「自衛隊・ミリタリー」カテゴリーアーカイブ

入間航空祭2024 その3

今回の目玉イベント、C-1の030と031号機によるラストフライト。
031号機はこの入間航空祭がラストフライトとなりました。C-1輸送機の生産最終号機です。
030号機も今年度いっぱいで退役のようですね。

当たり前のように飛んでいたC-1も、もう入間航空祭で見るのはこれが最後だなんてね。
後継のC-2輸送機の生産も佳境となった今、その役目を終えていくのは感慨深いですね。

それにしてもダイナミックな機動です。もちろん空荷の展示飛行向けではありますが。

演目を終えて着陸した031号機は、最後に消防車による放水を受けて、その運用を終えました。


海自のSH-60Kのメインローターが被ってしまったのは御愛嬌(笑)立ち位置間違えたな…
以上で航空祭の展示は終了。ゲスト機が帰投します。

まずは小松基地303SQのスペマF-15J (52-8859) が上がります。

ちょっと遠かったけど、最後にくるっと一周して帰っていきました。いいね!

そしてC-1輸送機の初号機で、長年エンジンや各種装備品のテストベット機(FTB)として活躍してきた、岐阜基地の飛行開発実験団の「銀ちゃん」こと001号機も帰投します。
これも個人的に見られる機会はもうないかな。

SH-60KとオメガことOH-1も帰投。オメガもC-1と比べたらまだ新しい機体ですが、今後数年で退役することが決まっています。代替のUAVは…何も決まっていない。

展示されていた002号機も含め、C-1はまもなく退役。最後に残った全てのC-1輸送機4機とEC-1が入間基地に集結したことは、戦後初の国産輸送機の最後としてふさわしい航空祭だったと思います。

今回地上展示のみだった002号機にスペシャルマーキングされていました。EC-1の遠方には帰投するC-130H輸送機。こちらも相応に古いけど、あと10年以上は飛ぶでしょうね。

航空自衛隊は2024年、70周年を迎えました

以上で入間航空祭は終了となりました。皆様お疲れ様でした。そしてありがとうございました。


この航空祭で使ったカメラバッグ、Z 9 + Z180-600mmとZ 8 + Z24-200mmを楽々収納可能、プラスしてレンズやバッテリ、レシーバーに食べ物飲み物も入っちゃいます。

入間航空祭2024 その2

続きです。午前の演目ラストは、U-4とC-1、C-2による飛行展示です。

ちょっと展示的には地味目だったかな~。

午後からは入間基地で5年ぶりのブルーインパルスの飛行展示。

入間基地はエプロン地区は午後からが順光で映えるんですよね。とは言え、レンズの向きが変われば光線状態も当然変わるので、快晴は快晴で光の状態は難しいことも多いですね。

とは言え晴れてよかったですね。第1区分による演目となりました。久しぶりに見た気がするな。
2018年の歌舞伎のC-1が飛んだ年の入間航空祭は快晴で、ブルーインパルスも良かったのですが、2019年は曇天でブルーインパルスも区分を下げての演目しか出来なかったですからね~。

ブルーインパルスの機体でもあるT-4練習機は導入から35年以上経過し、後継機が日米共同開発とされてますが、現在のところ完全な新規開発なのか、海外の既存機体の改修なのかは決まっていません。
T-4の純粋に練習機としての使い方は、学生が操縦するためさほど負荷がかからないようで機体寿命はまだ十分残っているようですが、ブルーインパルスの機体はそうもいかないため、ブルー仕様の機体は新造機が全て用廃となっていて、今のブルーインパルスの機体は保管機や現役練習機からのブルー仕様に改修したものです。

スタークロスはスマホの超広角でも入り切らなかったな~

何だかんだでブルーインパルスを楽しみました。これが目的の人も多く、今年の入間航空祭は観客動員数が25万人とのこと。30万人超えの年もあったので、それからすると少し減っていますが、それでも25万人という、地方都市の人口に匹敵する観客がここ入間基地に集結したみたいですから、本当にすごいことです。
それだけ交通機関が発達している、輸送能力があるということですね。

そしてこの後は、これが自分にとってはメインのイベント、C-1の031号機のラストフライトです。その写真はまた次回に。


スタークロスは入らないけど、引きのブルーインパルスの写真はこのレンズで撮影しました。Z 180-600mmと共に、このZ 24-200mmがあれば、この2本で航空祭はほぼカバーできますね。

入間航空祭2024 その1

ギリギリまで雨予報だった入間航空祭は一転して快晴となりました。ということで昨年度(2024年1月)は中止となってしまった入間航空祭でしたが、2年ぶりの開催となりました。
またブルーインパルスは入間基地に来るのは5年ぶりというのもあって、かなり混雑が予想されましたが、朝一から長蛇の列でしたね。

混みっぷりは相変わらずですね

遠くからブルーインパルスを眺めて…

朝なのでまだ陽炎が出ていない!

