2021年12月24日の発売からまもなく4年のNikon Z9。概ね4年ごとに大きなモデルチャンジがあるのがNikonのフラッグシップ機の慣習でしたが、現時点(2025年12月執筆時点)で時期モデルの具体的な噂はなく、逆にAPS-CセンサのD500のミラーレス版であるZ90なる噂も出ています。
個人的な予想ですが、先にZ90なる機種が出て、Z9 IIは早くても2026年秋頃なんじゃないかな? 早くても2026年春に開発発表かな? 何の道今の自分には買えませんが…。
ということでもうしばらくZ9は使っていきますし、何ならほぼ毎週使用しています。
そんなZ9の久しぶりのファームウェアアップデート、C:Ver5.30が公開されました。メジャーバージョンはVer.5のままですが、大型アップデートと言って差し支えない内容となっています。
■ 静止画撮影関連
• [AF エリアモード]の設定が[シングルポイント AF]、[ダイナミック AF(S)]、[ダイナミック AF(M)]、[ダイナミック AF(L)]の場合でも、被写体検出を行えるようになりました。
• AF エリアモードの[ワイドエリア AF(C1)]および[ワイドエリア AF(C2)]で設定できる AF エリアの範囲を拡張しました。
• ピクチャーコントロールに[フラットモノクローム]と[ディープトーンモノクローム]を追加しました。また、フレキシブルカラー機能に対応しました。
• [オートキャプチャー]に[撮影後のフォーカス位置リセット]を追加しました。また、被写体検出対象に[顔]を追加しました。
■ 動画画撮影関連
• [AF エリアモード]の設定が[シングルポイント AF]の場合でも、被写体検出を行えるようになりました。
• AF エリアモードの[ワイドエリア AF(C1)]および[ワイドエリア AF(C2)]で設定できる AF エリアの範囲を拡張しました。
• ピクチャーコントロールに[フラットモノクローム]と[ディープトーンモノクローム]を追加しました。またフレキシブルカラー機能に対応しました。
• [オートキャプチャー]に[撮影後のフォーカス位置リセット]を追加しました。また被写体検出対象に[顔]を追加しました。
• [動画撮影メニュー]> [ハイレゾズーム]を[ON]に設定している場合、カメラが被写体を検出すると撮影画面に被写体検出枠が表示されるようになりました。
■ 再生関連
• 再生メニューと再生時のi メニューの[フィルター再生の条件設定]に[日付]を追加しました。
• 動画再生時のiメニュー項目に[ループ再生]を追加しました。
• 再生メニューに[再生中の画面自動回転]を追加しました。
■ 操作関連
• [カスタムメニュー]> a10とg6に[被写体検出の有効設定]を追加しました。
• [カスタムメニュー]> a14[MF 時の絞り開放Lv]が a15[絞り開放Lv]に変更になりました。
• [カスタムメニュー]> a17[フォーカスリミッター設定]を追加しました。
• [カスタムメニュー]> f2[カスタムボタンの機能(撮影)]および g2[カスタムボタンの機能]に割り当てられる機能として、[フォーカスリミッター]と[被写体検出設定の循環選択]を追加し、[撮影機能の呼び出し]と[撮影機能の呼び出し(ホールド)]それぞれに個別の設定を登録できるようになりました。また[拡大画面との切り換え]に[400%]を追加しました。
• [カスタムメニュー]> f3[カスタムボタンの機能(再生)]に割り当てられる機能として[編集前の画像へジャンプ]を追加しました。
• [カスタムメニュー]> f11[内蔵 TC での撮像範囲切換]を追加しました。
■ ネットワーク関連
• [ネットワークメニュー]>[FTP サーバーと接続]で設定済みの接続設定に、説明文を追加できるようになりました。
• [ネットワークメニュー]>[FTP サーバーと接続]>[オプション]に[NTP サーバーによる日時同期]を追加しました。
• [ネットワークメニュー]>[カメラと接続]に[著作権情報の上書き]を追加しました。
• マスターカメラから同一ネットワーク上に存在しているリモートカメラを検出して接続できるようになりました。
• [ネットワークメニュー]>[USB]に[USB ストリーミング(UVC / UAC)]を追加しました。
■ その他
• 静止画撮影時の被写体捕捉などのオートフォーカスの動作や安定性を改善しました。
• NX Tether などアプリケーションからの操作で、静止画でもプリセットマニュアルによるホワイトバランスの取得が出来るようになりました。
• 音声メモを録音するときに外部マイクを接続していると、その外部マイクを使用して録音できるようになりました。
• 外部モニターなどの HDMI 機器と接続したとき、動画の撮影終了時に映像出力が途切れない仕様に変更しました。
• 動画の撮影中に i メニューからヘッドホンの音量を変更できるようになりました。
• [再生メニュー]>[画像の自動回転]を[ON]に設定しても、動画は自動回転しないように仕様を変更しました。
• [画像編集]にある[RAW現像]にピクチャーコントロールの機能として、[フラットモノクローム]、[ディープトーンモノクローム]を追加しました、またフレキシブルカラー機能にも対応しました。
• マルチセレクターまたはサブセレクターでフォーカスポイントを移動中に、移動する方向を変えても移動速度が遅くならないように仕様を変更しました。
• [カスタムメニュー]> g14[ビューアシスト]を[ON]にした際の階調特性を変更しました。
• 動画撮影時に画像モニターに[ヒストグラム]または[ウェーブフォームモニター]を表示した状態で[カスタムメニュー]> g2[カスタムボタンの機能]に[撮影メニュー切り換え]を割り当てたカスタムボタンを押すと、画像モニターに表示される誤記を修正しました。
かなり盛り沢山なのと、同じセンサや処理エンジンを使用するZ8には反映されていない内容もあります。
Z9とZ8は同じように見えて結構中身は違いのでは?と思わせます。ファームウェアの作り方も異なるのでしょうね。
早速アップデートしました。

100MB近いファイルなので、アップデートは数分程度かかりました。
シングルポイント・ダイナミックAFでも被写体検出できる
これは面白い機能追加です。
シングルポイントAFは選択したポイントでのみAFを行うモードですが、これに被写体認識? どういった場合に有効なのかな?
大まかにポイントを決めて、後は被写体検出に任せる、限られたポイントのみで被写体検出したい。そういう使い方ができるのかな?
そしてダイナミックAFでも被写体検出できるように。
自分のように戦闘機など航空機撮影すると、はっきり言って被写体検出はあまりいらないので、割とダイナミックAFを使っている人は多いようです。
一眼レフのF5の時代からあるモードで、設定したエリアでまず測距、そこから外れたらその周辺で測距するモードですが、それに被写体検出が加わるとどうなるか?
アップデート後に試してみました。

部屋の壁の写真で試しました。確かに、エリアに被写体が入る(この場合はT4ブルーインパルスのコックピット)と、そこにAF枠が出てきますね。面白いですね。
これは次に息子のサッカーの試合や航空機撮影があった際に試してみたいと思います。
なお、被写体検出は各モードごとにON/OFF可能です。
地味に嬉しいアップデート
この機能が個人的に嬉しいかな。
外部モニターなどの HDMI 機器と接続したとき、動画の撮影終了時に映像出力が途切れない仕様に変更しました。
途切れると次に表示されるまでラグがあるので、途切れないのは助かります。こうした地味なアップデートも良いですね。
これ以外に、
静止画撮影時の被写体捕捉などのオートフォーカスの動作や安定性を改善しました。
というのも嬉しいですね。機械学習による学習データ蓄積によりこうした改善は各機種でされていくのかな?
実際のフィールド撮影でどの程度改善されているか、試したいと思います。