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ASUS Zenfone 11 Ultraを5か月使った雑感など

長年XperiaユーザーだったYamaroが、思うところあってASUS Zenfone 11 Ultraに乗り換えて早5か月。
docomoショップで投げ売りだったXperia 1 IIを買って1年半で、バッテリの持ちがあまりに悪く嫌気がさしていたため、Zenfone 11 Ultraは発売時点で最新SoCの
Qualcomm® Snapdragon® 8 Gen 3でありながら、同スペックのXperia 1 VIより6万円近く安価ということで、発売と同時に購入しました。

ASUS Zenfone 11 Ultra
  • SONY Xperia 1 VI(RAM16GB/512GB):¥218,900(2024年12月現在の価格)
  • ASUS Zenfone 11 Ultra(RAM16GB/512GB):¥159,800(2024年12月現在の価格)

バッテリの持ちに満足

これまで歴代Xperia、どれもバッテリは新品時に概ね1日持てばいいかなといった感じで、1日外出して、例えば1時間程度SNSやネット閲覧を行うと、それだけで20%近くバッテリを消費していました。
Xperia 1 IIはバッテリ容量4,000mAhに対し、Zenfone 11 Ultraは5,500mAhと容量自体も増えていますが、それ以上にZenfoneのほうが電力消費量が少ない印象です。
Xperia 1シリーズは、Vまでは4K有機ELディスプレイを搭載してきましたが、これが電力消費量の増大につながっていたとされ、最新のXperia 1 VIでは一般的なのフルHD+有機ELディスプレイに変更されました。
このためバッテリの持ちはよくなっているようです。
実際のところ、スマホサイズの7インチに満たないディスプレイで、4Kの解像度による恩恵があるかというと、ほぼないといってよく、正直なところ見分けはほぼつかないでしょうね。

Zenfone 11の場合、自分の使い方でほぼ1日使って、充電制限をかけている残80%の状態から、夜でも50%以上をキープしています。
Xperia 1 IIだと、同じ使い方で100%充電状態から40%程度にまで低下し、場合によってはさらに低下してモバイルバッテリによる充電が必要でした。

Zenfone 11にしてから、ほとんどモバイルバッテリのお世話になったことはありません。なので普段は充電制限でMAX80%までしか充電しないよう設定していますが、それでもXperia 1 IIよりもバッテリは長持ちです。
Snapdragon® 8 Gen 3のエネルギー管理がうまいのか、ディスプレイの消費電力がFHD+なので少ないためか、アプリの電源管理がうまくできているからかはわかりませんが、とにかく今までよりも減りが遅いので、ここぞというときに100%まで充電しておけば、かなり使い込んでも1日余裕でバッテリが持ちます。
もちろんゲームをガンガンやる人はまた別かもですが、全くゲームをしない自分にとっては少々過剰スペックだったかも?

USB電源入力時に充電をせず、外部給電で使えるモードもあるので、これと充電量制限(100%、90%、80%から選択可能)を併用すればバッテリの寿命をかなり伸ばせると期待しています。

カメラの性能は普通かな

特にカメラの性能は可もなく不可もなく、ジンバルカメラは手ぶれ補正の能力は高いですが、じゃあこのカメラが他に機種より格段に優れているかと言うと、そういうわけでもないですね。
望遠カメラのRAW撮影時の画質がおかしい(同時に撮られるJPGは問題ない)のはいまだ直らず。

Xperiaよりは格段に発熱しにくい

何をしても発熱してしまう、カメラで動画撮影とか処理が重いとチンチンに熱くなるXperiaより余裕があるのか、時々少し熱くなることはあっても、その頻度はXperiaより格段に低くなりました。真夏でも熱くなりすぎることはなく使えました。最もこれが本来当たり前なんですよね。Xperiaはどうしてあんなに発熱するのか…

microSDが入らないので512GBモデルで正解

SIMは2枚入るけど、microSDカードが入らないのはZenfone 11の弱点。ここは今でもmicroSDカードスロットを備えるXperiaに軍配が上がります。
とは言え、内臓ストレージ512GBのモデルを選んだため(なのでメインメモリも16GB)、今のところ内蔵ストレージで間に合っています。
これまでSDカードに入れていたハイレゾ音源を入れたりすると、全体のストレージ使用容量はおおむね300GB程度でした。
256GBモデルと足りなかったことになりますね。今はデータや音楽はクライドが当たり前ですが、内蔵ストレージは多いに越したことがないので、512GBモデルを選ぶのが正解ですね。

eSIMに非対応なのが残念

Zenfone 11の欠点です。最近はSIMカード2枚挿しには多くのスマホが対応し、Zenfone 11も対応します。が、物理SIMを必要としないeSIMには非対応です。
eSIM対応なら、別回線を使いたい場合も、例えば申込したその日のうちに使えるようになりますが、物理SIMはSIMカードが送られてこなければ使用できません。
普段使いの回線なら兎も角、普段使いの回線とは別回線を急遽使いたい場合に、すぐに使えないことになります。

YamaroはIIJmioのDプラン(docomo回線)を使っていますが、職場周辺で昼夜問わず、非常に速度が低下することがあり、これは単にMVNOだからというのも無きにしも非ずですが、純粋なdocomo回線でも遅いことがあるようなので、根本的にdocomoの回線品質に問題があると思っています。
じゃあau回線のAプランも申し込んで、回線使い分けしようかと思いついたときに、eSIMだとすぐできるんですけどね。
最近はMVNOのような帯域制限がないネイティブau回線のpovo2.0の評判が良いようなので、これを試したいのもあるのですが、データ専用プランがeSIMのみなんですよね。

WiFi7には現時点で未対応

海外向けにはWiFi7(IEEE802.11be)に対応しているものの、日本向けには現時点ではWiFi6E(IEEE802.11ax)までとなっています。最も6GHz帯に対応するので、日本国内で認証が取れればWiFi7に対応する可能性はありそうです。もっとも、WiFi7はまだ対応ルータがあまり普及していないため、スペック的にWiFi6Eでも十分です。
うちはさらに古いWiFi6までのルータですが、実用上不満はないですね。
年式的にそろそろWiFi7対応ルータに代替えの時期でもあるので、来年には対応すれば良いな~と思っています。