まずはEC-1の展示飛行です。電子戦訓練機EC-1は、1980年代にC-1輸送機を改造してJ/ALQ-5電波妨害装置を搭載した機体で、大きアンテナフェアリング(レドーム)が特徴です。特に機種の出っ張りは、通称「カモノハシ」と呼ばれていました。
機首やおしりの部分にはフェイズドアレイ方式の妨害電波発信アンテナが入っているようです。
こちらのページに詳細に書かれていますので、ご興味がある方はご確認を。 

長年入間基地に配備されていましたが、秘匿性の高い機体とされていたからか不明ですが(外観だけでは秘匿すべき機密なものはないと思いますが)、これまで入間航空祭で公式に展示や飛行を行ったことはなく、イベントではいつも駐機場の遠いところに置かれているか、格納庫に入っていた機体で、あまり日の目を浴びることはありませんでした。

既に今年度で退役することが決まっているため、餞(はなむけ)として、今回初めて、そして最後の入間航空祭での展示飛行となりました。

さすがに素のC-1のようなコンバットピッチなどの派手な飛行はなかったものの、航空祭として唯一飛ぶ姿を拝めたことは貴重な体験となりました。

一仕事終えて記念撮影。


ちなみに、後継機としてC-2輸送機ベースとしたスタンド・オフ電子戦機を開発中ですが、これが登場する前にEC-1が用途廃止となりそうですね。

CH-47J(LR)、今回は空中消火用のバンビバケットによる放水展示はありませんでした。
飛行点検隊のU-680A、うーん静か~。こちらは8の字飛行で、機体が小さいのもあってちょっと目立たない存在に。中司飛行のT-4がスタンバイ。

そしてシルバーインパルスこと中司飛の平均年齢51歳のベテランパイロッㇳによる展示飛行開始!


ブルーインパルスのような派手さや華やかさはないものの、なかなかの暴れっぷりでした。

平均年齢51歳!のベテランぞろいのシルバーインパルスの面々も一仕事終えて記念撮影!

続く…


Nikon Zユーザで飛行機撮るならまずこれでしょ。ボディ込みで全長40cm以内に収まります

【入間基地】24/10/31の記録 その1

晴れ予報。久しぶりの晴れ予報でした。百里基地に展開するか、航空祭間近の入間基地に展開するか、最後まで悩みましたが、C-1輸送機の退役間近とあって、今これを撮らずしていつ撮るの?ということで、入間基地に展開しました。

実は私、入間基地撮影も久しぶりだけど、午前は初めてひな壇エリアに行ってみました。コインパーキングから移動、午前8時には機体動きが。最近の百里基地より早いですね(笑)

久しぶりのすっきりした青空! 早い時間でT-4 (56-5735)からC-1 (18-1031)、そして電子戦訓練機の「カモノハシ」ことEC-1 (78-1021)にCH-47J(LR) (57-4494)、C-130H (35-1071)と上がりました。

10月末のこの時間のひな壇からの光線状態はなかなか良いですね。

太陽の周りにちっちゃい🌈

ひな壇、初めてで常連さんが多そうでちょっとドキドキでしたが、自分と同じで初めての方もいて、和気藹々楽しめましたね。

セスナのビジネスジェットを飛行点検機化したU-680A、YS-11の退役は寂しいですが、この機体もまた最新鋭のビジネスジェットだけあって、軽快な動きを。8の字飛行の訓練をしていました。スマートなシルエットです。そしてとても静か! ジェット機でこんなに静かなんですね。

タッチアンドゴーを行うC-1 (18-1031)、11月3日の入間航空祭のラストフライトをもって引退が決まっています。最後の勇姿を拝めるチャンスです。

C-1輸送機の最終号機も引退、C-1輸送機自体が2024年度をもって退役とされているので、関東圏ではこれがC-1輸送機最後の航空祭になります。なんでも航空祭には初号機の銀ちゃんこと001号機も来るみたいです。楽しみですね。

中部航空方面隊司令部支援飛行隊のT-4(56-5735)が降りてきた

そして今度はEC-1がタッチアンドゴーを実施。ただこの時間あたりから太陽がほぼ南になって、R/W35側からの侵入は逆光になってしまうんですね。

あとこの時間、ちょっと雲が出てしまいました。気温もぐっと上がって、陽炎も出てしまったのが残念。ひな壇からだと腹打ち気味になってしまうのは致し方ないね。
それでもこの機体の特徴であるレドームがわかりやすいのは腹打ち気味の絵だったりもします。

実はまともに飛んでいるEC-1を見るのは初めて。航空祭でいつも近づけないエリアの奥の方にひっそりと駐機されていただけに、普段から撮りに来ている常連さんじゃないとなかなか見られないですね。
そんなEC-1も今年度いっぱいらしいので、航空祭での飛行展示もこれが初めてかつラスト。さすがに機内展示は行わないでしょうね(笑)

午前はこれで終了。駐機スペースに戻る際に、YS-11EAの162,163号機も見えましたが、今年のランウェイウォークのときから変わらず、ペラは外されたままでした。やっぱりこのまま退役なのかな…。それとも部品待ち?

