon(ベルボン) 中型自由雲台 QHD-66AS 4907990501004 マグネシウムボディ トルク調整 アルカスイス互換:ハクバストア 楽天市場店 (rakuten.co.jp)

だそうです。

仕様は以下の通りで、5kgまでの機材に対応できます。

■カメラ台 : 51×38mm
■高さ : 107mm
■底面径 : 38mm
■質量 : 300g
■推奨積載質量 : 5kg
■三脚取付ネジ穴 : UNC1/4、UNC3/8両対応
■タイプ : 自由雲台
■カメラネジ : UNC1/4(細ネジ)
■クイックシュー : QB-6AS N
■水準器 : 丸型水準器

マグネシウム製のため、比較的軽量ですね。

Velbonブランドのベルボン株式会社は、2020年8月に、三脚と用品類の開発・販売・修理事業を、同じく写真用品の会社であるハクバ写真産業株式会社に事業移管しました。
これに伴い、山梨県の北杜市明野町にあった工場は閉鎖となりました。Yamaroもかつて北杜市に住んでいたことがあり、ドライブしていて発見したVelbonの工場、こんなところにあるんだ!と思ったものです。昔は明野村だった場所です。

この製品を開発途中で、Velbonの事業がハクバに移管されたため、製品としては開発に至らなかった商品です。
近年、三脚や雲台などは、中華ブランドの勢力が増しており、日本のVelbonは開発力の点で遅れを取っているように感じていましたが、負けじと奮闘していたが叶わず…といったところでしょうか。
個人的に、初めて買った三脚はVelbonだったので、中華ブランドに負けず、頑張っていただきたいところです。

B級品とは思えないパッケージ

Velbon QHD-66ASと昔買ったPH-253

配送用の簡易梱包、と書かれていましたが、箱にはきちんと製品シールが貼ってあって、ごく普通の製品梱包と変わらない印象。説明書と付属品もあり、このまま売っても問題のない感じです。中華ブランドなら当たり前の簡易梱包よりむしろちゃんとしています。
ボール部にグリスがべったりなので、ここはもう少し拭き取ったほうが良いかもです。

小さめながら、アルカスイス互換プレート付き。QB-6AS Nとあり、QB-6ASのマイナーチェンジ版でしょうか。近年、アルカスイス互換クイックシューが増えてきたため、特定の雲台専用のクイックシューは少なくなってきています。このクラスなら、今はアルカスイス互換のほうがメリットが大きいかな?
クイックシューは360度回転させることも可能で便利です。

トルク調整リング付き


ボール部の締め付けの部と同軸上に、ローレット加工のトルク調整リング付き。微妙な締め付けにより、滑らかに運ダウを動かすことが可能…ですが、重い機材を載せると、調整幅が少なく、動きもそれほど滑らかではありませんでした。この辺りは価格なりでしょうか。ねっとりとした滑らかさがあると良いのですが。
あと、ボール部をよく見てもらうと、動かしていくうちに黒い塗装が剥がれて、下地が見えてきています。恐らくこれが商品化までたどり着けなかった理由の一つでしょうね。
構造的には、一昔前の雲台という印象。最近はグリスに頼らない、テフロンコートされたのボール自由雲台が主流になりつつありますから。

ミドルクラスの一眼カメラまでに最適

 Nikon D3400 + 標準ズームとの相性はピッタリ

推奨積載重量5kgですが、1~2kgまでの機材に適している感じです。ボディとレンズで1kgに満たないD3400 + AF-P DX 18-55mmはがっちり固定できます。剛性感もまずまずです。

D850(MB-D18付き) + AF-S 24-70mm f/2.8E VRは辛い

さすがにD850(MB-D18付き)にAF-S 24-70mm f/2.8E VRとの組み合わせはきついです。固定は可能ですが、フリクション調整は、重量があるため調整幅が少ないです。単純に固定して、動かすときはカメラをしっかり持てば問題はありませんが、やや心もとない感じです。やはりこのクラスになると、もう一回り大きく剛性感の高い自由雲台が必要です。


今回試していませんが、この自由雲台とBRONICA S2の組み合わせも良さげですね。
もともと写真の三脚(SLIKの初代カーボンのPRO 803 CF)には3ウェイ雲台が付いていますが、あまり使い勝手が良くないので、この自由雲台で使ってみたいと思います。

