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NikonのSnapBridgeの「Wi-Fiステーションモード接続」を試す

もう半年前の話ではありますが、2024年3月13日付けのSnapBridgeのアップデートで、「Wi-Fiステーションモード接続」なるものが追加されました。

対応機種は、執筆時点(2024年10月現在)でZ 9とZ6IIIのみです。上の画像だとZ 9のみですが、Z 6IIIも対応しているようです。

SnapBridgeは、Nikonの対応カメラとBluetoothでスマホやタブレットと常時接続し、画像をスマホに転送したり、スマホが取得したGPS位置情報を撮影データに付与したり、Wi-Fi接続では画像だけでなく動画転送も対応(対応機種に限る)、またスマホ画面を使ったリモート撮影可能と多彩な連携が可能です。
カメラメーカーの中でも割と早くBluetoothによる接続が出来ていたので、一度接続設定すれば、その後は自動でカメラとスマホがつながるのでとても便利なソフトですが、やや安定性に難があり、特にWi-Fi接続が上手くいかないことが多いのです。
Bluetooth接続状態からWi-Fiに切り替えようとすると失敗することが多く、Nikon Zシリーズの方がDシリーズより失敗が多いのです。
特に多くの画像転送をしたいときは、Bluetoothは通信速度が遅いため時間がかかってしまうで、Wi-Fiでつないだ方が良いのですが
この切替では、Bluetoothでカメラとスマホがつながった状態で、SnapBridgeからカメラ側にWi-Fiの起動(カメラ側がアクセスポイントになる)とスマホ側でカメラのWi-Fiに接続させる、ということを行っているはずなのですが、どうもうまくいかないようです。

認証/暗号がWPA2-PSKならすんなりつながるかも?

これについては、うちの環境では、カメラ側の「認証/暗号」設定を、WPA2-PSKに設定することで接続できるようになりました。スマホ側はWPA3-SAEに対応しているのですが、どうも接続しようとしても切断するを繰り返してうまく行かないようです。

NikonのWi-Fi接続の認証/暗号設定
WPA3-SAEだとうまく接続されない場合は、WPA2-PSKに設定してみるとうまくつながるかも

カメラ側がアクセスポイントになる従来からあるWi-Fi接続、D850ではすんなりつながるので、なぜだろうと思っていましたが、D850は2017年発売のやや古いカメラ故に、まだWPA3-SAEには非対応で、WPA2-PSKのみなんですよね。
WPA3-SAEで繋がらないトラブル、Nikonにはぜひ改善してほしいところですね。要望は出しておきます。

Wi-Fiステーションモード接続を試す

一方、Wi-Fiステーションモードでは、アクセスポイントはカメラではなく無線LANアクセスポイント側、あるいはテザリング状態のスマホとなります。
カメラはそのアクセスポイントにまず接続しに行く、という手順になります。

無線LANアクセスポイント、多くの家庭では無線LANルータやモバイル無線LANアダプタが受け持っていると思いますが、それだけでなくスマホのテザリング(スマホが無線LANアクセスポイントになっている状態)でも可能というのは朗報ですね。スマホのテザリングだと、カメラとスマホがWi-Fiでつながっていても、スマホ自体はモバイル回線につながっているので、通信が可能です。従来のWi-Fi接続は、スマホがカメラのWi-Fiに接続しに行くため、Wi-Fiでつながっている最中は、スマホ側はモバイル回線での通信が一切できない、つまりインターネットにはつながっていないことになります。なので、その逆となっているWi-Fiステーションモードのメリットは大きいと言ってよいでしょう。
ただし、執筆時点で対応しているカメラは、Z 9とZ6IIIの2機種のみとなっています。ええっ、Z 8やZ fは対応していないの!? 次のFWアップデートで対応してほしいところですね。

まずは自宅の無線LAN経由でスマホとカメラがつながるか確認。
https://nikonimglib.com/snbr/onlinehelp/ja/wifi_st_mode_connection_6.html
上記マニュアルにしたがって、カメラ側の[スマートフォンと接続]>[Wi-Fi接続(ステーションモード)]で、SSIDを選択し、無線LANアクセスポイントに接続します。
同じSSIDに接続したスマホ(またはタブレット)でSnapBridgeを立上げ、「Wi-Fiステーションモード接続」を選択して接続対象のカメラ(Z 9またはZ6III)を選び、「Wi-Fi接続」→「Wi-Fiステーションモード」→接続可能なカメラを選択、となります。

しばらく待っていると接続可能なカメラが表示される

ただ、最初はなかなか「接続可能なカメラ」に何も表示されない状態が続きました。何度かキャンセルして再接続してやっと検出できました。この辺り、ネットワークの状態にもよるので何とも言えませんが、もう少しスパッと表示されてほしいところです。

Wi-Fiステーションモードで自宅の無線LAN環境経由でスマホのSnapBridgeとZ 9がつながった状態

あとはスマホ側から画像取り込みを行うかでスマホ側に画像や動画を送ることが可能です。
また、Wi-Fiステーションモードで接続後、設定から自動送信指定することで、以降撮影した写真を自動的にスマホに送信することも可能です。逆にこのモードではカメラ側から指定した画像の送信はできません。

またWi-Fiステーションモードを終了させたい場合は、右上のアイコンからメニューを開いて終了させる必要があります。少々わかりにくですね。

接続認識は今一歩と言ったところで、一度接続を切って再接続しようとして、接続待機中のままになることも何度かありました。この場合はSnapBridgeを立ち上げ直すとうまくいくこともありました。もう少し安定性は向上してほしい所。

同様に、スマホ側でテザリングし、カメラをスマホのテザリング中のSSIDに「Wi-Fiステーションモード接続」させることで、同様にWi-Fi転送可能です。出先ではこのスマホテザリングによるWi-Fiステーションモードが便利そうで、RAW画像や動画ファイルも送信できるので、撮った動画をすぐにネットにアップロードといったことや、Lightroomなどで編集すると言ったことも可能。

従来からあるWi-Fi経由でのライブビュー画像の表示と撮影ももちろん可能です。一部機種は動画撮影にも対応します。これでカメラから離れた状態でスチルや動画撮影が可能なのですが、案外この機能を知らない人も多いのでは? D850でもスマホ画面でライブビュー撮影出来るんですよ。

スマホの画面でライブビュー撮影も可能

リモコンやケーブルレリーズがなくても、スマホで撮影操作可能なので、是非試してみてください。

SnapBridgeのBluetooth通信によろ画像転送は便利な反面、大量に送ろうとすると時間がかかったり、うまく送信されないこともあるので、そうした場合はWi-Fi接続が便利です。
Wi-Fiステーションモード+スマホテザリングなら、Wi-Fi接続中もモバイル回線が使えるので便利ですよ。

【備忘録】Lightroomで「書き出しにGPUを使用」がグレーアウトした場合の対処

ここ最近、RAW現像が重いなぁ、書き出ししたらCPU使用率100%になっている!と思って、Adobe Photoshop Lightroom Classicの「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」の項目を確認すると、Camera Rawのグラフィックプロセッサーを使用の「画像処理(処理バージョン5以降)にGPUを使用」と「書き出しにGPUを使用」がグレーアウトしているではないですか!