この後撮影場所移動。続く…

横須賀地方隊 オータムフェスタ2024を見に行ってきた その2

ヴェルニー公園のカレーフェスで昼食をとったあと再入場して、警務隊のデモをチラ見。

護衛艦「いずも」を見学。
F-35B STOVL戦闘機搭載のための空母化改修の第2段が2024年度から始まる予定となっており、今回の一般公開が、空母化改修される前の最後の姿での公開となったかと思います。

みんな大好きエレベーターに乗って飛行甲板へ。俯瞰した状態じゃないと、艦首の形状は分かりづらいですが、改修により矩形化され、先行して回収された護衛艦「かが」と同様、艦首側はより広い飛行甲板となります。

第4・5スポットはF-35B対応として、第1段改修時に耐熱塗装を施工されています。
耐熱塗装部分は表面の凹凸が少ないようですね。そうでない部分はスリップ防止のため凹凸のある加工がされています。ってところは動画で撮って写真は撮ってないwのでそのうちアップします。

搭載機であるSH-60K哨戒ヘリとクレーン車は、残念ながら規制線の向こう側での展示となっていました。
再びエレベーターで格納庫へ。

格納庫内は大きな「いずも」の旗が掲げられているほかちょっとしたとした展示はあるものの、ヘリなどはなく、途中大きな防火扉が閉められていたことから、奥に格納されているか、あるいは大規模改修前なので搭載機は降ろされている可能性がありますね。

いずもを降りて、最後に、海上自衛官の制服ファッションショーを見て終了。


女性隊員のマタニティ用の制服があるんですね。これは知らなかったです。
最後にまさかの横須賀地方総監まで登場。階級はもちろん海将。

最後の最後に晴れ間が出て来るという残念な点ではあったけど、ゆっくり楽しめた1日でした。

横須賀地方隊 オータムフェスタ2024を見に行ってきた その1

夜明け前に横須賀に到着して艦艇の写真を撮って、朝食後に入場待ちの列に並びました。
この時点でかなりの人数が並んでいたものの、この日は強風のため、予定されていた特別機動船・水中処分艇体験搭乗は中止となってしまいました。

強風のため特別機動船と処分艇の体験搭乗は中止

今回は32歳以下という制約もあるので、並んでいた大半のオジサン(私含む)は対象外でしたが、若い方は残念でしたね。

ということで、ゆっくり艦艇見学をします。風が強いですね~。


お目当ては砕氷艦「しらせ」(AGB-5003)で、これは乗ったことがなかったので、まず最初に見学しました。
文部科学省予算で建造、運用は海上自衛隊が行っていますが、民間の研究者も乗せての南極観測を行う艦艇故に、通常の自衛艦とは異なり、エレベーターが設置されていたり、階段も急角度ではない一般的なものになっています。内部は民間商船に近い感じですね。

海洋観測機材を水中に降ろすためのウインチがあったり、コンテナ船のようにコンテナを縦方向に積み上げられるコンテナセルガイドなど、独特の装備が多いですね。

民間人も乗るので、若い潜水隊員の方に「長期間ネットも使えない中でのお仕事大変では?」と聞いたところ、その隊員さんは全く苦にならないようで、今や隊員確保のため自衛艦に衛星通信ネット回線のSTARLINKを載せる試みもあるようですが、その方はネットはなければないで構わないそうです。みんながみんな同じ意識ではないようですね。
南極観測を含む航海は概ね1回半年程度だそうですが、一般市民からするとなかなかつらいものがありますね。でも、一度はそういう仕事はしてみたいものです。

ヘリ甲板、1万年前の南極の氷がありました。
MCH-101クラスの大型ヘリ2機を乗せるので甲板も格納庫も広いですね。

南極で観測機材やコンテナなどの積み下ろしを行うため、大型のクレーンを何基も装備しているのも特徴。

艦内も本当に広い(護衛艦比で)。通路や階段も広めになっています。

応急警報盤には「武器部警報」の表記も。砕氷艦は戦闘艦ではないので艦自体の固定武装はありませんが、対テロや警備上の目的で小銃は保管されているそうなので、そうした弾薬庫の警報もあるということのようです。