今から14年前のNikon D300のキムタク

2007年11月23日に、Nikon D300が発売になるわけですが、その直前にもらったカタログ。
たぶん今でも保管してある、ハズ。

Nikon D300のカタログ「頂点の極み」

ちょうどNikonの一眼レフのD2XやD2Xs、D200が、出してもCanonの周回遅れみたいな感じになって中、D3/D300を出して挽回を図った。

D3もすごかったけど、D300もDXフォーマットで秒8コマ連写可能、それまでのフラッグシップのD2Xsすら超えるスペックだった。
ちょうど今のNikonにも当てはまりますよね。ミラーレスのZマウント機、どれも後出しなのに周回遅れ、そこに現れたZ 9。ただZ 9のDX版は今の所発表されていませんし、噂も聞きませんが、Z 9のDX版、Z 90?があってもよいのかなと思います。

しかしD300のカタログ、キムタクを採用して、相当金をかけたんだろうな~。この当時はキムタクのCMもありましたしね。デジタルカメラが飛ぶように売れた頃です。
今考えたら、この頃がフィルムからデジタルへの大転換期だったわけで、それが一巡し、スマホが当たり前になった今、レンズ交換式のカメラは、かつてのようにニッチな市場に戻っただけなんですよね。

ところで、このカタログを貰った直後に有人の結婚式があり、たまたまNikonの中の人と同席しまして、その方曰く「社長はキムタク嫌いなんですよ」だって(笑
今となっては時効かな?

【府中誉】渡舟 “テロワール” 太田ノ谷 2020

ここ最近、茨城の百里基地に撮影に行く→帰りに焼鳥を買う→焼鳥屋近くの酒屋で酒を買う、がルーチンワーク化しております。だからなのか、撮影結果が乏しくなくても、あまりガッカリ感がなくなりました。
そんな日もあるさ~って流せるようになってきたので、歳をとったなぁと思います。

というわけで、撮影結果は乏しくなかったけど、前から気になっていたお酒を買ってみました。

【府中誉】渡舟 “テロワール” 太田ノ谷 2020

ここ最近お気に入りの、「渡舟」の秋限定出荷品、テロワールです。
曰く、

使用米「渡舟(短稈)」を「太田ノ谷」の南向き斜面の田んぼ 約1ヘクタールで収穫された酒米だけに限定して醸造されたのが〈渡舟 “テロワール” 太田ノ谷〉です

だそうです。酒米「渡舟」でも最も評価の高い物を使用、その他スペックは、アルコール度数が15度である以外、一切非公開。

豊かで爽やかな吟醸香。口に含むと、ことさら主張せず上品な味わい。ガス感や酸味はあるけど、何かこれと言った主張はせず、しかし全体のバランスがよい。この味わいは初めてです。うまく言い表せませんが、上品なのに決して薄味とか特徴がないわけではないです。
酸味と甘味が絶妙、雑味も少し顔を出すけど、決して嫌な雑味ではなく、ミネラルを豊富に含んだ心地よさを感じます。
これは面白いお酒です。値段が四合瓶でも2千円代後半とやや高いのですが、他では早々味わえないこの上品な味はかなりの魅力です。

これはグラスで飲みたいお酒かな

渡舟は、初めて飲んだときの印象がとても良かったのだけど、この酒は更に上質さを持っていて、かつ変な主張がなく、奥に秘めた旨味がじわじわ出てくる、他では体験できないお酒でした。
これは面白いです。
温度が上がると甘みは増して少し華やかな印象が出てきますが、上品さは変わらず。

これは一升瓶で買ってもよかったな~。ちょっと高価なので、手が出しづらいですが、十四代あたりと比較しても引けを取らないように思います。
渡舟、もっっといろいろ試してみたくなります。また買いに行こう。

AF-P DX NIKKOR 18-55mm 早すぎた引退

2016年の販売開始から、わずか数年で生産完了となってしまったAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRD3400のキットレンズとして、Fマウントレンズでは初めてステッピングモータを採用したレンズです。

AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR ブラック
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