画像処理と書き出しにGPUを使用、がグレーアウトしている

再起動してみたり、Radeonのドライバを入れ直したりしてみましたが解消せず。以前はチェックできていたし、AdobeのHPでは少なくともRadeon RX 7800 XTは少なくとも要件を満たしています。

これはそこそこ古いGPUやCPU内蔵のGPUでも満たしているんですよね。
Radeonのドライバが悪さをしたのか、Lightroomのバージョンアップ時に何かがおかしくなったのかわかりませんが、こんな対処をしてみました。

設定ファイルを書き換えてみる

Adobeの「グラフィックプロセッサー(GPU)とグラフィックドライバーの問題に関するトラブルシューティング | Lightroom Classic」によるとLightroomの設定ファイルはどうやらここに格納されている模様。エディタで開いてみます。

C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\Lightroom\Preferences\Lightroom Classic CC 7 Preferences.agprefs

useAutoBahn = true を useAutoBahn = falseに変更することで、「ディスプレイにGPUを使用」がOFFになるようですが、そもそもこの項目のみはチェックが入れられる状態でした。
その下の行を見ると、

useGPUCompute = false,
useGPUForExport = false,

となっていて、この2行が「画像処理にGPUを使用」「書き出しにGPUを使用」に該当するようです。
Lightroomを落とした状態で、上記2行の”false”を””true”に書き換えました。

その上でLightroomを立ち上げ直しましたが、症状は解消せず、相変わらず2つの項目はグレーアウトの状態で、Lightroom Classic CC 7 Preferences.agprefsを再度エディタで開くと、再び上の2行は “false”に書き換えられてしまっています。うむむ、困りましたね。

設定ファイルを消去してみた

ならば設定ファイル自体を消してみよう、ということで、こちらのフォーラムの投稿も参考に、Lightroomを一旦落としてから以下のファイルを消去しました。正確には別フォルダにバックアップした上で消去しました。

C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\Lightroom\Preferences\Lightroom Classic CC 7 Preferences.agprefs
C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\Lightroom\Preferences\Lightroom Classic CC 7 Startup Preferences.agprefs
C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\CameraRaw\GPU\Adobe Photoshop Lightroom Classic\Camera Raw GPU Config.txt

この状態でLightroom Classicを再度立ち上げて、「パフォーマンス」の項目を開きます。
Camera Rawの設定は、グラフィックプロセッサーを使用が「自動」になっているので、「カスタム」に変更します。
すると、グレーアウトしていた「画像処理にGPUを使用」がチェックできる状態に! 更にチェックすると「書き出しにGPUを使用」にもチェックが入れられる状態となりました。

画像処理と書き出しにGPUを使用にチェックが出来るように!

この状態でLightroom ClassicでRAW画像を編集すると、あれまスイスイ快適に。さらに書き出しはチェックが入っていない状態の3倍は速くなりました!
システムによってはGPU書き出しではあまり速くならないようですが、少なくともうちの環境ではCPU(AMD Ryzen 9 5900X)の書き出しよりGPU(AMD Radeon RX 7800 XT)のほうが速いようです。

しかし、Geforce RTX 3060ではこうしたトラブルはなかったので、やっぱり今でもRadeonは一筋縄ではいかない? それともAdobeのせい?

現場でレーディングをつけておくと、サッカーで1000枚以上撮っても選定が楽

昨日は祝日で、息子のサッカーの試合に午前中行ってきて、午後から仕事。流石にちょっと疲れたな。

さて写真選定ですが、Nikon Z 9など最近は高速連写出来るカメラが増えてきました。もう秒20コマ30コマとか、動画レベルだし、自分の撮影ではそこまではまず必要ないです。普段は連写でも秒10コマで撮影しています。

それでも1回の撮影で1000コマ以上撮るのが当たり前になると、その選定もかなり大変。これが連写コマ数を上げたくない理由でもあります。
CanonのEOS R5 MarkIIでは、ボケやブレ判定をカメラ側でしてくれるそうですが、そもそも歩留まりが上がっている最近のカメラでは、それよりむしろ写真選定、ベストショットを選ぶことが大変だったりしますね。

なので、自分は撮影現場でササッとプレビューしながら、採用写真にレーディングをつけています。
Nikon Z 9やZ 8ではカスタムメニューのf31「1コマ再生時のフリック操作」で「上にフリック」すると「レーディングの★4」が付くように設定しています。逆に「下にフリック」では「ゴミ箱レーディング」にしています。

これを撮影のスキマ時間でササッと行うことで、大まかに選定しておけます。
後は帰った後PCに取り込んで、レーディングのついたコマやその前後を優先的にフォーカスチェックなど行って絞り込めますね。
もちろん、時間がない場合は現場でレーディング付与できないこともあるけど、これを行うだけでも相当選定が楽ですよ。

RED監修のN-Log用LUTを試してみた & H.265とAV1コーデックの比較も

先日Nikonより、Nikonの一部の一眼カメラで採用されている動画用のN-Log収録用に、RED社監修のLUTが公開されました。

対応機種は Z6III、Zf、 Z9、Z8、Z7II、Z6II、D780、Z7、Z6 です。

  • Technical LUT(1 種類)
    従来、機種ごとに提供していた N-Log に対応した LUT を 1 ファイルに纏め、RED 社のカラーサイエンスに則った動画に最適な色味に変更しました。Technical LUT は、N-Log のカラースペースから一般的な視聴に適した Rec.709 規格に変換することができます。
  • Creative LUT(4種類)
    RED 社が提供する LUT の色味を N-Log で再現できるようにした 33 点の LUT です。
    ▹ FILM BIAS
    伝統的な「フィルムらしさ」を追求した LUT。自然なスキントーンと黄金に輝くハイライトが特徴で、どのようなシーンもシネマティックに演出します。
    ▹ FILM BIAS BLEACH BYPASS
    フィルム処理技術の一つであるブリーチバイパス(銀残し)を再現。コントラストが高く彩度が低いのが特徴です。映像をよりドラマチックにし、リアリティを強調します。
    ▹ FILM BIAS OFFSET
    暖かみのある色調とスプリットトーンで、ヴィンテージフィルムのようなルックを再現。芸術的なシーンや風景撮影に最適で、映像をよりスタイリッシュかつエレガントなものにします。
    ▹ ACHROMIC
    低コントラストのモノクロで、被写体のテクスチャや形状を強調します。ディテールに焦点を当てつつ、柔らかくクラシックなルックで芸術的な表現が可能です。