次に向かいに停泊中の護衛艦「たかなみ」(DD-110)へ。

もう艦齢21年を迎えるベテラン艦ですが、この「たかなみ」型より2世代前の「あさぎり」型が未だ全艦現役(2027年までに初期の艦は退役する予定)なだけに、まだあと十数年は運用されることになるでしょう。
既にソナーシステムを最新の「あさひ」型護衛艦と同様のマルチスタティック化するための予算が計上されていますが、レーダーも「もがみ」型のASEAに改装する話もあるようです。

この日ヘリは搭載されていませんでした。
54口径127mm速射砲の扉が開いていて、内部が見える状態に。無人砲塔なので、中はかなり狭そうですね。手動で砲塔を回転させることが出来るハンドルがありましたが、さすがに電動なんでしょうね。内部の銘板に2013年の表記あり。製造はもっと昔のはずなので、オーバーホールとか改修がされた表記かな?
搭載の90式艦対艦誘導弾(B) は実弾のようです。2006年製で製造は三菱重工ですが、発射筒は銘板に富士重工(現スバル)と書かれていました。分業なんですね。

このあと少し早めにお昼をとって、午後再入場。

続く…

横須賀地方隊 オータムフェスタ2024を見る前に…

ご無沙汰しております。忙しくてブログ更新なかなか出来ていませんが…。
日曜日、横須賀地方隊 オータムフェスタ2024に行ってきました。夜明け前に到着。少し仮眠したあと、三脚を担いで夜明けの写真をまず撮影。

この日の天気、予報では曇っているけど午前中に晴れる、とのことでしたが、風は1日強い。気温も下がるということで、上着も持っていきましたが、正解でした。風が強くて寒いのなんの。滑走路もそうですが、海沿い撮影も風があるので防寒着が必要な季節になってきましたね。

左は護衛艦「いずも」(DDH-183)、右奥に見えるのが砕氷艦「しらせ」(AGB-5003)ですね。オータムフェア2024の見学対象艦となっています。
せっかく三脚を持ち込んでの撮影だったけど、何せ風が台風か思うくらいに強く、こんな大きな艦艇もけっこう動揺しているようですね。感度下げると被写体ブレしちゃいまして。なかなか難しですね。
「いずも」は年度内に空母化改修の第2段、艦首形状を矩形化し必要な装備を追加したり、艦内の改修も行う大規模改修が入るため、この形では見納めとなります。改修は概ね3年近くかかるようです。

小雨もぱらついたり不安定な天気でした。
対岸、米海軍の方は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」(DDG-115)が整備中。2017年就役のフライトIIA、イージスシステムのベールライン9と新しい艦艇ですが、けっこうサビが目立ちますね。このあと塗装するのでしょうけど。

遠方にもアーレイ・バーク級のフライトIとタイコンデロガ級イージス巡洋艦の姿も。艦名は見えませんが、タイコンデロガ級はこの2,3年内に全艦退役予定で、世界初のイージスシステムを搭載した画期的な防空艦も、まもなく見納めとなりますね。
写真のタイコンデロガ級は、AN/SPS-49対空レーダーも残されているため、AMODを行っていない非改修型のようですね。

特徴的外観のなヴァリアント級港湾タグボートのメノミニー」(YT-807)も停泊中。なおこの日海上自衛隊の潜水艦はこちらのバースには停泊していませんでした。

この撮影している間にも、もう並んでいる人たちが! ご苦労さまです。自分はこのあと一旦戻って朝食をとってから並びましたが。

さてオータムフェアの写真は編集中。しばしお待ちを。

木更津駐屯地 創立56周年記念行事「第50回 木更津航空祭」に行ってきた (その2)

続きです。この観覧場所だと、アナウンスが殆ど聞こえないので、状況はあまり良くわからないけど、とりあえず見てるという感じ。

何年後化はわかりませんが、攻撃ヘリと偵察ヘリは全てUAV(無人機)に置き換えるという方針になり、この2機種も遠からず見られなくなります。

ただ、代替のUAVって特に決まっていないんですよね。単に流行りものに乗っかった挙げ句、何も決まっていない…とならないようにしてほしいですね。

そして展示飛行も終了。やっぱりここのメインはCH-47JAチヌークなんだな。

でも久しぶりにUH-60Jの機動も見られたのが良かったかな。何せ、海空と比べると、陸自のUH-60Jは余り見る機会がないんですよね。

そして最後にV-22オスプレイが6機、ずらりと展示と体験飛行のため整列しました。ここから雨がひどくなってつい移動してしまいましたが、このあとにエレファントウォークさながらに機体が移動、撮り逃しちゃいましたね…。

上の1枚目、退役した保管機の連絡機LR-1とV-22オスプレイのコラボ!3枚ペラ同士で、わりと似ている機体同士だったり?