総合的に満足

外装デザインが普通で質感がもう一歩、といったところとeSIM非対応、USB端子からHDMI出力できない、Xperiaの用にAmazon Prime MusicのハイレゾをBluetoothのLDACでハイサンプリングのまま飛ばせない(これは逆にXperiaができるのが特殊なのですが)以外は概ね満足ですね。カバー類などのアクセサリが、どうしてもキャリア向け機種も販売しているスマホよりは少なめなのが残念ですが、値段もそこそこでハイスペックスマホが欲しいなら、選択肢に入れて良いスマホと思います。

暗いドットが発生したEIZO ColorEdge CS2740が修理から戻ってきた

11月に入ってまもなく導入4年目を迎えるPCのハードウェアキャリブレーション対応モニタ、EIZO ColorEdge CS2740に暗いドットが発生してしまい、5年保証が使えるため修理に出すことにしました。

黒点ではないんだよねぇ、暗くなっているけど


修理品の引き取りの前に、先に貸出機が来るのは、前回ブログに書いた通りです。

18日(月)の夜に宅配業者引き取りで修理、EIZOの拠点は石川県なので、モニタが修理拠点に届いいたのは水曜日と思われます。
10日くらいはかかるかなと思っていたら、その週の週末の金曜日に「処置が完了した」メールが入っていました。早いなぁ。まさか確認だけで免責となる液晶ドット欠けで修理しなかった?
メールには修理の詳細は返却するモニタに同梱の明細書を確認して、とのこと。あえて結果はメールに書かないようですね。
でも、返却するということは、修理は行われたかも?というのも、保証対象外事象だったとしたら、有償で修理するか否かの確認はあるはずです。
とりあえず、返却希望日時を聞かれたので、日曜夜着を希望、戻ってきました。

箱は、貸出機のCS2731のもので、これはCS2740も共通。
修理する製品の元箱はこういう時のために持っていましたが、結果的今回は元箱は使わず、代替機のCS2431が到着、その箱に修理するCS2740を入れて発送、修理上がりのCS2740は同じ貸出機の箱で返却されました。最後に、貸出機を同じ箱に入れて宅配業者引き取りとなりました。
CS2740もCS2731も、外装は全く同じで液晶パネルのみ違うので、こうしたことが出来るようです。

不具合の原因は…

戻ってきたモニタに添付されていた修理明細書を確認。やはり水曜日(20日)に石川県のEIZO修理センターに届き、翌日(21日)に修理完了したようです。早いですね。

原因「液晶パネル内部の異物によるものでした。」
処置「液晶パネルを交換後、当社試験において問題のないことを確認いたしました。」

やっぱりそうだったか~! いわゆる液晶のドット欠けだと、このように複数のピクセルでいきなり発生したりすることはほぼないですし、通常ドット欠けは特定のドットが点灯しっぱなしか真っ黒のままだったりするので、この症状のように暗くなる、というのはあり得ないのです。
やはり液晶とバックライトの間に何らかの理由で埃やゴミが入った可能性が高いですね。しかしなぜ突如発生したかは謎です。通常パネル内に簡単にホコリが入る構造にはなっていないため、内部に元々あった何かがたまたま落ちてきたのかな?

ともかく、液晶パネルが新品になりました。やった~!

新品パネルになったので、これで10年戦える!?


使用時間表示は特にリセットされるわけではないようです。

液晶パネル交換されても使用時間がリセットされるわけではない

液晶パネル以外の回路の使用時間もあるので、あえてリセットすることはないようですね。
キャリブレーションして、これでいつもの通りに使えます。やっぱりCS2731とCS2740、比較すると解像度がWQHDのCS2731より4KのCS2740のほうが個人的に使い勝手が良いですね。27型に4Kは過剰と思っていましたが、両者比較すると、CS2731のほうはドットが少し荒く見えてしまいます。あと、少しギラツキも感じるんですよねCS2731。
そういう意味でも、やはりCS2740のほうが見やすくてよいですね。PhotoshopやLightroomのメニュー表示が細かくなるので、特に写真自体が大きく表示できるのがよいです。


EIZOにしてよかった! 5年保証は本当に助かりました。他メーカーは3年が多いんですよね。HDR非対応ですが、個人的にHDRはPCモニタには不要と思っているので(HDR表示は輝度高すぎます)、写真メインならCS2740、それでも映像編集主体でHDRが欲しいならCS2740-Xですね。

令和6年度自衛隊音楽まつりの動画

遅ればせながら、令和6年度自衛隊音楽まつりの動画をアップしました。
全部はもちろん撮っていないので一部をピックアップしています。今回は初めてヨルダン軍軍楽隊が参加しましたので、その演奏からいくつかピックアップしました。

去年と同様、カメラはNikon Z 8、レンズはNIKKOR Z 24-200mmです。N-RAW 4.1K 60pで撮影しています。
N-RAW動画、Davinci Resolveで編集できるのは良いのですが、唯一、映像ノイズリダクションはRAWでは編集ソフト側でかけることになり、Davinci Resolveのノイズリダクションは高度な「時間的ノイズ除去」「空間的ノイズ除去」は有償版でしか使用できません。無料版でも使用できる映像ノイズリダクションはありますが、効果が薄く強めにかけると解像感もかなり失われるため、今回もノイズリダクションなしの素の状態で編集しています。このため、ややノイズが多めの動画となっています。

RAWではない通常の圧縮動画であれば、カメラ側のノイズリダクションが使えるので、もう少しノイズは抑えられますが、照明の白飛びを抑えたく、N-RAWを使用しました。
N-RAWの標準画質ならProRes RAWの1/6程度のデータ量、ProRes422と同程度で済むので、N-Logで撮るならこれ一択かなと思っています。

動画は素人には難しいことだらけですが、できる範囲で楽しんでやっています。
そろそろマイクも新調したいですね。こうした音楽主体なのでステレオワンポイントマイクが良いですが、今は何が良いかな?


ZOOM M3が気になりますが、こういうのどうなんでしょうね。32bit floatでも収録可能です。

EIZO ColorEdge CS2740の液晶点検のため代替機を受け取った

写真の編集には欠かせないPCディスプレイ、早くからハードウェアキャリブレーション対応のモニタを使用し、2008年にNEC LCD2690WUXiを導入、12年使用して液晶表示のムラが出始めてきたため、2020年12月にEIZO ColorEdge CS2740に買い替えました。

EIZO ColorEdge CS2740

導入からまもなく4年になろうとした11月初頭、写真を編集していて最初センサのホコリが写ったかなと思っていた暗い部分。
ん? これ本当にホコリ? 画像をずらしても暗い部分が変わらず。まさか!

