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お盆休み、リビングのエアコンの清掃を行う

お盆休み始まりましたが、今回はお盆休み中に帰省しないのと、天気が悪くて撮影日和とも言い難いので、部屋の掃除でもするかとなりまして、最近ちょっと冷えが悪いリビングのエアコン掃除するか~となりました。

ダイキンのうるさらMRSシリーズ、12年モノ

我が家のリビングのエアコンは、ダイキンのうるさら、12年前自宅を建てたときに買ったもので、転勤で東京に来た際に持ってきました。
フィルターの清掃は一応毎年行っていて、今年もフィルター清掃しようと思ったら…ルーバーの多くが見えてしまったんです。ルーバーを外したのですが…

グロ画像ですみません。これ以上近くで撮るのはやめました。黒カビびっしり、ルーバーにもその奥にも。そしてファンにはホコリと油汚れとカビの複合体…。こりゃやばいぞ。

カバー外しました

注:私はメカ電装のエンジニアなので、この手の分解は慣れていますが、分解は知識を必要としますので、安易に分解清掃せず、プロに任せましょう

ここからは意を決して本格清掃モード突入です。去年、コロナ感染した際に、寝室のエアコンを清掃しましたが、あちらはシャープのフィルタ自動清掃がかろうじてついている比較的安価な機種、こちらは当時のフラッグシップ、中の構造が全然違います。ぎっしり詰まっているし、全部バラそうものなら、電装品も全て外さなければならない。これでは1日仕事になりそうなので、写真の通り、カバーのみはずしました。ルーバーも、メカニカルリンクの外せるところはできるだけ外しました。

カバーは油汚れを中性洗剤で洗浄

外したカバーは中性洗剤で洗浄。なにせ12年の油汚れは、外から拭いたところで中の手の届かないところはきれいにならないですからね。

スチームとエアコン洗浄剤でホコリとカビを落とす

ここからは本格洗浄モード。洗い流した汚れをキャッチするゴミ袋を取り付けました。

まずはファンとルーバーに中性洗剤をかけて、スチームクリーナーで汚れを浮かします。スチームは、手持ちの安いものだとちょっと弱いですね。次買い替える時は程々に強力なものにしたいです。ファンはホコリがぎっしりなので、回転させながらブラッシング。かなり頑固でした。

プロは高圧洗浄機を使いますが、うちにはないので、市販のエアコンクリーナーを吹き付けます。これで浮いたカビをスプレーの洗浄液の圧力で一気に流します。流れた洗浄液は下の袋に溜まっていくようにしていますが、完全に漏れを防げないため、下のテレビなど家電やフロアは養生しています。そうでないと水濡れ被害が出ます。

もう面白いほどにカビ汚れが出てきます。今までカビを吸っていたかと思うとゾッとしますね。こうなる前にやるべきでした。反省。

こんなに汚れが!

見てください。洗浄液が流したカビとホコリと油汚れ。袋の中は真っ黒の液体が😰
お掃除機能がついているからと油断しましたが、いくら内部クリーン動作があっても、取り切れない水分やホコリでカビが繁殖するんですね。

洗浄後は、明らかに冷えが良くなり、何より送風の強さが増しました。そりゃあごっそりホコリが付いて入れば効率も落ちますね。
これからはまめに清掃しようと思いました。

Courrègesのスーツケースのキャスターを交換した

妻が20代の時に買ったCourrèges(クレージュ)のスーツケース、既に20年を超えていますが、今度娘の塾の夏季合宿で使うのに出したら、キャスターのゴムが劣化してボロボロになってしまっていたとのこと。

キャスターは車軸がカシメ(リベット)になっているタイプで、そのまま外すことができません。
このため、金鋸で車軸をゴリゴリ削ってカットしました。金鋸は100均で買いましたが、何相手が頑丈なので、今回の4本の車軸切断でグニャグニャになり廃棄です。まあ100円なので、1回使えればよいです。
スーツケース用の耐荷重の高いキャスターだけに、車軸も直径6mmのニッケル合金と思われ、切断は時間を要しました。

金鋸でシャフトを切断して取り外し

ドリルがあれば、ドリルでカシメのハット部分を削ってしまえば簡単なのですが、キャスターの取付部がプラスチック製なので、削って破損させるリスクもあるので、車軸カットが安全かと思います。時間がかかりますが。

キャスターはAmazonで購入。
元のキャスターは直径が40mm、幅17.5mm、シャフト(車軸)が直径6mmだったので(ノギスで測って概ねそのくらい)、それに合ったキャスターを探しました。

ところがPrimeのAmazon倉庫発送で、注文翌日に届いているはずが3日たっても届かず。ステータスは出荷済み。
Amazonよりメールで、出荷の問題で配送ができないとのこと。
合宿が迫った全日、注文したらその日に着くという別のキャスターを慌てて注文。これも届かなかったら、スーツケースを買いに走らなければ…と思いましたが、何とか届きました。

