【油長酒造】風の森 山田錦 807 笊籬採り

日本酒発祥の地、奈良県の油長酒造のお酒。その独自製法とこだわり、一升瓶をあえて出さない風の森の 笊籬(いかき)採りです。

【油長酒造】風の森 山田錦 807 笊籬採り

笊籬(いかき)採りとは、笊籬とは、網で組んだかごやザルのことを言うそうです。これにヒントを得て、油長酒造では金属製の網(スクリーン)をタンクに沈めることで、もろみから酒を浸透圧のみの無加圧で分離しています。従来の袋吊りでは空気に触れてしまうために酸化し、香りも失われてしまうところを、醸造タンク内で分離しそのまま上澄みを吸い上げて別タンクに移し、瓶詰めは窒素充填しながら行うという手間のかかる手法で、極力空気に触れずに瓶詰めまでを行っています。

これだけのことをしながら、決して高価ではなく手の届く値段で提供しているのも風の森の魅力です。だからこそ、ファンも多いのでしょうね。

【油長酒造】風の森 山田錦 807 笊籬採り

酒米は定番中の定番である山田錦。これを精米歩合80%と少ない削りで。無濾過無加水の生原酒です。瓶の中でもプチプチとわずかに発酵をしています。ラベルによれば、複雑味系、ドライ系みたいですがさてどんな感じかしら?

かなり透明に近い超薄黄色、プチプチがたまらん

開栓すると、ポン!と軽快な音が。ちゃんと冷やして落ち着かせた状態なら噴き出しはまずないと思いますが、線が飛ぶことはあるのでご注意を。
上立ち香は鼻があまり良くないでもわかるくらいに吟醸香がスス~ッと入ってきますね。
注ぐとシュワシュワ感が残っています。ああ風の森らしいな。口に含むと、いやぁ、これが本当に精米歩合80%7日と思うくらい入りはスーッと浸透します。プチプチ発泡も爽快さを引き立てます。まずは若いバナナのような甘味と酸味、後から苦みと雑味が来ますが、この苦味や雑味が心地よいくらいにスーッと浸透するんですよ。これが風の森の807シリーズの真骨頂ですね。
ラベルではDRY側にグラフの星がありますが、想像するようなドライ感よりはずっと甘みも感じます。やっぱり先入観は持っちゃいかんですね。
後味はスーッと引いていく、本当に複雑味すらも旨味に変えて、後味に全く引っかかりがないです。すごいお酒です。

普段あまり日本酒を飲まない方に飲んでもらいたいお酒ですね。


残念ながら笊籬採りは流通量が少ないんですよね。でも通常の807シリーズも十分に美味しいのです。これが精米歩合80%のお酒なのかって? 是非体験してみてください。