サムネではわからない程度、拡大しても写真だと分かりづらい

接写してみました。こんな感じです。

サイズにして約1mmの暗い点

これ、黒点かと思いましたが、実は完全に黒くなっているわけではないのですよね。更に拡大してみると…

複数のピクセルが暗くなっている

いわゆる黒点ではなさそうな感じです。これを見ると、液晶自体は黒くも白くもなっていない、暗くなっている感じです。
更に言うと、液晶自体は問題なさそうで、バックライトで照らされている部分のうち、この部分だけが暗くなっています。

液晶ディスプレイは、液晶自体は発行するわけではなく、後ろから白いバックライトで照らしていて、液晶は黒くなればRGBの各ピクセルの光を通さず、透明になれば光を通す、といった仕組みです。
液晶は通電することで黒くなる特性を持つため、不具合があるとそこだけ光を遮断できない(輝点)、あるいは遮断しっぱなし(黒点)となります。
しかしそれが複数の隣同士のピクセルで発生することは稀です。
上の写真を見ると、バックライトと液晶の間にホコリ等異物が混入したかのように見えますね。暗くなっているけど、完全な黒にはなってはいませんね。

EIZOのColorEdgeシリーズは5年間保証

購入から4年近くになるCS2740ですが、EIZOのColorEdgeシリーズの最近の機種は、5年保証を謳っています。

さらにCS2740では、液晶パネル自体の保証も「お買い上げの日から5年間かつ製品使用時間が30000時間以内」となっています。EIZOの製品は保証期間が長いのが嬉しいです。
ライバルのBENQは最大で3年保証、また貸出機は5千円かかるため、ここがEIZOとの差ですね。

ということでサポートに問い合わせました。以下の返答ですが、まずは点検するということになりました。

液晶パネルは非常に精密度の高い技術で作られておりますが、正常に動作
しない画素(画素欠点)が存在する場合がございます。

現在の技術では、この画素欠点を完全に無くすことは非常に難しく、
当社規格に基づき、数点の画素欠点につきましては、 製品としては良品と
判断いたしております。 故障や初期不良ではございませんことを
あらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。

しかしながら、お客様の症状が異物混入もしくは規格内の画素欠点(良品)で
あるかにつきましては現物を確認しておりませんので、判断が難しい状況で
ございます。

※点検後、症状が「黒点」であり当社規格内と判断された場合は、
 「良品(異常無し)」のため、 製品はそのまま返却させていただきます。
 何卒ご理解・ご了承くださいますようお願いいたします。

ようは状況を確認しないと何とも言えないけど…ということです。ただ保証期間なので、無償で確認してもらえて、貸出機も無料で出るのが良いですね。

そして貸出機が届きました。

今回はCS2731というWQHD(2560×1440)のディスプレイが貸出機として届きました。4Kではない以外、CS2740とボディのデザインも端子の場所も全て同じです。
モニタフードも共通で使えます。

解像度が下がったので、文字が大きく表示されるのと、やっぱり4K に慣れてしまうと、WQHDであってもわずかに荒く感じます。
4Kモニタ、27型のサイズだとあまり4Kの意味はないのかなと思っていましたが、やっぱり解像度の差は感じますね。

CS2740は貸出機の箱にそのままいれて、本日宅配業者が引取に来ます。さて果たしてどんな結果になるかな?


発売から4年以上経過しますが現行機です。CS2740-XがHDR対応でやや高価、あえて機種をHDR対応か否かで分ける必要はない気はしますが、写真メインならHDR表示は不要なので、CS2740で十分でしょう。

Radeon RX 7800XTのために1000W電源のANTEC NE1000G M ATX 3.0を買ってみた

自作PCの電源の話です。
今や自作PCにコスト的メリットはないと言われて久しいですが、全て一気に買い替えるのではなく、パーツ単位で購入できるので、出費を分散させることが出来るというメリットがあるのと、PCショップのBTOだと、電源はコストを抑えられることが多いので、自作マニアではないけど、やっぱりそれなりにパーツにはこだわりたかったりもします。これでも自作歴は四半世紀ですから。

ふと思い立って、電源容量足りているのかなと思って、PCの構成から必要な電源を割り出せるドスパラのページを見てみると、最近入れたGPUのRadeon RX 7800XTが結構電力食いであることが判明。

うちのPCは、他にHDD3台、M.2 SSD2枚、BD-Rドライブ1台、USB3.0拡張ボード1枚と、割と電力は使っているようです。
ただドスパラの計算は、必要容量の2倍に設定されていて、これは少々やりすぎかなと思っています。
1.7~1.8倍で計算させているサイトが多いようなので。
実際のところ、すべての電源を最大消費電力で食うシチュエーションはそうそうないですから。

実際のところ、今の750Wで容量は足りているから使えているわけですが、余裕はあまりないのと、使っているドスパラとENERMAXのコラボ電源750Wも、購入から5年以上経過しているので、リプレースを兼ねて電源容量UPすることにしました。
750Wの上となると850Wか1000Wです。今750Wで特に不安定になることはなく動いていますが、もう少し余裕を見ると850W、さらに余裕を見て1000Wでもよいかなと。
ただ1000Wを超えると2万円越えになるんですよね。コスパでいうと850Wなら1.5万円から。ただ将来余裕を見越し、マザボとCPUのリプレースも2年後と考えると、先に電源は整えておいてよいかなと思いました。
色々調べて選んだのがこちらです

ANTEC NE1000G M ATX 3.0

電源はここ何台か、ENERMAXを使っていたのですが、最近日本国内の販売代理店での扱いが休止(執筆2024年10月時点)となっていて、以前ほどの勢いはないようですね。
今回は初めてANTECです。自作ユーザーにとっては老舗のパーツメーカーですね。電源も昔から評判は良いです。
今回選んだ理由としては、価格コムに書かれていた情報で、中身がSeasonicの80Plus Platinumを謳っている電源と同じらしいということです。