こちらは当然、カシメではなく(カシメは専用のプレスが必要)、ボルト留めなので、またキャスターがだめになっても、交換は容易になります。
色は合っていないけど、キャスターなので黒でも違和感はないですね。

多少シャフトの横幅は合わないのはご愛嬌。ガタはないので良しとします。
ボルトもネジロック剤が塗布されていますし、固めに締めておけばまず緩まないでしょう。

何とか娘の夏季合宿に間に合いました。娘はコロナ過もあって、年齢にしてはちょっと遅めの、入院以外では初めての家族とではないお泊りです。気を付けて行ってらっしゃい。

スローパンク? 自転車の虫ゴムを交換してみた、が…

通勤に使っている嫁車の電動アシスト自転車。後輪は、3年ほど前にタイヤとチューブも交換しましたが、やはり2,3年使っていると発生するトラブル、パンクです。
ただ、明確にすぐ空気が抜けるというよりは、かなりゆっくりと抜けていく感じです。
パンク修理する前に、まずは簡単にできる、そして案外見落としがちな、虫ゴムの交換をしてみることにしました。

虫ゴムとは?

ママチャリのタイヤチューブに空気を入れるための英式バルブ

多くの自転車に採用されている、タイヤチューブに空気を入れるための英式バルブ、上の写真だとオレンジ色のゴムキャップの部分を外して空気を入れますが、このゴムキャップの左にあるローレット加工されたナットは、ゴムキャップを外しただけで空気が漏れてこないようにするための逆止弁のついたバルブを固定しています。
この中に、虫ゴムという逆止弁があり、このゴムが劣化すると逆止弁の働きが弱くなって空気が漏れます。

空気がゆっくり抜けていくスローパンクの場合、もちろんチューブにごく小さな穴が空いている場合も多いですが、このバルブの虫ゴム劣化も疑われます。
パンク修理は手間がかかりますが、虫ゴムは安価で簡単に交換できるので、まずは虫ゴム交換を行ってみました。

キャップを外し、更にローレット加工されたナットを外すと、虫ゴムの付いたバルブが露出しますので、これを抜き取ります。タイヤの空気が一気に抜けます。

外したバルブ類と新しい虫ゴム

ホームセンターで買ってきた交換用虫ゴム、概ね200円前後で売っています。写真の商品はゴムとキャップだけですが、バルブとセットになったものもそんなに高くはないので、バルブごと変えてもよいかと思います。

古いゴムをバルブから外した

まずは古いゴムを外しました。引っ張ったら裂けました。確かに劣化はしているようです。安いものなので、1,2年で定期交換してよいでしょうね。

新しいゴムを挿入

新しいゴムをバルブに挿入します。結構硬めで嵌めにくいです。裂けないように、ゆっくりねじ込んでいきます。
あとはバルブをチューブに差し込んで、ナットを着けて空気を入れるだけです。
ちなみに、虫ゴムレスのスーパーバルブもあるので、定期交換が面倒ならこれに交換してしまうと、チューブの寿命まで交換しなくて済みそうです。

交換して、通勤で1往復してみましたが…ダメでした。やっぱり空気抜けてきてる。これはチューブの方ですね。ってことで素直にパンク修理します。とほほ…

嫁車の電動アシスト自転車のFブレーキシューを交換した

一生懸命旧車のMiyata Ridge runnerのメンテナンスをしていますが、実はその割にあまり乗っていなくて、通勤と親子スイミングへ通う際には嫁車の電動アシスト自転車を使っています。車も嫁車なら、自転車も嫁車がメインです(笑

そんな電動アシスト自転車も11年使っています。コロナ禍で自転車通勤に切り替えて、昨年度までは子供の保育園送迎もしていたので、その走行距離と坂道の多い通勤ルートでのブレーキの負荷たるや!
新車時からのブレーキもかなり減っていたので、交換しました。

本当はロードバイク用? SHIMANO R50T2

今回取り付けたのはSHIMANOのR50T2です。本来はロードバイク用で、シングルピボットブレーキのママチャリには合わない、という話もあるのですが、まあとりあえず着けてみました。

実は買ったのはだいぶ前で、交換しようと思いつつすっかり忘れていまして(汗
一般的なママチャリ用のブレーキシューと違うのは、ボルトの取付座面が球面座となっていて、取り付け角度調整ができることでしょう。一般にママチャリのリム部分は角度が垂直に近いようですが、この機構があれば、ぴったりリムの角度に合わせられますし、少しトーイン気味にすることで、回転するホイールをブレーキシューが挟んだ際に、ピッタリ面で当てることができるようになります。

