防衛力抜本的強化の進捗と予算 -令和7年度概算要求の概要-を読む

8月30日、防衛省より発表された「防衛力抜本的強化の進捗と予算 -令和7年度概算要求の概要-」は、日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わり、自衛隊もそれに対応すべく大きく変化し始めたことを端的に示している内容となりました。

こちらから資料を確認することができます。

令和6年8月30日付で公開された「防衛力抜本的強化の進捗と予算 -令和7年度概算要求の概要-」

個人的なトピックを拾ってみました。

民間海上輸送力の活用(p8)

これによると、現在民間船による輸送は「ナッチャンWorld」「はくおう」の2隻でしたが、これが8隻たいせになるようです。

よくみると、「民間船舶6隻を確保」とあります。つまり「ナッチャンWorld」と「はくおう」を廃船し更新するのではなく、この2隻は継続使用(2025年までの契約なので契約更新)の上で、更に6隻を追加するものと読めます。
個人的には、ナッチャンWorldがまだ見られるのは嬉しい限りです。6隻の民間船は、これまでの2隻のような高速船なのか?、中古なのか新造なのかも気になりますが、契約期間や改修期間の短さから、中古の船舶と思われます。

2025年までの契約だったナッチャンWorldも契約更新される可能性が高い

潜水艦発射型誘導弾の開発・取得(p12)

文字情報のみですが、これまで開発だけだった「潜水艦発射型誘導弾」が、具体的な取得に踏み込みました。
これとは別に、垂直発射型の巡航ミサイルの導入も検討されていますが、垂直発射型はミサイルのみならず、発射する潜水艦本体からの設計が必要で、既存の潜水艦に導入不可能なので、現在最新の「たいげい」型潜水艦の次の潜水艦からの導入になるでしょう。
潜水艦発射型誘導弾は、従来の533mm魚雷発射管から発射可能なミサイルで、これまでのハープーンBlock IIでもGPSによる対地攻撃は可能でしたが、射程が短い(124km以上とされている)ので、より長射程のミサイルとなるはずです。

これに限りませんが、自衛隊の国産兵器は、開発期間が長く、開発完了して配備が始まる頃に陳腐化というジレンマがありましたが、近年は取得しつつ継続開発(改修)をしていくようになりました。これは他国なら当たり前のことでしたが、どうせ使わない戦わないという感じだった自衛隊の装備も、明日戦うかもしれない、という考え方に変わりつつあることを示しているように思いますね。

イージス・システム搭載艦(p14)

これ自体は既に公表されている装備ですが、今回具体的な船体イメージが出てきました。

AN/SPY-7アクティブ・フェーズドアレイレーダーが本来陸上配置だったイージス・アショア用ですから、かなりの大きさであることが分かります。
これまで日本のイージス艦は、4面のフェーズドアレイレーダーの上に艦橋がありましたが、イージス・システム搭載艦は艦橋より上にレーダーを配して、レーダーの視界を優先しています。レーダーが高い位置にあるということは、重心位置も高くなるため、復元性を確保する上で、船体も大型幅広になると思われます。

128セルのVLS(ミサイル垂直発射装置)を搭載、将来的にトマホークや高出力レーザー兵器を搭載予定となっています。
結局のところ、トマホークを登載するということは、能動的な攻撃も可能であることを示し、従来の護衛艦と同様な運用になってしまわないか懸念されるところです。本来は弾道ミサイル防衛のための装備ですが、それはあくまで表向きになりそうな…。

こんごう型イージス艦の後継艦の技術調査(p14)

ついに具体的に初代のイージス護衛艦「こんごう」型の後継艦の話が出てきましたね。

2015年の観艦式より、中央と右の艦艇がこんごう型イージス護衛艦

米海軍以外では初めて海外に売却が許されたイージスシステムを搭載した艦艇ですが、こんごう型は1番艦の予算化は1987年(昭和62年)、昭和なんですよね。
護衛艦「こんごう」の竣工は1993年(平成5年)で、既に艦齢は31年に達しています。従来であれば、もう後継艦が建造中で間もなく退役、という感じでしたが、護衛艦の艦齢は海外派遣の増加や予算不足もあり伸びる傾向にあり、従来30年に満たず退役していた艦艇も、軒並み30数年は運用する感じになっています。
実は「こんごう」型のベースとなった米海軍の「アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦」も、1番艦の「アーレイ・バーク」は1991年竣工で、まだ退役の具体的な予定は決まっていないようです。艦艇が長く使われる傾向は米海軍ですらそうなのだから、海上自衛隊はなおさらでしょうね。