そういや確かに着脱式コネクタの辺りのデザイン、確かにSeasonicの電源と似てるんですよね。OEM製造元が同じ、なるほどです。
この製品自体は電源効率の認証が80Plus Goldですが、実は変換効率は限りなくPlatinumに近いのだとか。
個人的にも電源効率は80Plus Goldあれば十分効率が高いので、それ以上の物は必要ないと思っています。十分効率が高いと言って差し支えないです。この認証はあくまで変換効率であって電源品質ではないです。品質が良いと思ってPlatinum認証のものを買うのはあまり意味がないかもしれません。ほんの僅かな効率アップのために高いものを買う必要性はあまりないでしょうね。
あと、保証期間が10年と長いのも選択理由でした。今回Amazonで購入しましたが、ちゃんとANTECの国内代理店であるLinksの10年保証シールが貼られていました。
部品の品質も良くなり、10年戦えるぞという意気込みを感じます。

1000Wはやや過剰かもしれませんが、電源の負荷率を下げるという点で、今回1000Wをチョイス。1000Wだとフル出力なら電子レンジ並みですが、実際にはフル稼働させてもせいぜい500Wと見積もってはいます。
PCIe5.0で定義された12VHPWRケーブル付属でATX3.0準拠、電源自体はそうそう規格は頻繁に変わらないので、10年保証と相まって、長く使えることを優先しました。
現時点で12VHPWRを使うのはGeForce RTX 40xxシリーズの中上位機種のみで、Radeon RXシリーズは従来からあるPCIeの8ピンコネクタ(1コネクタ150WまでなのでRX 7800 XTでは2コネクタ使用)ですが、将来的には使うかもしれませんしね。
電源を変えたからと言って、性能が上がるわけではありませんが、より安定性が増すと考えればよいでしょう。

交換中、PCデスク周辺の埃がすごいことに気づき、その掃除もし始めたので、思いのほか交換に(というより掃除に)時間がかかりました。
今までのENERMAXの電源は、マザボに供給するATX20ピンやCPU8ピン電源はケーブルが電源筐体から直に出ていたのですが、ANTECの今回の電源は全て着脱コネクタになっていて、これが地味に面倒でした。そう頻繁に着脱しない箇所かつ必ず使用するので、着脱式じゃなくてよいのですけどね。
とにかくケーブル地獄!

無事PCも起動、UPSで消費電力が見られるのですが、ベンチマークソフトをぶん回しても、300Wも消費していないようです。しかもこれはディスプレイ込みの消費電力です。つまり、元々そこそこ余裕はあったわけで、850W電源でも良かったかもですね。まあ余裕があるに越したことはないということで。

CPUフル稼働させた状態でも、ディスプレイの電源込で300Wも消費していないのね…

そもそも繋いでいるUPS(APC RS1000)、1000VAで出力は600Wまでなので、仮に電源がフル出力状態ならUPSの供給能力が足りないですね…。まあ実際に600Wどころか300Wも使っていないですけど。

意外と長いATX電源の歴史

1995年にIntelがATX規格を制定して以来、現在に至るまで長い事使われています。
それまでのAT電源は、PCをシャットダウンする際に、OSを終了させた後、手動で電源を切る必要がありました。ATX電源では、今では当たり前ですが、電源のシャットダウンが自動化されています。
Windows95と共に、ATX電源もPCを普及させた陰の立役者と言ってよいと思います。

自作PCをやっていると、CPUやメモリ、ストレージはこの四半世紀でどんどん規格が変わっていきましたが、電源だけはATX電源の規格はほぼ変わらず、追加されたもの(SATA電源, PCIe6or8ピン, 12VHPWR)と消えていったもの(FDD4ピン,ペリフェラル4ピン←まだコネクタは電源に付属しているけどもう使わないでしょう)はあれど、中身は大きく変わっていなくて、壊れなければ長く使えるものでもあります。
頻繁にパーツを変える自作PCマニアでも、電源は長い事使い回しという人も多いと思います。

その昔、20世紀と21世紀の狭間くらいの自作PCでは、ケースを買うと電源が付属するのは当たり前でした。このため、あえて単体で電源を買おうとするのは、品質と安定性を求める人とか、周辺機器を多くつないでいる人が多く、だいたいはケース付属のどこの馬の骨ともわからないメーカーの電源を使っていました。
が、やはりPCの性能が上がるにつけ、電源品質もシビアになり、安物電源は不安定、あるいはファンの音がうるさいといったことも言われるようになり、次第に電源は別売りのを買う、というのが徐々に浸透していったかと思います。2000年代も半ばになると、ケースに電源が付属しないようになってきました。
まあ今考えたら、1万円もしないケースに電源が付属していたのだから、そりゃ電源にコストかけられないのも納得ですね。

2008年11月に買った自作PCパーツ、懐かしい。電源はENERMAX EMD425AWTでたったの425W!

そしてActive PFC回路搭載(これによりずいぶん安定した電源が増えた)がトレンドになり、灰色の地味なケースから装飾が施されたりFANが光ったり、着脱式ケーブルが主流になり、と変わってきましたが、箱の規格は変わらないので、ちゃんとどのケースにも収まります。

2008年11月に買った電源はたったの425W!今の半分以下です。この頃はグラボを使わずオンボードで頑張っていたと思うので(Radeon HD3300のオンボード)、消費電力は少なかったですね。

どこそこのメーカーの電源は品質が良いだのFANが静かだのコスパがいいだの、昔はいろいろ言われましたが、今はどこのメーカーのを買っても安定してますね。
日本製コンデンサを使用して品質の良さを謳うのも当たり前になりました。保証期間もずいぶん長くなった1年から3年だったのが、5年、そして7,8年や10年、12年も出てきました。それだけ品質が安定した証拠ですね。
もう電源品質で悩む時代ではなくなりました。昔は電源やメモリ、グラボのドライバとか色々相性問題が多かったなぁ(遠い目)