https://downloadcenter.nikonimglib.com/ja/download/sw/258.html

Davinci Resolve 19にLUTを適用する

フリー版でも高度な編集作業が可能なDavinci Resolve 19に、RED社監修のLUTをインストールします。Windowsは以下の通りです。
Davinci Resolveを起動し、カラーからLUTsを開き、LUTsを右クリックすると「ファイルロケーションを開く」が表示されるので、クリックします。

ファイルロケーションを開くで、LUTのファイルフォルダが開きます

フォルダが開くので、Nikonフォルダを開き、そこにダウンロードしたLUTファイルをコピーします

Nikonフォルダ内に5つのRED監修LUTファイル(.cube)をコピー

従来の機種別ファイルとは別に、機種共通のRED監修LUT5種類が使えるようになります。
あとは、N-Logで撮影した動画ファイルのノードに、適用したいLUTを選択します。

シリアルノードを追加して、そこにLUTを適用

さほど難しくないので、簡単にLUTによる画作りが楽しめますね。

4種類のCreative LUTの比較

早速N-Logで収録した動画に適用してみました。

この映像がCreative LUTに適しているかどうかは別として、雰囲気は感じていただけるかと思います。

今回はYoutube用にAV1コーデックを使ってみた

いつもはH.265で書き出ししているのですが、今回はグラボをAV1のハードウェアエンコーディングに対応できるAMD Radeon RX 7800XTに改装したので、AV1で書き出しを行いました。

フォーマットをMP4に設定いするとAV1コーデックが選択可能になる

H.265は最近のここ数年の動画対応機の多くが採用しているコーデックですが、高額なライセンス料が必要とされるH.265に対し、ロイヤリティフリーライセンスのAV1は、今後普及が期待されているコーデックです。H.265に対し、3割程度ファイル量を減らせるともされています。

実際に、今回Davinci Resolve 19でAV1とH.265でそれぞれ書き出し、処理速度とファイルサイズの比較をしてみました。

これはAV1の圧勝ですね。今回、N-RAWの動画を使用し、更にデータがHDDだったため、読み出し速度がやや遅い状況でしたが、それでも6分弱だったAV1に対し、H.265は7分超で確かにAV1のハードウェアエンコーディングの効果が出ています。Radeon RX 7800 XTはAV1対応ハードウェアエンコーダーを2基搭載しているので、これが効いているのでしょうね。
ゲームはしないけど動画編集をたまにやる自分にとっては、今回Radeon RX 7800 XTの選択は正しかったかもしれませんね。

ファイルサイズも比較しました。

上がH.264、下がAV1で、大差はないが、9%程度AV1のほうがファイルが小さい

H.265(上のファイル)に対し、AV1では約9%ファイルが小さくなりました。1割に満たないので大きな差はないものの、AV1の優位性はあるようです。
ただ、H.265はビットレートの設定など細かく詰められるのに対して、AV1はDavinci Resolveでは細かい設定はないので、これについては今後検証する必要はありそうです。


せっかくLUTも充実してきているので、N-Logも積極的に使っていこうかな、と思います。
Studio版のDavinci Resolveも…いつか欲しいな

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Zenfone 11 Ultraのカメラを1ヶ月使ってみたのでレビュー【RAW写真編】

Zenfone 11 Ultraのカメラレビュー、最後はRAW画像です。
標準カメラアプリでは、カメラ解像度の設定からRAW+JPGを選択します。

RAW撮影は何故かカメラ解像度から設定する

生成されるRAWファイルの拡張子は汎用RAWデータの.dngとなります。今回はRAWデータを未調整のままAdobe Lightroom ClassicでJPGに変換し、ブログ用の解像度に落として出力したものと、個人的に調整したものを掲載しています。
また今回は基本的にメインカメラである5000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ジンバルスタビライザー&アダプティブEIS で撮影しています。

RAWデータの素の出力はかなりあっさりめの発色

息子のサッカーの練習試合の風景です。
まず未調整ファイル、解像度はしっかり5000万画素(50MP)あります。そして発色は相当あっさりめで、ある意味レタッチ向けな出力とも言えます。
ただカラー出力はフラットとは言えず、やや癖がありますね。
一眼カメラのRAW出力では、彩度はむしろ落とし気味にすることが多いのですが、このデフォルトの発色は相当あっさりめなので、彩度はかなり持ち上げて調整。
色々調整したものの、やや黄色っぽい発色となりました。

等倍で見た限り、手持ちのNikon Z 9/Z 8やD850の4500万画素を超える画素数とは言え、登載するイメージセンサは1/1.56型のSONY IMX 890センサ、流石に実際の解像感でフルサイズセンサと比較してはいけませんね。IMX 890は多くのミドルクラスからハイエンドスマホに搭載されている主力のセンサだけに、実力は悪くないはずです。後継のIMX 906も登場していますが、Zenfone 11 Ultraは先行するROG Phone 8をベースとしているため、共通した1世代前のセンサを採用していると思われます。
このセンサは、4画素をピクセルビニングにより混合して12.5MPで出力でき、JPGの場合はこれを使用していますが、RAWの場合は混合せず生データとして出力しています。

ただ、この画像を見て思ったのは、ピクセルビニングで生成した12.5MPのJPGのディテールの潰れっぷりは、RAWのJPG変換に関しては発生していないんですよね。

50MPの解像感はないけど、スマホ内生成のJPG出力より遥かにディテールは出ている

うーん、これを見る限り、50MPのRAWから”HyperClarity AIアルゴリズムでRAWファイルを直接処理”なんて謳っている割に、JPGのディテールの潰れっぷりは何なのかと思ってしまいますね。
これは想像でしかないですが、50MPのセンサ出力からピクセルビニングで12.5MPに変換した後に画像処理しているフシがあるんですよね。
確かにZenfone生成のJPGは小さな画面ではそれなりに解像感があるように見えて映えるので、ベタ塗りしてでもパッと見の良さを優先しているのかな?