オスプレイ6機が並ぶ頃には雨が強くなって、早めに帰る観客も多かったかな。そのため、この後お昼を買いに行ったら、露天のお店は在庫を積み上げてちょっと可愛そうな状況でした。お昼の書入れどきに皆さん帰っちゃいましたからね…。

ササッと地上展示を見る

雨が強いので足早に。

何とオスプレイの格納庫が空いていました。中には入れないけど、撮影禁止ともなっていなかったです。

整備中のV-22オスプレイ

結構貴重なシーンですね。

そしてさらに貴重な航空自衛隊の給水車も。いすゞの全輪駆動トラックのTSDの自衛隊版で、懐かしのボンネットトラック。
今や現役車は数少ないそうで、貴重な1台。73式大型トラックの登場でこのタイプの導入は少なくなったものの、 HTS型として自衛隊向けには1993年まで製造していたそうで、この車両は1990年(平成2年)式でした。こう見えて昭和ではなく平成の車両なんですね。

悪路走破性に優れていることから、原型が1951年から生産されていたため、基本設計は70年以上前の車両ということになります。すごいな~

一旦格納庫で雨宿り

チヌークにちなんだマーキング

ゲスト機は荒天のため殆ど来なくて、米軍からは唯一海軍厚木基地のMH-60Sがハロウィン仕様で展示。この機体は揚陸指揮艦ブルーリッジ搭載機です。

ブルーリッジは長年横須賀港が母港なので、日本人に馴染みの深い艦艇。ハロウィンなのでお菓子をくれた隊員さんも日本語ペラペラw。

雨が強いのでUH-2もちょっと見ただけ。まあこの機体はいずれ陸自の主力機になるので。マンホールの蓋も何種類かあるそうですが、雨なので確認したのはこれだけ。

最後にオスプレイをちょこっと見て、帰投の撮影は諦めて自分が先に帰投しました。

オスプレイ洗機、富士重工業(現スバル)専用水栓なんてあるんですね。水道料金別枠かな(笑

午後は雨がひどくなってしまいましたが、飛行展示中は小雨だったのが幸い。雨だから行くのやめようかと思ったけど、来年もうオスプレイは移動のため見られない可能性もあり、来てよかったですね。

木更津駐屯地 創立56周年記念行事「第50回 木更津航空祭」に行ってきた (その1)

忙しくて更新できていませんでしたが、先日土曜日、木更津へ行ってきました。

天候は「雨」。この日の天気予報は早朝から雨が降り始め、お昼以降強くなる、とのことで、行くかどうかかなり迷いましたが、妻から「行かない後悔するなら行ってきたら」の有り難い一声で、しっかり雨天装備も持参し行ってきました。

午前5時半の木更津飛行場

早めに着いて偵察活動(笑)。午前6時頃から雨が降り始めましたが、腹をくくって駐車場へ移動。幸いにも、午前7時過ぎに一旦雨は止み、時々小雨が降る天気ながら、何とか持ちこたえた感じです。

そして予定時間に無事入場。お、新型汎用ヘリのUH-2も来ていますね。

残念ながら、荒天ということで外来機は米軍のMV-22オスプレイを始め、警察や消防、民間機などが飛来せず、やや寂しい展示となってしまいましたが、飛行展示も編隊の経過飛行以外は実施されたのが幸いでした。

オスプレイは飛ばないの?? 新しい格納庫が遠方に出来ていますね。いえいえ飛びますよ。遠方でスタンバイしていました。
陸上自衛隊のV-22オスプレイ17機は、木更津駐屯地への配備は2025年7月までの暫定配備で、その後は佐賀空港に移動する予定のため、この規模の陸自オスプレイを木更津で見られるのは今回が最後、と思っています。
が、ここには重整備を担当するスバルが拠点を構えていて、定期整備は米軍のオスプレイを含め木更津で行う予定となっていて、全く見られなくなるわけではないものの、木更津航空祭でこの規模で見られるのは今回が最後になるはずなんですよね。

そのオスプレイが動き始めました。そして、今後退役が決まっているOH-1「オメガ」に、去年はいなかったUH-60JAの姿も。
そういえば、2013年度の調達を最後に、陸上自衛隊ではUH-60JAは新規調達されておらず、そろそろ初期の期待は30年近くになり、今後の動向が注目されます。
まさか新型とは言えUH-2で補うのは、ちょっとパワー不足な感じはしますが。

今回はあまりオスプレイ飛ばないなぁ。それでも、荒天で飛行展示中止とならなかったのは良かった。雨は時々小雨が降る程度、一応カメラは濡れないよう防水カバー、対策は万全で挑みました。

やっぱりここの主役はCH-47JAなんですね~。今年は去年はなかったヘリボーンによる車両や普通科(歩兵)の展開の展示も。オスプレイもその速度を活かした展開が本来の使い方ですからね。