「こんごう」型の具体的な除籍時期は決定していませんが、今から後継艦の技術調査となると、技術調査→予算化→設計→建造で概ね6、7年程度かかるとして、2032年前後なのかと想像します。それまでにイージスシステムのアップグレードは…恐らくなさそうですね。ここはアーレイバーク級の初期の艦と同様、ベースライン9へのアップグレードは検討してほしいところです。ただ、「こんごう」型は諸事情により米国製ではないオリジナルの兵装の割合も多く(イタリアの主砲、国産ソーナーなど)、イージスシステムとのインテグレーションなど少々面倒な要素があるのも、アップグレードしにくい事情の1つかもしれません。

艦載型UAVの取得(p16)

UAVの取得が進んでいますが、艦載型、それも小型と書いてあることから、多くの護衛艦に搭載できそうな感じです。

これは護衛艦などに登載することで、SH-60K/L哨戒ヘリを補間するものと思われます。哨戒ヘリ取得数の減少との絡みもあり、どう運用されるか、どのようなセンサを積むのかが注目ですね。サイズ的には、護衛艦のヘリ格納庫にSH-60K/Lと一緒に収まるくらいなのでしょうね。どうやって離着陸するか、カタパルトのようなものを使うのかもしれません。

衛生通信網の整備(p18)(補足:p41)

多国間の衛星通信帯域共有枠組み対応機材整備、これは西側の同盟国の衛星通信を活用することで、ワールドワイドでの活用を目論んでいるようですね。
次期衛星通信の整備も始まるようですが、トピックは既に練習艦「かしま」「しまかぜ」で運用されている商用低軌道衛星通信機材の整備ですね。

写真を見ると気づく人もいると思いますが、この商用低軌道衛星通信とはStarlinkです。
練習艦から先に導入されたのは、新人海上自衛官の退官阻止が狙いと思われます。というのも、今やスマホを使った情報社会ですが、艦艇勤務では従来個人携帯は使用できず、専用の通信回線で家族などと文字でのメールが出来る程度しかなく、情報隔離されていました。これに耐えられない新人隊員もそうですが、中堅どころもやはり情報から遮断される勤務に耐えられざず、退官者や艦艇勤務を避けるといった傾向が近年増えているようです。
もちろん、機密の観点から作戦中の情報統制はされるかと思いますが、ではどこからの作戦で情報統制するか、通信の秘密と機密の観点のバランス、難しいですしね。

以下背景はp41にも書かれています。

p41より抜粋

これで多少の隊員の精神的な改善が期待できればいいのですが。

共通戦術装輪車(p22)

16式機動戦闘車をベースとした三菱重工製の共通戦術装輪車のシリーズとして、89式装甲戦闘車の後継として24式装輪装甲戦闘車が正式化されたようですね。同様に96式自走120mm迫撃砲の後継として、24式機動120mm迫撃砲、そして87式偵察警戒車の後継として、まだ正式化されていないものの偵察戦闘型が計画されていて、これまでバラバラに開発されていた車両を、ベース車から派生させることで、開発コストを抑えているようです。

96式装輪装甲車はフィンランド製のパトリアAMVが後継車両となりましたが(日本製鋼所がライセンス生産)、こちらは三菱重工が開発していたため、系統としては別になりますね。

これにより、国産車両の空洞化は避けられたかな。全て国産である必要はないと思いますが、かといって全て海外に頼るのも調達の面でよろしくないですからね。

次期初等練習機の取得(p24)

航空自衛隊のT-7初等練習機の後継機取得が具体化してきています。

T-7練習機は富士重工製(現スバル)で、2000年に取得が決まった際は、対象機種としてスイス製のピラタスPC-7も候補に出ていました。
今回、スバル製となるのか、はたまたピラタスになるのか興味深いですが、イメージのシルエットがどう見てもピラタスです(笑)
恐らく、ピラタスPC-7シリーズまたはPC-21になるのではないかと見ています。
世界的に練習機は共通化が進んているので、個人的にはスバルが手掛けることは、ライセンス生産や整備であり得るかもしれませんが、一から作る、あるいはT-7の改良型の線は薄いのかなと思っています。

23式艦対空誘導弾(p29)

ずっと「新艦対空誘導弾」の名称でしたが、なんと去年正式化されていた!? 24式ではなく23式艦対空誘導弾となっていて、これがミスタイプとかでなければ、去年公表された試験艦「あすか」からの発射シーンは、既に正式化されていたとなりますが、どうなんでしょうね?