感度が上がるとディテールとカラーバランスは崩れる

こちらは夜の電車を撮ってみたもので、ISO748まで上がっています。基本感度がISO25とわりかし低いセンサなので、ISO748はそれなりに高感度なんですよね、このセンサにとっては。

このデータはなかなか手強かったです。蛍光灯による緑被りをモロに受けていますが、さらに高感度ノイズ発生、暗所潰れにハイライト飛びもあります。
この緑かぶりが相当強く、ホワイトバランスだけでは調整しきれず。とにかく緑の成分が強く、他の色に乏しいんですよ。
最終的にLightroomのAIノイズリダクションで仕上げたのが調整済の写真です。RAWとは言え、無いデータは復元できないですし、カラーバランスの崩れを完璧には補正できないですね。
よく、RAWなら色味なんて後からどうにでもなるなんていうのは幻想に過ぎないのがわかります。

夜明けのSA、これはなかなか良く撮れている

驚くほどよく撮れたのがこちら。夜明けの花輪SAです。これは50MPセンサの出しうるディテールをなかなか良く出していると思います。
露出落とし気味で撮りました。

あっさり目の発色が良い方向に行っていますね、色の調整がこれに関してはしやすかったですね。
空にゴミのような黒い点が写っていますが、フルHDサイズではそう見えますが、等倍で見てみると…

よく見るとトンボが飛んでいるよ

細部表現はもちろん一眼カメラのセンサには敵わないとしても、ちゃんとトンボが飛んでいるのが分かるくらいにはディテールが出ています。木の葉もややシャギー掛かっている部分も見受けられるものの、どのみち素の50MPで使う用途なんてのはスマホに求めないので、解像度を落とした時にディテールがあればそれで良いです。
感度はISO25ですが、暗部はそれなりにノイズが出ていますね。ただ、このくらいは許容範囲でしょう。

スープカレーの美味しさを伝えるのは難しい

函館のスープカレー吉田商店にて。
1枚目は店内の様子。店内の木造とコンクリートの質感、よく出ていると思います。あっさり目の発色は、こうした調整に都合が良いですね。レタッチ向きの特性です。

2枚目はスープカレー。これが調整が難しくって。店内の電球照明、スープカレーの色、同じような色合いなので難しいですね。
感度はISO370、やや上がっているけど、この程度は許容範囲です。
こうした接写に近い撮影は、案外スマホのレンズの苦手な領域ですが、こうした撮影領域におけるモヤッとした収差の影響があまりないのはこのカメラのレンズの美点です。最近のスマホは接写の質が良くなってきましたね。

それにしても色を出すのはなかなか難しい。美味しいさを伝えるのは、ちょっとRAWをいじったレベルでは難しいです。

手ブレ補正の影響!?画像の下側の像が流れている

RAWとは直接関係ない話ですが、函館にある六花亭で撮った写真なんですが、写真の下側の像が流れてしまっています。

この現象はこれ以外にももう1枚あったのですが、原因不明です。
思うフシもあり、とっさに構えてさっと撮った際に、ジンバルスタビライザーが最大限に動作して、レンズの周辺を使ったせいではないか? 一般に、レンズは中心ほど解像度力が高く、周辺に行くに従ってその性能が低下していく事が多いのですが、近年レンズ交換式カメラのレンズは高性能で周辺も綺麗、更に手ぶれ補正を見込んでイメージサークルより広い範囲もカバーしているんですけど、強力なジンバル手ぶれ補正を備えたZenfone 11 Ultraも、最大限に手ぶれ補正を発揮するとこうなる?

像が流れる方向が画面の角ほど斜めになっていて、レンズ中心軸に向かう方向ではあり、やはり手ぶれ補正が最大限に動作した際のレンズの周辺性能限界が写っただけかな、と今のところ思っています。

像が流れる方向がレンズ中心に向かっているように見えるので、やっぱりジンバル手ぶれ補正が最大限に働いた時のレンズの限界かな?

でも、そうだとすると、なぜ下側だけなのか?左側はもっと像が流れないのかとか、思うところもありますが、左側はまだ最大限に補正されていないからなのかな?

いずれにしろ、スチルの場合はラフに撮らずしっかりカメラを構えよう、という基本は変わらないですね。

最後は望遠カメラ、JPGとの違いすぎるRAWを見よ!

最後に、3200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4) で撮ったRAWデータ。
こちらはZenfone 11 Ultraで生成されたRAW+JPGのデータをまず見てみましょう。

おいおい全然別物になってるよ!

本当に同時に生成された写真かと思いますが、同じタイミングです。あまりにも色が違いすぎますし、JPGのほうが実はわずかにトリミングされています。
雲は緑がかっています

これだけ違うのです

トリミングされている理由は不明で、RAWで撮影できる状態ではズームできないのです。
しかしRAWが素の未調整状態の色調だとすると、一体どうやって同時生成JPGの色合いに持っていけるのか?

調整してみました。結論から言うと無理でした
まずはLightroomでの調整結果を見てください。

シャドウは最大限に持ち上げて、何ならトーンカーブでも持ち上げてみたけど無駄でした。そこには真っ黒のデータしか残っていませんでした。でもZenfoneが同時生成したJPGは、暗部にちゃんと人影が写っているんですよね。このRAWにはまるで階調がないんですよ。

このRAWデータは本当にRAWなんだろうか? センサの吐き出した出力を全てデータ化しているのだろうか? いずれにしろ、Zenfone 11 UltraのRAWデータ、全データを残しているわけではない、もしくはJPGのみは複数枚撮影して合成しているとか、何かしらの違いはありそうです。
決して真っ暗な状況ではなかったんですけどね。明暗差が激しいとこうなってしまう?