撮影場所、ミスったかなと思ったけど、ここはここで良かったかな。天気はどんよりでしたが、幸いこの時点では時々小雨が降る程度、来てよかった。そして去年割と航空祭や駐屯地祭で荒天だったこともあり、それなりに装備をしっかりしていたのも良かったです。望遠レンズのレインカバーはめったに使わないけど、ここでは役に立ったし、カメラバッグもレインカバーがあるので助かりました。
割とゴミ袋を被せたり、なにも対策していない人も多かったのですが、防滴対応のカメラレンズでも、長時間ではトラブル発生の確率が上がるので、対策をするに越したことはないですね。

続く…


大切な望遠レンズを壊さないように。防塵防滴仕様でも過信は禁物ですよ。

防衛力抜本的強化の進捗と予算 -令和7年度概算要求の概要-を読む

8月30日、防衛省より発表された「防衛力抜本的強化の進捗と予算 -令和7年度概算要求の概要-」は、日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わり、自衛隊もそれに対応すべく大きく変化し始めたことを端的に示している内容となりました。

こちらから資料を確認することができます。

令和6年8月30日付で公開された「防衛力抜本的強化の進捗と予算 -令和7年度概算要求の概要-」

個人的なトピックを拾ってみました。

民間海上輸送力の活用(p8)

これによると、現在民間船による輸送は「ナッチャンWorld」「はくおう」の2隻でしたが、これが8隻たいせになるようです。

よくみると、「民間船舶6隻を確保」とあります。つまり「ナッチャンWorld」と「はくおう」を廃船し更新するのではなく、この2隻は継続使用(2025年までの契約なので契約更新)の上で、更に6隻を追加するものと読めます。
個人的には、ナッチャンWorldがまだ見られるのは嬉しい限りです。6隻の民間船は、これまでの2隻のような高速船なのか?、中古なのか新造なのかも気になりますが、契約期間や改修期間の短さから、中古の船舶と思われます。

2025年までの契約だったナッチャンWorldも契約更新される可能性が高い

潜水艦発射型誘導弾の開発・取得(p12)

文字情報のみですが、これまで開発だけだった「潜水艦発射型誘導弾」が、具体的な取得に踏み込みました。
これとは別に、垂直発射型の巡航ミサイルの導入も検討されていますが、垂直発射型はミサイルのみならず、発射する潜水艦本体からの設計が必要で、既存の潜水艦に導入不可能なので、現在最新の「たいげい」型潜水艦の次の潜水艦からの導入になるでしょう。
潜水艦発射型誘導弾は、従来の533mm魚雷発射管から発射可能なミサイルで、これまでのハープーンBlock IIでもGPSによる対地攻撃は可能でしたが、射程が短い(124km以上とされている)ので、より長射程のミサイルとなるはずです。

これに限りませんが、自衛隊の国産兵器は、開発期間が長く、開発完了して配備が始まる頃に陳腐化というジレンマがありましたが、近年は取得しつつ継続開発(改修)をしていくようになりました。これは他国なら当たり前のことでしたが、どうせ使わない戦わないという感じだった自衛隊の装備も、明日戦うかもしれない、という考え方に変わりつつあることを示しているように思いますね。

イージス・システム搭載艦(p14)

これ自体は既に公表されている装備ですが、今回具体的な船体イメージが出てきました。

AN/SPY-7アクティブ・フェーズドアレイレーダーが本来陸上配置だったイージス・アショア用ですから、かなりの大きさであることが分かります。
これまで日本のイージス艦は、4面のフェーズドアレイレーダーの上に艦橋がありましたが、イージス・システム搭載艦は艦橋より上にレーダーを配して、レーダーの視界を優先しています。レーダーが高い位置にあるということは、重心位置も高くなるため、復元性を確保する上で、船体も大型幅広になると思われます。

128セルのVLS(ミサイル垂直発射装置)を搭載、将来的にトマホークや高出力レーザー兵器を搭載予定となっています。
結局のところ、トマホークを登載するということは、能動的な攻撃も可能であることを示し、従来の護衛艦と同様な運用になってしまわないか懸念されるところです。本来は弾道ミサイル防衛のための装備ですが、それはあくまで表向きになりそうな…。

こんごう型イージス艦の後継艦の技術調査(p14)

