これまで使っていたXperia 1 IIのカメラアプリPhotography Pro はSONYのαシリーズのUIを踏襲していて、スマホ本体の物理シャッターボタンと相まって、使いやすく気に入っていました。操作系は一眼ユーザーにとっては馴染み深いので、何だかよいもので撮っているような感じがします(笑
一応Carl Zeissレンズですし、スマホカメラとしては出来が良く、特段大きな不満はありませんでした。以前のXperiaに比べて、熱で落ちにくくなったのも良いです。ただ、やっぱり熱の影響は無視できず、真夏はカメラが使えないこともありましたが…。
今回初めでのASUS Zenfoneですが、カメラがどんなものか、ある程度使ってみたので、純正カメラアプリと共にレビューしましょう。
トリプルカメラの広角には6軸ジンバルスタビライザー搭載
搭載カメラは、アウトカメラは今となっては一般的なトリプルカメラ構成です
・5000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ジンバルスタビライザー&アダプティブEIS
・1300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.7mm相当/F値2.2)
・3200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4)
超広角カメラは、今や一眼カメラの一般的な広角ズームよりもさらに広角です。
インカメラは3200万画素カメラ (35mm換算:22mm相当/F値2.05)となっています。
メインカメラは5000万画素、これは手持ちの一眼カメラ、Nikon D850/Z 9/Z 8を超える数字です。もちろん、センサとレンズの小さいスマホカメラですから、センサの大きい一眼カメラと同列には語れないでしょう。
「10倍ズームでも映像が荒れる心配はありません4!HyperClarity AIアルゴリズムでRAWファイルを直接処理することで、写真の細部を損なうことなく、被写体のありのままの姿を撮影可能。」
とあり、光学ズームではないものの、AIによるRAW画像からの処理により、10倍ズーム(メインカメラ比、135判換算238mm相当)に対応します。
標準カメラアプリは動画もスチルもPROモードも共通
これはXperiaも標準アプリはそうでしたが、PROモードは別アプリでした。ASUSのZenfoneは1つの共通アプリの中に標準カメラもPROカメラも統括されています。
この辺りは別アプリで操作性を差別化したXperiaに対して、あくまでカメラアプリは1つのアプリ内で完結させたいZenfoneとの差が見て取れます。
ただ正直操作性は、PROモード(写真)もPROビデオ(動画)も、操作しようとすると別の項目に触れてしまうなど、やや使い勝手は悪いですね。
PROモードでは、露出補正は驚くことに、1/3EV単位ではなく1/6EVと細かく設定可能。ただ一眼カメラでも殆どの機種は1/3EV単位なので、スマホレベルでそこまで細かく設定できる意味はあまりないかもしれません。むしろ細かすぎるのに操作性がシビアなのが残念です。
その他インターフェイスはPROモードでも一般的なスマホカメラアプリに準じていて、XperiaのPhotography Proのような一眼カメラライクな操作性ほどは良くはないかな、という印象。
PROモードでは、どの調整も円環風のUIを動かすので操作しづらい。ちなみにISO感度の設定を開くと、ISO25から設定できるのは地味に良いですね。XperiaはISO64からでした。
絞り機構のないカメラだけに、ピーカンの撮影で低感度を使えるのは良いですね。ただ、高感度はマニュアル設定でもISO3200と、やや物足りないです。もっとも多くのスマホ・カメラはISO3200程度までなんですけどね。
これはいいなと思ったのがホワイトバランスのマニュアル設定です。Xperiaはマニュアル設定でK(ケルビン)を指定することはできなかったのですが、このアプリでは可能です。直感的でよいですね。
RAW(DNG形式)でも撮影可能だけど、設定は分かりづらい
RAWは一見して純正カメラアプリで出来るのかわかりませんが、なぜか画像サイズ設定の中にあります。
RAWの場合はRAW+JPGしか選択できません。
まずはフラッシュなどの設定項目を出してから、更に設定モードを開く必要があります。
設定項目からさらに「カメラ解像度」を開くと、一番下にRAW+JPGという項目があります。
解像度設定でありながら、メインカメラではフルの50MP以外は8MP主体となり、アスペクト比の設定、全画面表示、RAW+JPGと続き、なんだか一貫性に欠けますね。この辺りがカメラメーカーとは一線を画すカメラアプリですね。とにかく分かりづらいです。
フォーカスポイント表示は今一
ここが一番純正カメラでの不満な点ですが、XperiaのPhotography Proのような、被写体検出時の細かいAFエリア表示がない事ですね。
瞳認識時の表示もなく、ここはカメラメーカーでもあるSONYとPC/IT機器専門メーカーのASUSとの違いが出ています。
顔認識した時の枠が太すぎる気がしますし、四角い枠の角が丸められているのも、なんだかそれっぽくないんですよね。だめではないですけど
ただ、認識しそのものは正確で、ペットも認識するとのことです。ペットと言っても幅広いので、具体的にどの動物ならOKかNGなのかは不明ですが。
さて実写編は別記事で書きたいと思います。