ブレーキレバーを握ってリムにシューが軽くあたった状態でボルトを締めればOKです。角度を微調整したければ、少しボルトの締付けを弱めて微調整も可能です。
タイヤに当たらないよう、またリムからはみ出ないよう調整して完了です。

さて通勤で使ってみましたが、制動力は以前より少し向上したかな?程度ですが、コントロール性が良くなったように感じました。ブレーキレバーの握り具合にリニアに追従する感じ。あとは雨の日の制動力がどの程度か気になりますね。

内装3段変速機が不調なので部品交換&調整をした

嫁車の電動アシスト自転車、ほぼYamaroの通勤車になって数年、今年度になって保育園への子供の送迎ミッションは完了しましたが、送迎にも使っていた際にかなり自転車に負荷がかかっていたのと、購入から11年経過して、あちこちガタが出てきたので、メンテナンスをチマチマ行っています。
今回は前回のチェーン交換と前後ブレーキワイヤ交換に引き続き、内装3段変速機の部品交換と調整、フロントブレーキシューの交換を行いました。

内装3段変速機の変速不調

時々ギヤ飛びが発生する内装3段変速機。ママチャリなど軽快車に採用されている内装3段変速機は、ロードバイクなどの外装式の変速機と比較すると、調整項目が少なくて手間の掛からない変速機ですが、それでも経年とともに不調になります。
ギヤ飛びの理由はわかっていて、プッシュロッドが規定の位置にないと、内装ギヤの切り替えが上手く行かず、歯飛びを起こしたりします。

プッシュロッドの位置調整は以前から行っていましたが、それでも時々ギヤが飛ぶので、今回はプッシュロッド自体を交換してみることに。

内装3段変速機のプッシュロッド(写真中央の棒)

ママチャリに多く採用されている内装3段変速機(4段や6段も存在します)は、ハンドルにある変速レバーを切り替えることで、ワイヤを引っ張られプッシュロッドを押し込む構造です。2速にした際に、プッシュロッドに記されているラインがちょうど隠れる位置に調整することで、ギヤ飛びなく変速できます。
ただ、このロッドの動きがスムーズでないと、変速がうまくいかないのです。
今回はこのプッシュロッドを交換してみます。
まず上の写真のように、プッシュロッドを押し込む機構の変速ワイヤを外して、ロッドに当たらない位置に動かしておきます。

SHIMANOの内装3段変速機用交換プッシュロッド(81.85mm)

このような金属棒とバネの組合せの部品です。プッシュロッドは、押し込みは変速機のワイヤが引っ張られることで、カムがロッドを押し込むのですが、逆にプッシュロッドの戻り方向は、プッシュロッド自体のスプリングの力に依存します。このスプリングのヘタリや、プッシュロッド自体の曲がりも変速不良の1つとして考えられるので、交換することに。お値段も500円台(執筆時点)と安いですし。

プッシュロッドは引っ張るだけで簡単に抜ける

プッシュロッドは手でまっすぐ引っ張れば簡単に抜けます。硬い場合はペンチでまっすぐ抜きましょう。曲げてしまうと途中で折れるかもしれないのでご注意を。

上が外したプッシュロッド、下が新品

写真上が外したプッシュロッド。黒いのは内装ギヤのモリブデングリースだそうです。ちょっとこのグリースをおすそ分けしてもらって、新品に塗って挿入しました。
作業としてはこれだけです。
ちなみにプッシュロッドの長さは2種類あるようで、うちのチャリンコは81.85mmでしたが、ここ数年の車種では、少し長い86.85mmのタイプもあるようなので、事前に調べる必要があります。長くなったのは変速ギヤ飛びを防ぐため、余裕を持ったギヤ配列にしたからみたいですね。

新品のプッシュロッドを入れて、2速の位置の調整

新品プッシュロッドを入れたらカムの位置を戻して変速ワイヤをカムに引っ掛けます。あとは2速にして、プッシュロッドのラインがちょうど隠れる位置に変速ワイヤの長さを調整します(このあたりの調整方法は検索すれば出てきますので割愛)。

これで変速がスムーズになりました。変速自体も剛性感があり、やはりプッシュロッドのスプリングのヘタリはあったようですね。
フロントブレーキシューもついでに交換。写真は…撮り忘れましたw

ブレーキの調整も行って走り出すと、ブレーキも変速機も剛性感が高くなり、ママチャリはあちこちゆるいなと思っていたけど、ヘタっていただけというのがよくわかりました。
ここまで劇的に変化があると、やっぱりちゃんとメンテナンスしないとだめなんだなと反省。今後はしっかり定期的にやりたいですね。