NikonのSnapBridgeの「Wi-Fiステーションモード接続」を試す

もう半年前の話ではありますが、2024年3月13日付けのSnapBridgeのアップデートで、「Wi-Fiステーションモード接続」なるものが追加されました。

対応機種は、執筆時点(2024年10月現在)でZ 9とZ6IIIのみです。上の画像だとZ 9のみですが、Z 6IIIも対応しているようです。

SnapBridgeは、Nikonの対応カメラとBluetoothでスマホやタブレットと常時接続し、画像をスマホに転送したり、スマホが取得したGPS位置情報を撮影データに付与したり、Wi-Fi接続では画像だけでなく動画転送も対応(対応機種に限る)、またスマホ画面を使ったリモート撮影可能と多彩な連携が可能です。
カメラメーカーの中でも割と早くBluetoothによる接続が出来ていたので、一度接続設定すれば、その後は自動でカメラとスマホがつながるのでとても便利なソフトですが、やや安定性に難があり、特にWi-Fi接続が上手くいかないことが多いのです。
Bluetooth接続状態からWi-Fiに切り替えようとすると失敗することが多く、Nikon Zシリーズの方がDシリーズより失敗が多いのです。
特に多くの画像転送をしたいときは、Bluetoothは通信速度が遅いため時間がかかってしまうで、Wi-Fiでつないだ方が良いのですが
この切替では、Bluetoothでカメラとスマホがつながった状態で、SnapBridgeからカメラ側にWi-Fiの起動(カメラ側がアクセスポイントになる)とスマホ側でカメラのWi-Fiに接続させる、ということを行っているはずなのですが、どうもうまくいかないようです。

認証/暗号がWPA2-PSKならすんなりつながるかも?

これについては、うちの環境では、カメラ側の「認証/暗号」設定を、WPA2-PSKに設定することで接続できるようになりました。スマホ側はWPA3-SAEに対応しているのですが、どうも接続しようとしても切断するを繰り返してうまく行かないようです。

NikonのWi-Fi接続の認証/暗号設定
WPA3-SAEだとうまく接続されない場合は、WPA2-PSKに設定してみるとうまくつながるかも

カメラ側がアクセスポイントになる従来からあるWi-Fi接続、D850ではすんなりつながるので、なぜだろうと思っていましたが、D850は2017年発売のやや古いカメラ故に、まだWPA3-SAEには非対応で、WPA2-PSKのみなんですよね。
WPA3-SAEで繋がらないトラブル、Nikonにはぜひ改善してほしいところですね。要望は出しておきます。

Wi-Fiステーションモード接続を試す

一方、Wi-Fiステーションモードでは、アクセスポイントはカメラではなく無線LANアクセスポイント側、あるいはテザリング状態のスマホとなります。
カメラはそのアクセスポイントにまず接続しに行く、という手順になります。

無線LANアクセスポイント、多くの家庭では無線LANルータやモバイル無線LANアダプタが受け持っていると思いますが、それだけでなくスマホのテザリング(スマホが無線LANアクセスポイントになっている状態)でも可能というのは朗報ですね。スマホのテザリングだと、カメラとスマホがWi-Fiでつながっていても、スマホ自体はモバイル回線につながっているので、通信が可能です。従来のWi-Fi接続は、スマホがカメラのWi-Fiに接続しに行くため、Wi-Fiでつながっている最中は、スマホ側はモバイル回線での通信が一切できない、つまりインターネットにはつながっていないことになります。なので、その逆となっているWi-Fiステーションモードのメリットは大きいと言ってよいでしょう。
ただし、執筆時点で対応しているカメラは、Z 9とZ6IIIの2機種のみとなっています。ええっ、Z 8やZ fは対応していないの!? 次のFWアップデートで対応してほしいところですね。

まずは自宅の無線LAN経由でスマホとカメラがつながるか確認。
https://nikonimglib.com/snbr/onlinehelp/ja/wifi_st_mode_connection_6.html
上記マニュアルにしたがって、カメラ側の[スマートフォンと接続]>[Wi-Fi接続(ステーションモード)]で、SSIDを選択し、無線LANアクセスポイントに接続します。
同じSSIDに接続したスマホ(またはタブレット)でSnapBridgeを立上げ、「Wi-Fiステーションモード接続」を選択して接続対象のカメラ(Z 9またはZ6III)を選び、「Wi-Fi接続」→「Wi-Fiステーションモード」→接続可能なカメラを選択、となります。

しばらく待っていると接続可能なカメラが表示される

ただ、最初はなかなか「接続可能なカメラ」に何も表示されない状態が続きました。何度かキャンセルして再接続してやっと検出できました。この辺り、ネットワークの状態にもよるので何とも言えませんが、もう少しスパッと表示されてほしいところです。

Wi-Fiステーションモードで自宅の無線LAN環境経由でスマホのSnapBridgeとZ 9がつながった状態

あとはスマホ側から画像取り込みを行うかでスマホ側に画像や動画を送ることが可能です。
また、Wi-Fiステーションモードで接続後、設定から自動送信指定することで、以降撮影した写真を自動的にスマホに送信することも可能です。逆にこのモードではカメラ側から指定した画像の送信はできません。

またWi-Fiステーションモードを終了させたい場合は、右上のアイコンからメニューを開いて終了させる必要があります。少々わかりにくですね。

接続認識は今一歩と言ったところで、一度接続を切って再接続しようとして、接続待機中のままになることも何度かありました。この場合はSnapBridgeを立ち上げ直すとうまくいくこともありました。もう少し安定性は向上してほしい所。

同様に、スマホ側でテザリングし、カメラをスマホのテザリング中のSSIDに「Wi-Fiステーションモード接続」させることで、同様にWi-Fi転送可能です。出先ではこのスマホテザリングによるWi-Fiステーションモードが便利そうで、RAW画像や動画ファイルも送信できるので、撮った動画をすぐにネットにアップロードといったことや、Lightroomなどで編集すると言ったことも可能。

従来からあるWi-Fi経由でのライブビュー画像の表示と撮影ももちろん可能です。一部機種は動画撮影にも対応します。これでカメラから離れた状態でスチルや動画撮影が可能なのですが、案外この機能を知らない人も多いのでは? D850でもスマホ画面でライブビュー撮影出来るんですよ。

スマホの画面でライブビュー撮影も可能

リモコンやケーブルレリーズがなくても、スマホで撮影操作可能なので、是非試してみてください。

SnapBridgeのBluetooth通信によろ画像転送は便利な反面、大量に送ろうとすると時間がかかったり、うまく送信されないこともあるので、そうした場合はWi-Fi接続が便利です。
Wi-Fiステーションモード+スマホテザリングなら、Wi-Fi接続中もモバイル回線が使えるので便利ですよ。

【備忘録】Lightroomで「書き出しにGPUを使用」がグレーアウトした場合の対処

ここ最近、RAW現像が重いなぁ、書き出ししたらCPU使用率100%になっている!と思って、Adobe Photoshop Lightroom Classicの「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」の項目を確認すると、Camera Rawのグラフィックプロセッサーを使用の「画像処理(処理バージョン5以降)にGPUを使用」と「書き出しにGPUを使用」がグレーアウトしているではないですか!