Fマウント初のステッピングモータ搭載レンズ

ステッピングモータ(STM)は、1パルス毎の回転角が決まっているため、パルス数に応じた正確な回転角度出しが可能、パルスの周波数(パルスを発生させる間隔)を変えることで、回転速度も自由に変更可能なので、特に動画撮影のように、ゆっくりフォーカシングさせる場合にも適しています。
AF-Sのような超音波モータは、高トルクで素早く動かすのに向いている反面、速度の連続的な加減速や正転反転の繰り返し動作は苦手です(これを克服したCanonのナノUSMも存在します)。
特にコントラストAFのような動作に、ステッピングモータは適しているとされています。2011年から発売されたミラーレスのNikon 1は、全てのレンズがSTMでした。
NikonのZマウントレンズも、今のところ全てSTMを採用していますが、これは構造がシンプルで耐久性が高く、比較的大きな望遠レンズもマルチフォーカスを採用することで、フォーカシングユニットを分散させて、小型化しているのも大きいのでしょうね。

STMはパルス毎の回転角が決まっているため、エンコーダ(回転角の位置を検出する)が不要ですが、二次側から外力を加えてモータを回すと、現在位置がわからなくなるため、従来のAF-Sレンズのように、フォーカスリングを回すことでMFに移行できる、機械式でのフルタイムマニュアルフォーカス機構の組み込みは難しいです。
このため、AF-Pレンズは全て、フルタイムマニュアルフォーカスはフォーカスバイワイヤ、つまりフォーカスリングは機械的にはレンズユニットにつながっておらず、フォーカスリングはエンコーダを内蔵したバイワイヤ駆動となっています。

こうした特性のため、従来のAF-Sレンズのように、レンズ単体ではフォーカシングできず、通電させなければなりません。また、電源ON時に、本レンズは必ずフォーカスが無限遠に移動しますが、これはエンコーダを持たないモータの現在位置検出のための動作と思われます。電源を切ってしまうと、レンズが現在のフォーカス位置が分からなくなってしまうためです。

茨城空港、百里基地の風景 Nikon D3400 + AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

従来のAF-S DX NIKKOR 18-55mm系は、安価な筒型超音波モータでギア駆動のため、フルタイムマニュアルフォーカスは、機構が複雑になるために使用できませんでしたが、AF-Pレンズは、構造上フォーカシングユニットもフォーカスリングと機械結合できないためにバイワイヤとなるため、安価なレンズでもフルタイムマニュアルフォーカスが可能となりました。フォーカスも速くなりました。

2021年5月旧製品に

しかし、ミラーレス一眼の急速な普及、そしてNikonの一眼カメラは中上級機の販売にシフトしていく過程で、従来のエントリークラスの一眼レフ、D5x00とD3x00系は、それぞれD5600,D3500を最後に、2021年早々にに旧製品化し、そのキットレンズであった AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRも2021年5月に旧製品となってしまいました。
ことのことは、もうD5x00/D3x00系の一眼レフは出さないことを意味します。他にも、次々とFマウントのDXレンズは旧製品化、またFX用も少しずつ旧製品化されており、一眼レフの新製品が今後出る可能性は極めて低いと思われます。

Fマウント最後の廉価ズームとしては中々の描写

さて、本レンズが、事実上DXフォーマットの廉価ズーム最後となってしまいましたが、描写は中々良いですよ。もちろん、値段に対して、という断り入れなければなりませんが。
AF-Pレンズということで、やっと普及価格帯でCanonに並ぶことが出来た爆速AFの話に傾きがちですが、描写もこのクラスとして優れています。

Nikon D3400 + AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

絞り開放では、中心部は解像力が高く、周辺はやや流れますが、少し絞れば周辺までしっかり解像します。手ブレ補正も4段で十分よく効きます。軽量コンパクトで使い勝手も良いですね。
色乗りもよく、センサのカバーガラスの性能差からなのか、ややレンズを選びがちなD3400との相性もバッチリです。さすがキットレンズです。
このレンズは、D3400とともに、妻のカメラですが、時々サブカメラとして借りて使っています。システム全体で軽量なのが魅力です。
以前は、このクラスのレンズの描写は、悪くはないけど良いと思わなかっただけに、本レンズは安価ながら、中々優れている1本です。
タラレバになってしまいますが、後3,4年早く出ていたらなぁと思います。出るのが遅かっただけに、引退も早すぎましたね。

【百里基地】2021年11月19日の記録…というかTC-14EIIIのテスト

これが年内最後の百里基地かな? 12月は忙しくなりそうで、休みが取れないかも…というのと、昨日書いたテレコンTC-14EIIIのテストも兼ねて、行ってきました。

今回はちょっと撮影ポジションをまずった…。C-2輸送機が来ていたのは、降りは見えず、上がりはお買い物中…
途中車内で居眠りしてしまって、F-2の4機編隊の進入を撮り逃がす…