カメラレンズのプラスチックマウントに対する反響が大きかったので考察してみた

プラマウントのレンズたち

先日、デジカメWatchに掲載された、NIKKOR Z 26mm f/2.8の開発担当者に聞いてみた、という記事内にて、プラスチックマウント(以下プラマウント)についての開発者の見解が書かれていました。

陳: 個人的な印象ですが、プラマウントのメリットがまだ浸透していないなと思います。見た目で“金属マウントがいい”という話になりますが、機能としてはプラマウントもクリアしていますから、安心してお使いいただけます。

石上: レンズ着脱の回数をしっかり考えて、プラマウントと金属マウントは同じ耐久試験を行っていますから、安心です。

https://dc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1483668.html

プラスチックと一括りで言っても、そのプラ材料は無数にあり、そして常に進化しています。10,20年前の常識が通用しないこともあります。
実はYamaroは前職で、プラスチックなど材料系の強度試験、熱劣化試験、絶縁試験、耐候性試験などの仕事をしていたため、材料屋ではないですが、多少はその辺の知識はあります。
今は直接材料系の仕事はしていませんが、研究開発の過程で様々な材料に触れる機会があります。長くこの仕事をしていると、プラスチック材料の進化に驚かされることもしばしばです。

一般に、金属と比較してプラスチックは、強度や耐久性に劣る、摩耗しやすい、紫外線劣化しやすい、と言ったイメージを持たれていることが多いです。
しかし、そういったネガティブな部分は、材料の進化とともに解消されており、物によっては金属を上回る性能を有するものもあります。
ただ、世間一般には、まだまだ浸透していないのも事実です。
この記事を見て、こんなツイートをしてみたところ、わりと反響がありました。

プラマウントに肯定的な意見もあれば、ネガティブな意見もありました。そして、わりとプラマウントにネガティブな意見が多かったように感じます。
もちろん、古くは真鍮、そしてアルミやステンレス合金など金属のほうが安定した材質であり、光軸の僅かなズレが結果に影響を及ぼそレンズにとっては、金属マウントが安心であるのは理解できます。
一方で、金属マウントはレンズ全体の重量増を招くのも確かです。

プラマウントは割れやすい?

プラマウントのトラブルでよく聞くのは、マウントが割れてしまったという話です。ただ、通常のレンズ交換で割れてしまうということよりも、外部からの衝撃(落としたぶつけた)で破損させてしまう事例のほうが多いようです。
この場合、金属であれば衝撃で割れることは稀ですが、金属の場合はその衝撃がレンズ鏡胴に伝わるため、どちらかというとレンズ鏡胴自体を破壊してしまう可能性があります。
プラスチックは、きっかけがないとそう簡単に割れることはありません。
部品が分離してしまうほどではない衝撃を過去に受けて、ごく僅かなクラック(割れ)が発生し、そのまま使用することで疲労蓄積して、最終的にクラックが広がってしまうのは、レンズマウントに限らずプラスチック製品全般であることです。
また軽い衝撃であれば、適度にしなることで衝撃を吸収できるメリットもあります。
使っているうちに割れてしまったプラマウント、レンズ装着時にカメラマウントにガチャガチャぶつけたりしていませんか? 衝撃が蓄積され、疲労破壊することも考えられます。」

金属は、特にマウントに使われるステンレスなどは、ちょっとした衝撃で割れることが少ないため、この点では確かに金属マウントのほうが強いといえますが、衝撃自体はプラマウントも金属マウントも、落としたりぶつけたりすればレンズのどこかに伝わります。マウントは金属でも、それ以外にプラスチックを多用しているレンズが多い昨今、他にダメージが行く可能性は高いです。

ということで、割れる原因には外的要因といった理由でしょう。。
Nikonの開発者が言う、プラマウントと金属マウントは同じ耐久試験を行っている、という発言からも、実用上、プラマウントと金属マウントに大きな耐久性の差はないようです。

それでも、パンケーキレンズのNIKKOR Z 26mm f/2.8が金属マウントを採用したのは、

——金属マウントを求める声は常にありますが、それはどのような理由からですか?

石上: “プラマウントは安っぽい”という、デザインや見た目からの理由が多いです。レンズも決して安い買い物ではありませんから、金属の頑丈でしっかりしたイメージが安心感に繋がるのかなと思います。

https://ameblo.jp/ayumuhito12/entry-12531673915.html

とあるように、主に質感とデザインで選択したとのことです。
同じ値段を払うなら、プラマウントより金属マウントの方を選ぶでしょうし、私もそうします。ただ裏を返すと、このサイズ、この重量のレンズであれば、実用上プラマウントでも問題ない、ということなのでしょう。
特に重量面では、軽量コンパクトが売りのパンケーキレンズでは、金属マウントはプラマウントより重量がかさむので、プラマウントのほうがメリットは大きいと思いますが、ここでは金属マウントの質感を優先したということなのでしょう。

プラマウントは摩耗しやすい?