ついに具体的に初代のイージス護衛艦「こんごう」型の後継艦の話が出てきましたね。

2015年の観艦式より、中央と右の艦艇がこんごう型イージス護衛艦

米海軍以外では初めて海外に売却が許されたイージスシステムを搭載した艦艇ですが、こんごう型は1番艦の予算化は1987年(昭和62年)、昭和なんですよね。
護衛艦「こんごう」の竣工は1993年(平成5年)で、既に艦齢は31年に達しています。従来であれば、もう後継艦が建造中で間もなく退役、という感じでしたが、護衛艦の艦齢は海外派遣の増加や予算不足もあり伸びる傾向にあり、従来30年に満たず退役していた艦艇も、軒並み30数年は運用する感じになっています。
実は「こんごう」型のベースとなった米海軍の「アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦」も、1番艦の「アーレイ・バーク」は1991年竣工で、まだ退役の具体的な予定は決まっていないようです。艦艇が長く使われる傾向は米海軍ですらそうなのだから、海上自衛隊はなおさらでしょうね。

「こんごう」型の具体的な除籍時期は決定していませんが、今から後継艦の技術調査となると、技術調査→予算化→設計→建造で概ね6、7年程度かかるとして、2032年前後なのかと想像します。それまでにイージスシステムのアップグレードは…恐らくなさそうですね。ここはアーレイバーク級の初期の艦と同様、ベースライン9へのアップグレードは検討してほしいところです。ただ、「こんごう」型は諸事情により米国製ではないオリジナルの兵装の割合も多く(イタリアの主砲、国産ソーナーなど)、イージスシステムとのインテグレーションなど少々面倒な要素があるのも、アップグレードしにくい事情の1つかもしれません。

艦載型UAVの取得(p16)

UAVの取得が進んでいますが、艦載型、それも小型と書いてあることから、多くの護衛艦に搭載できそうな感じです。

これは護衛艦などに登載することで、SH-60K/L哨戒ヘリを補間するものと思われます。哨戒ヘリ取得数の減少との絡みもあり、どう運用されるか、どのようなセンサを積むのかが注目ですね。サイズ的には、護衛艦のヘリ格納庫にSH-60K/Lと一緒に収まるくらいなのでしょうね。どうやって離着陸するか、カタパルトのようなものを使うのかもしれません。

衛生通信網の整備(p18)(補足:p41)

多国間の衛星通信帯域共有枠組み対応機材整備、これは西側の同盟国の衛星通信を活用することで、ワールドワイドでの活用を目論んでいるようですね。
次期衛星通信の整備も始まるようですが、トピックは既に練習艦「かしま」「しまかぜ」で運用されている商用低軌道衛星通信機材の整備ですね。

写真を見ると気づく人もいると思いますが、この商用低軌道衛星通信とはStarlinkです。
練習艦から先に導入されたのは、新人海上自衛官の退官阻止が狙いと思われます。というのも、今やスマホを使った情報社会ですが、艦艇勤務では従来個人携帯は使用できず、専用の通信回線で家族などと文字でのメールが出来る程度しかなく、情報隔離されていました。これに耐えられない新人隊員もそうですが、中堅どころもやはり情報から遮断される勤務に耐えられざず、退官者や艦艇勤務を避けるといった傾向が近年増えているようです。
もちろん、機密の観点から作戦中の情報統制はされるかと思いますが、ではどこからの作戦で情報統制するか、通信の秘密と機密の観点のバランス、難しいですしね。

以下背景はp41にも書かれています。

p41より抜粋

これで多少の隊員の精神的な改善が期待できればいいのですが。

共通戦術装輪車(p22)

16式機動戦闘車をベースとした三菱重工製の共通戦術装輪車のシリーズとして、89式装甲戦闘車の後継として24式装輪装甲戦闘車が正式化されたようですね。同様に96式自走120mm迫撃砲の後継として、24式機動120mm迫撃砲、そして87式偵察警戒車の後継として、まだ正式化されていないものの偵察戦闘型が計画されていて、これまでバラバラに開発されていた車両を、ベース車から派生させることで、開発コストを抑えているようです。

96式装輪装甲車はフィンランド製のパトリアAMVが後継車両となりましたが(日本製鋼所がライセンス生産)、こちらは三菱重工が開発していたため、系統としては別になりますね。

これにより、国産車両の空洞化は避けられたかな。全て国産である必要はないと思いますが、かといって全て海外に頼るのも調達の面でよろしくないですからね。

次期初等練習機の取得(p24)

航空自衛隊のT-7初等練習機の後継機取得が具体化してきています。

T-7練習機は富士重工製(現スバル)で、2000年に取得が決まった際は、対象機種としてスイス製のピラタスPC-7も候補に出ていました。
今回、スバル製となるのか、はたまたピラタスになるのか興味深いですが、イメージのシルエットがどう見てもピラタスです(笑)
恐らく、ピラタスPC-7シリーズまたはPC-21になるのではないかと見ています。
世界的に練習機は共通化が進んているので、個人的にはスバルが手掛けることは、ライセンス生産や整備であり得るかもしれませんが、一から作る、あるいはT-7の改良型の線は薄いのかなと思っています。

23式艦対空誘導弾(p29)

ずっと「新艦対空誘導弾」の名称でしたが、なんと去年正式化されていた!? 24式ではなく23式艦対空誘導弾となっていて、これがミスタイプとかでなければ、去年公表された試験艦「あすか」からの発射シーンは、既に正式化されていたとなりますが、どうなんでしょうね?