このミサイルは03式中距離地対空誘導弾(改)をベースとしており、火器管制レーダーによる中間指令誘導と最終的にミサイル自身のアクティブレーダー誘導による攻撃が可能で、恐らく次期FFMから搭載されるでしょうね。
米国製ESSM(発展型シースパロー艦対空ミサイル)より長射程化されていると思われますが、これにより米国製システムを登載するイージス艦は搭載兵装も米国中心とする一方で、国産の汎用護衛艦の系列、新型FFMやそれに続くDDXはミサイルも国産化が進むのでしょうね。この辺り、海上自衛隊の艦艇は2系列の装備でバランスを取っている感じですね。

予備装備品の維持

従来航空機を除いて、自衛隊の装備品は寿命いっぱいまで使い切って廃棄とされてきました。
しかし陸上戦では、例えばウクライナ紛争では、陸軍大国のロシアは古い戦車も活用しています。旧式化した装備でも、使い方によっては有効な戦力になることが証明されていますし、そもそも装備数が少ない自衛隊の兵器を少しでも維持する方向になってきたのは一定の評価をしたいですね。

昨年度いっぱいで全車退役した74式戦車は、現有の16式機動戦闘車と共通の105mm砲弾が使用可能ですし、90式戦車も列強の戦車の中では決して古い装備ではありません。米軍のM1エイブラムス戦車は、初期型は90式戦車より古いですが、現在も改良されて運用されているように、90式戦車はまだまだ有効活用できる車両です。
MLRSも然りで、これらが廃棄ではなくモスボールされるのは、いわば「備え」なんですよね。いよいよ中国の脅威が差し迫っているとも言えます。

水中発射型垂直発射装置の研究(p34)

これも具体的なイラストは初めてかな? 潜水艦発射型の垂直発射装置。
サイズに余裕がある米海軍の原子力潜水艦と違い、通常動力潜水艦にはサイズ的な限界があります。日本の最新の「たいげい」型は、世界的に見ても通常動力型としては最大級ですが、VLS(垂直発射装置)を登載するということは、必然的にその区画は全階層がミサイルで埋め尽くされることになります。

イメージ図では、セイルの後方にVLSがありますが、潜水艦の場合、この区画にエンジン、モータ、蓄電池があります。
こちらのページのイラストが参考になります。もちろん船体を伸ばせば不可能ではないのですし、弾道ミサイル原潜は、ロシアのタイフーン級を除くとセイル後方にミサイル区画がありますが、これはミサイルが大きく発射機を重心位置を中央に配したいためでしょうね。タイフーン級は例外ですが、船体が世界最大級に大きく、セイルを広報に回しても余裕があったからかもしれませんね。
VLSは実際はセイルの前方に設けられるのではないかと思います。米海軍の攻撃原潜のバージニア級も、セイル前方にVLSを装備しています。搭載数も多くないので、前方のほうが合理的に感じますが、さてどうなるやら。

川崎重工が独自に作成したイラストは、セイルが後方に、ミサイル区画は前方と思わせる構造に

川崎重工が2023年12月に独自作成したコンセプト案のイラストでは、セイルを後方に、ミサイル区画は前方になっています。そして海自潜水艦はうずしお型以降セイルプレーン(セイルの横についている潜舵)を採用してきましたが、これが船体側の先代に戻っています。セイルが後方になったことにより、潜舵の効きを維持するため船体側に移動させています。
個人的に、このイラストのほうが現実的に感じますが、韓国のKSS-IIIは通常動力潜水艦ながら、セイル後方にVLS6セルを搭載しているようです。色々考え方があるんでしょうね。

組織改編(p51)

かなり大掛かりな組織改編が入るようです。

陸上自衛隊は武器学校などが統合され、後方支援学校が新編されます。
海上自衛隊では、何と護衛艦隊と掃海隊群が統合されて自衛艦隊となり、その直下に水上艦隊、さらに水上艦群、水陸両用戦機雷戦群、哨戒防備群となります。これは大きな変化で、特に水陸両用戦機雷戦群は、海兵隊のような役割を担うのか注目です。
航空自衛隊では宇宙作戦群が宇宙作戦団が新設され、そこに3つの宇宙作戦群がぶら下がる形になります。
指揮系統の改善が図られるとよいですね。

かなり詳細に書かれていますので、安全保障の観点からも一度目を通しておくとよいでしょう。

【CASTELLO DI CIGOGNOLA】MORATTI CUVEE MORE Brut

ワインのことは全くわかりませんが(笑)、乳がんで入院していた妻が無事退院しましたので、祝杯を上げることにしました。
妻が入院中は自分も断酒していたので、久しぶりのお酒♪

【CASTELLO DI CIGOGNOLA】MORATTI CUVEE MORE Brut

って買ったのは妻なんですけどねw。時々カルディでやっているシークレットでいいのが当たったようです。
イタリアのスパークリングワイン、BRUT(ブリュット)は辛口を示し、ブパークリングワイン製造過程で添加するリキュールに含まれる糖分の割合が少ないそうです。

【CASTELLO DI CIGOGNOLA】MORATTI CUVEE MORE Brut

イタリアのロンバルディアのワイン。CASTELLO DI CIGOGNOLA(カステッロ・ディ・チゴニョーラ)、比較的若いワイナリーのようで、2000年に設立されたようです。
そう言えば、日本でもここ最近は温暖化で北海道にもワイナリーが増えてきているという話を聞きました。