というわけで、撮影結果としては散々でしたが、TC-14EIIIのテストは出来たので、これはこれで。
写真としてはF-2の転がりばかりでツマラナイですが。

TC-14EIIIのテスト結果ですが、AF-S 600mm f/4G ED VRに取り付けると850mm(計算上600x1.4=840mmですが、Exif上では850mm表記)となりますが、久しぶりに手持ちで850mmだと、やっぱり歩留まり下がりますね。鍛えないと。
画質としては、テレコン云々以前に、晴れていたので陽炎の影響があるので、正確な判断は難しいですが、戦闘機撮影には十分使えますね。ただ、少し前後が二線ボケになることもあり、背景は選ぶ必要がありそうです。
絞りも、今回はほぼ開放でテストしましたが、少し絞ったほうが画質は向上するようですが、開放でもそれなりに使える印象でした。
順光で条件が良ければ、解像力も問題なさそうですが、やや暗い場面では少し厳しいかな…。これは、Z 9だと果たしてどうなるか。気になるところです。

転がりばかりですが、最後にアラハンへ向かうF-2、AAM-3AAM-4Bの実弾を装備しているのを見ることが出来ました。
スクランブル発進待機のため、武装してアラートハンガーで待機するわけですが、射程の長いAAM-4Bまで搭載しているのは初めて見ました。2010年より改修が始まり、現在は8割程度の機体がAAM-4B搭載改修を終えており、レーダーも改修されてJ/APG-2となっているそうです。
F-2も対艦のみならず対領空侵犯措置任務も重視されているマルチロールファイターですし、近年、中国やロシア機の活動も活発になってきているので、AAM-4Bを搭載した任務もますます重視されてきているでしょうね。
戦闘機の開発ノウハウのあるアメリカやイギリスなど諸外国ですら、近年開発は順調に進まないですから、F-3も計画通りに開発されて、2030年代にF-2から置き換えるのは容易でないでしょうから、国産の強みを生かして、F-2の改良も行ってほしいですね。

AF-S TELECONVERTER TC-14EIIIを買ってみた

どうやら以前の撮影の際に紛失してしまったらしいAI AF-S TELECONVERTER TC-14EII。シクシク?
望遠レンズのAF-S 600mmやAF-S 70-200mmに必要なテレコンであることから、光学系が一新されたIII型を、中古ですが買ってみました。

Nikon TC-14EIII これが実質最後のFマウントのテレコンバーターに

■TC-14EIIIではDタイプのAF-S/AF-Iレンズが使えなくなった

NikonのAFテレコン初代のAI AF-I TELECONVERTERのTC-14E、2代目のAI AF-S TELECONVERTER TC-14EIIは、どちらも光学系は同じ5群5枚で、外装の仕上げが異なるのみです。
AF-S TELECONVERTER TC-14E III(以下III型)では、Dタイプレンズが使用できなくなりました。II型までにあったAIガイド(Nikonの絞りリングの絞り値をボディ側に機械伝達する機構)が省略され、レンズ側の最小絞りが伝達できないためでしょう。
元々、NikonのAF-I/AF-S TELECONVERTERは、レンズの絞りリングでしか絞り値をボディ側に伝達できない、F4シリーズやF90/F90Xシリーズのようなカメラも考慮した設計となっていました。
絞りの位置を機械的に伝達するAIガイドが残されていたわけですが、1996年のF5以降に登場したボディは、ボディ側のコマンドダイヤルで絞りを設定できるため、21世紀になり登場したレンズは、ほぼ全てが絞りリングのないGタイプやEタイプ(電磁絞り)になりました。
また、TC-14Eと組み合わせるべき望遠レンズも、最後に発売されたDタイプのAI AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D II(IF) (2001年3月)より後のレンズは、全てがGタイプかEタイプとなり、現状ではAIガイドを使うことはほとんどなったことから、バッサリとDタイプの望遠レンズの互換性を切ってしまったのがTC-14EIIIです。
当方も既に、Dタイプの望遠レンズは所有していないので、実質的に問題ないですね。
AIガイドを省略したため、名称もAI AF-Sから”AI”を取った、AF-S TELECONVERTERになっています。