実際プラマウント使っていて気になるのは摩耗です。確かに、プラマウントを見てみると、摩耗粉のようなものは見られますし、削れているようなものがなくもない気はします。

写真は、左がPanasonicのLUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.、右上がNikonのAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR、右下がNIKKOR Z 40mm f/2です。
白っぽくなっているのは確かに摩耗粉かも知れませんが、一方でマウントに着いた汚れの可能性もあります。プラマウントは色が黒の場合が多いためか、このスリアとはどうしても目立ってしまいます。
金属マウントの場合、多くはシルバーで、汚れや擦り傷は目立ちにくいです。しかし金属マントもよく見ると、黒い汚れや摩耗粉のようなものは見受けられるのです。
金属マウントでも、頻繁に交換した場合は摩耗が発生します。カメラ側のマウントは金属ですが(近年はステンレスが多い)、レンズ交換頻度の多いカメラはカメラ側のマウントも摩耗し、オーバーホールなどで交換対象になることもあります。
金属も摺動を重ねると摩耗するわけですから、プラマウントが金属マウントと比較して一概に摩耗しやすいとは言い切れないです。プラマウントの場合、表面にコーティングすることで摺動抵抗を減らすことも出来ます。
やり方によっては、プラでも耐摩耗性を金属以上にすることは可能です。もちろん、それはコストにも関わってくるので、プラもあまりに耐久性や強度にこだわりすぎると、金属マウントより高価になってしまいます。
この辺り、プラマウントと金属マウントのいずれを選択するかは、特性やレンズの価格で変わってきます。要はバランスです。

最近はカーボンを含有させたプラスチックのように、金属を超える特性のものもありますが、仮にそういったものを採用すると、現時点では金属マウント以上に高価になります。マウントだけ耐久性を高めても、鏡胴を含めた耐久性や強度も考慮に入れる必要があるので、結局のところ、見た目とコストのバランスでプラか金属の選定をし、更にプラでもその種類とコストを天秤にかけて材質を選定しているのでしょうね。

見た目の質感、破壊強度と耐久性のバランスは金属マウントに分がある

NIKKOR Z 26mm f/2.8は、見た目と質感で金属マウントが選ばれましたが、それ以外にも各メーカーとも、多くのレンズは今も金属マウントが採用されています
ある程度重量やレンズの全長が長くなるほど、重心位置がカメラから離れるために、よりマウントに荷重がかかります。
また、耐久性の高いプラスチック材料はコストが金属マウントよりかかる場合もあります
こうした点から、まだカメラマウントは金属が主流です。

——金属マウントとプラマウントでは、想定するレンズ交換の頻度や、レンズ自体が使われる想定年数に違いがありますか? 使っているうちにマウント部の角にスレが出て悲しいという声もあります。

石上: 高級レンズでは、耐久性ではなく主に破壊強度の面で金属マウントが選ばれます。高級レンズは重くなる傾向があり、プラマウントでは耐えられないレベルの重さになる場合があるからです。

https://dc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1483668.html

耐久性でプラマウントと金属マウントに差はないが、重量のあるレンズは破壊強度の点で金属マウントが選択される、ということです。
破壊強度とは、材料が破壊するときの応力で、引張強度・圧縮強度・せん断強度など複合要因が関わってきます。
例えば重量級の超望遠レンズは、そもそもの重量が大きく全長も長いため、重心位置からのモーメントによりマウントに掛かる荷重が大きくなります。

単純に破壊強度だけを見ると、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は一般的な金属並み、あるいはそれらを超える強度を持っていますが、仮にこの材質をレンズマウントに採用すると、ステンレスの金属マウントより高価になってしまいます。
また、耐久性の面で言うと、湿気や繰り返し応力負荷による破壊特性が読めないということもあり、総合的なバランスでは金属マウントに分があるということになります。

もちろん、見た目のや質感の良さでも金属マウントが選ばているわけです。質感という点では、まだまだプラスチックは金属に追いつけないですね。

プラスチックの進化は続く

プラスチックの進化は日進月歩で、20年前の常識が通用しなかったりします。
2001年に発売されたAF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6Gは、NikonのNikkorレンズでは初めてプラマウントを採用したレンズ(1995年のおもしろレンズ工房でプラスチックマウントは採用されているが、Nikkor銘ではない)のしたが、当時も当然プラは弱いのではと懸念されたものです。
そして、この当時採用されたプラスチックよりも、現在のプラマウントに採用されているプラスチックのほうが、遥かに優秀になっていることは間違いないでしょう。