白ワインとしては濃いめな色

香りはりんごを思わせる感じですね。海外のサイトを見ると、ビスケットの香り、なんて表記も見ましたが、鼻が悪い自分にはよくわかりません。ワインは葡萄だから葡萄の香りがする…というわけじゃないんですね。
口に含むと、辛口ではあるけれどさっぱりとした甘みと酸味が豊かですね。柑橘系の酸味を感じます。スパークリングですが、発泡感は程々で、炭酸でごまかしている感じはないですね。やすいスパークリングワインは、シュワシュワの発泡感でごまかしているものもあるけど、これはきめ細やかな印象です。後味はドライでさっぱりとしています。ザ・食中酒ですね。
色が濃いのは黒ブドウを主体としているからかな?
これは素直に美味しいワインです。いつも買っている千円代のワインとは流石に違うな~と思わせます。ワインは物によっては百万円を有に超えるものもありますが、一般庶民が買えるこのあたりがボリュームゾーンなのかな?

池袋のキリン堂薬局

昨日は人間ドックがあり、午前中池袋で受診していました。初の胃カメラ、苦しかったな(苦笑

その道中見かけた素敵な廃墟(十数年前に閉店とのこと)を見かけました。

落書きが残念ですが、古き良き昭和30年代の建物が今もこうして池袋の駅からすぐ近くに残っていることは驚きです。
店名のフォントといいネオン管といい、本当に古き良き昭和。

キリン堂薬局ですが、広島発祥と大阪発祥の2つあったようで、年代から後者の方ではないかと思われます。
薬剤師の名前が表札になっているのもまた時代を感じさせますね。

今でも取り壊されずに残っているのは何かしらの理由があるのでしょうけど、末永く残ってほしいと思いつつ、老朽化による崩壊もあるので、難しいところですね。


写真はZenfone 11 UltraでRAW撮影、1枚目は超広角、2,3枚目は望遠レンズですが、どうやら以前問題として挙げたRAWで撮影した際の階調不良は、望遠カメラのRAW撮影のみで発生している模様です。JPG画像は問題ない。これはASUSのサポートの報告しておこうと思います。改善されるとよいのですが。

【函館】山上大神宮

夏休みのこぼれ写真から。妻と函館山にある坂を巡っていて見つけた神社です。

山上大神宮

山上大神宮(やまのうえだいじんぐう)は、何と始まりが1368~1375年からという、北海道開拓以前からある歴史の長い由緒ある神社だそうです。
これ、自分が知らなかったように、地元の人でも知っている人はなかなかいないのではと思います。
何度か場所を移動し、現在の場所に建てられたのが1902年、現在の社殿は「昭和5年(1930年)6月に改築が始まり、同7年(1932年)3月に竣功」とあり、戦前からの歴史の長い社殿なんですね。

1932年に完成した社殿

知る人ぞ知る場所なのか、ちょくちょく人は参拝に来ていました。正月時期はそれなりに賑わうのかもしれませんが、駐車場があるわけでもなく、急な坂の上にあるので、一般観光客は来づらい場所だと思います。それが返ってよいのかもしれませんが。

函館山にあるので、函館湾もよく見えますね。
ありきたりの観光スポットに飽きた方、神社巡りがお好きな方、ぜひ訪れてみてください。

ナッチャンWorld 2024年8月の状況

既に夏休み中のブログに掲載していますが、改めてメインPCで再現像の上、一部写真追加して掲載します。

ナッチャンWorldは2008年5月に当時の東日本フェリーが青函航路(青森ー函館間)に導入したウェーブピアサー型高速フェリーです。
しかし、高速フェリーの常で、燃費の悪さとそれに伴う採算性の悪さから、定期航路としては半年程度で運行を終え、東日本フェリーは海運会社のリベラに吸収合併され、新たにスタートした津軽海峡フェリーでは、季節限定で運行していました。私も姉妹船のナッチャンRera含め、2回程度は乗船しましたね。

2024年8月、函館西埠頭に停泊する「ナッチャンWorld」が見える

2012年まで不定期運行後は係船されていて、防衛省に売却されるという噂もありましたが、結局2016年にPFI法に基づいて設立された特別目的会社「高速マリン・トランスポート」が保有することになりました。自衛隊の輸送も可能になった一方、民間にも貸出可能な船となって現在に至っています。
ただ、高速マリン・トランスポート社が防衛省と輸送契約を結んでいるのは2025年10月までと、あと1年強しかなく、その後の本船の動向が気になるところです。

近くで拝見しましたが、所有者が変わっても、高速フェリーとして就航した2008年から外観塗装は変わっていません。
おおよそ自衛隊の輸送に使用する船には見えないですね。米海軍も同様の高速船を所有していますが、軍艦と同様のグレー塗装です。

今見ても斬新な形状の船体は、ウェーブピアサー型と呼ばれる双胴船の一種で、船底の中央は空洞になっています

東日本フェリー~津軽海峡フェリー時代と違うのは、船尾に大型のタラップが追加され、専用桟橋を使わずとも車両の搭載が可能になったことです。
フェリー時代は、青森と函館のフェリー埠頭に、この高速フェリー専用のドイツ製の桟橋がありましたが、航路撤退と共に桟橋は撤去されています。
このため、現在はどの埠頭でも使用できるように大型タラップが設けられています。

船体の塗装はややヤレが見られますね。それでも就航当時の小学生が書いたオリジナルの絵柄を残しているのが良いですね。

2008年就航で、今年で16年目の船体、民間フェリーはおおよそ20年程度で売船されることが多いのですが、ナッチャンWorldはいつまで使われるのでしょうね?