■工学系はII型から一新

TC-14EIIIでは、II型までの5群5枚の工学系から、新しい4群7枚の光学系に更新されています。


さらにレンズ表面にフッ素コートを施すことで、汚れが付きづらく拭き取りやすくなっています。
光学系が一新されたことで、従来とどう変化したか、今後実写で試したいと思います。同じ条件で比較できないのは残念ですが。

テレコンは、テレコン自体の光学系性能と、マスターレンズの光学性能両方が作用するため、一概に評価はできませんが、1.4倍なので、無理なく伸ばせます。
旧II型でも、劣化は少なく実用でした。さすがにTC-20EIIIのように2倍テレコンになると、やはり画質の劣化は感じます。
というわけで、実写で試したら、また報告します。

今度はなくさないよう、気をつけて管理しないとね。

2009年にフィルム中判とデジタルで撮った紅葉

妻と結婚する前の2009年に、一緒に見に行ってきた日光の紅葉の写真。
BRONICA S2とNikon D300で撮影。

BRONICA S2 + NIKKOR-P 75mm F2.8
Nikon D300 + Tamron SP AF 90mm F/2.8 MACRO

こうして見比べると、D300もなかなか良いなと思いつつ、撮っている時に楽しかったのはBRONICA S2なんですよね。

関東もそろそろ紅葉はおしまいかな? もう11月も後半に差し掛かって、2021年もあっという間に終わりますね。

Nikon Z 9のセンサの製造がどことか、エンドユーザーが気にしても仕方ない

発売日がなかなか決まらないNikon Z 9、生産台数が月産35,000台という日経の誤報道から様々な憶測が飛び交ったり(結局当初月産3500台と訂正)と、何だがゴシップ記事も多い今日この頃。
それだけ注目されていると言えますが、ちょっと過熱しすぎな気もします。

そんな中、今度は、毎度おなじみ、イメージセンサはどこが作っているか、の話題が出てきていますね。

Nikon Z 9の積層型CMOSセンサ NikonのHPより引用


B&Hは、SONYセミコンダクターソリューションズ 、またはタワーセミコンダクタと予想し、Sony Alpha Rumors(SAR)はSONYセミコンダクターソリューションズと予想しています。
どちらもあり得る話ですし、過去にNikonがこれらのメーカーで製造されたセンサを使用したカメラが販売されていることは事実です。
SARはさらに、”信頼できる情報源”より「ニコンが使用するためにSONYの特許(ライセンス)を受けている」としています。
ちなみに、Nikon自身は、Z 9の積層型CMOSセンサを、「Z 9は有効画素数4571万画素、ニコン独自の積層型CMOSセンサーを新搭載。」としており、海外のプレスリリースには

stacked 45.7 MP full-frame CMOS sensor designed by Nikon engineers and an ultra-fast EXPEED 7 processor.
(日本語訳)ニコンのエンジニアによって設計された新しい積層型45.7MPフルフレームCMOSセンサー

https://www.nikon.co.uk/en_GB/news-press/press.tag/news/bv-pr-wwa2110-nikon-announces-the-z-9-flagship-camera-v2.dcr

としており、設計自体はNikonによるもので間違いないでしょう。
ただし、仮にSARの言う、SONYの特許を使用しているとしたら、その部分については使用料を払う必要があります。

■単純に買い物のイメージセンサを載せたわけではない

こういう記事を見ると、「結局SONYに技術を握られているじゃないか」「ライセンス買って作ってもらっているだけ」「SONYも同じものを載せたα1IIを出す」という話が出てきます。
しかし、製造業に携わっている人なら分るでしょうけど、そういう単純な話ではないのです。
今は工業製品は電子部品の割合が多く、全てを自社で賄うなんてことは困難です。
まず商品を作りにあたっては、メーカーが構想を練ってデザインし、自社で技術開発する部分についてはそれを行います。その開発した部分もすべて自社で行うか、と言われると、そうでないことも多いのです。

例えばわかりやすい工業製品として、自動車であれば、ヘッドライトは小糸製作所スタンレーといったような会社が、自動車メーカー向けに開発製造を行っています。
ウインドウガラスもしかり、ナビやオーディオもです。
車の心臓部ともいえるエンジンですら、場合によっては、他社から買ってくることもあります。ケータハムがスズキのエンジンを使ったり、ロータスがトヨタのエンジンを使う例もあります。