画像処理と書き出しにGPUを使用、がグレーアウトしている

再起動してみたり、Radeonのドライバを入れ直したりしてみましたが解消せず。以前はチェックできていたし、AdobeのHPでは少なくともRadeon RX 7800 XTは少なくとも要件を満たしています。

これはそこそこ古いGPUやCPU内蔵のGPUでも満たしているんですよね。
Radeonのドライバが悪さをしたのか、Lightroomのバージョンアップ時に何かがおかしくなったのかわかりませんが、こんな対処をしてみました。

設定ファイルを書き換えてみる

Adobeの「グラフィックプロセッサー(GPU)とグラフィックドライバーの問題に関するトラブルシューティング | Lightroom Classic」によるとLightroomの設定ファイルはどうやらここに格納されている模様。エディタで開いてみます。

C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\Lightroom\Preferences\Lightroom Classic CC 7 Preferences.agprefs

useAutoBahn = true を useAutoBahn = falseに変更することで、「ディスプレイにGPUを使用」がOFFになるようですが、そもそもこの項目のみはチェックが入れられる状態でした。
その下の行を見ると、

useGPUCompute = false,
useGPUForExport = false,

となっていて、この2行が「画像処理にGPUを使用」「書き出しにGPUを使用」に該当するようです。
Lightroomを落とした状態で、上記2行の”false”を””true”に書き換えました。

その上でLightroomを立ち上げ直しましたが、症状は解消せず、相変わらず2つの項目はグレーアウトの状態で、Lightroom Classic CC 7 Preferences.agprefsを再度エディタで開くと、再び上の2行は “false”に書き換えられてしまっています。うむむ、困りましたね。

設定ファイルを消去してみた

ならば設定ファイル自体を消してみよう、ということで、こちらのフォーラムの投稿も参考に、Lightroomを一旦落としてから以下のファイルを消去しました。正確には別フォルダにバックアップした上で消去しました。

C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\Lightroom\Preferences\Lightroom Classic CC 7 Preferences.agprefs
C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\Lightroom\Preferences\Lightroom Classic CC 7 Startup Preferences.agprefs
C:\Users\[user name]\AppData\Roaming\Adobe\CameraRaw\GPU\Adobe Photoshop Lightroom Classic\Camera Raw GPU Config.txt

この状態でLightroom Classicを再度立ち上げて、「パフォーマンス」の項目を開きます。
Camera Rawの設定は、グラフィックプロセッサーを使用が「自動」になっているので、「カスタム」に変更します。
すると、グレーアウトしていた「画像処理にGPUを使用」がチェックできる状態に! 更にチェックすると「書き出しにGPUを使用」にもチェックが入れられる状態となりました。

画像処理と書き出しにGPUを使用にチェックが出来るように!

この状態でLightroom ClassicでRAW画像を編集すると、あれまスイスイ快適に。さらに書き出しはチェックが入っていない状態の3倍は速くなりました!
システムによってはGPU書き出しではあまり速くならないようですが、少なくともうちの環境ではCPU(AMD Ryzen 9 5900X)の書き出しよりGPU(AMD Radeon RX 7800 XT)のほうが速いようです。

しかし、Geforce RTX 3060ではこうしたトラブルはなかったので、やっぱり今でもRadeonは一筋縄ではいかない? それともAdobeのせい?

現場でレーディングをつけておくと、サッカーで1000枚以上撮っても選定が楽

昨日は祝日で、息子のサッカーの試合に午前中行ってきて、午後から仕事。流石にちょっと疲れたな。

さて写真選定ですが、Nikon Z 9など最近は高速連写出来るカメラが増えてきました。もう秒20コマ30コマとか、動画レベルだし、自分の撮影ではそこまではまず必要ないです。普段は連写でも秒10コマで撮影しています。

それでも1回の撮影で1000コマ以上撮るのが当たり前になると、その選定もかなり大変。これが連写コマ数を上げたくない理由でもあります。
CanonのEOS R5 MarkIIでは、ボケやブレ判定をカメラ側でしてくれるそうですが、そもそも歩留まりが上がっている最近のカメラでは、それよりむしろ写真選定、ベストショットを選ぶことが大変だったりしますね。

なので、自分は撮影現場でササッとプレビューしながら、採用写真にレーディングをつけています。
Nikon Z 9やZ 8ではカスタムメニューのf31「1コマ再生時のフリック操作」で「上にフリック」すると「レーディングの★4」が付くように設定しています。逆に「下にフリック」では「ゴミ箱レーディング」にしています。

これを撮影のスキマ時間でササッと行うことで、大まかに選定しておけます。
後は帰った後PCに取り込んで、レーディングのついたコマやその前後を優先的にフォーカスチェックなど行って絞り込めますね。
もちろん、時間がない場合は現場でレーディング付与できないこともあるけど、これを行うだけでも相当選定が楽ですよ。