2001年にプラマウントを採用したAF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G

AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6Gは発売から20年以上経過し、廉価なズームレンズだったことからか、レンズマウントが割れているという記事もいくつか見かけましたが、少なくともこの時代からはプラスチックは進化していますし、廉価ズーム故にぞんざいな扱いを受けて衝撃により割れてしまったケースもあったでしょうね。

炭素繊維強化プラスチックも、弱点を克服し、コストも安くなれば、将来的にレンズのマウントに採用される可能性もなくないでしょうし、既に炭素繊維複合材はカメラのボディにも採用されたりしています。
将来的にはプラマウントの採用事例は増えるのではないかと思います。

紫外線劣化は気にする必要ないのでは…

おまけ。あえてツイートを晒すのはなんなので、画像だけにしておきますが…

紫外線に晒すとボロボロ…、まあずっと屋外に出しっぱなしにしていたらそうかも知れませんが、レンズマウントを直射日光に何日も晒すシチュエーションってありえないのでは?」
レンズマウントの耐候性はわかりませんが、一部のプラスチックは紫外線に弱いのは事実です。耐候性を考慮したプラスチックとそうでないものは差が出るのも確かです。
よくプラの洗濯バサミをずっと外の物干し竿につけっぱなしにしておくと、1,2年で表面が白っぽくなり、パキパキに割れてしまうことがありますが、それとて外に出しっぱなしで1,2年ですからね。カメラレンズを、ましてカメラに装着した状態ではマウント部が直接日光に当たることはないです。気にしすぎですね。
それを言ってしまうと、カメラやレンズの外装にも、多くのプラスチックは使われていますから。

ちなみに、自動車の外装部品、あるいは住宅の外配管など、屋外で長期間紫外線にさらされるようなものに使われるプラスチックは、耐候性試験を行い、紫外線劣化が発生しづらい材質を使っています。
もう20年以上前、私が試験屋だった頃は、紫外線劣化の促進試験のため、サンシャインウェザーメーターという試験機でプラスチック製品の試験をしていたことを思い出しました。

古くからある促進耐候性試験の1つで、カーボンに電気を流し、強烈なアーク光を試験サンプルに当てる試験です。内部では更に水を噴霧して、雨が降った直後に晴れる、と言った環境も再現しています。
今はカーボン交換は自動化されていますが、昔はカーボンを定期交換していました。カーボン交換の必要のない、キセノンランプを使用したウェザーメーターもありますが、カーボンアークは紫外線スペクトラムを多く含み、かつ半世紀以上の長きに渡る実績があることから、現在でも使われているようです。
プラスチックの一部は、こうした環境試験に耐えるものも存在します。

まあ、紫外線でプラマウントが劣化したなんてのは聞いたことがないですから、一般的な使い方、保管方法で紫外線劣化を気にすることはないです。

電動アシスト自転車のバッテリのセルバランス崩れが発生したため交換した

子供の保育園と送迎で使っているPanasonicの電動アシスト自転車、元々妻のですが、今は自分がメインで使っています。
もう10年前以上に買った自転車で、途中妻が仕事で使っていたため、大容量バッテリを追加購入していました。

元々が3.1Ahという容量の低いものに対し、13.2Ahと大容量で、これ1本で通勤で1週間充電しなくても走れる容量でした。
ところが、コロナ禍で電車通勤を完全にやめて、自転車通勤に切り替えたので、この2年バッテリを酷使したのもあり、容量自体が新品時の半分程度になってしまいました。
Panasonicの自転車の場合、メーカーは非公開としていますがバッテリチェックボタンを長押ししていると、バッテリの劣化度(最大容量)がわかります。

  • 長押し5つ表示…新品時の容量80~100%
  • 長押し4つ表示…新品時の容量60~80%
  • 長押し3つ表示…新品時の容量40~60%
  • 長押し2つ表示…新品時の容量20~40%
  • 長押し1つ表示…新品時の容量0~20%

あくまでもメーカー非公開情報で目安です。
数年間使ったバッテリ、距離もかなり乗ったので、最終的には長押し3つの状態となり、通勤で1週間充電しなくてよかったバッテリは、3日程度で空になるまで劣化していて、そろそろ買い換えないとなぁ、でも4万円以上という高額で悩んでいたら、ついに充電器にかけたところ、こんな表示になってしまいました。

仕事でリチウムイオンバッテリを扱っていたので、なんとなくピンとは来たけど、セルバランス崩れということです。

これはリンク先のPanasonicのページに書いてあるように、バッテリ内のセルが劣化した状態で、こうなるともう充電不可能で使えなくなります。
自転車のバッテリに限らず、多くのリチウムイオンバッテリは、内部に1つではなく複数の筒型の乾電池のようなバッテリが並列接続されています。
リチウムイオンバッテリは非常にデリケートで、並列接続されているバッテリセルの電圧が均一になっていないと、電圧の低いセルに電流が流れてしまい、発熱、最悪発火の可能性があるため、バッテリセルの電圧は厳密に制御されています。