それこそ材料レベルになれば、ボディの鋼材は鋼材メーカーから買ってきます。
さらに組立は、子会社であったり、別の車体組立会社に委託する場合もあります。
では、そうやって製造されたA社の自動車は、いろんな製造メーカーの集合体だから、実質A社の車じゃないでしょ? とは言えないですよね。
以前どこかの記事で、とある自動車メーカーの若者が、結局部品メーカーに丸投げで自社の技術なんてない、と失望して会社を辞めた、なんてのを見かけたことがあります。きっとその方は、まだ経験が浅くて、自動車製造のごく一部だけを見て判断したのでしょうね。
自動車に限らず、工業製品は部品の集合体です。確かに部品は買い物かもしれませんが、その部品も製品を企画し、仕様を決めてインテグレーションしてテストを繰り返し、最終的な製品として販売するのが自動車メーカーです。単純に買ってきたものをくっつけてできるわけではありません。
それら部品の集合体が、企画した意図した通りのカタチとなり機能することで、初めて製品となるわけです。

カメラも同じで、センサの製造が仮にSONYセミコンダクターソリューションズだから、SONYの特許を使用しているから、といって、その設計が丸々SONYにコピーされることはなく、むしろNikonが設計した部分は特許で守っているはずですし、その辺りの契約は当事者にしかわからないです。
少なくとも、単純に仕様だけ伝えて、あとは作ってね~ではないでしょう。Nikon独自の積層型CMOSセンサと言っているくらいですし。

SONYセミコンダクターソリューションズが外販向けのセンサも販売はしていますが、一方で製造委託も行っているため、Nikonが設計したセンサを、SONYが製造することについては、お互いに利害関係が成立しており、何ら問題ないですし、今回Z 9のセンサの技術が丸々次のSONYのαシリーズに載るわけでもないでしょう。
もちろん、Nikon Z 9のセンサの製造能力があるということは、少なくともそれと同等のセンサの製造技術を持っているわけですから、SONYや他社が同様の設計をしてその製造依頼をすることもあるでしょうし、その能力もあるということでしょう。

Nikonがセンサ設計できるということは、それをどこに製造してもらうかを選べるわけで、SONYやCanonのように自社設計から製造までをできないから不利、とは言えないです。
それを言ってしまうと、自社でiPhoneを生産していないAppleの立場はないですよね?
そもそもNikonは半導体製造装置の大手でもありますし。

■製品を見て判断すれば良い

結局のところ、我々エンドユーザーがイメージセンサの製造メーカーだけを気にした所で意味はなく、製品そのものを評価するしかないと言えますね。
SONYのα1も、カメラとしては相当の出来ですから、次のII型で打倒Z 9は当然最優先事項でしょうね。
α1のイメージセンサも、Z 9に全く劣っていませんが、問題はZ 9の、その想定よりも安価な値段でしょうから、α1IIや、Canonから出るといわれるフラッグシップのEOS R1?がどう出るか、価格も含めて気になるところですし、こういう技術競争があるから、製品はよくなるわけで、大いに戦ってほしいですね。


ところで、いつ発売になるんだろうZ 9?

昔お父さんは必ず飲んでいた ダルマ瓶【サントリー・オールド】

自分の親世代が今の自分と同じくらいの年齢だった頃、どこのお家に必ず置いてあったダルマ瓶のウイスキー、サントリー・オールド
角瓶とともに、よくお家の立派なサイドボード(もはや死語)に、グラスや水割りセットと共に入っていました。

ところが、角瓶は今でも市民権を得ていて、居酒屋ではハイボールのベースとして、そしてハイボールブームで缶の飲み物として、今も健在です。

そして1980年代にあれだけ市民権を得ていた「オールド」は、逆に最近それほど見かけなくなりました。いや、今でも飲み屋さんでは見かけるけど、昔ほどのイメージはないですね。

80年代のウイスキーと言えばオールドでしたが、90年代になり洋酒も安くなってきて、お酒の種類も飲み方も多様化し、猫も杓子もオールド、という時代は終わったのでしょう。
そういう意味では、まさに昭和の酒の代名詞であり、平成になって下火にはなったけど、それでも今でもサントリーの代表的なウイスキーとして、令和に生きるウイスキーなのでしょうね。