日本の不動産王と呼ばれた川本源司郎氏が亡くなっていたと知った

最近廃墟、建築物関係のアンテナをあまり張っていなかったのですが、かつて日本の長者番付にも載るほどの不動産王(有名なのは銀座の丸源ビル)として知られた川本源司郎氏が、2024年2月に亡くなっていたことを知りました。

廃墟Explorer管理人の栗原氏のツイートの記事には、不動産王の川本源司郎氏が所有している熱海の別荘が荒らされている現状が書かれています。
この記事の過程で亡くなっていることが書かれていました。

一時は、総資産1300億円の不動産王として、名をはせた川本氏だが、2013年には巨額の脱税事件で逮捕され、実刑判決を受けた。
そして、出所後の2024年2月に亡くなった。

熱海の“伝説の廃墟”に不法侵入相次ぐ ソファ座りピース・無数の落書きも…不動産王「丸源ビル」オーナー別荘が無残な姿に(FNNプライムオンライン) – Yahoo!ニュース

川本氏が逮捕され収監されていた事は知っていましたが、出所したこととなくたったとの報道は知らなかったです。

Yamaroが川本源司郎氏と丸源ビルに興味を持ったのは、たまたま2016年7月、友人の結婚式で福岡に行ったときに、こんなビルを見つけてしまったからです。
旧ブログにリンクします。

旧上新川端ビル

【福岡の廃墟】上新川端ビル 

当時のブログの写真はやや小さい画像のため、再掲します。
旧上新川端ビルは撮影当時丸源ビルが所有していましたが、その後売却され、現在は再生されてギラギラのビルになっているようです。

ギラギラ過ぎて、前のビルの面影はほぼありませんね (^^;

しかしあんな古びた築50年超のビルが、建て替えではなくこんな姿に改装されるとは…恐るべし!
そしてアーケード側の看板に、未だベビーセンター福岡が残っているのですが、実は復活している? 法人格としては現存しているようですが。

丸源36ビル

福岡の光と影「丸源ビル」 

博多の丸源ビル36、ミロのヴィーナスらしき像が飾られた、ザ・スナック雑居ビルで、まさにこれが70年代から80年代を象徴していましたが、これがまさか21世紀でも現役だのが2016年。

そして今はどうなったかと言うと…

2022年には改装されている姿がストリートビューにあり、2023年には「三経建物93」にリニューアルされていました。三経ビルディングが現在の所有者のようですね。
管理物件のリストに「三経建物93」は存在しませんが(HPの更新が滞っているようです)、いずれ掲載されるかな?
看板が変わった程度で、外観デザインやミロのヴィーナスはそのままです。このまま、スナックビルとして今後もやっていくのでしょうね。

川本源司郎氏は、獄中で丸源ビルの売却を「丸源」の社長を任せていた人物に指示していたのでしょうか? 2023年10月から銀座の丸源ビルも相次いで売却したとされており、また同時期に出所したとされています。すでに高齢であることから、出所後死期を悟っての売却だったのでしょうか?
すでに丸源ビルは全て売却済みで、不動産の手に渡っており、今後改装または建て替えが進むのでしょうね。特に丸源ビルは築年数が経過しており、管理放棄されたような物件も多かったこと、また銀座の地価は現在も高いことから、建て替えが現実的かもしれませんね。

今後もその動向を追ってみたいと思います。


現代ビジネスのこの記事が、丸源ビルのその後について詳しいですね。

「銀座の大家」亡き後の「丸源ビル」衝撃の現在…3ヵ月で400億円近くのカネが動いた(伊藤 博敏) | 現代ビジネス | 講談社(1/4) (gendai.media)

8月はアクシデント頻発

8月、予定されていた妻の入院は別として、アクシデント頻発で正直凹み気味です。

嫁車のタイヤパンク(自分が悪い)、メインPCのグラボ死亡に続き、昨日は自転車でつんのめって顔から道路に落ちまして…

グロいのでぼかしています

顔が傷だらけ。メガネは吹っ飛んで破損。この前買った眼鏡ではなく古いのをつけていたのが不幸中の幸い(壊れたので幸いではないけど)。
ヘルメットを装着していたので頭部は助かった。これはヘルメットしていてよかった。その分、顎と鼻の下、左目の横を思いっきり擦ってしまいました。
しかし仕事で出張予定があり、自分で手当して出社。ガーゼや消毒薬などあって助かったです。ガーゼを当てた上からマスクを付けることで、パッと見の違和感はなし。