ということで、Zenfone 11 UltraのRAW、一筋縄ではいかなそうですね。

Zenfone 11 Ultraのカメラを1ヶ月使ってみたのでレビュー【JPG撮って出し実写編】

さてこの1ヶ月、ASUS Zenfone 11 Ultraのカメラで撮影してみたので、レビューしてみたいと思います。
基本的にはアスペクト比4:3の標準モード(12MP)で撮影、適宜RAWでも撮っています。

広角メインカメラは50MPの解像度を持っていますが、超広角は13MP、望遠で32MPということを考えると、基本的には12MPの出力で使うことを前提としていると思います(個人的に)

5000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9)

メインカメラです。
当ブログは残念ながらWordPressの制約で、高解像度の写真は掲載できません。いつもの通りブログ用のフルHDに落とした写真がこちらです。

一見すると解像感が良い写真に見えます。実際、フルHD程度にさらに解像度を落としているので、ブログやSNSに掲載する程度であれば、何ら問題なさそうに見えます。
ただ、よく見ていくと、写真によってはかなり絵がベタ塗りであることがわかります。

1枚目の切り出しです。

この写真に関してはベタ塗り感はあるけどマシな方

こちらについてはベタ塗り感はさほどありません。元々全体が遠景に近いフォーカス、かつ葉っぱという高周波成分が多い写真ですが、スマホカメラとしては問題ないレベルではあります。しかし元が50MPのセンサということから考えると、解像度を落としたとしてもややこのディテールは不満が残ります。スマホのセンササイズの50MPはデジタルズームや画素混合で使うためのものなんですね。

そしてサッカーの写真、こちらの切り出しではサッカーコートの芝、人物のディテールが出ていなくてベタ塗りになっているのがわかります。これは12MPのカメラとしては不満が残る結果です。

ベタ塗りで電線や遠方の人物のディテールが出ていない

そしてこちらは空にバンディングが発生しています。
また木の葉もよく見ると、葉っぱ1枚1枚がベタ塗りです。

空にバンディングが発生、葉っぱもディテールはベタ塗り

ただいずれの写真も、スマホサイズで見る限りは問題なく見えますし、むしろ見栄えは悪くないのです。Zenfone 11 Ultraのカメラはスマホ画面やSNS程度の解像度での見栄えを重視したチューニングと言えます。

良いなと思ったのは、接写した時の画質が良いことで、9cm程度まで寄って撮影した際のディテールは悪くありません。
Xperiaもそこまで寄ってフォーカスは合うのですが、描写の線が太くなってしまうのです。一般的なカメラレンズは、最短撮影距離の画質は遠景より劣る傾向にありますが(マクロレンズ除く)、Zenfone 11 Ultraは寄っても描写があまり悪くならないですね。

スマホはわりかし寄って撮ることが多いので、フォーカス位置による収差変動が少ないのは良いことですね。

1300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.7mm相当/F値2.2)

超広角カメラは1300万画素、この画素数は画素混合などのリサイズをせず、ほぼそのまま出力(電子手ブレ補正分の領域は多少考慮しているのかな?)しているっぽいですね。
超広角は文字通り超広角過ぎて、手持ちの一眼カメラの広角ズーム(NIKKOR Z 14-30mm f/4S)よりさらに広角なので、使い道があまりなかったり。超広角ほど撮影は難しいのです。2枚しか撮っていない(笑

ここでもサムネイル、フルHD解像度で見る限りは、それなりに解像しているように見えますが…

超広角カメラもやはりディテールの潰れはある

やはりディテールが潰れてベタ塗り感はありますね。暗部描写は悪くなさげなので、やはりSNS映えを重視した画作りに感じます。
ある意味スマホカメラとしては正しい方向ではありますが、Xperiaはベタ塗りはここまでなかったので、ちょっと違和感があるのは確かです。
HyperClarity AIアルゴリズムというAIでの積極的な画作りはしているようですが、やはり素のセンサのディテール以上のものは出せないということでしょうね。

3200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4)

スマホカメラの伸びしろは望遠カメラにあると思っています。このカメラは光学3倍ズームまで対応、それ以上はデジタルズームですが、例によってデジタルズームの領域はHyperClarity AIによる補完でディテールを保つようです。
そして面白いことに、望遠カメラが一番ベタ塗り感が少なく、細部のディテールが良く出ています。

どうでしょう? 1,2枚目の田んぼの写真、メインの広角カメラのようなベタ塗り感が少なくいですね。3枚目の飛んでいるOH-1ヘリはズームしていますが、流石に光学ズームを超えるとディテール低下が見て取れます。4枚目(左下)の写真では、きちんと木の葉の葉脈が見えているのがわかります。なんで望遠カメラだけがここまでちゃんとディテール出せてるんだろう? メインの広角カメラでもこのくらいのディテールを出してほしいですね。

やはりズームするほど解像感がなくなり、ベタ塗り補完の傾向はありますが、素の絵が3つのカメラの中で一番素直なのにびっくりです。
Zenfone 11 Ultraでは、積極的に望遠カメラを使って撮ることをお勧めしたいです
超広角・広角カメラはソフト改良でベタ塗り感をもっと減らしてほしいですね。それともセンサの特性なんでしょうかね?


今回各カメラの比較をして、望遠カメラが一番マトモに描写できることがわかりました。面白いですね。
では広角カメラのベタ塗り感は果たして画像処理によるものなのか、はたまた素のセンサの特性なのか、RAWで撮影した写真で考察してみたいと思います。
次回はRAWでの撮影データを見てみます。

Zenfone 11 Ultraのカメラを1ヶ月使ってみたのでレビュー【操作性編】

これまで使っていたXperia 1 IIのカメラアプリPhotography Pro はSONYのαシリーズのUIを踏襲していて、スマホ本体の物理シャッターボタンと相まって、使いやすく気に入っていました。操作系は一眼ユーザーにとっては馴染み深いので、何だかよいもので撮っているような感じがします(笑
一応Carl Zeissレンズですし、スマホカメラとしては出来が良く、特段大きな不満はありませんでした。以前のXperiaに比べて、熱で落ちにくくなったのも良いです。ただ、やっぱり熱の影響は無視できず、真夏はカメラが使えないこともありましたが…。

今回初めでのASUS Zenfoneですが、カメラがどんなものか、ある程度使ってみたので、純正カメラアプリと共にレビューしましょう。

トリプルカメラの広角には6軸ジンバルスタビライザー搭載

搭載カメラは、アウトカメラは今となっては一般的なトリプルカメラ構成です
・5000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ジンバルスタビライザー&アダプティブEIS
・1300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.7mm相当/F値2.2)
・3200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4)

Xperiaのような縦並びではなく三角配置の三眼カメラ

超広角カメラは、今や一眼カメラの一般的な広角ズームよりもさらに広角です。
インカメラは3200万画素カメラ (35mm換算:22mm相当/F値2.05)となっています。

メインカメラは5000万画素、これは手持ちの一眼カメラ、Nikon D850/Z 9/Z 8を超える数字です。もちろん、センサとレンズの小さいスマホカメラですから、センサの大きい一眼カメラと同列には語れないでしょう。

「10倍ズームでも映像が荒れる心配はありません4!HyperClarity AIアルゴリズムでRAWファイルを直接処理することで、写真の細部を損なうことなく、被写体のありのままの姿を撮影可能。」
とあり、光学ズームではないものの、AIによるRAW画像からの処理により、10倍ズーム(メインカメラ比、135判換算238mm相当)に対応します。