そして気がつけば自分も、あの頃のお父さんと同じ年齢。前置きが長くなりましたが、機が熟した、ということで、オールドを買ってみました。

サントリーオールド

水割りでいいただきました。
あ、飲みやすい。スモーキーさは殆ど感じませんが、甘みがあってカドがない。レーズンのような甘みを感じます。
万人受けする味であり、角瓶よりは上質さを感じます。かと言って高級な感じがするかと言えばそうではなく、程よいバランスを保っています。
確かに、定番ウイスキーになるな~という印象です。
芋焼酎と言えば黒霧島、麦焼酎と言えば二階堂といったように、どこでも見かける定量消費されるお酒の定番という印象ですね。

サントリーオールド

ストレートで飲むと、より濃厚に甘みを感じますが、当然アルコールも強くなるので、少しビターな感じも入ります。
個人的には、水割りで飲むのがバランスが良いと感じました。そういや親父も水割りで飲んでたな。


定番のお酒は、定番になるだけのなにかがありますね。定番過ぎて逆に飲まないことの多いお酒、あえて飲むと、意外な発見があるかもしれません。
ま、角瓶くらいになると、ハイボールが最適で、さすがにそのまま飲もう、という感じではなくなってきますが、オールドくらいの値段のウイスキーが、一番コスパが良いのかもしれませんね。

【梅津酒造】笊(ざる) 梅津の生酛 玉栄80%

こちらは、写研埼玉工場改めヤオコー和光丸山台店のすぐ近くにある、牧島酒店で購入させていただきました。

【梅津酒造】笊(ざる) 梅津の生酛 玉栄80%

ふと目に留まったのです。冷蔵庫のお酒を一巡して、冷蔵ではないお酒コーナーを見ていて、手にとって眺めていたら、ご主人が丁寧に説明してくれました。
寒くなってきたので、燗で飲みたいよねと思っていたところです。
笊(ざる)という銘柄、お店で飲んだことがあったように思うけど、買ったことはなかったので、初購入です。

【梅津酒造】笊(ざる) 梅津の生酛 玉栄80%

生酛造りのお酒、好きです。天然の乳酸菌がもたらす酸味が好き。
そしてこの酒、すごいのがアルコール度数20%! 一般的に日本酒は、16~17%のアルコール度数が多く、最近は軽めの8~12%のお酒もよく出回りますが、ここまで高いのはめったに見かけません。もちろん無加水の原酒です。
なかなかこだわっている酒蔵のようで、昔ながらの日本酒づくりを基本としているようです。購入時にこの酒蔵の蔵元が書いた「酒のはなし」という冊子をいただきましたが(一番上の写真の瓶の左側にあるのがそれ)、醸造アルコールのはなし、酒の色の話、お酒の温度のはなし、生酛造りのはなしなど、興味深く読ませていただきました。
現在は醸造アルコール添加のお酒は辞めて、純米酒のみを作っているようです。

アルコール度数が高く、かなり濃いため、日本酒では珍しく、加水して割って飲む、炭酸水で割って飲むこともおすすめされています。
酒米は「玉栄」(たまさかえ)、精米歩合は80%と削りは最小限です。

【梅津酒造】笊(ざる) 梅津の生酛 玉栄80% かなり濃い目の濁り

まずは常温(ひや)でいただきます。香りは、吟香は殆ど感じません。最近多い華やかな香りのお酒とは真逆を行きます。口に含むと、濃い! アルコール分を感じます。ちょっとした焼酎のよう。ですがその後濃厚な米の旨味がどっと押し寄せます。複雑な酸味と苦味が力強い、そして仄かに甘みが来ます。

ああ、これは燗に向いているな、と思ってまずはそのまま温めました。うん、俄然米の甘みが出てきます。感にしてバランスが良くなるお酒ですね。

2日目には、開栓初日に感じたアルコール感はさっと消えました。口開けだと少しアルコールの高さを感じますね。
さて加水して燗にするのがおすすめなので、そうしてみました。俄然飲みやすくなった! そして元々が濃いので、加水してバランスも良くなりますね。個人的には、3,4割の加水ではなく、2割程度の加水で燗で飲むのが好みです。燗にすることで、甘みがぐっと出てきます。もちろん甘すぎず、基本は濃厚さは保っています。

これ、結構ハマりますね。一升瓶で買えばよかったな。他のシリーズも置いてあったので、今度買ってみよう。

アサブロから移転して、2020年よりこちらをメインとします