このバッテリセルの電圧は、バッテリの劣化でばらつきが大きくなり、ある程度であればバッテリ内部のバランサーによって、電圧差をなくすように充放電する制御回路が入っていますが、この制御でもセルのバランスが均衡に出来なかった場合は、上の動画のようにセルバランス崩れ(それを最終的に直せないくらいにセルが劣化した)となります。

残念ながら、これは寿命です。

ラクマで中古良品を購入

新品があまりに高価なため、同じ型式ではないけど、今の自転車に使える型式で劣化度が少ないものを、ラクマで調達してみました。

長押しで5つ表示

長押しで5つ表示、つまり新品時の80%以上の容量があります。
実際搭載して走ってみたら、通勤1往復で1,2メモリ減っていたのが、1つも減らないくらいに持ちます。新品当時の感覚と同様です。
あと半年もしないで、子供の保育園卒園で送迎もなくなりますが、まだしばらくは自転車通勤したいと思っているので、後2,3年は乗れそうだな。

本当は自分の自転車も買い替えたいんですけどね~

Nikonと潜望鏡

Nikon(旧日本光学工業)と旧海軍、及び現在の海上自衛隊のの結びつきは非常に長く、というより国産兵器の光学系の国産化を目指して設立された会社なので、当然と言えば当然ですが、現在でも、海上自衛隊の潜水艦に搭載されている光学潜望鏡はNikon製です。

上の写真は、2008年に行った海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」の退役潜水艦「あきしお」に搭載されていた光学潜望鏡で、1984年製とあります。ゆうしお型潜水艦「あきしお」は1986年に竣工していますが、その2年前に調達されたようですね。
塗装の質感や、塗装が剥がれて真鍮が見えている感じが、Nikonの初代一眼レフ、Nikon Fを彷彿とさせます。

光学潜望鏡と電子潜望鏡

潜水艦の潜望鏡は、潜水艦物の映画なんかでよく見かけますが、潜水艦内の発令所に設置されています。その上には、潜水艦特有のセイルがあり、潜望鏡は使用時にセイルの上に伸ばして、海中の潜水艦から会場の様子を見ることが出来ます。

海上自衛隊初代潜水艦「くろしお」(旧米海軍ガトー級ミンゴ)の模型 中央の2本の筒状のものが潜望鏡とその格納部分

潜望鏡は常に露出しているわけではなく、使用しない時は、潜水艦の艦内に格納します。潜水艦は海中に深く潜航するために、強靭な鋼の船体(耐圧殻)を持ちますが、潜望鏡が通る部分は船体に穴を開けているわけですから、ここから如何に水漏れさせないかが最大の課題でした。
光学式潜望鏡の場合、潜望鏡を格納しても、ある程度の光学系は長さを必要とするため、格納時は発令所より下の部分まで格納スペースを必要とします。
これが光学式潜望鏡長年のデメリットでした。内部に複雑な光学系とミラーがあるため、格納スペースを要しました。
上の写真で分かるように、潜望鏡の筒は船体の下まであるのがわかります。

しかし、スチルカメラの世界と同様に、近年は潜望鏡のデジタル化、ミラーレス化がなされています。
21世紀に入って、電子潜望鏡とよばれる、デジタルカメラや赤外線などの各種センサを搭載した潜望鏡が登場しました。これらは筒の上部にカメラやセンサが搭載されているため、従来の潜望鏡のようにミラーはなく、潜望鏡で見た画像は艦内のモニタに表示可能です。このため、耐圧殻を光学系が貫通する必要もなくなっています。デジタルなので、映像をデータに残すことも可能です。
もっとも、従来の光学潜望鏡も、カメラを取り付けてデータを残すことは可能ですが。

海上自衛隊では、1世代前のそうりゅう型から、従来の光学潜望鏡(Nikon製の13m光学潜望鏡B型改5)にプラスして、電子潜望鏡として、英タレス社製CMO10を三菱電機がライセンス生産した非貫通式潜望鏡1型を搭載しています。

そして最新の潜水艦たいげい型では、ついに光学式潜望鏡はなくなり、非貫通式潜望鏡1型改1にプラスして、三菱電機製(光学系はNikon製)の光学センサA型が採用されています。主契約は三菱電機のようですが、光学系はNikonのようですね。
国産の電子潜望鏡が英国製より良ければ、次の世代では搭載品が変わるでしょうね。

寝室隔離中なので、寝室のエアコンを洗浄した

新型コロナで長女が脱水となり先週入院、そして日曜に退院後も、まだ暫くは自宅内隔離中です。
寝室なのでベッドしかなく、ベッドの上で過ごすのはフワフワするので、何をするにも腰が痛くなって仕方ないですね。