RED監修のN-Log用LUTを試してみた & H.265とAV1コーデックの比較も

先日Nikonより、Nikonの一部の一眼カメラで採用されている動画用のN-Log収録用に、RED社監修のLUTが公開されました。

対応機種は Z6III、Zf、 Z9、Z8、Z7II、Z6II、D780、Z7、Z6 です。

  • Technical LUT(1 種類)
    従来、機種ごとに提供していた N-Log に対応した LUT を 1 ファイルに纏め、RED 社のカラーサイエンスに則った動画に最適な色味に変更しました。Technical LUT は、N-Log のカラースペースから一般的な視聴に適した Rec.709 規格に変換することができます。
  • Creative LUT(4種類)
    RED 社が提供する LUT の色味を N-Log で再現できるようにした 33 点の LUT です。
    ▹ FILM BIAS
    伝統的な「フィルムらしさ」を追求した LUT。自然なスキントーンと黄金に輝くハイライトが特徴で、どのようなシーンもシネマティックに演出します。
    ▹ FILM BIAS BLEACH BYPASS
    フィルム処理技術の一つであるブリーチバイパス(銀残し)を再現。コントラストが高く彩度が低いのが特徴です。映像をよりドラマチックにし、リアリティを強調します。
    ▹ FILM BIAS OFFSET
    暖かみのある色調とスプリットトーンで、ヴィンテージフィルムのようなルックを再現。芸術的なシーンや風景撮影に最適で、映像をよりスタイリッシュかつエレガントなものにします。
    ▹ ACHROMIC
    低コントラストのモノクロで、被写体のテクスチャや形状を強調します。ディテールに焦点を当てつつ、柔らかくクラシックなルックで芸術的な表現が可能です。

https://downloadcenter.nikonimglib.com/ja/download/sw/258.html

Davinci Resolve 19にLUTを適用する

フリー版でも高度な編集作業が可能なDavinci Resolve 19に、RED社監修のLUTをインストールします。Windowsは以下の通りです。
Davinci Resolveを起動し、カラーからLUTsを開き、LUTsを右クリックすると「ファイルロケーションを開く」が表示されるので、クリックします。

ファイルロケーションを開くで、LUTのファイルフォルダが開きます

フォルダが開くので、Nikonフォルダを開き、そこにダウンロードしたLUTファイルをコピーします

Nikonフォルダ内に5つのRED監修LUTファイル(.cube)をコピー

従来の機種別ファイルとは別に、機種共通のRED監修LUT5種類が使えるようになります。
あとは、N-Logで撮影した動画ファイルのノードに、適用したいLUTを選択します。

シリアルノードを追加して、そこにLUTを適用

さほど難しくないので、簡単にLUTによる画作りが楽しめますね。

4種類のCreative LUTの比較

早速N-Logで収録した動画に適用してみました。

この映像がCreative LUTに適しているかどうかは別として、雰囲気は感じていただけるかと思います。

今回はYoutube用にAV1コーデックを使ってみた

いつもはH.265で書き出ししているのですが、今回はグラボをAV1のハードウェアエンコーディングに対応できるAMD Radeon RX 7800XTに改装したので、AV1で書き出しを行いました。

フォーマットをMP4に設定いするとAV1コーデックが選択可能になる

H.265は最近のここ数年の動画対応機の多くが採用しているコーデックですが、高額なライセンス料が必要とされるH.265に対し、ロイヤリティフリーライセンスのAV1は、今後普及が期待されているコーデックです。H.265に対し、3割程度ファイル量を減らせるともされています。

実際に、今回Davinci Resolve 19でAV1とH.265でそれぞれ書き出し、処理速度とファイルサイズの比較をしてみました。

これはAV1の圧勝ですね。今回、N-RAWの動画を使用し、更にデータがHDDだったため、読み出し速度がやや遅い状況でしたが、それでも6分弱だったAV1に対し、H.265は7分超で確かにAV1のハードウェアエンコーディングの効果が出ています。Radeon RX 7800 XTはAV1対応ハードウェアエンコーダーを2基搭載しているので、これが効いているのでしょうね。
ゲームはしないけど動画編集をたまにやる自分にとっては、今回Radeon RX 7800 XTの選択は正しかったかもしれませんね。

ファイルサイズも比較しました。

上がH.264、下がAV1で、大差はないが、9%程度AV1のほうがファイルが小さい

H.265(上のファイル)に対し、AV1では約9%ファイルが小さくなりました。1割に満たないので大きな差はないものの、AV1の優位性はあるようです。
ただ、H.265はビットレートの設定など細かく詰められるのに対して、AV1はDavinci Resolveでは細かい設定はないので、これについては今後検証する必要はありそうです。


せっかくLUTも充実してきているので、N-Logも積極的に使っていこうかな、と思います。
Studio版のDavinci Resolveも…いつか欲しいな

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Zenfone 11 Ultraのカメラを1ヶ月使ってみたのでレビュー【RAW写真編】

Zenfone 11 Ultraのカメラレビュー、最後はRAW画像です。
標準カメラアプリでは、カメラ解像度の設定からRAW+JPGを選択します。

RAW撮影は何故かカメラ解像度から設定する

生成されるRAWファイルの拡張子は汎用RAWデータの.dngとなります。今回はRAWデータを未調整のままAdobe Lightroom ClassicでJPGに変換し、ブログ用の解像度に落として出力したものと、個人的に調整したものを掲載しています。
また今回は基本的にメインカメラである5000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ジンバルスタビライザー&アダプティブEIS で撮影しています。

RAWデータの素の出力はかなりあっさりめの発色

息子のサッカーの練習試合の風景です。
まず未調整ファイル、解像度はしっかり5000万画素(50MP)あります。そして発色は相当あっさりめで、ある意味レタッチ向けな出力とも言えます。
ただカラー出力はフラットとは言えず、やや癖がありますね。
一眼カメラのRAW出力では、彩度はむしろ落とし気味にすることが多いのですが、このデフォルトの発色は相当あっさりめなので、彩度はかなり持ち上げて調整。
色々調整したものの、やや黄色っぽい発色となりました。

等倍で見た限り、手持ちのNikon Z 9/Z 8やD850の4500万画素を超える画素数とは言え、登載するイメージセンサは1/1.56型のSONY IMX 890センサ、流石に実際の解像感でフルサイズセンサと比較してはいけませんね。IMX 890は多くのミドルクラスからハイエンドスマホに搭載されている主力のセンサだけに、実力は悪くないはずです。後継のIMX 906も登場していますが、Zenfone 11 Ultraは先行するROG Phone 8をベースとしているため、共通した1世代前のセンサを採用していると思われます。
このセンサは、4画素をピクセルビニングにより混合して12.5MPで出力でき、JPGの場合はこれを使用していますが、RAWの場合は混合せず生データとして出力しています。

ただ、この画像を見て思ったのは、ピクセルビニングで生成した12.5MPのJPGのディテールの潰れっぷりは、RAWのJPG変換に関しては発生していないんですよね。

50MPの解像感はないけど、スマホ内生成のJPG出力より遥かにディテールは出ている

うーん、これを見る限り、50MPのRAWから”HyperClarity AIアルゴリズムでRAWファイルを直接処理”なんて謳っている割に、JPGのディテールの潰れっぷりは何なのかと思ってしまいますね。
これは想像でしかないですが、50MPのセンサ出力からピクセルビニングで12.5MPに変換した後に画像処理しているフシがあるんですよね。
確かにZenfone生成のJPGは小さな画面ではそれなりに解像感があるように見えて映えるので、ベタ塗りしてでもパッと見の良さを優先しているのかな?