このミサイルは03式中距離地対空誘導弾(改)をベースとしており、火器管制レーダーによる中間指令誘導と最終的にミサイル自身のアクティブレーダー誘導による攻撃が可能で、恐らく次期FFMから搭載されるでしょうね。
米国製ESSM(発展型シースパロー艦対空ミサイル)より長射程化されていると思われますが、これにより米国製システムを登載するイージス艦は搭載兵装も米国中心とする一方で、国産の汎用護衛艦の系列、新型FFMやそれに続くDDXはミサイルも国産化が進むのでしょうね。この辺り、海上自衛隊の艦艇は2系列の装備でバランスを取っている感じですね。

予備装備品の維持

従来航空機を除いて、自衛隊の装備品は寿命いっぱいまで使い切って廃棄とされてきました。
しかし陸上戦では、例えばウクライナ紛争では、陸軍大国のロシアは古い戦車も活用しています。旧式化した装備でも、使い方によっては有効な戦力になることが証明されていますし、そもそも装備数が少ない自衛隊の兵器を少しでも維持する方向になってきたのは一定の評価をしたいですね。

昨年度いっぱいで全車退役した74式戦車は、現有の16式機動戦闘車と共通の105mm砲弾が使用可能ですし、90式戦車も列強の戦車の中では決して古い装備ではありません。米軍のM1エイブラムス戦車は、初期型は90式戦車より古いですが、現在も改良されて運用されているように、90式戦車はまだまだ有効活用できる車両です。
MLRSも然りで、これらが廃棄ではなくモスボールされるのは、いわば「備え」なんですよね。いよいよ中国の脅威が差し迫っているとも言えます。

水中発射型垂直発射装置の研究(p34)

これも具体的なイラストは初めてかな? 潜水艦発射型の垂直発射装置。
サイズに余裕がある米海軍の原子力潜水艦と違い、通常動力潜水艦にはサイズ的な限界があります。日本の最新の「たいげい」型は、世界的に見ても通常動力型としては最大級ですが、VLS(垂直発射装置)を登載するということは、必然的にその区画は全階層がミサイルで埋め尽くされることになります。

イメージ図では、セイルの後方にVLSがありますが、潜水艦の場合、この区画にエンジン、モータ、蓄電池があります。
こちらのページのイラストが参考になります。もちろん船体を伸ばせば不可能ではないのですし、弾道ミサイル原潜は、ロシアのタイフーン級を除くとセイル後方にミサイル区画がありますが、これはミサイルが大きく発射機を重心位置を中央に配したいためでしょうね。タイフーン級は例外ですが、船体が世界最大級に大きく、セイルを広報に回しても余裕があったからかもしれませんね。
VLSは実際はセイルの前方に設けられるのではないかと思います。米海軍の攻撃原潜のバージニア級も、セイル前方にVLSを装備しています。搭載数も多くないので、前方のほうが合理的に感じますが、さてどうなるやら。

川崎重工が独自に作成したイラストは、セイルが後方に、ミサイル区画は前方と思わせる構造に

川崎重工が2023年12月に独自作成したコンセプト案のイラストでは、セイルを後方に、ミサイル区画は前方になっています。そして海自潜水艦はうずしお型以降セイルプレーン(セイルの横についている潜舵)を採用してきましたが、これが船体側の先代に戻っています。セイルが後方になったことにより、潜舵の効きを維持するため船体側に移動させています。
個人的に、このイラストのほうが現実的に感じますが、韓国のKSS-IIIは通常動力潜水艦ながら、セイル後方にVLS6セルを搭載しているようです。色々考え方があるんでしょうね。

組織改編(p51)

かなり大掛かりな組織改編が入るようです。

陸上自衛隊は武器学校などが統合され、後方支援学校が新編されます。
海上自衛隊では、何と護衛艦隊と掃海隊群が統合されて自衛艦隊となり、その直下に水上艦隊、さらに水上艦群、水陸両用戦機雷戦群、哨戒防備群となります。これは大きな変化で、特に水陸両用戦機雷戦群は、海兵隊のような役割を担うのか注目です。
航空自衛隊では宇宙作戦群が宇宙作戦団が新設され、そこに3つの宇宙作戦群がぶら下がる形になります。
指揮系統の改善が図られるとよいですね。

かなり詳細に書かれていますので、安全保障の観点からも一度目を通しておくとよいでしょう。