標準カメラアプリは動画もスチルもPROモードも共通

これはXperiaも標準アプリはそうでしたが、PROモードは別アプリでした。ASUSのZenfoneは1つの共通アプリの中に標準カメラもPROカメラも統括されています。

1つのアプリで全てのスチル・動画モードを統括

この辺りは別アプリで操作性を差別化したXperiaに対して、あくまでカメラアプリは1つのアプリ内で完結させたいZenfoneとの差が見て取れます。
ただ正直操作性は、PROモード(写真)もPROビデオ(動画)も、操作しようとすると別の項目に触れてしまうなど、やや使い勝手は悪いですね。

露出補正は1/6EV単位で細かく出来るけど、円表示を回転させる操作性がいま一歩

PROモードでは、露出補正は驚くことに、1/3EV単位ではなく1/6EVと細かく設定可能。ただ一眼カメラでも殆どの機種は1/3EV単位なので、スマホレベルでそこまで細かく設定できる意味はあまりないかもしれません。むしろ細かすぎるのに操作性がシビアなのが残念です。
その他インターフェイスはPROモードでも一般的なスマホカメラアプリに準じていて、XperiaのPhotography Proのような一眼カメラライクな操作性ほどは良くはないかな、という印象。

基本ISO感度はISO25と低め

PROモードでは、どの調整も円環風のUIを動かすので操作しづらい。ちなみにISO感度の設定を開くと、ISO25から設定できるのは地味に良いですね。XperiaはISO64からでした。
絞り機構のないカメラだけに、ピーカンの撮影で低感度を使えるのは良いですね。ただ、高感度はマニュアル設定でもISO3200と、やや物足りないです。もっとも多くのスマホ・カメラはISO3200程度までなんですけどね。

ホワイトバランスのマニュアル設定は秀逸

これはいいなと思ったのがホワイトバランスのマニュアル設定です。Xperiaはマニュアル設定でK(ケルビン)を指定することはできなかったのですが、このアプリでは可能です。直感的でよいですね。

RAW(DNG形式)でも撮影可能だけど、設定は分かりづらい

RAWは一見して純正カメラアプリで出来るのかわかりませんが、なぜか画像サイズ設定の中にあります。
RAWの場合はRAW+JPGしか選択できません。
まずはフラッシュなどの設定項目を出してから、更に設定モードを開く必要があります。

最初の設定モードから更に右下の設定アイコンをタップする

設定項目からさらに「カメラ解像度」を開くと、一番下にRAW+JPGという項目があります。

何故かカメラ解像度設定の中にRAW+JPGの設定がある

解像度設定でありながら、メインカメラではフルの50MP以外は8MP主体となり、アスペクト比の設定、全画面表示、RAW+JPGと続き、なんだか一貫性に欠けますね。この辺りがカメラメーカーとは一線を画すカメラアプリですね。とにかく分かりづらいです。

フォーカスポイント表示は今一

ここが一番純正カメラでの不満な点ですが、XperiaのPhotography Proのような、被写体検出時の細かいAFエリア表示がない事ですね。
瞳認識時の表示もなく、ここはカメラメーカーでもあるSONYとPC/IT機器専門メーカーのASUSとの違いが出ています。

PCディスプレイに出した写真を認識させてみました、顔認識の枠はこんな感じです

顔認識した時の枠が太すぎる気がしますし、四角い枠の角が丸められているのも、なんだかそれっぽくないんですよね。だめではないですけど
ただ、認識しそのものは正確で、ペットも認識するとのことです。ペットと言っても幅広いので、具体的にどの動物ならOKかNGなのかは不明ですが。

さて実写編は別記事で書きたいと思います。


トラブルは続く…メインPCのグラボが死亡したので久しぶりにRADEONに帰ってきた

帰省時にタイヤを縁石に擦ってパンクさせてしまって10万円ぶっ飛んだ直後なのに…今度はメインPCのグラボが死んでしまいました…。

帰省から戻ってきて、PCを立ち上げて、その後スリープにさせて(普段はシャットダウンせずスリープさせてます)、再度立ち上げようとしたら、いつまでもディスプレイが点かないんです。
でもSSDのアクセスランプはチカチカ点滅しているし、PCが動いていないわけではなく、リモートデスクトップで繋いでみると、ちゃんと内部では立ち上がっているんですよね。

仕方ないのでリモートデスクトップ上で再起動をかけてみると、やっぱりディスプレイは点かず、本体からビープ音が。
ピー、ピッピッピ

マザボの説明書を見ると、グラフィックスカード検出エラーだそうです。

グラボを検出していないっぽい

何と! 一度マザボから取り外して清掃してみたりはしましたが…結果は変わらず。万事休す! グラボは2年半前に買ったGeForce RTX 3060でしたが、中古ですし、まあ仕方ないですね。

秋葉原に出向く

残念ながら壊れてしまったものは仕方がないので、新しいグラボを調達します。何せ急なので、あまり知識もなく、短時間であちこち調べまくりましたが、X(Twitter)のフォロワーさんよりこんなコメントを頂きました。

前世紀から長い事RADEONユーザー(それこそAMDに吸収される前のATi時代のAIW128からのユーザーでした)だったYamaroでしたが、2016年にRADEON HD 7750からnVIDIA Quadro K620に乗り換えて以来、8年ほどRADEONから遠ざかっていたんですよね。画像処理主体、そして動画編集となると、どうしても主流となっているGeForce系に重きを置かれるソフトが多いのが事実でして。
またRADEONユーザーならご存知、ドライバの不出来に泣かされた身からすると、何となく安牌なGeForceに慣れてしまって敬遠してしまっていました。

動画編集もするので、個人的にはVRAMの多さを重視。RTX 3060はミドルローエンドながら、当時としては上位機よりVRAMが12GBと多く、これはゲーマーではない自分としては理想的なバランスのグラボだったんですよね。今となっては3万円台で買える、ゲーマーでなければコスパの良いグラボでもあります。買った当時は7万円したんですけどね。
候補としては、予算的に8万円前後で以下の通りでした。

  • GeForce RTX 4060Ti 16GB:GeForceでVRAMが多く比較的安価、安いものは6万円代後半から
  • GeForce RTX 4070:VRAMは12GB、もっとあってもいいのに。安牌といえば安牌ですが、中途半端な気もする
  • RADEON RX 7700XT:VRAMは12GB。6万円台からあってコスパは良さそう
  • RADEON RX 7800XT:VRAMは16GB。RTX 4070の対抗馬ながら、価格は8万円台からとこちらもコスパは良さそう

という感じである程度調べて、秋葉原のPCショップ巡りをしました。ああ、本当は撮影に出かける予定でしたが、秋葉原巡りも楽しいものです。これだけネットで情報があふれる時代でも、やはり実店舗の良さってありますね、何事も。

パソコン工房ではこんな値札を発見!