アクシデントは更に続き、出張に出ようとしていたさなかに自宅から電話。娘が頭痛い気持ち悪いと連絡。急遽出張は先輩に行ってもらうことになり、自分は午後休みにして帰宅。
娘は発熱もあり、病院に連れて行くと、まだ発熱してから早いので、とりあえず解熱剤のみ処方で様子見となりましたが、本日も熱は続いているのでまた病院です。

自転車の件は、ブレーキを掛けただけなのに、あんなに前につんのめるとは思わず、ブレーキ確認せねば。
車と自転車はいずれも不注意とは言え、本当にツイていないです。厄除けしたい気分です。

ということでブログもやや低調になりそうです。
妻は手術後の回復も順調で、予定より早く退院できるかも? 早く戻ってきて~(TдT)

妻が乳がんになりまして

タイトルの通り、先日妻が乳がんの診断となりまして、がん研有明病院にかかることになり、昨日無事摘出手術を終えました。

日本人の死因のトップを占めるのが悪性腫瘍(がん)

いきなり暗い話になってしまいますが、日本人の死亡原因のトップは悪性腫瘍、いわゆる「がん」がトップとなっていて、2022年の日本人の死因の1/4を占めます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdf

このうち、女性の悪性腫瘍の割合でトップを占めるのが乳がんとなっています。
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/14_breast.html

日本人の50%が、死ぬまでに何らかのがんになると言われています。
これは日本人の平均寿命が世界トップクラスであることも関係しているようで、高齢になればなるほど、がんのリスクは上がると言われています。寿命が長い→がんに罹る可能性も高い、ということのようです。
がんと判定されるくらい、きちんと健康診断を受けている割合も多い、とも言えますね。

症例1割前後の浸潤性小葉がんだった

当初、乳がん判定をした病院ではステージIでしたが、手術するにあたってはがん専門の病院である、東京ビッグサイトの向かいにあるがん研有明病院を選択。そこでの判定は、乳がんの中でも1割前後となる特殊型乳がんの1つである浸潤性小葉がんで、ステージIIAでした。

がん研有明病院


やはりがん専門病院は1歩踏み込んだ診断ができるようです。タレントの梅宮アンナさんも同じ症例で、ニュースで知った妻も驚いていました。

梅宮アンナ(51)、ステージ3Aの乳がん公表「父親もがんだった」抗がん剤治療後に全摘出手術へ(ABEMA TIMES) – Yahoo!ニュース

梅宮アンナ『浸潤性小葉がん』を専門医解説「ステージ1~3であれば完治目指せる」(東スポWEB) – Yahoo!ニュース

報道によれば、梅宮アンナさんはステージIIIAでリンパ節に転移もあったために、事前に抗がん剤治療を行い、全摘出手術を実施、乳房の再建は行わないそうです。
発見から治療まではスピーディで、父親の梅宮辰夫氏が各部位のがんを発症していたことから、がんには細心の注意を払ってたと想像します。
妻は幸い、手術までに抗がん剤や放射線治療の必要はなかったため、入院まで通常通りの生活を送れたのが幸いでした。再建は行いますが、摘出したがんとリンパ節移転などがないかの検査後となるため、また後日入院となります。

昨日手術のため終日立会、と言っても会える時間は手術前と手術後の極僅かで、何かあった際のための待機です。入院期間中の面会は不可能で、コロナ禍以降、感染症をできるだけ抑える措置のようですね。

手術は無事成功、リンパ節への移転はない(一安心)ことは確認されました。あとは切除したがん細胞の状況確認で、今後抗がん剤や放射線治療をするか否かの判断となりますが、まずは完治への第一歩は完了です。もちろん、今後もまだ再建などに向けた入院は必要となりますが、本当に良かった、ただただそれだけです。

子供2人もママがいない分多少は気を使っているのか、いつもより早起きだったり、ちゃんと宿題やったり(笑)
退院はこの後1週間から10日後ですが、早く帰ってきてほしいな~、ただそれだけです。

廃墟となった母の実家を見に行った

母方の祖母が亡くなって7,8年ほど経ちます。うちは両親とも青森出身で、父の実家は売却解体されて現存しませんが、母の実家は現存しているのは、Googleストリートビューで確認していました。

夏休みの函館帰省の際、青森到着時に時間があったので、様子を見に行ってきました。
最後に来たのは30年ほど前、正月の帰省の際に、そのお迎え準備をしていた祖父が、車に載せていたお米を持ち上げた際に心臓発作を起こし(元々持病があった)、ニトロ服用も間に合わず亡くなり、ここでお葬式を行いました。
その後、自分も高校生になり、母もここへは帰省しなくなりました。祖母もその後施設に入るようになり、そのまま施設で亡くなったため、この家は少なくとも10年以上使われていない状態です。

