正月栃木に帰省した際に買ってきたお酒です。
今シーズンのお酒から、ラベルをリニューアルし、20年ぶりの大改革「江戸返り」を実施。古典的なラベルに戻るととも、全てを古来からの伝統的な日本酒の製法である生酛造りとしています。
従来のモダン仙禽シリーズも、装いを新たに「仙禽 MODERN」になりました。黒のシックなラベルになっていますね。
そして例年通り初槽は3種類、醪を搾り始めた最初の部分の「あらばしり」、そして中間にあたる「なかどり」、そして最後に加圧して搾り出した「せめ」となります。
今回は「せめ」を買ってみました。


一般に「せめ」は最後にぎゅっと加圧して搾り出した部分のため、凝縮された旨味や苦みもあり、あまり商品化されないことも多いのです。
「なかどり」が中間であるためにありがたがられますが、この「せめ」の部分を飲めるのは貴重です。無濾過生原酒です。
さてどんな感じかな?
生酒なので冷やした状態で。
まず上立香がメロン! これは子どもたちが開栓した瞬間に「メロンの香りがする」といったくらいにしっかりとメロンのような香りです。
口に含むと…「せめ」らしいか? いや、これが苦みはさほど強くなく、軽快なメロンの甘みとともに、酸味、旨味と続きます。旨味の膨らみが確かに「せめ」のお酒らしいとも言えるけど、苦みは少なめで荒々しさは皆無。むしろ繊細が出ています。これが「せめ」!?ってくらいにバランスが良い。これはすごいことです。ってことは「あらばしり」「なかどり」はどうなっているのか? 気になりますねぇ。
しかしこれほどメロンなお酒もなかなかないな。味わいに本当に角がないんですよ。これが「せめ」の部分だなんて信じられない。日本酒ファンほど「せめ」は苦み多い味わいと思いがちですから、ぜひ先入観を捨てて飲んでみてください。「なかどり」って言われても違和感ないくらいです。
それでいて食事の味を邪魔しないのも美点です。
今シーズンの仙禽、かなり期待できますね。これはスイスイ飲めるのですぐに無くなりそう(笑
通販でも買えます。古典的なラベルとは裏腹に味わいは決して古くなく、むしろ現代に合わせて進化していますよ。