そしてふと気づいたのが、寝室のエアコン、カビだらけじゃん…。
今年で10年目のエアコンです。フィルタの清掃をしていても、プラズマクラスターがついていても(シャープ製です)、やっぱりカビるのね…。
リビングのダイキンのうるさら(11年目)も汚れているけど、ここまで盛大にはカビてないぜ、ってくらいカビています。

これはもう分解して清掃するしかないと思い、筐体をバラします。

楽にできる程度に分解

本当は電装品を外して、完全分解したいところですが、病み上がりの体故に、ちょっとジョジョみたいな体勢になっているだけでクラクラきます。いや体力落ちますね室内にいると。

運転後の内部クリーンも設定してありますが、それでもこれだけカビが発生するとは…。寝室なので、どうしても湿度が溜まりやすいというのもあるかもしれません。
寝室のエアコンは、室外機がかなり離れた別のベランダに設置のため、構造的に換気機能付きのエアコンが入れられず、安いモデルしか設置できないのです。
これ、換気機能付きの上位機種なら、もう少しカビもマシだったかも…。とは言え、10年使えばこんなものですね。

ここからひたすら、スチーム洗浄機でカビを飛ばしては拭き取り、の繰り返しです。
プロの清掃業者だと、すっぽり袋で覆った上で、高圧洗浄機で洗い流すようですが、専用の袋などが必要なので、ゴミ袋をぶら下げて、スチーム洗浄機でチマチマ清掃です。
それでも真っ黒で、とてもお見せできないようなファンもルーバーも、かなり綺麗になりました。
そして、やっぱりもう1段階強力な、ケルヒャーあたりのスチーム洗浄機、欲しくなりましたね。

3時間程かかりましたが、きれいになりました。
ただ、リビングのエアコンも自力でやるのはしんどいですね。この秋には、プロに洗浄してもらいたいです。あの値段、払う価値ありますよ。

Hondaのウェルカムプラザ青山に行ってきた

HondaのASIMOと言えば、ヒューマノイドロボットの先駆者ですが、2022年3月末で展示終了ということ、また先日3月16日に逝去された、Hondaの2輪・4輪レースなど日本のモータースポーツ界に貢献したレジェンド、高橋国光氏の追悼展示を見に、港区のHondaウェルカムプラザ青山に行ってきました。

息子と一緒にHondaウェルカムプラザ青山へ

高橋国光氏の追悼展示

中央には、1961年のロードレース世界選手権の第2戦、西ドイツGPで日本人として初めて、高橋国光氏が優勝となった際のマシン、「RC162」が、右の赤いマシンは1995年のル・マン24時間レースで、GT2クラス優勝を獲得した「NSX-GT2」、左の青いマシンは2018年ににスーパーGT500クラスのシリーズタイトルを獲得したTEAM KUNIMITSUの「RAYBRIG NSX-GT」が展示されていました。
晩年まで日本のレース界で活躍した高橋国光氏のご冥福をお祈りいたします。

ASIMO開発の歩み

以前はツインリンクもてぎ(最近名前が「モビリティリゾートもてぎ」に変わったらしい)に展示されていましたが、歴代のHondaロボットが展示されていました。

最初は足だけのロボットだったのが、大きくなって胴体が着いて、2000年にASIMOがデビューしました。当時まだ学生でしたが、ASIMOのデビューは衝撃的でしたね。初めて実物を見たのは、2004年のここ青山でしたが、感動したものです。
そのASIMOも、3月いっぱいて展示終了だそうです。

息子氏、何だか気に入ったようで、2回連続でASIMOのデモを見ていました。

車・バイク・パワーショベル

ショールームだけに、Hondaの車やバイクも展示されています。

シビック、サイズ感が良いですね。ミニバンに慣れていると、視点もぐっと低いです。いいのだけれど、ちょっとお値段高いよね。シビックで300万円台後半って、昔乗っていたアコードより100万円も高い!
N-BOXはさすが売れているだけあります。軽にしては質感も良いし、後席も広い。
ヴェゼルは、デザイン優先なのかな? 天井が低くてガラスの高さが狭くて、チョッパーみたいな車な印象。内装はおしゃれでいいのにね。

面白いのは小さなパワーションベル、もちろんHonda製ではなくKOMATSU製なのですが、バッテリがHondaの電動バイクなどに使用するモバイルパワーパックを採用しているそうです。息子はこれがお気に入りで、ずっと乗っていました(笑)

というわけで、割と楽しんできました。

そして写真編集していて気づいた、ずっとZ 9の設定、DXフォーマットにクロップしていた…。広角レンズも使っているのに、何だか画角狭いよな~って思ったら(笑)。これ何とかしないとなぁ。