母方の祖父は大工もやっていたようで、実は2階部分の道路側は増築されています。よく見ると増築された2階部分は、元々あった部分より窓のサッシが新しいのがわかります。
その祖父は内装工事中に亡くなってしまったため、2階部分の一部は内装未完成状態でした。しかし当時から祖父母2人暮らしだったのに、何で増築していたかはわからず。
昔の田舎の家なので、親戚一同集まってもいいように広げていたのかな?
道路側のトタンの構造物はガレージで、これも祖父が1人で作ったものです。最後はここに車を停めた後亡くなったようです。

現在、母の姉夫婦が管理(物置代わりに)しているそうです。全国にはそうした事情の廃屋がたくさんありそうですね。
周辺の様子はこんな感じ、海に近い場所です。ここで帰省したときは釣りとかカニを採ったりしたなぁ。

この辺りの風景は30年前から大きく変わっていないです。子供の頃もっと広いと感じていたのですが、実際来てみるとそうでもないというのは、子供の頃の記憶あるあるですね。

Zenfone 11 Ultraのカメラを1ヶ月使ってみたのでレビュー【RAW写真編】

Zenfone 11 Ultraのカメラレビュー、最後はRAW画像です。
標準カメラアプリでは、カメラ解像度の設定からRAW+JPGを選択します。

RAW撮影は何故かカメラ解像度から設定する

生成されるRAWファイルの拡張子は汎用RAWデータの.dngとなります。今回はRAWデータを未調整のままAdobe Lightroom ClassicでJPGに変換し、ブログ用の解像度に落として出力したものと、個人的に調整したものを掲載しています。
また今回は基本的にメインカメラである5000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ジンバルスタビライザー&アダプティブEIS で撮影しています。

RAWデータの素の出力はかなりあっさりめの発色

息子のサッカーの練習試合の風景です。
まず未調整ファイル、解像度はしっかり5000万画素(50MP)あります。そして発色は相当あっさりめで、ある意味レタッチ向けな出力とも言えます。
ただカラー出力はフラットとは言えず、やや癖がありますね。
一眼カメラのRAW出力では、彩度はむしろ落とし気味にすることが多いのですが、このデフォルトの発色は相当あっさりめなので、彩度はかなり持ち上げて調整。
色々調整したものの、やや黄色っぽい発色となりました。

等倍で見た限り、手持ちのNikon Z 9/Z 8やD850の4500万画素を超える画素数とは言え、登載するイメージセンサは1/1.56型のSONY IMX 890センサ、流石に実際の解像感でフルサイズセンサと比較してはいけませんね。IMX 890は多くのミドルクラスからハイエンドスマホに搭載されている主力のセンサだけに、実力は悪くないはずです。後継のIMX 906も登場していますが、Zenfone 11 Ultraは先行するROG Phone 8をベースとしているため、共通した1世代前のセンサを採用していると思われます。
このセンサは、4画素をピクセルビニングにより混合して12.5MPで出力でき、JPGの場合はこれを使用していますが、RAWの場合は混合せず生データとして出力しています。

ただ、この画像を見て思ったのは、ピクセルビニングで生成した12.5MPのJPGのディテールの潰れっぷりは、RAWのJPG変換に関しては発生していないんですよね。

50MPの解像感はないけど、スマホ内生成のJPG出力より遥かにディテールは出ている

うーん、これを見る限り、50MPのRAWから”HyperClarity AIアルゴリズムでRAWファイルを直接処理”なんて謳っている割に、JPGのディテールの潰れっぷりは何なのかと思ってしまいますね。
これは想像でしかないですが、50MPのセンサ出力からピクセルビニングで12.5MPに変換した後に画像処理しているフシがあるんですよね。
確かにZenfone生成のJPGは小さな画面ではそれなりに解像感があるように見えて映えるので、ベタ塗りしてでもパッと見の良さを優先しているのかな?

感度が上がるとディテールとカラーバランスは崩れる

こちらは夜の電車を撮ってみたもので、ISO748まで上がっています。基本感度がISO25とわりかし低いセンサなので、ISO748はそれなりに高感度なんですよね、このセンサにとっては。

このデータはなかなか手強かったです。蛍光灯による緑被りをモロに受けていますが、さらに高感度ノイズ発生、暗所潰れにハイライト飛びもあります。
この緑かぶりが相当強く、ホワイトバランスだけでは調整しきれず。とにかく緑の成分が強く、他の色に乏しいんですよ。
最終的にLightroomのAIノイズリダクションで仕上げたのが調整済の写真です。RAWとは言え、無いデータは復元できないですし、カラーバランスの崩れを完璧には補正できないですね。
よく、RAWなら色味なんて後からどうにでもなるなんていうのは幻想に過ぎないのがわかります。