買えたら良かったけど、多分今のケースに入らない

何と、7万円台前半! が、残念ながら店員さんに聞いたところ、売り切れてしまっているとのこと。値札下げるのを忘れていたようですが、この価格で買えた人はラッキーでしたね。
ただ、実際買えたとしても、うちの古いPCケースには入らなかったです。ちょうどHDDラックの部分に当たってしまっただろうね。

そして次に行ったドスパラ。店員さんに相談したところ、なるほど古くから知っていそうな中年の店員さん、自分と同じくらいの世代かな? ゲームはやらない、AdobeのLightroomやDavinci Resolveを使う事を話し、最初はRTX 4060Ti 16GBをおすすめしていましたが、RADEONってどうですかと話を振ったところ…

  • ドライバは昔の暗黒のサードパーティドライバが出回っていた時代の純正からしたら今のはまともです
  • Adobeのソフトとの親和性は、RADEONも歴史があるので昔ほど悪くはないと思う
  • 自作PC初心者ならRADEONは勧めないけど、暗黒時代のドライバで百戦錬磨なら多分トラブっても対処できるでしょう
  • RTX 4070は性能と価格が中途半端、もう1万円出せばRTX 4070 Superが買えて性能は雲泥の差、VRAM重視ならRTX 4060 Ti 16GBのほうがコスパは良い
  • RTX 4060 TiとRX 7800XTの価格差は1万円程度、物によっては大差ない、だったらRX 7700XTより少し予算を出せばRX 7800XTが買えます

とのことでした。実際、価格コムで最低8万円台からだったRX 7800XTですが、店頭では7万円台からありまして、今回はRADEONに軍配を上げたいな、となりました。

ASRock Radeon RX 7800 XT Challenger 16GB OC

今回は8万円を切る価格だったASRock Radeon RX 7800 XT Challenger 16GB OCに決めました。だって、RX 7700XTより1万円高いだけですから。それでVRAM16GB、これが決め手でした。
実に8年ぶりのRADEONですね。

いきなり洗礼を受けるw

早速RTX 3060を取り外して、ケース内を清掃したあと、ASRock Radeon RX 7800 XT Challenger 16GB OCを取り付けます。
写真の通り、今となってはASUSのRTX 3060、シングルファンで短いんですよね。実測で178mm程度しかないのです。現行モデルはデュアルファンになって長くなりましたが。
対してASRock Radeon RX 7800 XT Challenger 16GB OCは267mm、現代のグラボではこれでもだいぶ短い方です。
というのも近年のミドルクラス以上は、トリプルファンになっているモデルが多いんですよね。ASRockのこのモデルは、デュアルファンで比較的短いのも今回選んだポイントです。

実際取り付けてみると、デュアルファンでもギリギリの長さでした。いや~これトリプルファンの300mmを超える長さのモデルモデルだと、確実にケース内のHDDのラックに干渉していたなぁ。この選択で良かったです。
最近のグラボ、どんどん大型化していて、もはやCPUよりもスペースを取る存在に。それだけGPUが重視されている時代なわけですが、ちょっと最近やり過ぎな気がしないでもない。自作PCもニッチになってきているので、ゲーミング向けの極端なモデルが流行るのは無理もないですが。

今使っているケースは、10年以上使いまわしていて現在のトレンドではないし、部品も痛みが出てきているので、次にマザボ改装する際にはケースごと交換かな。
そしていつかはMicroATXの小さいケースにしたいと思っていたけど、この感じでは拡張性を考えると難しいですね。

さて電源を入れて、GeForceのドライバを削除(しようとしたけど一部消されず残っちゃったけどいいか)、そしてAMDからRADEONのドライバをインストールするも…

インストーラーがここから先全く進まず

インストーラー、止まってる! さすがRADEON、いきなり洗礼を受けました(笑) いや~、GeForceのドライバで躓くことはなかったから、さすがとしか言いようがない。
結局この後プログレスバーは進むことがなかったので、再起動した上で再インストール、今度は無事終了しました。
この辺りがRADEON、いやまだ序の口ですね。

確かにAV1コーデックの書き出しは速い

夏休みに花火をした時の動画、AV1コーデックで書き出してみました。今までH.265メインだったのですが、AV1コーデックの書き出しが速いと聞いて。
確かにDaviinci Resolveの無償版で元データがH.265の動画はかなり速い書き出しです。

ただ、NikonのRAW動画となると、やはり速度はそれなりになりますね。この辺り、もう少し使い込んでみたいと思います。ああ有償版も使いたいな…。

VRAMはフルに使っているので、やはり16GBあって正解でした

しかし、これを見ると、動画編集やる人にとってはGPUの性能は無視できないし、何よりVRAMをこれだけ使っているのを考えると、16GBでも余裕があるとは言えない感じですね。12GBのRTX 4070やRX 7700XTにしなくてよかったです。

RAW現像のAIノイズリダクションなど、その他使い勝手も試してみたいと思います。いずれにしろ、さすが新しい世代のミドルクラスGPUだけありますね。


比較的コンパクトなミドルクラスグラボ、2x8pin電源コネクタ仕様で少し前の電源でも問題なく使用可能です

安定化電源をちゃんと安定化電源として使ってみた

5千円台の中華安定化電源、買って以来USB電源としてしか使っていない…、けどやろうと思っていたことを、重い腰を上げてやりました。

まずはケーブルづくり、いや端子をカシメただけですが…
そしてパワーオン、OUTPUTで出力開始。安物安定化電源ですが、この機種は電源ボタンと出力ボタンが独立しています。ちゃんとした業務用ならあたり前のことですが、安物中華安定化電源、電源を入れただけでいきなり出力しちゃう機種も多いので、OUTPUTボタンの有無は結構重要ですよ。

初出力! ちゃんと出力できてる(当たり前か…)

一応先に別途電圧計で測ってますけどね、ちゃんと表示通り出力していました。もっとも安いスイッチング電源でしょうから、ノイズとかは知らないですよ。オシロスコープ持っていないので。
そして繋いでいる機器は最大消費電力120W(12V/10A)とありましたが、起動した状態では最大でも3A流れていないですね。安定して2A程度です。