感度が上がるとディテールとカラーバランスは崩れる

こちらは夜の電車を撮ってみたもので、ISO748まで上がっています。基本感度がISO25とわりかし低いセンサなので、ISO748はそれなりに高感度なんですよね、このセンサにとっては。

このデータはなかなか手強かったです。蛍光灯による緑被りをモロに受けていますが、さらに高感度ノイズ発生、暗所潰れにハイライト飛びもあります。
この緑かぶりが相当強く、ホワイトバランスだけでは調整しきれず。とにかく緑の成分が強く、他の色に乏しいんですよ。
最終的にLightroomのAIノイズリダクションで仕上げたのが調整済の写真です。RAWとは言え、無いデータは復元できないですし、カラーバランスの崩れを完璧には補正できないですね。
よく、RAWなら色味なんて後からどうにでもなるなんていうのは幻想に過ぎないのがわかります。

夜明けのSA、これはなかなか良く撮れている

驚くほどよく撮れたのがこちら。夜明けの花輪SAです。これは50MPセンサの出しうるディテールをなかなか良く出していると思います。
露出落とし気味で撮りました。

あっさり目の発色が良い方向に行っていますね、色の調整がこれに関してはしやすかったですね。
空にゴミのような黒い点が写っていますが、フルHDサイズではそう見えますが、等倍で見てみると…

よく見るとトンボが飛んでいるよ

細部表現はもちろん一眼カメラのセンサには敵わないとしても、ちゃんとトンボが飛んでいるのが分かるくらいにはディテールが出ています。木の葉もややシャギー掛かっている部分も見受けられるものの、どのみち素の50MPで使う用途なんてのはスマホに求めないので、解像度を落とした時にディテールがあればそれで良いです。
感度はISO25ですが、暗部はそれなりにノイズが出ていますね。ただ、このくらいは許容範囲でしょう。

スープカレーの美味しさを伝えるのは難しい

函館のスープカレー吉田商店にて。
1枚目は店内の様子。店内の木造とコンクリートの質感、よく出ていると思います。あっさり目の発色は、こうした調整に都合が良いですね。レタッチ向きの特性です。

2枚目はスープカレー。これが調整が難しくって。店内の電球照明、スープカレーの色、同じような色合いなので難しいですね。
感度はISO370、やや上がっているけど、この程度は許容範囲です。
こうした接写に近い撮影は、案外スマホのレンズの苦手な領域ですが、こうした撮影領域におけるモヤッとした収差の影響があまりないのはこのカメラのレンズの美点です。最近のスマホは接写の質が良くなってきましたね。

それにしても色を出すのはなかなか難しい。美味しいさを伝えるのは、ちょっとRAWをいじったレベルでは難しいです。

手ブレ補正の影響!?画像の下側の像が流れている

RAWとは直接関係ない話ですが、函館にある六花亭で撮った写真なんですが、写真の下側の像が流れてしまっています。

この現象はこれ以外にももう1枚あったのですが、原因不明です。
思うフシもあり、とっさに構えてさっと撮った際に、ジンバルスタビライザーが最大限に動作して、レンズの周辺を使ったせいではないか? 一般に、レンズは中心ほど解像度力が高く、周辺に行くに従ってその性能が低下していく事が多いのですが、近年レンズ交換式カメラのレンズは高性能で周辺も綺麗、更に手ぶれ補正を見込んでイメージサークルより広い範囲もカバーしているんですけど、強力なジンバル手ぶれ補正を備えたZenfone 11 Ultraも、最大限に手ぶれ補正を発揮するとこうなる?

像が流れる方向が画面の角ほど斜めになっていて、レンズ中心軸に向かう方向ではあり、やはり手ぶれ補正が最大限に動作した際のレンズの周辺性能限界が写っただけかな、と今のところ思っています。

像が流れる方向がレンズ中心に向かっているように見えるので、やっぱりジンバル手ぶれ補正が最大限に働いた時のレンズの限界かな?

でも、そうだとすると、なぜ下側だけなのか?左側はもっと像が流れないのかとか、思うところもありますが、左側はまだ最大限に補正されていないからなのかな?

いずれにしろ、スチルの場合はラフに撮らずしっかりカメラを構えよう、という基本は変わらないですね。

最後は望遠カメラ、JPGとの違いすぎるRAWを見よ!

最後に、3200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4) で撮ったRAWデータ。
こちらはZenfone 11 Ultraで生成されたRAW+JPGのデータをまず見てみましょう。

おいおい全然別物になってるよ!

本当に同時に生成された写真かと思いますが、同じタイミングです。あまりにも色が違いすぎますし、JPGのほうが実はわずかにトリミングされています。
雲は緑がかっています

これだけ違うのです

トリミングされている理由は不明で、RAWで撮影できる状態ではズームできないのです。
しかしRAWが素の未調整状態の色調だとすると、一体どうやって同時生成JPGの色合いに持っていけるのか?

調整してみました。結論から言うと無理でした
まずはLightroomでの調整結果を見てください。

シャドウは最大限に持ち上げて、何ならトーンカーブでも持ち上げてみたけど無駄でした。そこには真っ黒のデータしか残っていませんでした。でもZenfoneが同時生成したJPGは、暗部にちゃんと人影が写っているんですよね。このRAWにはまるで階調がないんですよ。

このRAWデータは本当にRAWなんだろうか? センサの吐き出した出力を全てデータ化しているのだろうか? いずれにしろ、Zenfone 11 UltraのRAWデータ、全データを残しているわけではない、もしくはJPGのみは複数枚撮影して合成しているとか、何かしらの違いはありそうです。
決して真っ暗な状況ではなかったんですけどね。明暗差が激しいとこうなってしまう?

ということで、Zenfone 11 UltraのRAW、一筋縄ではいかなそうですね。