夜明けのSA、これはなかなか良く撮れている

驚くほどよく撮れたのがこちら。夜明けの花輪SAです。これは50MPセンサの出しうるディテールをなかなか良く出していると思います。
露出落とし気味で撮りました。

あっさり目の発色が良い方向に行っていますね、色の調整がこれに関してはしやすかったですね。
空にゴミのような黒い点が写っていますが、フルHDサイズではそう見えますが、等倍で見てみると…

よく見るとトンボが飛んでいるよ

細部表現はもちろん一眼カメラのセンサには敵わないとしても、ちゃんとトンボが飛んでいるのが分かるくらいにはディテールが出ています。木の葉もややシャギー掛かっている部分も見受けられるものの、どのみち素の50MPで使う用途なんてのはスマホに求めないので、解像度を落とした時にディテールがあればそれで良いです。
感度はISO25ですが、暗部はそれなりにノイズが出ていますね。ただ、このくらいは許容範囲でしょう。

スープカレーの美味しさを伝えるのは難しい

函館のスープカレー吉田商店にて。
1枚目は店内の様子。店内の木造とコンクリートの質感、よく出ていると思います。あっさり目の発色は、こうした調整に都合が良いですね。レタッチ向きの特性です。

2枚目はスープカレー。これが調整が難しくって。店内の電球照明、スープカレーの色、同じような色合いなので難しいですね。
感度はISO370、やや上がっているけど、この程度は許容範囲です。
こうした接写に近い撮影は、案外スマホのレンズの苦手な領域ですが、こうした撮影領域におけるモヤッとした収差の影響があまりないのはこのカメラのレンズの美点です。最近のスマホは接写の質が良くなってきましたね。

それにしても色を出すのはなかなか難しい。美味しいさを伝えるのは、ちょっとRAWをいじったレベルでは難しいです。

手ブレ補正の影響!?画像の下側の像が流れている

RAWとは直接関係ない話ですが、函館にある六花亭で撮った写真なんですが、写真の下側の像が流れてしまっています。

この現象はこれ以外にももう1枚あったのですが、原因不明です。
思うフシもあり、とっさに構えてさっと撮った際に、ジンバルスタビライザーが最大限に動作して、レンズの周辺を使ったせいではないか? 一般に、レンズは中心ほど解像度力が高く、周辺に行くに従ってその性能が低下していく事が多いのですが、近年レンズ交換式カメラのレンズは高性能で周辺も綺麗、更に手ぶれ補正を見込んでイメージサークルより広い範囲もカバーしているんですけど、強力なジンバル手ぶれ補正を備えたZenfone 11 Ultraも、最大限に手ぶれ補正を発揮するとこうなる?

像が流れる方向が画面の角ほど斜めになっていて、レンズ中心軸に向かう方向ではあり、やはり手ぶれ補正が最大限に動作した際のレンズの周辺性能限界が写っただけかな、と今のところ思っています。

像が流れる方向がレンズ中心に向かっているように見えるので、やっぱりジンバル手ぶれ補正が最大限に働いた時のレンズの限界かな?

でも、そうだとすると、なぜ下側だけなのか?左側はもっと像が流れないのかとか、思うところもありますが、左側はまだ最大限に補正されていないからなのかな?

いずれにしろ、スチルの場合はラフに撮らずしっかりカメラを構えよう、という基本は変わらないですね。

最後は望遠カメラ、JPGとの違いすぎるRAWを見よ!

最後に、3200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4) で撮ったRAWデータ。
こちらはZenfone 11 Ultraで生成されたRAW+JPGのデータをまず見てみましょう。

おいおい全然別物になってるよ!

本当に同時に生成された写真かと思いますが、同じタイミングです。あまりにも色が違いすぎますし、JPGのほうが実はわずかにトリミングされています。
雲は緑がかっています

これだけ違うのです

トリミングされている理由は不明で、RAWで撮影できる状態ではズームできないのです。
しかしRAWが素の未調整状態の色調だとすると、一体どうやって同時生成JPGの色合いに持っていけるのか?

調整してみました。結論から言うと無理でした
まずはLightroomでの調整結果を見てください。

シャドウは最大限に持ち上げて、何ならトーンカーブでも持ち上げてみたけど無駄でした。そこには真っ黒のデータしか残っていませんでした。でもZenfoneが同時生成したJPGは、暗部にちゃんと人影が写っているんですよね。このRAWにはまるで階調がないんですよ。

このRAWデータは本当にRAWなんだろうか? センサの吐き出した出力を全てデータ化しているのだろうか? いずれにしろ、Zenfone 11 UltraのRAWデータ、全データを残しているわけではない、もしくはJPGのみは複数枚撮影して合成しているとか、何かしらの違いはありそうです。
決して真っ暗な状況ではなかったんですけどね。明暗差が激しいとこうなってしまう?

ということで、Zenfone 11 UltraのRAW、一筋縄ではいかなそうですね。