やりたかったのはこれでした。

今年外した古いサイバーナビ、外す前にすべきことをやっていなかったので、安定化電源にて電源ON。
まずはSDカードの取り外し。これに入っているのって、スマートループ用のの渋滞情報とかナビのアップデート関連なので、その他個人情報が入っているわけではないけど。

工場出荷時に戻す

ハードディスクも初期化。個人情報はむしろ地点情報とかの方なので。音楽データも散々入っていますし。
それにしてもこのサイバーナビ、動作が遅いな。今まで使ったカーナビでダントツで遅かった。もちろん今使っているサイバーナビはサクサク動くので、この世代のは詰め込みすぎの機能に対して、当時のCPUやHDDの速度が追いついていなかったんでしょうね。
こいつはこのまま処分(と言っても廃棄ではないけど)します。


こうしたちょっとした電源供給なら安い安定化電源で十分ですね。写真と同じ機種ではないですが、独立したOUTPUTスイッチ付きを選びましょう。

Zenfone 11 UltraではAmazon Music HDがfs96kHzで再生できない?

この10年ほどずっとスマホはSONYのXperiaを使っていたため、それが当たり前と思っていたことが、Zenfone 11 Ultraで出来ない?

何かというと、普段SONYのLDAC対応のポータブルスピーカーでお風呂で音楽を聞いているのですが、Amazon Music HDでハイレゾ音源を再生した時、「Ultra HD」で例えばfs96kHzの音源であっても、スマホ側が最大fs48kHzとなってしまうことです。

fs96kHz音源もデバイス側で48kHzにダウンコンバートされてしまう

調べると、AndroidはOS側で音声をミキシングして再生させる際にSRC(サンプリングレートコンバーター)でfs48kHzに変換してしまうようなのです。
何だか昔のWindowsみたいだな…。今でこそWindows10や11はWASAPI排他モードにより、OSのオーディオミキサーを通さずにオーディオ再生が可能になりましたが、昔はASIOなどを使わない限り、必ずOSのオーディオミキサーを通していたため変換処理が入り、ビットパーフェクトに再生できないという問題がありました。
このあたりが、プロミュージシャンがそういった処理を昔からしないMacを使ってきた理由でもありますが、今のWindowsはカラープロファイルも含め、そういった問題点は改善しつつありますね。

それがまさか、Androidでもそんなことを行っているとは…。
実はAndroid端末でも、一部メーカーの製品は、こうしたSRCを通さないで再生できるものがあり、今まで私が使っていたSONYのXperiaがまさにそうなんですね。他にもOPPOなど一部メーカーもそうみたいですし、AmazonのFire HDもSRCを持たないそうです。
8年前のXperia ZXからBluetoothのLDACコーデックに対応し、ハイレゾ音源をワイヤレスでも当たり前に再生できていたため、それが当たり前と思っていました…。盲点でしたね。
そういやXperiaに拘っていた理由はオーディオサポートの良さだったというのを思い出しました。

ところで、Android 14では、OSレベルでついにSRC回避が出来るようになった(排他モードに対応)…そうなのですが、どうも調べていくと、あくまでそれはOS側で対応できるようになったにすぎず、しかもUSBオーディオでの話のようです。
SONYのXperiaは昔からそう言った部分をメーカーとして拘って対応してきたわけで、そこはさすが老舗オーディオメーカーだけありますね。

Amazon Music HDは、XperiaではLDAC接続で最大24bit fs96kHzのUltra HD音源を再生できていたので、恐らくアプリレベルではfs96kHz再生は問題ないでしょう。
つまり、スマホメーカーがAndroid OSのSRC機能を有効にするかしないか、なんでしょうね。

さらに調べると、Zenfone 9でUltra HD音源でfs96kHz再生できていることが分かりました。
どうやら「開発者向けオプションの使用」から、Bluetoothのサンプルレートを変更できるようです。

開発者向けオプションを開いてみる

まずは、設定から「システム」を開き、「デバイス情報」を開きます。

システム→デバイス情報を開く

「デバイス情報」の下にある「ソフトウェア情報」を開きます。

デバイス情報→ソフトウェア情報を開く

「ソフトウェア情報」の下にある「ビルド番号」を7回連打する。

ソフトウェア情報下のビルド番号を7回連打する

すると「システム」の項目に「開発者向けオプション」が表示されるようになります。

システムに開発者向けオプションが表示される

ここで、LDAC対応のBluetoothスピーカーとペアリングさせます。
ペアリングさせた状態で「開発者向けオプション」を開いてずっと下の方までスクロールすると、Bluetoothオーディオ関連の設定項目が出てきます。

Bluetoothオーディオ関連の表示が出てくる

ただ、もうこの時点で「Bluetooth オーディオ サンプルレート」はfs96kHzに設定されているんですよね。

既に96kHzに設定されている

つまり、LDACの通信自体はfs96kHzになっているものの、Amazon Music HDのストリーミング再生では、Android OS側でSRC(サンプリングレートコンバーター)を通してしまうことに変わりはないわけで、いくらBluetooth側の設定を変えたところで、その前段階でfs48kHzに変換されているので意味がないということか…

XperiaではAmazon Music HDのストリーミングでもfs96kHzまで対応できていることを考えると、ここはもうZenfone側で対応してもらわないことにはどうしようもないのかな…

Zenfone 11 UltraでAmazon Music HDをfs96kHz再生するにはダウンロードするしかない

Amazon Music HDには、ストリーミングだけでなくダウンロード機能もあります。よく聞く楽曲ならダウンロードするのも一考です。
そしてダウンロードした状態でAmazon Music HDを再生すると、LDAC接続時にもちゃんとfs96kHzで再生できるんですね。

ダウンロードした楽曲ならBluetooth LDAC再生でfs96kHzにも対応する

この他、Zenfoneに取り込んだハイレゾ音源なら、LDACによるfs96kHz再生に対応するようです(ここはまだ未確認)。
最近屋外でスマホ経由で音楽を聞く機会があまりないので、あまり気にはならないものの、音楽もガンガン聞く人なら、やっぱりXperia一択なのかなと思った次第。


Xperia 1 VI、やっぱりいい値段しますよね。ただ、やっぱりいいですね。オーディオもカメラも。

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Zenfone 11 Ultraは現時点でAntutu Benchmarkでトップクラスの実力。さすがにストレスなく使えますね。自分の使い方だとゲームはしないのでちょっと過剰スペックかもsれないけど、アプリを多く立ち上げるのでメモリを多く使っていて、8GBでは不足だったようです。16GBなら不満ないですね。